JPH11139100A - 文化財保存方法 - Google Patents

文化財保存方法

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JPH11139100A
JPH11139100A JP32225297A JP32225297A JPH11139100A JP H11139100 A JPH11139100 A JP H11139100A JP 32225297 A JP32225297 A JP 32225297A JP 32225297 A JP32225297 A JP 32225297A JP H11139100 A JPH11139100 A JP H11139100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
carrier
adhesive
coating
color image
Prior art date
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Pending
Application number
JP32225297A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kitamura
亮 北村
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SAWANO DOGEN KK
Original Assignee
SAWANO DOGEN KK
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Publication date
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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存・保管が容易であり、しかも、後の分析
調査が可能である文化財保存方法を提供する。 【解決手段】 担体11の表面に描かれた彩色画12の
上に粘着剤付透明フィルム13を貼付した後、フィルム
13を剥すことにより彩色画12を担体11からフィル
ム13に転移させる。そして、彩色画付着面に第2フィ
ルムを貼付して、彩色画12を挟んだラミネートフィル
ムを作成する。なお、彩色画12をフィルム13に転移
させた後、第2フィルムを貼付する前に、彩色画付着面
に水性アクリルエマルジョン等の固定用透明樹脂液を塗
布又は噴霧して、彩色画12の保存性を高めてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古い壁画や装飾画
等を保存する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁画、装飾画等の文化財を保存する方法
として、それらの表面に樹脂を塗布又は含浸させるとい
う方法が提案されている(特開平8−336813
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】社寺等の古い建造物の
壁面や天井、或いは木箱等の表面に描かれた彩色や絵画
は、そのままにしておくと徐々に劣化してゆく。特に近
年の空気の汚れ等の環境の悪化は劣化の速度を早めるこ
とが指摘されている。
【0004】年代が極めて古い等、対象が非常に貴重な
文化財である場合、そのままの形で空調を施した保管室
・保管箱に入れて保存するという方法もとられるが、数
多く存在するそれ以降の時代の壁画等の場合、全てをそ
のような方法で保存することは不可能である。このた
め、建造物等の修復の際、模写や写真で外観を保存した
後は、壁や天井等の実物(担体と呼ぶ)はその上に描か
れた彩色画等とともに廃棄されてしまうことが多かっ
た。
【0005】上記樹脂含浸法では、元の場所に置いたま
まで劣化を防止することができるという効果はあるもの
の、建造物自体を建て替えたり解体する場合、壁等の担
体と一緒に保存せざるをえないため、同様に保管場所の
確保に困難が生ずる。また、樹脂の含浸により壁画の顔
料や担体等が変質する可能性があり、後の分析調査のこ
とを考慮すると適切な保存法とは言えない。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、保存・保管が容易であり、しか
も、後の分析調査が可能である文化財保存方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る文化財保存
方法は、以下の各工程を含むことを特徴とするものであ
る。 a)担体の表面に描かれた塗画の上に粘着剤付透明フィル
ムを貼付する。 b)粘着剤付フィルムを担体から剥し、塗画を担体から粘
着剤付透明フィルムに転移させる。 c)剥した粘着剤付透明フィルムの塗画が付着している側
の面に第2フィルムを貼付することにより、両フィルム
間に塗画を挟持する。
【0008】担体とは、木壁、木箱、土壁、石壁等、塗
画が描かれている下地の物を言う。塗画には、担体に施
された彩色、描かれた絵画、漆塗り、箔押し、墨跡等が
含まれる。なお、後代に付着したシミ等も学術的に意味
のある場合が多いが、この方法により粘着剤付透明フィ
ルムに転移することができる。
【0009】第2フィルムは、塗画の裏面を観察できる
ように、透明としておくことが望ましい。なお、第2フ
ィルムは必ずしも粘着剤付でなくても構わない。
【0010】上記工程b)とc)の間に、剥した粘着剤付透
明フィルムの塗画付着面に固定用の透明樹脂液を塗布又
は噴霧してもよい。塗画自体が風化のために粉状になっ
ていたり、塗画の表面に埃等が付着している場合、その
ままでは粘着剤付透明フィルムへの付着力が弱く、容易
に剥離するおそれがある。また、重ね塗りされている場
合は(ほとんどがそうであるが)、そのままでは表層以
外が層状剥離してしまう。固定用透明樹脂液はそれらを
防止し、原状を維持した保存を確実にする。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る保存方法では、塗画をその
担体から分離して保存するため、担体の大きさにかかわ
らず、嵩張ることなく容易に保存することができる。ま
た、担体から剥す祭、塗画を変質させることなくそのま
ま2枚のフィルムの間に保存するため、後に分析等を行
なうことが可能となる。また、塗画は空気から遮断され
