JPH11140178A - 臭素化ポリカーボネートの製造方法並びにそれにより得られた製品 - Google Patents

臭素化ポリカーボネートの製造方法並びにそれにより得られた製品

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JPH11140178A
JPH11140178A JP10247526A JP24752698A JPH11140178A JP H11140178 A JPH11140178 A JP H11140178A JP 10247526 A JP10247526 A JP 10247526A JP 24752698 A JP24752698 A JP 24752698A JP H11140178 A JPH11140178 A JP H11140178A
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bisphenol
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Patrick Joseph Mccloskey
パトリック・ジョセフ・マッククロスキー
Gary Charles Davis
ゲリー・チャールズ・デイヴィス
David Michel Dardaris
デイヴィッド・ミシェル・ダーダリス
Daniel Joseph Brunelle
ダニエル・ジョセフ・ブルネル
Robert Russell Gallucci
ロバート・ラッセル・ガルーチ
Mahari Tjahjadi
マハリ・トジャージャディ
Kevin Mitchell Snow
ケヴィン・ミッチェル・スノウ
David Whalen
デイヴィッド・ウェイレン
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General Electric Co
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Abstract

(57)【要約】 テトラブロモビスフェノールAホモポリカーボネート又
はコポリカーボネート等の臭素化芳香族ポリカーボネー
トをビスフェノールA等のジ又はポリヒドロキシ芳香族
化合物或いは炭酸ジアルキル及び平衡化触媒と該臭素化
芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量が35%以上
低下するような条件下で平衡化させることによって、ポ
リエステル等の他のポリマーに対する難燃剤として有用
な高流動性臭素化ポリカーボネート樹脂を得る。好まし
い平衡化触媒はステアリン酸ナトリウム等のカルボン酸
の第I族金属塩並びにヘキサアルキルグアニジニウム塩
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、ポリマーに対する難燃添加剤
に関するものであり、より具体的には、難燃剤として有
用な臭素化ポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臭素化ポリマー(特に臭素化ポリカーボ
ネート)を他のポリマーの難燃添加剤として使用するこ
とは相当長い間知られていた。例えば、米国特許第39
15926号及び同第3936400号には、2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(以下「TBBPA」と表記する場合もある)の
ような臭素化モノマーから誘導されるポリカーボネート
の製造、並びにかかるポリカーボネートをポリ(エチレ
ンテレフタレート)やポリ(ブチレンテレフタレート)
等のポリエステル用の難燃剤として使用することが記載
されている。通例、使用されるポリマーはTBBPA単
独重合体又はTBBPAと2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」と表
記する場合もある)の共重合体である。大抵、この難燃
剤は、約1500〜5000の範囲の重量平均分子量
(本明細書中において重量平均分子量はすべてポリスチ
レンを標準物質とするゲル浸透クロマトグラフィーで測
定)を有するオリゴマーである。高分子量TBBPAポ
リカーボネートは、処理が困難又は不可能になるほど高
い粘度とガラス転移温度を難燃剤にもたらす傾向がある
