JPH11158261A - 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法

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JPH11158261A
JPH11158261A JP32988497A JP32988497A JPH11158261A JP H11158261 A JPH11158261 A JP H11158261A JP 32988497 A JP32988497 A JP 32988497A JP 32988497 A JP32988497 A JP 32988497A JP H11158261 A JPH11158261 A JP H11158261A
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aromatic polycarbonate
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resin according
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JP32988497A
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Takeshi Kashiwagi
猛 柏木
Masatoshi Kimura
昌敏 木村
Osamu Kidai
修 木代
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アリールカーボネート類と芳香族ジヒドロキ
シ化合物とのエステル交換反応によって芳香族ポリカー
ボネート樹脂を製造する方法において、エステル交換触
媒として、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金
属化合物と、遷移金属化合物とを含む触媒を用いること
を特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。 【効果】 本発明による芳香族ポリカーボネート樹脂の
製造方法によれば、塩化メチレンによる環境問題等もな
く、色調および熱安定性に優れた高品質の芳香族ポリカ
ーボネート樹脂を製造できるため、光学用材料をはじ
め、広範囲の用途に使用できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の製造方法に関するものである。詳しくは、着色
が少なく、特に耐熱性・耐湿性・耐候性に優れ、流動性
の良好な高分子量芳香族ポリカーボネート樹脂を、エス
テル交換法によって容易に、かつ生産性高く、工業的に
製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、エンジ
ニアリングプラスチックとして、その耐衝撃性・寸法安
定性・透明性を生かした用途に幅広く用いられている。
その工業的な製造方法としては、ホスゲン法(界面重合
法)やエステル交換法(溶融重合法)などが知られてい
る。
【0003】前者のホスゲン法は、工業的に広く用いら
れている方法であるが、この方法では有害なホスゲンを
用いることと、製造された芳香族ポリカーボネート樹脂
は、溶媒として大量に用いられている塩化メチレンの大
気中への排出による環境汚染の問題がある。さらには、
この方法により得られた芳香族ポリカーボネート樹脂
は、塩化メチレンと高い親和性を示すために樹脂中から
塩化メチレンを完全に除去することが困難であり、この
残存塩化メチレンが成形中に分解して塩化水素ガスを発
生し成形機を腐食したり、ポリマーが劣化したりするな
どの問題があった。
【0004】一方、後者のエステル交換法は、ホスゲン
を用いる必要がなく、しかも塩化メチレンなどの含ハロ
ゲン溶媒による環境汚染の恐れもなく、さらに塩素を含
まないポリマーが得られるため製造プロセスとしては前
者より好ましいと考えられる。しかしながら、この方法
による芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、反応
後期にポリマーの粘度が極めて高くなるため、高分子量
の芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには反応温度を高
くする必要がある一方、生成するフェノール類を除去す
ることが必須であるため、高減圧度におけるエステル交
換反応を行わしめる必要上、特殊な反応器を必要とす
る。そのため従来の方法では、反応器の材質として用い
られるステンレスなどの金属表面からの金属の溶出や、
触媒自体などのために、得られる樹脂が熱による副反応
によって着色し易く、熱安定性にも劣る、といった問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】芳香族ポリカーボネー
トの着色に関しては、主に次の2点が原因として挙げら
れる。第1に、反応器の材質、特に鉄が着色に影響を及
ぼすということが示唆されている、ということである。
そこで米国特許第4,383,092号によれば、反応
器の接液部をガラスあるいはタンタル、ニッケルあるい
