JPH11147843A - 光学異性体の吸着分離方法 - Google Patents

光学異性体の吸着分離方法

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JPH11147843A
JPH11147843A JP31497997A JP31497997A JPH11147843A JP H11147843 A JPH11147843 A JP H11147843A JP 31497997 A JP31497997 A JP 31497997A JP 31497997 A JP31497997 A JP 31497997A JP H11147843 A JPH11147843 A JP H11147843A
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JP
Japan
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optically active
adsorption
adsorbent
active compound
optical isomer
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Application number
JP31497997A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Kitagawa
哲司 北川
Atsushi Okamoto
岡本  敦
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学異性体を吸着分離する。 【解決手段】 光学活性化合物(A)を含む移動相、吸
着剤および光学異性体を含む混合物(B)を接触させ
て、光学異性体を含む混合物(B)から特定の光学異性
体を分離する際に、光学活性化合物(A)と光学異性体
を含む混合物(B)中のいずれかの光学異性体(B’)
の間の吸着選択係数αB'/Aが2.0以上である吸着剤を用
いて光学異性体を吸着分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学異性体の吸着分
離方法に関するものである。
【0002】光学異性体は、様々なケミカル製品として
例えば農薬、医薬、食品添加物さらにはこれらの中間体
として広く用いられている。
【0003】具体的には光学活性なアミノ酸類、アミノ
酸誘導体、カルボン酸類、カルボン酸誘導体、アミン含
有化合物、アルコール化合物、ヒドロキシカルボン酸、
ヒドロキシカルボン酸誘導体等である。
【0004】
【従来の技術】光学異性体の吸着分離においては光学活
性源を固定化した吸着剤による吸着分離が広く知られて
いる。例えば、光学異性体吸着分離用吸着剤として、多
糖誘導体(セルロースやアミロースなどのエステルある
いはカルバメートなど)や多糖誘導体をシリカゲルに担
持したもの、シクロデキストリンの誘導体、シクロデキ
ストリン誘導体をシリカゲルなどに担持したもの、ポリ
アクリレート誘導体、ポリアクリレート誘導体をシリカ
ゲルなどに担持したものなどが知られている。多糖誘導
体を用いた光学異性体の吸着分離については、八島、岡
本により報告(Bull.Chem.Soc.Jp
n.,68,3289ー3307(1995)されてい
る。
【0005】一方、光学活性化合物を移動相に添加して
光学異性体を吸着分離する方法も知られている。例え
ば、移動相として類似な構造を有する光学活性化合物を
用いて、光学異性体を吸着分離する方法がフランス特許
2593409号公報で開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】混合化合物の中から一
種類の化合物を取り出そうとする場合、上述した様々な
吸着分離による方法がある。しかしながら、混合化合物
を分離したいというニーズに対し、これまで知られてい
る方法だけでは必ずしも万全ではないため、新規な分離
