JPH11147360A - オフセット印刷方法 - Google Patents

オフセット印刷方法

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JPH11147360A
JPH11147360A JP25878497A JP25878497A JPH11147360A JP H11147360 A JPH11147360 A JP H11147360A JP 25878497 A JP25878497 A JP 25878497A JP 25878497 A JP25878497 A JP 25878497A JP H11147360 A JPH11147360 A JP H11147360A
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ink
titanium oxide
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JP25878497A
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Takao Nakayama
隆雄 中山
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ現像液を必要とせず、画像部と非画像
部の識別性が高く、優れた画質の印刷画面を作りうるオ
フセット印刷方法であって、かつその印刷原版は反復し
て使用できる印刷方法を提供する。 【解決手段】表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を主成分と
する薄層を有する印刷用原版に活性光を用いて像様露光
を行い、画像領域がインクを受け入れた印刷面を形成さ
せて印刷を行い、印刷の終了後使用した印刷版面上に残
存するインクを洗浄除去し、次いで原版を80°C以上
に加熱して、その印刷用原版を用いて反復して印刷を行
うことを特徴とする印刷方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般軽印刷分野、
とりわけオフセット印刷、特に簡易に印刷版を製作でき
る新規なオフセット印刷方法及び印刷版に関するもので
ある。さらに具体的には、印刷用原版の反復再生使用を
可能にするオフセット印刷方法とその印刷用原版に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷法は、数多くの印刷方法
の中でも印刷版の製作工程が簡単であるために、とくに
一般的に用いられてきており、現在の主要な印刷手段と
なっている。この印刷技術は、油と水の不混和性に基づ
いており、画像領域には油性材料つまりインクが、非画
像領域には湿し水が選択的に保持される。したがって印
刷される面と直接あるいはブランケットと称する中間体
を介して間接的に接触させると画像部のインクが転写さ
れて印刷が行われる。
【0003】オフセット印刷の主な方法は、アルミニウ
ム基板を支持体としてその上にジアゾ感光層を塗設した
PS板である。PS板においては、アルミニウム基板を
支持体としてその表面を砂目立て、陽極酸化、その他の
諸工程を施してインク受容能と非画像部のインク反発性
を強め、耐刷力を向上させ、印刷面の精彩化を図るなど
を行い、その表面に印刷用画像を形成させる。したがっ
てオフセット印刷は、簡易性に加えて耐刷力や印刷面の
高精彩性などの特性も備わってきている。しかしなが
ら、印刷物の普及に伴って、オフセット印刷法の一層の
簡易化が要望され、数多くの簡易印刷方法が提案されて
いる。
【0004】その代表例がAgfa-Gevaert社から市販され
たCopyrapid オフセット印刷版をはじめ、米国特許35
11656号、特開平7−56351号などでも開示さ
れている銀塩拡散転写法による印刷版作製に基づく印刷
方法であって、この方法は、1工程で転写画像を作るこ
とができて、かつその画像が親油性であるために、その
まま印刷版とすることができるので、簡易な印刷方法と
して実用されている。しかしながら、簡易とはいいなが
らこの方法もアルカリ現像液による拡散転写現像工程を
必要としている。現像液による現像工程を必要としない
さらに簡易な印刷方法が要望されている。
【0005】画像露光を行ったのちのアルカリ現像液に
よる現像工程を省略した簡易印刷版の製作方法の開発は
上記の背景から行われてきた。現像工程を省略できるこ
とから無処理刷版とも呼ばれるこの簡易印刷版の技術分
野では、これまでに主として 像様露光による画像記録面上の照射部の熱破壊による
像形成、像様露光による照射部の親油性化(ヒートモ
ード硬化)による画像形成、同じく照射部の親油性化
であるが、光モード硬化によるもの、ジアゾ化合物の
光分解による表面性質の変化、画像部のヒートモード
溶融熱転写などの諸原理に基づく手段が提案されてい
る。
【0006】上記の簡易オフセット印刷方法として開示
されている技術には、米国特許第3,506,779
号、同第3,549,733号、同第3,574,65
7号、同第3,739,033号、同第3,832,9
48号、同第3,945,318号、同第3,962,
513号、同第3,964,389号、同第4,03
4,183号、同第4,081,572号、同第4,6
93,958号、同第731,317号、同第5,23
8,778号、同第5,353,705号、同第5,3
85,092号、同第5,395,729号等の米国特
許及び欧州特許第1068号などがある。
【0007】これらは、製版に際して現像液を必要とし