はクロムによりライニングすることにより、芳香族ポリ
カーボネートの着色防止を図ることが提案されている。
一方、特開平4−332726号公報では、反応器の接
液部に鉄成分20%以下の材質を用いる、といったこと
が記載されている。しかしながら、これらの金属材質や
表面処理法は、反応器に用いるには高価であることか
ら、実質的ではなかった。
【0006】第2にモノマーとして用いられるビスフェ
ノール類や、副生するフェノール類は熱安定性が低く、
そのため反応途中でポリマーの着色の要因となる物質を
生じやすい。しかし、これらの熱分解反応を抑制するた
めに反応温度を下げると、重合反応に長時間を要し、そ
のため高分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂を得るこ
とは困難であった。そこで、特開平2−124934号
公報では、触媒として含窒素塩基性化合物とアルカリ金
属またはアルカリ土類金属を用いることが提案されてい
るが、ポリマーを完全に無色とするには依然として不十
分であった。さらにアルカリ金属またはアルカリ土類金
属等を触媒として単独で用いると、ポリマーの色調のみ
ならず熱安定性、特に溶融滞留時の色調安定性や、高温
時の耐加水分解性に劣り、さらにポリマーの分岐が生じ
やすいため流動性に劣る、という欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩素原子
の含有量を低減させ、また着色を抑えた、特に熱安定性
に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂をエステル交換法
にて高い生産性で製造すべく鋭意検討した結果、芳香族
ポリカーボネート樹脂の製造時に、エステル交換反応の
触媒として特定の組み合わせからなる触媒を用いること
によって上記の問題を解決できることを見出し、本発明
に到達したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
原料として用いる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、
下記一般式(I)で表されるものが用いられる。
【0009】
【化1】
【0010】式中、R1 、R2 は各々独立に水素原子、
ニトロ基、置換基を有していても良い、アルキル基また
はアリール基を示す。アルキル基としては、メチル、エ
チル等の炭素数1から4の直鎖または分岐アルキル基が
好ましく、更にはメチル基が好ましい。アリール基とし
てはフェニル、ナフチル、その他アルキル置換フェニル
基、更にはフェニル基が好ましい。これらのアルキル基
またはアリール基はハロゲン、ニトロ基等の置換基を有
していても良い。また、X2 は単結合、メチレン、1,
1−エチレン、1,2−エチレン、2,2−プロピレ
ン、1,1−シクロヘキシレン等の鎖状または環状アル
キレン基、または−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−CO−等の2価の官能基等を示す。
【0011】これらのうち、特に好ましいものとして
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどが
挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独
で用いても良く、また混合物として用いても良い。これ
らのうち、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンである。
【0012】本発明におけるアリールカーボネート類と
しては、一般式(II)で表される化合物であり、これに
はジアリールカーボネートのみならず、ポリカーボネー
トオリゴマーのごとき縮合体も含まれる。
【0013】
【化2】
【0014】式中、R3 〜R6 は各々独立にフッ素、塩
素、臭素等のハロゲン、ニトロ基、置換基を有していて
も良い、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、または
アリール基を示す。またjは0〜20の整数を表す。こ
れらのうち、ジアリールカーボネート類として具体的に
は、ジフェニルカーボネート、ビス(p−クロロフェニ
ル)カーボネート、ビス(p−ニトロフェニル)カーボ
ネート等が挙げられる。ポリカーボネートオリゴマーと
しては、ビスフェノールAのビスアリールカーボネート
等が挙げられる。これらのなかで特に好ましくは、ジフ
ェニルカーボネートである。
【0015】本発明で用いる芳香族ポリカーボネートを
エステル交換反応で製造するためには、重合中にビスア
リールカーボネート類が留出するのを補うために、アリ
ールカーボネート類を芳香族ジヒドロキシ化合物に対し
て、モル比で1倍から2倍、好ましくは1.02倍から
1.5倍の割合で用いられる。本発明における重合触媒
は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合
物と、遷移金属化合物との2成分からなる触媒系を用い
る。これら金属触媒の組み合わせのなかでは、アルカリ
金属と3〜6族に属する遷移金属化合物との組み合わせ
