JPH11158526A - 高pスラグの製造方法 - Google Patents

高pスラグの製造方法

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JPH11158526A
JPH11158526A JP32802597A JP32802597A JPH11158526A JP H11158526 A JPH11158526 A JP H11158526A JP 32802597 A JP32802597 A JP 32802597A JP 32802597 A JP32802597 A JP 32802597A JP H11158526 A JPH11158526 A JP H11158526A
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Minoru Ishikawa
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 P濃度が0.15%以下の溶銑を出発原料と
して、P2 5 が10〜35%含有する肥料として直接
使用可能な高Pスラグを得る方法を提供する。 【解決手段】 P濃度が0.15%以下の溶銑を脱P処
理して得られるスラグを還元抽出して得られる0.5〜
3%のPおよび0.1%以下のSiを含む高P溶銑を生
成する第1工程と、この高P溶銑にスラグ塩基度が2〜
8となるようにフラックスを添加し、炭素濃度が1%以
下まで酸化精錬を行う第2工程とから構成され、P2
5 濃度が10〜30%である高Pスラグを得る。第1工
程後に高P溶銑中のMnおよびSiを低下させてから第
2工程の処理を行い、P2 5 濃度が10〜35%であ
る高Pスラグを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、P濃度が0.15
%以下の低P溶銑を出発原料として、高濃度のP2 5
を含有し、直接肥料として使用できる高Pスラグを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】P2 5 の高いスラグを得る方法とし
て、1.5〜2%(以下、濃度は全て重量%を示す)の
Pを含有する溶銑を原料とするトーマス転炉法が古くか
ら知られている。
【0003】しかし、現在の原料事情から判断すると溶
銑中のP濃度は0.15%以下であり、トーマス転炉法
の採用は実状に合わない。また、トーマス転炉法の場
合、溶銑中にSiが約0.5%含まれており、スラグ量
は、溶鋼トン当たり200〜300kgと膨大となり、
溶銑中のP濃度が高いわりには、P2 5 が16〜22
%にとどまっていた。
【0004】特開平7−316621号公報には、脱P
スラグに含まれるP2 5 を数回にわたり還元処理をす
ることにより溶銑中のPを約1〜3%に濃化し、少量の
スラグで再度溶銑脱Pを行い、P2 5 の高いスラグを
得る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案は、
2 5 の高いスラグを得るための最適なフラックス組
成および溶銑脱P条件を明らかにしているとは言い難
い。
【0006】本発明の目的は、P濃度が0.15%以下
の低P溶銑を出発原料として、P25 が請求1では1
0〜30%、請求項2では10〜35%含有する肥料と
して直接使用可能な高Pスラグを得る方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため種々検討を重ねた結果、以下の(A)〜
(D)の知見を得た。
【0008】(A)P濃度が0.15%以下の低P溶銑
を出発原料として、その溶銑を脱Pして生成したスラグ
を溶銑浴を収容した容器内に投入し、炭素材および酸化
鉄および/または酸素を供給して、P含有スラグを溶融
すると、0.5〜3%のPを含む溶銑を得ることができ
る。この溶銑のSi濃度は0.1%以下となり、トーマ
ス転炉法で使用される溶銑と同等のPを含有する一方、
トーマス転炉法と異なりSi濃度が低い。従って、溶銑
を再度脱P(以下、最終脱Pという)する時のスラグ量
が低減できP2 5 の高いスラグを得ることができる。
【0009】(B)上記の最終脱P時に、炭素濃度を
1.0%以下まで脱炭すれば、炭素の燃焼反応熱により
溶鋼の温度が上昇して、1550℃以上となることか
ら、蛍石(CaF2 )を添加しなくても十分スラグが溶
