JPH11141182A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH11141182A
JPH11141182A JP30427897A JP30427897A JPH11141182A JP H11141182 A JPH11141182 A JP H11141182A JP 30427897 A JP30427897 A JP 30427897A JP 30427897 A JP30427897 A JP 30427897A JP H11141182 A JPH11141182 A JP H11141182A
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JP
Japan
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upper plate
seismic isolation
isolation device
plate
lower plate
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Withdrawn
Application number
JP30427897A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Matsukawa
浩和 松川
Hiroshi Matsuoka
宏 松岡
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震に対する上部構造物の揺れを抑えるよう
にした免震装置Aに対して、個人住宅等のように上部構
造物が軽量であっても有効に免震機能を発揮させること
ができ、しかも、構造が簡単で、小形・軽量化を図るこ
とができるようにする。 【解決手段】 上部構造物と連結される上板1と、この
上板1の下側に対向して設けられ、基礎と連結される下
板2とを備え、上板1の下面にローラホルダー6を固定
し、このローラホルダー6に、上板1を下板2に対して
支持する7つの球状のローラ5,5,…を転がり可能に
保持し、上板1が下板2に対して相対的に水平方向に移
動したときに伸びる円筒状のゴム部材8により上板1及
び下板2の外周部全周同士を弾性的に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物等の上部構
造物と基礎との間に設けられ、地震に対する該上部構造
物の揺れを抑えるようにした免震装置に関する技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の免震装置としては、
例えば図9に示すように、上部構造物及び基礎にそれぞ
れ連結される円形の上板a及び下板b間において天然ゴ
ム等からなるゴムcと鋼板dとを交互に積層した免震支
承ゴムタイプのものがよく知られている。このものは、
ゴムcの鉛直剛性で上部構造物の荷重を支持し、地震時
の横揺れに対しては、ゴムcの低いせん断力と中心部に
設けた鉄や鉛のプラグeによるダンパ作用とにより水平
力を吸収するようになっている。また、上記プラグeの
代わりに油圧機構で減衰されるようにしたものや、ゴム
cを高減衰のものにしてゴムc自体でダンパ機能を発揮
させるようにしたものがある。この免震支承ゴムタイプ
の免震装置は構造が単純であり、しかも、施工前の設計
において地震力の減衰性能を容易に予測することがで
き、施工作業や施工後の維持管理も容易であるので、か
なり普及されている。
【0003】さらに、例えば特開平8−326352号
公報に示されているように、上下一対の硬質部材間に可
撓性構造体を設け、この可撓性構造体に流動部材が充填
された多数の区画室を形成することによって、簡単な構
成で地震に対する上部構造物の揺れを抑えるようにする
ことが提案されている。
【0004】また、近年、ゴムを用いないで、ベアリン
グ等のスライド機構とダンパ機構とを組み合わせた免震
装置が知られており、このものは、例えば2つのスライ
ド機構を略十字状に結合して上部構造物を基礎に対して
水平2方向に自由に移動可能とし、このスライド機構に
ばねやオイルダンパ等を別途付加して上部構造物の揺れ
を抑えるようにしている。
