JPH11166108A - 抗菌性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

抗菌性樹脂組成物及びその用途

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JPH11166108A
JPH11166108A JP9333206A JP33320697A JPH11166108A JP H11166108 A JPH11166108 A JP H11166108A JP 9333206 A JP9333206 A JP 9333206A JP 33320697 A JP33320697 A JP 33320697A JP H11166108 A JPH11166108 A JP H11166108A
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antibacterial
resin composition
polyester
group
inorganic
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JP9333206A
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English (en)
Inventor
Satoshi Hayakawa
聡 早川
Hideto Ohashi
英人 大橋
Yoshiaki Takegawa
善紀 武川
Juji Konagaya
重次 小長谷
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリエステル層及びポリオレフィン層の
少なくとも二層以上の積層体よりなる抗菌性積層包装材
料の提供。積層体の少なくとも一方の最外層が無機系及
び/又は有機系抗菌剤と親水性物質とを含有するホスホ
ニウム塩基含有ポリエステル層である。 【効果】 抗菌性を有さない物品に高度な抗菌性を後付
けの形で付与することができる。滅菌を必要とする分野
においては、その効果を維持する等の付加価値を与えた
物品を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性樹脂組成
物、この抗菌性樹脂組成物を含有する積層体よりなる積
層包装材料及び包装袋を提供する。従って、積層包装材
料が用いられる利用分野、すなわち工業用フィルム、包
装用フィルムの全てにわたって適用でき、新たに抗菌特
性を付与することができる。特に滅菌を要する食品、医
療器具、医療施設、医薬品分野での包装被覆等において
好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、中でもポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエ
チレンテレフタレート及びエチレンテレフタレートは優
れた物理的、化学的特性を有し、繊維、プラスチック、
フィルム、シート、接着剤等に使用されている。最近、
これらに無機系又は有機系の抗菌剤を充填又は塗布した
抗菌性を有する製品が考案されている。
【0003】現在、主に検討又は使用されている抗菌剤
としては、キチン、キトサン、ワサビ抽出物、カラシ抽
出物、ヒノキチオール、茶抽出抗菌剤等の天然品の他、
光酸化触媒酸化チタン粒子、酸化亜鉛超微粒子、銀含有
ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム等の無機系化合
物品及び有機アンモニウム塩系、有機ホスホニウム塩系
化合物等の合成品が挙げられる。天然品及び銀に代表さ
れる無機系抗菌剤は毒性の面で安全で最近注目を浴び、
以下の発明がすでに開示されている。
【0004】特開平3−83905号公報には、銀イオ
ン含有リン酸塩系の抗菌剤が開示され、特開平3−16
1409号公報には、特定のイオン交換容量を有するゼ
オライト中の一定容量を銀イオンで置換してなる抗菌剤
が開示されている。
【0005】これらに開示された発明に従い、フィル
ム、シート、繊維、プラスチックを作成し、その黄色ブ
ドウ球菌、大腸菌等に対する抗菌性を評価したが、透明
性を維持しようと添加量を比較的控えめにすると、抗菌
活性は不十分で、抗菌活性を改善しようとすると、透明
性を犠牲にしなければならず、実用的には改良の余地が
あった。
【0006】他方、有機合成品の抗菌剤は、かび類等に
対して抗菌能が天然品、無機品より優れるのが一般的で
あるが、フィルム等の基体へそれらの抗菌剤を表面塗布
又は充填した場合、抗菌剤が低分子量であるため、フィ
ルム等の基体から揮発、脱離、分離しやすく、抗菌性の
長期安定性の点から、また人体への安全性の点で好まし
くない。抗菌剤をフィルム等に使用する場合には、抗菌
剤が水や有機溶媒等に溶解せず、フィルム表面から遊
離、脱離、剥離、脱落し難いことが抗菌性能の長期安定
性及び人体への安全性の面から好ましい。
【0007】このような状況の中、最近では、フィル
ム、繊維等の原料となるポリマー素材に有機系の抗菌剤
をイオン結合又は共有結合で結合した固定化抗菌剤が開
示されている。特開昭54−86584号公報には、カ
ルボキシル基やスルホン酸等の酸性基とイオン結合して
いる4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有す
る高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載されてい
る。
【0008】特開昭61−245378号公報には、ア
ミジン基などの極性基や4級アンモニウム塩基を有する
抗菌剤成分を含有したポリエステル共重合体からなる繊
維が記載されている。
【0009】特開昭57−204286号公報、同63
−60903号公報、同62−114903号公報、特
開平1−93596号公報、同2−240090号公報
等の各公報には、種々の含窒素化合物と同様、ホスホニ
ウム塩化合物が細菌類に対して広い活性スペクトルを持
った生物学的活性化学物質として記載されている。
【0010】上記のホスホニウム塩を高分子物質に固定
化して用途の拡大を試みた発明が開示されている。
【0011】特開平4−266912号公報にはホスホ
ニウム塩系ビニル重合体の抗菌剤について、特表平4−
814365号公報にはビニルベンジルホスホニウム塩
系ビニル重合体の抗菌剤についてそれぞれ開示されてい
る。
【0012】さらには、特開平5−310820号公報
には、酸性基及びこの酸性基とイオン結合したホスホニ
ウム塩基を有する抗菌成分を含有する高分子物質を主体
とした抗菌性材料が記載されている。その実施例中で、
スルホイソフタル酸のホスホニウム塩を用いたポリエス
テルが開示されている。
【0013】また、特開平6−41408号公報には、
抗菌作用には一切言及していないが、写真用支持体、包
装用、一般工業用、磁気テープ用等にスルホン酸ホスホ
ニウム塩の共重合ポリエステルとポリアルキレングリコ
ールとからなる改質ポリエステル及びポリエステルフィ
ルムが開示されている。
【0014】上記特許の明細書に記されたホスホニウム
塩に結合したアルキル基は、前記特開平5−31082
0号公報とは異なり、ブチル基、フェニル基やベンジル
基といった比較的炭素数の短いタイプである。
【0015】特開平4−266912号公報、特表平4
−814365号公報、特開平5−310820号公報
を鋭意検討し、その実施例に従いホスホニウム塩基含有
ビニル共重合体及び共重合ポリエステルを合成し、繊
維、フィルム、シート等を形成したり、またそれの抗菌
ポリマーを繊維、フィルムシート面上に塗布することに
より積層体を形成し、その抗菌性を評価したが、抗菌活
性は不十分であった。さらには、抗菌性を向上させよう
と、トリノルマルブチルドデシルホスホニウム塩基を5
0モル%以上結合させたポリエステルを合成し、それか
らフィルム、シート等を作成したが、ポリマーの着色及
びガラス転移点の低下による力学物性の低下のみならず
抗菌性が不十分であった。
【0016】さらに、前述の無機系抗菌剤及び有機系抗
菌剤を単独又は混合使用し、繊維、織物、フィルム、シ
ート等を形成し、その黄色ブドウ球菌、大腸菌等に対す
る抗菌性を評価したが、抗菌活性は不十分で、実用性に