からである。
【0003】かかるTBBPAオリゴポリカーボネート
を難燃剤として使用するに当たっては幾つかの不都合な
点がある。まず、その生産経費が高いことで、特にその
生産には既存のポリカーボネート生産施設の再構成が必
要とされることがあり、その結果ビスフェノールAポリ
カーボネート等の慣用ポリマーの生産に損失を来すため
である。第二に、TBBPAオリゴポリカーボネートを
配合したブレンドの分子量は空気中で熱老化に曝露され
たとき著しく変化する傾向がある。例えば典型的なTB
BPA共重合体をベースポリマーのポリ(1,4−ブチ
レンテレフタレート)に配合すると、ポリ(1,4−ブ
チレンテレフタレート)の分子量は190℃において約
1日後に2倍となり、その後ブレンドの分子量は減少す
る。
【0004】米国特許第5021521号及び同第54
14057号には、平衡化もしくは再分配による各種ポ
リカーボネートの製造方法が記載されている。かかる反
応では、触媒及び任意成分としての炭酸ジアルキル又は
ジヒドロキシもしくはポリヒドロキシ芳香族化合物の存
在下で高分子量ポリカーボネートを加熱し、異なる分子
量(普通は低分子量)の再分配又は平衡化ポリカーボネ
ートを生じさせる。
【0005】上記米国特許で使われる触媒には多種多様
な化合物が包含されるが、主に塩基とルイス酸である。
その決して網羅的とはいえない具体例には、ステアリン
酸リチウムのようなカルボン酸のアルカリ金属又はアル
カリ土類金属塩、水素化ナトリウムのような水素化物、
水素化ホウ素ナトリウムのようなホウ水素化物、ジ(n
−ブチル)スズオキシドのような有機スズ化合物、チタ
ン酸テトラ−n−プロピルのようなチタン酸エステル、
並びに水酸化テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメ
チルアンモニウム及びテトラフェニルホウ酸テトラ−n
−ブチルアンモニウムのようなテトラアルキルアンモニ
ウム化合物がある。本願と同一出願人による係属中の米
国特許出願第08/768871号にはヘキサアルキル
グアニジニウムビスフェノラートが開示されており、こ
れもこの種の平衡化反応の触媒として有用である。
【0006】かかる平衡化反応(以下「平衡化」という
用語を便宜上平衡化反応及び再分配反応の両義で用い
る)は、難燃剤としての使用に適した粘度特性をもつ臭
素化ポリカーボネートの合成に有用であると期待できた
かも知れない。しかし、以前に開示された平衡化触媒の
多くは臭素化ポリカーボネートの存在下では有効でない
ことが判明した。かかる事情はたとえ触媒がビスフェノ
ールAホモポリカーボネートのような他のポリカーボネ
ートの平衡化に有効であっても変わらない。
【0007】従って、空気熱老化条件下で高い安定性を
有していて、それらが難燃添加剤として配合されるポリ
マーによく調和した粘度をもつ臭素化ポリカーボネート
の製造方法の開発に関心がもたれる。さらに、かかるポ
リマーを平衡化のような比較的簡単な方法で製造するこ
とにも関心がもたれる。
【0008】
【発明の概要】本発明は、かかる臭素化ポリカーボネー
トの製造方法を提供する。さらに本発明は、ポリエステ
ルのようなベースポリマーに難燃添加剤として使用した
ときに改善された諸性質を有する臭素化ポリカーボネー
トを提供する。本発明は、その一つの態様では、高流動
性臭素化ポリカーボネート樹脂の製造方法に関するもの
であり、当該方法は(A)ポリスチレンを標準物質とす
るゲル浸透クロマトグラフィーで測定して約25000
〜100000の範囲内の重量平均分子量を有するホモ
ポリカーボネート及びコポリカーボネートからなる群か
ら選択される1種類以上の臭素化芳香族ポリカーボネー
トと、(B)炭酸ジアルキル、ジヒドロキシ芳香族化合
物及びポリヒドロキシ芳香族化合物からなる群から選択
される1種類以上の平衡化用化合物と、(C)1種類以
上の平衡化触媒とを含んでなる混合物を約150℃〜3
00℃の範囲内の温度で平衡化させることを含んでなる
が、成分B及び成分Cはその使用量及び上記平衡化の条
件下において上記ポリカーボネートの重量平均分子量を
35%以上減少させることができるものである。
【0009】本発明の別の態様は、上記の方法で製造さ
れた臭素化芳香族ポリカーボネートである。本発明のさ
らに別の態様は、難燃化量の上記臭素化ポリカーボネー
ト樹脂と共にポリカーボネート相溶性ポリマーを含んで
