JPH11173119A - 内燃機関のバルブタイミング制御方法及びバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御方法及びバルブタイミング制御装置

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JPH11173119A
JPH11173119A JP34284997A JP34284997A JPH11173119A JP H11173119 A JPH11173119 A JP H11173119A JP 34284997 A JP34284997 A JP 34284997A JP 34284997 A JP34284997 A JP 34284997A JP H11173119 A JPH11173119 A JP H11173119A
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internal combustion
combustion engine
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関停止時の惰性回転を利用して内燃機
関再始動時のバルブの開閉タイミングを確実に遅角側の
所定の開閉タイミングとする。 【解決手段】 バルブタイミング調整機構17の遅角室
及び進角室に対して作動油を給排するOCV76に油圧
を供給するオイルポンプ84の吐出側と該吐出側と連通
されるOCV76の第5ポートPとの間に電磁方向制御
弁78を設ける。電磁方向制御弁78は、第5ポートP
をオイルパン77に連通する第3制御位置と、吐出側と
第5ポートPとを連通する第4制御位置とに切り換え可
能とする。ECU87は、エンジンの運転状態に基づき
OCV76を制御してベーンロータの相対位相を変更す
る。又、ECU87は、エンジンが運転されている状態
では電磁方向制御弁78を第4制御位置とし、エンジン
が停止されるときには第3制御位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転状
態に応じて内燃機関の吸気側バルブあるいは排気側バル
ブの開閉タイミングを変更する内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置及びバルブタイミング制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの運転状態に応じて
吸気側バルブや排気側バルブのバルブタイミング(開閉
タイミング)を変更し、エンジンの動力特性をその運転
状態に対して最適な特性に制御するバルブタイミング制
御装置が実用化されている。この種のバルブタイミング
制御装置は、その回転がエンジンの基準回転位相となる
クランクシャフトに対する吸気側あるいは排気側カムシ
ャフトの相対位相を変化させるものである。
【0003】例えば、図13及び図14は、特開平9−
60508号公報にて開示された内燃機関用バルブタイ
ミング制御装置を示している。バルブタイミング制御装
置120は、カムシャフト121の端部に一体回転可能
に固定されたベーンロータ122と、同ベーンロータ1
22に対して相対回動可能に支持されたベーンロータ収
容体123とを備えている。ベーンロータ収容体123
は、図示しないタイミングトチェーンによりエンジンの
基準回転位相となるクランクシャフトの回転に同期して
回転駆動される。ベーンロータ122はベーンロータ収
容体123に対して所定の相対位相を保った状態で回転
駆動される。この相対位相を変更することにより、クラ
ンクシャフトの回転基準位相に対するバルブの開閉タイ
ミングの位相が調整される。
【0004】ベーンロータ収容体123は、タイミング
チェーンを介してクランク軸に連結されたチェーンスプ
ロケット124、ベーン室125を形成するシューハウ
ジング126、及び、ベーン室125を閉塞するフロン
トプレート127にて形成されている。ベーンロータ収
容体123には、2個のベーン室125が形成され、各
ベーン室125内に収容されたベーンロータ122のベ
ーン128によりベーン室125が遅角室129と進角
室130とに区画されている。そして、ベーンロータ収
容体123が回転駆動されると、遅角室129及び進角
室130に充満されている作動油を介してベーンロータ
122が回転駆動され、カムシャフト121がクランク
シャフトと同期して回転駆動される。
【0005】遅角室129と進角室130とに対して共
に同じ油圧が供給されている状態では、ベーンロータ1
22とベーンロータ収容体123との相対回動が遅角室
