JPH111329A - 光学ガラス素子の成形方法とその装置 - Google Patents

光学ガラス素子の成形方法とその装置

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JPH111329A
JPH111329A JP9153687A JP15368797A JPH111329A JP H111329 A JPH111329 A JP H111329A JP 9153687 A JP9153687 A JP 9153687A JP 15368797 A JP15368797 A JP 15368797A JP H111329 A JPH111329 A JP H111329A
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optical glass
mold
molding
temperature
cooling
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JP9153687A
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Mamoru Fujimura
守 藤村
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
    • C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12—Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50—Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57—Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
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  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形型と光学ガラス素材への熱伝達効率がよ
く、且つ温度制御をし易くし、光学ガラス素子の成形時
間を大幅に短縮し、生産性を向上させる。 【解決手段】光学ガラス素材4を一対の成形型1、2の
間に配置し、該成形型1、2と光学ガラス素材4とを同
時に加熱し、光学ガラス素材4を軟化させた後に、成形
型1、2を押圧して光学ガラス素材4を成形し、成形型
1、2と成形された光学ガラス素子とを冷却した後、成
形型1、2を離型して光学ガラス素子を取り出す光学ガ
ラス素子の成形方法において、高温の液体8により少な
くとも成形型1、2を直接加熱し、低温の液体8により
少なくとも成形型1、2を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス素子の
成形方法とその装置に係わり、詳しくは成形型と光学ガ
ラス素材との加熱冷却手段に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズ自体の高性能化やレンズ系
のレンズ枚数削減の要求から、非球面レンズの必要性が
高まってきている。ガラスレンズの製造には、古くから
ガラス素材を球面研磨加工により仕上げていく手段が用
いられてきたが、非球面レンズを研磨加工により製造す
ることは、現在の技術では非常に難しいのが現状であ
る。そこで、成形技術により非球面レンズを製造するこ
とが考えられているが、射出成形加工等により成形の容
易なプラスチック材料は屈折率等の点で光学的な性能に
限界があるために、ガラスを成形する技術の開発が盛ん
に行われている。
【0003】従来の光学ガラスの成形方法は、筒状の胴
型の中にガラス素材と一対の成形型とを一緒に入れ、高
周波加熱、赤外線ヒータ加熱または雰囲気加熱により成
形型を昇温させ、成形型からガラス素材に伝熱し、ガラ
ス素材を軟化させた後に、成形型を押圧してガラス素材
を成形し、その後窒素ガスなどにより成形型とともに成
形品を冷却していた。しかし、この方法では、ガラス素
材が加熱軟化するまでに時間がかかり、生産性が上昇し