ないように考案されているが、親油性領域と親水性領域
との差異が不十分であること、したがって印刷画像の画
質が劣ること、解像力が劣り、先鋭度の優れた印刷画面
が得にくいこと、画像面の機械的強度が不十分で傷がつ
きやすいこと、そのために保護膜を設けるなどによって
却って簡易性が損なわれること、長時間の印刷に耐える
耐久性が不十分なことなどのいずれか一つ以上の欠点を
伴っていて、単にアルカリ現像工程を無くすだけでは実
用性は伴わないことを示している。印刷上必要とされる
諸特性を具備し、かつ簡易に印刷版を製作できる印刷版
作成方法への強い要望は、いまだに満たされていない。
【0008】上記した無処理型印刷版作成方法の一つに
ジルコニアセラミックが光照射によって親水性化するこ
とを利用した印刷版作製方法が特開平9−169098
号で開示されている。しかし、ジルコニアの光感度は不
十分であり、かつ疎水性から親水性への光変換効果が不
十分のため画像部と非画像部の識別性が不足している。
【0009】上記した現像液を必要としない簡易な印刷
方法とともに、使用済みの印刷用原版を簡単に再生して
再使用できる手段があれば、コストの低減と廃棄物の軽
減の2面から有利である。印刷用原版の再生使用には、
その再生操作の簡易性が実用価値を左右するが、再生操
作の簡易化は難度の高い課題であり、従来殆ど検討され
きておらず、わずかに上記の特開平9−169098号
でジルコニアセラミックという特殊な原版用材料につい
て開示されているに過ぎない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
している課題は、アルカリ性現像液を必要としない簡易
性と実用レベルの十分の画質を有し、かつ印刷原版を反
復して使用できるオフセット印刷方法を提供することで
ある。具体的には、第1にアルカリ現像液を必要とせ
ず、第2に優れた解像力を有し、第3に画像部と非画像
部の識別性が高く、優れた画質の印刷画面を作りうるオ
フセット印刷方法であって、かつその印刷原版は反復し
て使用できる印刷方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは、上記の
目的を達成するために、鋭意検討の結果、酸化チタン及
び酸化亜鉛が光照射によって表面の親水性が変化する現
象と変化した親水性が熱処理によってもとに戻る性質を
有することを認め、前者を印刷に応用することに、後者
を印刷版の再生に利用することによって上記の課題を解
決できる可能性を見いだし、これに基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りであ
る。
【0012】1.表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を主成
分とする薄層を有する印刷用原版に活性光を用いて像様
露光を行い、露光面を印刷用インクに接触させて画像領
域がインクを受け入れた印刷面を形成させて印刷を行
い、印刷の終了後使用した印刷版面上に残存するインク
を洗浄除去し、次いで原版を80°C以上に加熱して、
その印刷用原版を用いて反復して印刷を行うことを特徴
とする印刷方法。
【0013】2.酸化チタンが主としてアナターゼ型の
結晶からなることを特徴とする上記1に記載のオフセッ
ト印刷方法。
【0014】3.オフセット印刷機の版胴の印刷面側の
表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を主成分とする薄層を設
けたことを特徴とする上記1又は2に記載のオフセット
印刷方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、酸化チタン及び酸化亜鉛
が活性光の照射を受けてその表面の親水性/親油性の性
質を変えるという特性を有することと、熱によってその
変化した表面の性質がもとの性質に戻ることとを発見し
たこと、及びそれらの現象をインクの受容性と反撥性の
識別へ応用して、それをオフセット印刷用の印刷版の作
製と、使用済みの印刷版の再生に応用する技術を確立し
たことを特徴点としている。
【0016】酸化チタンや酸化亜鉛が感光性を有するこ
とはよく知られており、とくに酸化亜鉛では、帯電ある
いは電圧印加状態で光照射を行って静電画像を得ること
ができ、これが静電写真分野でエレクトロファックスと
して実用された。しかしながら、活性光の照射によって
表面の親水性/親油性の性質が変化するという特性は上
記の光電的電荷生成とは関連なくあらたに見いだした現
象であって、酸化チタン及び酸化亜鉛の感光性を電子写
真分野への利用が研究された当時には気づかなかった現
象である。まして、この表面の性質変化をオフセット印
刷法に応用するという着想は、新しい技術思想である。
【0017】本発明の感光体としては、酸化チタン及び
酸化亜鉛のいずれも利用できるが、特に酸化チタンが感
度(つまり表面性の光変化特性)などの点で好ましい。
酸化チタンは、イルメナイトやチタンスラグの硫酸加熱
焼成、あるいは加熱塩素化後酸素酸化など既知の任意の
方法で作られたものを使用できる。あるいは後述するよ
うに金属チタンを用いて印刷版製作段階で真空蒸着によ
って酸化物皮膜とする方法も用いることができる。
【0018】酸化チタン(又は酸化亜鉛)を含有する層
を原版の表面に設けるには、たとえば、酸化チタン微
結晶(又は酸化亜鉛微結晶)の分散物を印刷版の原版上
に塗設する方法、塗設したのち焼成してバインダーを
減量或いは除去する方法、印刷版の原版上に酸化チタ
ン(又は酸化亜鉛)を蒸着する方法、例えばチタニウ
ムブトキシドのようなチタン有機化合物を原版上に塗布