129と進角室130の油圧の均衡により規制される。
この状態では、クランクシャフトに対するカムシャフト
の回転位相が変更されず、バルブの開閉タイミングがそ
のときのままで保持される。
【0006】一方、遅角室129に作動油が供給される
とともに進角室130から作動油が排出されると、ベー
ンロータ122がベーンロータ収容体123に対して遅
角側に相対回動する。すると、クランクシャフトに対す
るカムシャフト121の回転位相が遅れるように相対回
動され、バルブの開閉タイミングが相対的に遅角側に変
更される。この場合には、ベーンロータ122がベーン
ロータ収容体123に対して最も遅角側に相対回動した
最遅角位置にあるときが、最遅角タイミングとなる。
【0007】反対に、進角室130に作動油が供給され
るとともに遅角室129から作動油が排出されると、ベ
ーンロータ122がベーンロータ収容体123に対して
進角側に相対回動する。すると、クランクシャフトに対
するカムシャフト121の回転位相が進むように相対回
動され、バルブの開閉タイミングが相対的に進角側に変
更される。この場合には、ベーンロータ122がベーン
ロータ収容体123に対して最も進角側に相対回動した
最進角位置にあるときが、最進角タイミングとなる。
【0008】各遅角室129及び進角室130には、エ
ンジン側から作動油が給排されるようになっている。シ
リンダブロック131には、各遅角室129に対して作
動油を給排するための遅角側油路132と、各進角室1
30に対して作動油を給排するための進角側油路133
が設けられている。この各油路132,133は、電磁
方向制御弁134を介してオイルポンプ135及びオイ
ルタンク136に接続されている。
【0009】この電磁方向制御弁134は、遅角側油路
132にオイルポンプ135の吐出側を連通するととも
に進角側油路133をオイルタンク136に連通する遅
角側制御位置と、反対に、遅角側油路132をオイルタ
ンク136に連通するとともに進角側油路133にオイ
ルポンプ135の吐出側を連通する進角側制御位置とに
切り換え配置されるスプールを備えている。そして、ス
プールが遅角側制御位置に配置されると、遅角室129
に作動油が供給されるとともに進角室130から作動油
が排出されベーンロータ収容体123に対するベーンロ
ータ122の相対位相が遅角側に変更される。反対に、
スプールが進角側制御位置に配置されると、進角室13
0に作動油が供給されるとともに遅角室129から作動
油が排出されベーンロータ収容体123に対するベーン
ロータ122の相対位相が進角側に変更される。
【0010】電磁方向制御弁134は、スプールを遅角
側制御位置に付勢保持するリターンスプリング137
と、同リターンスプリング137の付勢力に抗してスプ
ールを遅角側制御位置から進角側制御位置に移動させる
電磁ソレノイド138とを備えている。従って、イグニ
ッションスイッチがオフとされエンジン電子制御装置と
共にエンジンの運転が停止されると、スプールは遅角側
制御位置に配置される。すると、進角側油路133はオ
イルタンク136に接続された状態となり、遅角側油路
132はオイルポンプ135に接続された状態となる。
又、エンジンの運転が停止されると、オイルポンプ13
5の運転が停止して電磁方向制御弁134に油圧が供給
されなくなる。従って、エンジンが停止されると、各遅
角室129に供給されていた油圧が抜けるとともに各進
角室130に供給されていた油圧が抜ける。
【0011】ところで、エンジンはイグニッションスイ
ッチがオフとされ運転が停止されても惰性でしばらく回
転する。このとき、カムシャフトを回転駆動するために
必要な回転トルクが反力としてベーンロータ122に作
用する。一方、各遅角室129及び進角室130には所
定の油圧が供給されなくなるため、ベーンロータ122
とベーンロータ収容体123との相対回動が規制されな
くなっている。その結果、惰性によりクランクシャフト
が回転する間に、ベーンロータ122がベーンロータ収
容体123に対して相対回動して最遅角位置側に移動配
置される。
【0012】又、エンジンが一旦停止された状態から始
動されるときには、オイルポンプ135から電磁方向制
御弁134に供給される油圧が所定の油圧が達していな
い。このため、ベーンロータ122とベーンロータ収容
体123とは、遅角室129と進角室130の油圧の均
衡によって相対回動が規制されていない状態にある。こ
の状態でクランキングによりベーンロータ収容体123
が回転駆動されると、カムシャフトを回転駆動する反力
により、ベーンロータ122が最遅角位置側に移動する
ように付勢される。
【0013】ところで、クランキング時においてカムシ
