JPH11169719A - 芳香族のアルキル化用A1−βゼオライト触媒 - Google Patents

芳香族のアルキル化用A1−βゼオライト触媒

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JPH11169719A
JPH11169719A JP9347980A JP34798097A JPH11169719A JP H11169719 A JPH11169719 A JP H11169719A JP 9347980 A JP9347980 A JP 9347980A JP 34798097 A JP34798097 A JP 34798097A JP H11169719 A JPH11169719 A JP H11169719A
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zeolite
amount
catalyst
ions
crystal lattice
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JP9347980A
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Eizaburo Ueno
英三郎 上野
Hiroshi Ishida
浩 石田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族炭化水素のアルキル化反応において、
従来のゼオライトと比較して、高活性、高選択性であ
る、βゼオライト本来の特性を損なう事なく、優れた耐
劣化性を発揮するβゼオライトの提供。 【解決手段】 ゼオライト結晶格子外にAlイオンを持
つβゼオライト触媒であり、好ましくは、ゼオライト結
晶格子外の存在するAlイオンが、アルミ指数(V)が
1≦V≦3であり、また、ゼオライト結晶格子外に存在
するAlイオンの量が、ゼオライト乾燥重量当たり0.
15mmol以上であると同時に、ゼオライト結晶格子
に結合した陽イオンに関し、プロトンとAlイオンとの
合わせた量に対するAlイオンの量(Alイオン割合)
が、モル比で0.4以上であるβゼオライト触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ポリマー原料
として有用なアルキルベンゼンを製造する為、芳香族炭
化水素をアルキル化する反応に利用される触媒に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族炭化水素のアルキル化は、工業的
方法には、塩化アルミニウム、三フッ化硼素などのフリ
ーデルクラフト型触媒を用いていた。しかしながら、こ
れらの物質は、腐食性が高い上に、廃棄に際しても環境
的に問題が存在した。フリーデルクラフト触媒に代わる
非腐食性固体触媒の研究の結果、種々のゼオライト触媒
が提案されてきた。
【0003】米国特許第3,641,177号明細書に
は、ベンゼンとオレフィンのアルキル化反応の触媒とし
て、蒸気により安定化したH−Y又は希土類で一部交換
したH−Yゼオライトが示されている。米国特許第3,
751,504号及び第3,751,506号明細書に
は、気相における、芳香族炭化水素のアルキル化、及び
トランスアルキル化反応の触媒として、ZSM−5ゼオ
ライトが示されている。
【0004】米国特許第5,334,795号明細書に
は、ベンゼンとエチレンによるアルキル化反応によりエ
チルベンゼンを製造するための触媒として、MCM−2
2を記載している。特開平3−181424号公報に
は、液相における、芳香族炭化水素とオレフィンのアル
キル化反応、及び芳香族炭化水素のトランスアルキル化
反応の触媒として、βゼオライトが示されている。ここ
において、βゼオライトは、他のゼオライト触媒と比較
して、長時間に亘り高収率でモノアルキル化生成物を与
える特徴を有することが記載されている。
【0005】芳香族炭化水素のアルキル化反応の触媒と
して、βゼオライトは、他のゼオライト触媒と比較し
て、高活性、高選択性であり、耐劣化性を有する触媒で
ある。しかし、工業的には、触媒の再生又は交換の周期