したのち、焼成酸化を施して金属チタン層とする方法な
ど、既知の任意の方法を用いることができる。本発明に
おいては、真空蒸着による酸化チタン層が特に好まし
い。
【0019】上記又はの酸化チタン微結晶を塗設す
る方法には、具体的には無定形酸化チタン微結晶分散物
を塗布したのち、焼成してアナターゼまたはルチル型の
結晶酸化チタン層とする方法、酸化チタンと酸化シリコ
ンの混合分散物を塗布して表面層を形成させる方法、酸
化チタンとオルガノポリシロキサンまたはそのモノマ−
との混合物を塗布する方法などがある。また、酸化物層
の中に酸化物と共存するできるポリマーバインダーに分
散して塗布することもできる。酸化物微粒子のバインダ
−には、酸化チタン微粒子に対して分散性を有するポリ
マーを広く用いることができる。好ましいバインダーポ
リマーの例としては、ポリエチレンなどのポリアルキレ
ンポリマー、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
蟻酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリ
ビニルアルコール、ポリスチレンなどの疎水性バインダ
ーが好ましく、それらの樹脂を混合して使用してもよ
い。
【0020】上記の酸化チタンの真空蒸着を行うに
は、通常真空蒸着装置内の蒸着用加熱の熱源に金属チタ
ンを置き、真空度exp(−5〜−8)Torrで全ガ
ス圧exp(−2〜−5)、酸素文圧比が30〜90%
になるようにしながら、チタン金属を蒸発させると、蒸
着面には酸化チタンの蒸着薄膜が形成される。
【0021】一方、本発明に酸化亜鉛層を使用する場
合、その酸化亜鉛層は既知の任意の方法で作ることがで
きる。とくに金属亜鉛板の表面を電解酸化して酸化皮膜
を形成させる方法と、真空蒸着によって酸化亜鉛皮膜を
形成させる方法が好ましい。酸化亜鉛の蒸着膜は、上記
の酸化チタンの蒸着と同様に金属亜鉛を酸素ガス存在下
で蒸着して酸化膜を形成させる方法や、酸素のない状態
で亜鉛金属膜を形成させたのち、空気中で温度を約70
0°Cにあげて酸化させる方法を用いることができる。
【0022】蒸着膜の厚みは、酸化チタン層、酸化亜鉛
層いずれの場合も1〜100000オングストロ−ムが
よく、好ましくは10〜10000オングストロ−ムで
ある。さらに好ましくは3000オングストロ−ム以下
として光干渉の歪みを防ぐのがよい。また、光活性化作
用を十分に発現させるには厚みが50オングストローム
以上あることが好都合である。
【0023】酸化チタンはいずれの結晶形のものも使用
できるが、とくにアナターゼ型のものが感度が高く好ま
しい。アナターゼ型の結晶は、酸化チタンを焼成して得
る過程の焼成条件を選ぶことによって得られることはよ
く知られている。その場合に無定形の酸化チタンやルチ
ル型酸化チタンが共存してもよいが、ナアターゼ型結晶
が40%以上、好ましくは60%以上含むものが上記の
理由から好ましい。酸化チタンあるいは酸化亜鉛を主成
分とする層における酸化チタンあるいは酸化亜鉛の体積
率は、それぞれ30〜100%であり、好ましくは50
%以上を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸
化物の連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
しかしながら、表面の親水性/親油性変化特性は、酸化
亜鉛を電子写真感光層に用いるときのような著しい純度
による影響はないので、100%に近い純度のもの(例
えば98%)をさらに高純度化する必要はない。それ
は、本発明においては導電性とは関係ない膜表面の親水
性/親油性の性質変化であって離散的な性質であること
からも理解できることである。しかしながら、光照射に
よって表面の親水性が変化する性質を増進させるために
ある種の金属をドーピングすることは有効な場合があ
り、この目的にはイオン化傾向が小さい金属のドーピン
グが適しており、Pt,Pd,Au,Ag,Cu,N
i,Fe,COをドーピングするのが好ましい。また、
これらの好ましい金属を複数ドーピングしてもよい。
【0024】一方、体積率が低いと層の表面の親水性/
親油性の特性変化の敏感度が低下する。したがって、層
中の酸化物の体積率は、30%以上であることが望まし
い。本発明において酸化チタン又は酸化亜鉛を主成分と
する薄層を励起させる活性光は、酸化物の感光域の光で
ある。酸化チタンは、アナターゼ型が387nm以下,
ルチル型が413nm以下、酸化亜鉛は387nm以下
に感光域を有するので、水銀灯、タングステンハロゲン
ランプ、その他のメタルハライドランプ、キセノン灯な
どを用いることが出来る。また、励起光としては、発振
波長を325nmに有するヘリウムカドミウムレーザー
や発振波長を351.1〜363.8nmに有する水冷
アルゴンレーザーも用いることができる。さらに近紫外
レーザー発振が確認されている発振波長を330nmに
有する硫化亜鉛レーザー、370nmに有する硫化亜鉛
レーザー、330〜440nmに有する硫化亜鉛/カド
ミウムレーザーも適用できる。酸化亜鉛の場合は、既知
の方法で分光増感を行ってもよいが、その場合も上記の
光源を使用でき、さらに分光増感域に分光分布を有する
上記以外の例えばタングステンランプを使用することも
できる。
【0025】本発明に係わる印刷版は、いろいろの形態
と材料を用いることができる。例えば、印刷機の版胴の
表面に酸化チタン層を蒸着、浸漬あるいは塗布するなど
上記した方法で直接酸化物層を設ける方法、金属板の表
面に酸化チタン層を設けてそれを版胴に巻き付けて印刷
