JPH11129968A - 軸受機能を備えた摩擦ダンパ及び該ダンパを組込んだ二輪又は三輪スクータ等のフロントステアリング軸の支持装置 - Google Patents

軸受機能を備えた摩擦ダンパ及び該ダンパを組込んだ二輪又は三輪スクータ等のフロントステアリング軸の支持装置

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JPH11129968A
JPH11129968A JP31124797A JP31124797A JPH11129968A JP H11129968 A JPH11129968 A JP H11129968A JP 31124797 A JP31124797 A JP 31124797A JP 31124797 A JP31124797 A JP 31124797A JP H11129968 A JPH11129968 A JP H11129968A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の機能を有すると共にダンパの機能をも
有し、取付スペースを別個に特に必要としなく、コスト
アップをもほとんど招来しない摩擦ダンパ及び該ダンパ
を組込んだ二輪又は三輪スクータ等のフロントステアリ
ング軸の支持装置を提供すること。 【解決手段】 摩擦ダンパAは、下面に截頭円錐面を有
する鋼製の上部レース1と、上面に截頭円錐面を有する
鋼製の下部レース2と、この上部及び下部レース1及び
2の相対向する截頭円錐面間に低摩擦係数を有し、耐摩
耗性及び耐クリープ性にすぐれた截頭円錐面を有するす
べり部材3が配されてなる軸受機能を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軸受機能を備え
た摩擦ダンパ及び該ダンパを用いた二輪又は三輪スクー
タ等のフロントステアリング軸の支持装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ダンパには、弾性体を
用いるもの、粘性体を用いるもの、物質の塑性変形を利
用するもの、そして二物体間のすべり摩擦を利用するも
の等があり、これらダンパが乗物を含む機械、装置の可
動部又は衝撃発生部の運動エネルギを吸収するために適
用される場合、種々の手段をもってこれらに取付けられ
る。
【0003】二輪又は三輪スクータ等のフロントステア
リング軸をヘッドパイプに回転自在に支持するための支
持装置においては、走行面からのフロントステアリング
軸方向の振動の問題もさることながら、フロントステア
リング軸の回転方向のふらつき(通常、シミーと云われ
ている)も問題である。この支持装置には、従来、ヘッ
ドパイプの上部及び下部にアンギュラーボール軸受が用
いられているが、このアンギュラーボール軸受では、特
に、後部の荷台に重量の大きい荷を載荷した場合におい
て前輪が浮き上り勝ちになると、上述のふらつきが顕著
に生じる。
【0004】このふらつきを防止するために、粘性ダン
パ等のダンパを取り付けることも考えられるが、このよ
うなダンパを取り付けることは、二輪又は三輪スクータ
等では、取付スペースが限られて、しかも低価格が本来
的に要求されるため、必ずしも最適な手段ではない。
【0005】以上のふらつきで代表されるダンパの不在
の問題は、二輪又は三輪スクータ等のフロントステアリ
ング軸の支持装置に限って生じるものではなく、回動自
在な蓋を支持する機構、ドアノブの回転機構及びロール
ブラインド等のロールの支持機構においても生じるので
ある。
【0006】この発明は、前記諸点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、軸受の機能を有
すると共にダンパの機能をも有し、取付スペースを別個
に特に必要としなく、コストアップをもほとんど招来し
ない摩擦ダンパ及び該ダンパを組込んだ二輪又は三輪ス
クータ等のフロントステアリング軸の支持装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の摩擦ダンパ
は、下面に截頭円錐面を有する鋼製の上部レースと、上
面に截頭円錐面を有する鋼製の下部レースと、この上部
及び下部レースの相対向する截頭円錐面間に低摩擦係数
を有し、耐摩耗性及び耐クリープ性にすぐれた截頭円錐
面を有するすべり部材が配されてなる軸受機能を備えて