ャフトを1回転させるとき、そのために必要な回転トル
クの大きさが負となる領域がある。このため、クランキ
ング中にベーンロータ122が最遅角位置で保持され
ず、最遅角位置とやや進角側の位置との間を繰り返し往
復移動して各ベーン128が進角室129の側壁に繰り
返し衝突することが知られている。
【0014】このような状態を防止するため、バルブタ
イミング制御装置120には、エンジン始動時にのみベ
ーンロータ122を最遅角位置で保持するためのロック
ピン139が設けられている。このロックピン139は
ベーンロータ122の1つのベーン128に設けられて
いる。一方、フロントプレート127には、ベーンロー
タ122が最遅角位置に配置されたときロックピン13
9が係合可能な係合穴140が設けられている。このロ
ックピン139は圧縮コイルばね141にてフロントプ
レート127側に付勢されており、ベーンロータ122
が最遅角位置に配置されたとき係合穴140に係合する
ようになっている。
【0015】又、ロックピン139には遅角室129あ
るいは進角室130に供給される油圧が同ロックピン1
39をチェーンスプロケット124側に付勢するように
印加されている。そして、エンジンが運転中であるとき
には遅角室129あるいは進角室130に供給される油
圧による付勢力が圧縮コイルばね141の付勢力を上回
ることにより、ロックピン139が係合穴140に係合
しないベーンロータ122側の位置で保持されるように
なっている。従って、エンジンが運転中であるときに
は、ベーンロータ122が最遅角位置に調整されても、
ベーンロータ122が最遅角位置に固定されないように
なっている。
【0016】そして、エンジン停止時に惰性でベーンロ
ータ収容体123が回転駆動される間にベーンロータ1
22が最遅角位置に移動配置されると、ロックピン13
9が係合穴140に係合する。その結果、ベーンロータ
122が最遅角位置に配置された状態でベーンロータ収
容体123に対して相対回動不能に連結固定され、バル
ブの開閉タイミングが最遅角タイミングに固定される。
この状態でエンジン始動のためにクランキングが行われ
ると、ベーンロータ122が連結固定されたままでベー
ンロータ収容体123が回転駆動される。そして、エン
ジンが始動し遅角室129あるいは進角室130に所定
の油圧が供給されると、ロックピン139による連結が
解除され、遅角室129及び進角室130への作動油の
給排に基づくベーンロータ122とベーンロータ収容体
123との相対回動が可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
に、エンジンが停止されるとオイルポンプ135から遅
角室129及び進角室130に所定の油圧で作動油が供
給されなくなり、惰性回転によりベーンロータ122が
最遅角位置側に移動配置される。このとき、進角室13
0はオイルタンク136に接続されているため作動油が
小さい排出抵抗で排出される。しかし、遅角室129は
オイルポンプ135に接続されているため油圧が閉じ込
められた状態となる。その結果、カムシャフト121が
受ける反力によりベーンロータ122が最遅角位置側に
移動するように付勢されると、遅角室135に背圧が作
用する状態となり、ベーンロータ122が最遅角位置側
に容易に移動しない状態となる。従って、エンジン停止
時の惰性回転の間にベーンロータ122を最遅角位置ま
で確実に移動させることができず、ベーンロータ122
を最遅角位置でロックピン139により固定することが
できない場合があった。
【0018】しかも、エンジン停止時にベーンロータ1
22が最遅角位置まで移動したとしても、遅角室129
に抜けない状態で残っている油圧によりロックピン13
9が係合穴140に係合しにくい状態となっていため、
ベーンロータ122を確実に固定することができなかっ
た。
【0019】もし、ベーンロータが最遅角位置まで移動
していない状態でエンジンを始動すると、クランキング
時にカムシャフトが受ける反力によりベーンロータ12
2がベーンロータ収容体123に対して相対回動して最
遅角位置まで移動する。ところが、前述のようにカムシ
ャフトが受ける反力はその方向が反転する状態で変動し
ているため、ベーンロータ122は最遅角位置に止まる
ことなく再び進角側に移動する。さらに、反力の方向が
反転する毎に、ベーンロータ122は遅角側に移動して
最遅角位置まで達した後、進角側の位置まで戻る動作を
繰り返すようになる。このとき、ベーンロータ122は
速い速度で移動するため、ベーンロータ122が最遅角
位置に移動してもロックピン139が係合穴140に係
合する動作が間に合わない状態となる。従って、エンジ
