JPH11172529A - 抗菌性の繊維 - Google Patents

抗菌性の繊維

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JPH11172529A
JPH11172529A JP33518897A JP33518897A JPH11172529A JP H11172529 A JPH11172529 A JP H11172529A JP 33518897 A JP33518897 A JP 33518897A JP 33518897 A JP33518897 A JP 33518897A JP H11172529 A JPH11172529 A JP H11172529A
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JP
Japan
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antibacterial
group
glycol
dicarboxylic acid
phosphonium
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JP33518897A
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Inventor
Tetsushi Oka
哲史 岡
Juji Konagaya
重次 小長谷
Hideto Ohashi
英人 大橋
Satoshi Hayakawa
聡 早川
Kenji Yoshino
賢二 吉野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ホスホニウム塩基含有高分子物質が本来持つ
抗菌性を著しく向上させた抗菌性の繊維を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸成分及びグリコール成分を
主成分とし、下記一般式で表されるスルホン酸基含有芳
香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を1モル%以上50
モル%以下共重合した共重合ポリエステルと、 (式中、Aは芳香族基、X、Xはエステル形成性官
能基、R、R、R、Rはアルキル基でそのうち
の少なくとも1個は炭素数10以上20以下のアルキル
基)親水性物質としてポリアルキレングリコール及び/
またはその誘導体を含む抗菌性の繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホスホニウム塩基を
有する高分子物質からなる抗菌性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維製品は,衣料分野,寝装分野,イン
テリア分野,資材分野等広く用いられているが,消費者
ニーズの高度化に伴い,種々の機能が要求されている
が、近年、直接・間接を含めた菌の感染による弊害を防
御する目的で抗菌性能が注目されている。
【0003】従来、抗菌剤は、工業用、農業等、食品関
係の分野で多くのものが用いられているが、現在使用さ
れている抗菌剤としてはキチン、キトサン等の天然品、
酸化亜鉛超微粒子、銀含有ゼオライト等の無機品、及び
種種の合成品が挙げられる。これらの天然品及び無機品
は毒性の面で安全で最近注目を集めている。
【0004】他方、合成品は抗菌能が天然品、無機品よ
り優れるのが一般的だが、抗菌性付与法として表面処理
加工が採用されているため、抗菌剤が揮発、分離しやす
く、その毒性のためにかえって敬遠されがちである。こ
れは抗菌剤が水や有機溶媒等に溶解しやすいためで、最
近では不溶性で毒性を示さない固定化抗菌剤が開発され
ている。この改善法として以下の開示例がある。
【0005】特開昭54−86584号公報には、カル
ボキシル基やスルホン酸基等の酸性基とイオン結合して
いる4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有す
る高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載されてい
る。特開昭61−245378号公報には、アミジン基
などの塩基性基や4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤
成分を含有したポリエステル共重合体からなる繊維が記
載されている。特開昭57−204286号公報、特開
昭63−609030号公報,特開昭62−11490
3号公報、特開平1−93596号公報、特開平2−2
40090号公報等によれば種々の含窒素化合物を同
様、ホスホニウム塩化合物は細菌類に対して広い活性ス
ペクトルを持った生物学的活性化学物質として知られて
いる。
【0006】上記のホスホニウム塩を高分子物質に固定
化し用途の拡大を試みた発明が開示されている。特開平
4−266912号公報にはホスホニウム塩系ビニル重
合体の抗菌剤について、特開平4−814365号公報
にはビニルベンジルホスホニウム塩系ビニル重合体の抗
菌剤について開示されている。
【0007】さらには、特開平5−310820号公報
には、酸性基およびこの酸性基とイオン結合したホスホ
ニウム塩基を有する抗菌成分を含有する高分子物質を主
体とした抗菌性材料が記載されている。その実施例中で
スルホイソフタル酸のホスホニウム塩を用いたポリエス
テルが開示されている。
【0008】そこで、特開平4−266912号公報、
特開平4−814365号公報、特開平5−31082
0号公報で開示された技術を鋭意検討し、ホスホニウム
塩基含有ビニル重合体及び共重合ポリエステルを合成
し、繊維やフィルム等の構造体を形成したり、またそれ
を構造形成体上に塗布し、それらの抗菌性を検討した
が、抗菌活性は不十分であることが分かった。
【0009】さらには、抗菌性を向上させる目的でトリ