ないという欠点があったために、加熱時間を短縮する手
段が提案されている。
【0004】例えば、特公平5−79612号公報に
は、成形型を誘導加熱すると同時に、光学素子材料にヘ
リウム・ネオンレーザビームなどのエネルギビームを照
射して光学素子材料(ガラス素材)の軟化に要する時間
を短縮する技術が開示されている。図5を用いて、この
技術を説明する。図5において、101は光学素子材
料、103は上型、105は下型、107は胴型で、下
型105はホルダー109上で支持され、胴型107は
この下型105を覆う如くホルダー109上で支持さ
れ、また上型103は下型105の上方で且つ胴型10
7の内部に上下動可能に配置されている。上型103は
ホルダー111を介してシリンダー113に連結され、
シリンダー113の作動により上型103は上下動す
る。
【0005】これら上型103、下型105、胴型10
7は例えばWC、ステンレス、Ni基合金等の誘導加熱
され易い材料で形成されている。前記上下の型103、
105の成形面は、夫々母材であるWCを超精密旋盤に
て所望非球面に削った後、ダイヤモンドペースト研磨材
を用いて表面粗さRmax =0.02μm以下になるよう
に研磨し、その後、被膜115を2μm施すことで形成
されている。この被膜115は、型の表面の耐酸化性及
びぬれ性を向上させるため設けられたもので、被膜11
5の材料として例えば、白金、金等の貴金属、或はこれ
らの合金や、SiC、Si2 N4 、TiN、TiC等の
セラミックスが用いられる。
【0006】前記胴型107には、下型105上に載置
された光学素子材料101を加熱するためのエネルギビ
ーム117を、光学素子材料101に向けて胴型107
の内部に通過させる孔119が形成されている。この孔
119は、光学素子材料101の押圧成形が支障なく行
われるように、押圧成形時に上型103で閉塞される箇
所に形成されている。前記上下のホルダー109、11
1の部分と、上下の型103、105と、胴型107は
石英からなるシールボックス121で覆われ、またシー
ルボックス121の外側に誘導コイル123が配設され
ている。
【0007】次に、成形方法について説明する。光学素
子材料として球状に研磨したF2 (小原光学ガラス製)
を使用し、エネルギビーム117としてヘリウム・ネオ
ンガスレーザビームを使用した。先ず、下型105に光
学素子材料101を載せ、図5に示すようにセットす
る。そして、セット直後から誘導コイル123で上下の
型103、105及び胴型107を誘導加熱し、この加
熱と並行してヘリウム・ネオンガスレーザビームをシー
ルボックス121の外側から孔119を通して光学素子
材料101に照射し、光学素子材料101を加熱する。
また、以上の加熱中は、上下の型103、105と、胴
型107等の酸化を防ぐため、非酸化性である窒素ガス
をガス供給口121Aからシールボックス121内に供
給する。以上の方法により所定の温度(金型460℃、
光学素子材料480℃)まで5分で加熱できた。
【0008】その後、誘導コイル123とレーザビーム
による加熱を中断した後、上下の型103、105によ
り約100kg/cm2 の圧力で光学素子材料101を
押圧成形する。そして、その状態のまま冷却し、成形部
の温度が光学素子材料101の転移点を下回った時点
(430℃)で圧力を抜き、シリンダー113を上昇さ
せ、成形品であるレンズを取り出す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術には次のような問題点があった。すなわち、ガラスは
透明体であるためにレーザ光等のエネルギビームの吸収
率は著しく悪く、ガラスを成形可能な軟化状態まで加熱
するには、莫大なエネルギーを必要とする。しかも、高
精度にガラスを成形するためには、ガラス全体をほぼ均
等な温度にする必要があるが、エネルギビームを用いる
と必ずガラス内部に温度分布ができてしまう。また、冷
却時には、窒素ガスにより胴型および上下の成形型を介
して成形されたガラスを冷却しているが、固体に対する
気体の熱伝達係数は小さいために、胴型や成形型等から
熱を奪う効率はあまりよくない。よって、成形型間に配
置したガラスを加熱し、成形し、成形後に成形型間から
