JPH11145565A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH11145565A
JPH11145565A JP31070497A JP31070497A JPH11145565A JP H11145565 A JPH11145565 A JP H11145565A JP 31070497 A JP31070497 A JP 31070497A JP 31070497 A JP31070497 A JP 31070497A JP H11145565 A JPH11145565 A JP H11145565A
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JP
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group
light emitting
semiconductor
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JP31070497A
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Kazushi Nakano
一志 中野
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Atsushi Toda
淳 戸田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型不純物の拡散を防止することにより特性
を安定させかつ寿命を延長させることができる半導体発
光素子を提供する。 【解決手段】 基板1の上にIII−V族バッファ層2
を介してn型導電層(II−VI族バッファ層3,第1
導電型クラッド層4),第1のガイド層5,活性層6,
第2のガイド層7,p型導電層(第2導電型クラッド層
8,第1の半導体層9,第2の半導体層10,超格子層
11,コンタクト層12)を順次積層する。n型導電層
にはn型不純物としてClを添加する。p型導電層には
p型不純物としてK,RbおよびCsからなる群のうち
の少なくとも1種のI族元素を添加する。p型不純物は
II族元素の格子位置を占有しているので、通電しても
拡散が生じにくく、pn接合位置が変化しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II−VI族化合
物半導体よりそれぞれなるp型導電層,活性層およびn
型導電層を備えた半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光を利用した各種技術分野におい
ては、例えば、光ディスクや光磁気ディスクに対する記
録・再生の高密度化および高解像度化の要求が高まって
いる。また、高輝度ディスプレー装置,低損失光ファイ
バ通信装置さらにはDNAあるいは特定化学物質の光学
式解析装置などの開発の気運も高まっている。そこで、
これらの光源として緑色ないしは青色で発光可能な半導
体発光素子の開発が求められている。
【0003】このように緑色ないしは青色で発光可能な
半導体素子を構成する材料としては、II族元素の亜鉛
(Zn),マグネシウム(Mg),ベリリウム(B
e),カドミウム(Cd),水銀(Hg)およびマンガ
ン(Mn)のうち少なくとも1種とVI族元素の酸素
(O),硫黄(S),セレン(Se),テルル(Te)
のうち少なくとも1種とからなるII−VI族化合物半
導体が有望である。特に、ZnMgSSe混晶は、結晶
性に優れかつ入手が容易なGaAsやZnSeよりなる
基板に対して格子整合させることができるので、半導体
発光素子のガイド層やクラッド層を構成する材料として
知られている(例えば、Electronics Letters28(1992)
p.1798)。
【0004】そこで、従来は、例えば、GaAsよりな
る基板の上にII−VI族化合物半導体よりそれぞれな
るn型クラッド層,活性層およびp型クラッド層などを
順次積層して半導体発光素子を構成していた。ここで、
n型クラッド層などのn型導電層には例えば塩素(C
l)をn型不純物として添加し、p型クラッド層などの
p型導電層には例えば窒素(N)をp型不純物として添
加していた。
【0005】ところで、このようなII−VI族化合物
半導体よりなる半導体発光素子の寿命を決める要因とし
ては格子欠陥が第1に挙げられる。特に、GaAsより