を長くして、更に生産性を向上させる事は重要である。
更に、使用する触媒量を少なくする事が出来れば、設備
をよりコンパクトできる等のメリットも存在する。その
ためには、高い活性及び選択性を維持しつつ、好ましく
は更に高い活性及び選択性を発揮し、これまでより高い
耐劣化性を有する触媒の開発が必要となった。
【0006】欧州特許出願第507,761号明細書に
は、芳香族のアルキル化反応触媒として、Laでイオン
交換したβゼオライトが記載されている。また、特開平
7−53415号公報には、ベンゼンとプロピレンから
クメンを製造する触媒として、アルカリ金属、アルカリ
土類金属又はNiをイオン交換することにより変性した
βゼオライトが記載されている。しかし、これらの触媒
は、選択率の向上を目的に開発されており、特にアルカ
リ金属でイオン交換を行った場合、顕著な活性低下が予
想される。よって、これらの方法では、高い触媒活性を
維持しつつ、耐劣化性を改善する事は期待できない。
【0007】特開平3−181424号公報には、液相
でのアルキル化反応及びトランスアルキル化反応の触媒
としてβゼオライトを用いている。ここにおいて、周期
律表第IA族、第IIA族、第IIIA族又は遷移金属
によるイオン交換が示されており、陽イオン点の少なく
ても80%が水素イオン及び/又は希土類金属で占めら
れている事が好ましいとしている。また、特開平8−1
03658号公報には、芳香族化合物のアルキル化また
はアルキル交換反応に用いる触媒として、アルカリ金属
及び(又は)アルカリ土類金属をイオン交換法で導入す
ることにより改質したβゼオライトが記載されている。
これらの特許は、耐劣化性の向上も効果として期待して
いるが、アルカリ金属等でイオン交換した場合、合わせ
て活性低下が予想される。
【0008】米国特許第5,227,558号明細書に
は、蒸気で改質したβゼオライト触媒を用いた芳香族の
アルキル化プロセスが記載されている。しかしながら、
蒸気で脱アルミを行うため、ゼオライト結晶格子内のA
lが減少し、触媒活性も低下してしまうという問題があ
った。以上の如く、従来、βゼオライト触媒には、本来
βゼオライトが持つ高い活性及び選択性を維持しつつ、
高い耐劣化性を発揮させる技術は存在しなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高活性、高
選択性である、βゼオライト本来の特性を損なう事な
く、優れた耐劣化性を発揮するβゼオライトを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本来βゼオラ
イトが持つ高い活性及び選択性を維持しつつ、高い耐劣
化性を発揮する、Alイオンをゼオライト結晶格子外に
持つ、Al−βゼオライト触媒を見出し、本発明を完成
するに至った。
【0011】即ち、本発明は下記の通りである。 1)芳香族のアルキル化に用いられる、ゼオライト結晶
格子外にAlイオンを持つβゼオライト触媒。 2)Alイオンが、以下に示す式(1)により定義され
るアルミ指数(V)で1≦V≦3であることを特徴とす
る、上記1に記載のβゼオライト触媒。
【0012】 アルミ指数(V)=(L−H−N)/(A−L) ……(1) (式中、Aはゼオライト中のAl量(mmol/g)、
Nはゼオライト中のNa量(mmol/g)であり、A
lとNa以外の金属が、陽イオンとして0.01mmo
l/g以上存在する場合、Na量にそれらの金属量を加
えた値、Hはゼオライト中のプロトン量(mmol/
g)、Lはゼオライトの格子内Alの量(mmol/
g)を示す。) 3)Alイオンが、ゼオライト乾燥重量当たり0.15
mmol以上存在すると同時に、ゼオライト結晶格子に
結合した陽イオンに関し、プロトンとAlイオンとの合
わせた量に対するAlイオンの量(以下、Alイオン割
合という)が、モル比で0.4以上であることを特徴と
する、上記1または2に記載のβゼオライト触媒。
【0013】以下、本発明につき詳述する。本発明で言
う活性とは、同一の条件で芳香族炭化水素のアルキル化
反応を行った時のオレフィンの転化率であり、選択性と
は、生成物中におけるモノアルキル化物の割合である。
ゼオライトとは、珪酸塩の縮合酸の構造をとり、Siを
