JPH11148380A - 油圧式バルブタイミング調節システム - Google Patents

油圧式バルブタイミング調節システム

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JPH11148380A
JPH11148380A JP9314022A JP31402297A JPH11148380A JP H11148380 A JPH11148380 A JP H11148380A JP 9314022 A JP9314022 A JP 9314022A JP 31402297 A JP31402297 A JP 31402297A JP H11148380 A JPH11148380 A JP H11148380A
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JP
Japan
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valve timing
engine
actuator
hydraulic
valve
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Application number
JP9314022A
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English (en)
Inventor
Hajime Kako
一 加古
Katsuyuki Fukuhara
克之 福原
Mutsuo Sekiya
睦生 関谷
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止後にアクチュエータの系統から
油漏れが生じ、エンジン始動時に支障をきたす。 【解決手段】 エンジン停止時に電源が遮断されたか否
かを電源遮断手段M14で検出し、この検出結果による
電源遮断時点から一定時間、流体供給手段M10を動作
させて、アクチュエータM9の油圧が保持されるよう
に、流体供給手段M10を保持位置に保持制御手段M1
3で制御し、流体供給手段M10をエンジン電源投入時
に通常制御とエンジン電源遮断時の保持制御とに切換手
段M15で切り換え制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの運転
条件に応じて吸気弁と排気弁の一方もしくは両方の開閉
タイミングを変化させるための油圧式バルブタイミング
調節システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧式バルブタイミング調節シス
テムとして、エンジンのクランクシャフトと同期回転す
るタイミングプーリやチェーンスプロケットによってカ
ムシャフトを駆動する際に、タイミングプーリとカムシ
ャフトとの間にベーン式のバルブタイミング機構を設
け、このバルブタイミング機構を作動油で駆動するアク
チュエータにオイルポンプからオイルコントロールバル
ブ(以下、OCVという)を介して作動油を供給するこ
とにより、クランクシャフトに対してカムシャフトを相
対的に回転させ、クランクシャフトの回転に対するカム
シャフトの回転を遅角・進角させることにより、吸気弁
や排気弁の開閉タイミングをエンジンの回転に対しシフ
トして、排気ガスの低減や燃費の向上を図るものは、例
えば、特開平7−139319号公報、特開平7−13
9320号公報、特開平8−28219号公報、特開平
8−121122号公報、特開平9−60507号公
報、特開平9−60508号公報などによって既に知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の油圧式バルブタ
イミング調節システムは以上のように構成されているの
で、アクチュエータとオイルポンプとの間のOCVはエ
ンジン停止直後に開弁状態のままとなることにより、ア
クチュエータの内部に溜った作動油がエンジン停止時に
OCVから漏れることがあり、これに起因してエンジン
停止直後にアクチュエータ系統の油圧が急激に低下する
と、クランクシャフトの回転惰力やカムシャフトのスプ
リング反力によってアクチュエータのロータが進角側に
移動し、ロータを最遅角位置に保持できなくなり、その
後のエンジン始動に際して、オイルポンプからアクチュ
エータに作動油が供給されるまでに時間がかかり、この
ため、エンジン始動時のカム角制御ができなくなった
り、エンジン始動時にロータがハンチングを引き起こし
て騒音を発するなどの課題があった。
【0004】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、エンジン停止直後にアクチュエー
タ系統の作動油がOCVから抜けないようにして、エン
ジン停止後においてもアクチュエータに油圧がかかった
状態を維持できる油圧式バルブタイミング調節システム
を得ることを目的とする。また、この発明は、オイルポ
ンプからアクチュエータ系統に供給される作動油の供給
圧力が低下することのない油圧式バルブタイミング調節
システムを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る油圧式バ
ルブタイミング調節システムは、この基本的概念構成の
ブロック図である図1に示すように、エンジンM1の回
転に同期して所定のタイミングで駆動され、燃焼室M2
に通じる吸気通路M3及び排気通路M4をそれぞれ開閉
するための吸気バルブM5及び排気バルブM6と、エン
ジンM1の運転状態を検出するための運転状態検出手段
M7と、エンジンの運転状態に対する目標バルブタイミ
ングを、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて算
出する目標バルブタイミング算出手段M8と、前記吸気
バルブM5及び前記排気バルブM6の少なくとも一方の
バルブ開閉タイミングを変更するバルブタイミング可変
用のアクチュエータM9と、このアクチュエータM9を
駆動すべく当該アクチュエータM9に作動油を供給する
と共にその流量調整が可能な流体供給手段M10と、前
記アクチュエータM9が設けられた前記吸気バルブM5
及び前記排気バルブM6の少なくとも一方の実バルブタ
イミングを検出する実バルブタイミング検出手段M11
と、前記実バルブタイミングを前記目標バルブタイミン
グに変更するために、前記流体供給手段M10を制御す
ることにより、前記アクチュエータM9を制御する実バ
ルブタイミング制御手段M12とを備えたエンジンの油
圧式バルブタイミング調節システムにおいて、エンジン
M1停止時の電源遮断時点を検出する電源遮断検出手段
M14と、この電源遮断検出手段M14の検出結果によ
る電源遮断時点から一定時間、前記流体供給手段M10
を動作させて前記アクチュエータM9の油圧が保持され
るように、前記流体供給手段M10を保持位置に制御す
る保持制御手段M13と、前記流体供給手段M10をエ
ンジン電源投入時の通常制御とエンジン電源遮断時の保
持制御とに切り換えるための切換手段M15とを備えて
成るものである。
【0006】この発明に係る油圧式バルブタイミング調