は不十分であった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来の問題点を解決したうえで、その高活性な抗菌性
樹脂組成物、詳しくは基体中又は基体表面の無機系及び
/又は有機系抗菌剤量を増やすことなく抗菌活性を向上
することができる抗菌性樹脂組成物を適用した積層包装
材料及び包装袋を提供し、さらに該積層包装材料及び包
装袋にて被覆、包装することにより容易に抗菌性を付与
し得た物品を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、無機系
及び/又は有機系抗菌剤と親水性物質とを含有するポリ
エステルから主としてなる抗菌性樹脂組成物により達成
される。
【0019】好適な実施様態においては、有機系抗菌剤
と親水性物質とが共重合されている抗菌性樹脂組成物に
より達成される。
【0020】さらなる好適な実施様態においては、無機
系抗菌剤が銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)の金
属微粒子及びこれらの金属イオンの少なくとも一種を担
持させた無機化合物であること、あるいは酸化チタン
(TiO2 )及び/又は酸化亜鉛(ZnO2 )を含むこ
とにより達成される。
【0021】さらなる好適な実施様態においては、有機
系抗菌剤がアンモニウム塩基、ホスホニウム塩基及びス
ルホニウム塩基の少なくとも一塩基を主鎖又は側鎖に含
む高分子化合物である抗菌性樹脂組成物により達成され
る。
【0022】特に好適な実施様態においては、親水性物
質が水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基又は
そのアルカリ金属塩、スルホン酸基又はそのアルカリ金
属塩、第4級アンモニウム塩基、ポリエーテル鎖、ポリ
アミン鎖の少なくとも1種を含む高分子化合物である抗
菌性樹脂組成物により達成される。
【0023】本発明の抗菌性樹脂組成物は、無機系及び
/又は有機系抗菌剤に親水性物質を含ませることによ
り、その抗菌活性が著しく高められるところに特徴があ
る。
【0024】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
おける無機系抗菌剤とは、金属又は金属イオンを含み、
例えば黄色ブドウ状球菌や大腸菌などの細菌に対して抗
菌活性を示す無機化合物の総称であり、その形態は気
体、液体、固体の別を問わない。当該金属としては、例
えば銀、亜鉛、銅、チタン、モリブデン等が挙げられ
る。無機系抗菌剤として具体的には、銀、亜鉛、銅等の
金属微粒子または金属イオンを、シリカ等の金属酸化
物、ゼオライト、合成ゼオライト、リン酸ジルコニウ
ム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛カルシウム、セラミ
ック、溶解性ガラス粉、アルミナシリコン、チタンゼオ
ライト、アパタイト、炭酸カルシウム等の無機質に担持
させた微粒子;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化モリブデン
等の光酸化触媒能を有する金属酸化物のゾル−ゲル体薄
膜またはそれらの微粒子;当該ゾル−ゲル体薄膜や微粒
子を、無機あるいは有機化合物試薬で表面処理したも
の、ゾル−ゲル法等により無機化合物粒子の表面を他の
無機酸化物、複合酸化物等により積層、被覆、包接・包
埋した複合粒子が挙げられる。また金属ゾル−ゲル体形
成時にその原料となる金属アルコラート体中に上記の無
機系抗菌剤を添加させ複合系として利用することも可能
である。さらに光触媒能を有するものを用い、任意の工
程で近紫外光を当てることにより、更に強力な抗菌性を
発揮することができる。
【0025】このような無機系の抗菌剤の具体例とし
て、ノバロン(東亜合成(株)製)、バクテキラー(カ
ネボウ化成(株)製)、抗菌性真球状セラミック粒子S
1,S2,S5((株)アドマテック製)、ホロンキラ
ー((株)日鉱製)、ゼオミック(品川燃料(株)
製)、アメニトップ(松下電器産業(株)製)、イオン
ピュア(石塚硝子(株)製)等の銀系抗菌剤、P−25
(日本アエロジル(株)製)、ST−135(石原産業
(株)製)等の二酸化チタン微粒子及びゾルゲル体が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。また、
複合粒子の例として、二酸化チタンをシリカで被覆した
微粒子、GYT(五洋紙工(株)製)等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0026】無機系抗菌剤は、抗菌性樹脂組成物中、好
ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜
10重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%含有さ
れる。この含有量が0.1重量%未満の場合、当該組成
物の抗菌活性が不充分となるおそれがあり、逆に20重
量%を超える場合、当該層の機械的性質および耐熱性、
耐候性が低下するおそれがある。
【0027】本発明に用いられる有機系抗菌剤とは、抗
菌性能を有する、天然抽出物、低分子有機化合物、高分
子化合物の総称で、窒素、硫黄、リン等の元素を含むの
が一般的である。
【0028】天然の有機系抗菌剤としては、例えばキチ
ン、キトサン、ワサビ抽出物、カラシ抽出物、ヒノキチ
オール、茶抽出物等が挙げられる。
【0029】低分子の有機系抗菌剤としては、例えばイ
ソチオシアン酸アリル、ポリオキシアルキレントリアル
キルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ヘキサメチ
レンビグアニド塩酸塩、有機シリコン第4級アンモニウ
ム塩等の第4級アンモニウム塩、フェニルアミド系化合
物、ビグアニド系化合物、スルホイソフタル酸テトラア
ルキルホスホニウム塩またはそのジエステル他が挙げら
れる。
【0030】上述の天然または低分子の有機抗菌剤は、
抗菌性樹脂組成物中、好ましくは0.1〜10重量%、
より好ましくは0.3〜5重量%含有される。この含有
量が0.1重量%未満の場合、当該組成物の抗菌活性が
不充分となるおそれがあり、逆に10重量%を超える場
合、当該組成物からなる層の機械的性質および耐熱性、
耐候性が低下するおそれがある。
【0031】高分子の有機系抗菌剤(以下、高分子抗菌
剤ともいう)としては、例えばアンモニウム塩基、ホス
ホニウム塩基、スルホニウム塩基等のオニウム塩、フェ
ニルアミド基、ビグアニド基等の抗菌活性基を主鎖また
は側鎖に有する高分子化合物が挙げられる。中でも、親
水性物質による抗菌性の向上の観点から、アンモニウム
塩基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基を有する高
分子抗菌剤が好ましく、特にホスホニウム塩基を有する
高分子抗菌剤が好ましい。以下にその例を示すが、これ
らに限定されるものではない。 A)下記一般式で示されるホスホニウム塩系ビニル重合体
【0032】
【化1】
【0033】(式中、R1 、R2 およびR3 は同一また
は異なって、炭素原子数1〜18個の直鎖状または分岐
状のアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、あ
るいはヒドロキシル基またはアルコキシル基で置換され
たアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を示
し、X- はアニオンを示し、nは2以上の整数を示す)
【0034】上記R1 、R2 、R3 の具体例を挙げる
と、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ドデシル等が挙げられる。アリール基としては、
例えば、フェニル、トリル、キシリル等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル
等が挙げられる。ヒドロキシル基で置換されたアルキル
基としては、例えば、2−ヒドロキシエチルが挙げら
れ、ヒドロキシル基で置換されたアリール基としては、
例えば、p−ヒドロキシフェニルが挙げられ、ヒドロキ
シル基で置換されたアラルキル基としては、例えば、p
−ヒドロキシベンジルが挙げられ、アルコキシル基で置
換されたアルキル基としては、例えば、2−ブトキシエ
