JPH11158052A - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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JPH11158052A
JPH11158052A JP34446997A JP34446997A JPH11158052A JP H11158052 A JPH11158052 A JP H11158052A JP 34446997 A JP34446997 A JP 34446997A JP 34446997 A JP34446997 A JP 34446997A JP H11158052 A JPH11158052 A JP H11158052A
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sodium
weight
polycarboxylic acid
acid
amount
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JP34446997A
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Masaaki Iwata
正明 岩田
Isao Minemoto
勲 峰本
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗歯石効果に優れ、安全性の高い口腔用組成
物を提供する。 【解決手段】 無水グルコースを構成単位とする多糖類
から誘導されるポリカルボン酸又はその塩と、非カチオ
ン性抗菌物質とを併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良された抗歯石
効果を有し、安全性の高い口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】歯石は
歯面、歯間部、あるいは歯肉辺縁部に沈着した石灰質の
堆積物であり、口腔部の容貌を大きく損ねる原因とな
る。更に、歯石は非常に粗な表面を持つため、口腔内細
菌の定着あるいは歯垢の付着を促進し、種々の口腔内疾
患の加速要因になると言われている。
【0003】歯石形成過程の詳細については必ずしも明
らかにされているわけではないが、歯面に存在するプラ
ークを構成する細菌あるいは粘着性デキストラン等の有
機基質に、唾液や浸出液から供給されるカルシウム及び
リンが吸着し、これが結晶化するプラークの石灰化現象
ととらえることができる。そして、その無機成分はハイ
ドロキシアパタイト様の石灰化物である。従って、プラ
ーク中に沈着したリン酸カルシウム分がハイドロキシア
パタイト結晶に転移し、更に成長していくのを抑制する
ことにより歯石の形成を抑制することができる。
【0004】従来、このような考えのもとに歯石形成の
予防に対する可溶性リン酸塩の効果が報告されている
[アーカイブ・オーラル・バイオロジー(Arch.O
ral.Biol.)Vol.15,p893〜896
(1970)]。更に、特開昭52−108029号公
報、特開昭59−42311号公報等には、ピロリン酸
塩、ポリリン酸塩等の縮合リン酸塩による歯石予防法、
特開昭49−118839号公報、特開平4−3343
14号公報等には、縮合リン酸と類似の化学構造を有す
るジホスホネート化合物を使用した歯石予防法が提案さ
れている。
【0005】しかし、縮合リン酸塩は口腔内でのリン酸
加水分解酵素による有効性の低下という問題が存在し、
有効性を維持するために製品処方を複雑化している。ま
た、ジホスホネート化合物は高いカルシウム溶出性のた
め実用化には至っていない。
【0006】歯石の前駆物質である歯垢の形成を抑制す
る抗菌物質を併用することで歯石予防効果の向上を行う
方法も提案されている。例えば、米国特許第40228
80号には、抗歯石物質として亜鉛イオンを与える化合
物と抗菌物質との併用が示されている。特開昭63−2
58404号公報には、抗歯石物質として縮合リン酸塩
と非カチオン系の抗菌物質との併用が記載されている。
【0007】しかし、亜鉛イオンは多量に配合される
と、味の劣化、あるいは口腔用組成物で汎用されるフッ
素化合物との反応等の問題がある。
【0008】非カチオン系の抗菌物質は、他成分との相
溶性が良いため種々の目的で口腔用組成物に応用されて
いる。例えば、2,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロ
キシジフェニルエーテル(トリクロサン)は、特開昭6
0−239409号公報においてラメラ液晶を形成する
界面活性剤との併用による歯垢形成抑制効果が開示され
ている。トリクロサンとアニオン性高分子との併用につ
いては、特開平2−288819号公報及び特開平6−
192060号公報に、ポリビニルカルボン酸系高分
子、ポリビニルホスホン酸系高分子、あるいは合成架橋
型アニオン性高分子との併用による抗菌活性の増強が開
示され、更に、特開平4−139118号公報にはアル
ギン酸塩、ペクチン、シクロデキストリンあるいはキチ
ン等の多糖類との併用による口腔内滞留性の改善が、ま
た特開平7−187975号公報にはアルギン酸及びキ
サンタンガムとの併用による口腔内滞留性の改善が提案
されている。しかし、これらはいずれもトリクロサンの
抗菌力に関するものであり、歯石形成抑制に関する効果
については触れられていない。
【0009】多糖類の酸化生成物については、特公昭4
9−1281号公報、特開昭60−226502号公
報、特開昭62−247837号公報、特開平4−17
5301号公報、あるいは特開平4−233901号公
報等に記載がみられるが、ハイドロキシアパタイトの結
晶生成抑制作用及び歯石形成抑制作用に関する記述は認
められない。
【0010】このように歯石形成抑制効果を有する口腔
用組成物は種々提案されているが、近年、口腔衛生意識
の高まりを反映して、より高い抗歯石効果を有する口腔
用組成物の開発が望まれている。
【0011】一方、口腔用組成物が人の口腔内で使用さ
れることを考慮したとき、高安全性に加えて味の良さ、
味覚への影響のなさが重要な特性となる。縮合リン酸塩
等の無機塩類は多量に配合したとき、塩味、苦味等の不
快味を呈するという問題がある。
【0012】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
歯垢を形成する細菌に対する高い抗菌活性を有すると共
に、優れたハイドロキシアパタイトの結晶生成抑制活性
を有し、歯石予防効果が高く、しかも安全性の高い口腔
用組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、無水グルコースを構成単位とする多糖類から誘導
されるポリカルボン酸又はその塩が優れたハイドロキシ
アパタイト結晶生成抑制活性を有すること、更に、歯石
の前駆物質である歯垢を形成する口腔内細菌に対し高い
抗菌活性を示す非カチオン性抗菌物質を併用すること
で、より効果的な歯石予防を図ることができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液状歯磨等の
歯磨、洗口剤、チューインガム、うがい用錠剤、義歯用
洗浄剤などとして調製、適用されるものであって、歯石
形成抑制有効成分として無水グルコースを構成単位とす
る多糖類から誘導されるポリカルボン酸又はその塩から
選ばれる1種あるいは2種以上と非カチオン性抗菌物質
とを必須成分とする。
【0015】本発明に使用される無水グルコースを構成
単位とする多糖類から誘導されるポリカルボン酸又はそ
の塩は、上記多糖類を既存の酸化剤で酸化することで得
られたものを使用することができるが、遷移金属触媒の
存在下に次亜ハロゲン酸塩又はサラシ粉等の酸化剤で酸
化する方法で合成したものを使用することが好ましい。
【0016】ここで、無水グルコースを構成単位とする
多糖類としては、特に限定はないが、例えば澱粉、デキ
ストリン、セルロース、もしくはこれらの加水分解物、
又は澱粉を分画して得られるアミロースやアミロペクチ
ン等が挙げられ、これらを単独であるいは2種以上混合
して使用することができる。これらの多糖類の起源も特
に限定されず、例えば、澱粉の場合には、トウモロコシ
澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉等が、セルロー
スの場合には、針葉樹、広葉樹、綿等から得られるセル
ロースを使用することができる。これらの多糖類のう
ち、入手の容易さや経済性より澱粉あるいはセルロース
の使用が好ましく、特に澱粉の使用が好ましい。
【0017】遷移金属触媒としては、例えばRu,O
s,Rh,Ir,Pt,Pd等が挙げられるが、好まし
くはルテニウム触媒又はオスミニウム触媒である。これ
らの金属触媒は、塩化物、硫化物、酸化物のような形で
も、あるいは金属元素のままで使用しても差し支えな
い。
【0018】遷移金属触媒の使用量は、多糖類の無水グ
ルコース単位に対して0.05〜10モル%、特に0.