節システムは、保持制御手段M13が、エンジン電源遮
断後のエンジン回転数が所定回転数以下のとき、エンジ
ン回転数が所定回転数に達するまでアクチュエータM9
が最遅角位置に保持されるように、流体供給手段M10
を動作させるものである。
【0007】この発明に係る油圧式バルブタイミング調
節システムは、保持制御手段M13が、エンジン電源遮
断後のエンジン回転数が所定回転数以上のとき、流体供
給手段M10を保持位置に制御するものである。
【0008】この発明に係る油圧式バルブタイミング調
節システムは、電源遮断検出手段M14が、エンジン電
源遮断後の所定時間経過後にエンジン電源系統のメイン
リレーを遮断するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図2はこの発明の実施の形態1による油
圧式バルブタイミング調節システムを備えたガソリンエ
ンジンシステムを示す概略的な断面図である。図におい
て、1は複数のシリンダで構成され、その1気筒を図示
したエンジン(図1のM1)、2はエンジン1の複数の
シリンダを形成するシリンダブロック、3はシリンダブ
ロック2の上部に設けられたシリンダヘッド、4はシリ
ンダブロック2の各シリンダ内を上下に往復移動するピ
ストン、5はピストン4の下端部に連結されたクランク
シャフトであり、このクランクシャフト5はピストン4
の上下動によって回転駆動される。
【0010】6はクランクシャフト5の近傍に配設され
たクランク角センサであり、エンジン1の回転数NEと
クランクシャフト5が所定のクランク角度にあることを
検出する。7はクランクシャフト5に連結されたシグナ
ルロータであり、このシグナルロータ7の外周には2個
の歯が180゜毎に形成されており、この歯がクランク
角センサ6の前方を通過する毎に、クランク角センサ6
からパルス状のクランク角検出信号を発生する。
【0011】8は混合気を燃焼させるための燃焼室(図
1のM2)であり、シリンダブロック2及びシリンダヘ
ッド3の各内壁とピストン4の頂部とによって区画形成
されている。9は燃焼室8内の混合気に点火するための
点火プラグであり、シリンダヘッド3の頂部に配設され
て燃焼室8内に突出している。10はシリンダヘッド3
の後述する排気側カムシャフト20に連結して配設され
たディストリビュータ、11は高電圧を発生するイグナ
イタである。ここで、各点火プラグ9は高圧コード(図
示せず)を介してディストリビュータ10に接続されて
おり、イグナイタ11から出力された高電圧は、ディス
トリビュータ10によりクランクシャフト5の回転に同
期して各点火プラグ9に分配される。
【0012】12はシリンダブロック2に配設された水
温センサであり、この水温センサ12は冷却水通路を流
れる冷却水の温度(冷却水温)THWを検出する。13
はシリンダヘッド3に設けられた吸気ポート、14はシ
リンダヘッド3に設けられた排気ポート、15は吸気ポ
ート13に接続された吸気通路(図1のM3)、16は
排気ポート14に接続された排気通路(図1のM4)、
17はシリンダヘッド3に設けられて吸気ポート13を
開閉する吸気バルブ(図1のM5)、18はシリンダヘ
ッド3に設けられて排気ポート14を開閉する排気バル
ブ(図1のM6)である。
【0013】19は吸気バルブ17の上方に配置された
吸気側カムシャフト、19aは吸気側カムシャフト19
に同期回転可能に設けられて吸気バルブ17を開閉駆動
する吸気側カム、20は排気バルブ18の上方に配置さ
れた排気側カムシャフト、20aは排気側カムシャフト
20に同期回転可能に設けられて排気バルブ18を開閉
駆動する排気側カム、21は吸気側カムシャフト19の
一端に装着された吸気側タイミングプーリ、22は排気
側カムシャフト20の一端に装着された排気側タイミン
グプーリ、23は各タイミングプーリ21,22をクラ
ンクシャフト5に連動させるタイミングベルトである。
【0014】従って、エンジン1の稼動時には、クラン
クシャフト5からタイミングベルト23及び各タイミン
グプーリ21,22を介して各カムシャフト19,20
に回転駆動力が伝達され、各カムシャフト19,20と
一体に各カム19a,20aが回転することにより、吸
気バルブ17及び排気バルブ18が開閉駆動され、これ
らの各バルブ17,18は、クランクシャフト5の回転
及びピストン4の上下動に同期、すなわち、吸気工程と
圧縮工程と爆発・膨張工程及び排気工程とからなるエン
ジン1の一連の4工程に同期して、所定の開閉タイミン
グで駆動される。
【0015】24は吸気側カムシャフト19の近傍に配
置されたカム角センサであり、吸気バルブ17の開閉タ
イミング(いわゆるバルブタイミング)を検出する。2
5は吸気側カムシャフト19に連結されたシグナルロー
タであり、このシグナルロータ25の外周には4個の歯
が90゜毎に形成されており、これらの歯がカム角セン
サ24の前方を通過する毎に、カム角センサ24からパ
ルス状のカム角検出信号が発生する。
【0016】26は吸気通路15の途中に配置されたス
ロットルバルブであり、このスロットルバルブ26がア
クセルペダル(図示せず)に連動して開閉駆動されるこ
とにより、吸入空気量が調整される。27はスロットル
バルブ26に連結配置されたスロットルセンサであり、
スロットル開度TVOを検出する。28はスロットルバ
ルブ26の上流側に配置された吸入空気量センサであ
り、エンジン1に吸入される空気流量(吸入空気量)Q
Aを検出する。29はスロットルバルブ26の下流側に
形成されて吸気脈動を抑制するためのサージタンク、3
0は各シリンダの吸気ポート13の近傍に配置されて燃
焼室8に燃料を供給するためのインジェクタである。
【0017】ここで、インジェクタ30は、通電により
開弁する電磁弁からなって、燃料ポンプ(図示せず)か
ら燃料が圧送供給される。従って、エンジン1の稼動時
には、吸気通路15に空気が取り込まれると同時に、各
インジェクタ30から吸気ポート13に向けて燃料が噴
射される。この結果、吸気ポート13では混合気が生成
され、この混合気は、吸入工程で開弁される吸気バルブ
17の開弁に伴って、燃焼室8内に吸入される。
【0018】40は吸気側カムシャフト19に連結して
配設されたバルブタイミング可変用のアクチュエータ
(図1のM9)である。このアクチュエータ40は、作
動油としてエンジン1の潤滑油で駆動されることによ
り、吸気側タイミングプーリ21に対する吸気側カムシ
ャフト19の変位角度を変化させて、吸気バルブ17の
開閉タイミング(バルブタイミング)を連続的に変更さ
せるもので、その詳細構成については後述する。
【0019】80はアクチュエータ40に作動油を供給
してその油量を調整する流体供給手段としてのOCV
(図1のM10)であり、この詳細構成については後述
する。
【0020】100は電子制御ユニット(以下、ECU
という)であり、このECU100は、主に吸入空気量
センサ28、スロットルセンサ27、水温センサ12、
クランク角センサ6、カム角センサ24からの信号に基
づき、インジェクタ30、イグナイタ11、OCV80
を駆動して、燃料噴射量、点火時期、バルブタイミング
を制御すると共に、後述するIGスイッチのOFF後に
