JPH11148549A5 - - Google Patents
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- JPH11148549A5 JPH11148549A5 JP1997315103A JP31510397A JPH11148549A5 JP H11148549 A5 JPH11148549 A5 JP H11148549A5 JP 1997315103 A JP1997315103 A JP 1997315103A JP 31510397 A JP31510397 A JP 31510397A JP H11148549 A5 JPH11148549 A5 JP H11148549A5
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ローラクラッチ内蔵型プーリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した、円筒状の内周面を有するプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリとスリーブとが所定方向に相対回転する場合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とするローラクラッチとを備えたローラクラッチ内蔵型プーリに於いて、上記プーリの軸方向端部に蓋板の外周縁部に形成した嵌合筒部を、これらプーリの軸方向端部と嵌合筒部とを直径方向に重畳させると共に、この嵌合筒部の外周面を上記プーリの軸方向端部内周面により抑え付けた状態で固定し、この蓋板により上記スリーブ及びプーリの一端開口部を塞いだ事を特徴とするローラクラッチ内蔵型プーリ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、例えば各種エンジン用補機の一種であるオルタネータの回転軸の端部に固定し、エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間にベルトを掛け渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
オルタネータ等のエンジン用補機は、例えば自動車の駆動用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリにその一部を掛け渡したベルトにより駆動する。即ち、エンジン用補機の回転軸の端部に固定した従動プーリと上記駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡し、上記エンジン用補機を、駆動用エンジンと同期して回転駆動自在とする。
【0003】
上記従動プーリとして従来一般的には、単に上記回転軸に固定しただけのものを使用していた。これに対して近年、ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在とする、ローラクラッチ内蔵型プーリが各種提案され、一部で使用されている。例えば、特開平7−31807〜8号公報、同8−61443号公報、特公平7−72585号公報、フランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様な機能を有するローラクラッチ内蔵型プーリが記載されている。
【0004】
これら各文献に記載されたローラクラッチ内蔵型プーリは、回転軸に外嵌固定自在なスリーブを有する。そして、このスリーブの周囲に、円筒状の内周面を有するプーリを、このスリーブと同心に配置している。そして、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に、1対のサポート軸受とローラクラッチとを設けている。このうちのサポート軸受は、上記プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつ、これらスリーブとプーリとの相対回転を自在とする。又、上記ローラクラッチは、上記プーリがスリーブに対して所定方向に回転する場合にのみ、プーリからスリーブへの回転力の伝達を自在とする。
【0005】
この様なローラクラッチ内蔵型プーリを使用する理由は、次の2通りである。先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命を延長する為である。例えば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記駆動プーリに掛け渡した無端ベルトの走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルトにより従動プーリを介して回転駆動されるオルタネータの回転軸は、この回転軸並びにこの回転軸に固定したロータ等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プーリを回転軸に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルトと従動プーリとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この従動プーリと擦れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルトの寿命が短くなったりする原因となる。
【0006】
そこで、この様な従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリを使用する事により、上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プーリから回転軸への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの回転角速度を上記回転軸の回転角速度よりも遅くして、上記無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、従動プーリと無端ベルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止する。
【0007】
第二の理由は、オルタネータの発電効率を向上させる為である。オルタネータのロータを固定した回転軸は、自動車の駆動用エンジンにより、無端ベルトと従動プーリとを介して回転駆動する。一般的な従動プーリを使用すると、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合に、上記ロータの回転速度も急激に低下して、上記オルタネータによる発電量も急激に減少する。これに対して、上記オルタネータに付属の従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリを使用すれば、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合でも、上記ロータの回転速度が慣性力により徐々に低下して、その間も発電を続ける。この結果、固定式の従動プーリを使用した場合に比べて、上記回転軸及びロータの運動エネルギを有効に利用して、オルタネータの発電量の増大を図れる。
【0008】
一方、従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、回転軸に外嵌固定するスリーブの外周面とプーリの内周面との間にサポート軸受とローラクラッチとを組み込む事に伴って必要になる、耐久性確保に関する考慮が必ずしも十分とは言えない。即ち、オルタネータ等、エンジンルーム等の内部に組み込むエンジン用補機の駆動に利用するローラクラッチ内蔵型プーリの場合、周囲空間に多くの塵芥が存在する為、耐久性を確保する為には、この塵芥が内部に入り込む事を防止すると共に、この塵芥に基づく構成各部の摩耗防止を考慮する必要がある。
【0009】
【先発明の説明】