いる。
【0008】この発明の摩擦ダンパでは、すべり部材
が、鋼板と、この鋼板上に形成された銅合金からなる多
孔質焼結金属層と、この多孔質焼結金属層に含浸被着さ
れた四ふっ化エチレン樹脂を主成分とするふっ素樹脂組
成物からなるすべり面層とを有する複層摺動部材からな
る。
【0009】この発明のダンパは、上部レースの上面及
び下部レースの下面の少なくとも一方に配された弾性体
を更に具備してもよい。
【0010】二輪又は三輪スクータ等のフロントステア
リング軸をヘッドパイプに回転自在に支持するためのこ
の発明の支持装置は、ヘッドパイプの一方の端部におい
て、ヘッドパイプとフロントステアリング軸との軸方向
間に介在されたアンギュラーボールベアリングと、ヘッ
ドパイプの他方の端部におけるヘッドパイプとフロント
ステアリング軸との軸方向間に介在された前記の摩擦ダ
ンパとを具備している。
【0011】この発明の支持装置において、摩擦ダンパ
は、フロントステアリング軸に螺合したロックナットに
よって軸方向の押圧力を与えられ、すべり部材に高めら
れた接触圧が与えられて、ヘッドパイプの一方の端部に
おけるヘッドパイプとフロントステアリング軸との軸方
向間に介在されている。
【0012】軸受には、シャフト等の相手部材の回転、
往復動等の動きを許容し、両者の相対位置関係を保持し
てこれを支えるという機能を有する。動きを許容する態
様としては、鋼球やニードル等のころがりによるもの、
そして低摩擦部材のすべりによるものがある。いずれに
しても一般的には相手部材の動に対して支障を来すこと
がないよう、摩擦係数が可及的に小さいことが望まれ
る。また、相手部材を支えることについは、軸受自らは
然る可き構造部等に固定され、相手部材の自重のみでな
く、これに加わる負荷をも支えるということであるか
ら、それ相当の機械的強度が要求され、また耐摩耗性、
耐クリープ等にも勝れていることが要求される。
【0013】これらの性能が不足すると、そこにガタを
生ずる等の問題、すなわち相対位置関係を保持するとい
う機能が低下することになる。
【0014】一方、ダンパとくに摩擦ダンパとしては、
本来的には相手部材を支えるという機能は要求されず、
また相手部材との相対位置関係を保持するという機能も
必要でない。しかし、相手部材の動きを許容せしめる点
に関しては、軸受とは異るが、この動きに係わりを有し
ている。すなわち、相手部材の動きに対しての制動機
能であり回転、往復動等の動きに対してのトルクコン
トロール機能であり衝撃、振動等のエネルギー吸収機
能である。
【0015】このように、軸受とダンパとでは本質的に
その機能を異にしているが、ダンパの中でも摩擦ダンパ
は、すべりという点ですべり軸受と共通性をもっている
ということができる。摩擦ダンパの性能は、すべり摩擦
トルクが大きい程、一般的には効率がよいと言える。摩
擦トルクFを大きくする手段は、F=μPであるから、
摩擦係数μの大きいすべり材料を使用することが先ず考
えられる。また、負荷Pを大きくする、すなわち接触面
圧を大きくすることによってもFの増大は達せられる。
またこれは理論的ではないが、実務上、接触面積を大き
くする手段も採られることがある。
【0016】軸受の場合、所謂、接触面圧は相手部材か
らの負荷で決るが、本発明では相手部材からの負荷とは
直接関係なく、相手部材とは別の部材を用いてすべり面
に接触面圧を加え、この部材に相手部材を取付けるとい
う態様をとる。もちろん、設計上、相手部材をそのまま
利用してすべり面の接触面圧を高めるという手段も採り
得る。換言すれば、相手部材の自重、該部材に加わる負
荷の合計以上の負荷が接触面圧としてすべり部材に加わ
えられるということである。すべり部材として、摩擦係
数の大きな材料を使用すれば、上述した接触面圧は小さ
くて済む。
【0017】しかし、本発明では、すべり部材として摩
擦係数の小さい四ふっ化エチレン樹脂を主成分とするふ
っ素樹脂組成物のすべり面を有する複層摺動材を使用す
る。したがって、摩擦係数の大きな材料を使う場合に比
較して、同じ摩擦トルクのすべりを得るのにより大きな
接触面圧を与えておく必要がある。
【0018】これは一見、合理的でない手段のようであ
るが、その理由は操作フィーリングの問題に帰結する。
すなわち、人力による操作の場合、摩擦係数の大きな材
料を使用した場合に比較して、手等に受ける感触が違う
のである。前者がただ単にトルクが大きい、操作力が重