おけるOCV80の閉弁時期を制御するもので、その詳
細構成については後述する。
【0021】図3はこの発明の実施の形態1による油圧
式バルブタイミングシステムを示す断面図である。図に
おいて、40は吸気バルブ17のバルブタイミングを調
整するためのアクチュエータであり、このアクチュエー
タ40の構成について以下に説明する。なお、図2と同
一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図3
において、41は吸気側カムシャフト19の軸受、42
はアクチュエータ40のハウジングであり、このハウジ
ング42は吸気側カムシャフト19に対して回転自在に
取り付けられている。43はハウジング42に固定され
たケース、44は吸気側カムシャフト19にボルト45
で連結固定されてケース43内に収納されたベーン式の
ロータであり、このロータ44はケース43に対して相
対的に回転可能となっている。46はケース43とロー
タ44との間に介在させたチップシールであり、このチ
ップシール46は、ケース43とロータ44によって区
切られる油圧室間の油の移動を防止する。
【0022】47はケース43とチップシール46との
間に配置されたバックスプリングであり、このバックス
プリング47はチップシール46をロータ44に押し付
ける板バネから成っている。48はケース43に固定さ
れたカバー、49はハウジング42とケース43とカバ
ー48とを共締め固定するボルト、50はボルト49と
ボルト穴との隙間から外部への油漏れを防止するOリン
グ、51はカバー48にネジ52で取り付け固定された
プレートである。ここで、ハウジング42とケース43
とカバー48とによってアクチュエータ40のハウジン
グ部材が構成される。
【0023】53はハウジング42とケース43との間
に介在させた油漏れ防止用のOリング、54はケース4
3とカバー48との間に介在させた油漏れ防止用のOリ
ング、55はロータ44に設けられた円柱状のホルダで
あり、このホルダ55は後述するプランジャ56を係合
させるための凹部55aを軸方向一端に有している。5
6はハウジング42内に摺動可能に設けられたプランジ
ャであり、このプランジャ56はホルダ55の凹部55
aに係合させるための凸部56aを有している。57は
プランジャ56をホルダ55側に付勢するスプリング、
58はホルダ55内に作動油を導入するプランジャ油路
であり、このプランジャ油路58からホルダ55の凹部
55aに導入された作動油でプランジャ56をスプリン
グ57に抗して移動させることにより、ホルダ55に対
するプランジャ56のロックが解除されるようになって
いる。
【0024】59はハウジング42に設けられてプラン
ジャ56のスプリング57側を常時大気圧にするための
空気穴、60は吸気側カムシャフト19とロータ44と
を軸心部で連結固定する軸ボルトであり、この軸ボルト
60はカバー48に対して回転可能である。61は軸ボ
ルト60および吸気側カムシャフト19に設けられ、プ
レート51の内側を大気圧と同圧にするための空気穴で
ある。
【0025】62は吸気側カムシャフト19およびロー
タ44に設けられた第1油路で、この第1油路62はロ
ータ44を遅角方向に移動させるための後述する遅角油
圧室73に連通している。63は同じく吸気側カムシャ
フト19およびロータ44に設けられた第2油路であ
り、この第2油路63はロータ44を進角方向に移動さ
せるための後述する進角油圧室74に連通している。
【0026】次に、図3中で上述のように構成されたア
クチュエータ40に供給される作動油の圧力制御を行う
OCV80の構成について説明する。81はOCV80
のハウジング(以下、バルブハウジングという)、82
はバルブハウジング81内を摺動するスプール、83は
スプール82を一方向に付勢するスプリング、84はス
プール82をスプリング83の付勢力に抗して作動させ
るためのリニアソレノイド、85はバルブハウジング8
1に形成された供給ポート(1次側ポート)、86はバ
ルブハウジング81に形成されたAポート(2次側ポー
ト)、87はバルブハウジング81に形成されたBポー
ト(2次側ポート)、88a,88bはバルブハウジン
グ81に形成されたドレンポート、88はドレンポート
88a,88bに接続された共通のドレン管路、89は
第1油路62とAポート86とを接続する第1管路、9
0は第2油路63とBポート87とを接続する第2管
路、91はオイルパン、92はオイルポンプ、93はオ
イルフィルタである。
【0027】ここで、オイルポンプ92は、吸込側がオ
イルパン91内に連通し、且つ、吐出側がオイルフィル
タ93を介して供給ポート85に接続している。また、
オイルパン91内にはドレン管路88が連通させてあ
る。
【0028】以上において、オイルパン91とオイルポ
ンプ92とオイルフィルタ93は、エンジン1の各部を
潤滑するための潤滑装置を構成し、且つ、OCV80と
共にアクチュエータ40への作動油供給装置を構成して
いる。
【0029】図5は図3のX−X線に沿った断面矢視
図、図6は図5中のスライドプレートの移動状態を示す
部分断面図、図7は図5のY−Y線に沿った断面矢視
図、図8は図3のZ−Z線に沿った断面矢視図である。
これらの図において、64〜67はロータ44から外径
方向に凸設された第1〜第4のベーンであり、これらの
ベーン64〜67の先端はケース43の内周面と摺接す
るようになっており、それらの先端摺接部にはチップシ
ール68が設けられている。
【0030】71はケース43の内周面に凸設された等
間隔複数(図では4個)のシュー、72はシュー71に
設けられたボルト穴であり、このボルト穴72には、図
3中のボルト49が挿入される。また、シュー71の突
端は、ロータ44の中心部分であるベーン支持体69に
摺接するようになっており、その突端摺接部には図3で
も述べたチップシール46が設けられている。
【0031】73は第1〜第4のベーン64〜67を遅
角方向に回転させるための遅角油圧室、74は第1〜第
4のベーン64〜67を進角方向に回転させるための進
角油圧室であり、これらの遅角油圧室73および進角油
圧室74は、ケース43とロータ44との間でケース4
3のシュー71とロータ44の各ベーン64〜67との
間に扇柱状に形成されている。
【0032】75は第1のベーン64に設けられて当該
ベーン64の両側の遅角油圧室73と進角油圧室74と
を連通する連通油路、76は連通油路75の途中に凹設
された移動溝であり、この移動溝76の途中にプランジ
ャ油路58が連通している。77は移動油路76内を移
動するスライドプレートであり、このスライドプレート
77によって連通油路75が分断され、遅角油圧室73
と進角油圧室74との間で油漏れが生じないようにして
いる。また、スライドプレート77は、遅角油圧室73
の油圧が高いとき、図6に示すように進角油圧室74側
に移動し、進角油圧室74の油圧が高いとき、図7に示
すように遅角油圧室73側に移動するものである。78
は各ベーン64〜67のそれぞれに設けられ、ケース4
3と各ベーン64〜67との間をシールして油漏れを防
止するチップシールである。なお、図5、図7、図8中
の矢印はアクチュエータ40全体の回転方向を示す。