解し、脱P力の強いスラグを形成できる。 (C)最終脱P時のスラグ塩基度を適正に管理すること
により、上記(B)の効果を一層高めることができる。
【0010】(D)溶銑浴には前記のように0.5〜3
%のPを含むが、同時にほぼ同濃度のMnと0.1%程
度のSiも含有する。最終脱P時に、Pがスラグに移行
すると同時にMnとSiも、MnOとSiO2 の形でス
ラグに移行する。スラグを肥料として使用する場合、M
nOおよびSiO2 は悪影響を与えないが、これらの量
を少なくした方がより一層スラグ中P2 5 濃度を上昇
させることができ、肥料としての効果が増す。また、M
nOを分離できれば、Mn源として有効活用も期待でき
る。
【0011】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
でその要旨は下記の(1)および(2)のとおりであ
る。 (1)P濃度が0.15%以下の低P溶銑を脱Pして得
られるP含有スラグを溶銑浴に投入し、炭素材および酸
化鉄または/および酸素を供給して、スラグ中のPを溶
銑浴中に還元抽出して0.5〜3%のPおよび0.1%
以下のSiを含む溶銑を生成する第1工程と、第1工程
で生成したスラグを除去した後、該溶銑に処理後のスラ
グ塩基度(CaO/SiO2 重量%比)が2〜8になる
ようにフラックスを添加し、さらに酸化鉄源の添加およ
び/または酸素ガスの吹き込みを行って溶銑中に含まれ
る炭素濃度を1%以下まで低下させる第2工程により処
理後のP2 5 濃度が10〜30%であるスラグを得る
ことを特徴とする高Pスラグの製造方法。
【0012】(2)上記(1)に記載の第1工程で生成
した溶銑に酸化鉄または/および酸素を添加することに
より溶銑中のMnおよびSiを低下させてから上記
(1)に記載の第2工程の処理を実施することよりP2
5 濃度が10〜35%であるスラグを得ることを特徴
とする高Pスラグの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、最終脱Pプロセスの構成
例として転炉の縦断面図を示す。脱P処理用の反応容器
は、通常用いられる転炉1が好適であるが、脱Pフラッ
クスおよび鉄鉱石8の添加と撹拌の手段(図1では底吹
きガス7を使用した例を示した)を有するものなら他の
設備でも構わない。なお、2は上吹きランス、3は底吹
きノズル、4は高P含有銑、5はスラグ6は酸素ガスで
ある。
【0014】本発明によれば、先ず、P濃度が0.15
%以下の溶銑を脱Pして得られるP含有スラグを原料ス
ラグとして用意し、例えば転炉1に収容された低P溶銑
浴に投入する。このとき原料スラグは通常固化状態であ
るため、燃焼溶融し、スラグ中のPを溶銑浴中に還元抽
出する原料として炭素材および酸化鉄または/および酸
素を供給する。
【0015】炭素材は、燃料および還元剤としてコーク
スや微粉炭等を使用し、酸化鉄は、支燃ガスの酸素供給
源としてミルスケールや鉱石等鉄を使用する。転炉1を
使用すれば、酸素吹き込み上吹きランス2すれば、酸素
が容易に供給できる。
【0016】最終脱Pを施す溶銑中のP濃度を0.5〜
3%の間が望ましい。
【0017】P濃度が0.5%未満の場合には、スラグ
中のP2 5 濃度が10%未満程度にしかならず、通常
の0.15%以下のPを含有する溶銑の脱PスラグのP
2 5 濃度5%前後のものと大差がない。
【0018】P濃度が3%を超えると、、脱P処理に必
要なスラグ量が過剰となり、スラグのフォーミングによ
る溢れや撹拌力不足による脱P効率の低下等の原因とな
り好ましくない。
【0019】また、P濃度が3%超えると、溶銑中にP
を還元抽出する場合の反応駆動力が低下し、還元時間が
長くなるので好ましくない。最終脱P処理時のスラグ塩
基度(CaO/SiO2 )は、2〜8が好ましい。
【0020】スラグ塩基度が2未満では脱P能が不足
し、スラグ中のP2 5 濃度が10%未満にしかなら
ず、好ましくない。塩基度が8を超えると初期のスラグ
の融点が高くなりすぎ、最終脱P後の溶鋼温度を155
0℃以上としても十分に滓化せず、安定した脱P能が得
られない。
【0021】塩基度のより好ましい範囲は、4〜8であ
る。CaO源として生石灰、石灰石等が使用できる。S
iO2 源としては珪砂、珪石等を使用する。
【0022】この他にCaOおよびSiO2 の少なくと
も1種以上を含んだ各種のスラグを活用できれば、製鉄