なる基板とII−VI族化合物半導体層との界面で生ず
る積層欠陥は、活性層における非発光再結合中心の増殖
に大きな影響を与える。そのため、これまでは主として
基板とII−VI族化合物半導体層との界面における欠
陥の低減に努力が払われてきた。その結果、基板の上に
GaAsよりなるバッファ層を形成して基板とII−V
I族化合物半導体層との界面を平坦化することにより、
積層欠陥密度を1×104 cm-2にまで低減することが
できるようになった(Jpn. J. Appl. Phys., vol.33,
p.L938 (1994))。また、それにより室温での連続発振
時間(1mWAPC駆動)を100時間まで延長したと
の報告もある(Electron. Lett. vol.32, p.552 (199
6))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
半導体発光素子では、積層欠陥に起因する劣化が改善さ
れても、実用化には更なる寿命の延長が必要であるとい
う問題があった。この劣化の原因としては種々考えられ
るが、従来の半導体発光素子ではp型不純物としてVI
族元素の格子位置を占有する窒素を用いていたので、通
電すると、負に帯電している窒素はVI族空孔が存在す
るp型導電層においてp側電極の方へ拡散しやすく、拡
散しているおそれがあった。ちなみに、この拡散係数は
VI族空孔濃度に比例する。よって、それによりpn接
合位置が移動してしまい、活性層へのキャリアの注入効
率が低下し、閾値電流値が高くなり寿命が短くなると考
えられる。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、p型不純物の拡散を防止することに
より、特性を安定させかつ寿命を延長させることができ
る半導体発光素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体発光
素子は、亜鉛,マグネシウム,ベリリウム,カドミウ
ム,マンガンおよび水銀からなる群のうちの少なくとも
1種のII族元素と、酸素,硫黄,セレンおよびテルル
からなる群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含
むII−VI族化合物半導体よりそれぞれなるn型導電
層,活性層,p型導電層を備えたものであって、p型導
電層の少なくとも一部に含まれるp型不純物は、カリウ
ム,ルビジウムおよびセシウムからなる群のうちの少な
くとも1種のI族元素であるものである。
【0009】本発明による半導体発光素子では、p型導
電層とn型導電層との間に電圧が印加されると、活性層
に電流が注入され発光が起こる。ここでは、p型導電層
の少なくとも一部に含まれるp型不純物がカリウム,ル
ビジウムおよびセシウムからなる群のうちの少なくとも
1種のI族元素となっているので、p型導電層の一部に
おいてp型不純物はII族元素の格子位置を占有してい
る。よって、p型不純物は電圧を印加してもVI族空孔
が存在するp型導電層において拡散しにくい。従って、
pn接合位置は変化せず、活性層6へのキャリアの注入
効率も変化しない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係る半導体発光素子の構成を表すもので
ある。この半導体発光素子は、基板1の一面側に、II
I−V族バッファ層2を介して、II−VI族化合物半
導体よりそれぞれなるII−VI族バッファ層3,第1
導電型クラッド層4,第1のガイド層5,活性層6,第
2のガイド層7,第2導電型クラッド層8が順次積層さ
れている。
【0012】基板1は、例えば、積層方向における厚さ
(以下、単に厚さという)が100〜350μmであ
り、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型G
aAsにより構成されている。III−V族バッファ層
2は、例えば、厚さが20nmであり、n型不純物とし
てケイ素を添加したn型GaAsにより構成されてい
る。
【0013】II−VI族バッファ層3は、例えば、厚
さが20nmであり、n型不純物を添加したn型ZnS
eにより構成されている。そのキャリア濃度は、例えば
1×1018cm-3である。第1導電型クラッド層4は、
例えば、厚さが700nmであり、n型不純物を添加し
たn型ZnMgSSe混晶により構成されている。その
キャリア濃度は、例えば3×1017cm-3である。
【0014】第1のガイド層5は、例えば、厚さが60
