JPH11130792A - 虚血性疾患予防、治療剤及び臓器保存剤 - Google Patents

虚血性疾患予防、治療剤及び臓器保存剤

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JPH11130792A
JPH11130792A JP31156397A JP31156397A JPH11130792A JP H11130792 A JPH11130792 A JP H11130792A JP 31156397 A JP31156397 A JP 31156397A JP 31156397 A JP31156397 A JP 31156397A JP H11130792 A JPH11130792 A JP H11130792A
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茂博 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】虚血−再潅流障害により生ずる急性期の疾患、
例えば虚血性脳疾患、虚血性心疾患、臓器移植障害など
の予防、治療剤、および摘出臓器の保存の際に有効な臓
器保存剤を提供する。 【解決手段】 下記の一般式 【化1】 で表されるアデノシン−3’,5’−環状リン酸誘導
体、例えばN6−アルキルcAMP、N6,N6−ジアル
キルcAMP、N6,N6 ,2’−O−トリアルキルc
AMP、N6,2’−O−ジアルキルcAMP、8−ア
ミノ又は8−アルキルアミノcAMP、N6−アルキル
−8−置換cAMP、およびそれらの塩の少なくとも一
種を有効成分として含有させた、虚血性疾患予防、治療
剤、又は臓器保存剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、虚血性疾患の予防
又は治療剤、および臓器保存剤に関し、さらに詳しく
は、特定のアデノシン3’,5’−環状リン酸(以下、
cAMPという)誘導体を有効成分とする、虚血性疾患
予防、治療剤、及び臓器保存剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、活性酸素が生体に対して種々の影
響を及ぼしていることが分かってきた。即ち、薬物、金
属、虚血−再潅流、ストレスなどの引き金によって生成
した活性酸素が、脂質、蛋白質、糖、DNAなどを攻撃
して、様々な病態の形成や増悪を引き起こしている。最
近、虚血性疾患にも活性酸素が関与していることがわか
ってきており、その病態や疾患として虚血性脳疾患(脳
梗塞、脳浮腫など)、虚血性心疾患(心筋梗塞、不整
脈、狭心症など)、ショック、あるいは肺酸素中毒、臓
器移植障害など多くのものがあげられる。脳梗塞の場
合、血栓溶解剤を用いて血液を流れるようにすると、脳
出血や脳浮腫などの虚血−再潅流障害が起こることが知
られており、これを抑える良い薬は市販されていない。
【0003】これらの病態に対して、D.J.Hear
seらによる、アロプリノールなどのキサンチン酸化酵
素阻害剤を用いる試み(Acta Physiol.S
cand.,Supply 548巻、65頁、198
6年参照)、S.R.Jollyらによる、スパーオキ
サイドジスムターゼ(SOD)を用いる方法(Cir
c.Res.,54巻、227頁、1984年参照)、
ラジカルスカベンジャーを用いる方法(特開平9−67
327号参照)、アデノシンやその関連化合物を用いる
試み(特開平4−124143号および特許公報250
5085号参照)がなされているが、半減期の短さ又は
効果が不十分であったり、副作用の問題がある。また、
臓器移植においても免疫抑制剤の登場に伴う拒絶反応の
克服とともに、虚血−再潅流障害の克服が移植後の課題
となっている。そして臓器を取り出してから移植までの
時間が長いほど虚血状態が長く続くことになり、移植後
の臓器障害の度合いも大きくなる。近年この観点から、
臓器保存剤として、酸化還元能を有するペプチドの使用
(特開平5−139992号)、あるいは活性酸素抑制
組成物の使用(特開平8−26902号参照)などが提
案されている。
【0004】また、N6,2’−O−ジブチリルcAM
PなどのcAMP誘導体が脳機能改善剤として有効との
提案(国際公開番号 WO 90/11080参照)が
あるが、この脳機能改善剤は、脳梗塞などの虚血性疾患
の直接(急性期)の予防、治療のためのものではない。
つまり、前記のcAMP誘導体は、梗塞による心臓や脳
の虚血−再潅流障害からの保護ではなく、パーキンソン
病による神経症候障害、中枢神経の変成、アルツハイマ
ー病による痴呆症などの脳機能、神経症候障害の改善を
試みるものである。また前記提案には、脳梗塞に代表さ
れる脳虚血、又は脳出血による脳障害という記述がなさ
れているが、これは上記と同様に、脳梗塞の結果生じた
後遺症である脳神経障害の治療に有効であることを示し
ており、そして前記のcAMP誘導体が、前記疾患に通
常使用されるイデベノンやホパテン酸カルシウム、ドパ
ミンなどの薬剤に代わるものであるとされている。すな
わち、cAMPおよびその誘導体が、虚血−再潅流障害
などの急性期の虚血性疾患そのものに有効という報告は
ない。そして、本発明に用いられる多くの化合物は、特
開昭60−239496号、特開平3−83995号な
どに記載の公知の化合物であり、そのうちの幾つかは、
強心作用を有すること(特開昭63−208525号参
照)が知られているが、急性期の虚血疾患に対する効果
