JPH11126971A - ガラスセラミックス配線基板の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミックス配線基板の製造方法

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JPH11126971A
JPH11126971A JP29276297A JP29276297A JPH11126971A JP H11126971 A JPH11126971 A JP H11126971A JP 29276297 A JP29276297 A JP 29276297A JP 29276297 A JP29276297 A JP 29276297A JP H11126971 A JPH11126971 A JP H11126971A
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和則 赤穂
Yoshiaki Yamade
善章 山出
Ichiro Uchiyama
一郎 内山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線幅が30μmというスクリーン印刷法では
不可能な微細パターンを持ち、基板との密着強度の高い
表層配線を有するガラスセラミックス多層配線基板を製
造する。 【解決手段】 内部配線12を有するガラスセラミックス
多層配線基板10にガラス粉末を含む金属ペーストを印刷
し、600 ℃以上の温度での予備焼成して基板上に金属層
14を形成し、この金属層の上にフォトレジスト層16を形
成し、このフォトレジスト層をフォトマスクを介して露
光および現像して、フォトレジスト層に凹部18を形成
し、次いで凹部18に露出した部分の金属層をエッチング
により除去して金属層に凹部20を形成し、金属層上に残
存するフォトレジスト層を除去して基板上に表層配線パ
ターン22を形成し、最後に600 ℃以上の温度で本焼成し
て、配線/基板間のガラス成分の相互拡散により配線の
密着強度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスセラミック
ス配線基板の製造方法に関し、より詳細には、微細な配
線パターンを有し、かつ密着強度の高い表層配線の形成
が可能なガラスセラミックス配線基板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上の配線パターンの一般的な
形成法は、金属ペースト(導体ペースト)を用いたスク
リーン印刷法である。スクリーン印刷法により形成され
る配線パターンの配線幅および配線間隔は60μm程度が
限界であり、この方法での配線パターンのさらなる微細
化は実質的には不可能である。
【0003】微細な配線を形成する方法として蒸着法お
よびスパッタ法が知られているが、これらの方法はプロ
セスが複雑で、かつ設備費用もかかるため、コスト面の
問題があった。このような背景から、スクリーン印刷法
では形成不可能な微細配線パターンをフォトリソグラフ
ィ技術を用いて形成する技術が注目されている。
【0004】特開平5−315754号公報には、Ag系内部導
体を有する低温焼成セラミック多層配線基板 (例、ガラ
スセラミックス多層配線基板) の表面にCuペーストスク
リーン印刷し、 600〜750 ℃でCuペーストを焼成した
後、得られたCu層をフォトリソグラフィ技術を用いてパ
ターン化することにより表層Cu配線を形成する方法が開
示されている。この方法によると、セラミックス基板上
に配線間隔30μm程度までの表層配線を形成することが
可能となるとの記載がある。
【0005】しかし、この方法では、焼成後のフォトリ
ソグラフィ技術によるCu配線の形成に必要な導体層(Cu
層)のエッチングやレジスト除去にアルカリ性または酸
性といった腐食性の水溶液を用いるため、表層配線と基
板との接合部が周囲から侵食され、表層配線の密着強度
が低下するという問題があった。また、この方法では、
内部配線にAg、表層配線にCuを使用するため、焼成中に
Ag−Cu金属間化合物が生成し、配線接合部の内部におい
ても密着強度が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スクリーン
印刷法では形成不可能な微細な配線パターン、密着強度
の高い表層配線を形成することができる、ガラスセラミ
ックス配線基板の製造方法を提供することを課題とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特開平5
−315754号公報に記載のようなスクリーン印刷とフォト