が好ましい。アルカリ金属として具体的には、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が
挙げられる。これらの中では、特にナトリウムおよびカ
リウムが好ましい。
【0016】これら金属の化合物の種類には特に制限は
ないが、触媒活性という点で、塩基性化合物が好まし
い。具体的には、上記各金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、アミド、リン酸塩、硫化物、また有機酸の塩、例え
ば酢酸塩のような各種脂肪酸塩、安息香酸塩のような芳
香族カルボン酸塩等が挙げられる。これらの中では水酸
化物、炭酸塩のごとき塩基性無機化合物が特に好まし
い。また、遷移金属のなかでは、希土類金属又は4族に
属する金属の化合物が、触媒活性と得られたポリマーの
物性という点で、特に好ましい。
【0017】希土類金属として具体的には、スカンジウ
ム、イットリウム、ランタン、そしてランタノイドに属
する金属すなわちセリウム、プラセオジム、ネオジム、
サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
ム、イッテルビウム、ルテチウムが挙げられる。これら
の中ではランタン、セリウムが好ましく、特にランタン
が好ましい。これら金属の化合物の種類には特に制限は
なく、化合物として具体的には、上記金属の水酸化物、
酸化物、炭酸塩、アルコキシド、フェノキシド、また有
機酸の塩、例えば酢酸塩のような各種脂肪酸塩、安息香
酸塩のような芳香族カルボン酸塩、さらにはアセチルア
セトンやエチレンジアミン四酢酸のような配位子とのキ
レート化合物等が挙げられる。
【0018】また、4族に属する金属として具体的に
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等が挙げられ
る。これらの中では特にチタンが好ましい。これら金属
の化合物の種類には特に制限はなく、化合物として具体
的には、上記金属の酸化物、アルコキシド、フェノキシ
ド、アセチルアセトンのような配位子とのキレート化合
物、アルキル化物やメタロセン類のような有機金属化合
物等が挙げられる。これら金属化合物触媒の添加量とし
ては、、モノマーであるビスフェノール等の芳香族ジヒ
ドロキシ化合物1molに対して、それぞれ金属量換算
で1×10 -5〜1×10-8molが好ましく、特に好ま
しくは1×10-5〜1×10-7molである。
【0019】さらに、上記の金属触媒の組み合わせに加
えて、必要に応じて助触媒を用いることも可能である。
ここでいう助触媒としては、塩基性の化合物であれば特
に制限はないが、好ましいのは、トリエチルアミンなど
のアミン類、置換および非置換ピリジン類、水酸化テト
ラメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム化合物、
水酸化テトラメチルホスホニウムなどの4級ホスホニウ
ム化合物等の窒素またはリンを含有する有機化合物など
が挙げられる。これらの中でも特に、塩基性4級アンモ
ニウム化合物または塩基性4級ホスホニウム化合物が好
ましい。
【0020】ここで、塩基性4級アンモニウム化合物と
して具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テト
ラブチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウムな
どのテトラアルキル/アリールアンモニウムの水酸化
物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、および各種カルボン
酸塩などが挙げられる。また、塩基性4級ホスホニウム
化合物として具体的には、テトラメチルホスホニウム、
テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウ
ム、テトラブチルホスホニウム、テトラフェニルホスホ
ニウムなどのテトラアルキル/アリールホスホニウムの
水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、および各種カ
ルボン酸塩などが挙げられる。
【0021】これら塩基性4級アンモニウム化合物や塩
基性4級ホスホニウム化合物のなかでは、特に水酸化
物、炭酸塩、ホウ酸塩が好ましく、さらには、水酸化物
が好ましい。これら助触媒の添加量としては、用いられ
る芳香族ジヒドロキシ化合物1molに対して、1×1
-2〜1×10-6モル、好ましくは1×10-4〜1×1
-6モルである。
【0022】上記の触媒および助触媒の添加量がこの範
囲より少ないと、触媒としての効果が低い場合があるの
で好ましくない。逆に添加量がこの範囲より多くても、
それによる格別の効果が得られるわけではないので経済
的に不利であるばかりでなく、着色・熱安定性・耐加水
分解性等に悪影響を及ぼす要因となり得ることがある。
これら触媒および助触媒の添加方法は特に制限はなく、
複数の触媒および助触媒を同一溶液で添加しても、また
は別個に添加することも可能である。
【0023】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製
造方法においては、槽型反応器による1段階反応によっ