方法が望まれている。
【0007】例えば、光学異性体の吸着分離方法とし
て、多糖誘導体などをシリカゲルに担持した吸着分離剤
を利用した分離が一般的によく知られている。しかし、
これら吸着分離剤は機械的強度が弱く、工業的な分離プ
ロセスでは用いることが困難であった。さらにこれら吸
着剤は製造工程が長いため、非常に高価なものになり、
また多糖誘導体が担持されているだけであるため、長期
の利用においては多糖誘導体が溶出してしまう問題があ
った。また、数多くの光学異性体をすべて分離できる吸
着分離剤がないため、様々な新しい吸着分離剤および分
離システムの研究が行われている。
【0008】また、フランス特許2593409号公報
で開示された吸着分離方法は分離概念としては新規なも
のであった。本特許によれば、もはや吸着剤を選択しな
くとも吸着剤のみの改良で良い分離能が得られると記載
されているが必ずしもそうではなく、吸着分離剤を改良
する等の余地がまだ残されている。
【0009】このような様々な問題点に対して、新規な
吸着分離システムによる異なった分離方法が望まれてい
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、光学異性
体の吸着分離方法について鋭意研究した結果、光学活性
化合物(A)を含む移動相、吸着剤および光学異性体を
含む混合物(B)を接触させて、光学異性体を含む混合
物(B)から特定の光学異性体を分離する際に、光学活
性化合物(A)と光学異性体を含む混合物(B)中のい
ずれかの光学異性体(B’)の間の吸着選択係数αB'/A
が2.0以上である吸着剤を用いることにより効率よく光
学異性体を吸着分離できることを見出した。
【0011】すなわち本発明は、光学活性化合物(A)
を含む移動相、吸着剤および光学異性体を含む混合物
(B)を接触させて、光学異性体を含む混合物(B)か
ら特定の光学異性体を分離する際に、光学活性化合物
(A)と光学異性体を含む混合物(B)中のいずれかの
光学異性体(B’)の間の吸着選択係数αB'/Aが2.0以
上である吸着剤を用いることを特徴とする光学異性体の
吸着分離方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】なお、本文中において光学異性体と記載し
た場合は、複数の光学活性化合物からなる異性体群の混
合物を指し、光学活性化合物と記載した場合は一つの光
学活性な化合物を指す。
【0014】本発明における移動相中の光学活性化合物
(A)は、アミノ酸、光学活性アミン、光学活性カルボ
ン酸、光学活性ヒドロキシカルボン酸、光学活性炭化水
素、光学活性アルコール又はこれらの誘導体が好ましい
が、光学活性アルコール、光学活性アミン、光学活性カ
ルボン酸又はその誘導体がより好ましい。特に、l−メ
ントール、多糖類、シクロデキストリンのような天然型
光学活性化合物およびその誘導体が好ましい。これら光
学活性化合物は、移動相中において分離しようとする光
学異性体と相互作用する。これら光学活性化合物の光学
純度は、高ければ高いほど好ましいが、低くても本発明
の効果は発現するため問題ない。好ましくは30%ee
(enatiomer excess)以上、さらに好ましくは50%e
e以上で、90%ee以上が特に好ましい。溶媒として
は、特に限定がないが光学活性化合物を十分に溶解でき
るものが好ましく、水、メタノールやエタノール等のア
ルコール、ベンゼンやトルエンなどの芳香族化合物、n
−ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素等様々な
ものが使用可能である。移動相中に含まれる光学活性化
合物の濃度は、濃ければ濃いほど分離対象物に対する識
別能が高まるため良い。好ましい濃度としては1重量%
以上、より好ましくは5重量%以上であり、さらに好ま
しくは10重量%以上であり、40重量%以上が特に好
ましい。
【0015】本発明では吸着剤の特性を次式の吸着選択
係数αB'/Aにより表した。