中心にしたSiO4四面体と、SiをAlに置換したA
lO4四面体を基本構造に、そのOを2つの四面体で共
有した結晶構造を形成している。βゼオライトの場合、
これらの基本構造が12個連結して形成される空洞(細
孔)を有する格子構造を有している。本発明で言うゼオ
ライト結晶格子とは、上記の構造を指し、この結晶格子
を形成しているAlが、結晶格子内Al(格子内Al)
であり、格子から脱離した物も含め、それ以外のAlが
結晶格子外Al(格子外Al)である。また、4価であ
るSiを3価であるAlで置換した構造であるため、該
結晶構造には格子内Al量に対応するアニオン部位が存
在し、該アニオン部位に陽イオンが作用して、ゼオライ
ト全体としては電気的中性が保たれている。本発明のA
lイオンは、ゼオライト結晶格子の該アニオン部位と結
合して存在している。
【0014】ここで、前記式(1)で定義されるアルミ
指数(V)を説明する。この式中、Aは、アルミニウム
金属・イオンを全て含むゼオライト中の全Al量(mm
ol/g)であり、格子内Alと格子外Alを合わせた
値である。Nは、ゼオライト中のNa量(mmol/
g)である。尚、AlとNa以外の金属が、陽イオンと
して0.01mmol/g以上存在する場合、Nとして
Na量にそれらの金属量を加えた値を用いる。なお、こ
れらの値は、蛍光X線で求めた含有量を元に計算する。
Hは、ゼオライト中のプロトン量(mmol/g)であ
り、本発明者らが日本化学会誌,1994(8),p6
90に示す酸量の測定方法に従い、イオン交換を行った
後の濾液と水洗液のpH値から計算する。Lは、ゼオラ
イトの格子内Alの量(mmol/g)であり、上記文
献に従って求めた陽イオン量とする。
【0015】また、本発明で言うAlイオンの量は、ゼ
オライト中のAl量であるA(mmol/g)から、ゼ
オライトの格子内Al量であるL(mmol/g)を引
くことにより求められる。ここで、プロトン量と格子内
Al量の測定法に関して、更に詳細に説明する。プロト
ン量は、1.5gのゼオライトを、4.3mol/dm
3 のNaCl水溶液25cm3 に加え、2℃で10分間
撹拌してイオン交換を行う。その後、濾過し、50cm
3 のイオン交換水で洗浄し、その濾液と洗浄水との混合
液のpHを、pHメーターで測定した。格子内Al量
は、1.5gのゼオライトを、4.3mol/dm3
NaCl水溶液25cm3 に加え、80℃で360分間
撹拌して、イオン交換を行う。その後、濾過し、50c
3 のイオン交換水で洗浄し、その濾液と洗浄水との混
合液を、NaOH水溶液で滴定する。その中和滴定量
を、陽イオン量とする。ここで求めた陽イオン量は、す
なわち、ゼオライトの格子内Al量を表すことになる。
尚、上記の値は、ゼオライトの乾燥重量当たりの値であ
り、TGAで求めた、300℃迄昇温を行った時の重量
減少率を水分率とし、その値を元に換算を行った。
【0016】AlはLewis酸性を示す金属として知
られている。よって、芳香族炭化水素のアルキル化反応
において、活性を示すことは充分考えられる。ところ
が、脱アルミによりゼオライト触媒を改質する特許にお
いて、脱アルミしたAlが反応を阻害するため、一般に
は、脱アルミ処理の後にイオン交換を繰り返して、脱離
したAlを取り除いている。
【0017】本来、芳香族炭化水素のアルキル化におい
て、活性因子となりうるAlが、結果的には反応を阻害
している。この事の原因として、本発明者らは、ゼオラ
イト結晶格子外に存在するAlの存在状態に着目した。
すなわち、Alが、ある固まりとしてゼオライト細孔内
に存在した場合、細孔内で物質の拡散を阻害し、その影
響が反応活性因子としての効果より大きいため、反応を
阻害しているように見える。つまり、細孔内での物質の
拡散を阻害することなくAlが存在すれば、活性因子と
して作用すると考えた。その為には、Alが各々イオン
として分散して存在することが必要であり、更に、Al
が反応活性因子となった場合には、Bronsted酸
であるプロトンに比較して、酸強度の弱いLewis酸
である為、触媒の耐劣化性が改善されると考えた。
【0018】ここで、上記の式(1)は、ゼオライトの
結晶格子外に存在するAlの平均の価数を表している。