てポリカーボネート樹脂を製造することもできるが、特
に高分子量のポリカーボネート樹脂を製造しようとする
場合には、エステル交換反応を前重縮合工程と後重縮合
工程とで行ない、前重縮合工程においては槽型反応器を
用いて溶融粘度の低いプレポリマーを製造し、さらに後
重縮合工程においてプレポリマーを高分子量化せしめる
ことが好ましい。後重縮合工程では、熱履歴の少ない製
造方法が好ましく、このような製造工程の例としては、
横型の2軸セルフクリーニング式高粘度リアクタを用い
る方法や、固相重合法が挙げられる。特に、横型の2軸
セルフクリーニング式高粘度リアクタを用いる方法が好
ましい。
【0024】前重縮合工程における反応温度は、反応系
外に留出したフェノール類の量が、用いられたビスフェ
ノール化合物1モルに対して0.80〜1.20モルと
なるまで、エステル交換反応を220℃以下の温度にて
行わしめた後、徐々に昇温して最終的には250℃〜3
20℃、特に260℃〜300℃の範囲とするのが好ま
しい。また圧力は常圧から0.1mmHgの範囲であ
る。この工程では、粘度平均分子量で1,000〜2
0,000である芳香族ポリカーボネートのプレポリマ
ーが得られる。この際プレポリマーの分子量が1,00
0より低い場合は、後重縮合工程での分子量上昇に長時
間を要するので生産性の点で不利である。またプレポリ
マーの分子量が20,000を越える場合は、槽型反応
器で製造する際に、溶融粘度が高くなるのを防ぐために
300℃以上の高温で前重縮合反応を行わしめる必要が
あり、そのためポリマーが着色するなどの点で不利とな
る。一方、後重縮合工程にて横型の2軸セルフクリーニ
ング式高粘度リアクタを用いてさらに高分子量化せしめ
る場合、第1段階で得られたプレポリマーを溶融状態の
まま直接リアクタにフィードしても良いし、いったんペ
レット化したものを押出機等で再度溶融後フィードして
も良い。
【0025】なお、本発明で用いられる横型の2軸セル
フクリーニング式高粘度リアクタとは、同一方向に回転
する2本の水平回転軸と、この水平回転軸に垂直方向で
回転軸と共に回転するように取り付けられた撹拌板を有
するものである。それぞれの撹拌板の位相がずれてお
り、互いにわずかのクリアランスを保ちながら回転する
ために撹拌板についた樹脂は滞留することなく撹拌さ
れ、表面が更新される(セルフクリーニング性)。この
撹拌板の断面形状は、円板型、中空の円板型、凸レンズ
型、棒型、窓枠型、擬三角型等が挙げられるが、本発明
においては必ずしもこれらのものに限定されるものでは
ない。
【0026】また、後重縮合工程における反応温度は、
240℃〜350℃、好ましくは250℃〜300℃で
あり、圧力は10mmHg以下、好ましくは2mmHg
以下である。また本発明における横型反応装置は、スク
リュータイプの2軸押出機と比較して装置の内容積が大
きく、また撹拌板の形状・取り付け位置等によって樹脂
の押出性能をコントロールできるため、反応混合物の滞
留時間を長くとることが可能である。通常、滞留時間は
10分〜90分、好ましくは15分〜60分である。こ
の後重縮合工程で横型反応装置を用いて反応した後に得
られる芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は
15,000〜60,000である。
【0027】反応装置の反応混合物と接触する部分の材
質としては、特に限定されないが、SUS316等のス
テンレスなどの、鉄の含有量が25重量%以上の金属ま
たは合金等が使用することができる。また、本発明の範
囲内であれば、必要に応じて、公知である他のエステル
交換触媒を添加することもできる。あるいは、モノマー
である芳香族ジヒドロキシ化合物やカーボネート前駆体
と同時に、もしくは前・後重縮合反応工程の途中または
終了後に、ホスファイト系化合物、ホスホン酸系化合
物、ヒンダードフェノール系化合物といった、公知の熱
安定剤などの添加剤を使用することによって、得られる
芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性を改善すること
も可能である。
【0028】さらに、まったく同様の手法で、無機系充
填剤等を加えることによってその物性等を改善したり、
3価以上の多価フェノール類およびそれらの誘導体等の
分岐剤を添加することによって芳香族ポリカーボネート
樹脂に分岐構造を持たせて、その溶融流動性を改善した
り、テレフタル酸や、イソフタル酸等のジカルボン酸ま
たはそれらの誘導体を添加して芳香族ポリエステルカー
ボネートとして耐薬品性等を改善したりすることも可能
である。
【0029】本発明方法によって製造された芳香族ポリ
カーボネート樹脂は色調および熱安定性に優れ、成型後
の分子量低下や力学的物性の低下が少ない。従って、該
ポリカーボネート樹脂は、一般的なエンジニアリングプ
ラスチックとして幅広く使用できるものであり、工業的
にも極めて有利である。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。 (1)粘度平均分子量(Mv):20℃における塩化メ
チレン溶液の固有粘度[η](dL/g)をウベローデ
粘度管を用いて測定し、次式を用いて算出した値。
