JPH11158436A - プレコートメタル用プライマー組成物、塗膜形成方法及び塗装物 - Google Patents

プレコートメタル用プライマー組成物、塗膜形成方法及び塗装物

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JPH11158436A
JPH11158436A JP9328576A JP32857697A JPH11158436A JP H11158436 A JPH11158436 A JP H11158436A JP 9328576 A JP9328576 A JP 9328576A JP 32857697 A JP32857697 A JP 32857697A JP H11158436 A JPH11158436 A JP H11158436A
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weight
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ion
resin
powder
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JP9328576A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Ogami
俊彦 大上
Toshihiro Okai
敏博 岡井
Hisashi Takeichi
久 竹市
Yoichi Tozaki
洋一 戸崎
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレコートメタルにおいて、端面やカット部
並びに加工部における防食性を高め、さらに耐スクラッ
チ性に優れたプレコートメタルを得ることができるプレ
コートメタル用プライマー組成物を得る。 【解決手段】 (a)フィルム形成性樹脂と、(b)前
記フィルム形成性樹脂の固形分100重量部に対し10
〜100重量部のアミノ樹脂及び/またはブロックイソ
シアネート化合物からなる硬化剤とを含む硬化性樹脂組
成物の固形分100重量部に対して、(c)少なくとも
1種のクロメート系防錆顔料1〜150重量部と、
(d)亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料0.5〜
100重量部と、(e)アニオンまたはカチオンがイオ
ン交換されたイオン交換体無機粉末0.1〜50重量部
とを含有させ、さらに耐スクラッチ性を向上させる場合
には、(f)無機物質粒子1〜30重量部及び/または
有機高分子粒子0.5〜10重量部とを含有させたこと
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレコートメタル
においてプライマーとして塗装するプライマー組成物、
該プライマー組成物の塗膜形成方法並びに塗装物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り亜鉛めっき鋼板、亜鉛基合金めっき鋼板、アルミ亜鉛
めっき鋼板などが、耐久性鋼板として広く使用されてい
る。これらは、建物の屋根材、壁材、各種家電製品をは
じめとする広い分野で使用されている。
【0003】ところで、これらのめっき鋼板は、りん酸
亜鉛処理やクロメート処理などの化成処理を施した後、
プライマーを塗装し、さらに上塗り塗料を塗装して、い
わゆるプレコートメタルとして使用されることが多い。
プレコートメタルは、このように鋼板等の上に塗装して
コーティングした後、曲げ加工などの加工を施し所定の
形状に成形される金属板である。これらのプレコートメ
タルにおいては、塗装物の切断面やカット部、傷部など
で塗膜にふくれが生じ、それに起因する錆(赤錆、白錆
など)が生じる場合があった。これは、鋼板が腐食し
て、腐食生成物や、水、水素ガスなどにより塗膜が押し
上げられるために生じると考えられている。このような
腐食は、特にアルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板で著し
く、その対策が従来より望まれている。
【0004】上記の問題を解決する方法として、例え
ば、特開昭58−120784号公報には、水溶解度の
高いクロメート顔料と、水溶解度の低いクロメート顔料
を併用したプライマーが開示されている。また、特開昭
59−14942号公報には、アルミニウム/亜鉛合金
めっき鋼板に、ストロンチウムクロメート顔料またはカ
ルシウムクロメート顔料をプライマーの不揮発残分に対
し30〜70重量%の濃度で含有させたプライマー塗装
鋼板が開示されている。また、特開平6−9902号公
報には、クロメート顔料と、バナジン酸塩または5酸化
バナジウムとりん酸塩を複合化させた顔料を併用したプ
ライマーが開示されている。しかしながら、このような
プライマーを用いた場合にも切断面やカット部における
耐食性は未だ不十分であった。
【0005】一方、プレコートメタルにおいては、上述
のように、種々の加工が施されることが前提となってい
るが、加工が施される場合、膜にスクラッチ傷ができ易
く、このため商品価値が低下することが多かった。この
ような耐スクラッチ性を向上させる方法として、特許第
2524886号公報では、無機微粒子とシリカ及び有
機高分子粒子をプライマーに添加し、耐スクラッチ性を
向上させる方法が開示されている。しかしながら、この
ようなプライマー組成物では、耐スクラッチ性は向上す
るが、比較的粒子径の大きい無機または有機高分子粒子
を用いているため、塗膜に隙間ができ、水や腐食性物質
の透過性がかえって大きくなり、塗膜平面部におけるブ
リスターは発生しにくいが、切断面などの端面において
は白錆や赤錆が発生し易いという問題があった。
【0006】本発明の第1の目的は、プレコートメタル
において、端面やカット部並びに加工部における防食性
を高めることができるプレコートメタル用プライマー組
成物及びこれを用いた塗膜形成方法並びに塗装物を提供
することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、さらに、耐スクラ
ッチ性に優れたプレコートメタルを得ることができるプ
レコートメタル用プライマー組成物及びこれを用いた塗
膜形成方法並びに塗装物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面に従
うプレコートメタル用プライマー組成物は、(a)フィ
ルム形成性樹脂と、(b)前記フィルム形成性樹脂の固
形分100重量部に対し10〜100重量部のアミノ樹
脂及び/またはブロックイソシアネート化合物からなる
硬化剤とを含む硬化性樹脂組成物の固形分100重量部
に対して、(c)少なくとも1種のクロメート系防錆顔