1〜7モル%が好ましい。
【0019】酸化剤としては、次亜ハロゲン酸塩(例え
ばNa塩,K塩,Ca塩,Mg塩等)又はサラシ粉の使
用が好ましく、特に好ましくは次亜ハロゲン酸塩であ
る。
【0020】上記酸化剤の使用量は、最終的に得ようと
するポリカルボン酸中のカルボキシル基の含有量によっ
て異なるが、多糖類の無水グルコース単位当たり通常
3.5〜12倍モル、特に4〜9倍モルが好ましい。
【0021】本発明に使用される無水グルコースを構成
単位とする多糖類から誘導されるポリカルボン酸又はそ
の塩は、無水グルコースを構成単位とする多糖類と遷移
金属触媒を水に分散し、この分散液のpHを一定の範囲
に保ちながら、上記酸化剤を添加することにより製造す
ることができる。この場合、酸化剤の添加方法は、通常
連続的に又は分割して添加される。
【0022】上記酸化反応条件は特に制限はないが、通
常10〜50℃で2〜8時間とすることができる。
【0023】また、反応時のpHは6〜13、特に7〜
12の範囲に保たれることが好ましい。pHの調整は、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキ
ルアミン、アルカノールアミン等のアミン類を用いて行
うことができるが、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムの使用が好ましい。
【0024】無水グルコースを構成単位とする多糖類か
ら誘導されるポリカルボン酸は、カルボキシル基が酸の
状態のものでも、アルカリ金属、アンモニウム又はアミ
ン等との塩の状態のものでも使用することができる。な
お、塩としては具体的には、Na,K,Li等のアルカ
リ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン、アルカノ
ールアミン等のアミン塩が例示されるが、製造上の容易
さからNa塩,K塩が好ましい。また、カルボキシル基
の一部だけが塩になっていてもよい。
【0025】無水グルコースを構成単位とする多糖類か
ら誘導されるポリカルボン酸は、反応条件を適当に選択
することで、重量平均分子量や反応前の1グルコース単
位当たりに導入される平均カルボキシル基数を適宜変化
させることができる。
【0026】上記ポリカルボン酸又はその塩は、反応前
の無水グルコース単位当たりに導入される平均カルボキ
シル基数にも特に限定はないが、酸型のポリカルボン酸
を中和滴定するに要する水酸化ナトリウムが、ポリカル
ボン酸1g当たり417mg以上、特に435mg以上
となるものが好ましく、220mg未満では満足なハイ
ドロキシアパタイト結晶生成抑制効果が得られない場合
がある。
【0027】上記ポリカルボン酸又はその塩の重量平均
分子量は特に制限はないが、1000〜100000が
好ましく、特に2000〜20000が好ましい。重量
平均分子量が1000よりも小さいか又は100000
より大きくなると、歯石予防効果が低下する場合があ
る。
【0028】本発明で得られるポリカルボン酸は、その
構造が複雑なため、明確な構造式を示すのは困難である
が、澱粉を原料とした場合に、一般式で表示すると下記
の式(1)のように表され、中和滴定に要する水酸化ナ
トリウムの量から推定すると、無水グルコース単位当た
り、平均して2.1個のカルボキシル基を有するポリカ
ルボン酸であるといえる。
【0029】
【化1】
【0030】その理由は、例えば無水グルコースのC2
−C3結合が酸化開裂して生じる無水グルコース当たり
2個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸(即ち、
ジカルボキシル多糖、上記の構造式p=0,n=0に相
当する)の場合は、中和滴定に要する水酸化ナトリウム
の量は、酸型ポリカルボン酸1g当たり417mgにし
かならないからである。
【0031】上記ポリカルボン酸又はその塩の配合量は
特に制限されないが、組成物全体に対し0.01〜10
重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%
である。配合量が0.01重量%に満たないとハイドロ
キシアパタイト結晶生成抑制活性が十分でない場合があ
り、10重量%を超えると口腔用組成物の安定性を劣化
させる場合がある。
【0032】本発明のもう一方の必須成分である非カチ
オン性抗菌物質としては、ハロゲン化されたジフェニル
エーテル、ハロゲン化されたサリチルアニリド、安息香
酸エステル、ハロゲン化されたカルバニリドあるいはフ
ェノール化合物を挙げることができるが、ここに記した
ものに限定されるものではない。非カチオン性抗菌物質
は、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用する
ことができる。これらの非カチオン性抗菌物質のうち、
非イオン性の抗菌剤が好ましく、特にハロゲン化された
ジフェニルエーテル、例えば2,4,4’−トリクロロ
−2−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)