【0016】αB’/A =(吸着相B’/吸着相A)/
(液相B’/液相A) ここでA,B’はそれぞれ光学活性化合物(A)、光学
異性体を含む混合物中のいずれかの光学異性体(B’)
の濃度を示している。この吸着選択係数αB’/Aは、液
相の各成分の濃度を、液クロマトグラフィやガスクロマ
トグラフィで分析することにより容易に算出することが
できる。濃度変化は、内標法により決定するのが好まし
い。好ましい内標としては、n−ノナンが挙げられる
が、移動相が水溶性であったり、極性溶媒であったり等
してn−ノナンが溶けない場合は、適宜非吸着成分を選
定し内標とする必要がある。
【0017】αB'/A は1より大の時には(B’)成分
が吸着され、1より小の時には(A)成分が吸着され
る。また、この値が1より大きければ大きいほど(ある
いは1より小さく0に近いほど)(A)と(B’)は吸
着剤内部と吸着剤外部での濃度差が大きくなる。
【0018】本発明においては、移動相中の光学活性化
合物(A)と分離しようとする光学異性体間の吸着特性
に着目して鋭意検討した結果、光学活性化合物(A)が
光学異性体(B’)に対して吸着剤内部に殆ど吸着され
ておらず、かつ光学活性化合物(A)が吸着剤外部で光
学異性体(B)の中から特定の光学異性体のみ強く相互
作用する場合に吸着選択係数αB'/Aが大きくなることを
見出した。本発明においては吸着選択係数αB’/Aが、
2.0以上であることが好ましく、5.0以上がさらに好まし
く、10.0以上が特に好ましい。
【0019】また、本発明における吸着度とは吸着剤に
吸着される光学活性化合物の吸着量の指標であり次のよ
うな測定方法により求めることができる。吸着剤と移動
相溶媒を密閉系の瓶に入れ、さらに光学活性化合物(溶
解度の小さいものは飽和する量まで)と分離対象物を加
え攪拌する。4時間室温で放置した後、上澄み液を取
り、濃度分析を行う。吸着前及び吸着後の光学活性化合
物の濃度は、ガスクロマトグラフィや液体クロマトグラ
フィなどの分析法を用いることにより容易に分析でき
る。
【0020】ここで吸着度は、
【数1】 で定義される。吸着度は0.03以下が好ましくさらに好ま
しくは0.00以下、すなわち負の値である。上述の式から
分かるように吸着度は、光学活性化合物の濃度が初期に
対し、増加しているか、減少しているかの指標である。
光学活性化合物が吸着剤に吸着されている場合は、吸着
後の光学活性化合物の濃度は吸着前の光学活性化合物の
濃度に比べて低くなるため、吸着度が正の値を取ること
になる。光学活性化合物が吸着剤に吸着されにくい場合
は、吸着後の光学活性化合物の濃度は吸着前の光学活性
化合物の濃度に比べて相対的に高くなるため、吸着度が
負の値を取ることになる。本発明では、光学活性化合物
が吸着されない方が好ましいため、吸着度が0.03以下、
さらには負の値になることが好ましい。
【0021】このような吸着度を満たす光学活性化合物
を添加成分として用いることにより、光学異性体を識別
する光学活性化合物が、移動相中に十分偏って存在する
ことになり、分離能を高めることになる。
【0022】本発明における多孔性吸着剤とは、多孔質
からなる組成物であれば有機物でも無機物でも良い。
【0023】前記有機物としては、ポリスチレン、ポリ
アクリルアミド、ポリアクリレートなどの高分子組成物
を挙げることができる。
【0024】前記無機物としては、シリカ、アルミナ、
マグネシア、酸化チタン、ケイ酸塩、珪藻土、アルミノ
シリケート、層状化合物、ゼオライト、活性炭、グラフ
ァイトなどを挙げることができる。本発明における多孔
性吸着剤としては、無機物からなる多孔質吸着剤が好ま
しく、均一なメソポア、ミクロポアを有するシリカやア
ルミナ、シルカアルミナ等の組成物やゼオライトが特に
好ましい。
【0025】また、本発明における多孔性吸着剤は、窒
素吸着法による測定から得られる吸着等温線データを解
析して、500Å以下の細孔径ピークもしくは平均細孔
径を有するものが好ましい。上記条件を満たすものであ