nmであり、n型不純物を添加したあるいは不純物を添
加しないZnSSe混晶により構成されている。このZ
nSSe混晶のVI族元素における組成比は例えばモル
%で硫黄が6%,セレンが94%であり、格子定数が基
板1を構成するGaAsの格子定数に整合されている。
また、第1のガイド層5をn型不純物を添加したn型Z
nSSe混晶により構成する場合、そのキャリア濃度は
例えば1×1017cm-3である。
【0015】活性層6は、例えば、厚さが6〜12nm
の単一量子井戸構造を有したZnCdSe混晶により構
成されている。このZnCdSe混晶のII族元素にお
ける組成比は例えばモル%で亜鉛が85%,カドミウム
が15%となっている。
【0016】第2のガイド層7は、例えば、厚さが60
nmであり、p型不純物を添加したあるいは不純物を添
加しないZnSSe混晶により構成されている。このZ
nSSe混晶のVI族元素における組成比は例えばモル
%で硫黄が6%,セレンが94%である。また、第2の
ガイド層7をp型不純物を添加したp型ZnSSe混晶
により構成する場合、そのキャリア濃度は例えば1×1
017cm-3である。第2導電型クラッド層8は、例え
ば、厚さが500nmであり、p型不純物を添加したp
型ZnMgSSe混晶により構成されている。そのキャ
リア濃度は例えば1×1017cm-3である。
【0017】すなわち、この半導体発光素子では、II
−VI族バッファ層3,第1導電型クラッド層4および
場合によって第1のガイド層5がn型導電層であり、第
2導電型クラッド層8および場合によって第2のガイド
層7がp型導電層となっている。ここで、n型導電層に
はn型不純物として例えば塩素(Cl)が添加されてお
り、p型導電層にはp型不純物としてカリウム(K),
ルビジウム(Rb)およびセシウム(Cs)からなる群
のうちの少なくとも1種のI族元素が添加されている。
これらのI族元素をp型不純物として添加すれば、通電
しても拡散が生じにくいからである。
【0018】また、第2導電型クラッド層8の上(すな
わち第2のガイド層7と反対側)には、p側電極と良好
なオーミックコンタクトをとるための各層、すなわちI
I−VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1の半導体
層9,第2の半導体層10,超格子層11およびコンタ
クト層12が順次積層されている。ちなみに、これら第
1の半導体層9,第2の半導体層10,超格子層11お
よびコンタクト層12も、p型不純物としてカリウム
(K),ルビジウム(Rb)およびセシウム(Cs)か
らなる群のうちの少なくとも1種のI族元素をそれぞれ
添加したp型導電層となっている。
【0019】第1の半導体層9は、例えば、厚さが50
0nmであり、p型不純物を添加したp型ZnSSe混
晶により構成されている。そのキャリア濃度は例えば5
×1017cm-3である。第2の半導体層10は、例え
ば、厚さが100nmであり、p型不純物を添加したp
型ZnSeにより構成されている。そのキャリア濃度は
例えば1×1018cm-3である。
【0020】超格子層11は、p型不純物を添加したp
型ZnSeとp型不純物を添加したp型ZnTeとが交
互に積層された構造となっている。コンタクト層12
は、例えば、厚さが10nmであり、p型不純物を添加
したp型ZnTeにより構成されている。そのキャリア
濃度は例えば2×1019cm-3である。
【0021】また、コンタクト層12,超格子層11お
よび第2の半導体層10は、幅が例えば10μmの帯状
となっており、電流狭窄をするようになっている。な
お、これらコンタクト層12,超格子層11および第2
の半導体層10は、図1においては図面に対して垂直方
向に延長されいる。コンタクト層12,超格子層11お
よび第2の半導体層10が形成されていない第1の半導
体層9のコンタクト層12側の領域には、例えばアルミ
ナ(Al2 O3 )などの絶縁材料よりなる絶縁層13が
形成されている。
【0022】絶縁層13およびコンタクト層12の上
(すなわち基板1と反対側)にはp側電極14が設けら
れている。このp側電極14は、例えば、厚さ10nm
のパラジウム(Pd)の層と、厚さ100nmの白金
(Pt)の層と、厚さ300nmの金(Au)の層とを
コンタクト層12の側から順次積層して形成されてい
る。基板1の他面側(すなわちIII−V族バッファ層
2と反対側)には例えばインジウム(In)よりなるn