ノルマルブチルドデシルホスホニウム塩基を50モル%
以上ポリエステルに結合しようとしても、ポリマーの着
色及びガラス転移点の低下による力学物性の低下等が顕
著になるのみならず、充分な抗菌性が得られない問題が
生じた。
【0010】また,繊維への抗菌性付与に関して,抗菌
剤として銀イオンや銅イオンを繊維に結合させる方法が
特開昭52−92000号公報等にて開示されている。
また,繊維表面を化学的に改質し特定の金属を結合させ
る方法として,例えば繊維表面をヒドロキシルアミンで
改質した後,銅やアルミニウム等の金属と化学結合させ
る方法が特開平3−213652号公報等で開示されて
いる。
【0011】低分子の有機抗菌剤を繊維に付着させる方
法において,抗菌剤として,2,4,4‘−トリクロロ
−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルを用いること
が特開昭69−144678号公報,特開昭59−23
0588号公報等で,3,4,4‘−トリクロロカルバ
ニリドを用いることが特開平1−266277号公報,
特開平2−112474号公報で開示されている。
【0012】しかしながら,これらの方法のうち,金属
を結合させる方法は,金属によっては金属固有の色が顕
出し,繊維製品としての品質を損ね,また繊維製品の用
途が限定され実用的ではない。また,低分子の有機抗菌
剤を用いる方法は,抗菌剤が化学結合ではなく,物理的
結合により保持されているため,晒し,染色,洗濯等に
で脱落し,耐久性の点で満足されるものではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決しようとするものであり、その目的は高
活性な抗菌性繊維で、詳しくは高分子物質の抗菌成分で
あるホスホニウム塩基量をむやみに増やすことなく、抗
菌性の向上を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、ホスホニウム塩基を主鎖または
側鎖に結合した高分子物質と親水性物質を含む抗菌性の
繊維により達成される。例えば、酸性基及び酸性基とイ
オン結合しているホスホニウム塩基を含む高分子物質
(1)、さらに具体的には、ジカルボン酸成分及びグリ
コール成分を主成分とし、下記一般式で表されるスルホ
ン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を1m
ol%以上50mol%以下共重合した共重合ポリエス
テル (式中、Aは芳香族基、X1 、X2 はエステル形成性官
能基、R1 、R2 、R3、R4 はアルキル基でそのうち
の少なくとも1個は炭素数10以上20以下のアルキル
基)にポリエチレングリコールおよび/またはその誘導
体を含ませた抗菌性の繊維により本発明の目的は顕著に
達成される。本発明の抗菌性繊維は、ホスホニウム塩基
を含む高分子物質にポリアルキレングリコール及び/ま
たはその誘導体を含ませることにより、その抗菌活性が
著しく高められるところに特徴がある。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳しく説明する。高
分子物質(1)とは主鎖および/または側鎖にホスホニ
ウム塩基を結合していれば、いかなる高分子化合物でも
よい。
【0016】以下にその具体例について代表例を示す
が、これに限定されることはない。高分子物質(A)の
一つに下記一般式で示されるホスホニウム塩系ビニル重
合体が挙げられる。 (R1 、R2 、R3 は水素原子、炭素原子数1〜18個
の直鎖または分岐のアルキル基、アリール基、ヒドロキ
シル基、またはアルコキシ基で置換されたアルキル基、
アリール基またはアラルキル基を表し、X−はアニオ
ン、nは2以上の整数を示す。)
【0017】上記R1 ,R2 ,R3 の例としてはメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェ
ニチル等のアラルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
ル基等で置換されたもので、アルキル基、アリール基が
特に好ましい。R1 ,R2 ,R3 は同一の基でも、異な
る基でもよい。X−はアニオンであり、たとえばフッ
素、塩素、臭素またはヨウ素等のハロゲンイオン、硫酸
イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン等が挙げられ、
ハロゲンイオンが好ましい。nは特に限定しないが、2
〜500、好ましくは10〜300である。
【0018】もう一つの典型例は、ジカルボン酸成分及
びスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム
塩を1mol%以上50mol%以下及びグリコール成
分を共重合した共重合ポリエステルで、ポリアルキレン
グリコールの添加効果が顕著である。
【0019】該共重合ポリエステルのジカルボン酸成分
としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、
脂肪族ジカルボン酸。、複素環式ジカルボン酸などが挙
げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、4,4−ジカルボキシルベンゾフェノン、
ビス(4−カルボキシルフェニル)エタン及びそれらの
誘導体などがあり、脂環式ジカルボン酸はシクロヘキサ
ン−1,4−ジカルボン酸及びその誘導体などがあり、
脂肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ダイマー酸及
びそれらの誘導体などがあり、複素環式ジカルボン酸と
してはピリジンカルボン酸及びその誘導体が挙げられ
る。
【0020】このようなジカルボン酸成分以外にp−オ
キシ安息香酸などのオキシカルボン酸類、トリメリット