リソグラフィー技術とを組合わせた方法によりガラスセ
ラミックス配線基板上に微細な表層配線を形成する方法
において、スクリーン印刷時にガラス粉末を含有する金
属ペーストを使用し、焼成により生成した金属層をフォ
トリソグラフィー技術などを利用してパターン化し、表
層配線を形成した後、再び焼成を行って、表層配線中と
基板中のガラス成分を互いに拡散させることにより、上
記の密着強度の低下が防止され、上記課題を解決できる
ことを見出した。
【0008】ここに、本発明は、表層配線を有するガラ
スセラミックス配線基板の製造方法であって、(1) ガラ
スセラミックス基板上に、ガラス粉末を含む金属ペース
トを塗布または印刷し、(2) 600 ℃以上の温度での予備
焼成により基板上に金属層を形成し、(3) この金属層を
パターン化し、(4) 600 ℃以上の温度で本焼成を行っ
て、基板上に表層配線が形成されたガラスセラミックス
多層配線基板を得る、という工程からなる方法である。
【0009】上記の工程(4) における金属層のパターン
化は、フォトリソグラフィー技術を利用した方法、また
はレーザー加工法により行うことができる。フォトリソ
グラフィー技術によるパターンは一般に下記工程からな
る。
【0010】(a) 金属層の上にフォトレジスト層を形成
し、(b) フォトレジスト層を、表層配線に対応するパタ
ーン形状を有するフォトマスクを介して露光し、(c) フ
ォトレジスト層を現像し、(d) 現像によりフォトレジス
ト層が除去された部分に露出した金属層をエッチングに
より除去し、(e) 金属層上に残存するフォトレジスト層
を除去する。
【0011】好適態様にあっては、ガラスセラミックス
基板が、内部配線を有する多層配線基板であり、その内
部配線の金属と金属ペースト中の金属がいずれもCuであ
り、予備焼成と本焼成を 600〜1000℃の温度で行う。こ
の場合の本焼成温度はより好ましくは 850〜1000℃であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明について以下に添付図面を
参照しながら詳しく説明する。図1は、本発明方法にお
いて、金属層のパターン化をフォトリソグラフィー技術
を利用して行う場合の工程図である。
【0013】図1に示すように、内部配線12 (内部配線
にはビアも含む) を有するガラスセラミックス多層配線
基板10に、まずガラス粉末を含む金属ペーストを塗布ま
たは印刷した後、予備焼成して、基板10上に、ガラス粉
末を含有する金属層14を形成する [図1(a) 、工程(1),
(2)] 。
【0014】なお、本発明に従って表層配線を形成する
基板は、内部配線を持たない単層のガラスセラミックス
基板であってもよく、その場合には基板はスルーホール
だけを有し、このスルーホールには導体金属が充填ない
し被覆されている。本発明で用いる内部配線を有するガ
ラスセラミックス多層配線基板の構造、材質等は特に制
限されない。
【0015】ガラスセラミックス材料のガラス成分とし
ては、SiO2とB2O3とを主成分し、焼成中にほとんど結晶
化しないホウケイ酸ガラスのような非晶質ガラスに加え
て、コーディエライトガラス、アノーサイトガラス等の
ような焼成中に部分的に結晶化するガラスも使用でき
る。ガラスセラミックス材料のセラミックス成分は、通
常はアルミナであることが多いが、これに制限されるも
のではなく、ムライト、窒化アルミニウム、炭化珪素、
石英その他の酸化ケイ素結晶等の、他のセラミックス材
料もアルミナに加えて、または代えて使用することがで
きる。
【0016】内部配線の金属材料も特に制限されない
が、ガラスセラミックスのような低温焼成基板に一般に
使用されている金属種、例えば、Cu、またはPd、Ag、A
u、Pt等の貴金属およびそれらの合金 (例、Ag/Pd、Ag
/Pt) が好ましく、後述するように、表層配線と同じ
か、これと金属間化合物を形成しない金属であることが
特に好ましい。
【0017】内部配線を有するガラスセラミックス多層
配線基板の製造方法についても特に制限はないが、通常
はグリーンシート多層積層法により製造される。但し、
厚膜多層印刷法といった他の方法でガラスセラミックス
多層配線基板を製造することもできる。いずれの場合
も、本発明の方法に従って表層配線を形成する前に、基
板と内部配線の焼成を済ませておく。前述したように、
基板はスルーホールを有する単層のガラスセラミックス
基板でもよく、その場合も焼成とスルーホールの金属被
覆 (例、めっき)または充填は済ませておく。
【0018】例えば、グリーンシート多層積層法では、
スクリーン印刷された表層配線の焼成も基板のグリーン