この様な事情に鑑みて本発明者は先に、図5〜6に示す様なローラクラッチ内蔵型プーリを発明した(特願平8−319849号)。先ず、この先発明に関するローラクラッチ内蔵型プーリに就いて説明する。スリーブ1は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータ等のエンジン用補機の回転軸(図示せず)の端部に外嵌固定して、この回転軸と共に回転自在である。この為に、上記スリーブ1の中間部内周面には雌スプライン部2を形成し、この雌スプライン部2と上記回転軸の端部外周面に形成した雄スプライン部とを係合自在としている。この様なスリーブ1の周囲にはプーリ3を、このスリーブ1と同心に配置している。このプーリ3は、円筒状の内周面と段付(歯車状)の外周面とを有する。尚、外周面は、V溝等、他の形状としても良い。又、回転軸とスリーブ1との相対回転を防止する為の構造を、スプラインに代えて、ねじ、或は非円筒面同士の嵌合、キー係合等としても良い。
【0010】
これらスリーブ1の外周面とプーリ3の内周面との間には、1対のサポート軸受4、4と、1個のローラクラッチ5とを設けている。このうちのサポート軸受4、4は、上記プーリ3に加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ1とプーリ3との相対回転を自在とする。又、上記ローラクラッチ5は、このプーリ3がスリーブ1に対して所定方向に回転する場合にのみ、プーリ3とスリーブ1との間での回転力の伝達を自在とする。
【0011】
この様なローラクラッチ5を構成する為、上記スリーブ1の中間部外周面にローラクラッチ用内輪6を、締まり嵌めにより外嵌固定している。このローラクラッチ用内輪6は、軸受鋼等の硬質金属により全体を円筒状に形成し、外周面は図6に示す様な凹凸を有するカム面7としている。又、上記各サポート軸受4、4を構成する為、上記スリーブ1の両端部外周面には、それぞれサポート軸受用内輪8、8を、締まり嵌めにより外嵌固定している。やはり、軸受鋼等の硬質金属により造った、これら各サポート軸受用内輪8、8は、それぞれ円筒部9の外端縁に外向フランジ状の内輪側鍔部10を形成する事により、断面L字形で全体を円筒状に形成している。この様な各サポート軸受用内輪8、8は、上記内輪側鍔部10を互いに反対側に位置させた状態で上記スリーブ1に外嵌し、それぞれの先端縁を上記ローラクラッチ用内輪6の軸方向両端縁に突き当てている。尚、上記サポート軸受用内輪6は、上記スリーブ1の中間部外周面に、このスリーブ1と一体に形成する事もできる。
【0012】
一方、上記プーリ3の中間部には外輪11を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪11は、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材にプレス加工を施す等により、全体を円筒状に形成しており、軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側鍔部12a、12bを形成している。尚、これら両外輪側鍔部12a、12bのうち、一方(図5の左方)の外輪側鍔部12aは、他の構成各部材と組み合わせる以前に形成する為、上記外輪11の本体部分と同様の厚さ寸法を有する。これに対して、他方(図5の右方)の外輪側鍔部12bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形成する為、薄肉にしている。
【0013】
そして、前記ローラクラッチ5は、上記外輪11の中間部内周面と上記ローラクラッチ用内輪6の外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪11の中間部内周面と上記ローラクラッチ用内輪6の外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した保持器13と、それぞれ複数ずつのローラ14及びばね15とを設けている。又、保持器13の内周面は上記ローラクラッチ用内輪6のカム面7と係合させて、このローラクラッチ用内輪6に対する相対回転を阻止している。尚、この保持器13の軸方向に亙る位置決めは、上記各サポート軸受用内輪8、8の円筒部9、9の端面により上記保持器13の動きを規制する事で行なっている。又、上記ローラ14は、それぞれ上記保持器13に転動自在に保持している。又、ばね15は、それぞれ保持器13とローラ14との間に設けて、これら各ローラ14を、円周方向に関して同方向に、弾性的に押圧している。尚、図5でばね15は、直径方向から見た形状を示す為、実際に円周方向から見た場合に見える形状とは異なった状態で、摸式的に描いている。この様に、ローラクラッチ用内輪6と、外輪11と、保持器13と、それぞれ複数個ずつのローラ14及びばね15とから成る、上記ローラクラッチ5は、周知の作用に基づき、上記ローラクラッチ用内輪6を外嵌固定した前記スリーブ1と、上記外輪11を内嵌固定した前記プーリ3との間で、一方向の回転運動のみを伝達自在とする。
【0014】
又、前記各サポート軸受4、4は、前記各サポート軸受用内輪8、8と上記外輪11の軸方向両端部寄り部分とを含んで構成している。即ち、上記各サポート軸受用内輪8、8の外周面と上記外輪11の軸方向両端部寄り部分の内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円筒状に形成された保持器16と、この保持器16により転動自在に保持された複数のローラ17とを配置して、ラジアルころ軸受を構成している。
【0015】
又、前記各外輪側鍔部12a、12bの外側面と前記各内輪側鍔部10、10の内側面との間には、それぞれフローティングワッシャ18、18を、これら各外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10とに対する相対回転を自在に装着している。上記各フローティングワッシャ18、18は、銅等の自己潤滑性を有する金属、タフトライド処理した金属、或は含油メタル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円輪状に形成している。この様なフローティングワッシャ18、18は、上記各外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10との間に、緩く挟持している。又、このフローティングワッシャ18、18は、上記各サポート軸受用内輪8、8の外周面、又は上記プーリ3の内周面により案内(ラジアル方向の変位を防止)する。
【0016】
又、上記外輪11の軸方向端部内周面と上記各サポート軸受用内輪8、8の外周面との間の隙間は、それぞれシールリング19、19により塞いでいる。これら各シールリング19、19は、それぞれ芯金20と弾性材21とにより構成しており、上記外輪11の両端部内周面に、上記弾性材21の外径を弾性的に縮めた状態で、内嵌支持している。そして、各弾性材21、21にそれぞれ複数本ずつ設けたシールリップの先端縁を、上記サポート軸受用内輪8、8の中間部外周面、並びに上記各外輪側鍔部12a、12bの内側面に摺接若しくは当接させている。
【0017】
更に、上記外輪側、内輪側両鍔部12a、12b、10とフローティングワッシャ18、18とを設けた部分に、ラビリンスシールを設けている。即ち、上記各内輪側鍔部10、10の外径を、前記プーリ3の内径よりも僅かに小さくし、これら各内輪側鍔部10、10の外周縁を上記プーリ3の内周面に近接させている。又、上記各フローティングワッシャ18、18の外径を上記プーリ3の内径よりも僅かに小さくし、これら各フローティングワッシャ18、18の内径を上記各サポート軸受用内輪8、8の円筒部9、9の外径よりも僅かに大きくして、これら各フローティングワッシャ18、18の内外両周縁を、上記各円筒部9、9の外周面又は上記プーリ3の内周面に近接させている。更に、上記各外輪側鍔部12a、12bの内径を、上記各円筒部9、9の外径よりも僅かに大きくして、これら各外輪側鍔部12a、12bの内周縁と各円筒部9、9の外周面とを近接させている。これら各部材の周縁と周面との近接部分は、それぞれラビリンスシールとして機能し、周囲に存在する塵芥等の異物が、上記各シールリング19、19側に入り込む事に対する抵抗となる。
【0018】
上述の様に構成する先発明のローラクラッチ内蔵型プーリにより、例えばエンジンのクランクシャフトによりオルタネータの回転軸を回転駆動する場合には、この回転軸の端部でオルタネータのケースから突出した部分に、前記スリーブ1を外嵌固定する。そして、上記クランクシャフトの端部に固定した駆動シャフトと上記プーリ3との間に、無端ベルトを掛け渡す。この際、上記回転軸の回転方向に関して、上記プーリ3の回転角速度が回転軸の回転角速度よりも速くなる傾向の場合に、前記ローラクラッチ5がロックされ、上記プーリ3の回転が上記スリーブ1を介して上記回転軸に伝達される様に、その装着方向を規制する。逆に言えば、上記回転軸の回転方向に関して、上記プーリ3の回転角速度が回転軸の回転角速度よりも遅い場合には、前記ローラクラッチ5がフリーとなり、上記プーリ3と上記回転軸との間で回転力の伝達が行なわれない様にする。