よって、V≧1の場合、ゼオライトの結晶格子外に存在
するAlは、平均的にはイオンとして存在していると考
えられる。よって、Alは、ゼオライト細孔内の物質拡
散を阻害する事なく、触媒として作用する。一方、V<
1の場合、Alには、イオンとして分散して存在する物
もあるが、金属の固まりとなり細孔内の拡散を阻害する
物も存在し、本発明の効果が十分には発揮されにくい。
【0019】ゼオライト結晶格子外に存在するAlイオ
ンの量は、ゼオライトの乾燥重量当たり、好ましくは
0.15mmol以上、更に好ましくは0.20mmo
l以上である。また同時に、ゼオライトの結晶格子に結
合した陽イオンに関し、プロトンとAlイオンとを合わ
せた量に対し、Alイオンの量が、モル比で0.4以上
が好ましく、更に好ましくは0.5以上である。Alイ
オンの量がゼオライトの重量当たり0.15mmol未
満の場合、ゼオライトのSiO2 /Al2 3 によって
は、十分な触媒活性が得られない場合や、プロトン量が
多くなり耐劣化性が充分に改善されない場合がある。プ
ロトンとAlイオンとを合わせた量に対しAlイオンの
量がモル比で0.4未満の場合、プロトンの量が多く、
耐劣化性が充分に改善されない場合がある。
【0020】本発明に於いて、Alイオンの種類及びそ
の価数は、特に限定するものではない。例えば、Al
(OH)2 + 、AlO+ 、Al(OH)2+、Al3+の様
な種々の状態を取り得る。但し、ゼオライト細孔内の拡
散をより阻害しないという観点では、イオン半径の小さ
なイオンがより好ましい。βゼオライトは、米国特許第
3,308,069号明細書に最初に記載された公知の
合成結晶性アルミノ珪酸塩であり、以下の組成を有す
る: [(x/n)M(1+0.1−x)TEA]AlO2
ySiO2・wH2O (式中、x<1未満、5<y<100,wは脱水条件及
び金属陽イオンの種類により4まで、TEAはテトラエ
チルアンモニウムを表す。) 尚、本発明でいうβゼオライトは、上記組成のものの他
に、有機アンモニウム塩をか焼などにより、取り除いた
ものを含む。このゼオライトの製法及び性質について
は、該特許を参照する。合成されたβゼオライトは、米
国特許第3,308,069号明細書に記載されたX線
回折のd値により同定される。
【0021】上記βゼオライトにおいて、Mは、合成か
らのNaイオンであるが、陽イオン交換を行い、その全
てまたは一部をAlイオンに交換する事によって、本発
明のAl−βゼオライトを得る事ができる。その交換方
法は、特に限定するものではないが、その例としては、
Al塩の水溶液を用いて、合成、か焼後のβゼオライト
を直接イオン交換する方法がある。この方法は、イオン
交換中に、ゼオライト結晶格子内のAlが脱離しにく
く、結果として活性点が減少し難い為、本発明のAl−
βゼオライトを得るには適している。また、Al塩は特
に限定するものでないが、Al2 (SO4 3 やAl
(NO3 3 のように、その水溶液が酸性を示すAl塩
がより好ましい。一方、βゼオライトは、他のゼオライ
トと比較して、熱力学的に結晶格子内のAlが不安定で
あり脱離し易いため、SiO2 /Al 2 3 が50以下
程度のβゼオライト用いれば、適当な濃度の酸で処理を
行っても、本発明のAl−βゼオライトを得ることが出
来る。この場合、ゼオライト結晶格子から脱離したAl
が陽イオン交換される。ここで用いる酸は、特に限定し
ないが、H2 SO4 、HNO3 のような鉱酸の希薄溶液
が、より適している。
【0022】特開平4−187647号公報には、芳香
族転化方法及びその触媒が記載されているが、ここで用
いるβゼオライトのNa量をNa2Oとして0.04重
量%より少ないものと規定している。本発明では、特に
Na量を規定するものではないが、Naが存在する場
合、反応に影響することは明らかであり、より少ない方
が好ましい。また、Na以外の金属に関しても、陽イオ
ンとして存在する量を、特別に規定するものではない。
【0023】本発明のAl−βゼオライトを芳香族のア
ルキル化反応に用いる場合、純粋なゼオライトを触媒と
して用いてもよいが、一般的には、ゼオライト粉末を、
アルミナ、シリカ、クレイなどの無機酸化物を、単独で
または混合して結合剤として用いる。触媒には、通常1
