JPH11148026A - 易水分散性カーボンブラック - Google Patents

易水分散性カーボンブラック

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JPH11148026A
JPH11148026A JP33240497A JP33240497A JPH11148026A JP H11148026 A JPH11148026 A JP H11148026A JP 33240497 A JP33240497 A JP 33240497A JP 33240497 A JP33240497 A JP 33240497A JP H11148026 A JPH11148026 A JP H11148026A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中への分散性能が優れた易水分散性カーボ
ンブラックを提供する。 【解決手段】 窒素吸着比表面積(N2SA)が80m2/g以上、
DBP 吸油量が70ml/100g以下のカーボンブラックを酸化
処理したカーボンブラックであって、アグリゲートのス
トークスモード径Dst(nm)とアグロメレートの平均粒径
UPA (nm)との比DUPA /Dstの値が1.5〜2.0の
特性を備えることを特徴とする易水分散性カーボンブラ
ック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中への分散性が
優れたカーボンブラックに関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは疎水性で水に対する
濡れ性が低いために水中に高濃度で安定に分散させるこ
とが極めて困難である。これはカーボンブラック表面に
存在する水分子との親和性が高い官能基、例えばカルボ
キシル基やヒドロキシル基などの親水性の官能基が極め
て少ないことに起因する。したがって、黒色顔料として
カーボンブラックを水中に分散させた水性顔料インキな
どに使用する場合にはカーボンブラックの水分散性を改
善する必要がある。
【0003】水性顔料インキは筆記具をはじめ、特に近
年ではインクジェットプリンター用の記録液などとして
注目されており、例えば特開平3−97770号公報に
は、水性媒体、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
ーテル及び一次粒子径が20〜40nm、DBP吸油量が
40〜120ml/100g 、pHが7.0以上であるカーボ
ンブラックを含有することを特徴とするインキジェット
用記録液が提案されている。これは、分散剤としてポリ
オキシエチレンスチリルフェニルエーテルを用いること
により記録液の保存安定性の向上を図るもので、対象と
なるカーボンブラックには市販品が用いられ、カーボン
ブラックの変性については何ら意図されていない。
【0004】また、カーボンブラックを酸化処理して表
面に親水性の官能基を形成することによりカーボンブラ
ックの水中への分散性を改良することは古くから知られ
ている。例えば特開昭48−18186号公報にはカー
ボンブラックを次亜ハロゲン酸塩の水溶液で酸化処理
し、ついで反応系より酸化カーボンブラックを分離捕集
するにあたり有機溶剤で洗浄することを特徴とする酸化
カーボンブラックの製造方法が、また、特開昭57−1
59856号公報にはカーボンブラックを低温酸化プラ
ズマ処理することを特徴とする水分散性改質カーボンブ
ラックの製造方法などが知られている。
【0005】更に、特開平8−3498号公報には水と
カーボンブラックとを含有する水性顔料インキにおい
て、該カーボンブラックが1.5mmol/g以上の表面活性
水素含有量を有する水性顔料インキ、及び、水とカーボ
ンブラックとを含有する水性顔料インキの製造方法にお
いて、(a) 酸性カーボンブラックを得る工程と、(b) 前
記酸性カーボンブラックを水中で次亜ハロゲン酸塩で更
に酸化する工程とを、包含する水性顔料インキの製造方
法が提案されている。更に、特開平8−319444号
公報には吸油量100ml/100g 以下のカーボンブラック
を水性媒体中に微分散する工程;及び次亜ハロゲン酸塩
を用いて該カーボンブラックを酸化する工程;を包含す
る水性顔料インキの製造方法が開示されている。
【0006】上記の特開平8−3498号公報及び特開
平8−319444号公報ではカーボンブラックを酸化
して、表面に親水性の官能基である活性水素を多く含有
させることにより、水分散性が良好で、長期間の分散安
定性に優れた水性顔料インキを得るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カーボ
ンブラック表面に親水性の官能基を形成するのみでは水
中へのカーボンブラックの分散性を高め、また長期に亘
る分散安定性あるいはカーボンブラック分散体粒子径の
均一化を維持させるためには限界がある。そこで、本発
明者らは水中におけるカーボンブラックの分散状態につ
いて詳細に研究を進めた結果、カーボンブラックの水中
への易分散性及び分散安定性などの分散性能はカーボン
ブラック粒子の凝集形態と密接な関係があることを見出