【0005】さらに、例えば特開平9−4279号公報
に示されているように、鋼鉄製球を中央が底点となる放
物線型の円型鋼鉄製皿受台で上下より挟んだ構成とし、
鋼鉄製球が下側の皿受台を上昇する際の反力により地震
加速度を消滅させることで上部構造物の横揺れを抑える
ようにすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の免
震支承ゴムタイプのものは、上部構造物から受ける鉛直
荷重が面圧で50〜100kg/cm2 程度のときに期待す
るせん断力を発揮するものであるため、自ずと上部構造
物の重量がかなり大きくないと期待どおりのせん断力が
生じない。また、水平方向の揺れによる移動距離を稼ぐ
ためには、より直径の大きい大型のゴムcが必要となる
ので、上部構造物の重量がさらに大きくないと成り立た
ないことになる。このため、この免震支承ゴムタイプの
免震装置は、大型集合住宅や病院等の大型建築物のみに
しか採用されていないのが実状である。
【0007】また、上記前者の提案例(特開平8−32
6352号公報)の免震装置においては、上部構造物か
らの荷重を支持するための可撓性構造体の強度が経年劣
化により衰え、上部構造物の高さを一定に保持すること
ができないという問題がある。また、製造上、内部に複
数の区画室を設けることは困難である。
【0008】そして、ゴムを用いないでスライド機構と
ダンパ機構とを組み合わせた免震装置においては、どの
方向からの地震力に対しても機能するようにするために
はスライド機構及びダンパ機構の構造が非常に複雑とな
り、施工に先立つ設計の困難さやコスト高が問題とな
り、普及していない。
【0009】さらに、上記後者の提案例(特開平9−4
279号公報)の免震装置においては、地震による横揺
れに対し、鋼鉄製球が放物線型の皿受台上を移動するた
め、上部構造物が上下方向にも移動するという問題があ
る。また、振動を減衰させるための機構が重力によるも
のであるため上部構造物が自由振動に近い振動挙動を示
し、振動の収まりが悪いという問題を有している。
【0010】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、地震に対する上部構
造物の揺れを抑えるようにした免震装置に対して、その
構成を従来のものとは異ならせることによって、個人住
宅等のように上部構造物が軽量であっても有効に免震機
能を発揮させることができ、しかも、構造が簡単で、小
形・軽量化を図ることができるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、上板の下面にローラホルダーを固
定し、このローラホルダーに、上板を下板に対して支持
する球状のローラを転がり可能に保持し、上板が下板に
対して相対的に水平方向に移動したときに伸びる弾性体
により上板及び下板の外周部の少なくとも一部同士を弾
性的に接続するようにした。
【0012】具体的には、請求項1の発明では、上部構
造物と基礎との間に設けられ、地震に対する該上部構造
物の揺れを抑えるようにした免震装置を対象とする。
【0013】そして、上記上部構造物と連結される上板
と、上記上板の下側に対向して設けられ、上記基礎と連
結される下板と、上記上板の外周部以外の下面に固定さ
れ、下面に開口するローラ保持部を有するローラホルダ
ーと、上記ローラホルダーのローラ保持部内に転がり可
能に保持され、上記上板を下板に対して支持する球状の
ローラと、上記上板及び下板の外周部の少なくとも一部
同士を弾性的に接続し、該上板が下板に対して相対的に
水平方向に移動したときに伸びる弾性体とを備えている
ものとする。
【0014】上記の構成により、上板は下板に対してロ
ーラによって支持されているので、ゴムで支持するのと
は異なり、上部構造物の高さを安定的に維持することが
できる。そして、地震発生時には、ローラの転がりによ
りローラホルダーを介して上板が下板に対して水平方向
に移動する。このとき、弾性体には伸びることにより上
板を移動前の位置に復帰させる復元力が発生するので、
この復元力がローラに作用する転がり摩擦力と共に減衰
力として作用する。このため、上部構造物を上下移動さ
せることなく上部構造物の揺れを抑えることができ、地
