JPH11172361A - 表面被覆超硬合金及びその製造法 - Google Patents
表面被覆超硬合金及びその製造法Info
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- JPH11172361A JPH11172361A JP33575397A JP33575397A JPH11172361A JP H11172361 A JPH11172361 A JP H11172361A JP 33575397 A JP33575397 A JP 33575397A JP 33575397 A JP33575397 A JP 33575397A JP H11172361 A JPH11172361 A JP H11172361A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 皮覆の密着強度、耐摩耗性、靱性に優れたダ
イヤモンド被覆超硬合金を提供すること。 【解決手段】 硬質成分として炭化タングステン、結合
相成分としてCo、残部が不可避的不純物からなる超硬
合金母材の表面に0.5〜50μmの気相合成ダイヤモ
ンドを形成した表面被覆超硬合金において、(a)該超
硬合金母材がダイヤモンド被覆面から内部に向かってC
o含有量が増加する傾斜組成を有し、(b)該被覆面か
ら1mm深さ迄の表層部の超硬合金のCo含有量が0.
01〜1重量%であり、その下部の中間組成の超硬合金
組成領域を介して更に内側の超硬合金内層部のCo含有
量が4〜25重量%の範囲にあることを特徴とする表面
被覆超硬合金。
イヤモンド被覆超硬合金を提供すること。 【解決手段】 硬質成分として炭化タングステン、結合
相成分としてCo、残部が不可避的不純物からなる超硬
合金母材の表面に0.5〜50μmの気相合成ダイヤモ
ンドを形成した表面被覆超硬合金において、(a)該超
硬合金母材がダイヤモンド被覆面から内部に向かってC
o含有量が増加する傾斜組成を有し、(b)該被覆面か
ら1mm深さ迄の表層部の超硬合金のCo含有量が0.
01〜1重量%であり、その下部の中間組成の超硬合金
組成領域を介して更に内側の超硬合金内層部のCo含有
量が4〜25重量%の範囲にあることを特徴とする表面
被覆超硬合金。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面被覆超硬合金及
びその製造方法に関し、特に人工ダイヤモンド皮膜を密
着力良く形成し、かつ被覆超硬合金の強度及び靱性に優
れたダイヤモンド被覆超硬合金工具に関する。
びその製造方法に関し、特に人工ダイヤモンド皮膜を密
着力良く形成し、かつ被覆超硬合金の強度及び靱性に優
れたダイヤモンド被覆超硬合金工具に関する。
【0002】
【従来の技術】超硬合金母材の表面に、チタンの炭化
物、窒化物、炭窒化物、アルミナ又はダイヤモンドなど
の硬質薄膜を気相より蒸着被覆した被覆WC基超硬合金
は母材の強靱性と、表面の耐摩耗性をあわせもつため、
従来の被覆しない超硬合金に比べ、より高能率な切削工
具や耐摩耗工具として被覆超硬合金工具が供されてい
る。しかし、従来のダイヤモンド表面被覆WC基超硬合
金では、WC基超硬合金基体表面に対する被覆層の付着
強度が十分でないため被覆層が剥離し易く工具としての
充分な寿命が得られなかった。この種の超硬合金基体
は、結合相形成成分としてのCoと分散相形成成分とし
てのWCから構成されるが、Coはダイヤモンド薄膜の
密着強度を低下させるのでダイヤモンド被覆層と接触す
るWC基超硬合金表面部にはCoを多量に存在させない
ことが好ましいとされ、種々の技術が提案されている。
物、窒化物、炭窒化物、アルミナ又はダイヤモンドなど
の硬質薄膜を気相より蒸着被覆した被覆WC基超硬合金
は母材の強靱性と、表面の耐摩耗性をあわせもつため、
従来の被覆しない超硬合金に比べ、より高能率な切削工
具や耐摩耗工具として被覆超硬合金工具が供されてい
る。しかし、従来のダイヤモンド表面被覆WC基超硬合
金では、WC基超硬合金基体表面に対する被覆層の付着
強度が十分でないため被覆層が剥離し易く工具としての
充分な寿命が得られなかった。この種の超硬合金基体
は、結合相形成成分としてのCoと分散相形成成分とし
てのWCから構成されるが、Coはダイヤモンド薄膜の
密着強度を低下させるのでダイヤモンド被覆層と接触す
るWC基超硬合金表面部にはCoを多量に存在させない
ことが好ましいとされ、種々の技術が提案されている。
【0003】例えば、ダイヤモンド薄膜で被覆する超硬
合金母材としてCo量が1〜4重量%の低Co合金を用