【0019】
特に、先発明のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、周囲に存在する塵芥等の異物により構成各部が摩耗する事を防止して、十分な耐久性を確保できる。即ち、外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10とに対する相対回転を自在に装着したフローティングワッシャ18、18は、前記外輪11と上記各サポート軸受用内輪8、8との間に作用するスラスト荷重を支承しつつ、上記外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10との互いに対向する面が摩耗する事を防止する。即ち、前記ローラクラッチ5には、スリーブ1とプーリ3との間での回転力の伝達方向を規制する機能はあるが、これらスリーブ1とプーリ3とがスラスト方向にずれる事を防止する機能はない。又、それぞれがラジアルころ軸受である、前記各サポート軸受4、4は、大きなラジアル荷重を支承する機能を有する反面、やはり上記スリーブ1とプーリ3とがスラスト方向にずれる事を防止する機能はない。そこで、図示のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、上記各外輪側鍔部12a、12bと、内輪側鍔部10、10と、フローティングワッシャ18、18とにより、上記スリーブ1とプーリ3とがスラスト方向にずれる事を防止している。しかも、それぞれが硬質金属により造られた上記各外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10とが直接擦れ合う事を防止して、これら各鍔部12a、12b、10の摩耗防止を図ると同時に、上記スリーブ1とプーリ3との相対変位が円滑に行なわれる様にしている。
【0020】
又、上記外輪11の両端部には、それぞれシールリング19、19を内蔵している。これら各シールリング19、19は、上記外輪11の両端部内周面と上記各サポート軸受用内輪8、8の中間部外周面との間の隙間を塞ぎ、上記各サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の設置部分に塵芥等の異物が進入する事を防止する。そして、これら各サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の構成部品の摩耗防止に寄与する。特に、図示の例の場合には、これら各シールリング19、19の外側部分に、それぞれ複数段のラビリンスシールを設けている為、上記各シールリング19、19の外側に達する異物の量自体が少なくなる。この為、これら各シールリング19、19を越えて上記サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の設置部分に達する異物の量が極く少なくなる。この結果、これら各サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の構成部品の摩耗防止効果をより一層向上させる事ができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先発明のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、サポート軸受4、4及びローラクラッチ5と、比較的軸方向寸法が嵩むシールリング19、19とを、軸方向に亙って互いに直列に配置していた。この為、ローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法(厚さ寸法)が大きくなる事が避けられない。これに対して、ローラクラッチ内蔵型プーリを組み込む為の空間は限られており、特に、軸方向寸法は小さい場合が多い。この為、より軸方向寸法が小さいローラクラッチ内蔵型プーリの実現が望まれている。
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、この様な事情に鑑みて発明したものである。 【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、前述した各公報に記載される等により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリと同様に、回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した、円筒状の内周面を有するプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリとスリーブとが所定方向に相対回転する場合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とするローラクラッチとを備える。
【0023】
特に、本発明のローラクラッチ内蔵型プーリに於いては、上記プーリの軸方向端部に蓋板の外周縁部に形成した嵌合筒部を、これらプーリの軸方向端部と嵌合筒部とを直径方向に重畳させると共に、この嵌合筒部の外周面を上記プーリの軸方向端部内周面により抑え付けた状態で固定している。そして、この蓋板により上記スリーブ及びプーリの一端開口部を塞いでいる。
【0024】
【作用】
上述の様に構成する本発明のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、前述した先発明のローラクラッチ内蔵型プーリと同様に、周囲に存在する塵芥により構成各部が摩耗する事を防止して、十分な耐久性を確保できる。即ち、上記スリーブ及びプーリの一端開口部を蓋板により塞いでいるので、スリーブの外周面とプーリの内周面との間に存在する環状空間内に塵芥等の異物が入り込まない。従って、この環状空間内に設置したサポート軸受及びローラクラッチ等の構成部品が著しく摩耗する事を有効に防止できる。
しかも、上記サポート軸受及びローラクラッチと軸方向に亙り直列に配置する部材は、厚さ寸法の小さい蓋板である。従って、ローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法を小さくして、限られた空間内への設置が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本発明に関する参考例及び本発明に関する実施の形態のローラクラッチ内蔵型プーリの特徴は、軸方向寸法を抑えつつ(小さくしつつ)、サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の設置部分に異物が入り込むのを防止すべく、スリーブ1の外周面とプーリ3aの内周面との間の環状空間の両端開口部を塞ぐシール構造を工夫した点にある。サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の構造、フローティングワッシャ18、18設置部分の構造等、他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜6に示した先発明の構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明に関する参考例の特徴部分を中心に説明する。
【0026】
スリーブ1の両端部には、それぞれが断面L字形である、1対のサポート軸受用内輪8a、8aを外嵌固定している。軸受鋼等の硬質金属により造った、これら各サポート軸受用内輪8a、8aは、それぞれ円筒部9の外端縁に、外向フランジ状の内輪側鍔部10aを形成して成る。本参考例の場合には、これら各内輪側鍔部10a、10aの外径を上記プーリ3aの内径よりも大きくして、これら各内輪側鍔部10a、10aの外周縁部分とプーリ3aの軸方向端部とを、軸方向に亙って互いに重畳させている。又、上記プーリ3aの軸方向端部内径側半部には、軸方向に凹んだ環状凹部22、22を形成している。上記各内輪側鍔部10a、10aは、これら各環状凹部22、22の内径側に配置する事により、これら各内輪側鍔部10a、10aと上記プーリ3aの軸方向端部とを、直径方向に重畳させている。そして、上記内輪側鍔部10a、10aの外周縁部にその基端部である内周縁部を添着した弾性材製のシールリップ23、23の先端縁を、上記各環状凹部22、22の側面に摺接させている。