【0033】以上において、遅角油圧室73および進角
油圧室74は、ハウジング42とケース43とロータ4
4とカバー48とで囲まれており、遅角油圧室73は第
1油路62に連通し、この第1油路62から作動油が供
給され、また、進角油圧室74は第2油路63に連通
し、この第2油路63から作動油が供給され、そして、
遅角油圧室73と進角油圧室74に供給される作動油の
油量に応じて、ロータ44がハウジング42に対して相
対移動し、遅角油圧室73と進角油圧室74のそれぞれ
の体積が変化するものである。
【0034】次に、アクチュエータ40及びOCV80
の動作について説明する。まず、エンジン1が停止した
状態でのロータ44は、図5に示すような最大遅角位
置、すなわち、ハウジング42に対して進角方向に最大
に相対回動した位置にあり、オイルポンプ92も停止状
態となって、第1油路62および第2油路63には作動
油が供給されず、プランジャ油路58にも作動油が供給
されないので、アクチュエータ40の内部に溜った油圧
は低くなっている。このため、プランジャ56はスプリ
ング57の付勢力でホルダ55に押し付けられ、プラン
ジャ56とホルダ55とは係合してハウジング42とロ
ータ44とがロックされた状態にある。
【0035】その状態からエンジン1を始動すると、オ
イルポンプ92が稼動し、OCV80に供給される作動
油の圧力が上昇することにより、OCV80のAポート
86から第1管路89および第1油路62を介してアク
チュエータ40内の遅角油圧室73に作動油が供給され
る。このとき、遅角油圧室73の油圧によって、スライ
ドプレート77が進角油圧室74側に移動し、遅角油圧
室73とプランジャ油路58とが連通し、プランジャ5
6が押圧されてハウジング42側に移動し、プランジャ
56とロータ44との係合が解除される。
【0036】しかしながら、遅角油圧室73には作動油
が供給されているので、ロータ44の各ベーン64〜6
7は遅角方向のシュー71に押圧当接した状態にあり、
このため、プランジャ56によるロータ44の係合が解
除されても、ハウジング42とロータ44とは遅角油圧
室73の油圧で押し付け合い、振動や衝撃を低減、解消
することができる。このように、遅角油圧室73の油圧
でプランジャ56を移動させることができるので、エン
ジン1を始動して所定の油圧(スライドプレート77お
よびプランジャ56が移動可能な油圧)が生じれば、プ
ランジャ56とロータ44との係合が解除されることに
より、ロータ44を進角させる必要が生じた際、即座に
対応することができる。
【0037】次に、ロータ44を進角させるために、O
CV80のBポート87が開けられると、第2管路90
から第2油路63を介して進角油圧室74に作動油が供
給され、その油圧が進角油圧室74から連通油路75に
伝わってスライドプレート77を押圧することにより、
スライドプレート77は遅角油圧室73側に移動する。
このスライドプレート77の移動によって、プランジャ
油路58は連通油路75の進角油圧室74側に連通し、
進角油圧室74からプランジャ油路58に油圧が伝えら
れ、この油圧により、プランジャ56がスプリング57
の付勢力に抗してハウジング42側に移動し、プランジ
ャ56とホルダ55との係合が解除される。
【0038】その係合解除状態で、OCV80のAポー
ト86とBポート87の開閉で供給油量を調節すること
により、遅角油圧室73と進角油圧室74の油量を調整
し、ハウジング42の回転に対してロータ44の回転を
進角・遅角させることができる。例えばロータ44を最
大に進角させた場合、図6に示すように、ロータ44の
各ベーン64〜67は遅角油圧室73側のシュー71に
当接した状態で回転する。また、遅角油圧室73の油圧
を進角油圧室74の油圧よりも大きくした場合、ロータ
44はハウジング42に対して遅角方向に回転する。こ
のように、遅角油圧室73および進角油圧室74への供
給油圧を調節してハウジング42に対するロータ44の
遅角・進角を調節することができる。
【0039】ここで、OCV80の供給油圧は、ハウジ
ング42に対するロータ44の相対回転角度を検出する
ポジションセンサと、オイルポンプ92による加圧量を
決定するクランク角センサとからの信号により、後述す
るECU100で演算されてフィードバック制御され
る。
【0040】図9(a)〜(c)はOCV80の代表的
な作動状態を示す説明図である。図9(a)はECU1
00からの制御電流値が0.1Aのときの例であり、ス
プール82がスプリング83によりバルブハウジング8
1の左端に付勢され、供給ポート85とAポート86と
の間、Bポート87とドレンポート88bとの間が連通
した状態を示している。この状態では、遅角油圧室73
に作動油が供給される一方、進角油圧室74からは作動
油が排出されるので、図9(a)に示すロータ44はハ
ウジング42に対して同図中で反時計方向に回転し、吸
気側タイミングプーリ21に対する吸気側カムシャフト
19の位相が遅れて遅角制御となる。
【0041】図9(b)はECU100からの制御電流
が0.5Aのときの例であり、相対するリニアソレノイ
ド84とスプリング83とが釣り合って、スプール82
がAポート86とBポート87の両方を閉鎖する位置に
維持され、遅角油圧室73、進角油圧室74の作動油の
供給及び排出が行われていない状態を示している。この
状態において、遅角油圧室73及び進角油圧室74から
作動油の漏れが無い場合、ロータ44は現在位置に保持
され、吸気側タイミングプーリ21と吸気側カムシャフ
ト19の位相は現状のまま維持される。
【0042】図9(c)はECU100からの制御電流
が1.0Aのときの例であり、スプール82がリニアソ
レノイド84によりハウジング42の右端に駆動され、
供給ポート85とBポート87との間、及びAポート8
6とドレンポート88aとの間が連通した状態を示して
いる。この状態では、進角油圧室74に第2油路63を
通して作動油が供給される一方、遅角油圧室73からは
作動油が排出される。これにより、図9(c)に示すロ
ータ44はハウジング42に対して同図中で時計方向に
回転し、吸気側タイミングプーリ21に対する吸気側カ
ムシャフト19の位相が進んで進角制御となる。
【0043】また、図9(a),(b),(c)におい
て、供給ポート85とAポート86(又はBポート8
7)との間の連通度及びドレンポート88b(又はドレ
ンポート88a)とBポート87(又はAポート86)
との間の連通度は、スプール82によって制御される。
また、スプール82の位置とリニアソレノイド84の電
流値とは比例関係にある。
【0044】図10はエンジン1の或る運転条件でのリ
ニアソレノイド84の電流値(以下、ソレノイド電流と
いう)と、実バルブタイミング変化速度との関係を表す
特性図である。図において、実バルブタイミング変化速
度の正の領域が進角方向に移動している領域に相当し、
一方、実バルブタイミング変化速度の負の領域が遅角方
向に移動している領域に相当する。
【0045】図10中の符号(a),(b),(c)
は、図9(a),(b),(c)のスプール82の各位
置に対応するソレノイド電流をそれぞれ示す。ここで、
符号(b)で示すような実バルブタイミングが変化しな