を有することは知られていない。また、臓器保存剤につ
いては、N6,2’−O−ジブチリルcAMPや8−ブ
ロモcAMPがその成分の一つとして有用であるとの報
告(Circulation,88巻,Part2,2
91頁,1993年参照)があるが、後述する本発明に
用いられる化合物がそのような効果を有することは知ら
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、虚血−再潅
流障害により生ずる急性期の疾患、例えば虚血性脳疾
患、虚血性心疾患、臓器移植障害などの予防、治療剤、
および肺、肝臓、腎臓、心臓などの臓器移植のために摘
出された臓器を保存するのに有効な臓器保存剤を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するために鋭意研究を進めた結果、特定のcAM
P誘導体が急性期の虚血性疾患の予防、治療剤として、
また臓器保護剤として有効であることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の一般
【0007】
【化2】
【0008】(式中のR1は、水素原子、炭素数1ない
し6のアルキル基、アルキル基の炭素数が1ないし3で
あるアラルキル基、又はフルフリル基を、R2は、水素
原子、炭素数が1ないし6のアルキル基、またはアルキ
ル基の炭素数が1ないし3であるアラルキル基を、R3
は、水素原子、炭素数1ないし6のアルキル基、又はア
ルキル基の炭素数が1ないしは3であるアラルキル基
を、R4は、水素原子、アミノ基、低級アルキルアミノ
基、低級アルキルチオ基、アラルキルチオ基、又はハロ
ゲン原子を意味し、R1、R2、R3が共に水素原子のと
き、R4がハロゲン原子となることはなく、またR1、R
2、R3、R4が共に同時に水素原子となることはない。
また、Xは、水素原子、アルカリ金属、アンモニア、ア
ミン類を意味する)で表されるアデノシン−3’,5’
−環状リン酸誘導体の少なくとも一種を有効成分として
含有することを特徴とする、虚血性疾患予防、治療剤で
あり、また、前記のアデノシン−3’,5’−環状リン
酸誘導体の少なくとも一種を有効成分として含有するこ
とを特徴とする、臓器保存剤である。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の虚血性疾患予防、治療剤
および臓器保存剤に用いられる化合物は、前記一般式で
表させるcAMP誘導体であって、式中のR1は、水素
原子、炭素数1ないし6のアルキル基、アルキル基の炭
素数が1ないし3であるアラルキル基、又はフルフリル
基を示す。R1において、炭素数1ないし6のアルキル
基としては直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基
が挙げられ、炭素数が6を超えるときは、本発明の目的
を十分に達成することができない(後述のR2、R3にお
けるアルキル基も同様)。また、アルキル基の炭素数が
1ないし3であるアラルキル基としては、例えばベンジ
ル基、メチルベンジル基、ハイドロキシベンジル基、ア
ミノベンジル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル
基、フルオロベンジル基、フェネチル基、フェニルプロ
ピル基などが挙げられる。アルキル基の炭素数が3を超
えるときは、本発明の目的を十分に達成することができ
ない(後述のR2、R3においても同様)。
【0010】また、前記一般式中のR2は、水素原子、
炭素数1ないし6のアルキル基、またはアルキル基の炭
素数が1ないし3であるアラルキル基を示す。そして、
2における炭素数1ないし6のアルキル基としては、
例えば前記したR1と同様のアルキル基が挙げられ、ま
たアルキル基の炭素数が1ないし3であるアラルキル基
としては、例えば前記したR1と同様のアラルキル基が
挙げられる。
【0011】また、前記一般式中のR3は、水素原子、
炭素数1ないし6のアルキル基、又はアルキル基の炭素
数が1ないしは3であるアラルキル基を示し、炭素数1
ないし6のアルキル基としては、具体的には前記したR
1、R2と同様のアルキル基が、また、アルキル基の炭素
数が1ないし3であるアラルキル基としては、前記した
1、R2と同様のアラルキル基が挙げられる。
【0012】また、前記一般式中のR4は、水素原子、
アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ
基、アラルキルチオ基、又はハロゲン原子を示す。アル
キル基が低級アルキル基である前記のアルキルアミノ基
としては、例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、
エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルア
ミノ基などが挙げられる。また、低級アルキルチオ基と
しては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピル
チオ基、ブチルチオ基などが、またアラルキルチオ基と
しては、ベンジルチオ基、ハイドロキシベンジルチオ基
などが挙げられる。そして、R1、R2、R3、R4が共に
同時に水素原子となることはない。
【0013】また、一般式中のXは、水素原子、又はナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニア、