取り出し可能になるまでの成形時間が長大となるもので
あり、生産性の高い成形方法ではなかった。
【0010】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、請求項1に係る発明の課題は、成形型と光学
ガラス素材への熱伝達効率がよく、且つ温度制御がし易
く、光学ガラス素子の成形時間を大幅に短縮でき、生産
性を向上させ得る光学ガラス素子の成形方法を提供する
ことである。請求項2または3に係る発明の課題は、請
求項1に係る発明の成形方法を実施するための光学ガラ
ス素子の成形装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、光学ガラス素材を一対の成
形型の間に配置し、該成形型と光学ガラス素材とを同時
に加熱し、光学ガラス素材を軟化させた後に、前記成形
型を押圧して光学ガラス素材を成形し、成形型と成形さ
れた光学ガラス素子とを冷却した後、成形型を離型して
光学ガラス素子を取り出す光学ガラス素子の成形方法に
おいて、高温の液体により少なくとも成形型を直接加熱
し、低温の液体により少なくとも前記成形型を冷却する
ことを特徴とする。請求項2または3に係る発明は、光
学ガラス素材を一対の成形型の間に配置し、該成形型と
光学ガラス素材とを同時に加熱し、光学ガラス素材を軟
化させた後に、前記成形型を押圧して光学ガラス素材を
成形し、成形型と成形された光学ガラス素子とを冷却し
た後、成形型を離型して光学ガラス素子を取り出す光学
ガラス素子の成形装置において、液体を少なくとも成形
型に接触させて成形型と光学ガラス素材とを加熱および
冷却する加熱冷却機構と、その液体を歪点温度以下の温
度から光学ガラス素材の温度を成形温度に至る温度に調
節する液体温度調節機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項1に係る発明の作用では、高温の液
体により少なくとも成形型を直接加熱し、低温の液体に
より少なくとも成形型を冷却することにより、液体は固
体との熱伝達がよいので、加熱および冷却過程の大幅な
効率化が可能となる。また、その液体の温度を、ガラス
の歪点温度(ガラスの粘性流動が事実上おこり得ない温
度。粘度で約1014.5ポアズ)付近の温度から、光学ガ
ラス素材を成形可能温度まで自由に調節することことに
より、少なくとも成形型の温度を急速に、且つ少ない熱
衝撃で加熱、冷却できる。請求項2または3に係る発明
の作用では、液体を少なくとも成形型に接触させて成形
型と光学ガラス素材とを加熱および冷却する加熱冷却機
構と、その液体を歪点温度以下の温度から光学ガラス素
材の温度を成形温度に至る温度に調節する液体温度調節
機構とを備えたことにより、請求項1に係る発明の成形
方法を効率良く実施できる。請求項3に係る発明の作用
では、上記作用に加え、液体温度調節機構が、液体を加
熱する加熱槽と、液体を冷却する冷却槽と、前記加熱冷
却機構へ送られる加熱槽からの液体の量と冷却槽からの
液体の量とをそれぞれ調節する流量調節弁とを備えたこ
とにより、液体の流量を調節して高温の液体と低温の液
体との混合比を変更して、混合した液体の温度変化を調
整できる。
【0013】
【発明の実施の形態1】図1〜図2は発明の実施の形態
1を示し、図1は光学ガラス素子の成形装置の概略構成
図、図2はスリーブの斜視図である。本発明の実施の形
態1では、光学ガラス素子として、凸レンズを成形する
場合について説明する。
【0014】図1において、成形槽7の内部に、上下型
の軸心を位置決めする筒状のスリーブ3が配置され、こ
のスリーブ3に上型1と下型2とが摺動自在に嵌合して
いる。上型1の成形面と下型2の成形面との間には、光
学ガラス素材4が配置されている。上型1の上方には、
上下に自由に移動自在な主軸5が配設されている。上型
1、下型2、スリーブ3および光学ガラス素材4は、図
示のように組み合わされて、成形型セット18を構成
し、この成形型セット18は成形槽7の内部に貯留され
た伝熱媒体8に完全に浸漬されている。伝熱媒体8は、
下端部に羽根を備えた攪拌棒15により、常時攪拌され
ている。下型2には、熱電対6が組み込まれ、図示を省
略した温度制御装置に接続されている。成形槽7に成形