側電極15が設けられている。
【0023】また、この半導体発光素子は、図示はしな
いが、コンタクト層12の長さ方向(すなわち共振器長
方向)と垂直な一対の側面に、反射鏡層がそれぞれ設け
られている。この反射鏡層は、例えば、アルミナ膜とケ
イ素膜とが交互に積層された構造を有している。
【0024】このような構成を有する半導体発光素子
は、次のようにして製造することができる。
【0025】まず、例えばGaAsよりなる基板1を用
意し、他面側(すなわちIII−V族バッファ層2など
を成長させる面の反対側)にインジウムなどを蒸着して
n側電極15を形成する(n側電極形成工程)。
【0026】次いで、この基板1の一面側(すなわちn
側電極15を形成した面の反対側)に、分子線エピタキ
シー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法により、I
II−V族バッファ層2,II−VI族バッファ層3,
第1導電型クラッド層4,第1のガイド層5,活性層
6,第2のガイド層7,第2導電型クラッド層8,第1
の半導体層9,第2の半導体層10,超格子層11およ
びコンタクト層12をそれぞれ成長させる(成長工
程)。
【0027】図2はここで用いるMBE結晶成長装置の
構成を表すものである。このMBE結晶成長装置は、真
空蒸着装置の一種であり、図示しない超高真空排気装置
にそれぞれ接続された2つの成長室20,30を備えて
いる。この2つの成長室20,30は(ゲートバルブ4
3を介して)、真空搬送室41および基板導入室42に
より接続されている。
【0028】一方の成長室20は、III−V族化合物
半導体の層を成長させるものであり、内部には基板1を
保持するための基板ホルダ21が配設されている。この
基板ホルダ21は、図示しないヒータによって加熱する
ことができるようになっている。成長室20には、ま
た、基板1に対向するように複数の粒子線源セル22
(例えばクヌーゼンセル(Kセル))が配設されてい
る。各粒子線源セル22の内部には、III族元素,V
族元素およびn型不純物に応じた原料がそれぞれ個々に
充填されている。各粒子線源セル22の照射口近傍には
シャッター23がそれぞれ配設されており、各粒子線の
照射を制御するようになっている。
【0029】成長室30は、II−VI族化合物半導体
の層を成長させるものであり、内部には基板1を保持す
るための基板ホルダ31が配設されている。この基板ホ
ルダ31は、図示しないヒータによって加熱することが
できるようになっている。成長室30には、また、基板
1に対向するように複数の粒子線源セル32(例えばK
セル)が配設されている。各粒子線源セル32の内部に
は、II族元素,VI族元素,n型不純物およびp型不
純物に応じた原料がそれぞれ個々に充填されている。各
粒子線源セル32の照射口近傍にはシャッター33がそ
れぞれ配設されており、各粒子線の照射を制御するよう
になっている。
【0030】すなわち、ここでは、このようなMBE結
晶成長装置を用い、n側電極15を形成した基板1を成
長室20の基板ホルダ21に取り付け、各粒子線源セル
22から適宜のIII族元素およびV族元素(例えばガ
リウムおよび砒素)の各粒子線をn型不純物(例えばケ
イ素)の粒子線と共にそれぞれ照射して、例えばn型G
aAsよりなるIII−V族バッファ層2を成長させ
る。この時、例えば、ガリウムの原料としてはガリウム
を用い、砒素の原料としては砒素を用い、ケイ素の原料
としてはケイ素を用いる。
【0031】そののち、真空搬送室41を用いて基板1
を成長室30に移送し、基板1を成長室30の基板ホル
ダ31に取り付ける。次いで、各粒子線源セル32から
成長させる層に応じて適宜のII族元素およびVI族元
素の粒子線をそれぞれ照射して、II−VI族化合物半
導体よりなる各層を成長させる。すなわち、例えば、n
型ZnSeよりなるII−VI族バッファ層3,n型Z
nMgSSe混晶よりなる第1導電型クラッド層4,n
型ZnSSe混晶あるいは不純物を添加していないZn
SSe混晶よりなる第1のガイド層5,ZnCdSe混
晶よりなる活性層6,p型ZnSSe混晶あるいは不純
物を添加していないZnSSe混晶よりなる第2のガイ
ド層7,p型ZnMgSSe混晶よりなる第2導電型ク
ラッド層8,p型ZnSSe混晶よりなる第1の半導体
層9,p型ZnSeよりなる第2の半導体層10,p型
ZnTeとp型ZnSeとよりなる超格子層11および
p型ZnTeよりなるコンタクト層12を順次積層す