【0031】
【数1】[η]=1.23×10-4・(Mv)0.83
【0032】(2)ポリマーの熱処理(高温滞留試
験):ポリマー(熱安定剤・酸化防止剤・触媒失活剤等
の添加剤は一切添加しない)4gを試験管に入れ、窒素
流通下、アルミブロックバスを用いて360℃で1時間
加熱処理した。 (3)ポリマーの色調(YI値):ポリマー4gを25
mlの塩化メチレンに溶解させた溶液を光路長1cmの
セルに入れ、カラーコンピュータ(スガ試験機(株)製
・SMカラーコンピュータ、モデルSM−4)を用いて
透過法にて測定した値。表1には、以下の実施例にて製
造されたポリマーについて、熱処理前後のYIの変化
(ΔYI)を示した。
【0033】(4)ポリカーボネートの重合 <触媒の調製> アルカリ金属化合物を金属量基準で2
0μmol(ビスフェノールA1molに対して1μm
ol)を水5mlに溶解させたものと、遷移金属化合物
を金属量換算で2μmol(ビスフェノールA1mol
に対して0.1μmol)を水またはメタノール5ml
に溶解させたものとを混合し、触媒溶液(懸濁液)を調
製した。
【0034】<重合> ビスフェノールA4566g
(20.0mol)、ジフェニルカーボネート4584
g(21.4mol)、を30リットル槽型反応器(S
US316L製)に仕込み、上記の触媒溶液と、さらに
助触媒を用いる場合は水酸化テトラメチルアンモニウム
0.5mmol(ビスフェノールA1molに対して2
5μmol)を含む水溶液を添加した後、窒素置換し、
徐々に昇温した。反応混合物が溶解した後に攪拌を始
め、さらに内温が170℃となった時点をを重合開始時
間とした。その後徐々に減圧しながら温度を上昇させ、
反応初期は生成するフェノール量が22mol(ビスフ
ェノールA1molに対して1.1mol)となるまで
100mmHg、210℃にしばらく保ち、その後反応
槽内を徐々に減圧・昇温後、最終的には1mmHg、2
70℃にて縮合反応させ、引き続き生成するフェノール
を留去させて、全重合時間3〜4時間で重合を終了し、
槽内を復圧した後にストランド状に水槽中に押出しカッ
ターにてペレットとした。
【0035】次に後重合工程として、このプレポリマー
を270℃で2軸押出機で溶融し、2軸セルフクリーニ
ング高粘度反応装置(内容積2L、真空度0.2mmH
g、回転数30rpm)へ移送し、スクリューにて抜き
出した。滞留時間は30分とした。
【0036】実施例1 触媒としてアルカリ金属化合物として炭酸ナトリウム、
遷移金属化合物として水酸化ランタンをそれぞれ用い、
上述の重合法によってポリカーボネートを得た。結果を
表1に示す。 実施例2 助触媒として水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA
H)を追加して用い、さらに炭酸ナトリウムの添加量を
ナトリウム金属量換算で2μmol(ビスフェノールA
1molに対して0.1μmol)に減少させた以外
は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0037】実施例3 遷移金属化合物として水酸化ランタンの代わりに酢酸ラ
ンタンを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果
を表1に示す。 実施例4 遷移金属化合物として水酸化ランタンの代わりにランタ
ンアセチルアセトネートを用いた以外は、実施例1と同
様に行った。結果を表1に示す。
【0038】実施例5 アルカリ金属化合物として炭酸ナトリウムの代わりに水
酸化ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。 実施例6 遷移金属化合物として水酸化ランタンの代わりに酸化チ
タンアセチルアセトネートを用いた以外は、実施例1と
同様に行った。結果を表1に示す。
【0039】実施例7 遷移金属化合物として水酸化ランタンの代わりに酸化チ
タンアセチルアセトネートを用いた以外は、実施例2と
同様に行った。結果を表1に示す。 実施例8 遷移金属化合物として水酸化ランタンの代わりにテトラ
ブトキシチタンを用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0040】実施例9 アルカリ金属化合物として炭酸ナトリウムの代わりに水
酸化ナトリウムを用いた以外は、実施例6と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0041】比較例1 水酸化ランタンを用いなかったこと以外は、実施例1と
同様に行った。結果を表1に示す。 比較例2 炭酸ナトリウムを用いなかったこと以外は、実施例2と
同様に行った。結果を表1に示す。
【0042】比較例3 炭酸ナトリウムを用いなかったこと以外は、実施例7と
同様に行った。結果を表1に示す。 比較例4 水酸化ランタンを用いなかったこと以外は、実施例2と
同様に行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明による芳香族ポリカーボネート樹
脂の製造法によれば、塩化メチレンによる環境問題等も
なく、色調および熱安定性に優れた高品質の芳香族ポリ
カーボネート樹脂を容易にかつ高い生産性で製造でき