型セット18を配置するときに、伝熱媒体8がスリーブ
3の内壁と上下型1、2の成形面との間隙に自由に出入
りできるように、スリーブ3の側面に窓3aが穿設され
ている(図2参照)。
【0015】成形槽7の側壁下部には、ほぼ対向する位
置に、供給口16と排出口17とが設けられ、それぞれ
伝熱媒体8の流入口と流出口とになっている。排出口1
7はパイプにより回収ポンプ14を経由して回収タンク
12に連通しており、排出口17から回収ポンプ14に
より回収された伝熱媒体8は、回収タンク12に貯蔵さ
れる。回収タンク12は、パイプにより加熱槽9と冷却
槽10とに連通しており、回収タンク12に貯蔵された
伝熱媒体8は、それぞれ加熱槽9と冷却槽10とに供給
される。加熱槽9と冷却槽10とは、それぞれパイプに
より切替え弁11に連通し、切替え弁11は供給ポンプ
13を経由して供給口16に連通している。加熱槽9で
所定の温度に加熱された伝熱媒体8は、供給ポンプ13
により吸い上げられて、切替え弁11を通過した後、供
給口16より成形槽7の内部に供給される。また、冷却
槽10で所定の温度に冷却された伝熱媒体8も、供給ポ
ンプ13により吸い上げられて、切替え弁11を通過し
た後、供給口16より成形槽7の内部に供給される。ま
た、加熱槽9と切替え弁11との間、および冷却槽10
と切替え弁11との間には、それぞれ流量調節弁19が
設けられており、伝熱媒体8の流量を自由に調節するこ
とができる。
【0016】本発明の実施の形態1では、成形する光学
ガラス素材4の硝材として、住田光学(株)製P−SK
50(Tg点温度381℃、At点温度403℃)をφ
6のボールレンズ形状に研磨して用いた。また、上型
1、下型2およびスリーブ3は、超硬合金(WC)から
成り、上型1および下型2の成形面は、凹面形状の鏡面
に仕上げられている。さらに、主軸5、成形槽7および
全ての配管用パイプはステンレス鋼からなっている。伝
熱媒体8には、ISO VG78クラスの鉱油(沸点4
80℃)を用いた。
【0017】つぎに、上記成形装置を用いた光学ガラス
素子の成形方法を説明する。成形前の段階で加熱槽9に
は、430℃に加熱された伝熱媒体8が十分な量を貯蔵
されており、冷却槽10には、30℃に冷却された伝熱
媒体8が十分な量を貯蔵されている。はじめに、下型2
の成形面に光学ガラス素材4を載置し、つぎに、下型2
にスリーブ3を嵌合させる。下型2に嵌合したスリーブ
3に上型1を、光学ガラス素材4を傷つけないように嵌
合させる。このように組み上げた成形型セット18を成
形槽7の主軸5の下方にゆっくりと沈めて配置する。こ
のとき、成形槽7に貯留している伝熱媒体8の温度は常
温付近である。
【0018】つぎに、切替え弁11を切替えて、供給ポ
ンプ13により、加熱槽9の伝熱媒体8を成形槽に供給
する、このとき、攪拌棒15で成形槽7内を攪拌しなが
ら、供給口16から供給される伝熱媒体8の供給量と同
量の伝熱媒体8を、回収ポンプ14によって排出口17
から排出する。攪拌棒15は、成形槽7内部に著しい温
度分布が生じないようにする作用がある。これらの動作
により、成形槽7の内部の温度は急速に上昇する。熱電
対6が、所定の温度を示したところで、主軸5に圧力を
加え、上型1を加圧する。所定の時間加圧することによ
り、光学ガラス素材4は変形していくので、所望の肉厚
になる時間で主軸5にかける圧力を解除し、切替え弁1
1を冷却槽10側に切替える。すると、冷却槽10か
ら、冷たい伝熱媒体8が成形槽7内に流入するので、成
形型セット18は急速に冷却される。常温近くまで、冷
却されたところで、成形型セット18を成形槽7から取
り出し、成形作業を終了する。
【0019】上記の成形方法により、成形型セット1
8、すなわち、上型1、下型2、スリーブ3および光学
ガラス素材4の加熱および冷却を行ったところ、下型2
の温度を420℃まで1分間で昇温することができた。
また、420℃から30℃まで1分間で冷却することが
できた。さらに、下型2の温度が420℃になったとこ
ろで2分間加圧した後冷却し、成形型セット18から成
形品を取り出したところ、所望の形状の光学ガラス素子
である凸レンズを得ることができた。
【0020】本発明の実施の形態1によれば、成形型と