酸、ピロメリット酸及びその誘導体等の多官能酸を含む
ことも可能である。グリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリ
テトラメチレングリコール等が挙げられる。このほか少
量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボ
ネート結合等を含有する化合物を含んでいてもよい。
【0021】スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホ
スホニウム塩としては、スルホイソフタル酸トリ−n−
ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホイソ
フタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n
−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸ト
リ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホテ
レフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2、
7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム
塩、4−スルホナフタレン−2、7−ジカルボン酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、4−スルホ
ナフタレン−2、7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘ
キサデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−
2、7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルテトラデシルホ
スホニウム塩、4−スルホナフタレン−2、7−ジカル
ボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、等が
あげられ、抗菌活性の点ではスルホイソフタル酸トリ−
n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソフ
タル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、
スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニ
ウム塩が特に好ましい。
【0022】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩は
芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等に、トリ−n−ブチルヘキサデシ
ルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルテトラデ
シルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルドデシ
ルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩を反応さ
せることにより得られる。反応溶媒は特に限定しない
が、水が最も好ましい。
【0023】該共重合ポリエステルには着色度及びゲル
発生等の耐熱性の改善の目的で、酢酸マグネシウム、塩
化マグネシウム等のマグネシウム塩、酢酸カルシウム、
塩化カルシウム等のカルシウム塩、酢酸マンガン、塩化
マンガン等のマンガン塩を各々金属イオンとして20p
pm以上300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメ
チルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エ
ステル誘導体をPとして20ppm以上200ppm以
下添加することも可能である。上記金属イオンが300
ppmを越えるとポリマーの着色が顕著になる。また2
0ppm未満ではポリマーの耐熱性の向上が見られな
い。
【0024】また、耐熱性等の点で、Pと金属イオンと
のモル比は0.4〜1.0であることが好ましい。
【数1】 上記モル比が0.4未満または1.0を越える場合に
は、ポリマーの着色、粗大粒子発生が顕著となり、繊維
への適用が困難となる。
【0025】該ポリエステルの製造法としては、芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる、いわゆ
る直接重合法、芳香族ジカルボン酸のジメチルエステル
とグリコールとをエステル交換反応させる、いわゆるエ
ステル交換法など任意の製造法を適用することができ
る。上記金属イオン及びリン酸及びその誘導体の添加時
期は特に限定しないが、金属イオンは原料仕込み時に、
リン酸類の添加は重合反応前に添加するのが好ましい。
【0026】本発明におけるポリアルキレングリコール
の具体例としては、ポリエチレングリコール(別名ポリ
エチレンオキサイド)、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール等をあげることができる。またこれらのポ
リアルキレングリコールの片末端あるいは両末端がアル
コール、アルキルフェノール、脂肪酸等で封鎖されてい
てもよく、例えば、ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等
を挙げることができる。中でもポリエチレングリコール
及びその誘導体がポリエステルとの相溶性の点で好まし
い。用いられるポリアルキレングリコールの分子量は平
均分子量で200以上30000以下が好ましく、さら
には1000以上25000以下が好ましい。