る。本願により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂は
光学用材料をはじめ、広範囲の用途に使用できるもので
ある。さらに、高純度が要求されるコンパクトディス
ク、光ディスク、コネクタ等の光学材料、安全性の要求
される医療・食品用途、長期にわたって信頼性の要求さ
れるレンズカバー、シート等のガラス代替品等の用途に
使用可能な成型品を、射出、押出、ブロー等広範囲の成
型法によって容易に製造することのできるポリカーボネ
ート樹脂である。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アリールカーボネート類と芳香族ジヒドロ
    キシ化合物とのエステル交換反応によって芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂を製造する方法において、エステル交換
    触媒として、アルカリ金属および/またはアルカリ土類
    金属化合物と、遷移金属化合物とを含む触媒を用いるこ
    とを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】遷移金属が3〜6族の遷移金属であること
    を特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】アルカリ金属が、ナトリウムまたはカリウ
    ムであることを特徴とする請求項1または2に記載の芳
    香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属が、ナトリウムであることを
    特徴とする請求項1〜3に記載の芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】遷移金属が、希土類金属であることを特徴
    とする請求項1〜4に記載の芳香族ポリカーボネート樹
    脂の製造方法。
  6. 【請求項6】希土類金属が、ランタノイドに属すること
    を特徴とする請求項5に記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】希土類金属が、ランタンまたはセリウムで
    あることを特徴とする請求項6に記載の芳香族ポリカー
    ボネート樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】希土類金属が、ランタンであることを特徴
    とする請求項7に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の
    製造方法。
  9. 【請求項9】遷移金属が、4族に属することを特徴とす
    る請求項1〜4に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の
    製造方法。
  10. 【請求項10】遷移金属が、チタンであることを特徴と
    する請求項9に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の製
    造方法。
  11. 【請求項11】アルカリ金属および/またはアルカリ土
    類金属化合物の使用量が、芳香族ジヒドロキシ化合物1
    molに対し、金属量換算で1×10-5〜1×10-8
    olであることを特徴とする請求項1〜10に記載の芳
    香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  12. 【請求項12】遷移金属化合物の使用量が、芳香族ジヒ
    ドロキシ化合物1molに対し、金属量換算で1×10
    -5〜1×10-8molであることを特徴とする請求項1
    〜11に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方
    法。
  13. 【請求項13】触媒として、さらに塩基性化合物を用い
    ることを特徴とする請求項1〜12に記載の芳香族ポリ
    カーボネート樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】塩基性化合物として、窒素および/また
    はリンを含む有機化合物を用いることを特徴とする請求
    項13に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方
    法。
  15. 【請求項15】塩基性化合物が、4級アンモニウム化合
    物および/または4級ホスホニウム化合物であることを
    特徴とする請求項13又は14に記載の芳香族ポリカー
    ボネート樹脂の製造方法。
  16. 【請求項16】塩基性化合物の使用量が、芳香族ジヒド
    ロキシ化合物1molに対し、1×10-2〜1×10-6
    molであることを特徴とする請求項13〜15に記載
    の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
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