いソレノイド電流は、各油圧室73,74、油圧配管8
9,90、スプール82の各部から漏れる作動油量とオ
イルポンプ92から圧送される作動油量との釣り合う一
点しかない。
【0046】さらに、この点は、エンジン回転数や温度
の変化による作動油吐出圧によって特性が図11に示す
ように変化するため、常に変動する。また、スプール8
2の寸法等の製品バラツキにより、この点及び特性の変
化の仕方に製品毎に異なる。この実バルブタイミングが
変化しない点のソレノイド電流を、以後、保持電流と呼
び、記号HLDで表す。この保持電流HLDを基準にバ
ルブタイミングを進角させたい時はソレノイド電流を大
きくし、逆に遅角させたい時はソレノイド電流を小さく
することで、制御できる。
【0047】次に、バルブタイミングの検出方法を図1
2について説明する。図12(a)はクランク角信号
を、図12(b)は遅角時のカム角信号を、図12
(c)は進角時のカム角信号をそれぞれ示すタイミング
チャートである。ECU100は、クランク角信号周期
Tとカム角信号までの位相差時間TVTをを計測し、バ
ルブタイミングが最遅角状態にある時の位相差時間TV
T0とクランク角信号周期Tから、最遅角バルブタイミ
ングVTRを数1の式によって求め、予め記憶してお
く。 (数1) VTR=TVT0/T×180゜CA 実バルブタイミングVTAは、位相差時間TVTとクラ
ンク角信号周期T及び最遅角バルブタイミングVTRよ
り、数2の式によって求める。 (数2) VTR=TVT/T×180゜CA−VTR ECU100は、この実バルブタイミングVTAと目標
バルブタイミングVTTの偏差に基づいてソレノイド電
流をフィードバックすることにより、実バルブタイミン
グVTAを目標バルブタイミングVTTに収束させる。
【0048】次に、ECU100の内部構成について説
明する。図13はECU100の内部構成を示すブロッ
ク図である。図において、101はマイクロコンピュー
タであり、各種の演算や判定を行う中央処理装置(CP
U)102と、所定の制御プログラムを予め記憶する読
み出し専用メモリ(ROM)103と、CPU102に
よる演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)104と、アナログ電圧をデジタル値に変換
するA/D変換器105と、入力信号の周期等を計測す
るカウンタ106と、出力信号の駆動時間等を計測する
タイマ107と、出力信号を出力する出力ポート10
8,109と、入力信号を入力する入力ポート110
と、これらを接続するコモンバス111とから構成され
ている。
【0049】112は第1入力回路であり、クランク角
6とカム角センサ24からの入力信号を波形整形し、割
込み指令信号(INT)としてマイクロコンピュータ1
01に入力する。CPU102は、その割込みがかけら
れる毎にカウンタ106の値を読み取ってRAM104
に記憶する。ここで、第1入力回路112は、クランク
角センサ6からの信号を波形整形し、割込み信号(IN
T)としてマイクロコンピュータ101に入力すること
により、その割込みがかけられる毎にCPU102は、
カウンタ106の値を読み取ってRAM104に記憶
し、前回、クランク角センサ6から信号を入力した時の
カウンタ値との差からクランク角信号周期Tを算出し、
更に、このクランク角信号周期Tに基づいてエンジン回
転数NEを算出する。また、RAM104に記憶されて
いるカム角センサ24からの信号入力時のカウンタ値と
の差から位相差時間TVTを算出する。
【0050】113は第2入力回路であり、水温センサ
12とスロットルセンサ27及び吸入空気量センサ28
からの信号を、ノイズ成分除去や増幅等してA/D変換
器105に入力し、冷却水温THW、スロットル開度T
VO、吸入空気量QAの各デジタルデータに変換する。
【0051】114はインジェクタ30を駆動するため
の駆動回路、115はイグナイタ11を駆動するための
駆動回路である。ここで、CPU102は、上記の各種
入力信号に基づいてインジェクタ駆動時間、点火タイミ
ングを演算し、タイマ107の時間計測結果に基づき、
出力ポート108、各駆動回路112,113を介して
インジェクタ30、イグナイタ11を駆動し、燃料噴射
量制御、点火時期制御を行う。
【0052】116はOCV80のソレノイド電流を制
御するための電流制御回路である。ここで、CPU10
2は、上記各種の入力信号に基づいてOCV80のソレ
ノイド電流CNTを演算し、タイマ107の時間計測結
果に基づき、出力ポート108にOCV80のソレノイ
ド電流CNTに相当するデューティ信号を出力する。電
流制御回路116は、そのデューティ信号に基づいてO
CV80のソレノイド84を流れる電流がソレノイド電
流CNTとなるように制御することにより、バルブタイ
ミング制御を行う。
【0053】117は前記入力ポート110に電源信号
を入力する第3入力回路、118は電源回路、119,
120はダイオード、121はトランジスタ、122は
バッテリ(電源)、123はキースイッチ(IGスイッ
チ)、124はメインリレーである。ここで、IGスイ
ッチ123がオンされると、ダイオード119を介して
トランジスタ121及びメインリレー124が順次オン
して、バッテリ122からの電源電圧が電源回路118
を介してマイクロコンピュータ101に付与されること
により、マイクロコンピュータ101が動作するように
なっている。マイクロコンピュータ101の動作中は、
CPU102が出力ポート109を高出力にすると、そ
の高出力電圧がダイオード120を介してトランジスタ
121をオンし続けるため、IGスイッチ123がOF
Fとなっても、マイクロコンピュータ120は動作状態
を維持する。そして、CPU102が出力ポート109
を低出力(電圧ゼロ)にすると、トランジスタがオフ、
メインリレー124がオフとなってマイクロコンピュー
タ101が電源オフとなる。
【0054】前記バッテリ122は、前記各種のセンサ
6,24,28,27,12とECU100およびOC
V80等の共通の電源となっているが、クランク角セン
サ6及びOCV80はメインリレー124の後から電源
をとっている。このため、マイクロコンピュータ101
の動作中は、クランク角6やOCV80も動作する。
【0055】次に、CPU102の動作について、図1
4乃至図16を参照して説明する。図14は積分制御手
段が無い制御装置において、実際の保持電流HLDが基
準値0.5Aと一致している場合の動作タイミング図、
図15は積分制御手段が無い制御装置において、実際の
保持電流HLDが基準値0.5Aよりも高電流側にずれ
ている場合の動作タイミング図、図16は積分制御手段
が有る制御装置において、実際の保持電流HLDが基準
値0.5Aよりも高電流側にずれている場合の動作タイ
ミング図である。
【0056】OCV80は単位時間当たりの供給作動油
量を調整することができ、アクチュエータ40の供給作
動油の積算量に対応して変位角度が決まる。その意味で
制御対象であるアクチュエータ40は積分要素を含んで
いるため、OCV80の実際の保持電流HLDが標準値
0.5Aと一致しているとした場合、制御手段は、0.