の使用が好ましい。
【0033】非カチオン性抗菌物質の配合量は必ずしも
制限されないが、組成物全体に対し0.01〜5重量%
が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量%で
ある。配合量が0.01重量%に満たないと満足な効果
が発揮されない場合があり、5重量%を超えると組成物
の使用感あるいは味に好ましくない影響を与える場合が
ある。
【0034】本発明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯
磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口液、口中清涼剤、うがい
用錠剤、義歯用洗浄剤、チューインガム等の形態とする
ことができ、それぞれの組成物は、特徴に応じその他の
成分を本発明の効果を損ねない範囲で使用し、通常の方
法で調製することができる。任意成分としては、例えば
歯磨を調製する場合、リン酸水素カルシウム二水和物、
リン酸水素カルシウム無水物、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸等の研磨
剤、グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール等
の粘稠剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カ
ラギナン、キサンタンガム等の粘結剤、ラウリル硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤、サッカリン等の甘味剤、その
他防腐剤、香料、着色剤、pH調整剤、賦形剤、各種薬
効成分等を配合することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、無水グルコースを構成
単位とする多糖類から誘導されるポリカルボン酸又はそ
の塩から選ばれる1種又は2種以上と、非カチオン性抗
菌物質とを必須成分としたことにより、歯石の前駆物質
である歯垢を形成する細菌に対し高い抗菌活性を示すと
共に、ハイドロキシアパタイト結晶生成抑制活性が高
く、極めて優れた歯石予防効果を有し、更に安全性上の
問題もない口腔用組成物を得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、以下の例中で、「重量平均分子
量」を「MW」、「カルボキシル基含有量」を「C含有
量」と省略して記載する。
【0037】〔実験例1〕撹拌機、酸化剤滴下ロート、
水酸化ナトリウム水溶液滴下口、pH電極、温度計を取
り付けた500mL容のセパラブルフラスコに、絶乾重
量で10gのトウモロコシ澱粉と、イオン交換水100
g及びRuCl3・nH2O(Ru含有量38重量%)
0.49g(澱粉の無水グルコース単位に対して3モル
%)を秤りとった。次いで20℃の水浴で冷却し、内温
が20℃になった時点で、12重量%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液230g(澱粉の無水グルコース単位に対
して6倍モル)を3時間にわたって添加した。この間、
pHスタットを用いて、2規定の水酸化ナトリウム水溶
液を添加し、系内のpHを9にコントロールした。
【0038】次亜塩素酸ナトリウムの添加後、更に2時
間撹拌を続け、次いで約1Lのエタノール中に反応混合
液をゆっくり注ぎ、反応生成物を沈澱させた。得られた
沈澱を150mLのイオン交換水に溶解し、イオン交換
水で5日間拡散透析を行って精製した後、凍結乾燥によ
りポリカルボン酸(1)のナトリウム塩の粉末7.5g
を得た。
【0039】得られたポリカルボン酸(1)ナトリウム
について、以下に示す方法により求めたC含有量は52
1mgであり、MWは5800であった。
【0040】更に、表1に示すように多糖類の種類、触
媒の種類・量、酸化剤種類及び量、反応時のpH等の反
応条件を変化させて、上記と同様にしてポリカルボン酸
(2)〜(7)の塩を得た。
【0041】カルボキシル基の含有量(C含有量)測定
酸型のポリカルボン酸約0.2g(絶乾重量)を精秤し
て、200mL容のコニカルビーカーに秤りとり、イオ
ン交換水約50mLを加えて溶解し、フェノールフタレ
インを指示薬として、1/10規定の水酸化ナトリウム
標準液で滴定した。酸型のポリカルボン酸1gを中和す
るに要する水酸化ナトリウムのmgとしてC含有量を表
示した。
【0042】C含有量を測定しようとするポリカルボン
酸の一部又は全部が塩の形になっていることが明らかな
場合には、ポリカルボン酸塩の約1重量%水溶液を調製
し、カチオン交換樹脂(DOWEX50W−X18)を
充填したカラム中に流し、カチオン交換を行うことによ
り、酸型のポリカルボン酸に変換した。なお、カチオン
交換樹脂は、ポリカルボン酸の1重量%水溶液1g当た
り10mL使用した。
【0043】重量平均分子量(MW)の測定法 C含有量の測定に使用したのと同一のポリカルボン酸粉
末約5mgを、0.3モル/Lの塩化ナトリウムを含む