れば、吸着分離性能が向上するため、好ましい吸着剤と
なる。特に均一な細孔径ピークを持つものがさらに好ま
しい。なお、本発明における細孔径ピークおよび、平均
細孔径はDollimore & Heal法を用いて
細孔分布を求め算出することができる。窒素吸着法に基
づくDollimore & Heal法を用いた細孔
分布の求め方については、”吸着の化学”(近藤精一、
石川達雄、阿部郁夫著、丸善(株)(1991年))に
詳しく記載されている。
【0026】これら多孔性吸着剤の好ましい粒子径は5
〜500メッシュであり、より好ましくは10〜250
メッシュであり、10〜100メッシュが特に好まし
い。
【0027】本発明におけるゼオライトとは、いわゆる
モレキュラ・シーブとも言われるものであり、結晶性の
3次元的に規則的な空間を有する無機多孔体である。一
般的にゼオライトとはフォージャサイト型ゼオライトや
β型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ペンタシ
ル型ゼオライト等の結晶性アルミノシリケートや結晶性
アルミノホスフェート、シリカアルミノホスフェート等
を指す。本発明におけるこれらゼオライトについては、
ALTAS OF ZEOLITE STRUCTUR
E TYPES(W.M.Meier、D.H.Ols
on著、Butterworths、1987)に詳し
く記載されている。
【0028】本発明におけるゼオライトは、3次元的に
形成される空間が効率よく利用されるように細孔の開口
環酸素数が10原子以上であることが好ましく、12原
子以上であることが特に好ましい。なお、ゼオライトの
開口環酸素数とは、ゼオライト骨格中で分子が通過でき
る細孔を形成する骨格部分の酸素の数をいう。なお、開
口環酸素数については、ALTAS OF ZEOLI
TE STRUCTURE TYPES(W.M.Me
ier、D.H.Olson著、Butterwort
hs、1987)に詳しく記載されている。また、ゼオ
ライトが結晶性アルミノシリケートである場合は、シリ
カ/アルミナ比が2以上であることが好ましい。何故な
ら、通常のアルミノシリケートは、シリカ/アルミナ比
が小さいと十分に大きな細孔を形成しにくくなるためで
ある。特に本発明において用いるゼオライトは、フォー
ジャサイト型ゼオライト、β型ゼオライトおよびペンタ
シル型ゼオライトが好ましく、フォージャサイト型ゼオ
ライト及びβ型ゼオライトがより好ましく、フォージャ
サイト型ゼオライトY及びフォージャサイト型ゼオライ
トXが特に好ましい。ゼオライトは、工業的な利用にお
いては通常シリカやアルミナ、ベントンなどのバインダ
を用いて成型した後使用することが好ましい。本発明で
は、成型したゼオライトでも粉末状のゼオライトでもか
まわないが、特に成型したものが好ましい。成型品の好
ましい粒子径は5〜500メッシュであり、より好まし
くは10〜250メッシュであり、10〜100メッシ
ュが特に好ましい。
【0029】分離しようとする光学異性体としてはアミ
ノ酸、光学活性アミン、光学活性カルボン酸、光学活性
ヒドロキシカルボン酸、光学活性炭化水素、光学活性ア
ルコール又はこれらの誘導体が好ましいが、光学活性ア
ミン、光学活性カルボン酸又はその誘導体がより好まし
く、特に光学活性カルボン酸又はその誘導体が好まし
い。また、本発明の方法は、光学活性点を2個以上有し
ており、光学異性体だけでなく、幾何異性体も含んでい
る混合物から特定の異性体を分離する際も利用できる。
【0030】本発明の方法を用いた吸着分離するための
技術は、いわゆるクロマトグラフィ法による回分方式
や、これを連続化した移動床または擬似移動床による吸
着分離方法が好ましい。特に擬似移動床による連続的吸
着分離技術が、工業的なプロセスとして好ましい。擬似
移動床方式による吸着分離の基本操作としては以下の吸
着操作、濃縮操作、脱着操作を連続的に循環して実施す
る。
【0031】(1)吸着操作:分離しようとする光学異
性体は吸着分離剤と接触し、弱吸着成分を選択的に残し