チルが挙げられ、アルコキシル基で置換されたアリール
基としては、例えば、p−ブトキシフェニルが挙げら
れ、アルコキシル基で置換されたアラルキル基として
は、例えば、p−ブトキシベンジルが挙げられる。中で
も、アルキル基、アリール基が好ましい。
【0035】上記X- はアニオンであり、例えば、フッ
素、塩素、臭素またはヨウ素等のハロゲンイオン、硫酸
イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン等が挙げられ、
中でもハロゲンイオンが好ましい。nの上限は特に限定
しないが、好ましくは2〜500、より好ましくは10
〜300である。このホスホニウム塩系ビニル重合体
は、特開平4−266912号公報の記載に従って調製
することができる。
【0036】b)ホスホニウム塩基を有する共重合ポリエ
ステル 抗菌成分であるスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン
酸のホスホニウム塩を、ジカルボン酸成分として含有し
てなる共重合ポリエステルである。
【0037】スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸
のホスホニウム塩としては、例えば、スルホイソフタル
酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソ
フタル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
テトラデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、スルホテレフタ
ル酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホテ
レフタル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム
塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシル
ホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチル
テトラデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ
−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、4−スルホナフ
タレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデシル
ホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム
塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ
−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルテ
トラデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−
2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホ
ニウム塩等が挙げられる。中でも、抗菌活性がより優れ
ている点で、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキ
サデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n
−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スルホイソフタ
ル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩が特に好
ましい。
【0038】これらのスルホン酸基を有する芳香族ジカ
ルボン酸のホスホニウム塩の重合量は、共重合ポリエス
テルを構成する全ジカルボン酸成分中、好ましくは1〜
50mol%である。この重合量が1mol%未満の場
合、得られる共重合ポリエステルの抗菌活性が低下し易
い傾向があり、逆に50mol%を超えると、得られる
共重合ポリエステルのガラス転移点が低下して、耐熱性
および強度が不充分となる傾向がある。
【0039】上記のスルホン酸基を有する芳香族ジカル
ボン酸ホスホニウム塩は、スルホン酸基を有する芳香族
ジカルボン酸またはそのナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等に、トリ−n−ブチルヘキサデシルホス
ホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルテトラデシルホ
スホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルドデシルホス
ホニウムブロマイド等のホスホニウム塩を反応させるこ
とにより得られる。このときの反応溶媒は特に限定しな
いが、水が最も好ましい。
【0040】他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジ
カルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン
酸、複素環式ジカルボン酸等が挙げられる。具体的に
は、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4,4−ジカルボキシフェニル、4,4−ジカルボ
キシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)
エタンおよびそれらの誘導体等が挙げられ、脂環式ジカ
ルボン酸としては、シクロヘキサン−1,4−ジカルボ
ン酸およびその誘導体等が挙げられ、脂肪族ジカルボン
酸としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、エイコ酸、ダイマー酸およびそれらの誘導体等が挙
げられ、複素環式ジカルボン酸としては、ピリジンジカ
ルボン酸およびその誘導体等が挙げられる。このような
ジカルボン酸成分以外にp−オキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸および
その誘導体等の多官能酸を使用することも可能である。
【0041】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げら
れる。このほか少量のアミド結合、ウレタン結合、エー
テル結合、カーボネート結合等を含有する化合物を含ん
でいてもよい。
【0042】上記の共重合ポリエステルの製造法は特に
限定しないが、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接
反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直
接重合法、ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコ
ールとをエステル交換反応させたのち重縮合する、いわ
ゆるエステル交換法等があげられ、任意の製造法を適用
することができる。また、重合時に酸化アンチモン、酸
化ゲルマニウム、チタン化合物等の重合触媒を用いても
よい。
【0043】上記の共重合ポリエステルの製造は上記の
方法に限定されるものではなく、他の合成方法として
は、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸をジカル
ボン酸成分としてポリエステルを製造した後、これに、
トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイ
ド、トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウムブロマ
イド、トリ−n−ブチルドデシルホスホニウムブロマイ
ド等のホスホニウム化合物を反応させる方法も挙げられ
る。
【0044】上記共重合ポリエステルの極限粘度は、好
ましくは0.5〜1.0、より好ましくは0.6〜0.
8である。極限粘度が0.5以下では抗菌性のポリエス
テル層の力学的強度が不十分になり易い傾向がある。
【0045】本発明において極限粘度は、ウベローデ粘