版とする方法、その金属板としては、アルミニウム板、
ステンレス鋼、ニッケル、銅板が好ましく、また可撓性
(フレキシブル)な金属板を用いることが出来る。ま
た、ポリエステル類やセルローズエステルなどのフレキ
シブルなプラスチック支持体も用いることが出来る。防
水加工紙、ポリエチレン積層紙、含浸紙などの支持体上
に酸化物層を設けてもよく、それを印刷版として使用し
てもよい。
【0026】本発明において、酸化チタン(又は酸化亜
鉛)の層を支持体上に設ける場合、使用される支持体と
しては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プ
ラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例え
ば、アルミニウム、亜鉛、銅、ステンレス等)、プラス
チックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セ
ルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、
酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール
等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着さ
れた紙、もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0027】好ましい支持体は、ポリエステルフィル
ム、アルミニウム、又は印刷版上で腐食しにくいSUS
板であり、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価で
あるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウ
ム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分
とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニ
ウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィ
ルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素に
は、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合
金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本
発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウ
ムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製
造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでも
よい。このように本発明に適用されるアルミニウム板
は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知
公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することがで
きる。本発明で用いられる支持体の厚みはおよそ0.1
mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、
特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0028】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように両者を組み合わせた方法も利用すること
ができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必
要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理され
た後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形
成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、
塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられ
る。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜
決められる。
【0029】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10
秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量
は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、
平板印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に
傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ
易くなる。
【0030】酸化チタンあるいは酸化亜鉛の表面層を有
する印刷原版は、本来親油性であり、インクを受容する
が、画像露光を行うと、光の照射を受けた部分は、親水
性となり、インクを受け付けなくなる。したがって画像
露光した印刷原版にオフセット印刷用インクに接触させ