て強吸着成分が吸着される。強吸着成分はエクストラク
ト成分として光学活性体を含む移動相とともに回収され
る。
【0032】(2)濃縮操作:弱吸着成分を多く含むラ
フィネートはさらに吸着剤と接触させられ強吸着成分が
選択的に吸着されて、ラフィネート中の弱吸着成分が高
純化される。
【0033】(3)脱着操作:高純化された弱吸着成分
はラフィネートとして回収され、一方、強吸着成分は光
学活性化合物を含む移動相により吸着剤から追い出され
脱着剤を伴ってエクストラクト成分として回収される。
【0034】なお、この方法ではエクストラクトから得
られる成分を高純度化する事もできる。また、目的とし
ない異性体は回収した後、異性化して吸着分離物(分離
対象混合物)として返還することもできる。
【0035】
【実施例】次に本発明の効果を実施例を挙げて説明す
る。
【0036】本発明では吸着剤の特性を次式の吸着選択
係数αB/Aにより表した。
【0037】αB/A =(吸着相B/吸着相A)/(液
相B/液相A) ここでA,Bは各成分の濃度を示している。この吸着選
択係数は、液相の各成分の濃度は、液クロマトグラフィ
やガスクロマトグラフィで分析することにより容易に算
出することができる。
【0038】αB/A は1より大の時にはB成分が吸着
され、1より小の時にはA成分が吸着される。また、こ
の値が1より大きければ大きいほど(あるいは1より小
さく0に近いほど)AとBは吸着剤内部と吸着剤外部で
の濃度差が大きくなる。
【0039】本実施例におけるバッチ式での評価結果は
静的な条件で測定したものであるが、この流通式など別
の評価方法で得られる吸着分離能を実質評価しているの
ものと見なすことができる。すなわち静的な条件で吸着
選択性が得られたものは流通式によっても大きな差を見
出すことができる。このため、静的な条件で差異の得ら
れたものは実質回分方式や移動床方式によるクロマトグ
ラフィ法により分離可能である。
【0040】(光学活性化合物の調製) 1.l−メントール−2−クロロプロピオン酸エステル 温度計と滴下ロートを備えた300ml三つ口フラスコ
にl−メントール(Aldrich社製)30.0g、
ピリジン(東京化成社製)16.0gおよびジクロロメ
タン80mlを入れ、氷水で冷却しながら攪拌し、2−
クロロプロピオン酸クロリド(東京化成社製)25.0
gを40分かけて滴下した。滴下終了後、生成物を氷水
中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。さらに、抽出物
を希塩酸、水、炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を
留去した後、減圧蒸留(74℃/1mmHg)により精
製し、l−メントール−2−クロロプロピオン酸エステ
ルを得た。
【0041】2.l−メントールメチルエーテル 滴下ロートとジムロート冷却管を備えた300ml三つ
口フラスコを加熱乾燥後、窒素置換し、油性の60%水
素化ナトリウム(東京化成社製)9.20gと乾燥した
n−ヘキサン約10mlを入れ、オイル分を除去した。
乾燥後、THF(モレキュラシーブ3Aで一晩乾燥)5
0mlを加え攪拌し、45〜50℃に保ち、ヨウ化メチ
ル(東京化成社製)38.31gを加えた。l−メント
ール(Aldrich社製)28.13gのTHF溶液
100mlを90分かけて滴下し、その後さらに40分
間攪拌した。放冷後少量のエタノールを加え、残存水素
化ナトリウムを潰し、水を加えた。有機相を分液後、水
相をエーテルで抽出した。これらの有機相を飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去
後、減圧蒸留(102℃/35mmHg)により精製
し、l−メントールメチルエーテルを得た。
【0042】3.(S)−N,N−ジメチル−α−フェ
ニルエチルアミン 滴下ロート、温度計とジムロート冷却管を備えた500
ml三つ口フラスコにギ酸(東京化成社製)116.2