度管を用い、フェノール/テトラクロロエタン=6/4
の混合溶媒を使用し、30℃で測定される。また、この
極限粘度は重合条件により調整することができる。
【0046】高分子系抗菌剤の分子量は特に限定しない
が、数平均分子量5000以上50000以下、好まし
くは10000以上30000以下、さらに好ましくは
15000以上25000以下である。数平均分子量が
5000未満では本発明の組成物の力学的強度が不十分
で実用上好ましくない。
【0047】上記共重合ポリエステルは、本発明の抗菌
性樹脂組成物に含有されるポリエステル樹脂を兼ねるこ
ともある。この場合、後述する親水性物質は当該共重合
ポリエステルに混合されるか、あるいは当該共重合ポリ
エステルの重合成分の1つとして含まれる。
【0048】上記の共重合ポリエステルには、着色防
止、ゲル発生防止等の耐熱性の改善の目的で、酢酸マグ
ネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウ
ム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マ
ンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩
化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を各々金属イオン
として300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメチ
ルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エス
テル誘導体(リン酸類)をPとして200ppm以下添
加することも可能である。上記の範囲を超えて添加する
と、かえって共重合ポリエステルの着色が顕著になるの
みならず、共重合ポリエステルの耐熱性および耐加水分
解性も著しく低下する。
【0049】従って、着色防止、耐熱性、耐加水分解性
等の低下を防止する点で、以下の式で表される総P量
(リン酸およびリン酸エステル誘導体)と総金属イオン
量(Mg、Ca、Mn、ZnおよびCo)とのモル比が
0.4〜1.0となるように添加することが好ましい。 添加物のモル比=総P量(モル原子)/総金属イオン量
(モル原子) 上記のモル比が上記範囲外の場合には、共重合ポリエス
テルの着色が顕著になり、またその耐熱性および耐加水
分解性も著しく低下し、さらに粗大粒子発生が顕著とな
り易い傾向がある。
【0050】上記金属イオンおよびリン酸類の添加時期
は特に限定しないが、一般的には金属イオン類は原料仕
込み時、すなわちエステル交換前またはエステル化前
に、リン酸類の添加は重縮合反応前に添加するのが好ま
しい。
【0051】上述の高分子抗菌剤は、本発明の組成物
中、好ましくは1〜100重量%、より好ましくは10
〜100重量%含有される。この含有量が1重量%未満
の場合、当該組成物の抗菌活性が不充分となるおそれが
ある。この高分子抗菌剤の含有量の範囲は、後述するよ
うな親水性物質が高分子抗菌剤の重合成分として含有さ
れている場合や、高分子抗菌剤が上述の共重合ポリエス
テルであって、これが抗菌性組成物に含有される前記の
ポリエステル樹脂を兼ねている場合も含まれている。
【0052】本発明の抗菌性樹脂組成物には上記抗菌剤
以外に親水性物質が含有される。本発明で使用される親
水性物質とは、当該物質をポリエチレンテレフタレート
に混合あるいは1重合成分として共重合した場合に、も
とのポリエチレンテレフタレートよりも親水性が高くな
るような物質をいい、実質的には、このような範囲の親
水性物質の中で、当該物質を含有させることにより、含
有しない場合よりも抗菌性樹脂組成物の親水性が高めら
れるような物質を、適宜選択して使用する。
【0053】具体的には、例えば水酸基、アミノ基、ア
ミド基、カルボキシル基またはそのアルカリ金属塩、ス
ルホン酸基またはそのアルカリ金属塩、第4級アンモニ
ウム塩基、アミン塩基の少なくとも1種の基を有する化
合物、あるいはポリエーテル鎖、ポリアミン鎖の少なく
とも1種を有する化合物であり、前述の抗菌剤に用いら
れるものを除く。ここで、ポリエーテル鎖とはエーテル
結合を主鎖に2個以上を含む鎖をいい、例えば、ポリオ
キシメチレン鎖、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプ
ロピレン鎖が代表的に挙げられる。ポリアミン鎖とは、
主鎖の中に塩基性の2個以上の窒素原子を含む鎖であ
り、代表的なものにポリエチレンイミン鎖、ポリアルキ
レンポリアミン鎖(例えば、ポリエチレンポリアミン
鎖)がある。
【0054】具体的には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチルアミ
ノメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート)、ポリ(N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート)、ポリビニルアミン、ポリ
ビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイ
ミダゾール、アクリル酸のホモポリマーまたは共重合
体、メタクリル酸のホモポリマーまたは共重合体、無水
マレイン酸のホモポリマーまたは共重合体(例えば、無
水マレイン酸・スチレン共重合体)、ビニルスルホン酸
のホモポリマーまたはその共重合体またはそれらのアル
カリ金属塩、スチレンスルホン酸のホモポリマーまたは
その共重合体またはそれらのアルカリ金属塩、ポリスチ
レンの第4級アンモニウム塩誘導体、ポリビニルイミダ
ゾリン塩、ポリアリルアミン塩、あるいはポリアルキレ
ングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(別名
ポリエチレンオキサイド)、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等)、グリセリン、ポリグリセリン
等のポリオールまたはその重合体、さらには、ジカルボ
ン酸成分としてスルホイソフタル酸のアルカリ金属塩ま
たはアンモニウム塩を全ジカルボン酸成分中1〜10m
ol%共重合したポリエステル等が挙げられる。また、
上記のポリアルキレングリコール、ポリグリセリンの末
端がアルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、アミン
類等で封鎖されたポリエーテル誘導体でもよく、例え
ば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル、ポリグリセリン
アルキレンオキサイド付加物、その脂肪酸エステルまた
は脂肪族アルコールエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪族アルコールエーテル、ポ
リグリセリングリシジルエーテル、その反応物等の誘導
体が挙げられる。
【0055】上記の親水性物質の中でも、ポリエチレン
グリコール等のポリアルキレングリコール、ポリグリセ
リンおよびそれらの誘導体が、抗菌性の向上の点や、抗
菌性樹脂組成物に配合されるポリエステル樹脂への相溶
性の点で好ましい。
【0056】該親水性物質の分子量は特に限定しない
が、例えばポリエチレングリコールの場合は、数平均分
子量で200〜30000が好ましく、より好ましくは
1000〜25000の範囲である。また、ポリグリセ
リンの場合は、数平均分子量で100〜2000が好ま
しく、より好ましくは200〜1000の範囲であり、
ポリビニルアルコールの場合は、数平均分子量で300
〜3000が好ましく、より好ましくは500〜200
0の範囲である。
【0057】上記親水性物質は、混合および/または共
重合により抗菌性樹脂組成物中に含有される。混合の
場合、親水性物質は、例えば他の成分との混合によって
抗菌性樹脂組成物中に含有される。共重合の場合、親
水性物質は、a)前記高分子抗菌剤の重合成分の1つとし
て、b)抗菌性樹脂組成物に含有される前記ポリエステル
樹脂の重合成分の1つとして、さらにc)前記高分子抗菌
剤が前述の共重合ポリエステルであって、これが抗菌性
樹脂組成物に含有される前記ポリエステル樹脂を兼ねて
いる場合に当該共重合ポリエステルの重合成分の1つと