て非画像領域が湿し水を保持し、画像領域がインクを受
け入れた印刷面を形成させ、該印刷面を印刷される面と
接触させてインクを転写することによって印刷が行われ
る。
【0031】本発明の基本となっている「光の照射によ
る親油性と親水性の間の変化」はきわめて顕著である。
画像部と非画像部の親水性と親油性の差が大きいほど識
別効果が顕著であり、印刷面が鮮明となり、同時に耐刷
性も大きくなる。親水性と親油性の相違度は、水滴に対
する接触角によって表すことができる。親水性が大きい
ほど水滴は広がりをみせて接触角が小さくなり、逆に水
滴を反発する(はっ水性つまり親油性)場合は接触角が
大きくなる。つまり、本発明の酸化亜鉛又は酸化チタン
表面層を有する原版は、本来水に対して高い接触角を有
しているが、活性光の照射を受けるとその接触角が急激
に低下し、親油性のインクをはじく性質に変化するの
で、版面上に画像状にインク保持部と水保持部ができて
紙などの受像シートと接触することによってその被印刷
面にインクが転写される。
【0032】好ましい照射光の強さは、酸化チタン又は
酸化亜鉛の画像形成層の性質によって異なり、又照射光
量とともに接触角が減少するので画像/非画像の識別性
目標レベルによっても変わる性格の紫外光であるが、通
常は、印刷用画像で変調する前の面露光強度が酸化チタ
ン、酸化亜鉛ともに0.05〜100joule /cm2
好ましくは0.2〜10joule /cm2 、より好ましく
は0.5から5joule/cm2 である。また、光照射に
は相反則がほぼ成立しており、例えば10mW/cm2
で100秒の露光を行っても、1W/cm2 で1秒の露
光を行っても、同じ効果が得られるので活性光を発光す
る限り光源の選択には制約はない。
【0033】上記の感光性は、性質及び機構共に従来開
示されているジルコニアセラミック(特開平9−169
098)の感光性とは異なるものである。たとえば、感
度については、ジルコニアセラミックに対しては7W/
μm2 のレーザー光と記されており、レーザー光のパル
ス持続時間を100ナノ秒として70joule /cm2
あって酸化チタン層の感度より約1桁低い。機構的に
も、十分解明されてはいないが、親油性有機付着物の光
剥離反応と考えられており、ジルコニアの光変化機構と
は異なっている。
【0034】酸化チタン又は酸化亜鉛の表面層への画像
焼き付け露光を行ったのち、印刷原版は現像処理するこ
となく、そのままオフセット印刷工程に送ることができ
る。従って通常の公知の平版印刷法に比較して簡易性を
中心に多くの利点を有する。すなわち上記したようにア
ルカリ現像液による化学処理が不要であり、それに伴う
ワイピング、ブラッシングの操作も不要であり、さらに
現像廃液の排出による環境負荷も伴わない。
【0035】以上のようにして得られた平版印刷版の露
光部は十分に親水性化しているが、所望により、水洗
水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや
澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の
画像記録材料を印刷用版材として使用する場合の後処理
としては、これらの処理を種々組み合わせて用いること
ができる。その方法としては、該整面液を浸み込ませた
スポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整
面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方
法や、自動コーターによる塗布などが適用される。ま
た、塗布した後でスキージー、あるいは、スキージーロ
ーラーで、その塗布量を均一にすることは、より好まし
い結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜
0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。この様な処理に
よって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけ
られ、多数枚の印刷に用いられる。
【0036】次に印刷を終えた印刷版の再生工程につい
て記す。印刷終了後の印刷版は疎水性の石油系溶剤を用
いて付着しているインクを洗い落とす。溶剤としては市
販の印刷用インキ溶解液として芳香族炭化水素、例えば
ケロシン、アイソパ−などがあり、それらを用いること
ができるほか、ベンゾール、トルオール、キシロール、
アセトン、メチルエチルケトン及びそれらの混合溶剤を
用いてもよい。
【0037】インクを洗浄除去した印刷版は、つぎに熱
処理を施すことによって版面全体にわたって均一に親油
性となり、かつ均一の親油性化への光照射感度が回復す
る。熱処理は、80°C以上、好ましくは100°C以
上で酸化チタン又は酸化亜鉛の焼成温度以下で行われる
が、高温ほど親油性化時間は短い。より好ましくは15
0°Cで10分以上又は200°Cで1分以上あるいは
250°Cで10秒以上の程度の熱処理が好ましい。熱
処理時間を延長しても支障はないが、表面の親水性が回
復したのちは時間を延長してもさらなる利点は生まれな
い。
【0038】再生に用いる熱源は、上記した温度と時間
の条件を満たすものであれば任意の手段を利用できる。
加熱手段の例をあげると、直接赤外線照射による放射加
熱、印刷版表面に黒色カーボン紙などの熱線吸収シート
を接触させた間接赤外線照射、温度設定した空気恒温槽
への挿入、ホットプレートその他の熱板との接触加熱、
加熱ローラーとのコンタクトなどが挙げられる。このよ