ンの始動時にベーンロータ122を最遅角位置に確実に
固定することは困難である。
【0020】以上のように、内燃機関の始動時のバルブ
の開閉タイミングを確実に最遅角タイミングとして、始
動時における高い始動性を確実に確保することができな
かった。
【0021】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、内燃機関停止時の惰
性回転を利用して内燃機関再始動時のバルブの開閉タイ
ミングを確実に遅角側の所定開閉タイミングとすること
ができる内燃機関のバルブタイミング制御方法及びバル
ブタイミング制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された第1
回転体と、バルブを開閉駆動するカムシャフトに駆動連
結され、前記第1回転体に対して同一回転軸で相対回動
可能に設けられた第2回転体と、前記第1回転体あるい
は第2回転体の一方に設けられたベーン室と、前記第1
回転体あるいは第2回転体の他方に設けられ、前記ベー
ン室を遅角室と進角室とに区画するベーンとを備えたバ
ルブタイミング調整手段に対して、内燃機関により駆動
されるオイルポンプの吐出側を前記遅角室あるいは進角
室の一方に連通するとともに、両室の他方をオイル回収
手段に連通することにより、前記第1回転体を第2回転
体に対して相対回動させ、前記カムシャフトのクランク
シャフトに対する回転位相を変更する内燃機関のバルブ
タイミング制御方法において、内燃機関が停止されると
きには、前記遅角室及び進角室を共に前記オイル回収手
段に連通させる。
【0023】請求項2に記載の発明は、内燃機関のクラ
ンクシャフトに駆動連結された第1回転体と、バルブを
開閉駆動するカムシャフトに駆動連結され、前記第1回
転体に対して同一回転軸で相対回動可能に設けられた第
2回転体と、前記第1回転体あるいは第2回転体の一方
に設けられたベーン室と、前記第1回転体あるいは第2
回転体の他方に設けられ、前記ベーン室を遅角室と進角
室とに区画するベーンとを備えたバルブタイミング調整
手段と、前記遅角室及び進角室に連通されるとともにオ
イルポンプの吐出側及びオイル回収手段に連通され、前
記遅角室を前記オイルポンプの吐出側に連通するととも
に前記進角室を前記オイル回収手段に連通する第1制御
状態と、前記遅角室を前記オイル回収手段に連通すると
ともに前記進角室を前記オイルポンプの吐出側に連通す
る第2制御状態とに切り換え可能な第1給排制御手段
と、内燃機関の運転状態に基づき、前記第1給排制御手
段を前記第1制御状態あるいは第2制御状態に制御し
て、前記第1回転体と前記第2回転体との相対位相を前
記運転状態に応じて予め設定された相対位相に制御する
バルブタイミング制御手段と、前記オイルポンプの吐出
側と該吐出側と連通される前記第1給排制御手段の導入
側との間に設けられ、該導入側を前記オイル回収手段に
連通する第3制御状態と、前記吐出側と該導入側とを連
通する第4制御状態とに切り換え可能な第2給排制御手
段と、内燃機関が運転されているときには、前記第2給
排制御手段を第4制御状態とし、内燃機関の運転が停止
されていないときには、第2給排制御手段を第3制御状
態とする給排状態制御手段とを備えた。
【0024】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、内燃機関が運転されていないときに
は、前記第1回転体が遅角側の所定位置にあるとき該第
1回転体と第2回転体とを相対回動不能に連結し、内燃
機関が運転されたときには、前記第1回転体が前記所定
位置に移動しても該第1回転体と第2回転体とを相対回
動不能に連結しない連結手段を備えた。
【0025】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記連結手段は、前記遅角室あるいは
進角室に供給される作動油の油圧が所定の油圧未満のと
きには前記第1回転体と第2回転体とを連結し、前記所
定の油圧以上であるときに該油圧に基づき該第1回転体
と第2回転体とを連結しないように構成され、前記給排
状態制御手段は、内燃機関が始動された後、前記オイル
ポンプから第2給排制御手段に供給される油圧が、前記
カムシャフトが受ける反力に抗して前記第1回転体を第
2回転体に対して進角側に相対回動させることができる
油圧以上の油圧となったときに第3制御状態から第4制
御状態に切り換えるように構成され、前記連結手段は、
前記給排状態制御手段が第3制御状態から第4状態に切
り換わるときの油圧未満の大きさの油圧に基づき第1回
転体と第2回転体とを連結しないように設定された。