して、それぞれ抗菌性樹脂組成物に含有される。また、
該親水性物質は、抗菌剤とイオン結合等の結合がなされ
ていてもよい。
【0058】の方法において、当該親水性物質の含有
量は特に限定されないが、例えば、ポリアルキレングリ
コールを混合により含有させる場合、抗菌性樹脂組成物
全体に対して0.1〜20重量%の範囲が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満の場合、親
水性が不十分となって抗菌活性増大効果が不十分となる
おそれがあり、一方20重量%を超えると、当該層から
なる抗菌性ポリエステル層の機械的特性および耐熱性・
耐候性が低下するおそれがある。
【0059】この親水性物質を混合により抗菌性ポリエ
ステル層中に含有させる方法は、無機系および/または
有機系抗菌剤と親水性物質を押し出し機等を用いて加熱
溶融混合する方法、無機系および/または有機系抗菌剤
と親水性物質を適当な溶媒中、例えば水、水/アルコー
ル混合溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶
媒等に混合溶解または分散した後、該溶媒を留去する方
法等があるが何れであってもよい。
【0060】の方法において、a)前記高分子抗菌剤の
重合成分の1つとする場合、当該高分子抗菌剤として
は、上述したような、アンモニウム塩基、ホスホニウム
塩基、スルホニウム塩基等のオニウム塩、フェニルアミ
ド基、ビグアニド基等の抗菌活性基を主鎖または側鎖に
結合した高分子化合物(ポリエステル、ポリアミド、ポ
リオレフィン等)であり、親水性物質による抗菌性の向
上の観点から、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、
スルホニウム塩基を有する高分子抗菌剤が好ましく、特
にホスホニウム塩基を有する高分子抗菌剤が最も好まし
い。具体的には、ホスホニウム塩系ビニル重合体や、ス
ルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸のホスホニウム
塩をジカルボン酸成分とした共重合ポリエステルが挙げ
られる。
【0061】親水性物質は、これらの重合体の重合成分
の一部に使用される。例えば、高分子抗菌剤が共重合ポ
リエステルの場合は、グリコール成分、ジカルボン酸成
分のうちの少なくとも一方の少なくとも一部に、当該親
水性物質が使用される。この場合、親水性物質として
は、当該物質を共重合ポリエステルの重合成分として含
有させることにより、含有しない場合よりも抗菌性樹脂
組成物の親水性が高められるような物質が選択される。
【0062】この場合の親水性物質の具体例としては、
例えば、ポリアルキレングリコール、グリセリン、ポリ
グリセリン等のポリオール、スルホイソフタル酸または
そのアルカリ塩またはアンモニウム塩、ビニルピロリド
ン、アクリル酸またはそのアルカリ塩またはアンモニウ
ム塩、スチレンスルホン酸またはそのアルカリ塩または
アンモニウム塩等のような共重合可能な親水性物質が挙
げられる。
【0063】このような、親水性物質を高分子抗菌剤の
重合成分とした抗菌剤は、親水性物質の系外へのブリー
ドアウト防止、即ち高抗菌活性を長期に維持できるので
特に好ましい。
【0064】上記の場合の親水性物質の含有量は種類に
より異なるが、例えばポリアルキレングリコールの場
合、高分子抗菌剤中、好ましくは0.1〜20重量%、
より好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは
1〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満の場合、
親水性が不十分となって抗菌活性増大効果が不十分とな
るおそれがあり、一方20重量%を超えると、抗菌性ポ
リエステル層の機械的特性および耐熱性・耐候性が低下
するおそれがある。
【0065】この親水性物質の配合は、高分子抗菌剤の
製造時、重合反応前、重合反応の途中もしくは終了後の
いずれであってもよい。
【0066】また、の方法において、親水性物質は、
b)前述の、抗菌性樹脂組成物に含有されるポリエステル
樹脂の1重合成分としてもよい。この場合においても、
親水性物質として、当該物質をポリエステル樹脂の重合
成分として含有させることにより、含有しない場合より
も抗菌性樹脂組成物の親水性が高められるような物質が
選択される。
【0067】この場合の親水性物質の具体例としては、
例えば、a)の場合と同様のものが挙げられるが、ポリア
ルキレングリコール、ポリグリセリン、グリセリン、5
−スルホイソフタル酸ナトリウムが特に好ましい。
【0068】上記の場合の親水性物質の含有量は種類に
より異なるが、例えばポリアルキレングリコールの場
合、ポリエステル樹脂のグリコール成分中、好ましくは
0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量
%、特に好ましくは1〜5重量%の範囲である。0.1
重量%未満の場合、親水性が不十分となって抗菌活性増
大効果が不十分となるおそれがあり、逆に20重量%を
超えると、抗菌性ポリエステル層の機械的特性および耐
熱性・耐候性が低下するおそれがある。
【0069】この親水性物質の配合は、ポリエステル樹
脂の製造時、重合反応前、重合反応の途中もしくは終了
後のいずれであってもよい。
【0070】さらに、の方法において、親水性物質
は、c)前記高分子抗菌剤が前述の共重合ポリエステルで
あって、これが抗菌性樹脂組成物に含有される前記ポリ
エステル樹脂を兼ねている場合に、当該共重合ポリエス
テルの重合成分の1つとしてもよい。この場合において
も、親水性物質としては、当該物質をポリエステル樹脂
の重合成分として含有させることにより、含有しない場
合よりも抗菌性樹脂組成物の親水性が高められるような
物質が選択される。この場合の親水性物質の具体例とし
ては、例えば、a)の場合と同様のものが挙げられる。
【0071】上記の場合の親水性物質の含有量は種類に
より異なるが、例えばポリアルキレングリコールの場
合、ポリエステル樹脂のグリコール成分中、好ましくは
0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量
%、特に好ましくは1〜5重量%の範囲である。0.1
重量%未満の場合、親水性が不十分となって抗菌活性増
大効果が不十分となるおそれがあり、逆に20重量%を
超えると、抗菌性ポリエステル層の機械的特性および耐
熱性・耐候性が低下するおそれがある。
【0072】この親水性物質の配合は、b)の場合と同様
にポリエステル樹脂の製造時、重合反応前、重合反応の
途中もしくは終了後のいずれであってもよい。
【0073】また、抗菌性樹脂組成物は、滑り性、耐磨
耗性、耐ブロッキング性、隠蔽性等の物理的特性の向上
を目的として、炭酸カルシウム(CaCO3 )、リン酸
カルシウム、アパタイト、硫酸バリウム(BaS
4 )、フッ化カルシウム(CaF 2 )、タルク、カオ
リン、酸化珪素(SiO2 )、アルミナ(Al
2 3 )、二酸化チタン、酸化ジルコニウム(Zr
2 )、酸化鉄(Fe2 3 )、アルミナ/シリカ複合
酸化物等の無機粒子;ポリスチレン、ポリメタクリル酸
エステル、ポリアクリル酸エステル、それらの共重合
体、あるいはそれらの架橋体等の有機粒子等を含有して
もよい。
【0074】炭酸カルシウムとしては、その結晶構造に
より三方または六方晶系に分類されるカルサイト、斜方
晶系に分類されるアラゴナイト、六方または擬六方晶系
に分類されるバテライトの3つの結晶型に分類されるが
いかなる結晶型でもよく、その形状も、連球状、立方体
状、紡錘状、柱状、針状、球形、卵形等任意に選択でき
る。カオリンとしては、天然カオリン、合成カオリン、
焼性、未焼性を問わずいかなるタイプでもよく、またそ
の形状も、板状、柱状、球形、紡錘状、卵形等任意に選
択できる。アルミナとしては、ジブサイト、バイヤライ
ト、ノルトストランダイト、ベーマイト、ダイアスボ
ア、トーダイト等の結晶性アルミナ水和物;無定型ゲ
ル、ベーマイトゲル、バイヤライトゲル等の非晶性アル
ミナ水和物;およびρ,η,γ,χ,κ,δ,θ型等の
中間活性アルミナまたはα型アルミナが挙げられる。
【0075】上記粒子の平均粒径は目的に応じて適宜選
択されるので、特に限定しないが、平均一次粒子径が好