震収束後は上板ないし上部構造物を移動前の位置に戻す
ことができる。また、弾性体の復元力及びローラの転が
り摩擦力は、上部構造物の重さに応じて最適な値となる
ように調節することができる。さらに、弾性体を上板及
び下板の外周部に周方向に等間隔で設けることにより、
どの方向からの地震力に対しても同じように機能させる
ことができる。よって、軽量の上部構造物であっても有
効に免震機能を発揮させることができると共に、構造を
簡単にして小形・軽量化することができ、この結果、コ
ストダウンを図りつつ、施工作業性を向上させることが
できる。
【0015】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、ローラホルダーのローラ保持部内に少なくとも3
つの略同径のローラが同じ円周上に略等間隔に配置され
ているものとする。
【0016】このことにより、上板ないし上部構造物を
安定して支持することができると共に、地震発生時にど
の方向に地震力を受けても上板はスムーズに移動可能と
なる。よって、ローラによる上板の望ましい支持構造が
得られる。
【0017】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明において、弾性体は、上板及び下板の外周部全周同士
を接続しかつ上板及び下板間の空間を覆う筒状のゴム部
材からなるものとする。
【0018】この発明により、上板がどの方向に移動し
ても、ゴム部材が同じように伸びて安定した復元力が発
生する。また、このようなゴム部材は低コストで容易に
作製することができる。よって、弾性体の望ましい構成
が得られる。
【0019】請求項4の発明では、請求項3の発明にお
いて、ゴム部材で覆われた上板及び下板間の空間に、液
状の粘性材料又は粉状若しくは粒状の高分子材料からな
る減衰剤が充填されているものとする。
【0020】こうすることで、比較的大きな減衰力が容
易に得られると共に、減衰剤の材質及び使用量を変える
ことにより減衰力をより一層簡単に最適値に調節するこ
とができる。また、微小な地震動が発生したり台風時の
ように大きな風圧が上部構造物に作用したりしても、減
衰剤の抵抗力により上板の移動を阻止することができ
る。よって、上部構造物の不用意な揺れを抑制しつつ、
大きな地振動に対して確実に免震効果を発揮させること
ができる。
【0021】請求項5の発明では、請求項3又は4の発
明において、ゴム部材は、上下両端部近傍に上下方向中
央と反対側に向かって肉厚が厚く変化する肉厚変化部を
有し、上記肉厚変化部は、薄肉部から厚肉部に向かって
滑らかに変化する形状であるものとする。
【0022】このことで、ゴム部材の上下両端部の肉厚
を上下方向中央部よりも厚くすることができるので、ゴ
ム部材を、上板及び下板との接合を容易かつ確実に行い
つつ所定の復元力が得られる形状にすることができる。
このとき、肉厚変化部において肉厚を急激に変化させる
と大きな段差が生じるので、上板が下板に対して相対的
に水平方向に移動したときにその肉厚変化部に応力集中
が生じてゴム部材が破断し易くなる。しかし、この発明
では、肉厚変化部を滑らかに変化する形状としているの
で、応力集中を緩和することができ、ゴム部材の肉厚変
化部での応力集中による破断を防止することができる。
【0023】請求項6の発明では、請求項1又は2の発
明において、弾性体は、上板及び下板の外周部間に周方
向に略等間隔をあけて掛け渡された複数のコイルばねで
あるものとする。
【0024】この発明により、上板が下板に対して水平
方向においてどの方向に移動してもコイルばね全体で略
同じ復元力を発生させるようにすることができると共
に、各コイルばねを容易に作製することができる。よっ
て、請求項4の発明と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施形態1) 図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る免震装置A
を示し、この免震装置Aは、建築物等の上部構造物と基
礎との間に設けられ、地震に対する該上部構造物の揺れ
を抑えるようにしたものであり、個人住宅等のように上
部構造物が軽量である場合に特にその免震効果を発揮す