光学ガラス素材とを液体により加熱・冷却することによ
り、成形型と光学ガラス素材への熱伝達効率がよく、且
つ温度制御がし易く、非常に短時間で成形型とガラスと
の加熱および冷却が可能となり、光学ガラス素子の成形
加工の生産性を向上させることができる。
【0021】本発明の実施の形態1では、伝熱媒体とし
て、ISO VG78クラスの鉱油を用いたが、これに
替えて、およそ100℃以下から600℃付近まで液相
で、かつガラスと反応しにくい物質ならば、伝熱媒体と
して用いることができる。また、成形型材料として使用
する材質も、SiC、アルミナなどガラス成形に適した
材料なら使用できることは言うまでもない。成形するガ
ラスの硝種は、高温に弱い伝熱媒体の負担を減らすため
に、極力、ガラスの屈伏点温度(At点温度)が低いも
のが適しているが、伝熱媒体が許容する限り、その制限
はない。さらに、この成形手段により凸レンズ以外の形
状の光学素子、例えば、凹レンズ、メニスカスレンズ、
プリズム、フィルターなどの光学素子も精密に成形する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態2】図3〜図4は発明の実施の形態
2を示し、図3は光学ガラス素子の成形装置の概略構成
図、図4はスリーブの上面図である。本発明の実施の形
態2では、発明の実施の形態1における加熱槽9、冷却
槽10、切替え弁11、回収タンク12等による温度調
整機構、並びに供給ポンプ13および回収ポンプ14に
よる循環機構を用いながら、At点がより高温度の硝材
を成形できる成形装置を提案する。なお、供給ポンプ1
3および回収ポンプ14の各配管は、供給ポンプ13側
では、この供給ポンプ13の下流で多数本に分岐し、こ
の分岐管は図3の上型側、下型側で供給パイプ28とし
て表示され、またスリーブ23にての伝熱パイプ25と
接続されている。回収ポンプ14側では、この回収ポン
プ14の上流側で多数本が結束され、この各結束管は上
型側、下型側で排出パイプ29として表示され、また、
スリーブ23にての伝熱パイプ25と接続されている。
さらに、本発明の実施の形態2でも、光学ガラス素子と
して、凸レンズを成形する場合について説明する。
【0023】図3において、上型21および下型22
は、小径部と大径部とを有する段付きで形成され、小径
部の先端側に成形面が形成されている。上型21と下型
22とは、互いに成形面が対向するように配設されてい
る。上型21と下型22との間には、ボールレンズ形状
の光学ガラス素材24が配置されている。上型21およ
び下型22の各大径部は円筒状のスリーブ23に摺動自
在に嵌合して、上型21と下型22との軸心が位置決め
されている。上型21および下型22の各大径部の各端
部には、上軸26および下軸27の各端部が連接される
とともに、各端部のそれぞれ型の内部および各軸の内部
には有底孔が穿設され、温調室30、31が形成されて
いる。この温調室31、32には、温度制御された伝熱
媒体8が循環するようになっている。
【0024】上型21と下型22とからなる成形型の各
温調室30、31には、各軸26、27の側面に配設し
た供給パイプ28が導通され、供給パイプ28の開口端
は、各型の有底孔の底面に向けられており、加熱槽9お
よび冷却槽10からの伝熱媒体8が温調室30、31に
流入できるようになっている。上述のように、温調室3
0、31は、上型21、下型22を支持し図示しない圧
力機構により上下から光学ガラス素材24を加圧するこ
とができる上軸26、下軸27にそれぞれシールされな
がら形成されており、余剰媒体が回収タンクに戻るため
に排出パイプ29が、上軸26、下軸27の側面にそれ
ぞれ設けられている。この各排出パイプ29、29の排
出口は、供給パイプ28の開口端の位置よりも、各型の
有底孔の底面から離れた位置に設けられている。さら
に、円筒状のスリーブ23の軸方向に、複数本の伝熱パ
イプ25が埋設されており、この複数本の伝熱パイプ2
5は、それぞれ供給ポンプ13または回収ポンプ14に
連結されているので、伝熱媒体8が循環できるようにな
っている。
【0025】本発明の実施の形態2では、上型21、下
型22、スリーブ23を温度調整する伝熱媒体8とし
て、金属ナトリウム(融点100℃付近、沸点900℃