【0027】
上述の様に構成する本参考例のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、前述した先発明のローラクラッチ内蔵型プーリと同様に、周囲に存在する塵芥により構成各部が摩耗する事を防止して、十分な耐久性を確保できる。即ち、上記スリーブ1の外周面とプーリ3aの内周面との間に存在する環状空間の開口端部は、上記各内輪側鍔部10a、10aとシールリップ23、23とにより塞いでいるので、この環状空間内に塵芥等の異物が入り込まない。従って、この環状空間内に設置したサポート軸受4、4及びローラクラッチ5等の構成部品が著しく摩耗する事を有効に防止できる。
【0028】
しかも、上記サポート軸受4、4及びローラクラッチ5と軸方向に亙り直列に配置する部材は、外径側鍔部12a、12b及びフローティングワッシャ18、18の他は、厚さ寸法の小さい内輪側鍔部10a、10aのみである。前述の従来構造でこれらサポート軸受4、4及びローラクラッチ5と軸方向に亙り直列に配置していたシールリング19、19(図5)は省略しており、厚さ寸法が大きいシールリップ23、23は、上記サポート軸受4、4及びローラクラッチ5と軸方向に亙り重畳しない。従って、ローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法を小さくして、限られた空間内への設置が容易になる。尚、図示は省略するが、ローラクラッチ5を構成する為のカム面は、ローラクラッチ用内輪6の外周面に代えて、外輪11の中間部内周面に形成しても良い。
【0029】
次に、図2は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、プーリ3bの幅(軸方向寸法)をスリーブ1の幅よりも大きくしている。そして、各内輪側鍔部10a、10aの外周縁部に装着した各シールリップ23、23の外周縁を、上記プーリ3bの両端面に形成した環状凹部22、22の内周面に摺接させている。本参考例の構造は、幅の広い無端ベルトを掛け渡す必要がある場合に有効である。その他の構成及び作用は、上述した参考例の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0030】
次に、図3は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、プーリ3cに内嵌固定する外輪11a、並びにスリーブ1aの両端部に外嵌固定するサポート軸受用内輪8b、8bを、外輪側鍔部12a、12b及び内輪側鍔部10、10a(図1、2、5)を持たない、単なる円筒状に形成している。又、上記プーリ3cの両端面の直径方向中間部に、それぞれ係止溝24、24を形成している。上記プーリ3cの幅は、これら各係止溝24、24よりも外径側で広く、内径側で狭くしている。そして、これら各係止溝24、24に、それぞれ芯金25、25の外周縁部を係止している。これら各芯金25、25は、金属板を折り曲げる事により、断面L字形で全体を円環状に形成したもので、円輪状の鍔部26の外周縁に、嵌合筒部27を形成して成る。又、この鍔部26の内径は、スリーブ1aの外径よりも小さくしている。この様な芯金25は、各嵌合筒部27、27を上記各係止溝24、24に嵌合固定する事により、上記プーリ3cの両端開口部に固定している。
【0031】
上述の様に芯金25、25を上記プーリ3cの両端開口部に固定した状態で、上記各鍔部26、26の内周縁部分と上記スリーブ1aの軸方向端部とを、軸方向に亙って互いに重畳させている。又、上記スリーブ1aの軸方向端部外径側半部には、軸方向に凹んだ環状凹部22a、22aを形成している。上記各鍔部26、26は、これら各環状凹部22a、22aの外径側に配置する事により、これら各鍔部26、26と上記スリーブ1aの軸方向端部とを、直径方向に重畳させている。そして、上記鍔部26、26の内周縁部にその基端部である外周縁部を添着した弾性材製のシールリップ23a、23aの先端縁を、上記各環状凹部22a、22aの側面に摺接させている。
【0032】
又、これら各環状凹部22a、22aの側面の外径寄り部分には、それぞれ係止突条28、28を形成している。そして、これら各係止突条28、28の周囲に、それぞれフローティングワッシャ18、18を回転自在に係止している。この様に構成する本参考例の構造の場合も、サポート軸受4、4及びローラクラッチ5等の構成部品が著しく摩耗する事を有効に防止できる構造で、しかもローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法を小さくして、限られた空間内への設置が容易になる。
【0033】
次に、図4は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、プーリ3c及びスリーブ1bの一端(図4の左端)開口部を、円板状の蓋板29により塞いでいる。この蓋板29は、金属板を折り曲げる事によりシャーレ状に形成したもので、外周縁部に形成した嵌合筒部27aを上記プーリ3cの端面に形成した係止溝24に嵌合させる事により、上記プーリ3cの一端開口部を塞いでいる。又、上記スリーブ1bの一端面(図4の左端面)外径寄り部分には段部30を形成し、この段部30と上記蓋板29との間にフローティングワッシャ18を設けている。図示しない回転軸は、上記スリーブ1b内に、このスリーブ1bの他端開口側から挿入する。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第3例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0034】
【発明の効果】
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、以上に述べた通り構成され作用するので、プーリを回転駆動する為のベルトの寿命延長効果と、オルタネータと組み合わせた場合には発電効率の向上効果とを確保し、しかもローラクラッチ内蔵型プーリ自体の耐久性向上並びに小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に関する参考例の第1例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図2】
同第2例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図3】
同第3例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図4】
本発明の実施の形態の1例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図5】
先発明のローラクラッチ内蔵型プーリを、一部を模式的にして示す、部分拡大断面図。 【図6】
ローラクラッチ用内輪のみを取り出して図5の側方から見た図。
【符号の説明】
1、1a、1b スリーブ
2 雌スプライン部
3、3a、3b、3c プーリ
4 サポート軸受
5 ローラクラッチ
6 ローラクラッチ用内輪
7 カム面
8、8a、8b サポート軸受用内輪
9 円筒部
10、10a 内輪側鍔部
11、11a 外輪
12a、12b 外輪側鍔部
13 保持器
14 ローラ
15 ばね
16 保持器
17 ローラ
18 フローティングワッシャ
19 シールリング
20 芯金
21 弾性材
22、22a 環状凹部
23、23a シールリップ
24 係止溝
25 芯金
26 鍔部
27、27a 嵌合筒部
28 係止突条
29 蓋板
30 段部