【0026】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
内燃機関が運転されている状態では、オイルポンプから
遅角室あるいは進角室の一方に供給されるとともに両室
の他方からオイル回収手段に排出される。すると、第1
回転体と第2回転体との相対位相が変更され、カムシャ
フトのクランクシャフトに対する回転位相が変更され
て、バルブの開閉タイミングがクランクシャフトの回転
に対して遅角側あるいは進角側に変更される。一方、内
燃機関が停止されるときには、遅角室及び進角室から共
にオイル回収手段に作動油が排出される。従って、内燃
機関の運転が停止され惰性で回転する間に、カムシャフ
トが受ける反力により第1回転体が第2回転体に対して
容易に遅角側に相対回動し、機械的に相対回動が規制さ
れる遅角側の所定位置に配置される。
【0027】請求項2に記載の発明によれば、内燃機関
が運転されている状態では、オイルポンプから供給され
る作動油が第2給排制御手段を介して第1給排制御手段
に供給され、第1給排制御手段からバルブタイミング調
整機構の遅角室あるいは進角室に供給される。その結
果、第1回転体と第2回転体との相対位相が変更され、
クランクシャフトの回転に対するバルブの開閉タイミン
グが遅角側あるいは進角側に変更される。一方、内燃機
関の運転が停止されると、オイルポンプから第2給排制
御手段に供給される作動油がそのままオイル回収手段に
戻されるとともに第2給排制御手段を介してオイルポン
プの吐出側と連通される第1給排制御手段の導入側がオ
イル回収手段と連通される。その結果、バルブタイミン
グ制御手段の遅角室と進角室が共にオイル回収手段に連
通される。従って、内燃機関の運転が停止され惰性で回
転する間に、カムシャフトが受ける反力により第1回転
体が第2回転体に対して遅角側に容易に相対回動し、機
械的に相対回動が規制される遅角側の所定位置に配置さ
れる。
【0028】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、内燃機関の運転が停止さ
れるときに第1回転体が遅角側の所定の位置に配置され
ると、連結手段により第2回転体に対して相対回動不能
に固定される。一方、内燃機関が運転されたときには、
第1回転体と第2回転体との相対回動が規制されない。
従って、内燃機関が始動されるときに、内燃機関が運転
されるまでの間はクランキングによりカムシャフトが受
ける方向が反転する反力により第1回転体と第2回転体
とが相対回動することが規制される。
【0029】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の作用に加えて、内燃機関の運転が開始さ
れても、第1回転体と第2回転体との相対回動が許容さ
れた場合にカムシャフトが受ける反力により第1回転体
が第2回転体に対して揺動する可能性がある状態では、
第1回転体と第2回転体との相対回動が連結手段にて禁
止される。そして、油圧が所定の油圧以上となりバルブ
タイミング調整機構の遅角室あるいは進角室に作動油が
供給されると、第1回転体と第2回転体との連結状態が
解除される。それとともに、カムシャフトが受ける反力
に抗して第1回転体が第2回転体に対して進角側に相対
回動されるか、あるいは、遅角側の所定位置に保持され
る。従って、第1回転体と第2回転体との連結状態が解
除されるときには、第1回転体がカムシャフトが受ける
反力に拘らず遅角室あるいは進角室に供給されている油
圧にて制御される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図10に従って説明する。図2は、弁駆
動方式がDOHC(Double Over Head Camshaft )で弁
数が吸気側2バルブ排気側2バルブである4気筒エンジ
ン(内燃機関)の吸気側カムシャフト11及び排気側カ
ムシャフト12を示す摸式平面図である。排気側カムシ
ャフト12の一端にはカムプーリ13が固定され、カム
プーリ13には駆動軸としての図示しないクランクシャ
フトの一端に固定されているクランクプーリに掛装され
たタイミングベルト14が掛装されている。排気側カム
シャフト12には、各気筒に対応する位置にそれぞれ排
気側カム15が設けられている。排気側カムシャフト1
2の他端には、ドライブギア16が固定されている。
【0031】カムシャフトとしての吸気側カムシャフト
11において、前記ドライブギア16側と対応する端部
には、バルブタイミング調整機構17が設けられてい
る。バルブタイミング調整機構17は、ドライブギア1
6にて回転駆動されるようになっている。吸気側カムシ