い、表面のCoをエッチングにより除去すること(特開
昭63−100182号公報)、熱フィラメント法など
により形成したダイヤモンド皮膜を1〜20μmの平均
厚さとした表面被覆WC基超硬合金において、Co含有
量を3〜8重量%、WCの平均粒径を0.8〜3μmと
し、該ダイヤモンド皮膜との接合表面部に平均厚さ1〜
15μmの脱Co層を形成すること(特開平7−223
101号公報)が提案された。
合金母材としてCo量が1〜4重量%の低Co合金を用
い、表面のCoをエッチングにより除去すること(特開
昭63−100182号公報)、熱フィラメント法など
により形成したダイヤモンド皮膜を1〜20μmの平均
厚さとした表面被覆WC基超硬合金において、Co含有
量を3〜8重量%、WCの平均粒径を0.8〜3μmと
し、該ダイヤモンド皮膜との接合表面部に平均厚さ1〜
15μmの脱Co層を形成すること(特開平7−223
101号公報)が提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の表
面被覆超硬合金では、均一組成の低Co合金は液相焼結
が難しく、強度、靱性が低いという欠点を有し、また超
硬合金の表面部のCoをエッチングにより除去する場合
は、本来あるべき所のCoを除去するためCoが抜けた
部分が表面欠陥となり強度を低下させてしまうという問
題があった。本発明は、このような従来のダイヤモンド
被覆WC基超硬合金の有する問題点を解消するためにな
されたものであって、従来技術では達成できなかった高
能率加工の条件下で、耐摩耗性と靱性を保持したダイヤ
モンド被覆WC基超硬合金工具を提供することを目的と
する。
面被覆超硬合金では、均一組成の低Co合金は液相焼結
が難しく、強度、靱性が低いという欠点を有し、また超
硬合金の表面部のCoをエッチングにより除去する場合
は、本来あるべき所のCoを除去するためCoが抜けた
部分が表面欠陥となり強度を低下させてしまうという問
題があった。本発明は、このような従来のダイヤモンド
被覆WC基超硬合金の有する問題点を解消するためにな
されたものであって、従来技術では達成できなかった高
能率加工の条件下で、耐摩耗性と靱性を保持したダイヤ
モンド被覆WC基超硬合金工具を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は、
以下に要約した各発明により効果的に達成することがで
きる。 (1)硬質成分として炭化タングステン、結合相成分と
してCo、残部が不可避的不純物からなる超硬合金母材
の表面に0.5〜50μmの気相合成ダイヤモンドを形
成した表面被覆超硬合金において、(a)該超硬合金母
材がダイヤモンド被覆面から内部に向かってCo含有量
が増加する傾斜組成を有し、(b)該被覆面から1mm
深さ迄の表層部の超硬合金のCo含有量が0.01〜1
重量%であり、その下部の中間組成の超硬合金組成領域
を介して更に内側の超硬合金内層部のCo含有量が4〜
25重量%の範囲にあることを特徴とする表面被覆超硬
合金。 (2)該超硬合金母材を構成するWCの粒径が超硬合金
表層部で0.3〜1.5μm、該表層部の内側の強靱な
超硬合金内層部で2.0〜7μmであり、該表層部と超
硬合金層内層部との中間層部で上記の中間の粒径をとる
ことを特徴とする上記(1)の表面被覆超硬合金。
以下に要約した各発明により効果的に達成することがで
きる。 (1)硬質成分として炭化タングステン、結合相成分と
してCo、残部が不可避的不純物からなる超硬合金母材
の表面に0.5〜50μmの気相合成ダイヤモンドを形
成した表面被覆超硬合金において、(a)該超硬合金母
材がダイヤモンド被覆面から内部に向かってCo含有量
が増加する傾斜組成を有し、(b)該被覆面から1mm
深さ迄の表層部の超硬合金のCo含有量が0.01〜1
重量%であり、その下部の中間組成の超硬合金組成領域
を介して更に内側の超硬合金内層部のCo含有量が4〜
25重量%の範囲にあることを特徴とする表面被覆超硬
合金。 (2)該超硬合金母材を構成するWCの粒径が超硬合金
表層部で0.3〜1.5μm、該表層部の内側の強靱な
超硬合金内層部で2.0〜7μmであり、該表層部と超
硬合金層内層部との中間層部で上記の中間の粒径をとる
ことを特徴とする上記(1)の表面被覆超硬合金。
【0006】(3)該超硬合金表層部、中間層部及び内
層部のそれぞれのCo含有量及びWC粒径が異なり、各
層が1層以上からなる多層積層で構成された上記(1)
又は(2)に記載の表面被覆超硬合金。 (4)ダイヤモンド被膜の表面粗さがRmax0.1μ
m以下であり、膜厚が5μm以上のダイヤモンド被膜を