【発明の名称】 ローラクラッチ内蔵型プーリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した、円筒状の内周面を有するプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリとスリーブとが所定方向に相対回転する場合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とするローラクラッチとを備えたローラクラッチ内蔵型プーリに於いて、上記プーリの軸方向端部に蓋板の外周縁部に形成した嵌合筒部を、これらプーリの軸方向端部と嵌合筒部とを直径方向に重畳させると共に、この嵌合筒部の外周面を上記プーリの軸方向端部内周面により抑え付けた状態で固定し、この蓋板により上記スリーブ及びプーリの一端開口部を塞いだ事を特徴とするローラクラッチ内蔵型プーリ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、例えば各種エンジン用補機の一種であるオルタネータの回転軸の端部に固定し、エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間にベルトを掛け渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
オルタネータ等のエンジン用補機は、例えば自動車の駆動用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリにその一部を掛け渡したベルトにより駆動する。即ち、エンジン用補機の回転軸の端部に固定した従動プーリと上記駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡し、上記エンジン用補機を、駆動用エンジンと同期して回転駆動自在とする。
【0003】
上記従動プーリとして従来一般的には、単に上記回転軸に固定しただけのものを使用していた。これに対して近年、ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在とする、ローラクラッチ内蔵型プーリが各種提案され、一部で使用されている。例えば、特開平7−31807〜8号公報、同8−61443号公報、特公平7−72585号公報、フランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様な機能を有するローラクラッチ内蔵型プーリが記載されている。
【0004】
これら各文献に記載されたローラクラッチ内蔵型プーリは、回転軸に外嵌固定自在なスリーブを有する。そして、このスリーブの周囲に、円筒状の内周面を有するプーリを、このスリーブと同心に配置している。そして、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に、1対のサポート軸受とローラクラッチとを設けている。このうちのサポート軸受は、上記プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつ、これらスリーブとプーリとの相対回転を自在とする。又、上記ローラクラッチは、上記プーリがスリーブに対して所定方向に回転する場合にのみ、プーリからスリーブへの回転力の伝達を自在とする。
【0005】
この様なローラクラッチ内蔵型プーリを使用する理由は、次の2通りである。先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命を延長する為である。例えば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記駆動プーリに掛け渡した無端ベルトの走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルトにより従動プーリを介して回転駆動されるオルタネータの回転軸は、この回転軸並びにこの回転軸に固定したロータ等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プーリを回転軸に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルトと従動プーリとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この従動プーリと擦れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルトの寿命が短くなったりする原因となる。
【0006】
そこで、この様な従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリを使用する事により、上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プーリから回転軸への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの回転角速度を上記回転軸の回転角速度よりも遅くして、上記無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、従動プーリと無端ベルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止する。
【0007】
第二の理由は、オルタネータの発電効率を向上させる為である。オルタネータのロータを固定した回転軸は、自動車の駆動用エンジンにより、無端ベルトと従動プーリとを介して回転駆動する。一般的な従動プーリを使用すると、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合に、上記ロータの回転速度も急激に低下して、上記オルタネータによる発電量も急激に減少する。これに対して、上記オルタネータに付属の従動プーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリを使用すれば、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下した場合でも、上記ロータの回転速度が慣性力により徐々に低下して、その間も発電を続ける。この結果、固定式の従動プーリを使用した場合に比べて、上記回転軸及びロータの運動エネルギを有効に利用して、オルタネータの発電量の増大を図れる。
【0008】
一方、従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、回転軸に外嵌固定するスリーブの外周面とプーリの内周面との間にサポート軸受とローラクラッチとを組み込む事に伴って必要になる、耐久性確保に関する考慮が必ずしも十分とは言えない。即ち、オルタネータ等、エンジンルーム等の内部に組み込むエンジン用補機の駆動に利用するローラクラッチ内蔵型プーリの場合、周囲空間に多くの塵芥が存在する為、耐久性を確保する為には、この塵芥が内部に入り込む事を防止すると共に、この塵芥に基づく構成各部の摩耗防止を考慮する必要がある。
【0009】
【先発明の説明】
この様な事情に鑑みて本発明者は先に、図5〜6に示す様なローラクラッチ内蔵型プーリを発明した(特願平8−319849号)。先ず、この先発明に関するローラクラッチ内蔵型プーリに就いて説明する。スリーブ1は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータ等のエンジン用補機の回転軸(図示せず)の端部に外嵌固定して、この回転軸と共に回転自在である。この為に、上記スリーブ1の中間部内周面には雌スプライン部2を形成し、この雌スプライン部2と上記回転軸の端部外周面に形成した雄スプライン部とを係合自在としている。この様なスリーブ1の周囲にはプーリ3を、このスリーブ1と同心に配置している。このプーリ3は、円筒状の内周面と段付(歯車状)の外周面とを有する。尚、外周面は、V溝等、他の形状としても良い。又、回転軸とスリーブ1との相対回転を防止する為の構造を、スプラインに代えて、ねじ、或は非円筒面同士の嵌合、キー係合等としても良い。
【0010】
これらスリーブ1の外周面とプーリ3の内周面との間には、1対のサポート軸受4、4と、1個のローラクラッチ5とを設けている。このうちのサポート軸受4、4は、上記プーリ3に加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ1とプーリ3との相対回転を自在とする。又、上記ローラクラッチ5は、このプーリ3がスリーブ1に対して所定方向に回転する場合にのみ、プーリ3とスリーブ1との間での回転力の伝達を自在とする。
【0011】