所から発生するスラグ廃棄物の減量化になり好ましい。
CaF2 はスラグの融点を低下させる成分であるが、P
2 5 と反応してアパタイトを形成し、肥料としての効
果をなくすのでスラグ中の含有濃度は1%未満、望まし
くは0.1%以下に抑えるのが望ましい。
【0023】フラックスを初期に一括して添加しても良
いし、撹拌しながら分けて投入しても良い。スラグ中に
Pは、P2 5 の形で移行するためPの酸化剤として鉄
鉱石、焼結鉱、スケール等の酸化鉄源の添加または/お
よび酸素ガスの吹き込みが必要である。酸化鉄源の場合
はフラックスと同様に一括添加しても良いし、撹拌を行
いながら徐々に添加しても良い。酸素ガスの場合は撹拌
を行いながら吹き込むのが望ましい。
【0024】上記フラックス等を添加した後、容器内を
撹拌して脱P処理を行うが、撹拌の方法は、底吹きノズ
ルからガスを吹き込む方式やインペラーによる機械的撹
拌方式がありいずれの方式でもよいし、併用してもよ
い。
【0025】塩基度の高いスラグは、融点が高いので滓
化し難いが脱炭反応の進行に従って溶銑浴の温度が上昇
し、スラグの融点を上回ると滓化して、Pの酸化により
生成したP2 5 を溶解する。P2 5 はスラグの融点
を下げる作用があるので、P2 5を溶解したフラック
スは更に融点が低下し、周囲の未滓化フラックスの溶解
を促進することができる。従って、CaF2 を添加しな
くても速やかにフラックスを滓化することができる。
【0026】溶鋼中の炭素濃度を1.0%以下とした理
由は、1.0%を超えると炭素の燃焼反応熱による溶鋼
温度の上昇が不十分となり、1550℃未満となり蛍石
を1%を超えて添加しなければならないからである。滓
化したスラグには、次第にPの酸化によって発生したP
2 5 が濃化し、溶銑中のP濃度は低下する。あるレベ
ルに達するとスラグ中のP2 5 と溶銑中のPが平衡に
達して脱P反応が停止する。
【0027】第1工程終了後、さらに高い高Pスラグを
得るために、溶銑中のMnおよびSiを除去する処理工
程を追加することもできる。この処理工程においては、
酸素および/または酸化鉄を添加しつつ、溶銑を撹拌し
て、MnおよびSiの酸化を促進する。この場合、スラ
グの塩基度(CaO/SiO2 :スラグ中の2成分の重
量%比)が高すぎるとPも同時に酸化され、第2工程の
最終脱P処理時スラグ中P2 5 濃度の低下を招くた
め、スラグの塩基度は0.5以下が望ましい。
【0028】前記のように、前処理された溶銑にスラグ
塩基度(CaO/SiO2 )が2〜8になるよう調整し
た脱Pフラックスを添加することにより、P2 5 濃度
が10〜35%である高Pスラグを得ることができる。
【0029】スラグ中のP2 5 濃度は、スラグの組
成、初期の溶銑中のP濃度等によって異なるが、本発明
法の場合、請求項1では10〜30%、請求項2では1
0〜35%である。通常の転炉精錬及び溶銑脱Pにおけ
るスラグ中のP2 5 濃度は5%程度であるから本発明
法によって2〜6倍に高めることができる。
【0030】この高Pスラグは溶銑と分離して反応容器
外に排出するが、このスラグはP濃度が高いため肥料の
みならず、リン酸原料として利用が可能である。また、
最終脱P後の溶鋼をさらに脱P処理することにより、P
濃度が0.02%以下の溶鋼を溶製し製品化することも
可能である。
【0031】
【実施例】転炉を用いて、P濃度が0.10〜0.11
%の低P溶銑を出発原料として、その溶銑を脱Pして生
成したスラグを転炉内に投入し、炭素材および酸素を供
給して、溶融すると共に、該スラグ中のPを溶銑浴中に
還元抽出して約2%のPを含む溶銑を2トン溶製した。
【0032】この溶銑に表1に示す脱Pフラックス(生
石灰中CaO=92%、鉄鉱石中T.Fe=65%)を
添加し、酸素吹き込み量、鉄鉱石投入量を変化させるこ
とにより処理後の炭素濃度、浴温度を変化させて最終脱
Pした。フラックスの添加方法は半量を初期に、残りを
送酸開始5分後に行った。
【0033】
【表1】
【0034】フラックスおよび鉄鉱石を添加後、アルゴ
ンガスを使用した底吹き撹拌しながら酸素ガスを上吹き
して最終脱P処理を行った。送酸開始後20分で最終脱
Pを終了し溶銑とスラグを分離して排出した。最終脱P
処理前後の溶銑、溶鋼成分およびスラグ成分を表2に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】本発明例1、2では、P2 5 濃度18%