ましくは0.01〜5μmであり、その添加量は好まし
くは抗菌性樹脂組成物中5重量%以下である。粒子の添
加量が5重量%を超えると、組成物中での上記粒子の粗
大粒子が顕著になり、当該組成物からなる抗菌性ポリエ
ステル層の表面に粗大突起が目立ち、粒子の脱落が起こ
りやすくなり、当該抗菌性積層体の品質の低下を招くお
それがある。
【0076】上記粒子の配合方法は特に限定しないが、
有機系抗菌剤を所定の溶媒に分散あるいは溶解させ、そ
の系に上記粒子を分散させる方法、また高分子抗菌剤の
合成重合反応系中に該粒子を添加し分散させる方法と、
特に高分子抗菌剤が熱可塑性ポリマーの場合にはそのポ
リマー中に該粒子を添加し溶融混練する方法、親水性物
質がポリマーである場合には、その重合反応中に添加す
る方法等もある。
【0077】高分子抗菌剤が共重合ポリエステルの場合
には、粒子は、通常、エチレングリコール等のグリコー
ル成分に加えて、スラリーとしてポリエステルの重合反
応系中ヘ添加される。その添加時期は、使用する微粒子
の種類、粒子径、塩素イオン濃度、さらにスラリー濃
度、スラリーの温度等に依存するが、通常、ポリエステ
ル重合反応開始前またはオリゴマー生成段階が好まし
い。スラリーの反応系への添加時、スラリーをエチレン
グリコールの沸点まで加熱することが、粒子の分散性向
上の点で好ましい。また予め微粒子を添加した所定の熱
可塑性樹脂を無機系および/または有機系抗菌剤と混合
することも可能である。
【0078】本発明の抗菌性積層包装材料は、ポリエス
テル層及びポリオレフィン層の少なくとも二層の積層体
よりなる包装材料であって、積層体の少なくとも一方の
最外層が本発明の抗菌性樹脂組成物からなるポリエステ
ル層であることを特徴とするものであり、使用目的及び
用途に応じてこの範囲内で任意の構成を選択することが
できる。ポリオレフィン層に使用されるポリオレフィン
としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等
のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げ
られ、当該ポリオレフィン層は、フィルム、シート等の
形態で使用される。
【0079】前記ポリマーを用いることにより、包装材
料として必要なヒートシール性、耐油性、防湿性等の機
能を付加することができ、また必要に応じて前記ポリマ
ーに帯電防止剤、防曇剤等を添加することにより、帯電
防止性能、防曇性能を付加することもできる。これらの
ポリオレフィンの性能を最大限に発揮させる為には、積
層体の片側最外層にポリオレフィン層を積層させること
が望ましい。さらに本発明の抗菌性積層包装材料に、上
記以外の性能を付加する為に、三層以上の構成を採るこ
とも可能である。例えばポリエステル/アルミニウム箔
/ポリエチレン、ポリエステル/ポリ塩化ビニリデン/
ポリエチレン等の構成でガスバリヤー性を付与すること
が可能であり、ポリエステル/ナイロン6/アルミニウ
ム箔/ポリプロピレン等の構成で耐レトルト性に優れた
包装材料を得ることができる。
【0080】本発明の抗菌性積層包装材料を形成するに
は、従来公知の、エキストルージョンラミネート法、ホ
ットメルトラミネート法、ドライラミネート法、ウエッ
トラミネート法等の方式を採用することができる。プラ
スチックフィルムの加工においては、前記方法の中でも
エキストルージョンラミネート法及びドライラミネート
法が一般的に行われており現実的である。
【0081】エキストルージョンラミネート法において
は、熱溶融フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン共重合体等が用いられるが、接着力を向
上させる為にテトラアルキルチタネート化合物、ポリエ
チレンイミン、あるいはイミン化合物等をプライマーコ
ートした後に、メルトインデックス4〜7程度の高温安
定性の良い品種を使う方法が推奨される。
【0082】ドライラミネート法においては、接着剤と
して、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等
のビニール系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂、エポ
キシ系樹脂、合成ゴムとアクリル系樹脂との共重合物等
が用いられ、コーティング方法としてはグラビヤロール
コーティング、リバースロールコーティング、ディップ
コーティング、ドクターブレード、エアーナイフコーテ
ィング等の方法が使用される。
【0083】本発明の抗菌性積層包装材料における各層
の厚みは、抗菌性ポリエステル層が、好ましくは0.5
〜5μm、より好ましくは1.5〜3.0μmであり、
ポリオレフィン層が、好ましくは10〜100μm、よ
り好ましくは15〜50μmである。
【0084】本発明の抗菌性を有する包装袋は、本発明
の抗菌性積層包装材料を用いて常套手段によりシールし
て調製することができる。シール方法としてはバーシー
ル法、回転ロールシール法、インパルスシール法、溶断
シール法、熱溶融シール法、超音波シール法、高周波シ
ール法等があり任意の方法を選択することが可能であ
る。得られる袋の形態としてはピロー包装袋、三方シー
ル袋、四方シール袋等目的に応じて任意の形態を選択す
ることができる。包装材として使用するために、本発明
の抗菌性積層包装材料には、表面または裏面に意匠用ま
たは表示用の印刷のための印刷層を有してもよい。また
抗菌性ポリエステル層またはポリオレフィン層が印刷層
を兼ねてもよい。このようにして得られた包装袋は、食
品、工業製品等の包装、医薬品、薬剤、医療器具、医療
廃棄物等の包装等に好適に使用される。
【0085】但し、上記の抗菌性積層包装材料の構成及
び抗菌性の包装袋を得る方法は一例であり、上記の例に
限定されるものではない。
【0086】
【実施例】次に実施例及び比較例を示して本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。以下に実施例及び比較例で得られた抗菌
性積層体の抗菌性の評価方法等を示す。
【0087】1.抗菌性テスト 1/50ブロースで稀釈したS.aureus(黄色ブ
ドウ球菌)の菌液(濃度:107 個/ml)の0.1m
lを予め高圧蒸気殺菌した5cm×5cmの大きさのフ
ィルム上に滴下し、そのフィルムに高圧蒸気滅菌したサ
ランラップ(登録商標、旭化成工業社製)フィルムを密
着させた。その試験片を滅菌シャーレに移し、37℃で
24時間培養した。それからフィルム上の菌をSCDL
P培地10mlで洗い出し、10倍稀釈し、普通寒天平
板にまいた後24時間後の菌数を計測した。
【0088】2.極限粘度 ウベローデ粘度管を用い、フェノール/テトラクロロエ
タン=6/4の混合溶媒を使用し、30℃で測定する。
【0089】実施例1 テレフタル酸ジメチルエステル9モル、5−スルホイソ
フタル酸ジメチルエステルのトリ−n−ブチルヘキサデ
シルホスホニウム塩1モル、エチレングリコール22モ
ル、共重合ポリエステル理論生成量に対して酢酸亜鉛を
亜鉛(Zn)として200ppm加え、140から22
0℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去しな
がらエステル交換反応を行った。
【0090】エステル交換反応終了後、250℃にて、
分子量10000のポリエチレングリコール(ナカライ
(株)製)を0.12モル、さらに生成共重合ポリエス
テル理論量に対して酸化アンチモンをアンチモン(S
b)として250ppm及びトリメチルホスフェノート
をP量として80ppm加え15分間攪拌し、続いて平
均粒径0.9ミクロンの球状シリカを2000ppm添
加した。260℃、真空下で60分間重縮合反応を行
い、極限粘度0.50の共重合ポリエステル樹脂を得
た。
【0091】上記ポリマーを二軸押し出し機を用いて2
50℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却し
て、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。
【0092】この未延伸フィルムを80℃に加熱された
周速の異なる一対のロール間で縦方向に3.5倍延伸
し、次いでテンターにより120℃で横方向に3.5倍
延伸した後、190〜200℃で熱固定し、厚さ14.