有することを特徴とする上記(1)〜(3)いずれかに
記載の表面被覆超硬合金。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のCo含有
量について傾斜組成を有する超硬合金を調製し、該超硬
合金の表面に気相合成法によりダイヤモンド被膜を形成
することを特徴とするダイヤモンド被覆超硬合金の製造
方法。
層部のそれぞれのCo含有量及びWC粒径が異なり、各
層が1層以上からなる多層積層で構成された上記(1)
又は(2)に記載の表面被覆超硬合金。 (4)ダイヤモンド被膜の表面粗さがRmax0.1μ
m以下であり、膜厚が5μm以上のダイヤモンド被膜を
有することを特徴とする上記(1)〜(3)いずれかに
記載の表面被覆超硬合金。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のCo含有
量について傾斜組成を有する超硬合金を調製し、該超硬
合金の表面に気相合成法によりダイヤモンド被膜を形成
することを特徴とするダイヤモンド被覆超硬合金の製造
方法。
【0007】
【発明の実施の形態】上記(1)の表面被覆超硬合金に
おいて、ダイヤモンドの被覆の厚さを0.5〜50μm
とするのは、0.5μm未満では充分な耐摩耗性を維持
することができず、50μmを超えると該被膜が剥離し
易くなるからである。好ましい範囲は2〜30μmであ
る。(1)−(a)において、Co含有量を内部に向か
って増加させる傾斜組成とするのは表層部を低Co含有
量にして高硬度とし、内層部はCo含有量を多くして靱
性を高めるためである。
おいて、ダイヤモンドの被覆の厚さを0.5〜50μm
とするのは、0.5μm未満では充分な耐摩耗性を維持
することができず、50μmを超えると該被膜が剥離し
易くなるからである。好ましい範囲は2〜30μmであ
る。(1)−(a)において、Co含有量を内部に向か
って増加させる傾斜組成とするのは表層部を低Co含有
量にして高硬度とし、内層部はCo含有量を多くして靱
性を高めるためである。
【0008】そこで、(1)−(b)では、1mm深さ
迄の表面層のCo含有量を0.01〜1重量%、好まし
くは0.1〜0.8重量%という低い値としダイヤモン
ド被膜との密着力を増加させる。Co含有量が0.01
%未満では、液相の生成が少なくなり超硬合金の焼結が
難しく緻密化ができなくなるし、また1%を超えると、
密着力の改善が期待できなくなる。上記表層部の下部に
は、Co含有量が中間組成の領域を介して、Co含有量
が4〜25重量%、好ましくは5〜20重量%の強靱な
超硬合金層内層部を設ける。4%未満では、靱性が充分
でなく、また25%を超えると、耐熱性が低下して工具
寿命が改善されない。上記中間組成領域は、表層部と内
層部との中間組成のCo含有量として熱応力を緩和させ
る。
迄の表面層のCo含有量を0.01〜1重量%、好まし
くは0.1〜0.8重量%という低い値としダイヤモン
ド被膜との密着力を増加させる。Co含有量が0.01
%未満では、液相の生成が少なくなり超硬合金の焼結が
難しく緻密化ができなくなるし、また1%を超えると、
密着力の改善が期待できなくなる。上記表層部の下部に
は、Co含有量が中間組成の領域を介して、Co含有量
が4〜25重量%、好ましくは5〜20重量%の強靱な
超硬合金層内層部を設ける。4%未満では、靱性が充分
でなく、また25%を超えると、耐熱性が低下して工具
寿命が改善されない。上記中間組成領域は、表層部と内
層部との中間組成のCo含有量として熱応力を緩和させ
る。
【0009】上記(1)の発明においては、ダイヤモン
ド被覆超硬合金母材を表面が低Co含有量の傾斜組成と
することで、表層部のCoのエッチング除去が不要とな
り、従来の表層部の母材の表面欠陥となったCo除去部
がないため強度低下を避けながら密着力の高いダイヤモ
ンド被覆を得ることができる。すなわち、本発明では、
表層部のみが低Co含有量の超硬合金母材を使用し、中
間層部を経て内層部が強靱な超硬合金から構成されるの
で、ダイヤモンド被覆の密着力が高く、表面が硬度の高
い超硬合金なので耐塑性変形性に優れ、かつ内層部が高
い靱性を有するので耐欠損性にも優れたダイヤモンド被
覆超硬合金が得られる。上記発明(1)に従い、傾斜組
成を有する母材を用いると、表層部と内層部の熱膨張率
の差により超硬合金母材のダイヤモンド被覆表面に圧縮
の残留応力が導入されるので破壊に結びつく表面の引張
り力に対して強化される利点を有する。
ド被覆超硬合金母材を表面が低Co含有量の傾斜組成と
することで、表層部のCoのエッチング除去が不要とな
り、従来の表層部の母材の表面欠陥となったCo除去部