うにして使用済みの印刷版から再生された印刷用原版
は、活性光への暴露を避けて貯蔵され、次の印刷に備え
る。
【0039】本発明に係わる印刷原版の反復再生可能回
数は、完全に把握できていないが、少なくとも15回以
上であり、おそらく反面の除去不能な汚れ、修復が実際
的でない刷面の傷や、版材の機械的な変形(ひずみ)な
どによって制約されるものと思われる。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されない。 実施例1 厚さ100μのステンレス板上に、真空蒸着装置内で全
圧1.5x10-4Torrで酸素ガス分圧70%の条件下で
チタン金属片を加熱して二酸化チタン薄膜を蒸着形成し
た。この薄膜の結晶成分はX線解析法によって無定型/
アナターゼ/ルチル結晶構造の比が1.5/6.5/2
であり、TiO2薄膜の厚さは900オングストロームであ
った。サイズは510×400mmにカットしてサンプル
とした。この表面に400線/インチのポジの画像を有
するリスフィルム原稿を置き、上から石英ガラス板で機
械的に密着させた。これにウシオ電気社製USIO焼き付け
用光源装置ユニレックURM−600形式GH−602
01Xを用いて、光強度9mW/cm2のもとで2分間露光を
行った。協和界面科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER
CA-Dを用いて空中水滴法で表面の接触角を測定したとこ
ろ露光部6度、非露光部79度を得た。
【0041】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。次いでこの版の表面を印刷用インキ洗浄液ダイク
リーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)をウエス
にしみ込ませて丁寧に洗浄してインキを除去した。これ
を150度のオ−ブン中に10分間加熱した後、室温ま
で冷えた状態で前と同様の方法で接触角を測定した。版
表面のどの箇所でも接触角は78〜80度の範囲に入っ
ており、まったくなにも露光していない初期の状態に回
復していた。この状態でさらに一回目と異なるポジ画像
を有するリスフィルムを通して、前と同じ光源(ウシオ
電気社製焼き付け用光源装置)を使い、同じ光強度(9
mw/cm2で2分間露出を行った。1回目同様、空中水滴方
法で表面の接触角を測定したところ露光部6度、非露光
部79度を得た。
【0042】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを15回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。
【0043】実施例2 99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、
チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を
0.1重量%含有するJISA1050アルミニウム材
の厚み0.30mm圧延板を、400メッシュのパミスト
ン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナイ
ロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面
を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15重量
%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%
含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になる
ようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1重
量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アル
ミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.5
ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧
(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実
施例に記載されている電流波形)を用いて160クロー
ン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水
洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に
浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエ
ッチングした後、水洗した。次に、50℃、30重量%
の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗し
た。
【0044】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密
度13A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極
酸化皮膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは
0.58μmであった。次いでこのアルミニウム支持体
を真空蒸着装置内に入れて、200°Cに加熱し、1.