この様なローラクラッチ5を構成する為、上記スリーブ1の中間部外周面にローラクラッチ用内輪6を、締まり嵌めにより外嵌固定している。このローラクラッチ用内輪6は、軸受鋼等の硬質金属により全体を円筒状に形成し、外周面は図6に示す様な凹凸を有するカム面7としている。又、上記各サポート軸受4、4を構成する為、上記スリーブ1の両端部外周面には、それぞれサポート軸受用内輪8、8を、締まり嵌めにより外嵌固定している。やはり、軸受鋼等の硬質金属により造った、これら各サポート軸受用内輪8、8は、それぞれ円筒部9の外端縁に外向フランジ状の内輪側鍔部10を形成する事により、断面L字形で全体を円筒状に形成している。この様な各サポート軸受用内輪8、8は、上記内輪側鍔部10を互いに反対側に位置させた状態で上記スリーブ1に外嵌し、それぞれの先端縁を上記ローラクラッチ用内輪6の軸方向両端縁に突き当てている。尚、上記サポート軸受用内輪6は、上記スリーブ1の中間部外周面に、このスリーブ1と一体に形成する事もできる。
【0012】
一方、上記プーリ3の中間部には外輪11を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪11は、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材にプレス加工を施す等により、全体を円筒状に形成しており、軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側鍔部12a、12bを形成している。尚、これら両外輪側鍔部12a、12bのうち、一方(図5の左方)の外輪側鍔部12aは、他の構成各部材と組み合わせる以前に形成する為、上記外輪11の本体部分と同様の厚さ寸法を有する。これに対して、他方(図5の右方)の外輪側鍔部12bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形成する為、薄肉にしている。
【0013】
そして、前記ローラクラッチ5は、上記外輪11の中間部内周面と上記ローラクラッチ用内輪6の外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪11の中間部内周面と上記ローラクラッチ用内輪6の外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した保持器13と、それぞれ複数ずつのローラ14及びばね15とを設けている。又、保持器13の内周面は上記ローラクラッチ用内輪6のカム面7と係合させて、このローラクラッチ用内輪6に対する相対回転を阻止している。尚、この保持器13の軸方向に亙る位置決めは、上記各サポート軸受用内輪8、8の円筒部9、9の端面により上記保持器13の動きを規制する事で行なっている。又、上記ローラ14は、それぞれ上記保持器13に転動自在に保持している。又、ばね15は、それぞれ保持器13とローラ14との間に設けて、これら各ローラ14を、円周方向に関して同方向に、弾性的に押圧している。尚、図5でばね15は、直径方向から見た形状を示す為、実際に円周方向から見た場合に見える形状とは異なった状態で、摸式的に描いている。この様に、ローラクラッチ用内輪6と、外輪11と、保持器13と、それぞれ複数個ずつのローラ14及びばね15とから成る、上記ローラクラッチ5は、周知の作用に基づき、上記ローラクラッチ用内輪6を外嵌固定した前記スリーブ1と、上記外輪11を内嵌固定した前記プーリ3との間で、一方向の回転運動のみを伝達自在とする。
【0014】
又、前記各サポート軸受4、4は、前記各サポート軸受用内輪8、8と上記外輪11の軸方向両端部寄り部分とを含んで構成している。即ち、上記各サポート軸受用内輪8、8の外周面と上記外輪11の軸方向両端部寄り部分の内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円筒状に形成された保持器16と、この保持器16により転動自在に保持された複数のローラ17とを配置して、ラジアルころ軸受を構成している。
【0015】
又、前記各外輪側鍔部12a、12bの外側面と前記各内輪側鍔部10、10の内側面との間には、それぞれフローティングワッシャ18、18を、これら各外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10とに対する相対回転を自在に装着している。上記各フローティングワッシャ18、18は、銅等の自己潤滑性を有する金属、タフトライド処理した金属、或は含油メタル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円輪状に形成している。この様なフローティングワッシャ18、18は、上記各外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10との間に、緩く挟持している。又、このフローティングワッシャ18、18は、上記各サポート軸受用内輪8、8の外周面、又は上記プーリ3の内周面により案内(ラジアル方向の変位を防止)する。
【0016】
又、上記外輪11の軸方向端部内周面と上記各サポート軸受用内輪8、8の外周面との間の隙間は、それぞれシールリング19、19により塞いでいる。これら各シールリング19、19は、それぞれ芯金20と弾性材21とにより構成しており、上記外輪11の両端部内周面に、上記弾性材21の外径を弾性的に縮めた状態で、内嵌支持している。そして、各弾性材21、21にそれぞれ複数本ずつ設けたシールリップの先端縁を、上記サポート軸受用内輪8、8の中間部外周面、並びに上記各外輪側鍔部12a、12bの内側面に摺接若しくは当接させている。
【0017】
更に、上記外輪側、内輪側両鍔部12a、12b、10とフローティングワッシャ18、18とを設けた部分に、ラビリンスシールを設けている。即ち、上記各内輪側鍔部10、10の外径を、前記プーリ3の内径よりも僅かに小さくし、これら各内輪側鍔部10、10の外周縁を上記プーリ3の内周面に近接させている。又、上記各フローティングワッシャ18、18の外径を上記プーリ3の内径よりも僅かに小さくし、これら各フローティングワッシャ18、18の内径を上記各サポート軸受用内輪8、8の円筒部9、9の外径よりも僅かに大きくして、これら各フローティングワッシャ18、18の内外両周縁を、上記各円筒部9、9の外周面又は上記プーリ3の内周面に近接させている。更に、上記各外輪側鍔部12a、12bの内径を、上記各円筒部9、9の外径よりも僅かに大きくして、これら各外輪側鍔部12a、12bの内周縁と各円筒部9、9の外周面とを近接させている。これら各部材の周縁と周面との近接部分は、それぞれラビリンスシールとして機能し、周囲に存在する塵芥等の異物が、上記各シールリング19、19側に入り込む事に対する抵抗となる。
【0018】
上述の様に構成する先発明のローラクラッチ内蔵型プーリにより、例えばエンジンのクランクシャフトによりオルタネータの回転軸を回転駆動する場合には、この回転軸の端部でオルタネータのケースから突出した部分に、前記スリーブ1を外嵌固定する。そして、上記クランクシャフトの端部に固定した駆動シャフトと上記プーリ3との間に、無端ベルトを掛け渡す。この際、上記回転軸の回転方向に関して、上記プーリ3の回転角速度が回転軸の回転角速度よりも速くなる傾向の場合に、前記ローラクラッチ5がロックされ、上記プーリ3の回転が上記スリーブ1を介して上記回転軸に伝達される様に、その装着方向を規制する。逆に言えば、上記回転軸の回転方向に関して、上記プーリ3の回転角速度が回転軸の回転角速度よりも遅い場合には、前記ローラクラッチ5がフリーとなり、上記プーリ3と上記回転軸との間で回転力の伝達が行なわれない様にする。
【0019】
特に、先発明のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、周囲に存在する塵芥等の異物により構成各部が摩耗する事を防止して、十分な耐久性を確保できる。即ち、外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10とに対する相対回転を自在に装着したフローティングワッシャ18、18は、前記外輪11と上記各サポート軸受用内輪8、8との間に作用するスラスト荷重を支承しつつ、上記外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10との互いに対向する面が摩耗する事を防止する。即ち、前記ローラクラッチ5には、スリーブ1とプーリ3との間での回転力の伝達方向を規制する機能はあるが、これらスリーブ1とプーリ3とがスラスト方向にずれる事を防止する機能はない。又、それぞれがラジアルころ軸受である、前記各サポート軸受4、4は、大きなラジアル荷重を支承する機能を有する反面、やはり上記スリーブ1とプーリ3とがスラスト方向にずれる事を防止する機能はない。そこで、図示のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、上記各外輪側鍔部12a、12bと、内輪側鍔部10、10と、フローティングワッシャ18、18とにより、上記スリーブ1とプーリ3とがスラスト方向にずれる事を防止している。しかも、それぞれが硬質金属により造られた上記各外輪側鍔部12a、12bと内輪側鍔部10、10とが直接擦れ合う事を防止して、これら各鍔部12a、12b、10の摩耗防止を図ると同時に、上記スリーブ1とプーリ3との相対変位が円滑に行なわれる様にしている。