0.1モル/Lリン酸緩衝液(pH7)5mLに溶解
し、以下に示す条件でGPCにより測定し、重量平均分
子量で表示した。 使用カラム:東ソー社製 G−4000PW+G−25
00PW 溶 離 液:0.3モル/Lの塩化ナトリウムを含む
0.1モル/Lリン酸緩衝液(pH7) 溶離速度 :0.5mL/分 カラム温度:40℃ サンプル注入量:200μL 検 量 線:ポリサイエンス社製標準ポリアクリル酸ナ
トリウム(重量平均分子量2100、5000、200
00、35000、165300)を使用
【0044】
【表1】
【0045】次に、表2に示すように、上記の方法で得
たポリカルボン酸(1)〜(7)の塩、アルギン酸ナト
リウムをアルカリ加水分解した後、透析により分子量分
布を1000〜10000とした低分子量アルギン酸ナ
トリウム、カルボキシセルロースナトリウムをアルカリ
加水分解した後、透析により分子量分布を1000〜1
0000とした低分子量カルボキシセルロースナトリウ
ム、ポリアクリル酸ナトリウム(MW約200000)
及びメトキシエチレン・マレイン酸ナトリウム共重合体
(MW約70000)を用い、インビトロ(in vi
tro)におけるハイドロキシアパタイト結晶の生成に
対する抑制効果を下記方法で評価した。結果を表2に示
す。
【0046】ハイドロキシアパタイト結晶の生成に対す
る抑制効果評価方法 上記各成分を表2に示す濃度で含む4mMリン酸ナトリ
ウム溶液24mLに、4mM塩化カルシウム溶液1mL
を加え、析出した不定形のリン酸カルシウムが転移して
ハイドロキシアパタイト結晶を生成するまでの時間に及
ぼす効果を測定した。評価は、下記反応式1−(b)に
示すハイドロキシアパタイトへの転移反応で消費された
OHイオンを補給するために滴下された0.1規定水酸
化ナトリウム溶液の経時変化を測定することにより行っ
た。なお、コントロールとしては、上記各成分の代わり
に蒸留水を添加したリン酸ナトリウム溶液を用いた。下
記反応式1にカルシウムイオンとリン酸イオンからハイ
ドロキシアパタイトの生成する反応を示した。下記反応
式1−(a)は不定形のリン酸カルシウムの生成反応で
あり、下記反応式1−(b)は不定形のリン酸カルシウ
ムからハイドロキシアパタイト結晶への転移反応であ
る。カルシウムイオンとリン酸イオンが接触すると、瞬
時に式1−(a)の反応が起こり、引き続いて式1−
(b)の転移反応が徐々に進行する。これらはいずれも
反応の進行と共にOHイオンが消費され、溶液は酸性に
変化していく。このOHイオンの消費量は、溶液のpH
を常に一定に保つために外部より加えられる水酸化ナト
リウム溶液の添加量をモニターすることにより知ること
ができる。反応の進行と水酸化ナトリウム溶液の添加量
との関係を図1に示した。ここで、の変化は式1−
(a)の不定形リン酸カルシウムの形成に対応する。ま
た、の変化は式1−(b)の不定形リン酸カルシウム
が転移してハイドロキシアパタイト結晶が生成する反応
に対応する。
【0047】即ち、式1−(a)の反応後、式1−
(b)の反応が始まるまでの時間(以後、Thapと記
載する)が長いほど、ハイドロキシアパタイト結晶の生
成が抑えられている。
【0048】
【数1】
【0049】
【表2】
【0050】表2の結果より、無水グルコースを構成単
位とする多糖類から誘導されたポリカルボン酸塩(括弧
内の数字は実験例で得たポリカルボン酸のNo.であ
る。以下同様。)は、低分子量化したアニオン性多糖類
や比較的大きな分子量の合成高分子化合物に比べて、ハ
イドロキシアパタイト結晶が生成するまでの時間(Th
ap)が非常に長く、高いハイドロキシアパタイト結晶
生成抑制効果のあることがわかった。
【0051】〔実験例2〕下記の歯磨組成中に実験例1
で調製したポリカルボン酸(1)ナトリウムとトリクロ
サン(以下、TCと略す。)、チモール(以下、THと
略す。)、ヒノキチオール(以下、HIと略す。)及び
口腔用組成物で汎用される塩化セチルピリジニウム(以
下、CPCと略す)を抗菌物質として表3に示す配合量
で添加した。これらの歯磨を40℃,1週間保存した
後、3倍の水で希釈し、遠心分離を行った上清液を試験
溶液として、以下に示す方法で各種細菌に対するインビ
トロにおける抗菌力を評価した。結果を表3に示す。
【0052】 <歯磨組成> シリカ 15 % 60%ソルビトール液 25 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 サッカリンナトリウム 0.15 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 ポリカルボン酸(1)ナトリウム 表3に示す量 抗菌物質 表3に示す量 精製水 残 計 100.0 %
【0053】口腔内細菌に対する抗菌力評価法 液体培地4mLが入った試験管(13×100mm)
に、段階的に変えた試験溶液0.04mLを加え混合
し、1昼夜前培養した各菌液0.04mLを添加撹拌し
た。これを37℃で3日間嫌気培養の後、550nmに
おける吸光度により菌の発育量を測定した。吸光度0.