シートと同時に焼成することができるが、本発明の方法
では、表層配線の形成時にフォトリソグラフィ技術を利
用して、エッチング等の比較的苛酷な化学処理を基板に
適用するので、このような処理に耐えられるように、表
層配線の形成前に、積層したグリーンシートと内部配線
とを予め焼成し、焼成基板(即ち、ガラスセラミックス
多層配線基板)の状態にしておく。焼成温度は、ガラス
セラミックス基板や内部配線のの材質に応じて選択すれ
ばよいが、通常は 850〜1000℃の範囲内であろう。焼成
雰囲気は、内部配線がCuである場合には、配線の酸化を
防止するために非酸化性雰囲気 (例、真空または不活性
ガス雰囲気) とする必要があるが、貴金属の場合には空
気中で焼成できる。
【0019】このガラスセラミックス基板の表面 (片面
または両面) に、本発明の方法に従って表層配線を形成
する。まず、基板上に、スクリーン印刷の手法に準じて
金属ペーストを塗布または印刷する。
【0020】使用する金属ペーストには、導体となる金
属粉末に加えてガラス粉末を含有させる。このガラス粉
末の含有により、後述するように、最後の本焼成におい
て表層配線の高い密着性が確保される。金属ペーストに
含有させるガラス粉末の種類は特に制限されないが、フ
ォトリソグラフィによる配線形成時に使用するエッチン
グやレジスト除去用の薬液により侵食されにくいももの
が好ましい。ガラス粉末を含有する金属ペーストが市販
されており、それを使用してもよい。
【0021】金属ペースト中の金属種は、内部配線に使
用した金属と焼成中に金属間化合物を作らないものが好
ましい。焼成中に上記の金属間化合物の生成が起こる
と、金属間化合物は一般に脆いので、表層配線の接合部
の強度が著しく低下し、表層配線の密着性が低下すると
ともに、前記接合部に亀裂が入り、導通抵抗が高くなる
という問題も生ずる。金属間化合物の生成を確実に防ぐ
には、内部配線と表層配線の金属種を同じものにすれば
よい。例えば、表層配線をCuにしたい場合には、内部配
線もCuとする。但し、表層配線がAg、Ag/Pt、Ag/Pdの
ように貴金属系のものである場合には、内部配線は貴金
属系であれば別の貴金属種であってもよい。好ましい金
属種はコスト面、および後工程でのエッチングによる除
去が容易なことからCuであり、従って、内部配線と表層
配線の形成にはいずれもCuペーストを使用することが好
ましい。
【0022】金属ペーストにおけるガラス粉末の配合割
合は、金属:ガラスの重量比が一般に99.5:0.5 〜90:
10の範囲内となる割合が好ましい。金属ペーストは、金
属粉末とガラス粉末の他に、通常は結着剤となる有機樹
脂および有機溶剤を含有している。
【0023】本発明では、配線パターンはフォトリソグ
ラフィ技術またはレーザー加工により形成するので、ガ
ラスセラミックス基板上への金属ペーストの印刷は、全
面のベタ印刷 (即ち、塗布) でもよく、或いは導体ペー
ストの使用量を節約するために、目的とする配線パター
ンに対応させた粗い配線パターンをスクリーン印刷して
もよい。即ち、金属ペーストは必ずしもスクリーン印刷
する必要はなく、ドクターブレード法といった簡易な方
法で塗布するだけでもよい。
【0024】ガラス粉末を含有する金属ペーストの塗布
または印刷後に予備焼成を行って、ガラスセラミックス
基板10上に、ガラス粉末を含有する金属層14を形成す
る。この金属層の厚みは、ほぼ表層配線の厚みに一致す
る。好ましい厚みは5〜30μm程度である。
【0025】本発明方法では、表層配線パターンの形成
後に本焼成して必要な密着強度を得るので、予備焼成
は、金属層−基板間の密着強度が、その後の金属層のパ
ターン化工程 (フォトリソグラフィー処理またはレーザ
ー加工) に耐えうる程度になるように行えばよい。この
ような密着強度の尺度は、例えば、ピール強度法で測定
した金属層−基板間の密着強度が1.0 kgf/2mm平方以上
となる程度である。予備焼成温度は、基板に金属ペース
トによるだれや基板変形・セッターへの固着等が生ずる
ほど高くしないことは当然である。予備焼成の温度が高
くなると、密着強度が高くなりすぎ、かつ金属が基板表
面に拡散するため、フォトリソグラフィー処理において
エッチングによる不要部の金属層の除去が困難になるこ
とがある。その意味では、上記の最低限必要な密着強度
が確保される限り、予備焼成温度は低目の方が好まし
い。
【0026】好ましい予備焼成温度は、金属ペースト中
の金属種によっても異なるが、いずれも場合も、本焼成
温度より高くしない、即ち、本焼成温度と同じである
か、それより低くすることが好ましい。金属ペーストが