【0020】
又、上記外輪11の両端部には、それぞれシールリング19、19を内蔵している。これら各シールリング19、19は、上記外輪11の両端部内周面と上記各サポート軸受用内輪8、8の中間部外周面との間の隙間を塞ぎ、上記各サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の設置部分に塵芥等の異物が進入する事を防止する。そして、これら各サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の構成部品の摩耗防止に寄与する。特に、図示の例の場合には、これら各シールリング19、19の外側部分に、それぞれ複数段のラビリンスシールを設けている為、上記各シールリング19、19の外側に達する異物の量自体が少なくなる。この為、これら各シールリング19、19を越えて上記サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の設置部分に達する異物の量が極く少なくなる。この結果、これら各サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の構成部品の摩耗防止効果をより一層向上させる事ができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先発明のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、サポート軸受4、4及びローラクラッチ5と、比較的軸方向寸法が嵩むシールリング19、19とを、軸方向に亙って互いに直列に配置していた。この為、ローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法(厚さ寸法)が大きくなる事が避けられない。これに対して、ローラクラッチ内蔵型プーリを組み込む為の空間は限られており、特に、軸方向寸法は小さい場合が多い。この為、より軸方向寸法が小さいローラクラッチ内蔵型プーリの実現が望まれている。
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、この様な事情に鑑みて発明したものである。 【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、前述した各公報に記載される等により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリと同様に、回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した、円筒状の内周面を有するプーリと、これらスリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記スリーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリとスリーブとが所定方向に相対回転する場合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とするローラクラッチとを備える。
【0023】
特に、本発明のローラクラッチ内蔵型プーリに於いては、上記プーリの軸方向端部に蓋板の外周縁部に形成した嵌合筒部を、これらプーリの軸方向端部と嵌合筒部とを直径方向に重畳させると共に、この嵌合筒部の外周面を上記プーリの軸方向端部内周面により抑え付けた状態で固定している。そして、この蓋板により上記スリーブ及びプーリの一端開口部を塞いでいる。
【0024】
【作用】
上述の様に構成する本発明のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、前述した先発明のローラクラッチ内蔵型プーリと同様に、周囲に存在する塵芥により構成各部が摩耗する事を防止して、十分な耐久性を確保できる。即ち、上記スリーブ及びプーリの一端開口部を蓋板により塞いでいるので、スリーブの外周面とプーリの内周面との間に存在する環状空間内に塵芥等の異物が入り込まない。従って、この環状空間内に設置したサポート軸受及びローラクラッチ等の構成部品が著しく摩耗する事を有効に防止できる。
しかも、上記サポート軸受及びローラクラッチと軸方向に亙り直列に配置する部材は、厚さ寸法の小さい蓋板である。従って、ローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法を小さくして、限られた空間内への設置が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本発明に関する参考例及び本発明に関する実施の形態のローラクラッチ内蔵型プーリの特徴は、軸方向寸法を抑えつつ(小さくしつつ)、サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の設置部分に異物が入り込むのを防止すべく、スリーブ1の外周面とプーリ3aの内周面との間の環状空間の両端開口部を塞ぐシール構造を工夫した点にある。サポート軸受4、4及びローラクラッチ5の構造、フローティングワッシャ18、18設置部分の構造等、他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜6に示した先発明の構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明に関する参考例の特徴部分を中心に説明する。
【0026】
スリーブ1の両端部には、それぞれが断面L字形である、1対のサポート軸受用内輪8a、8aを外嵌固定している。軸受鋼等の硬質金属により造った、これら各サポート軸受用内輪8a、8aは、それぞれ円筒部9の外端縁に、外向フランジ状の内輪側鍔部10aを形成して成る。本参考例の場合には、これら各内輪側鍔部10a、10aの外径を上記プーリ3aの内径よりも大きくして、これら各内輪側鍔部10a、10aの外周縁部分とプーリ3aの軸方向端部とを、軸方向に亙って互いに重畳させている。又、上記プーリ3aの軸方向端部内径側半部には、軸方向に凹んだ環状凹部22、22を形成している。上記各内輪側鍔部10a、10aは、これら各環状凹部22、22の内径側に配置する事により、これら各内輪側鍔部10a、10aと上記プーリ3aの軸方向端部とを、直径方向に重畳させている。そして、上記内輪側鍔部10a、10aの外周縁部にその基端部である内周縁部を添着した弾性材製のシールリップ23、23の先端縁を、上記各環状凹部22、22の側面に摺接させている。
【0027】
上述の様に構成する本参考例のローラクラッチ内蔵型プーリの場合には、前述した先発明のローラクラッチ内蔵型プーリと同様に、周囲に存在する塵芥により構成各部が摩耗する事を防止して、十分な耐久性を確保できる。即ち、上記スリーブ1の外周面とプーリ3aの内周面との間に存在する環状空間の開口端部は、上記各内輪側鍔部10a、10aとシールリップ23、23とにより塞いでいるので、この環状空間内に塵芥等の異物が入り込まない。従って、この環状空間内に設置したサポート軸受4、4及びローラクラッチ5等の構成部品が著しく摩耗する事を有効に防止できる。
【0028】
しかも、上記サポート軸受4、4及びローラクラッチ5と軸方向に亙り直列に配置する部材は、外径側鍔部12a、12b及びフローティングワッシャ18、18の他は、厚さ寸法の小さい内輪側鍔部10a、10aのみである。前述の従来構造でこれらサポート軸受4、4及びローラクラッチ5と軸方向に亙り直列に配置していたシールリング19、19(図5)は省略しており、厚さ寸法が大きいシールリップ23、23は、上記サポート軸受4、4及びローラクラッチ5と軸方向に亙り重畳しない。従って、ローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法を小さくして、限られた空間内への設置が容易になる。尚、図示は省略するが、ローラクラッチ5を構成する為のカム面は、ローラクラッチ用内輪6の外周面に代えて、外輪11の中間部内周面に形成しても良い。