料1〜150重量部と、(d)亜りん酸塩粉末を主成分
とする防錆顔料0.5〜100重量部と、(e)アニオ
ンまたはカチオンがイオン交換されたイオン交換体無機
粉末0.1〜50重量部とを含有させたことを特徴とす
るプレコートメタル用プライマー組成物である。
【0009】本発明の第1の局面によれば、端面やカッ
ト部並びに加工部における防食性を高めることができ
る。 本発明の第2の局面に従うプレコートメタル用プライマ
ー組成物は、(a)フィルム形成性樹脂と、(b)前記
フィルム形成性樹脂の固形分100重量部に対し10〜
100重量部のアミノ樹脂及び/またはブロックイソシ
アネート化合物からなる硬化剤とを含む硬化性樹脂組成
物の固形分100重量部に対して、(c)少なくとも1
種のクロメート系防錆顔料1〜150重量部と、(d)
亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料0.5〜100
重量部と、(e)アニオンまたはカチオンがイオン交換
されたイオン交換体無機粉末0.1〜50重量部と、
(f)無機物質粒子1〜30重量部及び/または有機高
分子粒子0.5〜10重量部とを含有させたことを特徴
とするプレコートメタル用プライマー組成物である。
【0010】本発明の第2の局面によれば、端面やカッ
ト部並びに加工部における防食性を高めることができる
とともに、耐スクラッチ性に優れたプレコートメタルを
得ることができる。以下、本発明の第1の局面及び第2
の局面に従うプレコートメタル用プライマー組成物の各
成分について説明する。
【0011】フィルム成形性樹脂(a) 本発明におけるフィルム形成性樹脂としては、熱可塑性
樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化
性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシウレ
タン樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アク
リルフェノール樹脂、アクリルフェノールエポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、イソシアナート硬化型アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、酸無水物変性ポリプロピレン樹脂などのフィルム
形成性樹脂を挙げることができる。これらのうち、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂及びポリエステル樹脂が特に
好ましく、これらのうちの1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0012】また、熱可塑性樹脂としては、塗料分野で
通常用いることのできる塩素化ポリエチレン、塩素化ポ
リプロピレンなどの塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化
ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン及びこれ
らを共重合させたビニル樹脂、セルロース樹脂、アセタ
ール樹脂、塩化ゴム系樹脂などが挙げられる。本発明に
おいてフィルム形成性樹脂(a)として、熱可塑性樹脂
を用いる場合には、硬化剤(b)は用いなくてもよい。
従って、本発明の第1の局面は、成分(a)、(c)、
(d)、及び(e)を含有するプレコートメタル用プラ
イマー組成物となる。また、本発明の第2の局面は、成
分(a)、(c)、(d)、(e)、及び(f)を含有
するプレコートメタル用プライマー組成物となる。
【0013】樹脂の形態は、溶剤型、水性を問わず使用
できる。また、硬化形式として、熱硬化のほかに、活性
エネルギー線硬化も使用できる。エポキシ樹脂及びフェ
ノール樹脂を用いると、亜鉛めっき、亜鉛基合金めっ
き、アルミニウム亜鉛合金めっき、アルミニウム、ステ
ンレス鋼などとの密着性、ひいては防食性に優れたプラ
イマーを得ることができる。またポリエステル樹脂を用
いた場合には、折り曲げ加工性に優れたプライマーを得
ることができる。これらの樹脂は単独あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0014】本発明において用いるフィルム形成性樹脂
のガラス転移点(Tg)は、0〜70℃である。加工性
を重視する場合には、ポリエステル樹脂を用い、そのT
gは0〜30℃がより好ましい。さらに好ましくは5〜
20℃である。また数平均分子量は500〜30,00
0であることが好ましく、水酸基価は5〜300である
ことが好ましい。
【0015】硬化剤(b) 本発明において用いられる硬化剤は、上記フィルム形成
性樹脂(a)の硬化剤であり、用いる樹脂に対応してア
ミノ樹脂及び/またはブロックイソシアネート化合物が
用いられる。
【0016】上記アミノ樹脂としては特に限定されず、
例えば、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウ
リル樹脂、尿素樹脂等を挙げることができる。上記メラ
ミン樹脂は、高イミノ型アルキルエーテル化メラミン樹
脂、メチロール型アルキルエーテル化メラミン樹脂、ア
ルキルエーテル化メラミン樹脂、混合アルキルエーテル
化メラミン樹脂等に分類されるが、いずれも使用するこ
とができ、焼き付け温度、塗膜の物性に応じて、適宜選
択可能である。イミノ基やメチロール基を有するもの
は、一般に耐水性が低下するので、塗膜の耐水性の点か
らアルキルエーテル化メラミン樹脂、混合アルキルエー
テル化メラミン樹脂が好ましい。
【0017】上記アルキルエーテル化メラミン樹脂とし
ては、n−ブチル基、i−ブチル基によりエーテル化さ
れたブチル化メラミン樹脂、メチル基によりエーテル化
されたメチル化メラミン樹脂、及び、メチル基、n−ブ
チル基、i−ブチル基によりエーテル化されたメチル/
ブチル混合エーテル化メラミン樹脂がある。上記メチル
化メラミン樹脂として市販されているものとしては、例
えば、メトキシ基/イソブトキシ基のモル比が60/4
0のサイメル238、メトキシ基/ブトキシ基のモル比
が60/40のサイメル235、メトキシ基/ブトキシ
基のモル比が65/35のサイメル231、メトキシ基
/ブトキシ基のモル比が40/60のサイメル236、
メトキシ基/ブトキシ基のモル比が70/30のサイメ
ル266、267(三井サイテック社製);スミマール
50B(住友化学社製)等を挙げることができる。
【0018】上記ブチル化メラミン樹脂として市販され
ているものとしては、例えば、マイコート506(三井
サイテック社製)、ユーバン20SE(三井東圧化学社
製)、ユーバン20N−60(三井東圧化学社製)等を
挙げることができる。