Cuペーストの場合、好ましい予備焼成温度は 600〜1000
℃であり、より好ましくは 600〜900 ℃、特に好ましく
は 650〜750 ℃である。
【0027】金属ペーストがAgやAg合金のような貴金属
系ペーストの場合には、好ましい予備焼成温度は 600〜
950 ℃であり、より好ましくは 600〜750 ℃である。予
備焼成温度が600 ℃を下回ると、ガラスの屈伏点に達し
ないため、表層配線−基板間に上記の最低限の密着強度
を確保することが困難となる。予備焼成温度が1000℃を
超えると、基板変形等が起こりうる。
【0028】焼成雰囲気は、前述したように、Cuペース
トの場合には非酸化性雰囲気とし、貴金属系ペーストの
場合には大気雰囲気で十分である。表層の金属ペースト
だけを予備焼成するので、焼成時間は5分〜30分程度の
短時間で十分である。
【0029】この基板10上に形成した金属層14を適当な
手段でパターン化する。このパターン化は、フォトリソ
グラフィー技術を利用するか、レーザー加工により実施
することができるが、金属層のパターン化が可能な他の
方法を採用してもよい。フォトリソグラフィー技術によ
るパターン化は従来と同様に実施すればよいが、以下に
図1を参照しながら簡単に説明する。
【0030】まず、基板10上の金属層14の上にフォトレ
ジスト層16を形成する [図1(b) 、工程(3)]。このフォ
トレジスト層16の形成は、金属層14に密着したフォトレ
ジスト層16が形成できる方法であれば特に制限されな
い。例えば、液状のフォトレジスト (レジストインキ)
を金属層の上に塗布し、塗膜を乾燥することにより形成
してもよく、或いは固体のフォトレジストフィルムを金
属層に熱圧着させてもよい。フォトレジスト層は、ポジ
型でもネガ型でもよい。
【0031】その後、このフォトレジスト層16を、表層
配線に対応するパターン形状を有するフォトマスクを介
して露光した後、現像することにより、フォトレジスト
層に表層配線と同じ微細配線パターンの凹部18を形成す
る [図1(c) 、工程(4), (5)] 。露光は通常は紫外線で
行う。
【0032】フォトマスクは、フォトレジストがポジ型
かネガ型かに応じて作製し、現像液もフォトレジストに
応じたものを使用する。現像液は一般には酸性またはア
ルカリ性水溶液である。現像により、ポジ型では露光
部、ネガ型では非露光部のフォトレジストが除去され、
フォトレジストが除去されて形成されたフォトレジスト
層の凹部18では、下層の金属層14が露出する。
【0033】次いで、こうして露出した部分の金属層を
エッチングにより除去して、金属層に表層配線と同じ微
細配線パターンが残るように金属層の凹部20を形成する
[図1(d) 、工程(6)]。このエッチングは、金属層を構
成する金属と化学反応して、この金属を可溶化すること
ができる成分を含有するエッチング液を使用して行うこ
とができる。例えば、Cuの除去に適したエッチング液
は、塩化第二鉄の濃厚水溶液 (30〜50%濃度) や、過硫
酸アンモニウム水溶液、塩化第二銅水溶液、クロム酸−
硫酸混液などである。エッチングは、露出部の金属層が
完全に除去されるように、エッチング液の濃度、温度、
エッチング時間等を設定して行う。
【0034】その後、エッチングにより除去されずに残
った金属層の上に残留するフォトレジスト層を適当な方
法で除去して、表層配線22を有するガラスセラミックス
基板10を得る [図1(e) 、工程(7)]。
【0035】フォトレジスト層がポジ型の場合には、残
留しているフォトレジスト層は未露光部であるので、全
面露光を施してフォトレジスト層を現像液に可溶性に
し、次いで現像液で処理することにより残留するフォト
レジスト層を簡単に除去することができる。この全面露
光は、エッチング前に行ってもよい。
【0036】フォトレジスト層がネガ型の場合には、残
留するフォトレジスト層は露光部であって現像液には不
溶性になっているので、より強力な溶解液を使用する
か、或いはプラズマ、熱分解といったより苛酷な除去手
段が一般に必要となる。熱分解の場合には、ガラスセラ
ミックス基板や配線層が変形あるいは酸化等の劣化を受
けないように条件を設定する必要がある。好ましいフォ
トレジスト層の除去方法は、プラズマ照射である。プラ
ズマとしては酸素などのプラズマが使用できる。プラズ
マが非常に高温であるため、照射時間が非常に短くてす
むので、ガラスセラミックス基板や表層配線に及ぼす影
響が少なくてすむ。
【0037】以上のようにして、フォトリソグラフィ技
術により金属層14をパターン化して表層配線22を形成す
ると、不要な金属層のエッチングによる除去と、場合に
よってはさらにフォトレジスト層の除去において、腐食