5Aを基準に目標バルブタイミングVTTと実バルブタ
イミングVTAの偏差ERに応じた比例制御を行うこと
により、実バルブタイミングを目標バルブタイミングに
収束させることができる。この時のOCV80のソレノ
イド電流CNTは数3の式で与えられる。 (数3) CNT=KP×ER+0.5A 数3の式において、ERは目標バルブタイミングVTT
と実バルブタイミングVTAの偏差ERは、数4の式で
算出される。 (数4) ER=VTT−VTA また、数3の式において、KPは比例動作に対応するゲ
インである。この時の目標バルブタイミングVTT、実
バルブタイミングVTA、ソレノイド電流CNTの動き
を図14に示す。
【0057】しかし、OCV80の実際の保持電流HL
Dは、標準値0.5Aとは必ずしも一致していない。例
えば、実際の保持電流HLDが標準値0.5Aよりも高
電流側にずれていた場合、数3の式に基づいた制御を行
うと、図15に示すように、実バルブタイミングVTA
は目標バルブタイミングVTTに収束せず、定常偏差E
R1が残る。この定常偏差ER1は数5の式で表され
る。 (数5) ER1=(HLD−0.5A)/KP
【0058】そこで、従来の制御装置においては、数3
の式の比例制御に更に積分制御を加え、数6の式で表さ
れる制御を行うことにより、上記の定常偏差が残らない
ようにしている。 (数6) CNT=KP×ER+ΣKI+0.5A 数6の式において、ΣKIは目標バルブタイミングVT
Tと実バルブタイミングVTAの偏差ERに基づいて算
出した積分増減値を積算した積算補正値であって、数7
の式のように算出される。 (数7) ΣKI=ΣKI(i−1)+KI×ER 数7の式において、ΣKI(i−1)は、今回積算前の
積分補正値であり、KIは積分動作に対応するゲインで
ある。また、KI×ERは積分増減値に相当するが、こ
のKIは、ステップ応答等の際に生じる過渡的な偏差E
Rの増大によって、積分補正値ΣKIが大きく変動し、
その結果、制御が不安定にならないような非常に小さな
値に設定されている。目標バルブタイミングVTTと実
バルブタイミングVTAの間に定常偏差が残らない状
態、すなわち、積分制御の結果、積分補正値ΣKIが数
8の式を満たすようになった状態における、目標バルブ
タイミングVTT、実バルブタイミングVTA、ソレノ
イド電流CNTの動きを図16に示す。 (数8) HLD≒ΣKI+0.5A
【0059】次に、この発明の実施の形態1によるエン
ジンの油圧式バルブタイミングシステムの動作について
説明する。図17は実バルブタイミングVTAが目標バ
ルブタイミングVTT近傍に収束している状態での制御
状態を示す動作タイミング図である。目標バルブタイミ
ングVTTと実バルブタイミングVTAの偏差ERの絶
対値が所定値E1(例えば、1゜CA)未満であるとき
は、実バルブタイミングが目標バルブタイミングに収束
していると判断し、積分増減値を、OCV80の保持電
流の微笑な変化に対応できる程度の小さな値KI1(例
えば、0.1mA)とする。但し、実バルブタイミング
VTAがわずかにでも目標バルブタイミングVTTに向
って動いているときは、積分補正値ΣKIを更に増減さ
せる必要がないため、実バルブタイミングVTAが所定
の積分停止判断速度V1(例えば0.01゜CA/25
ms)以上の速さで目標バルブタイミングに向って動い
ているときは、積分増減値の積分を停止する。
【0060】図18は実バルブタイミングVTAと目標
バルブタイミングVTTとの間に定常偏差が発生してい
る状態での制御動作を示す動作タイミング図である。目
標バルブタイミングVTTと実バルブタイミングVTA
の偏差ERの絶対値が所定値E1以上で、実バルブタイ
ミングVTAが目標バルブタイミングVTTに向って所
定の積分停止判定速度以上の速さで動いているときは、
目標バルブタイミングVTTと実バルブタイミングVT
Tとの間に定常偏差が発生していると判断して、、定常
偏差を無くす方向へ急速に制御させるために、積分増減
値を上記KI1よりも大きな値KI2(例えば1mA)
に設定する。ここで、所定の積分停止判定速度が、上記
V1のままであると、積分増減値をいくら大きくして
も、実バルブタイミングVTAの変化速度がV1以上と
なった時点で、積分増減値が停止するため、実バルブタ
イミングVTAの変化速度はV1以上にはならない。そ
こで、偏差ERの絶対値が所定値E1以上のときは、積
分増減値の増大を合わせて、積分停止判定速度をV1よ
り大きな値V2(例えば0.1゜CA/25ms)に設
定することにより、実バルブタイミングVTAは速度V
2の速さで目標バルブタイミングに近づくことができ
る。
【0061】図19は積分補正値が安定した状態でのス
テップ応答時の制御動作を示す動作タイミング図であ
る。この図に示すように、目標バルブタイミングVTT
が変化した後、作動油の伝達遅れ等により、しばらく実
バルブタイミングVTAが動かないか、或いは動きが遅
い場合がある。この状態では、目標バルブタイミングV
TTと実バルブタイミングVTAの偏差ERの絶対値は
所定値E1以上となっているため、上述の制御を行う
と、定常偏差が発生していると誤判断して、積分増減値
をKI2に、積分停止判定速度をVI2に設定するの
で、本来、増減させる必要のない積分補正値ΣKIを増
減させてしまう。そこで、偏差ERの絶対値が所定値E
I未満から所定値EI以上となったのち、所定時間TD
(例えば、0.2sec)の間は、偏差ERの絶対値が
所定値E1未満のときと同様に、積分増減値をKI1
に、積分停止判定速度をV1に設定する。
【0062】これにより、目標バルブタイミングVTT
が変化した後、実バルブタイミングVTAが未だ動いて
いない状態での積分補正値ΣKIの増減はわずかに抑え
ることができ、また、実バルブタイミングVTAがわず
かでも目標バルブタイミングVTTに向っている動きだ
せば、積分増減値の計算を低エイペックスするため、積
分補正値ΣKIは殆ど変動しない。そして所定時間TD
が経過した後は、実バルブタイミングVTAは、既にV
2異常の変化速度で目標バルブタイミングVTTに向っ
て動いているため、このときも積分増減値の積算は停止
している、さらに、実バルブタイミングVTAが目標バ
ルブタイミングVTTに近づくと、その変化速度は低下
するが、目標バルブタイミングVTTとほ偏差ERが所
定値E1未満の領域に入れば、積分停止判定速度はV1
に、積分増減値はKI1にという具合にそれぞれ小さな
値となるため、このときも積分補正値ΣKIが不必要に
増減することはなく、実バルブタイミングVTAは目標
バルブタイミングVTTに安定して収束する。
【0063】以上の動作を図20の動作フロー図に基づ
いて以下に説明する。図20はROM103に格納され
た制御プログラムの動作フロー図であり、このフロー図
は、入力100のCPU102内で所定時間毎、例えば