なる樹脂組成物である。本発明のさらに別の態様は、上
記樹脂組成物を含んでなる成形品である。
【0010】
【好ましい実施形態の詳細な説明】上記でA、B及びC
として規定した材料は、それらが実際に成分として作用
するか或いは反応体として作用するかを問わず、これ以
降頻繁に「成分A」等と呼ぶ。成分Aは1種類以上の臭
素化芳香族ポリカーボネートである。これは単独重合体
でも、好ましくはコポリカーボネートでもよいが、いず
れも1種類以上の臭素化ビスフェノールを使用して製造
される。どんな臭素化ビスフェノールを用いてもよい
が、好ましいのはTBBPAである。
【0011】コポリカーボネートの場合、コモノマーと
して使用するビスフェノールは式HO―A1 ―OHを有
するものであればどんなビスフェノールであってもよ
い。ただし、A1 は芳香族基である。好ましい芳香族基
は次式を有する。 (I) -A2-Y-A3 - 式中、A2及びA3は各々単環式二価芳香族炭化水素基で
あり、YはA2とA3を炭素原子1個又は2個で隔てる橋
かけ炭化水素基である。式(I)における自由原子価結
合は普通Yに対してA2及びA3のメタ位又はパラ位にあ
る。A2及びA3は共にp−フェニレンであるのが好まし
いが、両者共にo−又はm−フェニレンでもよいし、或
いは片方がo−又はm−フェニレンで他方がp−フェニ
レンであってもよい。
【0012】橋かけ基YはA2とA3を原子1個又は2個
(好ましくは原子1個)で隔てる橋かけ基である。この
種の基の代表例は、メチレン、シクロヘキシルメチレ
ン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチルメチレン、
エチレン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シク
ロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデ
シリデン及びアダマンチリデンなどであるが、gem−
アルキレン(アルキリデン)基が好ましい。入手性の点
及び本発明の目的に特に好適である点で、コモノマーと
して使用するのに好ましいビスフェノールはビスフェノ
ールAから誘導されるものであり、上記式中のYはイソ
プロピリデンであり、A2及びA3は共にp−フェニレン
である。
【0013】試薬Aとして用いられるコポリカーボネー
トは、臭素化ビスフェノールから誘導される構造単位を
大抵は約30〜80重量%、好ましくは約30〜70重
量%含んでなる。その分子量は約25000〜1000
00の範囲、好ましくは約30000〜75000の範
囲にある。成分Bは1種類以上の平衡化用化合物であ
り、炭酸ジフェニルのような炭酸ジアルキルであっても
よい。しかし、成分Bは好ましくはジヒドロキシ又はポ
リヒドロキシ芳香族化合物である。ジヒドロキシ及びト
リヒドロキシ化合物がさらに好ましく、ジヒドロキシ化
合物が最も好ましい。
【0014】成分Bとして用いられるヒドロキシ化合物
の好ましい特徴は、該化合物の2以上のヒドロキシ基の
各々に対するオルト位に少なくとも1つ、好ましくは2
つの非置換炭素原子が存在することである。これを好ま
しいとするのは、かかる化合物を使用すると後述の通り
好ましい範囲の溶融粘度を有する生成物を与えるのに特
に効果的であることが多いという事実による。
【0015】成分Bとして用いるのに好適なヒドロキシ
化合物には、レゾルシノール及びヒドロキノンのような
非置換及び置換単環式化合物、並びに上述の種類の非置
換及び置換ビスフェノールがある。代表的なビスフェノ
ールは、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンである。
代表的なトリヒドロキシ化合物は1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタンである。普通はビス
フェノールAが好ましい。
【0016】本発明は、上記で引用した米国特許及び出
願に開示された幾種類もの平衡化触媒のうちのほんの少
数しか本発明の成分Cとして有効でないという知見に基
づいている。その主なものはヘキサアルキルグアニジニ
ウム塩及びカルボン酸の第I族金属塩である。代表的な
カルボン酸の第I族金属塩は、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸カリウム及びリノール酸ナトリウムで