又はトリエチルアミンなどのアミン類を示す。
【0014】次いで、本発明に用いられる好適なcAM
P誘導体の具体例を挙げる。先ず、一般式中においてR
1が、炭素数1ないし6のアルキル基、アルキル基の炭
素数が1ないし3であるアラルキル基、又はフルフリル
基であり、R2、R3、R4が共に水素原子であるcAM
P誘導体としては、例えばN6−エチルcAMP、N6
プロピルcAMP、N6−ブチルcAMP、N6−イソブ
チルcAMP、N6−ペンチルcAMP、N6−ヘキシル
cAMP、N6−ベンジルcAMP、N6−フルフリルc
AMP、N6−クロロベンジルcAMP、N6−ハイドロ
キシベンジルcAMP、N6−フェネチルcAMP、N6
−フェニルプロピルcAMPなどのN6−アルキルcA
MPが挙げられる。
【0015】また、一般式中において、R1、R2が、共
に炭素数1ないし6のアルキル基、又はアルキル基の炭
素数が1ないし3であるアラルキル基であり、R3、R4
が共に水素原子であるcAMP誘導体としては、例えば
6,N6−ジメチルcAMP、N6,N6−ジエチルcA
MP、N6,N6−ジプロピルcAMP、N6,N6−ジブ
チルcAMP、N6,N6−ジペンチルcAMP、N6
6−ジヘキシルcAMP、N6,N6−ジベンジルcA
MP、N6,N6−ジメチルベンジルcAMP、N6,N6
−ジクロロベンジルcAMP、N6,N6−ハイドロキシ
ベンジルcAMP、N6,N6−ジフェネチルcAMP、
6,N6−ジフェニルプロピルcAMPなどのN6,N6
−ジアルキルcAMPが挙げられる。
【0016】また、一般式中において、R1、R2、R3
が同一で、同時に炭素数1ないし6のアルキル基、又は
アルキル基の炭素数が1ないし3であるアラルキル基で
あり、R4が水素原子であるcAMP誘導体としては、
例えばN6,N6,2’−O−トリエチルcAMP、
6,N6,2’−O−トリプロピルcAMP、N6
6,2’−O−トリブチルcAMP、N6,N6,2’
−O−トリペンチルcAMP、N6,N6,2’−O−ト
リヘキシルcAMP、N6,N6,2’−O−トリベンジ
ルcAMP、N6,N6,2’−O−トリフェネチルcA
MP、N6,N6,2’−O−トリフェニルプロピルcA
MPなどのN6,N6,2’−O−トリアルキルcAMP
が挙げられる。
【0017】また、一般式中において、R1、R3が同一
で、炭素数1ないし6のアルキル基であり、R2、R4
共に水素原子であるcAMP誘導体としては、例えばN
6,2’−O−ジメチルcAMP、N6,2’−O−ジエ
チルcAMP、N6,2’−O−ジプロピルcAMP、
6,2’−O−ジブチルcAMP、N6,2’−O−ジ
イソブチルcAMP、N6,2’−O−ジペンチルcA
MP、N6,2’−O−ジヘキシルcAMPなどのN6
2’−O−ジアルキルcAMPが挙げられる。
【0018】また、一般式中において、R1、R2、R3
が、共に水素原子であり、R4がアミノ基又は低級アル
キルアミノ基であるcAMP誘導体としては、例えば8
−アミノcAMP、8−メチルアミノcAMP、8−ジ
メチルアミノcAMP、8−エチルアミノcAMP、8
−ジエチルアミノcAMP、8−プロピルアミノcAM
P、8−ジプロピルアミノcAMP、8−ブチルアミノ
cAMPなどの8−アミノcAMP又は8−アルキルア
ミノcAMPが挙げられる。
【0019】また、一般式中において、R1が、炭素数
1ないし6のアルキル基又はベンジル基であり、R2
3が共に水素原子であり、R4が低級アルキルアミノ
基、低級アルキルチオ基、アラルキルチオ基、又はハロ
ゲン原子であるcAMP誘導体としては、例えばN6
ブチル−8−ベンジルチオcAMP、N6−ペンチル−
8−ブロモcAMP、N6−プロピル−8−ベンジルチ
オcAMP、N6−ヘキシル−8−クロロcAMP、N6
−ブチル−8−エチルチオcAMP、N6−エチル−8
−プロピルアミノcAMPなどのN6−アルキル−8−
置換cAMPが挙げられる。
【0020】前記したこれらcAMP誘導体は、虚血性
浮腫に対して強い抑制作用を有するので、虚血による疾
患(虚血性脳疾患、虚血性心疾患、虚血−再潅流障害、
臓器移植時の障害)の予防、治療剤として、あるいは臓
器移植の際の虚血状態にある臓器の保存剤としても有効
に用いられる。
【0021】本発明に用いられるcAMP誘導体(以
下、本cAMP誘導体ということがある)の1種又は2
種以上を含有させて脳梗塞、脳浮腫、心筋梗塞、不整
脈、狭心症などの虚血性疾患予防、治療剤として投与す
る場合、内服薬あるいは注射薬として用いるのが好まし
い。内服薬として用いる場合は、錠剤、散剤、顆粒剤、
カプセル剤、シロップ剤などとして、経口投与してもよ
いし、また直腸投与のために座剤の形でも投与できる。
経口投与の場合は、本cAMP誘導体に、薬理学的に許
容される添加物、すなわち賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑
沢剤、着色剤、保存剤などを加えることが出来る。また
非経口投与の場合には、例えば注射剤の形で使用され、
注射剤としては無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁
剤、乳濁剤などが含まれる。更に、必要に応じて防腐
剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等を添加し
ても良い。またこれを通常の無菌化処理した後、凍結乾
燥などにより個体組成物として、使用直前に滅菌液体を