0〜90%、好ましくは60〜80%のゼオライトを含
む。触媒は、打錠成型や押し出し成型など通常行われる
方法により、成型して用いることもできる。この時、成
型体内の物質移動を円滑にするため、結果として反応活
性を低下させないため、表面積を増大させる特別な形状
にする事もできる。
【0024】本発明のAl−βゼオライトを触媒に用い
てアルキル化する事が出来る芳香族炭化水素は、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレンであり、その混合物
も含まれる。最も好ましい芳香族炭化水素は、ベンゼン
である。アルキル反応に用いるオレフィンは、炭素数2
〜4のものであり、例えば、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、及びそれらの混合物、メタン、エタン、水素
などを含有するダイリュートエチレンである。最も好ま
しいオレフィンは、エチレン及びダイリュートエチレン
である。通常、原料の影響で触媒活性が低下する事を防
ぐため、これら供給原料中に存在する可能性がある、ジ
エン、窒素化合物、硫黄化合物、水などを除去して反応
に使用する。アルキル化反応により得られる反応生成物
は、例えば、ベンゼンとエチレンとの反応によるエチル
ベンゼン、ベンゼンとプロピレンによるクメンがある。
【0025】本発明のAl−βゼオライトを触媒として
用いる反応は、気相、液相または気液混合相において行
われる。ここでより好ましいのは、気液混合相及び液相
である。反応を行う方法としては、例えば、バッチで撹
拌器付きオートクレーブを用いる方法、上昇流または下
降流方式で行われる固定床反応器、または流動床反応器
を用いる方法がある。反応条件としては、温度が120
〜300℃、圧力が10〜50気圧、反応原料の供給速
度が0.1〜200hr-1の範囲から自由に選択され
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を説
明する。なお、βゼオライトの合成、アルキル化反応の
評価方法は次の通りである。 〔βゼオライトの合成〕以下の方法で、2種類のβゼオ
ライト粉末試料を合成した。
【0027】水酸化テトラエチルアンモニウムの10%
水溶液170g、水酸化ナトリウム4.5gと、所定量
のアルミン酸ナトリウムNaAlO2 を、150gのイ
オン交換水に添加し、80℃に加熱して溶解する。この
ようにして得られた溶液に、所定量の融合シリカ、ニッ
プシール(日本シリカ工業製、NV−3)と、種結晶と
してβゼオライト7gを添加し、ホモジナイザーにより
5000回転で45分撹拌した。次に、この混合物を5
00ミリリットルのオートクレーブに入れ、撹拌するこ
となしに150℃で10日間放置すると、大量の結晶性
物質が生成した。この物質を濾過、洗浄し、120℃で
一昼夜乾燥させることにより、結晶性の粉末を得た。
【0028】次に、この粉末を350〜550℃迄徐々
に昇温し、最終的には550℃で5時間か焼した。か焼
した後の粉末は、X線回折によりβゼオライトであるこ
とが同定された。また同粉末の組成分析は、蛍光X線を
用いて決定した。なお、表1には、各々の試料に関し
て、合成に使用したアルミン酸ナトリウムと融合シリカ
の量、及び蛍光X線により決定されたSiO2 /Al2
3 を示す。
【0029】
【表1】
【0030】〔アルキル化反応の評価方法〕アルキル化
反応の評価は、以下の条件で行った。試料粉末を錠剤成
型器を用いて圧縮成型し、粉砕し、分級して8〜14m
eshの成型触媒を得た。内径20mm、長さ800m
mで、余熱のため300mmの熱媒ジャケットを設けた
ステンレス製反応管を反応器として用いた。尚、反応部
出口に圧力制御弁を備え、圧力制御弁より先に製品液抜
取りバルブを設けた。この反応器に、成型した触媒を3
0g充填した。触媒の充填は、ジャケット部と反応部の
境より200mmの位置から行い、触媒層の上下には、
3mmφのステンレス製ディクソンパッキングを充填し
た。反応器のジャケット部側入り口より、ベンゼンを供
給速度4.4mol/hrで供給した。反応器出口の圧
力制御弁を調整して、反応器内を14kg/cm2Gと