るものである。上記免震装置Aは、上記上部構造物と連
結される円形の鋼鉄製上板1と、この上板1の下側に対
向して設けられ、上下面が水平となるように上記基礎と
連結される同じく円形の鋼鉄製下板2とを備えている。
この上板1及び下板2は、該上板1及び下板2の外周部
をそれぞれ構成する外周側部材1a,2aとこの外周側
部材1a,2aの径方向内側部をそれぞれ構成する内周
側部材1b,2bとからなり、この上板1の両部材1
a,1b及び下板2の両部材2a,2bは互いに段差状
に形成された部分にて不図示のねじ又はボルト等により
それぞれ同心状に強固に結合されている。
【0026】上記上板1の内周側部材1bの下面中心部
にはローラホルダー6の上端部が取付固定され、このロ
ーラホルダー6は、その下端部に下面に開口する円形凹
状のローラ保持部6aを有している。このローラホルダ
ー6のローラ保持部6a内には、7つの略同径の球状の
ローラ5,5,…が転がり可能に保持されている。つま
り、同じ円周上に略等間隔に配置された6つのローラ
5,5,…と、該6つのローラ5,5,…間の中心に配
置された1つのローラ5とが保持されている。この各ロ
ーラ5は、ローラホルダー6のローラ保持部6a内の上
面に当接するようになっており、この当接時にローラホ
ルダー6の下面は各ローラ5の中心よりも下側でかつ下
板2の上面よりも上側に位置するようになっている。こ
のことで、各ローラ5は、ローラホルダー6を介して上
板1を下板2に対してその上板1の上下面が水平となる
ように支持している。
【0027】上記上板1及び下板2の外周部を構成する
外周側部材1a,2aの全周同士は、該上板1及び下板
2間の空間を覆う円筒状のゴム部材8(弾性体)により
弾性的に接続されている。このゴム部材8は、上板1が
下板2に対して相対的に水平方向においてどの方向に移
動したときにも伸びて上板1を移動前の位置に復帰させ
る復元力を発生するようになっている。このゴム部材8
は天然ゴム若しくは合成ゴムの配合物又はそのいずれか
のゴム配合物を繊維で補強した複合材からなっている。
また、このゴム部材8は、上下両端部近傍に上下方向中
央と反対側に向かって肉厚が厚く変化する肉厚変化部8
a,8aを有し、上下両端部の肉厚が上下方向中央部よ
りも厚く形成されている。この肉厚変化部8a,8a
は、薄肉部(上下方向中央部)から厚肉部(上下両端
部)に向かって滑らかに変化する形状とされている。つ
まり、曲率半径の比較的大きな円弧状に形成されて、上
板1が下板2に対して水平方向に移動したときに肉厚変
化部8a,8aの応力集中を緩和するようになってい
る。さらに、ゴム部材8の上下両端面の内周側には、上
下方向中央側に凹んで水平面と鉛直面とを有する接着部
8b,8bがそれぞれ形成され、この接着部8b,8b
に上板1及び下板2の外周側部材1a,2aがそれぞれ
嵌め込まれている。そして、ゴム部材8の上下両端面に
おける接着部8b,8bの水平面及び鉛直面全周が上板
1及び下板2の外周側部材1a,2aにおける対向面及
び側周面全周にそれぞれ加硫接着されている。このこと
で、上板1及び下板2間の空間は略密閉状にされると共
に、ゴム部材8と上板1及び下板2との接合を確実なら
しめている。
【0028】上記ゴム部材8で覆われた上板1及び下板
2間の空間には、液状の粘性材料又は粉状若しくは粒状
の高分子材料からなる減衰剤10が充填されている。
【0029】以上の構成からなる免震装置Aの組立方法
を図3により説明する。先ず、ゴム部材8の上下両端面
の接着部8b,8bに上板1及び下板2の外周側部材1
a,2aをそれぞれ嵌め込み、その接着部8b,8bの
水平面及び鉛直面全周を外周側部材1a,2aの対向面
及び側周面全周にそれぞれ加硫接着する。
【0030】続いて、予め下面にローラホルダー6を取
付固定した上板1の内周側部材1bを外周側部材1aに
ねじやボルト等により結合した後、天地を逆にして上板
1を下側となるようにする。そして、ローラホルダー6
のローラ保持部6a内に7つのローラ5を上述の如く配
置した状態で保持する。
【0031】次に、ゴム部材8の内側に減衰剤10を充
填した後、上板1と同様に、下板2の内周側部材2bを
外周側部材2aにねじやボルト等により結合することに
より免震装置Aが完成する。