【0019】上記メチル化メラミン樹脂として市販され
ているものとしては、例えば、サイメル303(三井サ
イテック社製)、スミマールM30W、M40S、M5
0W(住友化学社製)、メラン622、623(日立化
成工業社製)等を挙げることができる。
【0020】上記グアナミン樹脂としては、例えば、サ
イメル1123、1128、マイコート105(ベンゾ
グアナミン樹脂、三井サイテック社製)等の市販品を挙
げることができる。
【0021】上記グリコールウリル樹脂としては、例え
ば、サイメル1170、1171、1172(三井サイ
テック社製)等の市販品を挙げることができる。上記尿
素樹脂としては、例えば、UFR65、300(三井サ
イテック社製)等の市販品を挙げることができる。
【0022】上記硬化剤(b)として上記アミノ樹脂を
使用する場合、上記アミノ樹脂の配合量は、フィルム形
成性樹脂(a)の水酸基価に対して、当量以上のアミノ
基を提供することができる量であればよく、通常、〔フ
ィルム形成性樹脂(a)〕/〔アミノ樹脂〕の重量比と
して、100/10〜100/100である。好ましく
は100/10〜100/50、さらに好ましくは10
0/25〜100/50である。
【0023】上記硬化剤(b)として上記アミノ樹脂を
使用する場合には、フィルム形成性樹脂(a)との反応
を促進する触媒を用いることが好ましい。触媒として
は、酸触媒を使用し、例えば、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンス
ルホン酸等の芳香族スルホン酸及びその塩;有機りん酸
塩;有機ホスホン酸塩等を挙げることができる。なかで
も、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸のアミン塩が
好ましい。これらの酸触媒のカウンターカチオンとして
は、アミンが好ましい。
【0024】上記酸触媒の配合量は、通常、上記フィル
ム形成性樹脂(a)とアミノ樹脂との合計100重量部
に対して、0.5〜3重量部である。0.5重量部未満
であると、硬化性が低下し、軟弱な塗膜しか得られず、
硬度のみならず、耐酸性、耐アルカリ性、耐汚染性も低
下し、3重量部を超えると、添加した量に応じた効果が
得られない。
【0025】上記ブロックイソシアネート化合物は、反
応基を適当なブロック化剤でブロックしたイソシアネー
ト化合物である。ブロックされるイソシアネート化合物
としては、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート
基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂
肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート
(IPDI)等の脂環族ジイソシアネート類;キシリレ
ンジイソシアネート(XDI)等の芳香族−脂肪族ジイ
ソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TD
I)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)等の芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイ
ソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTD
I)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化され
たMDI(H12XDI)等の水素添加ジイソシアネー
ト類;これらの2量体、3量体、4量体以上の多量体の
ポリイソシアネート類;これらとトリメチロールプロパ
ン等の多価アルコール、水または低分子量ポリエステル
樹脂との付加物等を挙げることができる。
【0026】上記ブロック化剤としては特に限定され
ず、例えば、メチルエチルケトオキシム、アセトキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシ
ム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム系ブロック化
剤;m−クレゾール、キシレノール等のフェノール系ブ
ロック化剤;メタノール、エタノール、ブタノール、2
−エチルヘキサノール、シキロヘキサノール、エチレン
グリコールモノエチルエーテル等のアルコール系ブロッ
ク化剤;ε−カプロラクタム等のラクタム系ブロック化
剤;マロン酸ジエチル、アセト酢酸エステル等のジケト
ン系ブロック化剤;チオフェノール等のメルカプタン系
ブロック化剤;チオ尿素等の尿素系ブロック化剤;イミ
ダゾール系ブロック化剤;カルバミン酸系ブロック化剤
等を挙げることができる。なかでも、ラクタム系ブロッ
ク化剤、オキシム系ブロック化剤、ジケトン系ブロック
化剤が好ましい。
【0027】上記ブロックイソシアネート化合物は、常
法により、上記イソシアネート化合物及び上記ブロック
化剤を遊離のイソシアネート基がなくなるまで反応させ
て得られる。これらは市販されているものもあり、例え
ば、デスモジュールシリーズ(住友バイエルウレタン社
製)、バーノックDシリーズ(大日本インキ化学工業社
製)、タケネートBシリーズ(武田薬品工業社製)、コ
ロネート2500シリーズ(日本ポリウレタン工業社
製)等を使用することができる。
【0028】上記硬化剤(b)として上記ブロックイソ
シアネート化合物を使用する場合、上記ブロックイソシ
アネート化合物の配合量は、上記フィルム形成性樹脂
(a)の水酸基価に対して、当量以上のイソシアネート
基を提供することができる量であればよく、通常は、当
量の0.8〜1.5倍である。少なすぎると、硬化性が
低下し、軟弱な塗膜しか得ることができず、硬度だけで
はなく、耐酸性、耐アルカリ性、耐汚染性も低下し、多
すぎると、添加した量に対応する充分な効果が得られな
いばかりでなく、ブロックイソシアネート化合物が多量
に添加されるために、フィルム形成性樹脂(a)の物性
に基づいて設計された塗膜の強度、硬度、加工性等の物
性が低下し、耐酸性、耐アルカリ性も低下する。また、
塗膜の黄変性や耐候性も低下しやすい。より好ましく
は、当量の1.0〜1.2倍である。
【0029】上記硬化剤(b)として上記ブロックイソ
シアネート化合物を使用する場合には、通常、フィルム
形成性樹脂(a)との反応を促進する触媒として、公知
のジブチル錫ラウレート等の錫化合物を使用することが
好ましい。
【0030】アミノ樹脂及びブロックイソシアネート化
合物の添加量は、フィルム形成性樹脂(a)の固形分1
00重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは
10〜50重量部である。添加量が少なすぎると、硬化
性が低下し、軟弱な塗膜しか得ることができず、硬度だ
けではなく、耐酸性、耐アルカリ性、耐汚染性も低下す
る。また、添加量が多すぎると、添加量に対応する十分
な効果が得られないばかりでなく、塗膜の強度、硬度、
加工性等の物性が低下し、耐酸性、耐アルカリ性も低下
する。実際には、上述のように、樹脂の官能基量に対し
て、硬化剤の官能基量を当量関係で配合させるのが好ま
しい。硬化皮膜の物性を変更したい場合には、当量を少
しずらした配合比で組み合わせることもある。
【0031】クロメート系防錆顔料(c) 本発明おいて用いるクロメート系防錆顔料としては、ク
ロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸
バリウム、クロム酸亜鉛などが挙げられる。クロメート
系防錆顔料の添加量は、フィルム形成性樹脂(a)、硬
化剤(b)、及び触媒を含む硬化性樹脂組成物の固形分
100重量部に対して、1〜150重量部である。1重
量部未満であると、耐食性が低下する。一方150重量
部を超えると、プライマー塗膜の黄色度が大きくなり、
上塗りにもその黄色が反映し、色相調整が困難になる。
また、クロメート系防錆顔料が沈殿して塗料安定性が低
下し易くなり、さらにプライマー焼き付け後の水冷却
(ウォータークエンチ)によるクロム溶出が多くなって
外観むらを生じたり、クロムの流出により環境汚染の問
題を生じるおそれがある。クロメート系防錆顔料の好ま
しい添加量は、硬化性樹脂組成物の固形分100重量部
に対して1〜100重量部、好ましくは5〜70重量
部、さらに好ましくは10〜50重量部である。
【0032】亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料
(d) 亜りん酸塩粉末としては、特に限定されるものではない
が、アルカリ土類金属、アルミニウム、及び亜鉛からな
る群より選ばれる1種または2種以上の金属の亜りん酸
塩が好適である。特に、カルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の亜りん酸塩は、亜鉛系めっき鋼板
やアルミニウムなどに好適である。また、亜りん酸の亜
鉛塩は鋼に対し好適である。亜鉛系金属に対しては、顔
料から溶出してきた亜りん酸イオンとアルカリ土類金属
イオンが作用し、りん酸亜鉛やそれぞれをベースとして
カルシウムやマグネシウムとの複合塩または亜鉛、カル
シウム、マグネシウムなどの塩基性炭酸塩として、防錆
性の皮膜が生成するものと考えられる。また、鋼に対し
ては、りん酸亜鉛の皮膜が生成することにより防食性が
向上するものと考えられる。
【0033】亜りん酸塩粉末の平均粒子径は、0.01
〜10μmであることが好ましい。平均粒子径が小さす
ぎると、表面積が大きくなり溶解性が増して水可溶性分
が多くなり、かえってブリスターなどの問題を生じ易
い。また、平均粒子径が大きすぎると、顔料の沈降性が
目立つようになり、プライマー塗料の貯蔵安定性が低下
し、塗膜のつやなどの外観も低下し、上塗りの外観品質
が低下し易い。
【0034】亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料の
添加量は、フィルム形成性樹脂(a)、硬化剤(b)、
及び触媒を含めた硬化性樹脂組成物の固形分100重量
部に対し、0.5〜100重量部、好ましくは0.5〜
50重量部である。添加量が少なすぎると、クロメート
系防錆顔料との併用効果が発揮されず、多すぎても格別
の効果は発揮されない。
【0035】亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料の
市販品としては、亜りん酸カルシウムを主成分とするE
XPERT NP−1000、NP−1020C、亜り
ん酸アルミニウムを主成分とするEXPERT NP−
1100、NP−1102、及び亜りん酸亜鉛を主成分
とするEXPERT NP−1500、NP−153
0、NP−1600、NP−1700(いずれも東邦顔
料社製)、並びにYM−60、YM−70(太平化学社
製)などが挙げられる。
【0036】イオン交換体無機粉末(e) 本発明において用いるイオン交換体無機粉末は、アニオ
ンまたはカチオンがイオン交換されたイオン交換体無機
粉末である。アニオンがイオン交換されたイオン交換体
無機粉末としては、ハイドロタルサイトにクロム酸イオ
ン、亜硝酸イオンまたはバナジン酸イオンなどのアニオ
ンをイオン交換し担持させたものや、ハイドロカルマイ
トに亜硝酸イオンなどのアニオンをイオン交換し担持さ
せたものなどが挙げられる。各種防錆性のアニオン、例
えばクロム酸イオン、重クロム酸イオン、りん酸イオ
ン、バナジン酸イオンなどのアニオンをイオン交換して
担持させたものを用いることができる。本発明において
は、クロメート系顔料を用いているので、りん酸イオ
ン、バナジン酸イオンなどの非クロム酸イオンが好まし
い。
【0037】りん酸イオンを担持させた場合には、腐食
性イオンであるクロライドとイオン交換し、クロライド
の素地到達を遅らせるとと同時に、りん酸イオンを放出
し、りん酸イオンが亜鉛基合金めっき表面でりん酸亜鉛
などの保護性皮膜を形成することにより耐食性が得られ
るものと考えられる。また、金属腐食で発生した水酸イ
オンとイオン交換し、金属界面のpH上昇を防ぎ、塗膜
の密着性劣化を防止するものと考えられる。また、バナ
ジン酸イオンは、酸化性イオンであるクロメート皮膜が
破壊された後を補修していくものと考えられる。
【0038】アニオンをイオン交換したイオン交換体無
機粉末としては、IXE−500、IXE−550、I
XE−700、IXE−800、IXE−1000(い
ずれも東亜合成化学工業社製)などが挙げられる。
【0039】カチオンをイオン交換し担持したイオン交
換体無機粉末としては、カルシウムイオンをイオン交換
し担持させたシリカ系イオン交換体であるシールデック
スシリーズ(グレース社製)が挙げられ、それらの中で
もシールデックスCP4−7394を特に好適に用いる
ことができる。また、カチオンをイオン交換した他のイ
オン交換体無機粉末としては、IXE−100、IXE
−200、IXE−300、IXE−400(いずれも
東亜合成化学工業社製)が挙げられる。また、これらに
各種のカチオンをイオン交換し担持させて用いることが
できる。カルシウムイオンはナトリウムイオンなどの溶
解性の高いイオンやH+ (プロトン)と交換し、放出さ
れたCaイオンが亜鉛基合金めっき面で、塩基性炭酸亜
鉛カルシウムなどの保護性皮膜を形成するのに効果があ
るものと考えられる。
【0040】イオン交換体無機粉末の配合量は、上記硬
化性樹脂組成物の固形分100重量部に対して0.1〜
50重量部である。イオン交換体無機粉末の配合が0.