0x10-6Torrまで排気したのち、酸素ガス圧1.5x
10-4Torrの条件下で酸化チタンを電子ビーム加熱し
て、アルミニウム支持体上に二酸化チタン薄膜を形成し
た。この薄膜の結晶成分はX線解析法によって無定型/
アナターゼ/ルチル結晶構造の比が2.5/4.5/3
であり、TiO2薄膜の厚さは750オングストロームであ
った。サイズは510×400mmにカットしてサンプル
とした。この表面にポジの画像を有するリスフィルム原
稿を置き、上から石英ガラス板で機械的に密着させた。
これにウシオ電気社製USIO焼き付け用光源装置ユニレッ
クURM−600形式GH−60201Xを用いて、光
強度9mW/cm2のもとで2分間露光を行った。協和界面科
学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中水
滴法で表面の接触角を測定したところ露光部5度、非露
光部80度を得た。
【0045】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製New ChampionFグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で非画像部に汚れのない鮮明な印刷物が得られ、印刷版
の損傷もみとめられなかった。次いでこの版の表面を印
刷用インキ洗浄液ダイクリーンR(発売元;大日本イン
キ化学工業社)をウエスにしみ込ませて丁寧に洗浄して
インキを除去した。これを180度のオ−ブン中に2分
間加熱した後、室温まで冷えた状態で前と同様の方法で
接触角を測定した。版表面のどの箇所でも接触角は78
〜80度の範囲に入っており、まったくなにも実行して
いない初期の状態に回復していた。この状態でさらに一
回目と異なるポジ画像を有するリスフィルムを通して、
前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用光源装置)を
使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出を行った。1
回目同様、空中水滴方法で表面の接触角を測定したとこ
ろ露光部5度、非露光部79度を得た。
【0046】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなか
った。以上の繰り返しを5回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。この結果から、酸化チタン
感光層をアルミニウム支持体上に設けた印刷原版を使用
した場合も、簡易な印刷が可能でしかも印刷原版を反復
再生使用できることが示された。
【0047】実施例3 真空蒸着装置中に100ミクロン厚みのSUS板をセッ
トして全圧5x10-3Torrの真空下でセレン化亜鉛を1
000オングストロームの厚みに蒸着した。これを空気
中600°Cで2時間酸化処理してSUS板の片面に酸
化亜鉛の薄膜を形成させた。
【0048】この酸化亜鉛皮膜付き100ミクロンSU
S板をサイズは510×400mmにカットしてサンプル
とした。この表面にポジの画像を有するリスフィルム原
稿を置き、上から石英ガラス板で機械的に密着させた。
これにウシオ電気社製USIO焼き付け用光源装置ユニレッ
クURM−600形式GH−60201Xを用いて、光
強度9mW/cm2のもとで20分間露光を行った。協和界面
科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中
水滴法で表面の接触角を測定したところ露光部17度、
非露光部51度を得た。
【0049】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製New Champion Fグロス85墨を用いて
500枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で非画像部に汚れのない鮮明な印刷物が得られ、印刷版
の損傷もみとめられなかった。次いでこの版の表面を印
刷用インキ洗浄液ダイクリーンR(発売元;大日本イン
キ化学工業社)をウエスにしみ込ませて丁寧に洗浄して
インキを除去した。これを160度のオ−ブン中に15
分間加熱した後、室温まで冷えた状態で前と同様の方法
で接触角を測定した。版表面のどの箇所でも接触角は6
4〜70度の範囲に入っており、まったくなにも露光し
ていない初期の状態に回復していた。この状態でさらに
一回目と異なるポジ画像を有するリスフィルムを通し
て、前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用光源装
置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出を行っ
た。1回目同様、空中水滴方法で表面の接触角を測定し
たところ露光部15度、非露光部68度を得た。
【0050】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなか
った。この結果から、酸化亜鉛感光層も、インク受容部
と湿し水保持部との区別が保たれて作業工程を簡易化で
き、しかも印刷原版を熱処理によって再生使用できるこ
とが示された。
【0051】実施例4 200ミクロン厚みのSUS板の表面を研磨剤(フジミ
コーポレーション、FO#4000)を水と混合しなが
ら研磨した。粗面粗さは三次元表面粗さ計(小坂研究所
製三次元表面粗さ測定装置モデルSE−F1,DU−R
J2U,解析装置モデルSPA−11)で測定したとこ
ろ、平均5ミクロンであった。これを水洗、乾燥して支
持体とした。このSUS支持体をチタニウムブトキシド
(Merck社製)の10%メタノール溶液に浸漬して
引き上げたのち、自然乾燥した。その後、このSUS板
を600°Cの電気炉で2時間処理した。表面は150
0オングストロ−ムの厚みの酸化チタン(アナターゼ
型)が生成されていることをX線解析法によって確認し