5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0093】上記二軸延伸ポリエステルフィルムとポリ
エチレンフィルム(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡
積(株)製)をドライラミネート法により、接着剤(主
剤:AD590、硬化剤:RT86、東洋モートン
(株)製)にてラミネート後、得られた抗菌性積層フィ
ルムのポリエステル面側の抗菌性評価結果を表1に示し
た。
【0094】なお、以下の表中の記号等は以下の物質等
を表す。T:テレフタル酸、I:イソフタル酸、C1
6:5−スルホイソフタル酸のトリ−n−ブチルヘキサ
デシルホスホニウム塩、C14:5−スルホイソフタル
酸のトリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、C
12:5−スルホイソフタル酸のトリ−n−ブチルドデ
シルホスホニウム塩、EG:エチレングリコール、PE
G:ポリエチレングリコール、PET:ポリエチレンテ
レフタレート、PES−SO3Na:スルホン酸基含有
ポリエステル、PG:ポリグリセリン、PVA:ポリビ
ニルアルコール、ND:検出されず、ノバロン:東亜合
成(株)製の銀系抗菌剤、Z−Nouve:三井金属鉱
業(株)製の亜鉛系抗菌剤、P−25:日本アエロジル
(株)製の二酸化チタン
【0095】実施例2〜8 実施例1においてポリエチレングリコールの種類及び量
を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、
それぞれ実施例2〜8の抗菌性積層フィルムを得、実施
例1と同様にして抗菌性評価を行い、得られた結果を表
1に示した。
【0096】実施例9〜10 実施例4においてホスホニウム塩の種類及び量を表1に
示すようにした以外は実施例4と同様にして、それぞれ
実施例9,10の抗菌性積層フィルムを得、実施例1と
同様にして抗菌性評価を行い、得られた結果を表1に示
した。
【0097】比較例1〜3 実施例1,9,10において、ポリエチレングリコール
無添加の条件以外は実施例1,9,10と全く同様にし
て、それぞれ比較例1,2,3の抗菌性積層フィルムを
得、実施例1と同様に抗菌性評価を行い、結果を表1に
示した。
【0098】
【表1】
【0099】実施例11 (A)基材フィルムの調製 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000
ppmの濃度で分散されたポリエチレンテレフタレート
を290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷
却して、厚さ約180μmの未延伸フィルムを得た。
【0100】(B)抗菌性樹脂組成物塗布液の調製 実施例4においてテレフタル酸ジメチルエステル9モル
の代わりにテレフタル酸ジメチルエステル5モル及びイ
ソフタル酸ジメチルエステル4モルの混合物を用いた以
外は実施例4と同様にして抗菌性樹脂組成物を得た。本
抗菌性樹脂組成物を市販特級試薬メチルエチルケトンに
溶解し3重量%の溶液とした。
【0101】(C)積層フィルムの調製 上記(B)で得た抗菌性樹脂組成物の塗布液を孔径1.
0μmのフィルターに通した後、上記(A)で得た未延
伸ポリエステルフィルムの表面にバーコーター法によっ
て塗布し、70℃で熱風乾燥した。次いでテンターによ
り130℃で横方向に3.5倍延伸した後、200〜2
10℃で熱固定し、厚さ14.5μmの二軸延伸積層ポ
リエステルフィルムを得た。
【0102】上記二軸延伸積層ポリエステルフィルムの
抗菌性樹脂組成物の塗布面と反対側の面にポリエチレン
フィルム(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡績(株)
製)をドライラミネート法により、接着剤(主剤:AD
590、硬化剤:RT86、東洋モートン(株)製)に
てラミネートした。
【0103】該フィルムの最終的な被覆剤(抗菌性樹脂
組成物)の付着量は約0.2g/m 2 であった。得られ
た積層フィルムにおける抗菌性樹脂組成物の塗布面側の
抗菌性評価結果を表2に示した。
【0104】実施例12 実施例11において得られた抗菌性樹脂組成物の塗布液
を75μm厚の二軸延伸透明PETフィルム(東洋紡績
(株)製)に固形分0.3μm厚になるように塗布し
た。実施例11と同様にしてラミネート後、抗菌性樹脂
組成物の塗布面側の抗菌性評価結果を表2に示した。
【0105】実施例13 実施例11において得られた抗菌性樹脂組成物の塗布液
を75μm厚の白色PET合成紙クリスパー(東洋紡績
(株)製)に固形分0.3μm厚になるように塗布し
た。実施例11と同様にしてラミネート後、抗菌性樹脂
組成物の塗布面側の抗菌性評価結果を表2に示した。
【0106】実施例14〜16 実施例11においてホスホニウムの塩の種類及び量を表
2に示すようにした以外は実施例11と同様にして、そ
れぞれ実施例14,15,16の抗菌性積層フィルムを
得、抗菌性樹脂組成物の塗布面側の抗菌性評価結果を表
2に示した。
【0107】比較例4〜6 実施例11,12,13においてポリエチレングリコー
ルを無添加とした以外は実施例1と全く同様にして共重
合体の合成を行い、実施例11,12,13と同様な基
体にコート後、同様にラミネートを行い、それぞれ比較
例4,5,6の抗菌性積層フィルムを得、各積層フィル
ムにおける抗菌性樹脂組成物の塗布面側の抗菌性評価結
果を表2に示した。
【0108】
【表2】
【0109】実施例17 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000
ppmの濃度で分散されたテレフタル酸//エチレング
リコール/ポリエチレングリコール(分子量1000)
(100//99.7/0.3(5重量%相当)モル
比)共重合体100重量部に1重量部の銀/リン酸ジル
コニウム系抗菌フィラー、ノバロン(東亜合成(株)
製)を添加混合した後、280℃で溶融押し出しし、3
0℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約180μmの未延
伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃に加
熱された周速の異なる一対のロール間で縦方向に3.5
倍延伸し、次いでテンターにより130℃で横方向に
3.5倍延伸した後、200〜210℃で熱固定し、厚
さ14.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得
た。
【0110】得られたフィルムとポリエチレンフィルム
(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡積(株)製)をド
ライラミネート法により、接着剤(主剤:AD590、
硬化剤:RT86(東洋モートン(株))にてラミネー
ト後、得られた積層フィルムのポリエステル面側の抗菌
性評価結果を表3に示した。なお、P−25含有系の抗
菌性評価はブラックライトを40cmの距離で照らしな
がら行った。
【0111】実施例18〜19 実施例17において銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィ
ラー(東亜合成(株)製)の代わりに表3に示した無機
抗菌剤を用いた以外は実施例17と同様にして、それぞ
れ実施例18,19の抗菌積層フィルムを得、実施例1
7と同様にして得られた各積層フィルムのポリエステル
面側の抗菌性評価結果を表3に示した。
【0112】比較例7〜9 実施例17において共重合体の代わりにポリエチレンテ
レフタレート(PET)を用いた以外は実施例17,1
8,19と全く同様にして、それぞれ比較例7,8,9
の抗菌性積層フィルムを得、実施例17と同様にして得
られた各積層フィルムのポリエステル面側の抗菌性評価
結果を表3に示した。
【0113】
【表3】
【0114】実施例20 (A)スルホン酸基含有ポリエステル及び水分散液の調
製 スルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により調製し
た。ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート9
5モル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル
%、グリコール成分としてエチレングリコール100モ
ル%を使用し、常法によりエステル交換反応及び重縮合
を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエステル(P
ES−SO3Na)のガラス転移温度は69℃であっ
た。
【0115】このスルホン酸基含有ポリエステル300
部とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱攪拌して、
粘稠な溶液とし、更に攪拌しつつ水550部を徐々に加
えて、固形分30重量%の均一な淡白色の水分散液を得