る。
【0032】なお、n型導電層(すなわちII−VI族
バッファ層3,第1導電型クラッド層4および場合によ
って第1のガイド層5)を成長させる際には、適宜のI
I族元素およびVI族元素の各粒子線と共に、n型不純
物として例えば塩素の粒子線を粒子線源セル32から照
射する。また、p型導電層(すなわち第2導電型クラッ
ド層8,第1の半導体層9,第2の半導体層10,超格
子層11,コンタクト層12および場合によって第2の
ガイド層7)を成長させる際には、適宜のII族元素お
よびVI族元素の各粒子線と共に、p型不純物としてカ
リウム,ルビジウムおよびセシウムからなる群のうちの
少なくとも1種のI族元素の粒子線を粒子線源セル32
から照射する。
【0033】この時、II族元素である亜鉛,マグネシ
ウム,カドミウムの各原料としては亜鉛,マグネシウ
ム,カドミウムなどをそれぞれ用い、VI族元素である
セレン,硫黄,テルルの各原料としてはセレン,硫化亜
鉛(ZnS),テルルなどをそれぞれ用いる。また、n
型不純物である塩素の原料としては塩化亜鉛(ZnCl
2 )などを用い、p型不純物であるカリウム,ルビジウ
ムおよびセシウムの原料としてはセレン化カリウム(K
2 Se)あるいは硫化カリウム(K2 S)あるいは塩化
カリウム(KCl),ルビジウムあるいは塩化ルビジウ
ム(RbCl),セシウムあるいは塩化セシウム(Cs
Cl)などをそれぞれ用いる。
【0034】このようにしてII−VI族化合物半導体
よりなる各層をそれぞれ成長させたのち、コンタクト層
12の上に図示しないレジスト膜を塗布し、フォトリソ
グラフィによって複数の平行な帯状のマスクパターンを
形成する。そののち、図示しないレジスト膜をマスクと
してウエットエッチングまたはドライエッチングを行
い、コンタクト層12,超格子層11および第2の半導
体層10をそれぞれ選択的に除去して複数の平行な帯状
とする。次いで、全面(すなわちコンタクト層12など
が選択的に除去された第1の半導体層9の上および図示
しないレジスト膜の上)にアルミナなどの絶縁材料を蒸
着し、図示しないレジスト膜をこのレジスト膜の上に蒸
着された絶縁材料と共に除去して(リフトオフ)、絶縁
層13を形成する(電流狭窄工程)。
【0035】絶縁層13を形成したのち、コンタクト層
12および絶縁層13の上に例えばパラジウム,白金お
よび金を順次蒸着してp側電極14を形成する(p側電
極形成工程)。p側電極14を形成したのち、基板1を
コンタクト層12の長さ方向(共振器長方向)と垂直に
所定の幅(例えば600nm幅)で劈開し、その劈開面
に反射鏡層を形成する。そののち、複数形成した帯状の
各コンタクト層12の間をその長さ方向と平行に劈開さ
せる(劈開工程)。これにより、図1に示した半導体発
光素子が形成される。
【0036】このようにして製造した半導体発光素子
は、次のように作用する。
【0037】この半導体発光素子では、n側電極15と
p側電極14との間に所定の電圧が印加されると活性層
6に電流が注入され、活性層6において電子−正孔再結
合により発光が起こる。ここでは、p型導電層(コンタ
クト層12,超格子層11,第2の半導体層10,第1
の半導体層9,第2導電型クラッド層8および場合によ
って第2のガイド層7)に含まれるp型不純物がカリウ
ム,ルビジウムおよびセシウムからなる群のうちの少な
くとも1種のI族元素となっている。よって、p型導電
層においてp型不純物はII族元素の格子位置を占有し
ている。すなわち、p型不純物は電圧を印加してもVI
族空孔が存在するp型導電層において拡散しにくい。従
って、pn接合位置は変化せず、活性層6へのキャリア
の注入効率も変化しない。
【0038】このように本実施の形態に係る半導体発光
素子によれば、p型導電層(コンタクト層12,超格子
層11,第2の半導体層10,第1の半導体層9,第2
導電型クラッド層8および場合によって第2のガイド層
7)に含まれるp型不純物がカリウム,ルビジウムおよ
びセシウムからなる群のうちの少なくとも1種のI族元
素となっているので、通電によるp型不純物の拡散を抑
制することができる。よって、pn接合位置が変化する
ことを防止でき、活性層6へのキャリアの注入効率が変
化することを防止できる。従って、素子の特性を安定さ
せることができると共に、閾値電流値の上昇も抑制する
ことができ、寿命を長くすることができる。
【0039】(第2の実施の形態)図3は本発明の第2