がないため強度低下を避けながら密着力の高いダイヤモ
ンド被覆を得ることができる。すなわち、本発明では、
表層部のみが低Co含有量の超硬合金母材を使用し、中
間層部を経て内層部が強靱な超硬合金から構成されるの
で、ダイヤモンド被覆の密着力が高く、表面が硬度の高
い超硬合金なので耐塑性変形性に優れ、かつ内層部が高
い靱性を有するので耐欠損性にも優れたダイヤモンド被
覆超硬合金が得られる。上記発明(1)に従い、傾斜組
成を有する母材を用いると、表層部と内層部の熱膨張率
の差により超硬合金母材のダイヤモンド被覆表面に圧縮
の残留応力が導入されるので破壊に結びつく表面の引張
り力に対して強化される利点を有する。
【0010】上記の発明(2)においては、超硬合金表
層部のWC粒径を0.3〜1.5μm、好ましくは0.
3〜0.8μmとし、ダイヤモンド被膜表面をラップし
ない場合の表面粗さを向上させる。0.3μm未満では
当該超硬合金の製造が困難であり、また、1.5μmを
超えると良好な表面粗さを維持することが難しくなる。
一方、内層部の強靱な超硬合金は、2.5〜7μm、好
ましくは3〜6μmの中粒ないし粗粒とし、優れた靱性
を付与する。2.5μm未満では強度が低下し、また7
μmを超えるとWC粒子自体の強度が低下するという問
題が生じるので7μm以下とする。また、上記両層の中
間にある中間層超硬合金のWC粒径は両者の中間の値と
する。
層部のWC粒径を0.3〜1.5μm、好ましくは0.
3〜0.8μmとし、ダイヤモンド被膜表面をラップし
ない場合の表面粗さを向上させる。0.3μm未満では
当該超硬合金の製造が困難であり、また、1.5μmを
超えると良好な表面粗さを維持することが難しくなる。
一方、内層部の強靱な超硬合金は、2.5〜7μm、好
ましくは3〜6μmの中粒ないし粗粒とし、優れた靱性
を付与する。2.5μm未満では強度が低下し、また7
μmを超えるとWC粒子自体の強度が低下するという問
題が生じるので7μm以下とする。また、上記両層の中
間にある中間層超硬合金のWC粒径は両者の中間の値と
する。
【0011】上記の発明(3)は、実際の製造工程では
Co含有量とWC粒径を連続的に傾斜させることは可能
ではあるが、コスト高を招くのでそれぞれを階段状に変
化させた積層とするものである。上記発明(4)は、ダ
イヤモンド被覆の膜厚が厚いとダイヤモンド粒子が粗粒
化し、表面粗さが粗くなるので表面をラップする必要が
あり、好ましくは表面粗さRmaxを0.1μm以下、
特に0.01〜0.07μmとするものである。また該
膜厚が充分でないとラップが難しいので、ラップ後のダ
イヤモンド被覆の最低膜厚を5μm、特に5〜20μm
とするのが好ましい。
Co含有量とWC粒径を連続的に傾斜させることは可能
ではあるが、コスト高を招くのでそれぞれを階段状に変
化させた積層とするものである。上記発明(4)は、ダ
イヤモンド被覆の膜厚が厚いとダイヤモンド粒子が粗粒
化し、表面粗さが粗くなるので表面をラップする必要が
あり、好ましくは表面粗さRmaxを0.1μm以下、
特に0.01〜0.07μmとするものである。また該
膜厚が充分でないとラップが難しいので、ラップ後のダ
イヤモンド被覆の最低膜厚を5μm、特に5〜20μm
とするのが好ましい。
【0012】上記発明(5)のダイヤモンド被覆超硬合
金の製造方法は、ホットプレス法や通電加圧焼結法によ
り上記発明(1)〜(3)のいずれかの傾斜組成の超硬
合金を調製し、次いで該超硬合金の表面をCVD、PV
D法などの気相合成法によりダイヤモンドを被覆するも
のである。
金の製造方法は、ホットプレス法や通電加圧焼結法によ
り上記発明(1)〜(3)のいずれかの傾斜組成の超硬
合金を調製し、次いで該超硬合金の表面をCVD、PV
D法などの気相合成法によりダイヤモンドを被覆するも
のである。
【0013】上記傾斜組成の超硬合金の製造は具体的に
は次のようにして行う。例えば、図1に示すような装置
を用い、粒径0.3〜10μmのWC粉末と粒径1μm
のCo粉末を組合せ配合し、WC粒径、Co配合量を適
宜に調整した後、黒鉛型に各層の厚さを調節して粉末を
積層して加圧及び加熱電流による直接通電加熱を行う。
この方法では低温で短時間焼結が完成し、Coの移動が
抑制され予め積層した傾斜組成が維持されて応力制御が
行われる。同時にWC粒子の成長が抑制されつつ、超硬
合金の緻密化が促進される。こうして特定の傾斜組成を
有する超硬合金母材を用いて、ダイヤモンドを被覆する
ことで被覆膜の密着強度に優れかつ靱性にも優れた表面
被覆超硬合金工具とすることができる。
は次のようにして行う。例えば、図1に示すような装置