した。
【0008】すなわち、カーボンブラックの凝集形態
は、数個から数十個のカーボンブラックの基本微粒子が
不規則で複雑な鎖状に融着結合した凝集体(アグリゲー
ト)を形成し、更に、これらのアグリゲートが相互に絡
み合ったり、付着して凝集した集合体(アグロメレー
ト)から構成されている。したがって、カーボンブラッ
クの分散性能を向上させるためには、分散過程で生じる
凝集形態の変化による水中におけるアグリゲート及びア
グロメレートの割合、すなわちアグロメレートの割合を
小さくすることが有効である。
【0009】本発明は上記の知見に基づいて完成したも
のであり、その目的の一つは水中へ容易にミクロ分散す
ることができ、かつ長期間に亘って分散状態を安定に保
持し得る、分散性能に優れた易水分散性カーボンブラッ
クを提供することである。更に、他の目的はこのカーボ
ンブラックを水中に高濃度でミクロ分散させて、例えば
インキジェットプリンターなどに用いられる記録液とし
て吐出安定性に優れ、紙定着濃度、印字品位、耐光性、
保存安定性などの良好な水性顔料インキを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による易水分散性カーボンブラックは、窒素
吸着比表面積(N2SA)が80m2/g以上、DBP吸油量が7
0ml/100g 以下のカーボンブラックを酸化処理したカー
ボンブラックであって、アグリゲートのストークスモー
ド径Dst(nm)とアグロメレートの平均粒径DUPA (nm)と
の比DUPA /Dstの値が1.5〜2.0の特性を備える
ことを構成上の特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、カーボンブラッ
クの特性として窒素吸着比表面積(N2SA)が80m2/g以
上、DBP吸油量が70ml/100g 以下に限定するのは、
優れた分散性能を付与するための前提要件となるもので
ある。すなわち、カーボンブラックを水中に分散する場
合、その比表面積が小さいと水分子との接触界面も小さ
くなるので分散性が低下し、また、DBP吸油量が大き
い、すなわちストラクチャー水準が高いと水中に分散し
た状態におけるカーボンブラックの凝集単位が大きくな
り、長期に亘る分散時において沈降し易くなる。したが
って、カーボンブラックがより小さい凝集単位で水中に
分散していることが必要であり、分散凝集単位が大きい
と、水に分散させた場合には濾過性が低下し、例えば水
性顔料インキとした場合に吐出安定性を高位に維持する
ことができなくなる。すなわち、この前提特性を外れる
窒素吸着比表面積(N2SA)が80m2/gを下回り、DBP吸
油量が70ml/100g を越える場合にはカーボンブラック
が水中にミクロ分散し難くなるためである。なお、窒素
吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸油量は下記の方法に
より測定した値である。 窒素吸着比表面積(N2SA);ASTM D3037-88 Method B DBP吸油量 ;JIS K6221-82 A法
【0012】本発明の易水分散性カーボンブラックは、
上記の特性を有するカーボンブラックを対象としてアグ
リゲートのストークスモード径Dst(nm)とアグロメレー
トの平均粒径DUPA (nm)との比DUPA /Dstの値が1.
5〜2.0の選択的特性を有するカーボンブラックを用
いることにより、酸化処理により水素含有表面官能基量
が付与されて水中において易分散を示すものである。
【0013】カーボンブラックを水中に分散させる場
合、水中への易分散性及び分散安定性などの分散性能を
高めるためには、カーボンブラック粒子がより微細な凝
集形態で水中に分散していることが必要である。カーボ
ンブラックの凝集形態は、数個〜数十個のカーボンブラ
ックの基本微粒子が融着結合して、最小凝集単位である
アグリゲートを形成し、これらのアグリゲートが相互に
絡み合ったり、付着して集合したアグロメレートから構
成されている。したがって、カーボンブラックの最小凝
集単位であるアグリゲートの状態で水中に分散し、アグ
リゲートが集合したアグロメレートが存在しない分散状
態が理想的である。
【0014】本発明は、カーボンブラックのアグリゲー
トのストークスモード径Dst(nm)とアグロメレートの平
均粒径DUPA (nm)との比DUPA /Dstの値を1.5〜
2.0に設定するものである。このDUPA /Dstの値は
水中に分散しているカーボンブラックの凝集形態を示す
指標となるものであり、DUPA /Dstの値が大きい程分
散しているカーボンブラックの凝集形態はアグロメレー
トの比率が高く、この値が小さい程アグロメレートの比
率が低く、アグリゲートの割合が多くなる。そして、D
UPA /Dstの値が1に近いほどアグリゲートの状態でミ
クロ分散している度合いが大きく、アグロメレートが全
て解きほぐされた理想的な分散状態下では、DUPA はD
stに一致してDUPA /Dst=1となる。本発明は、この
UPA /Dstの値を好適範囲に設定することにより分散
性能の向上を図るもので、より好ましくは1.5〜1.