の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものである。
この第2の実施の形態は、II−VI族バッファ層3,
第1導電型クラッド層4,第1のガイド層5,第2のガ
イド層7,第2導電型クラッド層8,第1の半導体層
9,超格子層12およびコンタクト層12をそれぞれ構
成するII−VI族化合物半導体について、第1の実施
の形態と異なる具体的一例を示すものである。よって、
ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その
詳細な説明を省略する。
【0040】ここで、II−VI族バッファ層3は、例
えば、n型不純物を添加したn型ZnBeSe混晶ある
いはn型ZnSeにより構成されている。第1導電型ク
ラッド層4は、例えば、n型不純物を添加したn型Zn
MgBeSe混晶により構成されている。第1のガイド
層5は、例えば、n型不純物を添加したn型ZnBeS
e混晶あるいは不純物を添加しないZnBeSe混晶に
より構成されている。なお、これらn型導電層には、第
1の実施の形態と同様に、n型不純物として例えば塩素
が添加されている。
【0041】第2のガイド層7は、例えば、p型不純物
を添加したあるいは不純物を添加しないZnBeSe混
晶により構成されている。第2導電型クラッド層8は、
例えば、p型不純物を添加したp型ZnMgBeSe混
晶により構成されている。第1の半導体層9は、例え
ば、p型不純物を添加したp型ZnBeSe混晶により
構成されている。超格子層11は、例えば、p型不純物
を添加したp型ZnSeとp型不純物を添加したp型B
eTeとを交互に積層した構成とされている。コンタク
ト層12は、例えば、p型不純物を添加したp型BeT
eにより構成されている。なお、これらp型導電層に
は、第1の実施の形態と同様に、p型不純物としてカリ
ウム,ルビジウムおよびセシウムからなる群のうちの少
なくとも1種のI族元素が添加されている。
【0042】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態に係る半導体発光素子と同様にし
て製造することができ、同様に作用する。すなわち、I
I−VI族化合物半導体よりそれぞれなる各層の構成を
適宜に変化させても、p型導電層に添加するp型不純物
をカリウム,ルビジウムおよびセシウムからなる群のう
ちの少なくとも1種のI族元素とすれば、第1の実施の
形態に係る半導体発光素子と同一の効果を得ることがで
きる。
【0043】以上、各実施の形態を挙げて本発明を説明
したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるもので
はなく、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施
の形態においては、II−VI族バッファ層3,第1導
電型クラッド層4,第1のガイド層5,活性層6,第2
のガイド層7,第2導電型クラッド層8,第1の半導体
層9,第2の半導体層10,超格子層11およびコンタ
クト層12をそれぞれ構成するII−VI族化合物半導
体について具体的な例を挙げて説明したが、本発明は、
他の適宜なII−VI族化合物半導体(すなわち、亜
鉛,マグネシウム,カドミウム,マンガン,水銀および
ベリリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種のI
I族元素と、酸素,セレン,硫黄およびテルルからなる
群より選ばれた少なくとも1種のVI族元素とを含むI
I−VI族化合物半導体)により各層を構成することも
できる。
【0044】また、上記各実施の形態においては、p型
導電層(すなわち第2導電型クラッド層8,第1の半導
体層9,第2の半導体層10,超格子層11,コンタク
ト層12および場合によって第2のガイド層7)の全体
に含まれるp型不純物をカリウム,ルビジウムおよびセ
シウムからなる群のうちの少なくとも1種のI族元素と
するようにしたが、第2導電型クラッド層などp型導電
層の一部に含まれるp型不純物のみをこれらのI族元素
とするようにしてもよい。
【0045】但し、p型導電層のうち第2導電型クラッ
ド層8に該当する部分、または第2導電型クラッド層8
よりも活性層6側に該当する部分については添加するp
型不純物をカリウム,ルビジウムおよびセシウムからな
る群のうちの少なくとも1種のI族元素とすることが好
ましい。p型不純物の拡散によるpn接合位置の変化を