【0027】本発明におけるポリアルキレングリコール
の量は共重合ポリエステルに対して0.1〜20重量%
であり、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは
2〜7重量%である。0.1重量%未満では抗菌活性増
大効果が十分ではなく、20重量%を越えると機械的物
性、耐熱性が低下し好ましくない。
【0028】本発明の抗菌性材料を製造する方法は、特
に限定されず高分子物質(1)の製造方法、特性により
任意の方法を採用できる。例えば、ホスホニュウム塩含
有ポリエステルへポリアルキレングリコールを含有させ
る方法は特に限定しないが、例えば、両者を押出し機等
で溶融混合させたり、該共重合ポリエステル合成反応時
の反応前、反応の途中もしくは反応終了後にポリアルキ
レングリコールを添加することができる。ポリアルキレ
ングリコールは該共重合ポリエステルに共重合されてい
ても、また混合の形で存在していてもその効果に大差は
ない。
【0029】本発明の抗菌性材料には、さらなる抗菌活
性の向上を目的として、他の有機系の抗菌剤、または銀
/ゼオライト粒子、銀/リン酸ジルコニウム粒子、酸化
亜鉛微粒子、光酸化触媒機能を有した酸化チタン微粒子
等の無機系の抗菌剤を添加することも可能である。ま
た、用いるポリマー中には、必要に応じて、カーボンブ
ラック、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、
酸化カルシウム、マイカ、金属微細粉、有機顔料、無機
顔料、抗酸化剤、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、撥
水剤、吸湿剤、吸水剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤な
ど、通常用いられる添加剤を配合しても良い。特に、強
伸度や収縮特性を制御する上でシースコアタイプの複合
紡糸方法が有効である。
【0030】本発明の抗菌性材料は、溶融紡糸法により
繊維とすることができる。溶融紡糸後の延伸方法は、溶
融紡糸により得られた未延伸糸を一旦巻き取った後、延
伸工程を経て完成糸を得る方法や、未延伸糸を巻き取ら
ずに直接熱延伸する方法が採用される。また、多段階延
伸方法、スチームジェット延伸方法でも良く、さらに必
要に応じて本発明の抗菌性材料の他に別の樹脂を複合し
て溶融紡糸する複合紡糸方法でも良い。特に、強伸度や
収縮特性を制御する上でシース・コアタイプの複合紡糸
方法が有効である。
【0031】このようにして得られた繊維は、優れた抗
菌性性能を有し、かつ洗濯等に対する耐久性のあること
が分かっている。さらに、常温における分散染料の染色
性にも優れることは分かっており、様々な用途への展開
が可能である。具体的には、以下に限定されるものでは
ないが、例えば織編み物、不織布、スパンボンド、フェ
ルト、合成紙の中間製品やさらに加工された衣服(外
衣、作業服、下着、靴下、帽子等)、衣料用編み物、産
業用縫製品、紐、テープ、ロープ、リボン、等にするこ
とができ、繊維製品として生活用品、スポーツレジャー
品、建築土木資材、農林漁業用資材、産業用資材、等へ
の利用例が挙げられる。
【0032】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて本発明を更に
詳しく説明するが、以下の実施例に限定されるものでは
ない。以下に実施例および比較例で得られた繊維の物性
の測定方法を示す。
【0033】(1)抗菌性試験法 繊維製品機能評価協議会が制定した、繊維製品の定量的
抗菌性試験法(統一試験法)マニュアルに準拠した。す
なわち、滅菌した1/20濃度ニュ−トリエントブロス
に下記試験菌を1±0.3×105個/ml含有する試
験菌縣濁液0.2mlを0.4gの試料に均一に接種
し、37℃で18時間培養する。培養終了後、試験菌を
洗い出した希釈液で混釈平板寒天培地を作成し、37℃
で24〜48時間培養することによって、接種した生菌
数を測定する。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価
する。数値の高いものほど抗菌性に優れている。
【0034】 試験菌 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P) 肺炎かん菌(Klebsiella pneumonaie ATCC 4352 ) 静菌活性値 LogB−LogC 但し、試験成立条件(LogB−LogA)>1.5を
満たす。 A;未加工標準布の接種直後に回収した菌数の平均値 B;未加工標準布の18時間培養直後回収した菌数の平
均値 C;加工布の18時間培養後回収した菌数の平均値
【0035】(2)洗濯、乾燥方法 上記、繊維製品新機能評価協議会(SEK)が制定して
いる、SEKマーク製品の前処理(洗濯)方法マニュア
ルに準拠した。すなわち、JIS L0217の洗い方
103に規定する家庭電気洗濯機を使用し、40℃の水
1lに対しニッサンノニオンNS−210(日本油脂株
式会社製)0.54gの割合で洗剤を溶解し洗濯液と
し、この洗濯液に浴比が1:30となるように試料を入
れる。5分間洗濯、脱水、2分間濯ぎ洗い、脱水、2分
間濯ぎ洗いの1サイクルを1回分の洗濯回数とし、規定
回数の洗濯を行った。乾燥に際しては、タンブラーを用
いて80℃で30分間の乾燥を行った。
【0036】実施例1 テレフタル酸ジメチルエステル9モル、5―スルホイソ
フタル酸ジメチルエステルのトリ−n−ブチルヘキサデ
シルホスホニュウム塩1モル、エチレングリコール22
モル、共重合ポリエステル理論生成量に対して酢酸亜鉛
を亜鉛(Zn)として200ppm加え、140℃から
220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去
しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応
終了後、250℃にて共重合ポリエステル理論量に対し
て酸化アンチモンをアンチモン(Sb)として250p
pm、トリメチルホスフェートをP量として80ppm
加え15分攪拌した。260℃、真空下で30分間重縮
合反応を行い、極限粘度η=0.70(測定溶媒:フェ
ノール/テトラクロロエタン=60/40,測定温度:
30℃)の共重合ポリエステル樹脂を得た。上記ポリマ
ーに分子量20000のポリエチレングリコール(三洋
化成(株)製)を3重量部混合し、これを2軸押し出し
機を用いて220℃で溶融押し出し紡糸用レジンを得
た。
【0037】得られた樹脂を用い、220℃で溶融し
て、孔径0.3mmの紡糸孔を24個備えた紡糸口金よ
り吐出し、巻取り速度1300m/minで紡糸した
後、2.5倍に延伸し、50デニール/24フィラメン
トの繊維を得た。得られた繊維は、筒編みとし、上述の
抗菌性試験を行った。
【0038】実施例2 実施例1に記載の共重合ポリエステル樹脂をシース部
に、極限粘度0.63((測定溶媒:フェノール/テト
ラクロロエタン=60/40,測定温度:30℃)のポ
リエチレンテレフタレートをコア部い配し、その比率が
シース/コア=2/8となるよう、吐出温度280℃、
巻き取り速度1300m/minで複合紡糸した後、
2.8倍に延伸し、50デニール/24フィラメントの
繊維を得た。得られた背には筒編み・精錬した後、前述
の抗菌試験を行った。
【0039】比較例1 本発明との比較のために、実施例1において、テレフタ
ル酸ジメチルエステル9モル、5―スルホイソフタル酸
ジメチルエステルのトリ−n−ブチルヘキサデシルホス
ホニウム塩1モルの代わりに、テレフタル酸ジメチルエ
ステル10モルを用い、溶融紡糸時の吐出温度を220
℃とする以外は、実施例1と同様の試験実験を行った。
【0040】比較例2 ポリエステル100%の編み物に、下記処方1の処理液
を含浸し、マングルで絞り率60%にて圧搾後、100
℃で2分間乾燥を行い、次いで150℃で3分間の熱処
理を行い、比較例2の加工布を得た。
【0041】処方1 ニッカノン RB 20g/l(第4級アンモニウム塩
系抗菌、日華化学株式会社製)
【0042】比較例3 ポリエステル100に、下記処方2の処理液を用いる他
は比較例2と同一の方法により比較例3の加工布を得
た。
【0043】処方2 ニッカノン RB 20g/l(第4級アンモニウム塩
系抗菌剤、日華化学株式会社製) Sumitetex Resin M-3 5g/l(メラミン樹脂、住友化
学工業株式会社製) Sumitetex Accelerator ACX 3g/l(触媒、住友化学
工業株式会社製)
【0044】実施例1および比較例1〜3の結果を表
1、2に示した。尚、未加工標準布の18時間培養直後
に回収した菌数の平均値は、黄色ブドウ球菌の場合、
6.68×106肺炎かん菌では、2.05×107で
あった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の抗菌性の繊維は、ホスホニュウ
ム塩基含有物質にポリアルキレングリコール類を共存さ
せることにより、ホスホニュウム塩基高分子物質が本来
持つ抗菌性を著しく向上させることができるため、繊維
製品として生活用品、スポーツレジャー品、建築土木資
材、農林漁業用資材、産業用資材、等種々の用途に利用
される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 71:02) (72)発明者 早川 聡 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 吉野 賢二 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスホニウム塩基を主鎖および/または側
    鎖に結合した高分子物質(A)と親水性物質を含む抗菌
    性の繊維。
  2. 【請求項2】高分子物質(A)が酸性基及び酸性基とイ
    オン結合しているホスホニウム塩基を含む請求項1記載
    の抗菌性の繊維。
  3. 【請求項3】高分子物質(A)がジカルボン酸成分及び
    グリコール成分を主成分とし、下記一般式で表されるス
    ルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を
    1モル%以上50モル%以下共重合した共重合ポリエス
    テルである請求項1又は2に記載の抗菌性の繊維。 (式中、Aは芳香族基、X1 、X2 はエステル形成性官
    能基、R1 、R2 、R3、R4 はアルキル基でそのうち
    の少なくとも1個は炭素数10以上20以下のアルキル
    基)
  4. 【請求項4】親水性物質がポリアルキレングリコール及
    び/またはその誘導体である請求項1、2または3記載
    の抗菌性の繊維。
  5. 【請求項5】ポリアルキレングリコールまたはその誘導
    体がが平均分子量200以上30000以下のポリエチ
    レングルコールである請求項4記載の抗菌性の繊維。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001828A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Teijin Fibers Ltd ポリエステル繊維
JP2012001827A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Teijin Fibers Ltd ポリエステル繊維
CN113136029A (zh) * 2021-05-19 2021-07-20 北京化工大学 一种抗菌聚酯材料及其制备方法与应用

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