加えて使用することもできる。本発明の虚血性疾患予
防、治療剤を投与する場合は、症状の程度、年齢、体重
により異なるが、経口投与の場合、一般に成人一日当た
り本cAMP誘導体を0.01〜400mg/kg、好
ましくは0.5〜100mg/kgを1〜数回に分け
て、また非経口投与の場合には0.001〜100mg
/kg、好ましくは0.01〜50mg/kgを1〜数
回に分けて投与するのが好ましい。
【0022】また、本cAMP誘導体の1種または2種
以上を有効成分として含有させて臓器移植時の臓器保存
剤として使用する場合は、これを液体に溶解するか、又
はその凍結乾燥などにより個体組成物とし、使用直前に
滅菌液体を加えて使用する。この保存剤を保存液の形態
で用いる場合には、例えば生理食塩水、リン酸緩衝生理
食塩水、クエン酸緩衝など生理的に許容される緩衝液や
等張化液などに、本cAMP誘導体を溶解して調製する
ことが出来る。また好ましくは、従来より移植用臓器の
保存液として用いられているユーロコリンズ(Euro
−collins)液やユニバーシティ オブ ウイス
コンシン(UW)液などに、本cAMP誘導体の必要量
を添加して調製することが出来る。臓器保存剤として使
用する場合は、本cAMP誘導体を0.01〜100m
M好ましくは0.1〜30mMとするのがよい。
【0023】これらcAMP誘導体を得るには、その製
造方法は特に限定されず、どの様な方法でもよく、例え
ばN6−アルキルcAMP誘導体は、特開昭60−23
9496号に記載の方法に従い、cAMPと対応するア
ルデヒドと還元剤を用いる還元アルキル化反応により、
また、N6,N6−ジアルキルcAMP誘導体は、特開平
3−83995号に記載の方法に従い、2’−O−トシ
ルcAMPをNaH存在下、ハロゲン化アルキルで処理
した後、アルカリ水溶液中で脱保護することにより得ら
れる。また、N6,N6,2’−O−トリアルキルcAM
P誘導体は、特公平7−64868号に記載の方法に従
い、cAMPをNaH存在下、ハロゲン化アルキルと反
応させることにより、また、N6,2’O−ジアルキル
cAMPは特公告7−116213号に記載の方法に従
い、cAMPをナトリウムメトキサイド存在下、ハロゲ
ン化アルキルと反応させることにより得られる。また8
−置換cAMP誘導体は、Muneyamaらの方法
(Biochemistry、10巻、2390頁、1
971年参照)により、さらにまた、N6−アルキル−
8−置換cAMP誘導体は、Chemical and
Pharmaceutical Bulletin,
36巻、2212頁、1988年、に記載の方法を用い
るか又は応用し、8置換cAMPと対応するアルデヒド
と還元剤を用いる還元アルキル化反応により得ることが
出来る。
【0024】
【実施例】以下に、参考例、実験例、実施例を挙げてさ
らに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって
限定されるものではない。 参考例1(N6−プロピルcAMPの製造) cAMPのトリブチルアミン塩5.0gを酢酸100m
lに溶解し、プロピオンアルデヒド5.8mlを添加
し、50℃に加熱下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほ
う素ナトリウム2.5gを含んだジメチルホルムアミド
6mlを加え、5時間撹拌した。反応混合物に少量の水
を加え、溶媒を減圧留去したのち、残査を少量の水に溶
解し、塩酸でpH2に調整し、活性炭カラムに吸着さ
せ、水洗後、メタノール/水/28%水酸化アンモニウ
ム(容量比10:10:1)で溶出する区分を減圧乾固
した。残査をprep.TLC(メタノール/クロロホ
ルム;容量比35:65)で精製した。得られた無色固
体に水−メタノール、2N−NaOHを添加して溶解
し、2N塩酸でpH2に調整して目的の化合物N6−プ
ロピルcAMP2.4gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:267(17600) 元素分析値: C131856P・3/4H2Oとして C H N 実測値(%) 40.64 5.00 18.09 計算値(%) 40.58 5.11 18.20
【0025】参考例2(N6−ブチルcAMPの製造) cAMPのトリブチルアミン塩5.0gを酢酸100m
lに溶解し、ブチルアルデヒド8.7mlを添加し、5
0℃に加熱下、撹拌した。次いでシアノ水素化ほう素ナ
トリウム2.5gを含んだジメチルホルムアミド6ml
を加え、6時間撹拌した。次いで、参考例1に示したと
同様の後処理をして、無色粉状の目的の化合物N6−ブ
チルcAMP2.8gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:267(17100) 元素分析値: C142056P・2/3H2Oとして C H N 実測値(%) 42.26 5.22 17.61 計算値(%) 42.32 5.41 17.63
【0026】参考例3(N6−イソブチルcAMPの製
造) cAMPのトリブチルアミン塩5.0gを酢酸100m
lに溶解し、イソブチルアルデヒド7.1mlを添加
し、50℃に加熱下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほ
う素ナトリウム2.5gを含んだジメチルホルムアミド
6mlを加え、5時間撹拌した。参考例1に示したと同
様の後処理をして、目的の化合物N6−イソブチルcA