有効に防止することができるからである。
【0046】更に、上記各実施の形態においては、基板
1の一面側にn型導電層,活性層6およびp型導電層を
順次形成するようにしたが、本発明は、基板の一面側に
p型導電層,活性層6およびn型導電層を順次形成する
場合も含んでいる。
【0047】加えて、上記各実施の形態においては、活
性層6を第1のガイド層5および第2のガイド層7で挟
み、更にそれを第1導電型クラッド層4および第2導電
型クラッド層8で挟んだ半導体発光素子について説明し
たが、本発明は、ガイド層を挿入せずに活性層をクラッ
ド層で挟んだものなど種々の構造を有する半導体発光素
子にも適用することができる。
【0048】更にまた、上記各実施の形態においては、
帯状としたコンタクト層12などにより電流狭窄を行う
場合について説明したが、本発明は、他の構成により電
流狭窄を行う場合についても含んでいる。
【0049】加えてまた、上記各実施の形態において
は、半導体発光素子として半導体レーザを具体的に挙げ
て説明したが、本発明は、発光ダイオード(Light Emit
ting Diode;LED)などの他の半導体発光素子につい
ても適用することができる。
【0050】更にまた、上記各実施の形態においては、
固体ソースMBE法により各II−VI族化合物半導体
層を基板1の上にそれぞれ成長させる場合について説明
したが、ガスソースMBE法やMOCVD(Metal Orga
nic Chemical Vapor Deposition )法などによりそれぞ
れ成長させるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る半導体
発光素子によれば、p型導電層に含まれるp型不純物が
カリウム,ルビジウムおよびセシウムからなる群のうち
の少なくとも1種のI族元素となっているので、通電に
よるp型不純物の拡散を抑制することができる。よっ
て、pn接合位置が変化することを防止でき、活性層へ
のキャリアの注入効率が変化することを防止できる。従
って、素子の特性を安定させることができると共に、閾
値電流値の上昇も抑制することができ、寿命を長くする
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した半導体発光素子の製造に用いるM
BE結晶成長装置を表す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…III−V族バッファ層、3…II−V
I族バッファ層、4…第1導電型クラッド層、5…第1
のガイド層、6…活性層、7…第2のガイド層、8…第
2導電型クラッド層、9…第1の半導体層、10…第2
の半導体層、11…超格子層、12…コンタクト層、1
3…絶縁層、14…p側電極、15…n側電極、20,
30…成長室、21,31…基板ホルダ、22,32…
粒子線源セル、23,33…シャッター、41…真空搬
送室、42…基板導入室、43…ゲートバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛(Zn),マグネシウム(Mg),
    ベリリウム(Be),カドミウム(Cd),マンガン
    (Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少なく
    とも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄(S),セ
    レン(Se)およびテルル(Te)からなる群のうちの
    少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化合
    物半導体よりそれぞれなるn型導電層,活性層およびp
    型導電層を備えた半導体発光素子であって、 前記p型導電層の少なくとも一部に含まれるp型不純物
    は、カリウム(K),ルビジウム(Rb)およびセシウ
    ム(Cs)からなる群のうちの少なくとも1種のI族元
    素であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記p型導電層のうちp型クラッド層に
    該当する部分に含まれるp型不純物は前記I族元素であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
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