るため、暗室に保管することにより、その間の変質も防
止される。
【0012】
【実施例】本発明の一つの実施例として、図1(a)に
示すような担体11上に描かれた彩色画12を保存する
方法を説明する。まず、粘着剤付透明フィルム13を用
意する。粘着剤付透明フィルム13は図3に示すよう
に、透明フィルム13aに粘着剤13bを塗布し、使用
時までの取り扱いのために粘着剤面にセパレータ(剥離
紙)13cを貼付したものである。透明フィルム13a
としては、伸縮性が低く、保存時の変質の少ない、PE
T(poly(ethylene terephthalate)=ポリテレフタル酸
エチレン)を用いたものが好ましい。厚さは、余りに薄
すぎるとセパレータ13cを剥した時にそれ自体で粘着
してしまったり(ジャミング)、担体11に貼付する際
に皺が寄ったりして取り扱いに不便である。一方、厚す
ぎると、担体11の表面が平坦でない場合に(このよう
なことが多い)フィルム13aを表面になじませること
ができず、彩色画12を正しくフィルム13aに転移す
ることができない。PETフィルムを用いる場合、一般
的には50〜200μm程度の厚みが適切である。粘着剤1
3bとしては、粘着力の強いものを用いる。このような
粘着剤付透明フィルム13としては、例えば日栄化工株
式会社製のNE-takフィルムを用いることができる。粘着
剤付透明フィルム13は、担体11よりもやや大きめに
カットしておく。
【0013】担体11の方は、可能な限り表面の埃等を
取り除いておく。セパレータ13cを剥した後、図1
(b)に示すように担体11の表面に貼付する。このと
き、担体11表面とフィルム13の間に空気が入らない
ように、また、フィルム13に皺が寄らないように、端
の方から徐々に貼付してゆく。フィルム13を担体11
の全面に貼付した後、フィルム13の表面を十分に押さ
え、粘着剤13bを確実に担体11の表面に接触させる
ようにする(図1(c))。
【0014】フィルム13を十分担体11の表面に密着
させた後、フィルム13を担体11表面から剥す(図2
(a))。このとき、フィルム13は端の方からゆっく
り、彩色画12が確実にフィルム13の方に転移してい
ることを確認しながら剥してゆく。フィルム13を完全
に担体11表面から剥したとき、図2(b)に示すよう
に、フィルム13の粘着剤面上に彩色画12が転移して
いる。そして、この面に別のフィルム(第2フィルム)
14を貼付し、彩色画12をラミネートする(図2
(c))。彩色画12の裏面も重要な文化財情報となり
得るため、第2フィルム14も透明なものを使用するこ
とが望ましい。従って、上記彩色画12転移のために用
いたフィルム13(第1フィルム)と同じものを用いる
ことができる。なお、粘着剤層を持たない、単なるフィ
ルムだけのものでもよい。
【0015】ラミネートしたフィルムを彩色画12の大
きさに合わせてカットし(図4(a))、保存箱等に入
れておく。これにより、両フィルム13、14間に挟持
された彩色画12は長期間変質することなく良好な状態
で保存される。なお、図4(b)では粘着剤層付の第2
フィルム14を用いた例を示している。
【0016】なお、彩色画12をフィルム13に転移さ
せた時点で、彩色画12が剥落しやすい場合には、その
面に透明樹脂液を塗布又は噴霧し、彩色画12を確実に
固定するようにしてもよい。ここで使用する樹脂液とし
ては、彩色画12を原状保存するために当然透明である
ことが必要であり、さらに、塗布・噴霧が容易であり、
しかも、その際に脆い彩色画12が剥落しないように、
粘度の低い方が望ましい。一例としては、水性アクリル
エマルジョンを挙げることができる(例えば、日本アク
リル化学(株)製プライマルAC2235)。これは、
適宜水で希釈して粘度を調整することができるため、彩
色画12の脆さの程度に応じた液を作製することができ
る。この場合、最初は薄い液で塗布・噴霧し、乾燥後、
徐々に濃い液で処理するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例としての彩色画保存処理工
程の前半を示す説明図。
【図2】 実施例の彩色画保存処理工程の後半を示す説
明図。
【図3】 粘着剤付透明フィルムの構成を示す拡大断面
図。
【図4】 実施例の彩色画保存処理により得られたラミ
ネートフィルムの表面図(a)及び拡大断面図(b)。
【符号の説明】
11…担体 12…彩色画 13…粘着剤付透明フィルム 13a…透明PETフィルム 13b…強粘着剤 13c…セパレータ(剥離紙) 14…第2フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体の表面に描かれた塗画の上に粘着剤
    付透明フィルムを貼付した後、該粘着剤付透明フィルム
    を剥すことにより塗画を担体から粘着剤付透明フィルム
    に転移させ、塗画付着面側に第2フィルムを貼付するこ
    とにより両フィルム間に塗画を挟持することを特徴とす
    る文化財保存方法。
  2. 【請求項2】 塗画を粘着剤付透明フィルムに転移させ
    た後、第2フィルムを貼付する前に、塗画付着面に固定
    用透明樹脂液を塗布又は噴霧して塗画の保存性を高めた
    ことを特徴とする請求項1記載の文化財保存方法。
JP32225297A 1997-11-06 1997-11-06 文化財保存方法 Pending JPH11139100A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008279643A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 National Institutes For Cultural Heritage 文化財画作品用表打ち材料及びそれを用いた文化財画作品修復方法
JP2009067032A (ja) * 2007-09-18 2009-04-02 Yoshida Seibutsu Kenkyusho:Kk 壁画の剥ぎ取り方法
JP2010269605A (ja) * 2010-08-04 2010-12-02 National Institutes For Cultural Heritage 文化財用表打ち材料及びそれを用いた文化財修復方法

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