【0032】上記免震装置Aを上部構造物を構成する柱
等と基礎との間に設けた場合、上板1はローラホルダー
6を介して各ローラ5によって支持されているので、ゴ
ムで支持する従来の免震支承ゴムタイプのものとは異な
り、経年劣化して上部構造物の高さが変化するというこ
とはない。また、微小な地震動が発生したり台風時のよ
うに大きな風圧が上部構造物に作用したりしても、減衰
剤10の抵抗力により上板1の移動を阻止することがで
きる。さらに、各ローラ5のうち6つは同じ円周上に略
等間隔に配置され、1つはその6つのローラ5,5,…
間の中心に配置されているので、その6つのローラ5,
5,…間の中心に上部構造物の荷重がかかるように上板
1と上部構造物とを連結すれば、上部構造物を安定して
支持することができると共に、地震発生時にどの方向に
地震力を受けても上板1は下板2に対してスムーズに相
対移動可能となる。
【0033】そして、地震が発生すると、各ローラ5の
転がりによりローラホルダー6を介して上板1が下板2
に対して水平方向に移動する。このとき、上板1の外周
側部材1aは下板2の外周側部材2aに対して水平方向
にずれるので、そのずれる方向にゴム部材8が変形して
伸びることになる。このため、ゴム部材8に上板1を移
動前の位置に復帰させる復元力が発生するので、この復
元力が減衰剤10の抵抗力と共に減衰力として作用す
る。この結果、上部構造物を上下移動させることなくそ
の揺れを抑えることができ、建築物内部に設置したもの
が倒れるのを防止することができる。しかも、地震収束
後は上板1ないし上部構造物を移動前の位置に戻すこと
ができる。さらに、ゴム部材8の復元力及び減衰剤10
の抵抗力並びに上板1の最大水平移動量は、ゴム部材8
の材質、大きさ、断面形状等や減衰剤10の材質、使用
量等をそれぞれ変えることにより、上部構造物の重さに
応じて最適値に設定することができる。また、ゴム部材
8は、上板1が下板2に対して水平方向においてどの方
向に移動したときにも同じ復元力が発生するので、どの
方向からの地震力に対しても同じように機能させること
ができる。
【0034】さらに、万一、予想以上に震度の大きな地
震が発生したとしても、いずれかのローラ5又はローラ
ホルダー6をゴム部材8の内周面に当接させることで上
板1の過大な移動を規制することができる。また、ゴム
部材8の伸び量が所定値よりも大きくなったときに、伸
び量に対する復元力の増加割合が、伸び量が上記所定値
以下のときよりも大きくなる(線形領域から非線形領域
に入る)ようにゴム部材8の材料等を設定することで
も、上板1の予想を超える大きな移動を防止することが
できる。
【0035】したがって、上記実施形態1では、個人住
宅等のように上部構造物が軽量であっても効果的に免震
機能を発揮させることができると共に、構造を簡略化し
つつ、免震効果の優れた免震装置Aが得られる。この結
果、免震装置Aを小形・軽量化することができるので、
コストダウンを図りつつ、施工作業性を良好なものとす
ることができる。
【0036】尚、上記実施形態1では、ゴム部材8で覆
われた上板1及び下板2間の空間に、液状の粘性材料又
は粉状若しくは粒状の高分子材料からなる減衰剤10を
充填したが、この減衰剤10は必ずしも必要ではない。
すなわち、減衰剤10を使用しない場合には、各ローラ
5に作用する転がり摩擦力がゴム部材8の復元力と共に
減衰力として作用するので、各ローラ5の材質や大きさ
によりローラホルダー6又は下板2との摩擦係数を変え
ることで各ローラ5の転がり摩擦力を調節することがで
き、上部構造物の揺れを確実に抑えることができる。
【0037】また、上記実施形態1では、ゴム部材8を
上板1及び下板2の外周側部材1a,2aに接着するよ
うにしたが、ボルトやねじ等によって接合するようにし
てもよい。但し、接着による接合の方が減衰剤10を容
易かつ確実に外部に漏れないようにすることができる。
そして、ゴム部材8をより一層強固に上板1及び下板2
に接合するために、ゴム部材8の上下両端部を、金属や
繊維で補強した締付バンドにより上板1及び下板2の外
周側部材1a,2aの側周面にそれぞれ締め付けるよう
にしてもよい。
【0038】さらに、上記実施形態1では、ゴム部材8
の上下両端部に肉厚変化部8a,8aや接着部8b,8