ある。好ましい化合物はステアリン酸塩であり、ステア
リン酸ナトリウムが最も好ましい。
【0017】好ましいヘキサアルキルグアニジニウム塩
は、上記で引用した係属中の米国特許出願第08/76
8871号に開示されている第四ビスフェノラートであ
る。これらは下記の分子式によって表される。 (II) H3[(R1)2N]3C(OA4O)2 式中、A4は二価芳香族基であり、R1はエチルやn−ブ
チル等のC1-6アルキル基である。
【0018】A4基は単環式残基、すなわち非置換又は
置換m−又はp−フェニレン基でよい。大抵は、A4
は次式を有する。 (III) -A5-Z-A5- 式中、A5は非置換p−フェニレンであり、Zは単結合
又はA5とA5とを原子1個又は2個で隔てる橋かけ基で
あり、換言すればA4はビスフェノール由来の原子団で
ある。このタイプの好ましい原子団はA5がp−フェニ
レンでZがA5とA 5とを原子1個又は2個で隔てる橋か
け基であるものである。代表的なZ基には、メチレン、
エチレン、イソプロピリデン、2,2−ジクロロエチリ
デン、酸素、イオウ、スルホキシ及びスルホンがある。
4,4′−ビフェノールの場合のように、Zは単結合で
あってもよい。好ましいZはイソプロピリデンであり、
これは上記化合物の合成に使用するビスフェノールがビ
スフェノールAのときに存在する。
【0019】第四ビスフェノラートは式 (HO)24
ジヒドロキシ芳香族化合物とアルカリ金属水酸化物と式
[(R1)2N]3+- のグアニジニウム塩との反応によ
って合成し得る。第四ビスフェノラート塩のXはハロゲ
ン、好ましくは臭素又は塩素であり、最も好ましくは塩
素である。典型的な反応温度は約10〜125℃の範囲
にあり、好ましくは約10〜50℃である。窒素やアル
ゴンのような不活性雰囲気を用いてもよい。
【0020】好ましい製造方法では、反応は大抵はC
1-3アルカノール(好ましくはメタノール)も含んだ水
性媒質中で起こる。第四ビスフェノラートは普通水に不
溶性であるがアルカノールには可溶性であり、往々にし
て自然に沈澱するが、そうでなければ水の添加によって
沈澱させることができる。概して、最初にビスフェノー
ルとアルカリ金属水酸化物のアルコール性混合物を形成
し(ここでビスフェノールはアルカリ金属塩として溶解
する)、次いでこれにグアニジニウム塩のアルコール水
溶液を加えるのが都合がよいことが分かった。別の代替
法は、ビスフェノールとグアニジニウム塩を混合して、
これにアルカリ金属水酸化物の水溶液を徐々に加えるこ
とである。水−アルカノールを用いる実施形態では、約
20〜30℃の範囲の周囲温度が概して好ましい。
【0021】さらに別の方法では、トルエンのような非
極性有機溶媒を用いる。グアニジニウム塩のアルカリ水
溶液を、ビスフェノールと還流溶媒の混合物に徐々に加
える。生成物が析出し、水洗によって精製できる。これ
らいずれの方法で得られる生成物も再結晶(大抵はアル
カノール、好ましくはメタノールからの再結晶)によっ
てさらに精製することができる。
【0022】各反応体の量比は第四ビスフェノラートの
合成方法において臨界的意義をもたない。ただし、至適
収量の点で、1:1:0.5〜1.5、特に2:1:1
のビスフェノール:グアニジニウム塩:アルカリ金属水
酸化物のモル比が好ましい。ビスフェノールAと塩化ヘ
キサエチルグアニジウムと水酸化ナトリウムから得た生
成物のX線回折法分析で、この生成物が3つのプロトン
を通した2つの酸素原子間での水素結合を介してビスフ
ェノールAアニオン部分が互いに結びついた二重らせん
の分子構造を有することが示された。ヘキサエチルグア
ニジニウムカチオン部分は上記アニオン性二重らせんと
イオン的に会合していて、殆どの場合水素結合で形成さ
れたポケット内に位置している。その他の第四ビスフェ
ノラートに対しても同様の構造が想定される。
【0023】本発明の方法は約150〜320℃の範囲
内の温度においてメルト中或いはo−ジクロロベンゼン
やトリクロロベンゼン等の比較的沸点の高い溶媒の溶液
中で実施し得る。メルト作業、特に押出機等での連続メ
ルト処理が概して好ましい。成分B及び成分Cの割合は
生成物に所要の分子量減少度をもたらすのに有効な量で
ある。殆どの場合、全反応混合物(ただし、溶剤が存在
する場合は溶剤を除く)を基準にして、成分Bは約0.