1重量部未満であると耐食性が低下する。一方、50重
量部を超える量を配合すると、ブリスターを生じ易くな
る。好ましい無機物質粒子の配合は2〜20重量部であ
る。
【0041】また、本発明におけるイオン交換体無機粉
末(e)は、上記亜りん酸塩粉末(d)の表面に被覆さ
れていてもよい。従って、本発明において、亜りん酸塩
粉末(d)及びイオン交換体無機粉末(e)の少なくと
も一部として、亜りん酸塩粉末(d)の表面にイオン交
換体無機粉末(e)を被覆した複合粉末を用いてもよ
い。
【0042】無機物質粒子(f)及び有機高分子粒子
(f) 本発明の第2の局面において用いる無機物質粒子として
は、天然または合成雲母、石膏、硫酸バリウム、珪藻
土、アルミ粉、アルミフレーク、ケイ酸カルシウム、酸
化鉄、カオリン・クレー、タルク、炭酸カルシウム、ガ
ラス、長石、石英、シリカ微粉末及び二酸化マンガンが
挙げられる。ガラスとしてはガラス粉及びガラス繊維等
が挙げられる。シリカ微粉末としては湿式シリカ、乾式
シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。無機物質粒
子のモース硬度は好ましくは5〜8であり、より好まし
くは6〜7である。このような無機物質粒子は、上述し
たガラス繊維及びシリカ微粉末以外の場合には、その粒
径が3〜30μmのものを使用するのが好ましく、シリ
カ微粉末の場合には5μm以下のものを用いるのが好ま
しい。またガラス繊維の場合は、直径が1〜30μm、
繊維長が1〜200μmであるガラス繊維であり、その
モース硬度が5〜8であることが好ましい。
【0043】これら無機物質粒子の配合量は、上記硬化
性樹脂組成物の固形分100重量部に対して1〜30重
量部である。無機物質粒子の配合が1重量部未満である
と耐スクラッチ性が低下する。一方、30重量部を超え
る量を配合すると、塗膜強度が得られず加工性に劣る。
また、形成される塗膜の表面平滑性が低下することもあ
る。好ましい無機物質粒子の配合は5〜25重量部であ
る。なお、無機物質粒子がシリカ微粉末を含む場合、シ
リカ微粉末以外の無機物質粒子とシリカ微粉末との配合
比(シリカ微粉末以外の無機物質粒子/シリカ微粉末)
を98/2〜70/30とすることが好ましい。
【0044】本発明の第2の局面では、上述の無機物質
粒子及び/または有機高分子粒子が添加される。用いる
ことのできる有機高分子粒子としては、ポリテトラフル
オロエチレンをはじめとするフッ素樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、シリコーン、セルロース、ウレタ
ン、ナイロン、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリ
ル樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂及びその変性樹脂
等が挙げられる。このような有機高分子粒子としては、
その粒径が0.001〜30μmのものを使用するのが
好ましい。
【0045】好ましい有機高分子粒子は、粒径0.1〜
10μmのポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド樹
脂、ポリエチレンである。上述の有機高分子粒子の配合
は、上記硬化性樹脂組成物の固形分100重量部に対し
て0.5〜10重量部である。有機高分子粒子の配合が
0.5重量部未満であると耐スクラッチ性が低下する。
一方、10重量部を超える量を配合すると、塗膜の強度
が得られず加工性が不良となる。好ましい有機高分子粒
子の配合は0.5〜5重量部である。
【0046】本発明の第2の局面に従うプライマー組成
物では、無機物質粒子及び/または有機高分子粒子を添
加して耐スクラッチ性を向上させている。上述した無機
物質粒子及び/または有機高分子粒子を添加することに
より耐スクラッチ性が向上する理由は、以下の作用によ
るものと思われる。
【0047】すなわち、上述した充填剤(無機物質粒子
及び/または有機高分子粒子)が塗膜内に存在すること
により、塗装された鋼板に応力がかかってもその応力の
作用点が塗膜と素地(鋼板の基板)との界面とならず
に、塗膜内の充填剤の表面に移行する。このように塗膜
にかかる応力が充填剤により緩和されると、塗膜にはス
クラッチが形成されにくくなる。
【0048】また、塗膜に剪断の力がかかっても、充填
剤(特に有機高分子粒子)による内部すべりが有効とな
り力が分散され、塗膜の破壊が生じにくくなる。このよ
うに、無機物質粒子や、内部すべりによる潤滑効果のあ
るポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミ
ド粉末等の有機高分子粒子の使用により、塗膜光沢、加
工性等の一般塗膜性能を損なうことなく耐スクラッチ性
が改善される。
【0049】さらに、このような充填剤を添加すること
により塗膜(プライマー塗膜)の表面が適度に粗くな
り、これによって上塗り塗膜との層間密着性が向上し、
塗膜の剥離等を防止する利点も有する。
【0050】その他の添加成分 本発明のプライマー組成物には、必要に応じて、さらに
着色顔料、体質顔料及びその他の防錆顔料を含有しても
よい。そのような顔料としては、例えば、二酸化チタ
ン、フタロシヤニンブルー、フタロシヤニングリーン、
キナクドリン、インダンスロン、イソインドリノン、ペ
リレン、アンスラピリミジン、カーボンブラック、ベン
ズイミダゾロン、グラファイト、黄色酸化鉄、赤色酸化
鉄などの着色顔料、クレー等の体質顔料が挙げられる。
【0051】さらに、ベンゾフェノール系の紫外線吸収
剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め