を用い、粒径0.3〜10μmのWC粉末と粒径1μm
のCo粉末を組合せ配合し、WC粒径、Co配合量を適
宜に調整した後、黒鉛型に各層の厚さを調節して粉末を
積層して加圧及び加熱電流による直接通電加熱を行う。
この方法では低温で短時間焼結が完成し、Coの移動が
抑制され予め積層した傾斜組成が維持されて応力制御が
行われる。同時にWC粒子の成長が抑制されつつ、超硬
合金の緻密化が促進される。こうして特定の傾斜組成を
有する超硬合金母材を用いて、ダイヤモンドを被覆する
ことで被覆膜の密着強度に優れかつ靱性にも優れた表面
被覆超硬合金工具とすることができる。
【0014】上記の本発明に係るダイヤモンド被覆超硬
合金の傾斜組成の具体例をその断面図で示すと図2のよ
うになる。図2でaは厚さ0.5〜40μmのダイヤモ
ンド薄膜でダイヤモンド膜厚が厚い場合にはラップを行
う場合がある。bは厚さ0.1〜1mmの超硬合金表層
部でCo含有量0.1〜1重量%、WC粒径0.5〜
1.5μmの範囲にある。dは強靱な超硬合金内層部を
示し、Co含有量5〜40重量%、WC粒径2〜7μm
の範囲にある。cは上記b層とd層との中間層で超硬合
金表層部と内層部の中間のCo含有量とWC粒径を有す
る。
合金の傾斜組成の具体例をその断面図で示すと図2のよ
うになる。図2でaは厚さ0.5〜40μmのダイヤモ
ンド薄膜でダイヤモンド膜厚が厚い場合にはラップを行
う場合がある。bは厚さ0.1〜1mmの超硬合金表層
部でCo含有量0.1〜1重量%、WC粒径0.5〜
1.5μmの範囲にある。dは強靱な超硬合金内層部を
示し、Co含有量5〜40重量%、WC粒径2〜7μm
の範囲にある。cは上記b層とd層との中間層で超硬合
金表層部と内層部の中間のCo含有量とWC粒径を有す
る。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが限定を意図するものではない。実施例1〜8、参考例1〜2及び比較例1〜5 粒径0.3〜10μmのWC粉末と粒径1μmのCo粉
末を用い、表1に示すWC粒径とCo組成の組み合わせ
で粉末を配合し、アトライターを用いてアルコール中で
湿式混合し、完成粉末を作成した。図1に示す様に、内
径30mmの黒鉛型に各層の厚さを調節して粉末を積層
し、通電加圧焼結装置を用いて、焼結後の厚さが5mm
の傾斜組成構造の超硬合金母材を作成した。焼結温度は
組成の組み合わせに応じて調節し、焼結温度は黒鉛型表
面で950℃から1050℃とした。焼結時の加圧力を
組成に応じて調節し、300〜500kg/cm2 の加
圧力を付与した。昇温速度は100〜150℃/分、焼
結時間は最高温度保持時間を5〜10分とした。焼結
後、ショットブラストを施して表面に黒鉛型から付着し
た炭素を除去し、#400のダイヤモンド砥石で研削
後、低Co超硬合金を被覆面として、フィラメントCV
Dでダイヤモンドコーティングを実施した。原料ガスに
はCH4 /H 2 =1%の混合ガスを用い、圧力50To
rr、タングステンフィラメント温度2100℃、超硬
合金表面温度950℃の条件で行い、コーティング時間
を調節して所定膜厚を得た。
るが限定を意図するものではない。実施例1〜8、参考例1〜2及び比較例1〜5 粒径0.3〜10μmのWC粉末と粒径1μmのCo粉
末を用い、表1に示すWC粒径とCo組成の組み合わせ
で粉末を配合し、アトライターを用いてアルコール中で
湿式混合し、完成粉末を作成した。図1に示す様に、内
径30mmの黒鉛型に各層の厚さを調節して粉末を積層
し、通電加圧焼結装置を用いて、焼結後の厚さが5mm
の傾斜組成構造の超硬合金母材を作成した。焼結温度は
組成の組み合わせに応じて調節し、焼結温度は黒鉛型表
面で950℃から1050℃とした。焼結時の加圧力を
組成に応じて調節し、300〜500kg/cm2 の加
圧力を付与した。昇温速度は100〜150℃/分、焼
結時間は最高温度保持時間を5〜10分とした。焼結
後、ショットブラストを施して表面に黒鉛型から付着し
た炭素を除去し、#400のダイヤモンド砥石で研削
後、低Co超硬合金を被覆面として、フィラメントCV
Dでダイヤモンドコーティングを実施した。原料ガスに
はCH4 /H 2 =1%の混合ガスを用い、圧力50To
rr、タングステンフィラメント温度2100℃、超硬
合金表面温度950℃の条件で行い、コーティング時間
を調節して所定膜厚を得た。
【0016】また比較の為に、粒径1〜3μmのWC粉
末を用い、通常の真空焼結で直径30mm、厚さ5mm
の超硬合金を作製し、同様に#400ダイヤモンド砥石
で研削後、10%HNO3 溶液中で表面から2〜5μm