いという感触であるのに対して、後者は操作力がシット
リとした感触となっている。
【0019】本発明では、このような軸受機能を備えた
摩擦ダンパを二輪又は三輪スクータ等のフロントステア
リング軸の支持装置に使用するものである。特に、上下
一対のアンギュラーボール軸受のうちいずれか一方を、
好ましくは上部の軸受を、軸受機能を備えた摩擦ダンパ
によって置き換え、軸を支えるとともにダンパ機能をも
発揮せしめるのである。すなわち軸受系から切離して別
途にダンパを設けるのではなく、軸受系に組込んだ態様
で用いられ、ダンパ取付けスペースが確保し難いような
場合でも効果的に使用することができる。
【0020】なお、本発明の軸受機能を備えた摩擦ダン
パは、回動自在な蓋を支持する機構、ドアノブの回転機
構及びロールブラインド等のロールの支持機構等のダン
パにも用いてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の軸受機能を備えた
摩擦ダンパ及び該ダンパを組込んだ二輪又は三輪スクー
タ等のフロントステアリング軸の支持装置を図に示す好
ましい実施例に基づいて更に説明する。
【0022】
【実施例】図1及び2において、本例の摩擦ダンパA
は、おおむね円環状の鋼製の上部レース1と、鍔付ブッ
シュ状の鋼製の下部レース2と、すべり部材3とを具備
している。
【0023】上部レース1は、その下面に截頭円錐面4
を有しており、下部レース2は、その鍔部上面に同様の
截頭円錐面5を有している。
【0024】すべり部材3は、その上下面が截頭円錐面
4及び5と同様に截頭円錐面6及び7に形成されて、当
該截頭円錐面6及び7が相対向する截頭円錐面4及び5
に接して、配されている。すべり部材3は、特にその摩
擦係数が小さく、かつ接触面圧を大きくして使用される
関係で、特に耐摩耗性、耐クリープ性にすぐれた材料構
成のものから選定される。本例では、すべり部材3は、
鋼等からなる裏金としての鋼板8と、鋼板8上に形成さ
れた銅合金からなる多孔質焼結金属層9と、多孔質焼結
金属層9に含浸被覆された四ふっ化エチレン樹脂を主成
分とするふっ素樹脂組成物からなるすべり面層10とを
有する複層摺動部材からなり、すべり面層10の露出面
が、一様に焼成されてすべり面11を形成している。
【0025】すべり部材3は、全体の厚さ2mm前後に
形成することができ、すべり面層10の厚さはおおむね
10-2〜10-1mmである。
【0026】すべり部材3は、板状の素材にプレス加工
が施されて截頭円錐状に造形される。すべり部材3は、
その上面若しくは下面のいずれか一方の截頭円錐面がす
べり面11とされる。なお、多孔質焼結金属層9及びす
べり面層10と同等の多孔質焼結金属層及びすべり面層
を鋼板8の他方の面にも形成し、この他方の面側にもす
べり面層の露出面からなるすべり面を形成してもよく、
また、本発明におけるすべり部材3は、低摩擦係数を有
し、かつ耐摩耗性及び耐クリープ性に勝れるものであれ
ば、これら複層摺動部材以外のものであってもよい。
【0027】摩擦ダンパAでは、上部レース1及び下部
レース2のいずれか一方のレースで、軸受系としてのハ
ウジング(図示してない)等に固定され、他方のレース
が相手部材(図示してない)を支持する。すべり部材3
には、相手部材の負荷以外に、別途の手段をもって上下
部レースへの接触圧が加えられ、相手材の回転トルクの
調整がなされる。
【0028】図3は、図1に示す摩擦ダンパAに皿バネ
等の弾性体12を更に配した摩擦ダンパBを示し、13
は皿バネ12を押圧する座金である。図3に示す摩擦ダ
ンパBは、弾性体12を用いない図1に示す摩擦ダンパ
Aに比較してトルク調整が容易でかつそれを精度よく行
なうことができる。
【0029】図4は、軸受機能を備えた摩擦ダンパBを
組込んだ三輪スクータのフロントステアリング軸14の
支持装置Cを示し、図4において、14はフロントステ
アリング軸、15はヘッドパイプ、16はヘッドパイプ
15の下端部に取付けられたアンギュラーボール軸受
で、摩擦ダンパBは、ヘッドパイプ15の上端部に取付
けられている。18、19はそれぞれロックナットであ
る。
【0030】本例の支持装置Cは、ヘッドパイプ15の
一方の端部において、ヘッドパイプ15とフロントステ
アリング軸14との軸方向間に介在されたアンギュラー
ボールベアリング16と、ヘッドパイプ15の他方の端