剤、増粘剤等の各種添加剤を加えることができる。これ
らの添加剤は、硬化性樹脂組成物の固形分100重量部
に対して5重量部以下の量で配合し、塗料性能や塗膜性
能を改善することができる。ただし、これらの添加剤の
配合量が多くなりすぎると、塗膜形成時にハジキが生じ
たり、層間付着性が悪くなったりするおそれがあるので
好ましくない。粘度調整(作業性)のために、溶媒を適
宜添加してもよい。
【0052】各成分の混合には、塗料製造に慣用されて
いるペイントシェイカー、ディゾルバー、ボールミル、
サンドグラインドミル、ニーダー等の装置を用いる。本
発明の塗膜形成方法は、上記本発明のプレコートメタル
用プライマー組成物を、亜鉛めっき鋼板、亜鉛/アルミ
ニウム合金めっき鋼板、アルミニウム/亜鉛合金めっき
鋼板、亜鉛/鉄合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、アルミニウム板、またはステンレス鋼板の少なくと
も一方の面に乾燥膜厚が1〜10μmとなるように塗装
することを特徴とする塗膜形成方法である。
【0053】本発明の塗膜形成方法における塗装は、例
えば、以下のようにして行うことができる。まず、被塗
物となる鋼板を脱脂後、化成処理する。脱脂(表面洗
浄)及び化成処理は公知の方法により行ってよく、用い
る鋼板に適合する方法を適宜選択する。
【0054】次に、上記本発明のプライマー組成物を塗
装する。塗装に際しては、上述の通り予め塗料組成物を
適当な粘度に調整しておく。塗装方法は特に限定され
ず、エアースプレー塗装、エアレス塗装、静電塗装など
の通常の塗装方法を用いることができる。また、特に塗
布厚の精度、塗布表面の平滑性等を求める場合には、グ
ラビアコーティング方法、ロールコーティング方法、カ
ーテンコーティング方法、バーコーティング方法、オフ
セットグラビアコーティング方法を採用するのがよい。
なお、プレコート方式の場合には、ロールコーティング
方法を採用するのが好ましい。
【0055】本発明の塗膜形成方法においては、上記の
プライマー組成物を被塗物に塗装をするが、その塗装は
被塗物(鋼板)の一方の面であってもよいし、両面であ
ってもよい。鋼板の両面に本発明のプライマー組成物を
塗布すれば耐食性は一層向上するが、要求性能、製造コ
スト等を考えて鋼板の一面に塗布しただけでもよい。一
方の面だけに本発明のプライマー組成物を下塗りする場
合には、他の面の下塗りとして従来の下塗り塗料を用い
てもかまわない。なお、鋼板を加工して製品とした場合
の裏面となる面への塗装においても、本発明のプライマ
ー組成物を適用することも可能である。裏面に本発明の
プライマー組成物を塗布することにより、塗膜の形成さ
れていないエッジ端面に対しても腐食電流が抑制され、
両面のエッジクリープ性をさらに向上させることができ
る。
【0056】このプライマー塗装による塗膜厚は、乾燥
時の厚さで1〜10μm、好ましくは2〜10μm、さ
らに好ましくは3〜8μmである。膜厚が1μm未満で
あると耐食性が低下する。また10μmを越す膜厚とす
ると塗膜表面の平滑性が低下するおそれがある。なお、
鋼板を加工して製品とした場合の裏面となる面において
は、この膜厚を5〜25μm、好ましくは8〜20μm
とする。
【0057】上述のプライマー塗装を行い、190〜2
30℃で20〜60秒の焼き付けを行う。以上のように
して、プライマー塗膜を形成した後、オイルフリーポリ
エステル、塩化ビニル、シリコーンポリエステル、フッ
素樹脂、熱硬化アクリル樹脂、メラミンアルキド樹脂、
シリコンアクリル樹脂等からなる公知の上塗り塗料を塗
布することができる。このときの塗装は公知の方法によ
ってよい。なお、上述した下塗り塗料(プライマー塗
料)とこの上塗り塗料用の樹脂の組合せは、上塗り塗膜
と下塗り塗膜との密着性に問題がなければ、同種の樹脂
を主成分とする塗料の組合せでも異種の樹脂を主成分と
する塗料の組合せでもよい。
【0058】上塗り塗膜の膜厚は、塩化ビニル以外の場
合には10〜20μmとするのがよく、塩化ビニルを主
とした上塗り塗料の場合には100〜200μmとする
のがよい。
【0059】上塗り塗料の塗装後、190〜250℃で
20〜60秒の焼き付けを行う。なお、上述の下塗り塗
装と上塗り塗装の間に、中塗り塗装を行ってもよく、塗
膜の要求性能に応じて、適宜、下塗り塗料と上塗り塗料
とに適合する塗料(上塗り塗料または下塗り塗料と同系
統の塗料)を塗布する。このときの中塗り塗装後に焼き
付けを行って、いわゆる3コート3ベークとするのがよ
い。
【0060】本発明の塗装物は、上記本発明のプライマ
ー組成物を塗装するかまたは上記本発明の塗膜形成方法
で塗装した後、上述のような上塗り塗料を塗装したこと
を特徴とする塗装物である。
【0061】
【発明の実施の形態】製造例1:ハイドロタルサイト/
バナジン酸イオン交換体無機粉末の製造 ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「DH
T−4」)を500℃で1時間加熱し、デシケータ中で
室温まで冷却した。次に2リットルのガラスビーカーに
Na3 VO4 水溶液(9.4g/リットル)を1リット
ル入れ、その中に加熱処理したハイドロタルサイト15
gを加え、50℃で1時間攪拌した。その際混合液のp
HをpHメーターでモニターしながら、混合液のpHを
6.5に維持した。
【0062】次に、遠心分離機を用いて反応物を沈降さ
せて上澄み液を除いた後に、脱イオン水で洗浄した。洗
浄操作を5回繰り返し、上澄み液の導電率が45μs/
cmとなったとき、沈殿物を取り出し、105℃で3時
間乾燥し、白色の顔料を得た。
【0063】製造例2:ハイドロタルサイト/亜硝酸イ
オン交換体無機粉末の製造 Na3 VO4 水溶液に代えて、NaNO2 水溶液(6.