の深さまでCoをエッチング除去し、同様の条件でダイ
ヤモンドコーティングを実施した。得られたダイヤモン
ド被覆超硬合金のダイヤモンドの密着力はスクラッチテ
ストにより、膜剥離が発生した時の付加荷重で評価し
た。また、強度は表面に超硬合金ボールを衝突させる衝
撃試験により評価し、母材に亀裂が発生した時の衝撃エ
ネルギーで評価した。結果はそれぞれ表1及び表2に示
す。上記の結果より本発明のダイヤモンド被覆超硬は高
い密着強度を示しながら、同時に高い材料強度を有する
ことが分かる。また、一部のものはダイヤモンド被覆後
に#200、800の順に表面をレジンボンド砥石で研
磨し、最後に#800の目のつぶれたダイヤモンド電着
砥石で研磨して鏡面に仕上げた。比較例の試料No.5
はこの研磨作業の際にダイヤモンド被膜と超硬母材の界
面から剥離が生じたのに対し、本発明の試料No.7は
剥離が生ぜず、鏡面に仕上げることができ研磨面の表面
粗さはRmax0.08であった。
末を用い、通常の真空焼結で直径30mm、厚さ5mm
の超硬合金を作製し、同様に#400ダイヤモンド砥石
で研削後、10%HNO3 溶液中で表面から2〜5μm
の深さまでCoをエッチング除去し、同様の条件でダイ
ヤモンドコーティングを実施した。得られたダイヤモン
ド被覆超硬合金のダイヤモンドの密着力はスクラッチテ
ストにより、膜剥離が発生した時の付加荷重で評価し
た。また、強度は表面に超硬合金ボールを衝突させる衝
撃試験により評価し、母材に亀裂が発生した時の衝撃エ
ネルギーで評価した。結果はそれぞれ表1及び表2に示
す。上記の結果より本発明のダイヤモンド被覆超硬は高
い密着強度を示しながら、同時に高い材料強度を有する
ことが分かる。また、一部のものはダイヤモンド被覆後
に#200、800の順に表面をレジンボンド砥石で研
磨し、最後に#800の目のつぶれたダイヤモンド電着
砥石で研磨して鏡面に仕上げた。比較例の試料No.5
はこの研磨作業の際にダイヤモンド被膜と超硬母材の界
面から剥離が生じたのに対し、本発明の試料No.7は
剥離が生ぜず、鏡面に仕上げることができ研磨面の表面
粗さはRmax0.08であった。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明の特定の傾斜組成を有するダイヤ
モンド被覆WC基超硬合金は、従来技術では達成するこ
とのできなかった、高能率加工の条件下で優れた被覆密
着強度、耐摩耗性及び靱性を保持する工具とすることが
できる。
モンド被覆WC基超硬合金は、従来技術では達成するこ
とのできなかった、高能率加工の条件下で優れた被覆密
着強度、耐摩耗性及び靱性を保持する工具とすることが
できる。
【図1】本発明により通電加圧焼結をする装置の具体例
を示す概略断面図。
を示す概略断面図。
【図2】本発明のダイヤモンド被覆WC基超硬合金の傾
斜組成を説明するための模式図。
斜組成を説明するための模式図。
Claims (5)
- 【請求項1】 硬質成分として炭化タングステン、結合
相成分としてCo、残部が不可避的不純物からなる超硬
合金母材の表面に0.5〜50μmの気相合成ダイヤモ
ンドを形成した表面被覆超硬合金において、 (a)該超硬合金母材がダイヤモンド被覆面から内部に
向かってCo含有量が増加する傾斜組成を有し、 (b)該被覆面から1mm深さ迄の表層部の超硬合金の
Co含有量が0.01〜1重量%であり、その下部の中
間組成の超硬合金組成領域を介して更に内側の超硬合金
内層部のCo含有量が4〜25重量%の範囲にあること
を特徴とする表面被覆超硬合金。 - 【請求項2】 該超硬合金母材を構成するWCの粒径が
超硬合金表層部で0.3〜1.5μm、該表層部の内側
の強靱な超硬合金内層部で2.0〜7μmであり、該表
層部と超硬合金層内層部との中間層部で上記の中間の粒
径をとることを特徴とする請求項1の表面被覆超硬合
金。 - 【請求項3】 該超硬合金表層部、中間層部及び内層部
のそれぞれのCo含有量及びWC粒径が異なり、各層が
1層以上からなる多層積層で構成された請求項1又は2
に記載の表面被覆超硬合金。 - 【請求項4】 ダイヤモンド被覆の表面粗さがRmax
0.1μm以下であり、膜厚が5μm以上のダイヤモン
ド被膜を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の表面被覆超硬合金。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のCo含
有量について傾斜組成を有する超硬合金を調製し、該超
硬合金の表面に気相合成法によりダイヤモンド被膜を形