ャフト11には、各気筒に対応する位置にそれぞれバル
ブとしての吸気側カム18が設けられている。
【0032】図4は、バルブタイミング調整機構17を
示す吸気側カムシャフト11の中心軸を含む断面図であ
って、図5におけるB−B線断面図である。吸気側カム
シャフト11のジャーナル19は、シリンダヘッド20
とベアリングキャップ21により回転可能に支持されて
いる。吸気側カムシャフト11の端部にはジャーナル1
9より大径の拡径部22が設けられ、拡径部22の端面
には小径の突出部23が設けられている。吸気側カムシ
ャフト11には、その中心軸方向に貫通する貫通孔24
が設けられ、貫通孔24の端部には雌ねじ部25が設け
られている。バルブタイミング調整機構17は、拡径部
22から外側に設けられている。
【0033】バルブタイミング調整機構17は、ドリブ
ンギア26、第1回転体としてのロータハウジング2
7、第2回転体としてのベーンロータ28、カバー29
等を備えている。
【0034】ドリブンギア26は円環状に形成され、拡
径部22に対して相対回動可能に嵌合されている。ドリ
ブンギア26には、前記ドライブギア16が歯合されて
いる。ドリブンギア26の外側端面には、ロータハウジ
ング27が連結ボルト38にて連結固定されている。図
5は、図4におけるA−A線断面である。ロータハウジ
ング27は、クランクシャフトにより、図5において時
計方向にエンジンの基準回転位相に同期して回転駆動さ
れるようになっている。
【0035】図5に示すように、ロータハウジング27
は、その中心部に円柱状の空間部30を備えるとともに
該空間部30から外周側に拡開する略扇形状のベーン室
31が複数個等角度間隔に備えている。ロータハウジン
グ27の空間部30及び各ベーン室31には、前記ベー
ンロータ28が収容されている。
【0036】ベーンロータ28は、円柱状の軸部32を
備え、該軸部32の外周面には外周側に拡開する略扇形
状のベーン33が複数個等角度間隔で設けられている。
軸部32は空間部30に対して相対回動可能に嵌挿さ
れ、各ベーン33はそれぞれベーン室31内に収容され
ている。
【0037】図4に示すように、軸部32の端面には嵌
合穴34が設けられ、該嵌合穴34は前記突出部23に
外嵌されている。軸部32は、吸気側カムシャフト11
の拡径部22の端面から突出する図示しないノックピン
にて同カムシャフト11に対して相対回動不能とされて
いる。
【0038】嵌合穴34の開口端には段差部35が形成
され、この段差部35の側面と、突出部23の外周面
と、拡径部22の端面とにより、円環状の油路36が形
成されている。軸部32の中心には雌ねじ孔25よりや
や大径に形成され、軸部32を貫通して雌ねじ孔25に
連通する中心孔37が設けられている。
【0039】図4に示すように、ロータハウジング27
の端面には、前記カバー29が相対回動可能に外嵌され
ている。カバー29の内側面は前記ベーンロータ28の
端面に当接されている。カバー29の中央部には前記中
心孔37よりも大径に形成され、該中心孔37に連通さ
れた取付用孔44が設けられている。取付用孔44から
は、吸気側カムシャフト11、ベーンロータ28及びカ
バー29をスラスト方向に固定するボルト45が、軸部
32の中心孔37を挿通して吸気側カムシャフト11の
雌ねじ孔25に螺合されている。従って、吸気側カムシ
ャフト11に対して、ベーンロータ28及びカバー29
が一体回動可能に連結固定されている。そして、吸気側
カムシャフト11の拡径部22、ドリブンギア26、ロ
ータハウジング27及びカバー29により、ロータハウ
ジング27の各ベーン室31が閉塞されている図5及び
図6に示すように、各ベーン室31は、ベーン33にて
遅角室46と進角室47とに区画されている。本実施の
形態では、各ベーン室31において、ベーン33に対し
てロータハウジング27の回転方向と同方向側に遅角室
46が形成され、同じくその反対方向側に進角室47が
形成されている。
【0040】そして、各ベーン33が遅角室46側から
進角室47側に移動配置されるように、ロータハウジン
グ27とベーンロータ28とが相対回動すると、吸気側
カム18にて開閉される吸気側バルブの開閉タイミング
がより遅角側に調整されるように吸気側カムシャフト1
1のクランクシャフトに対する相対位相が変更される。
そして、図5に示すように、各ベーン33が進角室47
に移動して1つのベーン33が同進角室47の側壁に当
接してベーンロータ28とロータハウジング27との相
対回動が規制される最遅角位置となったとき、吸気側バ
ルブの開閉タイミングが最遅角タイミングに調整され
る。
【0041】反対に、各ベーン33が進角室47側から