し、系内を完全に液封状態とした。その後、余熱ジャケ
ットに128℃の熱媒を循環し、触媒部の温度を125
℃とした。しかる後に、反応器の入り口手前にて、エチ
レンを1.5mol/hrの供給速度でベンゼンに供給
して反応を行った。上記の条件の元、反応器の上下を入
れ替えることにより、上昇流方式及び下降流方式の反応
を行った。
【0031】回収された製品液の組成は、ガスクロマト
グラフにより分析し、エチルベンゼン選択率とエチレン
転化率をそれぞれ計算した。尚、耐劣化性の指標として
は、エチレン転化率が、触媒層中間部で測定した温度が
最高に達した時点から1%低下するまでの時間で表すこ
ととする。この時間が長いほど、該触媒の耐劣化性は高
いと判断する。
【0032】
【実施例1】〔βゼオライトのイオン交換〕表1に示す
試料1を用い、以下の方法でイオン交換を行った。85
gのAl(NO33・9H2Oを450ミリリットルの
イオン交換水に溶解し、その溶液を60℃に昇温した。
その溶液に、βゼオライトの粉末を50g入れ、撹拌し
ながら60℃で3時間イオン交換を行った。交換後、濾
過を行い、洗液が中性になるまでイオン交換水で水洗を
行った。しかる後、120℃で一晩燥を行い、Al−β
ゼオライトを得た。
【0033】得られたAl−βゼオライトは、本発明に
示す方法で評価した。その結果を表2に示す。 〔アルキル化反応の評価〕ジャケット部が下になるよう
に反応器を設置し、上昇流方式で反応を行った。反応器
に触媒を充填したところ、触媒層は210mmであっ
た。触媒層における最高到達温度は、その中間部で21
9℃であり、その時点におけるエチレン転化率は、9
8.4%であった。尚、エチルベンゼン選択率と耐劣化
性指標は、表2に示す。
【0034】
【実施例2】〔βゼオライトのイオン交換〕表1に示す
試料2を用い、実施例1と同様にしてイオン交換を行っ
た。得られたAl−βゼオライトは、本発明に示す方法
で評価した。その結果を表2に示す。
【0035】〔アルキル化反応の評価〕このゼオライト
を用い、実施例1と同様にして反応を評価した。反応器
に触媒を充填したところ、触媒層は207mmであっ
た。触媒層における最高到達温度は、その中間部で21
8℃であり、その時点におけるエチレン転化率は、9
8.1%であった。尚、エチルベンゼン選択率と耐劣化
性指標は、表2に示す。
【0036】
【実施例3】〔アルキル化反応の評価〕ジャケット部が
上になるように反応器を設置し、実施例2と同じゼオラ
イトを用いて、下降流方式で反応を行った。反応器に触
媒を充填したところ、触媒層は212mmであった。触
媒層における最高到達温度は、その中間部で228℃で
あり、その時点におけるエチレン転化率は、98.9%
であった。尚、エチルベンゼン選択率と耐劣化性指標
は、表2に示す。
【0037】
【実施例4】〔βゼオライトのイオン交換〕表1に示す
試料2を用い、以下の方法でイオン交換を行った。45
0リットルの0.15N硝酸水溶液を60℃に昇温し
た。その溶液に、βゼオライトの粉末を50g加え、6
0℃で3時間撹拌した。その後、濾過し、イオン交換水
で洗液が中性になるまで洗浄し、120℃で一晩乾燥し
た。得られたβゼオライトを用い、上記の処理を再度を
行い、乾燥粉末を得た。
【0038】得られたAl−βゼオライトは、本発明に
示す方法で評価した。その結果を表2に示す。 〔アルキル化反応の評価〕このゼオライトを用い、実施
例1と同様にして反応を評価した。反応器に触媒を充填
したところ、触媒層は210mmであった。触媒層にお
ける最高到達温度は、その中間部で222℃であり、そ
の時点でのエチレン転化率は、98.4%であった。
尚、エチルベンゼン選択率と耐劣化性指標は、表2に示
す。
【0039】本実施例の触媒は、アルミ指数より、ゼオ
ライト結晶格子外のAlは、平均的にはAlイオンとし
て存在していると思われる。しかしながら、その量は少
なく、更にはAlイオン割合も低い。よって、耐劣化性
の向上は見られるものの、他の実施例に比較して、その
程度は低くなった。
【0040】
【比較例1】〔βゼオライトのイオン交換〕表1に示す
試料1を用い、以下の方法でイオン交換を行った。12
0gのNH4Clを450ミリリットルのイオン交換水