性の水溶液を用いるため、表層配線−基板間の密着強度
は、予備焼成直後の同じ密着強度に比べて低下すること
は免れない。
【0038】そのため、本発明では最後に表層配線−基
板間の密着強度を上げるため、ガラスセラミックス基板
の本焼成を行う [工程(8)]。この本焼成により、図2に
示すように、表層配線 (金属層) 中に残留する、エッチ
ング時に溶出しなかったガラス成分と、ガラスセラミッ
クス基板中に含まれているガラス成分とが相互に拡散し
あうため、表層配線−基板間の密着強度が著しく高ま
る。即ち、表層配線の形成に使用する金属ペーストがガ
ラス粉末を含有することが、この密着強度の向上に効果
的に作用する。
【0039】金属層のパターン化をレーザー加工で行っ
た場合には、パターン化による表層配線−基板間の密着
強度の低下はほとんど生じないが、この場合も予備焼成
だけでは密着強度が不十分であるので、本焼成によりガ
ラス成分どうしの相互拡散によって密着強度を向上させ
る。
【0040】本焼成温度は予備焼成と同様な温度範囲で
よいが、好ましくは予備焼成と同じ温度またはそれより
高温で行い、特に好ましくは、予備焼成温度より本焼成
温度を高くする。配線金属の溶融による「だれ」や基板
変形・セッターへの固着等が生ずるほど高くない限り、
本焼成温度は高い方が好ましい。表層配線がCuの場合に
は本焼成温度を 850〜1000℃とすることが特に好まし
い。本焼成の焼成雰囲気も表層配線の金属種により選択
する。焼成時間は上記の拡散が十分に起こるようにする
ため、例えば10〜120 分程度とすることが好ましい。
【0041】但し、前述した特開平5−315754号公報に
記載のガラスセラミックス多層配線基板と同様に、内部
配線が貴金属系 (例、AgまたはAg/Pd) で表層配線がCu
と異なる場合には、予備焼成と本焼成のいずれも、接合
部での金属間化合物の生成が抑制されるような比較的低
温 (例、750 ℃以下) とすることが好ましい。このよう
に焼成温度が低くても、本焼成を行うことにより、エッ
チング等により低下した表層配線−基板間の密着強度は
ある程度は回復するので、上記公報に記載の方法に比べ
て密着強度は改善される。
【0042】
【実施例】アルミナとコーディエライト系ガラス(Al2O3
-MgO-SiO2)の重量比50:50の混合粉末を主成分とするガ
ラスセラミックス材料からグリーンシート法により形成
した、内部配線とビアがいずれもCuペーストから形成さ
れたガラスセラミックス多層配線基板 (窒素雰囲気中で
950℃×30分間焼成したもの) に、本発明の方法に従っ
て表層配線を形成した。
【0043】まず、このガラスセラミックス基板の片面
の全面に、ガラス粉末を含有する市販のCuペースト (デ
ュポン製:QP-153) をスクリーン印刷法により塗布し、
窒素雰囲気中 700〜900 ℃で10分間の予備焼成を行っ
て、厚さ10μmのガラス粉末含有金属層を形成した。
【0044】次に、この金属層の上に、ネガ型の液状フ
ォトレジスト [東京応化工業社製:OMR-83) をスピンコ
ーターにより塗布し、熱風乾燥炉にて85℃で30分間の皮
膜の乾燥を行ってフォトレジスト層を形成した。その
後、配線幅30μm、線間隔30μmの表層配線ネガパター
ンを有するフォトマスクを介してフォトレジスト層に紫
外線を照射した (照射量:1000 mJ/cm2)。次いで、上記
のフォトレジスト用の現像液 (東京応化工業社製:OMR-
現像液SG) により現像して、フォトレジスト層に表層配
線パターンに対応した凹部を形成した。
【0045】現像したフォトレジスト層を145 ℃で30分
間乾燥させた後、40wt%の塩化第二銅水溶液で、フォト
レジスト層の凹部に露出している部分の金属層をエッチ
ングにより除去した。このエッチングは、この部分の金
属層が実質的に完全に除去されるまで温度25℃で約 0.5
〜10分間行った。その後、残った金属層上に残留するフ
ォトレジスト層を、酸素プラズマを2〜3分間照射する
ことにより除去して、基板上に表層配線パターンを形成
した。最後に、窒素雰囲気中 750〜900 ℃で30分間の本
焼成を行って、表層配線を有するガラスセラミックス多
層配線基板を得た。
【0046】比較のために、予備焼成または本焼成の温
度が500 ℃と低い例 (焼成時間は同じ)、本焼成を行わ
なかった例、表層配線の形成に用いたCuペーストがガラ
ス粉末を含まないペースト (平均粒径1.2 μmの銅粉末
100 重量部に、エチルセルロース25重量部と溶媒のテル
ピネオールを適量混合して調製したもの) を使用した例
についても、これら以外の条件は上と同様にして、ガラ