bを形成したが、例えば図4に示すように、ゴム部材8
の肉厚を上下両端面間で一定にして、そのゴム部材8の
両端面全周を上板1及び下板2の外周側部材1a,2a
における対向面全周にそれぞれ加硫接着するようにして
もよく、図5に示すように、ゴム部材8の上下両端部の
内周面全周を外周側部材1a,2aの側周面全周にそれ
ぞれ加硫接着するようにしてもよい。但し、ゴム部材8
の復元力の関係から肉厚が小さくなる場合には、上記実
施形態1のような形状にした方が、必要な復元力を維持
しつつ、ゴム部材8と上板1及び下板2との接着をより
容易かつ確実に行うようにすることができる。そして、
肉厚変化部8a,8aを有していても、その肉厚変化部
8a,8aは応力集中を緩和可能な形状に形成されてい
るので、ゴム部材8の肉厚変化部8a,8aでの応力集
中による破断を防止することができる。
【0039】(実施形態2)図6は本発明の実施形態2
を示し(以下の実施形態では、図1と同じ部分について
は同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上板
1及び下板2の外周部同士を弾性的に接続する弾性体を
異ならせたものである。
【0040】すなわち、この実施形態では、上板1及び
下板2の外周側部材1a,2aにおける側周面に、円周
方向に略等間隔をあけて複数のばね支持部1c,1c,
…、2c,2c,…が上下に互いに対応してそれぞれ設
けられ、この上板1及び下板2の上下に対応する各ばね
支持部1c,2cに弾性体としてのコイルばね15がそ
れぞれ掛け渡されている。すなわち、複数のコイルばね
15,15,…が上板1及び下板2の外周側部材1a,
2a間に円周方向に略等間隔をあけて掛け渡されている
ことになる。この各コイルばね15は、上記実施形態1
のゴム部材8と同様に、上板1が下板2に対して水平方
向においてどの方向に移動したときにも伸びることによ
り上板1を移動前の位置に復帰させる復元力を発生する
ようになっている。尚、上記実施形態1と異なり、その
構造から減衰剤10は使用していない。
【0041】したがって、上記実施形態2では、複数の
コイルばね15,15,…が円周方向に等間隔に配置さ
れて上板1及び下板2の外周側部材1a,2aの一部同
士を弾性的に接続しているので、上記ゴム部材8と同様
に、上板1が下板2に対して水平方向においてどの方向
に移動してもコイルばね15,15,…全体で略同じ復
元力を発生させるようにすることができると共に、各コ
イルばね15の復元力の調節も容易であるので、上記実
施形態1において減衰剤10を使用しない場合と同様の
作用効果を得ることができる。
【0042】尚、上記各実施形態では、上板1及び下板
2をそれぞれ外周側部材1a,2aと内周側部材1b,
2bとの2部材で構成された円形の鋼鉄製としたが、強
化プラスチック等の高剛性材料を使用してもよく、多角
形状であっても本発明を適用することができる。そし
て、上板1及び下板2をそれぞれ1部材で構成してもよ
い。但し、特に上記実施形態1の場合には、組立性を向
上させる観点から上述の如く2部材で構成した方がよ
い。
【0043】また、上記各実施形態では、ローラホルダ
ー6のローラ保持部6a内に、同じ円周上に略等間隔に
配置された6つのローラ5,5,…と、該6つのローラ
5,5,…間の中心に配置された1つのローラ5とを保
持するようにしたが、少なくとも3つの略同径のローラ
5,5,…を同じ円周上に略等間隔に配置するようにし
てもよい。そして、1つのローラ5のみでも本発明を適
用することができる。但し、上板1の支持構造として
は、7つのローラ5,5,…を上記各実施形態のように
配置する方がより望ましい。
【0044】さらに、上記各実施形態では、ローラホル
ダー6を上板1の内周側部材1bの下面中心部に取付固
定したが、各ローラ5又はローラホルダー6がゴム部材
8や各コイルばね15に当接するまでの距離が大きい場
合には、上板1の外周部以外の下面つまり内周側部材1
bの下面であればローラホルダー6をどこに取付固定し
てもよい。
【0045】また、上記各実施形態では、各ローラ5が
ローラホルダー6を介して上板1を支持するようにした
が、各ローラ5径と上板1及び下板2の対向面間の距離