9g/リットル)を用い、混合液のpHを9.5にする
以外は、上記製造例1と同じ条件で亜硝酸イオンでイオ
ン交換したハイドロタルサイトからなる無機粉末を製造
した。
【0064】製造例3:亜りん酸塩粉末の表面をハイド
ロタルサイト/亜硝酸イオン交換体無機粉末で被覆した
複合粒子の製造 亜りん酸カルシウム・亜鉛粉末(東邦顔料工業社製、商
品名「EXPERTNP−1020C」)100重量部
と、上記製造例2で製造したハイドロタルサイト/亜硝
酸イオン交換体無機粉末5重量部とをヘンシェルミキサ
ー(回転数2200rpm)に仕込み、10分間攪拌混
合し、一旦攪拌を止め、容器の蓋及び器壁に付着した粉
体混合物を掻き落とした後、再び30分間攪拌混合し
た。以上のようにして、亜りん酸カルシウム・亜鉛粉末
の表面をハイドロタルサイト/亜硝酸イオン交換体無機
粉末で被覆した複合粒子が得られた。
【0065】実施例1〜7及び比較例1〜3 表1、表2及び表3に示す配合割合でプライマー塗料を
調製した。なお配合量は固形分を示す。フィルム形成性
樹脂(a)のうちの40重量部と、硬化剤(b)及び硬
化触媒以外の各成分とを混合し、ガラスビーズミルで1
時間分散させた。ビーズを濾過した後、粒ゲージで粒度
を測定し、10μm以下であることを確認した後、残り
のフィルム形成性樹脂(a)、硬化剤(b)、及び硬化
触媒を加えて、ディスパーで均一に攪拌混合しプライマ
ー塗料を得た。
【0066】得られた塗料のPWCを各表に示す。得ら
れたプライマー塗料を、各表に示す素材の鋼板(厚み
0.6mm)に、バーコーターを用いて、各表に示す乾
燥膜厚となるように塗布し、焼き付けて乾燥した。到達
板温は210℃であった。なお、各素材の鋼板は、予め
塗布型クロメート処理液(日本ペイント社製、商品名
「サーフコートNRC300」)を塗布し、80℃で乾
燥したものを用いた。なお、クロム付着量は20mg/
m2 であった。
【0067】次に、各表に示す上塗り塗料を乾燥膜厚が
20μmとなるように塗装した。なお、到達板温は22
0℃であった。以下、各表において用いた成分について
説明する。
【0068】(a)フィルム形成性樹脂 ・ポリエステル樹脂「バイロン300」:東洋紡社製ポ
リエステル樹脂、Tg7℃、数平均分子量26000、
水酸基価4、酸価2以下 ・エポキシ樹脂「エポトートYD7020」:東都化成
社製、フェノール変性ビスフェノール型エポキシ樹脂
【0069】(b)硬化剤 ・メラミン樹脂「サイメル235」:三井サイテック社
製、メトキシ/ブトキシ混合変性メラミン樹脂 ・メラミン樹脂「スミマールM40S」:住友化学工業
社製、メチル化メラミン樹脂 ・メラミン樹脂「サイメル303」:三井サイテック社
製、メチル化メラミン樹脂 ・ブロックイソシアネート「コロネート2536」:日
本ポリウレタン工業社製、ラクタムブロック/メチレン
ジイソシアネート(MDI)系
【0070】硬化触媒 ・p−トルエンスルホン酸DMEA塩:p−トルエンス
ルホン酸のジエタノールアミン塩
【0071】(c)クロメート系防錆顔料 ・ストロンチウムクロメート:菊池カラー社製、ストロ
ンチウムクロメートN(d)亜りん酸塩系防錆顔料 ・「EXPERT NP1020C」:東邦顔料工業社
製、粒径0.5〜1μm ・「EXPERT NP1020C N−1」:東邦顔
料工業社製、粒径0.5〜1.0μm
【0072】(e)イオン交換体無機粉末 ・「シールデックスCP4−7394」:グレース社
製、シリカ系Caイオン交換体
【0073】(f)無機物質粒子及び有機高分子粒子 ・ガラス繊維「マイクロサーフェストランドREV−
1」:日本硝子繊維社製、ガラスファイバー ・硫酸バリウム:堺化学工業社製「沈降性硫酸バリウム
100」 ・長石粉:白石カルシウム社製「ミネックス7」
【0074】・湿式シリカ「ニプシールE200」:日
本シリカ工業社製、粒径平均約3μm ・湿式シリカ「ニプシールSS70B」:日本シリカ工
業社製、粒径平均2μm ・湿式シリカ「ニプシールSS170X」:日本シリカ
工業社製、粒径平均3μm ・ナイロン微粉末:日本リルサン社製「オルガソール2
002EXG」、ナイロン11粒子
【0075】他の顔料 ・酸化チタン「CR95」:石原産業社製「タイペーク
CR95」 ・酸化チタン「CR97」:石原産業社製「タイペーク
CR97」 ・酸化チタン「R930」:石原産業社製「タイペーク
R930」 ・「EXPERT NP530」:東邦顔料工業社製、
りん酸亜鉛顔料
【0076】素材 ・溶融Al/Znめっき鋼板:55%Al/45%Zn
めっき鋼板(ガルバリウム)
【0077】上塗り塗料 ・ポリエステル樹脂系「フレキコート」:日本ペイント
社製、ポリエステル樹脂系上塗り塗料「フレキコート1
500HQ」 ・ポリエステル樹脂系「ニッペスーパーコート」:日本
ペイント社製、ポリエステル樹脂系上塗り塗料「ニッペ
スーパーコート300HQ」
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】以上のようにして得られたプライマー塗料
及び上塗り塗料を塗装したサンプル塗膜板(試験板)に
ついて、耐エッジクリープ性、加工部白錆性、及び耐ス
クラッチ性を以下のようにして評価した。
【0082】耐エッジクリープ性 試験板を、7cm×20cmのサイズにカットし、カッ
トした3辺をポリエステルテープでシールした。なお、
このシール幅はカット端部より5mmとした。その後、
各試験板について、塩水噴霧試験を行った。塩水噴霧試
験としては、JIS Z2371に準拠して750時間
の試験を行った。試験終了後の試験板について、塗膜上
に生じたブリスターのシールしなかった片からの最大長
さ(mm)を測定した。
【0083】加工部白錆性 各試験板を7cm×18cmの大きさにカットし、18
cm長の辺において、端から15cmの部分で折り曲げ
2T加工(この板を2枚分挟むことができる隙間を形成
するように、側面からみてJ字状になるように端から1
5cmの部分でこの板を折り曲げる)し、JIS Z2
371に準拠して塩水噴霧試験を行った。1000時間
の試験終了後、折り曲げ加工を実施した箇所からの白錆
の発生状況を、以下の基準で評価した。 3:白錆発生20%未満 2:白錆発生40%未満20%以上 2:白錆発生40%以上
【0084】耐スクラッチ性 外周面にぎざぎざのない10円硬貨で試験塗膜を引っ掻
き(0.5kgの力で)、試験塗膜の損傷を以下の基準
に従って評価した。 3:表面にキズ及びハクリがあってもその程度が小さく
て上塗り塗膜の一部が残っており、下塗り(プライマ
ー)塗膜が現れていないもの。 2:下塗り(プライマー)塗膜の一部が削られており、
下塗り(プライマー)塗膜に剥離が見られるもの。 1:上塗り塗膜及び下塗り(プライマー)塗膜ともに削
り取られ、素地(基板の化成処理面)が露出しているも
の。 以上の評価結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】表4の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1〜7のプレコートメタルにおいては、比較
例1〜3に比べ、耐エッジクリープ性、及び加工部白錆
において優れており、良好な防食性を示すことがわか
る。
【0087】また、本発明の第2の局面に従い無機物質
粒子及び/または有機高分子粒子を配合した実施例3〜
7の塗膜は、耐スクラッチ性に優れていることがわか
る。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、プレコートメタルにお
いて、端面やカット部並びに加工部における防食性を高
めることができる。