gを入れ、冷却下に(S)−α−フェニルエチルアミン
(山川薬品社製、98%ee)60.6gを攪拌しなが
ら20分かけて滴下した。これに35%ホルムアルデヒ
ド溶液128.6gを10分かけて加え、4時間加熱し
た。反応後、濃HCl57.4gを加えて塩酸塩にした
後、水、ギ酸を減圧下に留去した。50mlの水を加え
た後、25%NaOH水溶液160gを加え、有機相を
分液ロートで分取した。KOHを加えて有機相を乾燥し
た後、減圧蒸留(67℃/10mmHg)を行い目的物
を得た。
【0043】(吸着剤の調製) 1.Kイオン交換型Yゼオライト(KY) KYはNaY(東ソー社製、シリカ/アルミナ=4.8(mo
l/mol))をイオン交換することにより調製した。調製方
法は、NaYに対し重量当たり10倍量の硝酸カリウム
(和光純薬社製)飽和水溶液で5回に分けてイオン交換
した後、水洗したものを用いた。
【0044】2.Kイオン交換型Xゼオライト(KX) KXはNaX(東ソー社製、シリカ/アルミナ=2.5
(mol/mol))をイオン交換することにより調製
した。調製方法は、NaYに対し重量当たり10倍量の
硝酸カリウム(和光純薬社製)飽和水溶液で5回に分け
てイオン交換した後、水洗したものを用いた。
【0045】3.Baイオン交換型Xゼオライト(Ba
X) BaXは、上記方法と同様の方法で硝酸カリウムを硝酸
バリウムに変えて調製した。
【0046】4.Caイオン交換型Xゼオライト(Ca
X) CaXは、上記方法と同様の方法で硝酸カリウムを硝酸
カルシウムに変えて調製した。
【0047】5.Cuイオン交換型Yゼオライト(Cu
Y) CuYは、KYの調製と同様の方法で硝酸カリウムを硝
酸銅に変えて調製した。
【0048】6.Baイオン交換型Yゼオライト(Ba
Y) BaYは、KYの調製と同様の方法で硝酸カリウムを硝
酸バリウムに変えて調製した。
【0049】7.Naβ β型ゼオライトNaβは以下のようにして調製した。P
Qコーポレーション製CP−806β25(シリカ/ア
ルミナ=25(mol/mol))を500℃で2時間
焼成した後、10gを秤りとり、100ml飽和塩化ナ
トリウム水溶液へ加えた。80℃で1時間保温した後、
塩化ナトリウム水溶液を濾過により除去した。この操作
によるイオン交換を5回イオンを行った後、水洗を3回
行い120℃で乾燥しNaβとした。
【0050】8.Naペンタシル型ゼオライト Naペンタシル型ゼオライトは、以下のようにして調製
した。ペンタシル型ゼオライトを2時間、500℃で焼
成した後、10gを秤りとり、100ml飽和塩化ナト
リウム水溶液へ加えた。80℃で1時間保温した後、塩
化ナトリウム水溶液を濾過により除去した。この操作に
よるイオン交換を5回イオンを行った後、水洗を3回行
い120℃で乾燥した。
【0051】9.ALPO4−5 ALPO4−5は、Handbook of Mole
cular Sieves(R.Szostak著、V
AN NOSTRAND REINHOLD、198
4)に記載の合成法により調製した。
【0052】10.Naモルデナイト型ゼオライト Naモルデナイト型ゼオライトは以下のようにして調製
した。モルデナイト型ゼオライトは、Handbook
of Molecular Sieves(R.Sz
ostak著、VAN NOSTRAND REINH
OLD、1984)に記載の合成法により調製した。モ
ルデナイト型ゼオライトを2時間、500℃で焼成した
後、10gを秤りとり、100ml飽和塩化ナトリウム
水溶液へ加えた。80℃で1時間保温した後、塩化ナト
リウム水溶液を濾過により除去した。この操作によるイ
オン交換を5回イオンを行った後、水洗を3回行い12
0℃で乾燥し、Naモルデナイト型ゼオライトとした。
【0053】(吸着分離性能の評価) 実施例1 l−メントール−2−クロロプロピオン酸エステル:n
−ノナン(ナカライテスク社製):RS−クロロプロピ
オン酸メチル(東京化成社製)=75.78:10.2
9:16.06(重量比)の組成の溶液を調製し、2.