5〜3.0%、好ましくは約1.0〜3.0%の量で存
在し、成分Cは約0.01〜0.3%の量で存在する。
【0024】臭素化ポリカーボネートだけから得た押出
品は時として取扱いが難しいことがある。例えば、押出
ダイを通してのストランド形成及びペレット形成は低分
子量臭素化ポリカーボネートの脆性のために困難もしく
は不可能なことがある。ただし、かかる処理は、平衡化
に用いられる成分に(D)強化用ポリマーを配合するこ
とによって容易にできる。理想的には、かかる強化用ポ
リマーの存在は後述の通り250℃で12000ポアズ
の最大溶融粘度を生む。
【0025】好適な強化用ポリマーとしてはポリエステ
ルがあり、主に後述のベース樹脂として用いられるタイ
プのものである。この目的に適うポリマーとしては他に
ポリエチレンのようなオレフィン重合体並びにエチレン
−酢酸ビニル及びエチレン−エチルアクリレート共重合
体等のオレフィン−エチレン性不飽和エステル共重合体
がある。これらは、全反応混合物(ただし、溶剤が存在
する場合は溶剤を除く)の重量を基準にして、大抵は約
5〜25重量%、好ましくは約10〜20重量%の量で
用いられる。
【0026】本発明の方法は、それがメルト中で実施さ
れると溶液中で実施されるとを問わず、ポリカーボネー
ト分子量が35%以上減少する程度まで成分Aの平衡化
を生じる。平衡化生成物が250℃で約12000ポア
ズ以下の粘度を有することも好ましい。溶融粘度は試験
条件によって大幅に変動する可能性があり、本発明の目
的とするところでは溶融粘度の測定条件は以下の通り規
定される。
【0027】 乾燥時間及び乾燥温度:1時間,150℃; 予熱時間:5分; オリフィス:直径2.096mm,長さ8.00mm; 重量:5kg。 このような性質の変化に伴って、本発明の生成物は、特
に高温酸化性条件下での安定性並びにベースポリマーと
粘度が極めて近接していることから、ポリエステル等に
おける難燃剤として高度の有用性をもつようになる。
【0028】本発明の臭素化ポリカーボネートは、ポリ
カーボネート及びポリカーボネート相溶性ポリマーに対
する難燃添加剤として有用である。ポリカーボネート相
溶性ポリマーには、ABS共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体及びポリエステルがある。好ましい
ポリエステルはエチレン性不飽和のない芳香族ポリエス
テルである。その代表例はポリ(アルキレンジカルボキ
シレート)であり、通例次式の構造単位を含んでなる。
【0029】
【化1】
【0030】式中、R2は炭素原子数約2〜12(通常
約2〜8)の飽和二価脂肪族又は脂環式炭化水素基であ
り、A6は炭素原子数約6〜20の二価芳香族基であ
る。ポリ(アルキレンジカルボキシレート)は通例エチ
レングリコールや1,4−ブタンジオール等の1種類以
上のアルカンジオールとイソフタル酸やテレフタル酸や
ナフタレンジカルボン酸等の1種類以上の芳香族ジカル
ボン酸又はその低級アルキルエステルとの反応によって
製造される。最も好ましいポリエステルはポリ(エチレ
ンテレフタレート)及びポリ(1,4−ブチレンテレフ
タレート)のような結晶性ポリエステルである。後者を
以下「PBT」と表記することもある。
【0031】臭素化ポリカーボネートは、本発明の樹脂
組成物中に、難燃化に有効な量で存在する。この量は概
して、樹脂組成物中に存在する他の添加剤を含めた全樹
脂組成物を基準にして、約15〜50重量%である。そ
の他の添加剤には、ガラス繊維等の強化用又は非強化用
充填剤、三酸化アンチモン(Sb23)等の難燃相乗剤
並びにポリテオラフルオロエチレン等の抗ドリップ剤が
ある。これらの添加剤の好ましい割合は、この場合も全
樹脂組成物を基準にして、それぞれ約10〜40重量
%、約1〜5重量%、約0.1〜1.0重量%である。
【0032】各種安定剤を配合してもよい。その中に
は、カーボネート−エステル交換奪活剤があり、ブレン
ドの物理的性質を損なうおそれのあるポリカーボネート
及びポリエステル内のエステル結合の開裂の抑制並びに
そのアルキレンカーボネート及びアリールカルボキシレ
ート結合による置換の抑制に用いられる。かかる奪活剤
は通例ブレンドの重量の約0.01〜3.0重量%、好
ましくは約0.01〜2.0重量%のレベルで用いられ
る。かかる奪活剤には、酸性リン酸塩;1以上の水素又
はアルキル基を有する酸性亜リン酸アルキル、アリール
及びそれらの混合物;リン酸の第IB族及び第IIB族金
属塩;リンのオキソ酸;並びに酸性ピロリン酸金属塩が
ある。
【0033】かかる奪活剤についての一段と詳しい説明
は米国特許第5441997号にあり、その開示内容は
文献の援用によって本明細書に取り込まれる。安定剤と
して用いる化合物の適性及び安定剤としてどれくらいの
量を使用すべきかは、該化合物の存在下及び非在下でポ
リエステルとポリカーボネートと充填剤の混合物を調製
し、溶融粘度、色安定性又はインターポリマー形成に関
する影響を求めることによって容易に決定することがで
きる。
【0034】上記奪活剤以外の安定剤を用いる場合には
概して1重量%未満の量で存在する。本発明の成形品
は、射出成形等の慣用成形技術で製造し得る。多くの目
的で好ましい成形品は、電気機器、特に電気コネクタで
ある。本発明を以下の実施例によって例示する。部及び
百分率はすべて重量を基準にしたものである。
【0035】実施例1 重量比約1:1のビスフェノールA構造単位とTBBP
A構造単位からなる分子量40500の臭素化コポリカ
ーボネートのo−ジクロロベンゼン溶液を各種触媒0.