成することを特徴とするダイヤモンド被覆超硬合金の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33575397A JPH11172361A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 表面被覆超硬合金及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33575397A JPH11172361A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 表面被覆超硬合金及びその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11172361A true JPH11172361A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18292087
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33575397A Pending JPH11172361A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 表面被覆超硬合金及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11172361A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012117121A (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-21 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp | サーメット |
| JP2014105353A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Wc基超硬合金及び切削工具 |
| JP2014105354A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Wc基超硬合金及び切削工具 |
| CN115074660A (zh) * | 2022-06-24 | 2022-09-20 | 烟台艾迪锐能超硬刀具有限公司 | 一种基于榫卯结构的梯度复合材料及其制备方法 |
| JP7718031B1 (ja) * | 2024-06-06 | 2025-08-05 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 被覆超硬合金および工具 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP33575397A patent/JPH11172361A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012117121A (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-21 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp | サーメット |
| JP2014105353A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Wc基超硬合金及び切削工具 |
| JP2014105354A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Wc基超硬合金及び切削工具 |
| CN115074660A (zh) * | 2022-06-24 | 2022-09-20 | 烟台艾迪锐能超硬刀具有限公司 | 一种基于榫卯结构的梯度复合材料及其制备方法 |
| JP7718031B1 (ja) * | 2024-06-06 | 2025-08-05 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 被覆超硬合金および工具 |
| WO2025253585A1 (ja) * | 2024-06-06 | 2025-12-11 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 被覆超硬合金および工具 |
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