MP1.6gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:267(17600) 元素分析値: C142056P・2/3H2Oとして C H N 実測値(%) 42.15 5.20 17.50 計算値(%) 42.32 5.41 17.63
【0027】参考例4(N6−ペンチルcAMPの製
造) cAMPのトリブチルアミン塩5.0gを酢酸100m
lに溶解し、バレルアルデヒド10.6 mlを添加
し、50℃に加熱下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほ
う素ナトリウム3.1gを含んだジメチルホルムアミド
6mlを加え、8時間撹拌した。次いで参考例1に示し
たと同様の後処理をして、目的の化合物N6−ペンチル
cAMP1.8gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:267(16700) 元素分析値: C152256P・3/2H2Oとして C H N 実測値(%) 42.01 5.66 16.23 計算値(%) 42.26 5.91 16.43
【0028】参考例5(N6−ヘキシルcAMPの製
造) cAMPのトリブチルアミン塩5.0gを酢酸100m
lに溶解し、カプロアルデヒド12mlを添加し、50
℃に加熱下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほう素ナト
リウム2.5gを含んだジメチルホルムアミド6mlを
加え、6時間撹拌した。次いで参考例1に示したと同様
の後処理をして、N6−ヘキシルcAMP2.6gを得
た(なお、後述の動物試験には、0.2N NaOHで
中和して得たN6−ヘキシルcAMPのNa塩を使用し
た)。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:267(17700) 元素分析値: C162456P・2/3H2Oとして C H N 実測値(%) 45.08 5.84 16.31 計算値(%) 45.18 6.00 16.46
【0029】参考例6(N6−ベンジルcAMPの製
造) cAMPのトリブチルアミン塩 5.0gを酢酸100
mlに溶解し、ヘプチルアルデヒド10.2mlを添加
し、50℃に加熱下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほ
う素ナトリウム3.1gを含んだジメチルホルムアミド
6mlを加え、8時間撹拌した。次いで参考例1に示し
たと同様の後処理をして、無色粉状の目的の化合物N6
−ベンジルcAMP2.2gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:268(18600) 元素分析値: C172856P・H2Oとして C H N 実測値(%) 46.50 4.66 15.84 計算値(%) 46.72 4.58 16.03
【0030】参考例7(N6−フルフリルcAMPの製
造) cAMPのトリブチルアミン塩5.0gを酢酸100m
lに溶解し、フルフラ−ル8.4mlを添加し、50℃
に加熱下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほう素ナトリ
ウム2.5gを含んだジメチルホルムアミド6mlを加
え、8時間撹拌した。次いで参考例1に示したと同様の
後処理をして、無色粉状の目的の化合物N6−フルフリ
ルcAMP2.3gを得た。なお、元素分析には、Na
塩を調製し、測定した。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε)nm:266(16500) 元素分析値: C151657PNa・3/2H2Oとして C H N 実測値(%) 39.27 3.67 14.96 計算値(%) 39.31 3.95 15.28
【0031】参考例8(N6,N6−ジブチルcAMPの
製造) (1)2’−O−トシルcAMPの合成 cAMP(32.9g)の水酸化ナトリウム(11g)
水溶液(200ml)にトシルクロライド(86g)の
ジオキサン(600ml)溶液を加え、室温下で一晩撹
拌した。生成した沈殿をろ取し、ジオキサン洗浄し、乾
燥して2’−O−トシルcAMP39gを得た。 UV:λmax EtOH(ε)nm:258(14400) 元素分析値: C171856P・2/3H2Oとして C H N 実測値(%) 41.03 3.85 14.16 計算値(%) 41.23 3.90 14.14 (2)N6,N6−ジブチルcAMPの製造 前記のごとくして得た2’−O−トシルcAMP(2.
0g)のジメチルスルホキサイド(20ml)溶液に、
水素化ナトリウム(660mg)、ブチルブロマイド
(1.8ml)を添加し、室温下、2日間撹拌した。反
応液にメタノール/水(60ml:60ml)、2N水
酸化ナトリウム(14ml)を加え、室温下で一日撹拌
した。その後、濃塩酸で中和、溶媒留去後、残査を水に
溶解し、2N塩酸でpH2に調整し、活性炭カラムに吸
着させ、水で洗浄し、エタノール/水/28%水酸化ア
ンモニウム(容量比10:10:1)で溶出する区分を
減圧乾固した。残査を少量のメタノールに溶解し、2N
塩酸でpH2に調整し、prep TLC(メタノール
/クロロホルム;容量比3:7)で精製し、目的とする