付近)を用いた。上型21、下型22、スリーブ23は
超硬合金(WC)製、上軸26、下軸27、供給パイプ
28、排出パイプ29などの構造材料は、全てステンレ
ス鋼とした。成形する光学ガラス素材24の硝材は、オ
ハラ社製PBH6(At点温度476℃)を用いた。加
熱槽9における伝熱媒体8の温度は485℃、冷却槽1
0における伝熱媒体8の温度は120℃とした。この1
20℃は、光学ガラス素材24の歪点温度より低い温度
である。
【0026】つぎに、上記成形装置を用いた光学ガラス
素子の成形方法を説明する。はじめに、上型21と下型
22との間に光学ガラス素材24を配置し、スリーブ2
3を上型21および下型22に嵌合して上型21と下型
22とを位置決めするとともに、スリーブ23を位置決
めした位置に、図示を省略した保持手段により保持す
る。つぎに、加熱槽9から伝熱媒体8を上下の温調室3
0、31および複数本の伝熱パイプ25にそれぞれ供給
する。すると、成形型温度は急速に上昇し始め、光学ガ
ラス素材24の粘度が低下し始める。光学ガラス素材2
4全体がほぼ均一の温度になって、成形可能な軟化状態
となった時に、上型21、下型22を上軸26、下軸2
7により加圧して、所望の光学ガラス素子の形状に成形
する。このとき、上型21、下型22の温度は480℃
であった。
【0027】光学ガラス素材24を所望の形状に成形し
たところで、上軸26、下軸27の加圧力を解除し、切
替え弁11を切替え、冷却槽10の伝熱媒体8を伝熱パ
イプ25と温調室30、31に流入させて、上型21、
下型22およびスリーブ23を冷却する。このとき、上
型21および下型22の急激な冷却により、成形した光
学ガラス素子の成形面がヒケてしまう場合がある。これ
を防ぐためには、切替え弁11を切替える直前にポンプ
を止めて、下型22の温度がTg点温度付近まで自然放
冷で冷却するか、冷却槽10側に切替えて、流量調節弁
19で伝熱媒体8の流量を絞り、冷却速度を下げること
が有効である。上型21および下型22の温度が、低温
側の130℃になったところで、成形された光学ガラス
素子を成形装置から取り出して成形作業を終了する。
【0028】上記の成形方法により、上型21、下型2
2、スリーブ23および光学ガラス素材24の加熱およ
び冷却をおこなったところ、下型22の温度を480℃
まで1分間で昇温することができた。また、480℃か
ら130℃まで1分間で冷却することができた。さら
に、下型22の温度が480℃になったところで2分間
加圧した後冷却し、成形装置から成形品を取り出したと
ころ、所望の形状の光学ガラス素子である凸レンズを得
ることができた。
【0029】本発明の実施の形態2によれば、発明の実
施の形態1と同様の効果に加え、ガスと伝熱媒体が直接
接触することはないので、Naなどのガラスと接触する
ことにより硝材の性質が変化する物質であっても、伝熱
媒体として使用できるという効果がある。
【0030】本発明の実施の形態2では、伝熱媒体とし
て金属ナトリウムを用いたが、これに替えて、およそ2
00℃以下から800℃付近まで液相で、かつ金属、セ
ラミックスなどを浸食しにくい物質ならば、伝熱媒体と
して用いることができる。例えば、Na−K、水銀等を
使用することができる。また、成形型材料として使用す
る材質も、SiC、アルミナなどガラス成形に適した材
料なら使用できることは言うまでもない。成形するガラ
スの硝種は、高温に弱い伝熱媒体の負担を減らすため
に、極力、ガラスの屈伏点温度(At点温度)が低いも
のが適しているが、伝熱媒体が許容する限り、その制限
はない。さらに、この成形手段により凸レンズ以外の形
状の光学素子、例えば、凹レンズ、メニスカスレンズ、
プリズム、フィルターなどの光学素子も精密に成形する
ことができる。
【0031】なお、発明の実施の形態1では、冷却槽の
伝熱媒体は30℃、発明の実施の形態2では130℃と
したが、少なくとも成形型を冷却するための伝熱媒体の
温度は、少なくとも成形後の光学ガラス素子が上下型間
で変形しない状態、即ち上下型に圧力が加わっても変形
を生じない状態に固化する温度であればよく、この場
合、成形型の取扱上、130℃以下、好ましくは常温付
近がよい。