0gを秤りとりスリ付き三角フラスコへ入れた。そこ
へ、500℃で2時間焼成したNaY(東ソー社製、シ
リカ/アルミナ=4.8(mol/mol))を1.0g秤量して加
えた。室温で1時間放置した後、よく攪拌しさらに3時
間放置した。その後、上澄み液を採取し、キラルデック
スB−TAキャピラリカラム(ASTEC社製)を用い
てガスクロマトグラフィ法により成分分析を行った。吸
着選択係数は、n−ノナンを内標成分と見なし算出し
た。分析結果より吸着選択係数αR/S、αR/CH(R及びS
は、それぞれR−クロロプロピオン酸メチル、S−クロ
ロプロピオン酸メチルを、CHは光学活性化合物・l−メ
ントール−2−クロロプロピオン酸エステルを表す)お
よび、吸着度を算出した。得られた結果を表1に示し
た。
【0054】本実施例から、αR/CHが2以上であり、吸
着度は0.03以下を取るときは、吸着選択性(αR/S)が
発現することが分かる。
【0055】実施例2 実施例1と同様の方法でNaYをKYに変えて、吸着分
離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られた。
得られた結果を表1に示した。
【0056】実施例3 実施例1と同様の方法でNaYをNaX(東ソー社製、
シリカ/アルミナ=2.5(mol/mol))に変えて、吸着分離
能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られた。得
られた結果を表1に示した。
【0057】実施例4 実施例1と同様の方法でNaYをKXに変えて、吸着分
離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られた。
得られた結果を表1に示した。
【0058】実施例5 実施例1と同様の方法でNaYをBaXに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0059】実施例6 実施例1と同様の方法でNaYをCaXに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0060】実施例7 実施例1と同様の方法でNaYをNaβに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0061】実施例8 実施例1と同様の方法でNaYをNaペンタシル型ゼオ
ライトに変えて、吸着分離能を評価した。実施例1と同
様にの結果が得られた。得られた結果を表1に示した。
【0062】実施例9 実施例1と同様の方法でNaYをNaモルデナイト型ゼ
オライトに変えて、吸着分離能を評価した。実施例1と
同様にの結果が得られた。得られた結果を表1に示し
た。
【0063】実施例10 実施例1と同様の方法でNaYをBaYに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0064】実施例11 実施例1と同様の方法でNaYをCuYに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0065】実施例12 l−メントールメチルエーテル:n−ノナン(ナカライ
テスク社製):RS−クロロプロピオン酸メチル(東京
化成社製)=71.79:12.01:18.76(重
量比)の組成の溶液を調製し、1.7gを秤りとりスリ
付き三角フラスコへ入れた。そこへ、500℃で2時間
焼成したNaY(東ソー社製、シリカ/アルミナ=4.8
(mol/mol))を1.0g秤量して加えた。室温で1時間
放置した後、よく攪拌しさらに3時間放置した。その
後、上澄み液を採取し、キラルデックスB−TAキャピ
ラリカラム(ASTEC社製)を用いてガスクロマトグ
ラフィ法により成分分析を行った。吸着選択係数は、n
−ノナンを内標成分と見なし算出した。分析結果より吸
着選択係数αR/S、αR/CH(R及びSは、それぞれR−ク
ロロプロピオン酸メチル、S−クロロプロピオン酸メチ
ルを、CHは光学活性化合物・l−メントール−2−クロ
ロプロピオン酸エステル表す。)及び、吸着度を算出し
た。得られた結果を表1に示した。
【0066】本実施例から、αR/CHが2以上であり、吸
着度は負の値を取るときは、吸着選択性(αR/S)が発
現することが分かる。
【0067】実施例13 実施例12と同様の方法でNaYをKYに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例12と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0068】実施例14 実施例12と同様の方法でNaYをBaXに変えて、吸
着分離能を評価した。実施例12と同様にの結果が得ら
れた。得られた結果を表1に示した。
【0069】実施例15 実施例12と同様の方法でNaYをCaXに変えて、吸
着分離能を評価した。実施例12と同様にの結果が得ら
れた。得られた結果を表1に示した。
【0070】実施例16 実施例12と同様の方法でNaYをALPO4−5に変
えて、吸着分離能を評価した。実施例12と同様にの結
果が得られた。得られた結果を表1に示した。
【0071】実施例17 実施例12と同様の方法でNaYをBaYに変えて、吸
着分離能を評価した。実施例12と同様にの結果が得ら
れた。得られた結果を表1に示した。