遅角室46側に移動配置されるように、ロータハウジン
グ27とベーンロータ28とが相対回動すると、吸気側
バルブの開閉タイミングがより進角側に調整されるよう
に吸気側カムシャフト11のクランクシャフトに対する
相対位相が変更される。そして、図6に示すように、各
ベーン33が遅角室46に移動して同遅角室46の側壁
に当接してベーンロータ28とロータハウジング27と
の相対回動が規制される最進角位置となったとき、吸気
側バルブの開閉タイミングが最進角タイミングに調整さ
れる。
【0042】バルブタイミング調整機構17の遅角室4
6及び進角室47に対しては、エンジン側から吸気側カ
ムシャフト11を介して作動油が給排されるように構成
されている。以下、各遅角室46及び進角室47に対し
て作動油の給排を行うために設けられた油路の構成を説
明する。
【0043】図4に示すように、エンジンのシリンダヘ
ッド20には、各遅角室46に対して作動油を給排する
ための遅角側ヘッド油路64と、各進角室47に対して
作動油の給排を行うための進角側ヘッド油路65が設け
られている。
【0044】シリンダヘッド20及びベアリングキャッ
プ21にて形成されるジャーナル軸受の内周面には、遅
角側ヘッド油路64が連通された環状油溝66と、進角
側ヘッド油路65が連通された環状油溝67とが設けら
れている。環状油溝66は、前記吸気側カムシャフト1
1の中心軸線上に形成された油路69と同カムシャフト
11に形成された油路70を介して連通されている。前
記油路69は、前記吸気側カムシャフト11に形成され
た貫通孔24内において前記ボルト45及び球68にて
形成されている。又、前記拡径部22の外周面には周方
向に延びる環状油溝71が設けられ、該環状油溝71に
は前記油路69と連通する油孔72が形成されている。
又、ドリブンギア26の内部には、図7及び図8に示す
ように、環状油溝71を各遅角室46に連通する遅角側
給排油路73が設けられている。従って、各遅角室46
は、油路73、環状油溝71、油路72、油路69、油
路70及び環状油溝66を介して遅角側ヘッド油路64
に連通されている。
【0045】一方、吸気側カムシャフト11の拡径部2
2側には、図4に示すように、環状油溝67を前記油路
36に連通する油路74が設けられている。又、ベーン
ロータ28のドリブンギア26側の端面には、前記油路
36を各進角室47に連通する進角側給排油溝75がそ
れぞれ設けられている。従って、各進角室47は、進角
側給排油溝75、油路36、油路74及び環状油溝67
を介して進角側ヘッド油路65に連通されている。
【0046】図4及び図5に示すように、前記ベーン3
3の1つには、最遅角位置に配置されたベーンロータ2
8とロータハウジング27との相対回動を規制するため
のロックピン48が設けられている。ロックピン48が
設けられたベーン33には、図7に示すように、中心軸
方向に延びる断面円形状の保持孔49が設けられてい
る。保持孔49は、カバー29側の大径部50と、ドリ
ブンギア26側の小径部51とを備えている。保持孔4
9には、回転体形状のロックピン48が中心軸方向に移
動可能に保持されている。ロックピン48は、小径部5
1に摺接する軸部52と、大径部50に摺接する拡径部
53とを備えている。ロックピン48は中心軸方向の長
さが保持孔49の同長さよりもやや短く形成され、拡径
部53は同長さが大径部50の同長さよりも小さく形成
されている。そして、大径部50の内周面と、軸部52
の外周面との間には、円環状の油室54が形成されてい
る。油室54は、ベーンロータ28に形成された油路5
5を介して前記油路36と連通されている。
【0047】ロックピン48には、大径部50の端面か
ら中心軸方向に延びるばね穴56が設けられ、該ばね穴
56にはカバー29の内側面に当接してロックピン48
をドリブンギア26側に付勢する圧縮コイルばね57が
保持されている。ばね穴56の内周面、大径部50の内
周面、及び、カバー29の内側面により、ロックピン4
8の大径部50の端面側に背圧室58が形成されてい
る。
【0048】一方、ドリブンギア26のベーン室31を
形成する側面には、ベーンロータ28が最遅角位置とな
ったときにロックピン48が相対する位置に係合穴59
が設けられている。係合穴59は、図8に示すように、
ロックピン48のドリブンギア26側への移動を許容し
て小径部51が係合するように形成されている。図9及
び図10に示すように、係合穴59には、遅角室46に
連通された油溝60が連通されている。本実施の形態で
は、ロックピン48、保持孔49、圧縮コイルばね57
及び係合穴59にて連結手段が構成されている。