【0032】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、成形型と
光学ガラス素材とを液体により加熱・冷却することによ
り、成形型と光学ガラス素材への熱伝達効率がよく、か
つ温度制御がし易く、非常に短時間で成形型とガラスと
の加熱および冷却が可能となり、光学ガラス素子の成形
加工の生産性を向上させることができる。請求項2また
は3に係る発明によれば、請求項1に係る発明の成形方
法を効率良く実施し、光学ガラス素子の成形加工を高精
度に行うことができる。請求項3に係る発明によれば、
上記効果に加え、液体の流量を調節して、高温の液体と
低温の液体との混合比を変更して、混合した液体の温度
変化を調整し、光学ガラス素子の成形面のヒケを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の光学ガラス素子の成形装
置の概略構成図である。
【図2】発明の実施の形態1のスリーブの斜視図であ
る。
【図3】発明の実施の形態2の光学ガラス素子の成形装
置の概略構成図である。
【図4】発明の実施の形態2のスリーブの上面図であ
る。
【図5】従来技術の光学素子の成形装置の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 4 光学ガラス素材 8 伝熱媒体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラス素材を一対の成形型の間に配
    置し、該成形型と光学ガラス素材とを同時に加熱し、光
    学ガラス素材を軟化させた後に、前記成形型を押圧して
    光学ガラス素材を成形し、成形型と成形された光学ガラ
    ス素子とを冷却した後、成形型を離型して光学ガラス素
    子を取り出す光学ガラス素子の成形方法において、 高温の液体により少なくとも成形型を直接加熱し、低温
    の液体により少なくとも前記成形型を冷却することを特
    徴とする光学ガラス素子の成形方法。
  2. 【請求項2】 光学ガラス素材を一対の成形型の間に配
    置し、該成形型と光学ガラス素材とを同時に加熱し、光
    学ガラス素材を軟化させた後に、前記成形型を押圧して
    光学ガラス素材を成形し、成形型と成形された光学ガラ
    ス素子とを冷却した後、成形型を離型して光学ガラス素
    子を取り出す光学ガラス素子の成形装置において、 液体を少なくとも成形型に接触させて成形型と光学ガラ
    ス素材とを加熱および冷却する加熱冷却機構と、その液
    体を歪点温度以下の温度から光学ガラス素材の温度を成
    形温度に至る温度に調節する液体温度調節機構とを備え
    たことを特徴とする光学ガラス素子の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記液体温度調節機構が、液体を加熱す
    る加熱槽と、液体を冷却する冷却槽と、前記加熱冷却機
    構へ送られる加熱槽からの液体の量と冷却槽からの液体
    の量とをそれぞれ調節する流量調節弁とを備えたことを
    特徴とする請求項2記載の光学ガラス素子の成形装置。
JP9153687A 1997-06-11 1997-06-11 光学ガラス素子の成形方法とその装置 Withdrawn JPH111329A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8087264B2 (en) 2005-10-14 2012-01-03 Ohara Inc. Glass forming apparatus and method
CN119038859A (zh) * 2024-10-30 2024-11-29 湖南大学 一种液态金属加热的石英玻璃模压成型装置和成型方法

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US8087264B2 (en) 2005-10-14 2012-01-03 Ohara Inc. Glass forming apparatus and method
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