た。この分散液をさらに水とイソプロパノールの等量混
合液中に加え、固形分が5重量%のスルホン酸基含有ポ
リエステル水分散液を調製した。
【0116】(B)混合塗布液の調整 銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー、ノバロン(東
亜合成(株)製)0.1重量部を上記(A)スルホン酸
基含有ポリエステル水分散液100重量部に添加混合
し、微分散させ塗布液とした。
【0117】(C)フィルムの調製 塗布液を変える以外は実施例11と同様に基材フィルム
を調製し、塗布液を塗布後、同様にラミネートを行い積
層フィルムを作成した。該フィルムの最終的な被覆剤の
付着量は0.5g/m2 であった。得られたフィルムの
塗布面側の抗菌性評価結果を表4に示した。
【0118】実施例21〜22 実施例20において銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィ
ラー(東亜合成(株)製)の代わりに表4に示した無機
系抗菌剤を用いた以外は実施例20と同様にして、それ
ぞれ実施例21,22の抗菌積層フィルムを得、実施例
17と同様に各積層フィルムの塗布面側の抗菌性評価結
果を表4に示した。なお、P−25含有系の抗菌性評価
はブラックライトを40cmの距離で照らしながら行っ
た。
【0119】
【表4】
【0120】実施例23 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000
ppmの濃度で分散されたポリエチレンテレフタレート
(PET、分子量20000)95重量部、及びポリエ
チレングリコール(分子量20000)5重量部に対し
て、銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー(東亜合成
(株)製)2重量部を添加した後、280℃で溶融押し
出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約180
μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを8
5℃に加熱された周速の異なる一対のロール間で縦方向
に3.5倍延伸し、次いでテンターにより130℃で横
方向に3.5倍延伸した後、200〜210℃で熱固定
し、厚さ14.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルム
を得た。
【0121】得られたフィルムとポリエチレンフィルム
(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡積(株)製)をド
ライラミネート法により、接着剤(主剤:AD590、
硬化剤:RT86(東洋モートン(株)製)にてラミネ
ート後、得られた積層フィルムのポリエステル面側の抗
菌性評価結果を表5に示した。
【0122】実施例24〜25 実施例23において銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィ
ラー(東亜合成(株)製)の代わりに表5に示した無機
系抗菌剤を用いた以外は実施例23と同様にして、それ
ぞれ実施例24,25の抗菌積層フィルムを得、実施例
23と同様に各フィルムのポリエステル面側の抗菌性評
価結果を表5に示した。なお、P−25含有系の抗菌性
評価はブラックライトを40cmの距離で照らしながら
行った。
【0123】比較例10〜12 実施例23,24,25において共重合体の代わりに、
ポリエチレングリコールを添加せずにポリエチレンテレ
フタレート(PET)を用いた以外は実施例23,2
4,25と全く同様に抗菌性積層フィルムの作成、抗菌
性評価を行い、表5の結果を得た。
【0124】
【表5】
【0125】実施例26〜37 実施例23,24,25において、ポリエチレングリコ
ール#20000の代わりに表6に示したポリグリセリ
ン3種、ポリグリセリン#310、ポリグリセリン#5
00、ポリグリセリン#750(坂本薬品工業(株)
製)、ポリビニルアルコール(PVA)をグリコール成
分中5重量%相当となるように使用した以外は実施例2
3,24,25と全く同様に抗菌性積層フィルムの作
成、抗菌性評価を行い、表6の結果を得た。
【0126】
【表6】
【0127】実施例38 実施例1〜37に示した各抗菌性積層フィルムを抗菌性
樹脂組成物含有ポリエステル面を袋外面として、インパ
ルスシール法により三方をシールした後、袋内部にメチ
レンブルー試験液を満たし、その後に残る一方を同様に
インパルスシール法によりシールして試験液を充填した
四方シール袋とし、45℃±2℃の恒温槽中に24時間
放置した後、液漏れの有無を調べたが、全て液漏れ無く
良好であった。
【0128】以上のように、本発明の抗菌性積層包装材
料及び包装袋を用いて被覆、包装することによって、本
来抗菌性を有さない物品に抗菌性を付与することができ
ると共に、本発明による高度な抗菌活性を有する様々な
物品を提供できることとなる。従って、滅菌ないし静菌
を必要とする分野においては、その効果を維持する等の
付加価値を与えた物品を製造することができる。
【0129】
【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂組成物によれば、無
機系抗菌剤、有機系抗菌剤等の抗菌剤量を増やすことな
く、優れた抗菌活性を付与することができる。したがっ
て、本発明の抗菌性樹脂組成物を用いた抗菌性積層包装
材料及び包装袋によれば、本来抗菌性を有さない物品に
高度な抗菌性を後付けの形で付与することができ、すな
わち本発明に特徴的な抗菌剤を表面に有する包装体を提
供できる。加えて光触媒機能の付加により、任意の工程
で近紫外光を当てることにより更に強力な抗菌性を発揮
する包装材料、包装袋及び包装体とし得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/36 B32B 27/36 B65D 81/28 B65D 81/28 C (72)発明者 小長谷 重次 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系及び/又は有機系抗菌剤と親水性
    物質とを含有するポリエステルから主としてなる抗菌性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 有機系抗菌剤と親水性物質とが共重合さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の抗菌性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 無機系抗菌剤が銀、亜鉛、銅の金属粒子
    及びこれらの金属イオンの少なくとも一種を担持させた
    無機化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の抗菌性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機系抗菌剤が酸化チタン及び/又は酸
    化亜鉛を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    記載の抗菌性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 有機系抗菌剤がアンモニウム塩基、ホス
    ホニウム塩基及びスルホニウム塩基の少なくとも一塩基
    を主鎖又は側鎖に含む高分子化合物であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか記載の抗菌性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 親水性物質が水酸基、アミノ基、アミド
    基、カルボキシル基又はそのアルカリ金属塩、スルホン
    酸基又はそのアルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩
    基、ポリエーテル鎖、ポリアミン鎖の少なくとも一種を
    含む高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか記載の抗菌性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリエステル層及びポリオレフィン層の
    少なくとも二層の積層体よりなる包装材料であって、積
    層体の少なくとも一方の最外層が請求項1〜6のいずれ
    か記載の抗菌性樹脂組成物からなるポリエステル層であ
    る抗菌性積層包装材料。
  8. 【請求項8】 積層体の他方の最外層がポリオレフィン
    層であることを特徴とする請求項7記載の抗菌性積層包
    装材料。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の抗菌性積層包装材
    料よりなる包装袋。
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