以上の高P2 5 スラグが容易に得られ、特にスラグ量
が溶鋼トンあたり200kg以下である本発明例2で
は、トーマス法では得られなかったP2 5 濃度25%
以上の高Pスラグが得られた。
【0037】また、本発明例1、2の高Pスラグを肥料
として使用した結果、特に問題なく使用することができ
た。脱P処理温度が低い条件の比較例1は、処理後のス
ラグの流動性を確保するため、スラグ中のCaF2 濃度
が15%となるように蛍石を添加した。この結果、スラ
グ中のP2 5 濃度は高くできたがが、CaF2 の存在
によりアパタイトが形成され、肥料として使用すること
ができなかった。
【0038】比較例2は、脱P処理温度が低く、しかも
螢石を使用しなかったため、スラグの流動性が極端に低
下し、脱P反応が十分進行せず、スラグ中P2 5 濃度
も10%未満であった。比較例3は、処理前の溶銑中の
P濃度が0.1%と低く、処理後のスラグ中のP2 5
濃度は5%以下であり、肥料として十分な性能が得られ
なかった。
【0039】本発明例1と同じ溶銑2トンを転炉に装入
し、最終脱P処理に先だって、鉄鉱石を30kg、生石
灰を2kg投入しつつ酸素を1Nm3/分の流量で5分間の
処理をして溶銑中のMnおよびSiを除去した。処理前
のMn、Siはそれぞれ、1.4%、0.06%であ
り、処理後のMn、Siはそれぞれ、0.25%、0.
01%であった。この溶銑を対象に表1の本発明例1と
同じ条件で脱P処理を行った結果、スラグ中のP2 5
濃度は23%と本発明例1よりさらに高いP2 5 濃度
が得られた。この高Pスラグを肥料として使用した結
果、特に問題なく使用することができた。
【0040】本発明例2と同じ溶銑2トンを転炉に装入
し、最終脱P処理に先だって、鉄鉱石を30kg、生石
灰を2kg投入しつつ酸素を1Nm3/分の流量で5分間の
処理をして溶銑中のMn、Siを除去した。処理前のM
n、Siはそれぞれ、1.3%、0.05%であり、処
理後のMn、Siはそれぞれ、0.2%、0.01%で
あった。この溶銑を対象に本発明例2と同じ条件で脱P
処理を行った結果、スラグ中のP2 5 濃度は31%と
表2のNo.2よりさらに高いスラグ中P2 5 濃度が
得られた。この高Pスラグを肥料として使用した結果、
特に問題なく使用することができた。
【0041】
【発明の効果】本発明によって低P含有銑鉄を出発原料
として、高濃度のP2 5 を均一に含むスラグを作るこ
とができる。このスラグは肥料として直接使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終脱Pプロセスの構成を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1:転炉、 2:上吹きランス、 3:底吹きノズル、 4:高P含有銑、 5:スラグ、 6:酸素ガス、 7:底吹きガス(Ar、窒素等)、 8:脱Pフラックス、鉄鉱石等

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P濃度が0.15%以下の溶銑を脱Pし
    て得られるP含有スラグを溶銑浴に投入し、炭素材およ
    び酸化鉄または/および酸素を供給して、スラグ中のP
    を溶銑浴中に還元抽出して0.5〜3%のPおよび0.
    1%以下のSiを含む溶銑を生成する第1工程と、第1
    工程で生成したスラグを除去した後、該溶銑に処理後の
    スラグ塩基度(CaO/SiO2 重量%比)が2〜8に
    なるようにフラックスを添加し、さらに酸化鉄源の添加
    および/または酸素ガスの吹き込みを行って溶銑中に含
    まれる炭素濃度を1%以下まで低下させる第2工程によ
    り処理後のP2 5 濃度が10〜30%であるスラグを
    得ることを特徴とする高Pスラグの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の第1工程で生成した溶
    銑に酸化鉄または/および酸素を添加することにより溶
    銑中のMnおよびSiを低下させてから請求項1に記載
    の第2工程の処理を実施することによりP2 5 濃度が
    10〜35%であるスラグを得ることを特徴とする高P
    スラグの製造方法。
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