た。この表面にポジの画像を有するリスフィルム原稿を
置き、上から石英ガラス板で機械的に密着させた。これ
にウシオ電気社製USIO焼き付け用光源装置ユニレックU
RM−600形式GH−60201Xを用いて、光強度
9mW/cm2のもとで20分間露光を行った。協和界面科学
株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中水滴
法で表面の接触角を測定したところ非露光部71度、露
光部2度を得た。
【0052】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製New Champion Fグロス85墨を用いて
500枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で非画像部に汚れのない鮮明な印刷物が得られ、印刷版
の損傷もみとめられなかった。次いでこの版の表面を印
刷用インキ洗浄液ダイクリーンR(発売元;大日本イン
キ化学工業社)をウエスにしみ込ませて丁寧に洗浄して
インキを除去した。これを180度のオ−ブン中に2分
間加熱した後、室温まで冷えた状態で前と同様の方法で
接触角を測定した。版表面のどの箇所でも接触角は68
〜72度の範囲に入っており、全くなにも露光していな
い初期の状態に回復していた。この状態でさらに一回目
と異なるポジ画像を有するリスフィルムを通して、前と
同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用光源装置)を使
い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出を行った。1回
目同様、空中水滴方法で表面の接触角を測定したところ
非露光部70度、露光部2度を得た。
【0053】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなか
った。この結果から、本実施例の方法でSUS板に設け
た酸化チタン感光層も、インク受容部と湿し水保持部と
の区別が保たれて作業工程を簡易化でき、しかも印刷原
版を熱処理によって再生使用できることが示された。
【0054】実施例5 実施例1と同様に作製した印刷用原版試料に、水冷型ア
ルゴンイオンレーザーの363.8nm光をビーム幅4
5ミクロン(1/e2 値)に絞り、以下の条件下でレー
ザー画像を露光した。 すなわち、レーザー光径:45ミクロン(1/e2 値) 走査速度 :1.51m/sec 走査ピッチ :22.5ミクロン エネルギー密度:9.21J/cm2 サイズは510×400mmにカットしてサンプルとし
た。協和界面科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-D
を用いて空中水滴法で非露光部表面の接触角を測定した
ところ79度を得た。
【0055】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。次いでこの版の表面を印刷用インキ洗浄液ダイク
リーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)をウエス
にしみ込ませて丁寧に洗浄してインキを除去した。これ
を150度のオ−ブン中に10分間加熱した後、室温ま
で冷えた状態で前と同様の方法で接触角を測定した。版
表面のどの箇所でも接触角は78〜80度の範囲に入っ
ており、まったくなにも露光していない初期の状態に回
復していた。この状態でさらに一回目と同じレーザー露
光条件のもとで異なる画像の露光を行った。1回目同
様、空中水滴方法で非露光部表面の接触角を測定したと
ころ79度を得た。
【0056】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを15回実施したところ、版の光感
度、非露光部の接触角などに変化は認められなかった。
【0057】実験例1 酸化チタン層を有する実施例1の試料を用いて露光前後
の接触角の変化及び露光により接触角が低下した試料に
熱処理を加えたときの接触角の増加速度を協和界面科学
株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中水滴
法によって求めた測定値を表1に示す。この表から、露
光によって極めて顕著な疎水性から親水性への変化が起
こること及びそれが130°Cでも2時間程度、200
°Cでは数分でもとの疎水性表面に戻ることが示され
る。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を主成分
とする薄層を有する本発明の印刷原板は、活性光による
像様露光のみで印刷画面が形成され、現像液が不要で、
かつ印刷面の鮮明性が保たれたオフセット印刷が可能と
なり、かつ使用した印刷原版を熱処理によって再生し、
反復使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を主成分
    とする薄層を有する印刷用原版に活性光を用いて像様露
    光を行い、露光面を印刷用インクに接触させて、画像領
    域がインクを受け入れた印刷面を形成させて印刷を行
    い、印刷の終了後使用した印刷版面上に残存するインク
    を洗浄除去し、次いで原版を80°C以上に加熱して、
    その印刷用原版を用いて反復して印刷を行うことを特徴
    とする印刷方法。
  2. 【請求項2】 酸化チタンが主としてアナターゼ型の結
    晶からなることを特徴とする請求項1に記載のオフセッ
    ト印刷方法。
  3. 【請求項3】 オフセット印刷機の版胴の印刷面側の表
    面に酸化チタン又は酸化亜鉛を主成分とする薄層を設け
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載のオフセット
    印刷方法。
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