8の範囲に設定する。
【0015】上記の特性Dst及びDUPA は、下記の測定
方法によって得られた値が用いられる。 (1)アグリゲートのストークスモード径Dst(nm):JI
S K6221(1982) 5「乾燥試料の作り方」に基づいて乾
燥したカーボンブラック試料を少量の界面活性剤を含む
20容量%エタノール水溶液と混合してカーボンブラッ
ク濃度100mg/lの分散液を作成し、これを超音波で十
分に分散させて試料とする。ディスク・セントリフュー
ジ装置(英国Joyes Lobel 社製)を6000rpm の回転
数に設定し、スピン液(2重量%グリセリン水溶液、2
5℃)を15ml加えた後、1mlのバッファー液(20容
量%エタノール水溶液、25℃)を注入する。次いで、
温度25℃のカーボンブラック分散液0.5mlを注射器
で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記録計を作動さ
せて図1に示す分布曲線(横軸:カーボンブラック分散
液を注射器で加えてからの経過時間、縦軸:カーボンブ
ラックの遠心沈降に伴い変化した特定点での吸光度)を
作成する。この分布曲線より各時間Tを読み取り、次式
(数1)に代入して各時間に対応するストークス相当径
を算出する。
【0016】
【数1】
【0017】数1において、ηはスピン液の粘度(0.935
cp)、Nはディスク回転スピード(6000 rpm)、r1 はカ
ーボンブラック分散液注入点の半径(4.56 cm) 、r2
吸光度測定点までの半径(4.82 cm) 、ρCBはカーボンブ
ラックの密度(g/cm3) 、ρ1はスピン液の密度(1.00178
g/cm3) である。
【0018】このようにして得られたストークス相当径
と吸光度の分布曲線(図2)における最大頻度のストー
クス相当径を、アグリゲートのストークスモード径Dst
(nm)とする。
【0019】(2)アグロメレートの平均粒径DUPA (n
m):カーボンブラックを水に分散して0.1〜0.5g/
l の分散液を調製し、ヘテロダインレーザドップラー方
式粒度分布測定装置(マイクロトラック社製、UPAmode1
9340)を用いて分散液にレーザー光を照射して、散乱光
の周波数変調の度合いから分散液中のカーボンブラック
の平均粒径DUPA (nm)を測定する。分散液中のカーボン
ブラックはブラウン運動しており、ドップラー効果によ
って分散しているカーボンブラック凝集体の大きさによ
り散乱光の周波数が変調する。したがって、凝集体の大
きさによるブラウン運動の激しさが異なることから、水
中に分散している状態における凝集体の大きさ、すなわ
ちアグロメレートの平均粒径D UPA (nm)を測定すること
ができる。なお、測定の原理は特開平3−170844
号公報に詳細に述べられている。
【0020】本発明において、上記した特性を有するカ
ーボンブラックを酸化処理することにより易水分散性の
カーボンブラックとなる。酸化処理方法は特に制限され
るものではないが湿式酸化が好ましい。酸化剤には例え
ば酸素、オゾン、ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、次亜ハロ
ゲン酸、次ハロゲン酸などのハロゲン酸やハロゲン酸系
の塩類やペルオキソ-2- 硫酸塩などの過硫酸塩などの酸
素原子を含む塩類が用いられるが、湿式酸化処理により
カーボンブラック表面に形成したカルボキシル基やヒド
ロキシル基を塩に変性すると、水との親水性がより改善
されて分散性が向上するので、望ましくは酸化剤として
次亜ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸塩や過硫酸塩が使用さ
れる。塩としては、アンモニウム塩やナトリウム、カリ
ウム、リチウムなどのアルカリ金属塩が好ましい。
【0021】また、カーボンブラックに予め酸素酸化処
理またはオゾン酸化処理を施してから湿式酸化処理を行
うと、湿式酸化を促進し親水性の官能基の付加が促進さ
れるのでより好ましく、酸化処理したのち中和してカー
ボンブラックを濾別し、分離したカーボンブラックは付
着している酸化剤を除去するために、電気透析、限外濾
過などの手段により塩類を除去して濃縮する方法や水洗
洗浄したのち乾燥する方法などにより本発明の易水分散
性カーボンブラックが得られる。
【0022】酸化処理されたカーボンブラックには表面
にカルボキシル基やヒドロキシル基の親水性の水素含有
表面官能基が形成され、水分子との親和性が向上する。
本発明においては、水素含有表面官能基量はカーボンブ
ラック表面に3μeq/m2以上に形成することが望まし