1モル%及び炭酸ジフェニル2モル%と混合した。得ら
れた混合物を異なる時間にわたって還流条件下で加熱
し、しかる後に分子量を測定した。
【0036】その結果を表1に示す。「(HEG)(BP
A)2」と表記した触媒は、ビスフェノールAから調製し
たヘキサエチルグアニジニウムビスフェノラートであ
り、ヘキサエチルグアニジニウムカチオン1個、ビスフ
ェノールAジアニオン2個、プロトン3個という化学量
論比に対応した分子式を有する。比較のため、触媒及び
炭酸ジフェニルの非存在下で成分Aを用いた対照実験も
行った。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかな通り、ここで使った触媒
のうち60分以内に本発明に規定する範囲内の分子量を
生じたものはなかったが、分子量の最も顕著な減少がみ
られたのはヘキサエチルグアニジニウムビスフェノラー
トであり、60分後に35%という分子量減少閾値の近
くまで達した。ヘキサエチルグアニジニウムビスフェノ
ラートでは60分を若干超える還流時間で35%以上の
分子量減少を生じるものと期待される。その他の触媒で
はそうとはいえない。
【0039】実施例2 実施例1で反応体として用いた臭素化コポリカーボネー
ト試料を、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA
H)、ヘキサエチルグアニジニウムビスフェノラート又
はこれら2つの混合物(及び幾つかの事例では成分Aを
基準にして1%のビスフェノールA)と組合せた。得ら
れたブレンドを二軸押出機にて260℃で押出し、分子
量及びメルトフローレート(260℃及び1.2kgで
の10分間当たりのグラム単位で示す)を決定した。そ
の結果を市販のビスフェノールAホモポリカーボネート
を同様に押出したものと対比して表2に示す。結果を表
2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】ビスフェノールAホモポリカーボネートの
平衡化に用いた2種類の触媒(単独又は組合せ)はいず
れも単量体ビスフェノールAの非存在下でもかなりの分
子量減少をもたらしてメルトフローを増大させたが、T
BBPAコポリカーボネートではそうではなかったこと
が分かる。TBBPAコポリカーボネートについては、
所要範囲内の分子量減少を達成しかつメルトフローを実
質的に増大させるには、ヘキサエチルグアニジニウムビ
スフェノラートを含む触媒と単量体ビスフェノールAを
共に使用する必要があった。
【0042】実施例3 実施例1で反応体として用いた臭素化コポリカーボネー
ト試料を、様々な量比のビスフェノールA、及び触媒と
して実施例2で用いたもの並びに水酸化ジエチルジメチ
ルアンモニウム(DEDMAH)及びステアリン酸ナト
リウムと共に押出した。押出は40mm二軸押出機にて
真空脱気しながら250℃で実施した。幾つかの実験で
は上記条件下での溶融粘度が1240ポアズのPBTを
用い、また、幾つかの実験では慣用の酸化防止剤が存在
していたが、酸化防止剤の存在は分子量及び溶融粘度の
結果に影響しなかった。
【0043】結果を表3に示す。溶融粘度はすべて12
000ポアズを下回っていた。ポリエステルとの混合物
として調製したポリカーボネートの分子量を、ポリカー
ボネートをクロロホルムに溶解し、不溶性ポリエステル
を最初は濾過助剤、次いで2度目は50ミクロンのシリ
ンジフィルターを通して濾過して除去することにより、
決定した。
【0044】
【表3】
【0045】水酸化テトラアルキルアンモニウムを唯一
の触媒として用いた実験1〜3及び6を除く各実験で3
5%以上の分子量減少が観察されたことが分かる。実施例4 各実験で用いた触媒がステアリン酸ナトリウムであって
押出温度が288℃であった点を除き、実施例3と基本
的に同じ手順を用いた。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】これらの結果は、35%以上の分子量減少
を得るためには、有効な触媒(本実施例ではステアリン
酸ナトリウム)とビスフェノールAが共に存在している
必要があることを示している。そのいずれかに欠ける実
験1〜3では減少率が小さいか或いは全く観察されなか
ったからである。(実験7では、分子量減少率は所要数
値に若干足りないものの、ほぼ近くまで接近してい
る)。また、溶融粘度の実質的減少には、ステアリン酸
ナトリウムとビスフェノールAの少なくとも一方の存在
が必要とされ、ビスフェノールAが1.0%以上の量で
存在するときに最適となったことが分かる。
【0048】実施例5 実施例4の手順を用いて、臭素化コポリカーボネートの
分子量を減少させるための平衡化触媒としての各種金属
塩の有効性を決定した。各実験において、平衡化触媒は
0.5%の量で、ビスフェノールAは1.0%の量で、
PBTは15%の量で存在していた。結果を表5に示
す。
【0049】
【表5】
【0050】以上の結果は、ナトリウム塩及びカリウム
塩が望ましい分子量減少及び好適範囲内の溶融粘度を達
成するのに有効であることを示している。他方、ステア