25ms毎に処理される。図20において、まず、ステ
ップST1では、クランク角センサ6、カム角センサ2
4、吸入空気量センサ28、スロットルセンサ27、水
温センサ12のそれぞれから、クランク角信号周期T、
エンジン回転数NE、位相差時間TVT、吸入空気量セ
ンサQA、スロットル開度TVO、冷却水温THW等の
エンジン運転状態信号を入力する。
【0064】次に、ステップST2では、クランク角信
号周期Tと位相差時間TVTから、クランクシャフト5
に対する吸気側カムシャフト19の変位角度(実バルブ
タイミング)VTAを数2の式により算出する。ステッ
プST3では、エンジン回転数NE、吸入空気量QA、
スロットル開度TVO、冷却水温THWのそれぞれに基
づいて、目標バルブタイミングVTTを算出する。
【0065】ステップST4では、IGスイッチ123
のON・OFFを判定し、IGスイッチ123がONの
場合は、ステップST5にて、スロットルバルブ26が
全閉か否かを判定し、全閉でない場合は、ステップST
6にて、目標バルブタイミングVTTと実バルブタイミ
ングVTAの偏差ERを、数4の式に従って算出する。
【0066】ステップST7では、積分補正値ΣKIを
数7の式に従って求める。この場合、数7の式における
ΣKI(i−1)は25ms前のΣKIを示すことにな
る。なお、積分補正値ΣKIは、入力100に電源が印
加された直後に0に初期化されている。ステップST8
では、OCV80のソレノイド電流CNTを数6の式に
従って求める。
【0067】ステップST9では、ステップST5での
判定結果がスロットルバルブ26の全閉のとき、アクチ
ュエータ40が最遅角位置に保持されるように、OCV
80のソレノイド84に(0.1A→CNT)を通電す
る。
【0068】ステップST10では、ステップST4で
IGスイッチ123がOFFと判定された場合にインジ
ェクタ30及びイグナイタ11をそれぞれOFFとし、
ステップST11では、IGスイッチ123OFF後の
エンジン回転数NEが500rpm以上か否かを判定
し、NE≧500rpmの場合はステップST9に進ん
でOCV80のソレノイド84に(0.1A→CNT)
を通電し、NE≧500rpmでない場合は、ステップ
ST12にて、OCV80のソレノイド電流CNTをΣ
KI+0.4Aの保持電流とする。但し、ΣKI+0.
5Aが実際の保持電流よりも進角側にずれていると、ア
クチュエータ40が最遅角位置にずれるので、多少のず
れでは、アクチュエータ40が進角側に進まないよう
に、OCV80のソレノイド電流CNTをΣKI+0.
5A−α(α:所定値、エンジン停止時にOCVからの
油漏れを防止する程度の小さい値に設定)とする。
【0069】次に、ステップST13では、タイマ10
7の時間計測結果に基づき、出力ポート108にOCV
80のソレノイド電流CNTに相当するデューティ信号
を出力する。このデューティ信号は、電流制御回路11
6に入力され、OCV80のソレノイド83を流れる電
流がソレノイド電流CNTとなるように制御する。この
結果、実バルブタイミングVTAが目標バルブタイミン
グVTTとなるように制御される。
【0070】ステップST14では、IGスイッチ12
3のOFF後、所定時間(例えば、7sec)経過した
否かを判定し、所定時間経過していないときは、ステッ
プST15にてメインリレー124をONし、所定時間
経過しているときは、ステップST16にてメインリレ
ー124をOFFとする。
【0071】以上説明した実施の形態1によれば、エン
ジン停止後の所定時間、OCV80に保持電流(0.1
A→CNT)が通電されることにより、エンジン停止後
にアクチュエータ40を最遅角位置に維持すべくOCV
80を保持位置にでき、これによって、OCV80から
の油漏れを防止できるため、エンジン停止後において
も、アクチュエータ40に油圧がかかった状態を維持で
き、その後のエンジン始動時におけるカム角制御が円滑
に行われ、エンジン始動時にロータがハンチングを引き
起こして騒音を発するようなことがなくなる。
【0072】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、エン
ジン停止時に電源が遮断されたか否かを電源遮断手段に
より検出し、この検出結果による電源遮断時点から一定
時間、流体供給手段を動作させてアクチュエータの油圧
が保持されるように、保持制御手段で流体供給手段を保
持位置に制御し、且つ、流体制御手段をエンジン電源投
入時の通常制御とエンジン電源遮断時の保持制御とに切
換手段で切り換え制御するように構成したので、エンジ
ン停止後においても、アクチュエータの系統からの油漏
れを防止できて、アクチュエータの油圧が急激に低下す
るようなことがなくなり、たとえば、油圧室や油路系統
内のオイルの慣性流出を防止でき、このため、その後の
エンジン始動時におけるカム角制御が円滑に行われると
共に、エンジン始動時にロータがハンチングを引き起こ
して騒音を発するようなことがないなどの効果がある。
【0073】また、この発明によれば、エンジン電源遮
断後のエンジン回転数が所定回転数以下のとき、流体供
給手段を動作させてエンジン回転数が所定回転数に達す
るまでアクチュエータが最遅角位置に保持されるよう
に、流体供給手段を動作状態の保持位置に制御する構成
としたので、アクチュエータを最遅角位置に制御できる
という効果がある。
【0074】また、この発明によれば、エンジン電源遮
断後のエンジン回転数が所定回転数以上のときにおいて
も、エンジン回転数が所定回数数に達するまで流体供給
手段を動作状態の保持位置に制御する構成としたので、
エンジン停止後のアクチュエータを最遅角位置に制御で
きるという効果がある。
【0075】また、この発明によれば、エンジン電源遮
断後の所定時間経過後にエンジン電源系統のメインリレ
ーを遮断する構成としたので、エンジン停止後において
も、アクチュエータの系統からの油漏れを防止できて、
アクチュエータの油圧が急激に低下するようなことがな
くなり、このため、その後のエンジン始動時におけるカ
ム角制御が円滑に行われると共に、エンジン始動時にロ
ータがハンチングを引き起こして騒音を発するようなこ
とがないという同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基本的な概念構成を示すブロック
図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による油圧式バルブ
タイミング調節システムを備えたガソリンエンジンシス
テムを示す概略的な断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による油圧式バルブ
タイミング調節システムを示す断面図である。
【図4】 図3中のプランジャに油圧がかけられた状態
を示す断面図である。