い。これらの官能基量が3μeq/m2未満であると形成さ
れた親水性のカルボキシル基やヒドロキシル基量が少な
いので水中への分散性が低下する。カーボンブラックが
水中に分散する過程においては、カーボンブラックと水
分子との接触界面に存在する親水性の官能基量が重要な
機能を果たし、カーボンブラック単位重量当たりの官能
基量では分散性の良否を的確に評価することはできな
い。そこで、カーボンブラック単位表面積当たりに存在
する水素含有表面官能基量を指標とするものである。
【0023】なお、これらの水素含有表面官能基量は下
記の方法により測定した値が用いられる。 カルボキシル基量:O.976N炭酸水素ナトリウム
50ml中にカーボンブラック2〜5g を添加して6時間
振盪した後、カーボンブラックを反応液から濾別し、濾
液に0.05N塩酸水溶液を加えたのち、pHが7.0
になるまで0.05N水酸化ナトリウム水溶液にて中和
滴定試験を行ってカルボキシル基を測定する。この測定
値をカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA ;m2/g)
で除した値を、カーボンブラックの単位表面積当たりに
形成されたカルボキシル基量(μeq/m2)とする。
【0024】ヒドロキシル基量:2、2′-Diphenyl-
1-picrylhydrazyl(DPPH)を四塩化炭素中に溶解して濃度
5×10-4mol/l の溶液を作成し、該溶液にカーボンブ
ラックを0.1〜0.6g添加し、60℃の恒温槽中で
6時間撹拌する。その後、反応液からカーボンブラック
を濾別し、濾液を紫外線吸光光度計によりヒドロキシル
基を測定する。このようにして測定した値をカーボンブ
ラックの窒素吸着比表面積(N2SA ;m2/g)で除した値を、
カーボンブラックの単位表面積当たりに形成されたヒド
ロキシル基量(μeq/m2)とする。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0026】実施例1〜4、比較例1〜4 窒素吸着比表面積(N2SA)及びDBP吸油量が異なるカー
ボンブラック試料を用いて、各カーボンブラック試料1
50g をオゾン処理容器に入れ、常温でオゾンを18g/
hrの流量で流通させて1時間処理した。このオゾン処理
した各カーボンブラックを有効塩素濃度6%の次亜塩素
酸ナトリウムまたは1.5Nペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム水溶液3000ml中に混合し、撹拌しながら反応温
度及び反応時間を変えて酸化処理した。次いで、次亜塩
素酸ナトリウムにて酸化したものは希塩酸で、またペル
オキソ2硫酸アンモニウムで酸化したものは苛性ソーダ
水溶液で中和したのち電気透析にて残塩を除去し、カー
ボンブラック分散濃度が20重量%となるように水分を
蒸発させて易水分散性カーボンブラックを得た。
【0027】得られた易水分散性カーボンブラックにつ
いて、アグリゲートのストークスモード径Dst(nm)及び
アグロメレートの平均粒径DUPA (nm)を測定して、その
比DUPA /Dstを算出した。また、カルボキシル基及び
ヒドロキシル基を測定し、カルボキシル基量とヒドロキ
シル基量との和を水素含有表面官能基量とした。なおア
グリゲートのストークスモード径Dstの測定では、乾燥
した試料を測定液に分散させて測定した。このようにし
て得られた結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】次に、これらの酸化したカーボンブラック
の水への分散性能を評価するためにカーボンブラック分
散濃度が20重量%に調整した分散体について下記の方
法で試験を行って、各カーボンブラックの分散性能を評
価した。その結果を表2に示した。
【0030】(a)粘度の測定; サンプルを密閉容器に入れ、70℃の温度に保持して
一週間経過後の粘度を測定して、加温時の粘度安定性を
比較した。なお、粘度は回転振動式粘度計〔山一電機
(株)製、VM-100A-L 〕により測定した。 −20℃で24時間冷凍したのち常温で解凍して粘度
を測定するサイクルを繰り返して行い、粘度変化から冷
凍解凍時の安定性を比較した。なお、粘度は回転振動式
粘度計〔山一電機(株)製、VM-100A-L 〕により測定し
た。
【0031】(b)アグロメレートの平均粒径DUPA の測
定;70℃の温度に保持して一週間経過後の分散水中の
アグロメレートの平均粒径DUPA (nm)を測定して、その
変化を比較した。
【0032】(c)濾過性;分散水を90φの濾紙(NO.