に溶解し、60℃に昇温した。その溶液に、β−ゼオラ
イトの粉末を50g入れて、撹拌しながら60℃で4時
間イオン交換を行った。交換後、濾過を行い、イオン交
換水で水洗後、120℃で一晩乾燥した。しかる後、5
00℃で3時間か焼した。
【0041】得られたβゼオライトは、本発明に示す方
法で評価した。その結果を表2に示す。Alイオンは存
在せず、本発明のβゼオライトとは異なる。 〔アルキル化反応の評価〕このゼオライトを用い、実施
例1と同様にして反応を評価した。反応器に触媒を充填
したところ、触媒層は211mmであった。触媒層にお
ける最高到達温度は、その中間部で223℃であり、そ
の時点でのエチレン転化率は、98.7%であった。
尚、エチルベンゼン選択率と耐劣化性指標は、表2に示
す。
【0042】本比較例は、現在一般的に行われている、
アンモニウム塩によるイオン交換で調製したβゼオライ
トである。ゼオライトの結晶格子外にはAlイオンが存
在せず、プロトンのみにより触媒活性を有している。本
発明の触媒と比較して、反応初期に於けるエチルベンゼ
ン転化率は若干高いものの、活性劣化し易いことを示し
ている。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明のAl−βゼオライトは、芳香族
炭化水素のアルキル化反応において、他のゼオライトと
比較して、高活性、高選択性である、βゼオライト本来
の特性を損なう事なく、優れた耐劣化性を発揮する。よ
って、工業的には、触媒の再生又は交換の周期を長くし
て生産性を向上させる事ができ、また、触媒量を削減し
て設備をよりコンパクトにできる等のメリットが存在す
る、大変有用な触媒である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族のアルキル化に用いられる、ゼオ
    ライト結晶格子外にAlイオンを持つβゼオライト触
    媒。
  2. 【請求項2】 Alイオンが、以下に示す式(1)によ
    り定義されるアルミ指数(V)で1≦V≦3であること
    を特徴とする、請求項1に記載のβゼオライト触媒。 アルミ指数(V)=(L−H−N)/(A−L) ……(1) (式中、Aはゼオライト中のAl量(mmol/g)、
    Nはゼオライト中のNa量(mmol/g)であり、A
    lとNa以外の金属が、陽イオンとして0.01mmo
    l/g以上存在する場合、Na量にそれらの金属量を加
    えた値、Hはゼオライト中のプロトン量(mmol/
    g)、Lはゼオライトの格子内Alの量(mmol/
    g)を示す。)
  3. 【請求項3】 Alイオンが、ゼオライト乾燥重量当た
    り0.15mmol以上存在すると同時に、ゼオライト
    結晶格子に結合した陽イオンに関し、プロトンとAlイ
    オンとの合わせた量に対するAlイオンの量が、モル比
    で0.4以上であることを特徴とする、請求項1または
    2に記載のβゼオライト触媒。
JP9347980A 1997-12-17 1997-12-17 芳香族のアルキル化用A1−βゼオライト触媒 Pending JPH11169719A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001055351A (ja) * 1999-07-13 2001-02-27 Enichem Spa 芳香族化合物のアルキル化法
JP2001064213A (ja) * 1999-07-13 2001-03-13 Enichem Spa 気相における芳香族化合物のアルキル化法
US7091377B2 (en) 2002-10-17 2006-08-15 Basf Aktiengesellschaft Multimetal oxide materials

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JP2001064213A (ja) * 1999-07-13 2001-03-13 Enichem Spa 気相における芳香族化合物のアルキル化法
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