【0072】実施例18 実施例12と同様の方法でNaYをCuYに変えて、吸
着分離能を評価した。実施例12と同様にの結果が得ら
れた。得られた結果を表1に示した。
【0073】比較例1 (S)−N,N−ジメチル−α−フェニルエチルアミ
ン:n−ノナン(ナカライテスク社製):RS−クロロ
プロピオン酸メチル(東京化成社製)=56.98:2
4.20:28.52(重量比)の組成の溶液を調製
し、1.7gを秤りとりスリ付き三角フラスコへ入れ
た。そこへ、500℃で2時間焼成したNaY(東ソー
社製、シリカ/アルミナ=4.8(mol/mol))を1.0g秤
量して加えた。室温で1時間放置した後、よく攪拌しさ
らに3時間放置した。その後、上澄み液を採取し、キラ
ルデックスB−TAキャピラリカラム(ASTEC社
製)を用いてガスクロマトグラフィ法により成分分析を
行った。吸着選択係数は、n−ノナンを内標成分と見な
し算出した。分析結果より吸着選択係数αR/S、αR/CH
(R及びSは、それぞれR−クロロプロピオン酸メチル、
S−クロロプロピオン酸メチルを、CHは光学活性化合物
・l−メントール−2−クロロプロピオン酸エステル表
す。)及び、吸着度を算出した。得られた結果を表1に
示した。
【0074】本比較例から、αR/CHが2以下であり、吸
着度は0.03以上を取るときは、吸着選択性(αR/S)が
発現しないことがわかる。
【0075】比較例2 比較例1と同様の方法でNaYをNaXに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0076】比較例3 比較例1と同様の方法でNaYをKXに変えて、吸着分
離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られた。
得られた結果を表1に示した。
【0077】比較例4 比較例1と同様の方法でNaYをBaXに変えて、吸着
分離能を評価した。実施例1と同様にの結果が得られ
た。得られた結果を表1に示した。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】光学活性化合物(A)を含む移動相、吸
着剤および光学異性体を含む混合物(B)を接触させ
て、光学異性体を含む混合物(B)から特定の光学異性
体を分離する際に、光学活性化合物(A)と光学異性体
を含む混合物(B)中のいずれかの光学異性体(B’)
の間の吸着選択係数αB'/Aが2.0以上である吸着剤を用
いることで効率よく光学異性体を吸着分離することがで
きた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性化合物(A)を含む移動相、吸
    着剤および光学異性体を含む混合物(B)を接触させ
    て、光学異性体を含む混合物(B)から特定の光学異性
    体を分離する際に、光学活性化合物(A)と光学異性体
    を含む混合物(B)中のいずれかの光学異性体(B’)
    の間の吸着選択係数αB'/Aが2.0以上である吸着剤を用
    いることを特徴とする光学異性体の吸着分離方法。
  2. 【請求項2】 光学活性化合物(A)を含む移動相、吸
    着剤および光学異性体を含む混合物(B)を接触させ
    て、光学異性体を含む混合物(B)から特定の光学異性
    体を分離する際に、光学活性化合物(A)の吸着剤に対
    する吸着度が0.03以下である吸着剤を用いることを特徴
    とする光学異性体の吸着分離方法。
  3. 【請求項3】 光学活性化合物(A)を含む移動相、吸
    着剤および光学異性体を含む混合物(B)を接触させ
    て、光学異性体を含む混合物(B)から特定の光学異性
    体を分離する際に、光学活性化合物(A)と光学異性体
    を含む混合物(B)中のいずれかの光学異性体(B’)
    の間の吸着選択係数αB'/Aが2.0以上でありかつ、光学
    活性化合物(A)の吸着剤に対する吸着度が0.03以下で
    ある吸着剤を用いることを特徴とする光学異性体の吸着
    分離方法。
  4. 【請求項4】 吸着剤が多孔性吸着剤であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学異性体の吸
    着分離方法。
  5. 【請求項5】 分離しようとする光学異性体が窒素含有
    化合物あるいはカルボン酸またはその誘導体であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学異性
    体の吸着分離方法。
  6. 【請求項6】 移動相に含まれる光学活性化合物(A)
    の濃度が、5重量%以上であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の光学異性体の吸着分離方法。
  7. 【請求項7】 吸着分離方法が回分式、移動床方式また
    は擬似移動床方式である請求項1〜6のいずれかに記載
    の光学異性体の吸着分離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017530854A (ja) * 2014-08-05 2017-10-19 イ・エフ・ペ・エネルジ・ヌベル 階層的多孔性を有するゼオライトを含むゼオライト吸収材料

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