リン酸の亜鉛塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩は望
ましいレベルの分子量減少度をもたらさず、場合によっ
ては溶融粘度の減少も好ましいレベルに達しなかった。
【0051】実施例6 実施例4の手順を用いて、各種ジヒドロキシ芳香族化合
物の成分Bとしての有効性を評価した。各ジヒドロキシ
芳香族化合物は1%の量で使用し、ステアリン酸ナトリ
ウムとPBTはそれぞれ0.05%及び15%の量で用
いた。結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】使用した各ジヒドロキシ芳香族化合物でポ
リカーボネートの分子量が所望量だけ減少したが、実験
1で用いたビスフェノール(ヒドロキシ基に対するオル
ト位に水素原子を含んでいない)は溶融粘度の低下が好
ましいレベルに達しなかった。実施例7 実施例4における実験12〜13と同様の平衡化臭素化
ポリカーボネートを調製したところ、下記条件下で測定
して約3200ポアズの溶融粘度を有することがわかっ
た。
【0054】 乾燥時間及び乾燥温度:1時間,150℃; 予熱時間:なし; オリフィス:直径1.067mm,長さ15.621m
m; 重量:21.6kg。 この臭素化ポリカーボネートは、実施例3で用いたPB
T(同一条件下での粘度が1240ポアズであった)と
粘度の調和がとれていた。対照的に、分子量約1500
の市販のTBBPAポリカーボネート・オリゴマーは測
定できないほど粘度が低かった。
【0055】下記材料を一軸押出機にて250℃で押出
してブレンドを製造した。 PBT: 44.25部、 臭素化ポリカーボネート: 22部、 ガラス繊維: 30部、 三酸化アンチモン85%とエチレン−酢酸ビニル共重合
体15%のコンセントレート: 3部、 ポリテトラフルオロエチレン50%とスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体の混合物: 0.6部、 リン酸(奪活剤): 0.05部、 ヒンダードフェノール酸化防止剤: 0.1部。
【0056】PBTと臭素化コポリカーボネートの粘度
がよく一致しているため、上記ブレンドの調製及び押出
処理は容易であった。厚さ1.6mm及び0.8mmの
UL−94試験標本を金型温度65℃で121℃にて射
出成形したところ、燃焼試験での評価はV−0であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 69/00 C08L 69/00 H01R 13/46 301 H01R 13/46 301B 13/73 13/73 (72)発明者 ゲリー・チャールズ・デイヴィス アメリカ合衆国、ニューヨーク州、オーバ ニー、フェリシア・コート、5番 (72)発明者 デイヴィッド・ミシェル・ダーダリス アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ボール ストン・スパ、ミドル・ストリート、64番 (72)発明者 ダニエル・ジョセフ・ブルネル アメリカ合衆国、ニューヨーク州、バーン ト・ヒルズ、ウッズ・エッジ、4番 (72)発明者 ロバート・ラッセル・ガルーチ アメリカ合衆国、インディアナ州、マウン ト・ヴァーノン、タングルウッド・ドライ ブ、1109番 (72)発明者 マハリ・トジャージャディ アメリカ合衆国、インディアナ州、エヴァ ンズヴィル、ラルゴ・コート、410番 (72)発明者 ケヴィン・ミッチェル・スノウ アメリカ合衆国、インディアナ州、マウン ト・ヴァーノン、タングルウッド・ドライ ブ、2110番 (72)発明者 デイヴィッド・ウェイレン アメリカ合衆国、インディアナ州、マウン ト・ヴァーノン、ホーソーン・アヴェニュ ー、1608番

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリスチレンを標準物質とするゲ
    ル浸透クロマトグラフィーで測定して約25000〜1
    00000の範囲内の重量平均分子量を有するホモポリ
    カーボネート及びコポリカーボネートからなる群から選
    択される1種類以上の臭素化芳香族ポリカーボネート
    と、 (B)炭酸ジアルキル、ジヒドロキシ芳香族化合物及び
    ポリヒドロキシ芳香族化合物からなる群から選択される
    1種類以上の平衡化用化合物と、 (C)1種類以上の平衡化触媒とを含んでなる混合物を
    約150℃〜300℃の範囲内の温度で平衡化させるこ
    とを含んでなる高流動性臭素化ポリカーボネート樹脂の
    製造方法であって、成分B及び成分Cがその使用量及び
    上記平衡化の条件下において上記ポリカーボネートの重
    量平均分子量を35%以上減少させることができる、方
    法。
  2. 【請求項2】 前記臭素化ポリカーボネートが2,2−
    ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プ