05未満を有効とし、最小発育阻止濃度(MIC)を求
めた。なお、各抗菌物質の最小発育阻止濃度は試験溶液
の希釈率から算出した。
【0054】使用菌株及び液体培地組成 ストレプトコッカス・ミュータンス 10449(Streptococcus mutans 10449(以下、Smと略す。)) 培地:トッド・ヘウィット・ブロス(以下、THBと略す。)3% ストレプトコッカス・サンギス 10558(Streptococcus s anguis 10558(以下、Ssと略す。)) 培地:THB 3% アクチノマイセス・ビスコーサス T14V(Actinomyces vis cosus T14V(以下、Avと略す。)) 培地:THB 3% ポルフィロモナス・ジンジバリス 381(Porphyromonas gi ngivalis 381(以下、Pgと略す。)) 培地:THB 3% ヘミン 3 ppm メナジオン 0.5ppm
【0055】
【表3】
【0056】表3に示すように、非カチオン性抗菌物質
はポリカルボン酸(1)ナトリウムと併用しても、歯垢
形成に関与している微生物に対し高い抗菌力を保持して
いる。
【0057】〔実験例3〕実験例1で調製したポリカル
ボン酸(1)ナトリウム及び非カチオン性抗菌物質とし
てトリクロサンを使用し、表4に示す組成の含嗽液を調
製した。これらの含嗽液を使用し、喫煙習慣のない成人
男性20名によるインジチュウ(in situ)にお
ける歯石形成抑制効果を下記の方法で評価した。結果の
平均値を表4に示す。
【0058】歯石形成に対する抑制効果評価方法 下顎前歯舌側に嵌合し舌側面中央部に一定の面積を有す
るポリエステルフィルムを貼付した樹脂製マウスピース
を作成した。マウスピースを口腔内下顎前歯舌側部に1
日8時間装着し、その間に含嗽液を使用した洗口を2回
行った。1回の洗口は約10mLの含嗽液を使用し30
秒間行った。これを5日間連続して行った後、マウスピ
ースに貼付したポリエステルフィルム上に沈着した付着
物に含まれるカルシウム量及びアミノ態窒素量を定量し
た。カルシウム量は歯石量の指標であり、カルシウム量
とアミノ態窒素量の比(以下、Ca/Nと略す。)は、
付着物中の灰分と有機分の比率を示す指標となり、付着
物の石灰化(歯石化)の程度を示す。即ち、カルシウム
量の減少とCa/Nの低下は、歯石の形成抑制を示して
いる。
【0059】
【表4】
【0060】表4に示すように、ポリカルボン酸(1)
ナトリウムとトリクロサンとを併用した含嗽液を使用し
た実験群では、コントロール嗽液を使用した実験群に比
較して、カルシウム量及びCa/Nが大きく減少し、歯
石の付着量に対して大きな抑制効果を示すことが明らか
となった。有効成分としてポリカルボン酸(1)ナトリ
ウムあるいはトリクロサンをそれぞれ単独で使用した含
嗽液を使用した実験群においても、コントロール嗽液を
使用した実験群に比較して、カルシウム量及びCa/N
の減少が認められるが、両者を併用した場合に比較して
抑制効果は小さく、併用することにより歯石抑制効果の
相乗的向上が認められた。
【0061】次に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0062】 〔実施例1〕 練歯磨 リン酸水素カルシウム二水和物 50 重量% グリセリン 20 プロピレングリコール 5.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 サッカリンナトリウム 0.2 香料 1.0 パラベン 0.1 ポリカルボン酸(1)ナトリウム 1.0 トリクロサン 0.1 精製水 残 計 100.0 重量%
【0063】 〔実施例2〕 練歯磨 リン酸水素カルシウム二水和物 45 重量% 60%ソルビット液 25 プロピレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 カルボキシメチルセルロース 0.7 カラギナン 0.5 サッカリンナトリウム 0.2 香料 1.0 安息香酸ナトリウム 0.2 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.78 ポリカルボン酸(2)カリウム 2.0 トリクロサン 0.05 精製水 残 計 100.0 重量%
【0064】 〔実施例3〕 練歯磨 無水ケイ酸 25 重量% グリセリン 30 60%ソルビット液 25 ポリエチレングリコール400 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 サッカリンナトリウム 0.1 香料 1.0 フッ化ナトリウム 0.22 硫酸マグネシウム七水和物 1.56 ポリカルボン酸(7)ナトリウム 5.0 チモール 0.2 精製水 残 計 100.0 重量%