6,N6−ジブチルcAMP1.26gを得た。 UV:λmax 0.1N NaOH(ε)nm:278(19300) 元素分析値: C182856P・4/3H2Oとして C H N 実測値(%) 47.59 6.40 15.29 計算値(%) 47.52 6.53 15.39
【0032】参考例9(N6,N6−ジペンチルcAMP
の製造) 参考例8に示したと同様の方法でおこなった。すなわ
ち、2’−O−トシルcAMP(2.0g)のジメチル
スルホキサイド(20ml)溶液に水素化ナトリウム
(660mg)、ペンチルブロマイド(2.3ml)を
添加し、室温下で2日間反応させた。この反応液にメタ
ノール/水(30ml:70ml)、2N水酸化ナトリ
ウム(14ml)を加え、室温下で3日撹拌した。次い
で参考例8の(2)と同様の後処理をして目的化合物の
6,N6−ジペンチルcAMPを0.934g得た。 UV:λmax 0.1N NaOH(ε)nm:279(19800) 元素分析値: C203256P・H2Oとして C H N 実測値(%) 49.63 6.82 14.35 計算値(%) 49.73 7.05 14.50
【0033】参考例10(N6,N6−ジベンジルcAM
Pの製造) 参考例8に示したと同様の方法でおこなった。すなわ
ち、2’−O−トシルcAMP(2.0g)のジメチル
スルホキサイド(20ml)溶液に水素化ナトリウム
(730mg)、ベンジルブロマイド(2.6ml)を
添加し、室温下で7時間反応させた。この反応液にメタ
ノール/水(30ml:70ml)、2N水酸化ナトリ
ウム(13ml)を加え、室温下で2日撹拌した。次い
で参考例8−(2)と同様の後処理をして目的化合物の
6,N6−ジベンジルcAMPを0.773g得た。 UV:λmax 0.1N NaOH(ε)nm:277(22100) 元素分析値: C242456P・3/2H2Oとして C H N 実測値(%) 53.53 4.82 12.71 計算値(%) 53.73 5.07 13.05
【0034】参考例11(N6,N6,2’−O−トリエ
チルcAMPの製造) cAMPトリブチルアミン塩(2.1g)のジメチルス
ルホキサイド(20ml)溶液に水素化ナトリウム(8
00mg)、エチルブロマイド(2.1ml)を添加
し、室温下で8時間撹拌した。反応液を2N塩酸でpH
2に調整した後、溶媒を減圧留去した。残留する油状物
質にベンゼン(50ml)を加えて溶解し、水150m
l/回で4回洗浄した。ベンゼン層を分取し、無水硫酸
ナトリウム乾燥後、減圧乾固した。得られた残査を少量
のメタノールに溶解し、prep.TLC(メタノール
/クロロホルム;容量比1:4)にて精製し、目的化合
物のN6,N6,2’−O−トリエチルcAMPを0.9
6g得た。 UV:λmax 0.1N NaOH(ε)nm:277(18700) 元素分析値: C162456P・1/2H2Oとして C H N 実測値(%) 45.48 5.86 16.51 計算値(%) 45.50 5.96 16.58 なお、動物試験にはこの化合物を0.2N NaOHで
中和してNa塩としたものを使用した。
【0035】参考例12(N6,N6,2’−O−トリブ
チルcAMPの製造) cAMPトリブチルアミン塩(2.1g)のジメチルス
ルホキサイド(20ml)溶液に水素化ナトリウム(8
00mg)、ブチルブロマイド(2.1ml)を添加
し、室温下で1日間撹拌した。次いで参考例11と同様
に後処理し、目的化合物のN6,N6,2’−O−トリブ
チルcAMP0.94gを得た。なお、動物試験にはこ
の化合物を0.2N NaOHで中和してNa塩とした
もの使用した。 UV:λmax 0.1N NaOH(ε)nm:277(18400) 元素分析値: C223656P・2/3H2Oとして C H N 実測値(%) 52.21 7.19 13.42 計算値(%) 51.86 7.38 13.74
【0036】参考例13(N6,2’−O−ジブチルc
AMPの製造) cAMPトリブチルアミン塩(3.1g)のジメチルス
ルホキサイド(50ml)溶液に、28%ナトリウムメ
トキサイド(25.6ml)、ブチルブロマイド(1
0.3ml)を添加し、室温下で1日間撹拌した。この
反応液を2N塩酸で中和した後、溶媒を減圧留去した。
残査を少量の水に溶解し、2N塩酸でpH2に調整した
後、活性炭カラムに吸着させ、水で洗浄後、エタノ−ル
/水/28%水酸化アンモニウム(容量比10;10:
1)で溶出する区分を減圧乾固した。得られた残査を少
量のメタノールに溶解し、2N塩酸でpH2に調整、p
rep.TLC(メタノール/クロロホルム;容量比
3:7)にて精製し、目的化合物であるN6,2’−O
−ジブチルcAMPを0.54g得た。 UV:λmax 0.1N NaOH(ε)nm:267(16400) 元素分析値: C182856P・H2Oとして C H N 実測値(%) 46.85 6.24 14.94 計算値(%) 47.06 6.58 15.24
【0037】参考例14(8−ジメチルアミノcAMP
の製造) Muneyamaらの方法(バイオケミストリー、10
巻、2390頁、1971年参照)で合成した。すなわ
ち、8−ブロモcAMP3gのメタノール(20ml)
溶液に、ジメチルアミン(18ml)を添加し、一晩加
熱還流した。溶媒を留去した後、残査をシリカゲルカラ
ム(30g)に添付し、クロロホルム−メタノール(容
量比3:1)で洗浄後、メタノールで溶出し、目的化合
物を含む区分を減圧乾固した。得られた残査を水より再
結晶して目的の化合物8−ジメチルアミノcAMP2.