部におけるヘッドパイプ15とフロントステアリング軸
14との軸方向間に介在された摩擦ダンパBとを具備し
いる。
【0031】従来は、ヘッドパイプ15の上下両端部に
アンギュラーボール軸受が配されていたが、既に述べた
とおりハンドルにシミーと呼ばれるふら付きを生ずるの
で、支持装置Cでは、上部のアンギュラーボール軸受に
代えて、そこに摩擦ダンパBを配することにより問題を
解決し得たのである。
【0032】軸受機能を備えた摩擦ダンパBは、その下
部レース2においてヘッドパイプ15に固定される。す
べり部材3は、その截頭円錐面6がすべり面11として
形成してあるので、上部レース1の下面4とすべり部材
3の截頭円錐面6との間で摺動がなされる。このような
態様であるから、図4に示す実施例においては、下部レ
ース2とすべり部材3とがヘッドパイプ15側に属して
取付けられ、上部レース1と弾性体12と座金13とが
フロントステアリング軸14側に属して取付けられる。
【0033】ヘッドパイプ15は、アンギュラーボール
軸受16及び軸受機能を備えた摩擦ダンパBを介してフ
ロントステアリング軸14に係合し、ロックナット18
及び19によってその軸方向の所定位置に固定される。
【0034】ロックナット19により、軸受機能を備え
た摩擦ダンパBのすべり部材3に押圧力を与え、上部レ
ース1との接触面圧を高め、フロントステアリング軸1
4の回転トルクの調整を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の軸受機能
を備えた摩擦ダンパは、構造が簡単でかつ堅牢であり、
また、取付スペースを別個に特に必要としなく、コスト
アップをもほとんど招来しなく、そしてその操作感にす
ぐれているという特長もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受機能を備えた摩擦ダンパの好まし
い一実施例の縦断面図である。
【図2】本発明に使用されるすべり部材の好ましい一実
施例を示すもので、その肉厚方向の拡大断面図である。
【図3】図1に示した例に皿バネ等の弾性体を配した実
施例の縦断面図である。
【図4】本発明の支持装置の好ましい一実施例の縦断面
図である。
【符号の説明】
1 上部レース 2 下部レース 3 すべり部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面に截頭円錐面を有する鋼製の上部レ
    ースと、上面に截頭円錐面を有する鋼製の下部レース
    と、この上部及び下部レースの相対向する截頭円錐面間
    に低摩擦係数を有し、耐摩耗性及び耐クリープ性にすぐ
    れた截頭円錐面を有するすべり部材が配されてなる軸受
    機能を備えた摩擦ダンパ。
  2. 【請求項2】 すべり部材が、鋼板と、この鋼板上に形
    成された銅合金からなる多孔質焼結金属層と、この多孔
    質焼結金属層に含浸被着された四ふっ化エチレン樹脂を
    主成分とするふっ素樹脂組成物からなるすべり面層とを
    有する複層摺動部材からなる請求項1に記載の軸受機能
    を備えた摩擦ダンパ。
  3. 【請求項3】 上部レースの上面及び下部レースの下面
    の少なくとも一方に配された弾性体を更に具備した請求
    項1又は2に記載の軸受機能を備えた摩擦ダンパ。
  4. 【請求項4】 二輪又は三輪スクータ等のフロントステ
    アリング軸をヘッドパイプに回転自在に支持するための
    支持装置であって、ヘッドパイプの一方の端部におい
    て、ヘッドパイプとフロントステアリング軸との軸方向
    間に介在されたアンギュラーボールベアリングと、ヘッ
    ドパイプの他方の端部におけるヘッドパイプとフロント
    ステアリング軸との軸方向間に介在された請求項1から
    3のいずれか一項に記載の摩擦ダンパとを具備した支持
    装置。
  5. 【請求項5】 摩擦ダンパは、フロントステアリング軸
    に螺合したロックナットによって軸方向の押圧力を与え
    られ、すべり部材に高められた接触圧が与えられて、ヘ
    ッドパイプの一方の端部におけるヘッドパイプとフロン
    トステアリング軸との軸方向間に介在されている請求項
    4に記載の支持装置。
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