【0089】本発明の第2の局面によれば、さらに、耐
スクラッチ性に優れたプレコートメタルを得ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 A Z 161/20 161/20 175/04 175/04 // C08G 18/80 C08G 18/80 (72)発明者 戸崎 洋一 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フィルム形成性樹脂と、 (b)前記フィルム形成性樹脂の固形分100重量部に
    対し10〜100重量部のアミノ樹脂及び/またはブロ
    ックイソシアネート化合物からなる硬化剤とを含む硬化
    性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、 (c)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料1〜15
    0重量部と、 (d)亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料0.5〜
    100重量部と、 (e)アニオンまたはカチオンがイオン交換されたイオ
    ン交換体無機粉末0.1〜50重量部とを含有させたこ
    とを特徴とするプレコートメタル用プライマー組成物。
  2. 【請求項2】 (a)フィルム形成性樹脂の固形分10
    0重量部に対して、 (c)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料1〜15
    0重量部と、 (d)亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料0.5〜
    100重量部と、 (e)アニオンまたはカチオンがイオン交換されたイオ
    ン交換体無機粉末0.1〜50重量部とを含有させたこ
    とを特徴とするプレコートメタル用プライマー組成物。
  3. 【請求項3】 (a)フィルム形成性樹脂と、 (b)前記フィルム形成性樹脂の固形分100重量部に
    対し10〜100重量部のアミノ樹脂及び/またはブロ
    ックイソシアネート化合物からなる硬化剤とを含む硬化
    性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、 (c)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料1〜15
    0重量部と、 (d)亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料0.5〜
    100重量部と、 (e)アニオンまたはカチオンがイオン交換されたイオ
    ン交換体無機粉末0.1〜50重量部と、 (f)無機物質粒子1〜30重量部及び/または有機高
    分子粒子0.5〜10重量部とを含有させたことを特徴
    とするプレコートメタル用プライマー組成物。
  4. 【請求項4】 (a)フィルム形成性樹脂の固形分10
    0重量部に対して、 (c)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料1〜15
    0重量部と、 (d)亜りん酸塩粉末を主成分とする防錆顔料0.5〜
    100重量部と、 (e)アニオンまたはカチオンがイオン交換されたイオ
    ン交換体無機粉末0.1〜50重量部と、 (f)無機物質粒子1〜30重量部及び/または有機高
    分子粒子0.5〜10重量部とを含有させたことを特徴
    とするプレコートメタル用プライマー組成物。
  5. 【請求項5】 前記亜りん酸塩粉末(d)が、アルカリ
    土類金属、アルミニウム、及び亜鉛からなる群より選ば
    れる1種または2種以上の金属の亜りん酸塩である請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のプレコートメタル用プ
    ライマー組成物。
  6. 【請求項6】 前記亜りん酸塩粉末(d)の平均粒子径
    が0.01〜10μmである請求項1〜5のいずれか1
    項に記載のプレコートメタル用プライマー組成物。
  7. 【請求項7】 前記イオン交換体無機粉末(e)が、カ
    チオンとしてのアルカリ土類金属イオン、またはアニオ
    ンとしてのバナジン酸イオンもしくは亜硝酸イオンでイ
    オン交換されたイオン交換体無機粉末である請求項1〜
    6のいずれか1項に記載のプレコートメタル用プライマ
    ー組成物。
  8. 【請求項8】 前記亜りん酸塩粉末(d)及び前記イオ
    ン交換体無機粉末(e)の少なくとも一部として、前記
    亜りん酸塩粉末(d)の表面を前記イオン交換体無機粉
    末(e)で被覆した複合粉末を用いる請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載のプレコートメタル用プライマー組成
    物。
  9. 【請求項9】 前記無機物質粒子が、天然または合成雲
    母、石膏、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、酸化鉄、
    カオリン・クレー、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、
    アルミ粉、アルミフレーク、ガラス、長石、石英、シリ
    カ微粉末、及び二酸化マンガンから選ばれる1種または
    2種以上の粒子である請求項3〜8のいずれか1項に記
    載のプレコートメタル用プライマー組成物。
  10. 【請求項10】 前記無機物質粒子が、シリカ微粉末を
    含んでおり、(シリカ微粉末以外の無機物質粒子)/
    (シリカ微粉末)の重量比が、98/2〜70/30で
    ある請求項3〜9のいずれか1項に記載のプレコートメ
    タル用プライマー組成物。
  11. 【請求項11】 前記有機高分子粒子が、フッ素樹脂、
    ポリオレフィン、シリコーン、セルロース、ポリウレタ
    ン、ポリアミド、ポリエステル、フェノール樹脂、アク
    リル樹脂、アミノ樹脂またはそれらの変性樹脂である請
    求項3〜10に記載のいずれか1項に記載のプレコート
    メタル用プライマー組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    のプレコートメタル用プライマー組成物を、亜鉛めっき
    鋼板、亜鉛/アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウ
    ム/亜鉛合金めっき鋼板、亜鉛/鉄合金めっき鋼板、ア
    ルミニウムめっき鋼板、アルミニウム板、またはステン
    レス鋼板の少なくとも一方の面に乾燥膜厚が1〜10μ
    mとなるように塗装することを特徴とする塗膜形成方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    のプライマー組成物を塗装するかまたは請求項12に記
    載の方法で塗装した後、上塗り塗料を塗装したことを特
    徴とする塗装物。
JP9328576A 1997-11-28 1997-11-28 プレコートメタル用プライマー組成物、塗膜形成方法及び塗装物 Pending JPH11158436A (ja)

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