1gを得た。
【0038】参考例15(N6−ブチル−8−ベンジル
チオcAMPの製造) 前記したMuneyamaらの方法で合成した8−ベン
ジルチオcAMPのトリブチルアミン塩3.2gを酢酸
100 mlに溶解し、ブチルアルデヒド3.4mlを
添加し、室温下で撹拌した。次いでシアノ水素化ほう素
ナトリウム1.4gを含んだジメチルホルムアミド6m
lを加え、4時間撹拌した。次いで参考例1と同様の後
処理をして無色粉状の目的化合物のN6−ブチル−8−
ベンジルチオcAMP2.1gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε) nm:292(16300) 元素分析値: C212656P・H2Oとして C H N 実測値(%) 48.02 5.43 13.25 計算値(%) 48.00 5.37 13.33
【0039】参考例16(N6−ペンチル−8−ブロモ
cAMPの製造)8−ブロモcAMPのトリブチルアミ
ン塩2.7gを酢酸100mlに溶解し、バレルアルデ
ヒド8.5mlを添加し、室温下で撹拌した。次いでシ
アノ水素化ほう素ナトリウム1.8gを含んだジメチル
ホルムアミド6mlを加え、6時間撹拌した。参考例1
と同様の後処理をして無色粉状の目的とする化合物のN
6−ペンチル−8−ブロモcAMP1.8gを得た。 UV: λmax 0.1N NaOH(ε) nm:269(17100) 元素分析値: C152156PBr・1/2H2Oとして C H N 実測値(%) 48.02 5.43 13.25 計算値(%) 48.00 5.37 13.33
【0040】実験例1(急性毒性試験) 表1に示す各cAMP誘導体を生理食塩水に溶解し、5
週齢のICR系マウス(雌5匹/群)に腹腔内投与して
LD50を求めた。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】表1 なお、表1に示した各cAMP誘導体は、参考例1、
2、6、7、8及び15に記載したと同様にして得たも
のである。
【0042】実施例1(虚血性浮腫に対する抑制試験) 7〜8週齢のddy雄性マウスを用い、表2に示す各被
検物質を虚血する30分前に投与した。なお、対照には
生理食塩水を投与した。浮腫抑制試験は、マウス右後足
に輪ゴム(直径42mm)で縛り、虚血状態とした。2
0分後に輪ゴムを取り除き血流を再開させたときの浮腫
の程度を調べることによって行なった。浮腫の程度は、
再潅流20分後に、OZAKI MFG.CO.,LT
D社製の「dial thickness gage
G MICRO G−1M」を用いて、右足の厚さ(m
m)を測定することで数値化した。被検物質は、生理食
塩水に溶解し、これを10mg/kg投与量で静脈内投
与した。なお、生理食塩水に溶解しにくい化合物につい
ては腹腔内投与した。浮腫抑制率(%)は、A;被検物
質投与における虚血前の足の厚さ(mm)、B;被検物
質投与における再潅流後20分の足の厚さ(mm)、
C;対照の虚血前の足の厚さ(mm)、D;対照の再潅
流後20分の足の厚さ(mm)を測定し、測定したA、
B、C、Dから、{1−(B−A)÷(D−C)}×1
00の計算によって求めた。このようにして求めた各被
検物質の浮腫抑制率(%)を表2に示す。
【0043】 表中の−は、活性なしを表す。なお、表2中のNo.1
〜16に示す各cAMP誘導体は、それぞれ前記参考例
1〜16に記載したと同様の方法で得たものである。
【0044】表2に示したように、本発明に用いられる
cAMP誘導体は、いずれも虚血性浮腫に対して強い抑
制作用を有することが確認された。一方cAMP、8−
ブロモcAMP、アシル誘導体であるN6,2’−O−
ジブチリルcAMP、さらにはcAMP類似化合物であ
るアデノシンなどには殆ど活性がないか、あっても非常
に弱いものであり、本発明に用いられるcAMP誘導体
が、虚血性浮腫に対し優れた抑制作用を有することがわ
かる。よって本発明化合物は、虚血による疾患(虚血性
脳疾患、虚血性心疾患、虚血−再潅流障害など)の予
防、治療として、そして臓器移植用の臓器が保存されて
いる状態においては、その臓器はまさに虚血状態である
ので、本cAMP誘導体は、臓器保存効果が知られてい
るN6,2’−ジブチリルcAMP、8−ブロモcAM
Pよりも優れた効果を示し、臓器保存剤としても有用で
ある。
【0045】実施例2(アンプル型の虚血性疾患予防、
治療剤) N6−ブチルcAMP9gを注射用蒸留水300mlに
溶解し、無菌ろ過した後、アンプルに3mlづつ充填
し、アンプル型の非経口投与用の虚血性疾患予防、治療
剤を調製した。なお、使用したN6−ブチルcAMP
は、参考例2に記載したと同様の方法で得たものであ
る。
【0046】実施例3(アンプル型の虚血性疾患予防、
治療剤) N6−ベンジルcAMP3gを、注射用蒸留水300m
lに溶解し、無菌ろ過した後、アンプルに2mlづつ充
填し、アンプル型の非経口投与用の虚血性疾患予防、治
療剤を調製した。なお、使用したN6−ベンジルcAM
Pは、参考例6に記載したと同様の方法で得たものであ
る。
【0047】実施例4(カプセルタイプの虚血性疾患予
防、治療剤) 組成成分; N6−ペンチルcAMP 250g バレイショ澱粉 150g 軽質無水ケイ酸 50g ステアリン酸マグネシウム 10g 乳糖 540g 上記組成成分を均一に混合し、硬質カプセルに500m
gづつ充填して経口投与用のカプセルタイプの虚血性疾
患予防、治療剤を調製した。なお、使用したN6−ペン
チルcAMPは、参考例4に記載したと同様の方法で得
たものである。
【0048】 実施例5(錠剤型の虚血性疾患予防、治療剤) 組成成分; N6−ブチル−8−ベンジルチオcAMPNa 400g バレイショ澱粉 150g 結晶セルロース 60g 軽質無水ケイ酸 50g ヒドロキシプロピルセルロース 30g ステアリン酸マグネシウム 15g 乳糖 295g 上記のN6−ブチル−8−ベンジルチオcAMPNa、
乳糖、バレイショ澱粉、結晶セルロースおよび軽質無水
ケイ酸を混合し、ヒドロキシプロピルセルロースの10
%エタノール溶液を加えて練合、造粒して径0.8mm
のスクリーンで押し出して顆粒を調製し、乾燥した後に
ステアリン酸マグネシウムを加えて圧縮成形し、500
mgの錠剤型の虚血性疾患予防、治療剤を調製した。な
お、使用したN6−ブチル−8−ベンジルチオcAMP
Naは、参考例15に記載したと同様の方法で得たもの
である。