【0029】
次に、図2は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、プーリ3bの幅(軸方向寸法)をスリーブ1の幅よりも大きくしている。そして、各内輪側鍔部10a、10aの外周縁部に装着した各シールリップ23、23の外周縁を、上記プーリ3bの両端面に形成した環状凹部22、22の内周面に摺接させている。本参考例の構造は、幅の広い無端ベルトを掛け渡す必要がある場合に有効である。その他の構成及び作用は、上述した参考例の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0030】
次に、図3は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、プーリ3cに内嵌固定する外輪11a、並びにスリーブ1aの両端部に外嵌固定するサポート軸受用内輪8b、8bを、外輪側鍔部12a、12b及び内輪側鍔部10、10a(図1、2、5)を持たない、単なる円筒状に形成している。又、上記プーリ3cの両端面の直径方向中間部に、それぞれ係止溝24、24を形成している。上記プーリ3cの幅は、これら各係止溝24、24よりも外径側で広く、内径側で狭くしている。そして、これら各係止溝24、24に、それぞれ芯金25、25の外周縁部を係止している。これら各芯金25、25は、金属板を折り曲げる事により、断面L字形で全体を円環状に形成したもので、円輪状の鍔部26の外周縁に、嵌合筒部27を形成して成る。又、この鍔部26の内径は、スリーブ1aの外径よりも小さくしている。この様な芯金25は、各嵌合筒部27、27を上記各係止溝24、24に嵌合固定する事により、上記プーリ3cの両端開口部に固定している。
【0031】
上述の様に芯金25、25を上記プーリ3cの両端開口部に固定した状態で、上記各鍔部26、26の内周縁部分と上記スリーブ1aの軸方向端部とを、軸方向に亙って互いに重畳させている。又、上記スリーブ1aの軸方向端部外径側半部には、軸方向に凹んだ環状凹部22a、22aを形成している。上記各鍔部26、26は、これら各環状凹部22a、22aの外径側に配置する事により、これら各鍔部26、26と上記スリーブ1aの軸方向端部とを、直径方向に重畳させている。そして、上記鍔部26、26の内周縁部にその基端部である外周縁部を添着した弾性材製のシールリップ23a、23aの先端縁を、上記各環状凹部22a、22aの側面に摺接させている。
【0032】
又、これら各環状凹部22a、22aの側面の外径寄り部分には、それぞれ係止突条28、28を形成している。そして、これら各係止突条28、28の周囲に、それぞれフローティングワッシャ18、18を回転自在に係止している。この様に構成する本参考例の構造の場合も、サポート軸受4、4及びローラクラッチ5等の構成部品が著しく摩耗する事を有効に防止できる構造で、しかもローラクラッチ内蔵型プーリ全体としての軸方向寸法を小さくして、限られた空間内への設置が容易になる。
【0033】
次に、図4は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、プーリ3c及びスリーブ1bの一端(図4の左端)開口部を、円板状の蓋板29により塞いでいる。この蓋板29は、金属板を折り曲げる事によりシャーレ状に形成したもので、外周縁部に形成した嵌合筒部27aを上記プーリ3cの端面に形成した係止溝24に嵌合させる事により、上記プーリ3cの一端開口部を塞いでいる。又、上記スリーブ1bの一端面(図4の左端面)外径寄り部分には段部30を形成し、この段部30と上記蓋板29との間にフローティングワッシャ18を設けている。図示しない回転軸は、上記スリーブ1b内に、このスリーブ1bの他端開口側から挿入する。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第3例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0034】
【発明の効果】
本発明のローラクラッチ内蔵型プーリは、以上に述べた通り構成され作用するので、プーリを回転駆動する為のベルトの寿命延長効果と、オルタネータと組み合わせた場合には発電効率の向上効果とを確保し、しかもローラクラッチ内蔵型プーリ自体の耐久性向上並びに小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に関する参考例の第1例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図2】
同第2例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図3】
同第3例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図4】
本発明の実施の形態の1例を、一部を省略して示す、部分拡大断面図。
【図5】
先発明のローラクラッチ内蔵型プーリを、一部を模式的にして示す、部分拡大断面図。 【図6】
ローラクラッチ用内輪のみを取り出して図5の側方から見た図。
【符号の説明】
1、1a、1b スリーブ
2 雌スプライン部
3、3a、3b、3c プーリ
4 サポート軸受
5 ローラクラッチ
6 ローラクラッチ用内輪
7 カム面
8、8a、8b サポート軸受用内輪
9 円筒部
10、10a 内輪側鍔部
11、11a 外輪
12a、12b 外輪側鍔部
13 保持器
14 ローラ
15 ばね
16 保持器
17 ローラ
18 フローティングワッシャ
19 シールリング
20 芯金
21 弾性材
22、22a 環状凹部
23、23a シールリップ
24 係止溝
25 芯金
26 鍔部
27、27a 嵌合筒部
28 係止突条
29 蓋板
30 段部
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9315103A JPH11148549A (ja) | 1997-11-17 | 1997-11-17 | ローラクラッチ内蔵型プーリ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9315103A JPH11148549A (ja) | 1997-11-17 | 1997-11-17 | ローラクラッチ内蔵型プーリ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11148549A JPH11148549A (ja) | 1999-06-02 |
| JPH11148549A5 true JPH11148549A5 (ja) | 2005-05-12 |
Family
ID=18061463
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9315103A Pending JPH11148549A (ja) | 1997-11-17 | 1997-11-17 | ローラクラッチ内蔵型プーリ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11148549A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2391049B (en) * | 2002-07-23 | 2006-05-31 | Nsk Europ Technology Co Ltd | A unit combining a rolling-element rotary bearing and a uni-directional clutch |
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-
1997
- 1997-11-17 JP JP9315103A patent/JPH11148549A/ja active Pending
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