を同じにして各ローラ5が直接上板1を支持するように
構成することもできる。この場合、ローラホルダー6の
ローラ保持部6aは上板1まで凹んだ形状となり、ロー
ラ保持部6a内の上面は上板1の下面と一致することに
なる。
【0046】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。上記実施形態1と同様にして4つの免震装置Aを
作製し、この各免震装置Aを、図7に示すように、個人
住宅における上部構造物21の四隅に位置する各柱22
と基礎23との間に設けた。この基礎23は、試験のた
めに複数のコロ24,24,…上に設置されていて、こ
の基礎23に対して水平方向に振動を加えて揺らすこと
が可能とされている。ここで、上記各免震装置Aの水平
方向ばね定数は45kgf/cmとし、水平方向減衰係
数は34kgf・s/cmとした。また、上部構造物2
1の重量は、一般の木造住宅と略同じ40tとした。
【0047】そして、上記基礎23に対して水平方向に
兵庫県南部地震で観測された地震波を入力して上部構造
物21の振動減衰効果を調べた。この結果、上部構造物
21の水平方向の最大加速度は約1/5に低減し、最大
変位は約15cmとなり、免震効果が十分に発揮されて
いることが確認された。
【0048】次に、上記各免震装置Aを免震床に適用し
た場合の免震効果を調べた。すなわち、図8に示すよう
に、各免震装置Aを上部構造物としての床部材26と複
数のコロ24,24,…上に設置した基礎23との間の
四隅に設け、その基礎23に対して上記加振試験と同様
の地震波を入力した。この結果、この各免震装置Aは免
震床として用いても十分な免震効果が得られ、建築物内
部における精密機械室や電算機室等の免震床に適用可能
であることが判った。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、上部構造物と基礎との間に設けられ、地震に対
する該上部構造物の揺れを抑えるようにした免震装置に
対して、上記上部構造物と連結される上板と、この上板
の下側に対向して設けられ、上記基礎と連結される下板
とを備え、その上板の外周部以外の下面にローラホルダ
ーを固定し、このローラホルダーに、上板を下板に対し
て支持する球状のローラを転がり可能に保持し、上板が
下板に対して相対的に水平方向に移動したときに伸びる
弾性体により上板及び下板の外周部の少なくとも一部同
士を弾性的に接続するようにしたことにより、軽量の上
部構造物であっても有効に免震機能を発揮させることが
できると共に、免震装置の構造を簡単にして小形・軽量
化を図ることができる。
【0050】請求項2の発明によると、ローラホルダー
のローラ保持部内に少なくとも3つの略同径のローラを
同じ円周上に略等間隔に配置したことにより、ローラに
よる上板の望ましい支持構造が得られる。
【0051】請求項3の発明では、弾性体を、上板及び
下板の外周部全周同士を接続しかつ上板及び下板間の空
間を覆う筒状のゴム部材とした。また、請求項6の発明
では、弾性体を、上板及び下板の外周部間に周方向に略
等間隔をあけて掛け渡された複数のコイルばねとした。
したがって、これらの発明によると、弾性体の望ましい
構成が得られる。
【0052】請求項4の発明によると、ゴム部材で覆わ
れた上板及び下板間の空間に、液状の粘性材料又は粉状
若しくは粒状の高分子材料からなる減衰剤を充填したこ
とにより、上部構造物の不用意な揺れを抑制しつつ、大
きな地振動に対して確実に免震効果を発揮させることが
できる。
【0053】請求項5の発明によると、ゴム部材の上下
両端部近傍に上下方向中央と反対側に向かって肉厚が厚
く変化する肉厚変化部を設け、この肉厚変化部を、薄肉
部から厚肉部に向かって滑らかに変化する形状としたこ
とにより、ゴム部材を、上板及び下板との接合を容易か
つ確実に行えかつ所定の復元力が得られる形状にするこ
とができると共に、ゴム部材の肉厚変化部での応力集中
による破断を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る免震装置を示す断面
図である。
【図2】免震装置の平面図である。
【図3】免震装置の組立手順を示す分解図である。
【図4】ゴム部材と上板及び下板の外周側部材との別の