【0049】 実施例6(臓器保存剤) 組成成分; デキストラン 50g/リットル グルコン酸カリウム 95mmol/リットル KH2PO4 25mmol/リットル MgSO4 5mmol/リットル グルコース 65mmol/リットル アデノシン 5mmol/リットル N−アセチルシステイン 0.5mmol/リットル N6−ベンジルcAMP 1mmol/リットル 上記の成分を混合してpH7〜8に調製し、臓器保存用
液を調製した。なお、使用したN6−ベンジルcAMP
は、参考例6に記載したと同様の方法で得たものであ
る。
【0050】 実施例7(臓器保存剤) 組成成分; ヒドロキシエチル澱粉 60g/リットル KH2PO4 6.5mmol/リットル K2HPO4 18mmol/リットル グルコン酸カリウム 86mmol/リットル グルコン酸ナトリウム 10mmol/リットル マンニトール 90mmol/リットル NaHCO3 10mmol/リットル N6−ペンチルcAMP 2mmol/リットル 上記の成分を混合してpH7〜8に調製し、臓器保存用
液を調製した。なお、使用したN6−ペンチルcAMP
は、参考例4に記載したと同様の方法で得たものであ
る。
【0051】
【発明の効果】本cAMP誘導体は、虚血−再潅流障害
による浮腫を強く抑制する作用を有するので、これを有
効成分として含有させた本発明の虚血性疾患予防、治療
剤は、急性期の虚血性脳疾患、虚血性心疾患、臓器移植
障害などの予防、治療剤として有効に用いられる。ま
た、本発明の臓器保存剤は、虚血状態にある肺、肝臓、
腎臓、心臓などの移植用摘出臓器を保存する際の臓器保
存剤として有効に用いることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式 【化1】 (式中のR1は、水素原子、炭素数1ないし6のアルキ
    ル基、アルキル基の炭素数が1ないし3であるアラルキ
    ル基、又はフルフリル基を、R2は、水素原子、炭素数
    が1ないし6のアルキル基、またはアルキル基の炭素数
    が1ないし3であるアラルキル基を、R3は、水素原
    子、炭素数1ないし6のアルキル基、又はアルキル基の
    炭素数が1ないしは3であるアラルキル基を、R4は、
    水素原子、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アル
    キルチオ基、アラルキルチオ基、又はハロゲン原子を意
    味し、R1、R2、R3が共に水素原子のとき、R4がハロ
    ゲン原子となることはなく、またR1、R2、R3、R4
    共に同時に水素原子となることはなく、また、Xは、水
    素原子、アルカリ金属、アンモニア、アミン類を意味す
    る)で表されるアデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体の少なくとも一種を有効成分として含有することを
    特徴とする、虚血性疾患予防、治療剤。
  2. 【請求項2】 アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体がN6−アルキル誘導体であり、式中においてR
    1が、炭素数1ないし6のアルキル基、アルキル基の炭
    素数が1ないし3であるアラルキル基(フェニル基は、
    低級アルキル基、水酸基、ハロゲン原子、若しくはアミ
    ノ基を有したフェニル基であってもよい)、又はフルフ
    リル基であり、R2、R3、R4が共に水素原子である、
    請求項1記載の虚血性疾患予防、治療剤。
  3. 【請求項3】 アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体がN6,N6−ジアルキル誘導体であり、式中におい
    てR1、R2が、共に炭素数1ないし6のアルキル基、又
    はアルキル基の炭素数が1ないし3であるアラルキル基
    (フェニル基は、低級アルキル基、水酸基、ハロゲン原
    子、若しくはアミノ基を有したフェニル基であってもよ
    い)であり、R1とR2は同じであってもよく、また互い
    に異なっていてもよく、R3、R4が共に水素原子であ
    る、請求項1記載の虚血性疾患予防、治療剤。
  4. 【請求項4】 アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体がN6,N6,2’−O−トリアルキル誘導体であ
    り、式中においてR1、R2、R3が同一で、同時に炭素
    数1ないし6のアルキル基、又はアルキル基の炭素数が
    1ないし3であるアラルキル基(フェニル基は、低級ア
    ルキル基、水酸基、ハロゲン原子、若しくはアミノ基を
    有したフェニル基であってもよい)であり、R4が水素
    原子である、請求項1記載の虚血性疾患予防、治療剤。
  5. 【請求項5】 アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体がN6,2’−O−ジアルキル誘導体であり、式中
    においてR1、R3が同一で、炭素数1ないし6のアルキ
    ル基であり、R2、R4が共に水素原子である、請求項1
    記載の虚血性疾患予防、治療剤。
  6. 【請求項6】 アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体が8−アミノ又は8−アルキルアミノ誘導体であ
    り、式中においてR1、R2、R3が、共に水素原子であ
    り、R4がアミノ基又は低級アルキルアミノ基である、
    請求項1記載の虚血性疾患予防、治療剤。
  7. 【請求項7】 アデノシン−3’,5’−環状リン酸誘
    導体がN6−アルキル−8−置換誘導体であり、式中に
    おいてR1が、炭素数1ないし6のアルキル基又はベン
    ジル基であり、R2、R3が共に水素原子であり、R4
    低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、アラルキ
    ルチオ基、又はハロゲン原子である、請求項1記載の虚
    血性疾患予防、治療剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載のいずれかのアデノシ
    ン−3’,5’−環状リン酸誘導体の少なくとも一種を
    有効成分として含有することを特徴とする、臓器保存
    剤。
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