スセラミックス多層配線基板上に表層配線を形成した。
【0047】以上の実施例および比較例のガラスセラミ
ックス多層配線基板上の表層配線を光学顕微鏡で観察
し、断線の有無により表層配線の形状を評価した。断線
が1個所でもある場合には×とし、断線が全くない場合
を○とした。
【0048】別に、上と同じガラスセラミックス基板
(但し、内部配線のない単層基板) の片面に、同じCuペ
ーストを使用して、上記と同様の一連の操作により、ピ
ール強度測定用の2mm平方のCuパッドを形成した。この
Cuパッドの表面に平行に (つまり、基板面に平行に) 、
コテ先温度300 ℃の半田ゴテを用いて、Pb−63Sn半田に
より直径0.6 mmのSnメッキ銅線 (住友電工製、TA線) を
接合した。この銅線をCuパッド端部で基板に垂直に折り
曲げ、端部を上方に引っ張ることで、Cuパッドのピール
強度を測定し、基板−表層配線の密着強度を測定した。
【0049】参考までに、予備焼成後の基板−金属層の
密着強度も、上と同じ方法で測定した。以上の試験結果
を表1にまとめて示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から、本発明の方法に従って、ガラス
粉末を含有する金属ペーストを使用し、スクリーン印刷
後に予備焼成して金属層を形成し、この金属層にフォト
リソグラフィ法により表層配線パターンを形成し、最後
に本焼成を行うと、配線幅が30μmと微細であっても形
状不良 (断線) がなく、かつ基板−表層配線の密着強度
が少なくとも2kgf/2mm平方以上と高い表層配線が形成
できることがわかる。特に、本焼成温度が 900℃と高い
と、750 ℃の時に比べて密着強度が約2倍と著しく向上
した。
【0052】これに対し、予備焼成温度が600 ℃を下回
ると、予備焼成でフォトリソグラフィ処理に耐えるだけ
の基板−金属層の密着強度が得られないため、配線形状
が崩れ、密着強度も測定も不可能であった。一方、予備
焼成を600 ℃以上で行っても、本焼成を行わないか、本
焼成温度が600 ℃を下回ると、配線形状は良好であった
ものの、基板−表層配線の密着強度は、予備焼成時の密
着強度より低くなり、1.5 kgf/2mm平方にも達しなかっ
た。このように密着強度が低いと、表層配線の信頼性は
大きく低下することは明らかである。導体ペーストがガ
ラス粉末を含有しない場合、予備焼成後の密着強度が低
く、本焼成後は密着強度がさらに低下して、測定不能と
なった。
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の方法に
より、配線幅や線間隔が30μm程度と微細パターンを持
ち、基板との密着強度が高い表層配線を有するガラスセ
ラミックス多層配線基板を製造することが可能となる。
従って、本発明の方法は、ガラスセラミックス多層配線
基板の小型化と信頼性向上に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の製造工程図を示す。
【図2】本焼成工程におけるガラス粒子の相互拡散を示
す説明図である。
【符号の説明】
10:ガラスセラミックス多層配線基板 12:内部配線 14:金属層 16:フォトレジスト層 18:フォトレジスト層の凹部 20:金属層の凹部 22:表層配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 一郎 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層配線を有するガラスセラミックス配
    線基板の製造方法であって、(1) ガラスセラミックス基
    板上に、ガラス粉末を含む金属ペーストを塗布または印
    刷し、(2) 600 ℃以上の温度での予備焼成により基板上
    に金属層を形成し、(3) この金属層をパターン化し、
    (4) 600 ℃以上の温度で本焼成を行って、基板上に表層
    配線が形成されたガラスセラミックス多層配線基板を得
    る、という工程からなる方法。
  2. 【請求項2】 ガラスセラミックス基板が内部配線を有
    する多層配線基板であり、該内部配線の金属と金属ペー
    スト中の金属がいずれもCuであって、予備焼成と本焼成
    を 600〜1000℃の温度で行う、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 本焼成温度が 850〜1000℃である請求項
    2記載の方法。
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