接着例を示す図1相当図である。
【図5】ゴム部材と上板及び下板の外周側部材とのさら
に別の接着例を示す図1相当図である。
【図6】実施形態2に係る免震装置を示す図1相当図で
ある。
【図7】免震装置を個人住宅に適用してその免震効果を
調べる試験の要領を示す概略図である。
【図8】免震装置を免震床に適用してその免震効果を調
べる試験の要領を示す概略図である。
【図9】従来の免震支承ゴムタイプの免震装置を示す断
面図である。
【符号の説明】
A 免震装置 1 上板 2 下板 5 ローラ 6 ローラホルダー 6a ローラ保持部 8 ゴム部材(弾性体) 8a 肉厚変化部 10 減衰剤 15 コイルばね(弾性体) 21 上部構造物 23 基礎 26 床部材(上部構造物)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物と基礎との間に設けられ、地
    震に対する該上部構造物の揺れを抑えるようにした免震
    装置であって、 上記上部構造物と連結される上板と、 上記上板の下側に対向して設けられ、上記基礎と連結さ
    れる下板と、 上記上板の外周部以外の下面に固定され、下面に開口す
    るローラ保持部を有するローラホルダーと、 上記ローラホルダーのローラ保持部内に転がり可能に保
    持され、上記上板を下板に対して支持する球状のローラ
    と、 上記上板及び下板の外周部の少なくとも一部同士を弾性
    的に接続し、該上板が下板に対して相対的に水平方向に
    移動したときに伸びる弾性体とを備えていることを特徴
    とする免震装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震装置において、 ローラホルダーのローラ保持部内に少なくとも3つの略
    同径のローラが同じ円周上に略等間隔に配置されている
    ことを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の免震装置におい
    て、 弾性体は、上板及び下板の外周部全周同士を接続しかつ
    上板及び下板間の空間を覆う筒状のゴム部材からなるこ
    とを特徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の免震装置において、 ゴム部材で覆われた上板及び下板間の空間に、液状の粘
    性材料又は粉状若しくは粒状の高分子材料からなる減衰
    剤が充填されていることを特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の免震装置におい
    て、 ゴム部材は、上下両端部近傍に上下方向中央と反対側に
    向かって肉厚が厚く変化する肉厚変化部を有し、 上記肉厚変化部は、薄肉部から厚肉部に向かって滑らか
    に変化する形状であることを特徴とする免震装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の免震装置におい
    て、 弾性体は、上板及び下板の外周部間に周方向に略等間隔
    をあけて掛け渡された複数のコイルばねであることを特
    徴とする免震装置。
JP30427897A 1997-11-06 1997-11-06 免震装置 Withdrawn JPH11141182A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009068556A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Ohbayashi Corp 免振装置
CN102425235A (zh) * 2011-10-12 2012-04-25 北京工业大学 抗拔万向滚动支座

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JP2009068556A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Ohbayashi Corp 免振装置
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