2)、及び膜孔 3μm 、0.8 μm 、0.45μm のフィルタ
ーを用いて20Torrの減圧下で濾過試験を行い、濾紙通
過量を比較した。
【0033】(d)印字濃度;分散水をカーボンブラック
濃度3重量%に希釈し、XEROX 1321用紙に#3バーコーダ
により印字し、マクベス濃度計(コルモーゲン社製 RD-
918 )を用いて光学濃度を測定した。
【0034】
【表2】
【0035】表1及び表2の結果から、窒素吸着比表面
積(N2SA)が80m2/g以上、DBP吸油量が70ml/100g
以下のカーボンブラックを酸化処理したカーボンブラッ
クであって、アグリゲートのストークスモード径Dst(n
m)とアグロメレートの平均粒径DUPA (nm)との比DUPA
/Dstの値を1.5〜2.0とした実施例1〜4のカー
ボンブラックは、水中への分散性能および濾過性に優れ
ていることが認められる。すなわち、実施例1〜4のカ
ーボンブラックを水中に分散させた分散水は、70℃に
加温して一週間経過後の粘度は殆ど変化せず、また冷凍
解凍時のサイクルを繰り返しても粘度変化は僅かであ
り、分散安定性が優れていることが判る。これは水中に
おいて、ミクロ分散したアグリゲートやアグロメレート
が再集合して、より大きな凝集体の形成が抑制されるた
めであり、したがって、分散水の濾過性も高い。
【0036】これに対して、本発明の要件を外れる比較
例1〜4のカーボンブラックを水中に分散させた分散水
では、70℃に加温及び冷凍解凍を繰り返した場合に、
粘度は一定あるいは低下し安定しているが、DUPA /D
stが大きいためカーボンブラック自体のアグリゲートが
大きく、またアグロメレートが再凝集しているために濾
過性に劣る。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、水中に
容易に分散することができ、また長期に亘って分散状態
を安定に維持できる優れた分散性能を有する易水分散性
カーボンブラックが提供される。また、この易水分散性
カーボンブラックを水中に分散させた水性顔料は、例え
ば、インキジェットプリンターなどに用いられる記録液
として吐出安定性に優れ、紙定着濃度、印字品位、耐光
性、保存安定性などが良好である。したがって、インキ
ジェットプリンター用の記録液をはじめ、各種筆記具な
ど、広い用途分野で用いる水性顔料インキとして極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Dstの測定時におけるカーボンブラック分散液
を加えてからの経過時間とカーボンブラックの遠心沈降
による吸光度の変化を示した分布曲線である。
【図2】Dstの測定時に得られるストークス相当径と吸
光度の関係を示す分布曲線である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が80m2/g以
    上、DBP吸油量が70ml/100g 以下のカーボンブラッ
    クを酸化処理したカーボンブラックであって、アグリゲ
    ートのストークスモード径Dst(nm)とアグロメレートの
    平均粒径DUPA(nm)との比DUPA /Dstの値が1.5〜
    2.0の特性を備えることを特徴とする易水分散性カー
    ボンブラック。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106997A (ja) * 2005-09-16 2007-04-26 Ricoh Co Ltd 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
US9217944B2 (en) 2007-04-24 2015-12-22 Cabot Corporation Low structure carbon black and method of making same
JP2019021421A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 日本ケミコン株式会社 導電性カーボン混合物、この混合物を用いた電極、及びこの電極を備えた蓄電デバイス

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