【0065】 〔実施例4〕 練歯磨 水酸化アルミニウム 45 重量% 60%ソルビット液 25 プロピレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 ヒドロキシエチルセルロース 1.5 サッカリンナトリウム 0.1 香料 1.0 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.78 ヒノキチオール 0.1 ポリカルボン酸(4)ナトリウム 5.0 精製水 残 計 100.0 重量%
【0066】 〔実施例5〕 液状歯磨 無水ケイ酸 15 重量% グリセリン 35 60%ソルビット液 35 プロピレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 キサンタンガム 0.2 ポリアクリル酸ナトリウム 0.2 サッカリンナトリウム 0.1 香料 1.0 フッ化ナトリウム 0.22 トリクロサン 0.1 塩化マグネシウム六水和物 0.05 ポリカルボン酸(3)カリウム 1.0 精製水 残 計 100.0 重量%
【0067】 〔実施例6〕 練歯磨 リン酸水素カルシウム二水和物 45 重量% グリセリン 20 プロピレングリコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 N−ラウロイルサルコシンナトリウム 0.5 カラギナン 0.5 サッカリンナトリウム 0.1 香料 1.0 パラベン 0.1 トラネキサム酸 0.1 ビサボロール 0.2 ポリカルボン酸(6)ナトリウム 1.0 精製水 残 計 100.0 重量%
【0068】 〔実施例7〕 洗口剤 エタノール 20 重量% サッカリンナトリウム 0.05 香料 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60EO) 1.5 ポリカルボン酸(6)カリウム 0.5 トリクロサン 0.05 クエン酸ナトリウム 適量 精製水 残 計 100.0 重量%
【0069】 〔実施例8〕 洗口剤 エタノール 30 重量% 第2リン酸ナトリウム 0.8 第1リン酸カリウム 0.1 サッカリンナトリウム 0.05 香料 0.5 グリチルリチン酸塩 0.1 塩化マグネシウム六水和物 0.13 ポリカルボン酸(1)ナトリウム 0.2 トリクロサン 0.05 精製水 残 計 100.0 重量%
【0070】 〔実施例9〕 チューインガム ガムベース 40 重量% 炭酸カルシウム 2.0 水アメ 15.0 砂糖 35.0 香料 0.5 クエン酸マグネシウム九水和物 2.55 ポリカルボン酸(1)ナトリウム 3.0 ソルビン酸 0.2 精製水 残 計 100.0 重量%
【0071】 〔実施例10〕 うがい用錠剤 炭酸水素ナトリウム 55 重量% 第2リン酸ナトリウム 10.0 ポリエチレングリコール400 3.0 香料 1.0 オレイン酸 0.1 塩酸クロルヘキシジン 0.05 クエン酸 17.0 ヒノキチオール 0.1 硫酸マグネシウム七水和物 3.1 ポリカルボン酸(5)ナトリウム 5.0 精製水 残 計 100.0 重量%
【0072】 〔実施例11〕 義歯洗浄用ペースト 無水ケイ酸 3.0 重量% 増粘性シリカ 10.0 ポリエチレングリコール400 5.0 グリセリン 35 60%ソルビット液 30 ラウリル硫酸ナトリウム 2.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5 香料 1.0 チモール 0.5 塩化亜鉛 0.42 ポリカルボン酸(7)アンモニウム 5.0 精製水 残 計 100.0 重量%
【図面の簡単な説明】
【図1】カルシウムイオンとリン酸イオンからハイドロ
キシアパタイトが形成されるとき、溶液のpHを一定に
保つために添加された水酸化ナトリウム溶液の経時によ
る変化を示したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水グルコースを構成単位とする多糖類
    から誘導されるポリカルボン酸又はその塩と非カチオン
    性抗菌物質とを必須成分とする口腔用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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