    ロパンポリカーボネートである、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記平衡化がメルト中で実施される、請
    求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記臭素化ポリカーボネートが、2,2
    −ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
    プロパン由来の構造単位を約30〜70重量%含みその
    残余がビスフェノールA由来の単位であるコポリカーボ
    ネートである、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 成分Aが、ポリスチレンを標準物質とす
    るゲル浸透クロマトグラフィーで測定して、約3000
    0〜75000の範囲内の重量平均分子量を有する、請
    求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 成分Bが、上記ヒドロキシ基の各々に対
    するオルト位に置換されていない炭素原子を2つ有する
    ジヒドロキシ芳香族化合物である、請求項2記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 成分BがビスフェノールAである、請求
    項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 成分Cの割合が、溶媒以外の全反応混合
    物を基準にして、約0.01%〜0.3%の量で存在し
    ている、請求項2記載の方法。
  9. 【請求項9】 成分Cがヘキサアルキルグアニジニウム
    塩又はカルボン酸の第I族金属塩である、請求項2記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 成分Cがステアリン酸ナトリウムであ
    る、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 成分Cが次式の化合物である、請求項
    9記載の方法。 (II) [(R1)2N]3C(OA4O)2 式中、A4は二価芳香族基であり、R1はC1-6アルキル
    基である。
  12. 【請求項12】 R1 がエチルであって、A4がビスフ
    ェノールAから誘導される残基である、請求項11記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 成分Bが、溶媒以外の全反応混合物を
    基準にして、約0.5%〜3.0%の量で存在してい
    る、請求項2記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記混合物がさらに(D)強化用ポリ
    マーを含んでいる、請求項2記載の方法。
  15. 【請求項15】 成分Dがポリエステル、オレフィン重
    合体又はオレフィン−エチレン性不飽和エステル共重合
    体である、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 成分Dがポリ(1,4−ブチレンテレ
    フタレート)である、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 成分Dが、溶媒以外の全反応混合物を
    基準にして、約5〜25重量%の量で存在している、請
    求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記平衡化反応の条件が、下記条件下
    で測定した250℃での溶融粘度が約12000ポアズ
    以下の生成物を与えるものである、請求項2記載の方
    法。 乾燥時間及び乾燥温度:1時間,150℃; 予熱時間:5分; オリフィス:直径2.096mm,長さ8.00mm; 重量:5kg。
  19. 【請求項19】 請求項1の方法で製造された臭素化ポ
    リカーボネート。
  20. 【請求項20】 難燃化量の請求項19記載の組成物と
    共にポリカーボネート相溶性ポリマーを含んでなる樹脂
    組成物。
  21. 【請求項21】 前記ポリカーボネート相溶性ポリマー
    がポリエステルである、請求項20記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記ポリエステルがポリ(1,4−ブ
    チレンテレフタレート)である、請求項21記載の組成
    物。
  23. 【請求項23】 充填剤、難燃相乗剤、抗ドリップ剤及
    び安定剤の1種類以上をさらに含む、請求項21記載の
    組成物。
  24. 【請求項24】 請求項20記載の組成物を含んでなる
    成形品。
  25. 【請求項25】 当該成形品が電気コネクタである、請
    求項22記載の成形品。
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