【図5】 図3のX−X線に沿った断面矢視図である。
【図6】 図5中のスライドプレートの移動状態を示す
部分断面図である。
【図7】 図3のY−Y線に沿った断面矢視図である。
【図8】 図3のZ−Z線に沿った断面矢視図である。
【図9】 オイルコントロールバルブの代表的な作動状
態を示す断面説明図である。
【図10】 リニアソレノイド電流と実バルブタイミン
グ変化速度との関係を示す特性図である。
【図11】 リニアソレノイド電流と実バルブタイミン
グ変化速度との関係を示す特性図である。
【図12】 クランク角信号とカム角信号の位相関係及
び実バルブタイミングの算出方法を示す動作タイミング
図である。
【図13】 電子制御ユニットの内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図14】 積分制御手段が無い制御装置において、実
際の保持電流HLDが標準値0.5Aと一致している場
合の動作を説明するための動作タイミング図である。
【図15】 積分制御手段が無い制御装置において、実
際の保持電流HLDが標準値0.5Aよりも高電流側に
ずれている場合の動作を説明するための動作タイミング
図である。
【図16】 積分制御手段を有する装置において、実際
の保持電流HLDが標準値0.5Aよりも高電流側にず
れている場合の動作を説明するための動作タイミング図
である。
【図17】 この発明の実施の形態における実バルブタ
イミングが目標バルブタイミング近傍に収束している状
態での動作を説明するための動作タイミング図である。
【図18】 この発明の実施の形態における実バルブタ
イミングと目標バルブタイミング特許の間に定常偏差が
発生している状態での動作を説明するための動作タイミ
ング図である。
【図19】 この発明の実施の形態における積分補正値
が安定した状態でのステップ応答時の動作を説明するた
めの動作タイミング図である。
【図20】 この発明に実施の形態の動作を示す動作フ
ロー図である。
【符号の説明】
M1 エンジン、M2 燃焼室、M3 吸気通路、M4
排気通路、M5 吸気バルブ、M6 排気バルブ、M
7 運転状態検出手段、M8 目標バルブタイミング算
出手段、M9 アクチュエータ、M10 流体供給手
段、M11 実バルブタイミング検出手段、M12 実
バルブタイミング制御手段、M13 保持制御手段、M
14 電源遮断検出手段、 M15 切換手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転に同期して所定のタイミ
    ングで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路
    をそれぞれ開閉するための吸気バルブ及び排気バルブ
    と、エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、エンジンの運転状態に対する目標バルブタイミ
    ングを、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて算
    出する目標バルブタイミング算出手段と、前記吸気バル
    ブ及び前記排気バルブの少なくとも一方のバルブ開閉タ
    イミングを変更するバルブタイミング可変用のアクチュ
    エータと、このアクチュエータを駆動すべく当該アクチ
    ュエータに作動油を供給すると共にその流量調整が可能
    な流体供給手段と、前記アクチュエータが設けられた前
    記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の実
    バルブタイミングを検出する実バルブタイミング検出手
    段と、前記実バルブタイミングを前記目標バルブタイミ
    ングに変更するために、前記流体供給手段を制御するこ
    とにより、前記アクチュエータを制御する実バルブタイ
    ミング制御手段とを備えたエンジンの油圧式バルブタイ
    ミング調節システムにおいて、エンジン停止時の電源遮
    断時点を検出する電源遮断検出手段と、この電源遮断検
    出手段の検出結果による電源遮断時点から一定時間、前
    記流体供給手段を動作させて前記アクチュエータの油圧
    が保持されるように、前記流体供給手段を保持位置に制
    御する保持制御手段と、前記流体供給手段をエンジン電
    源投入時の通常制御とエンジン電源遮断時の保持制御と
    に切り換えるための切換手段とを備えて成ることを特徴
    とする油圧式バルブタイミング調節システム。
  2. 【請求項2】 保持制御手段は、エンジン電源遮断後の
    エンジン回転数が所定回転数以下のとき、エンジン回転
    数が所定回転数に達するまでアクチュエータが最遅角位
    置に保持されるように、流体供給手段を動作させるよう
    になっていることを特徴とする請求項1記載の油圧式バ
    ルブタイミング調節システム。
  3. 【請求項3】 保持制御手段は、エンジン電源遮断後の
    エンジン回転数が所定回転数以上のとき、流体供給手段
    を保持位置に制御するようになっていることを特徴とす
    る請求項1記載の油圧式バルブタイミング調節システ
    ム。
  4. 【請求項4】 電源遮断検出手段は、エンジン電源遮断
    後の所定時間経過後にエンジン電源系統のメインリレー
    を遮断するようになっていることを特徴とす請求項1記
    載の油圧式バルブタイミング調節システム。
JP9314022A 1997-11-14 1997-11-14 油圧式バルブタイミング調節システム Pending JPH11148380A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6397803B1 (en) 2001-02-22 2002-06-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Valve timing control system for internal combustion engine
JP2010242531A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング制御装置

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US6397803B1 (en) 2001-02-22 2002-06-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Valve timing control system for internal combustion engine
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