【0049】ロックピン48は、図7に示すように、大
径部50側の端面がカバー29の内側面に当接し小径部
51側の端部がベーンロータ28のドリブンギア26側
の端面から突出しない退避位置と、図8に示すように、
大径部50側の端面がカバー29の内側面から離れて小
径部51側の端面が係合穴59の底面に当接する係合位
置との間で切り換え可能に設けられている。そして、ロ
ックピン48は、係合穴59即ち遅角室46に供給され
た油圧が所定値以上、あるいは、前記油室54即ち進角
室47に供給された油圧が所定値以上のとき、圧縮コイ
ルばね57の付勢力に抗して係合位置に配置されるよう
になっている。
【0050】ロックピン48の背圧室58は、外部に連
通されている。図5及び図6に示すように、ベーンロー
タ28の軸部32には、カバー29側の端面に、中心軸
を中心とする環状溝61が設けられている。又、ベーン
33の同端面には、環状溝61と前記保持孔49とを連
通する連通溝62が設けられている。この連通溝62
は、図8に示すように、前記ロックピン48が圧縮コイ
ルばね57の付勢力によりカバー29の内側面から離れ
たとき背圧室58を環状溝61に連通するように形成さ
れている。又、カバー29には、図4に示すように、環
状溝61に連通する空気孔63が設けられている。従っ
て、背圧室58は、連通溝62、環状溝61及び空気孔
63を介して外気に連通可能になっている。
【0051】前記遅角側ヘッド油路64及び進角側ヘッ
ド油路65は、図1に示すように、電磁比例方向流量制
御弁である第1給排制御手段としてのOCV(Oil Cont
rolValve )76にそれぞれ接続されている。OCV7
6は、第1ポートA、第2ポートB、第3ポートR1、
第4ポートR2及び第5ポートPを備えている。第1ポ
ートAは進角側ヘッド油路65と連通され、第2ポート
Bは遅角側ヘッド油路64と連通されている。又、第3
ポートR1及び第4ポートR2はオイル回収手段として
のオイルパン77に連通され、第5ポートPは、第2給
排制御手段としての電磁方向制御弁78と連通されてい
る。
【0052】本実施の形態ではOCV76はスプール型
であって、前記各ポートが形成されたケーシング79の
内部に第1弁体としてのスプール80が収容されてい
る。OCV76は、スプール80の移動により、図1に
示すように、第1ポートAと第3ポートR1とを連通す
るとともに第2ポートBと第5ポートPとを連通する第
1制御状態としての第1制御位置と、図3に示すよう
に、第1ポートAと第5ポートPとを連通するとともに
第2ポートBと第4ポートR2とを連通する第2制御状
態としての第2制御位置との間で切り換え可能に形成さ
れている。又、スプール80は、第1制御位置と第2制
御位置との間において、全てのポートA,B,P,R
1,R2間を連通しない中立位置に配置可能に設けられ
ている。
【0053】ケーシング79内には、スプール80を第
1制御位置側に付勢する第1ばね部材としての圧縮コイ
ルばね81と、第1制御位置に付勢配置されているスプ
ール80を該圧縮コイルばね81の付勢力に抗して第1
制御位置から第2制御位置に切り換え配置する第1単動
型電磁ソレノイドとしての電磁ソレノイド82とが設け
られている。
【0054】電磁方向制御弁78は、図1に示すよう
に、第1ポートC、第2ポートD及び第3ポートEを備
えている。第1ポートCは、前記OCV76の第5ポー
トPと連通されている。第2ポートDは、フィルタ83
を介してオイルポンプ84の吐出側と連通され、第3ポ
ートEは、オイルパン77と連通されている。
【0055】本実施の形態では、電磁方向制御弁78は
スプール型であって、図示しない第2弁体としてのスプ
ールを備えている。電磁方向制御弁78は、スプールの
移動により、第1ポートC及び第2ポートDを共に第3
ポートEに連通する第3制御状態としての第3制御位置
と、第1ポートCと第2ポートDとを連通するとともに
第3ポートEを遮断する第4制御状態としての第4制御
位置(図1に示す状態)とに切り換え可能に形成されて
いる。
【0056】電磁方向制御弁78は、スプールを第3制
御位置に付勢する第2ばね部材としての圧縮コイルばね
85を備えるとともに、第3制御位置に付勢配置されて
いるスプールを該圧縮コイルばね85の付勢力に抗して
第3制御位置から第4制御位置に移動配置する第2単動
型電磁ソレノイドとしての電磁ソレノイド86を備えて
いる。OCV76の電磁ソレノイド82と電磁方向制御
弁78の電磁ソレノイド86は、バルブタイミング制御
手段及び給排状態制御手段としてのエンジン電子制御装
置( Engine Electronic Control Unit 、以下、EC
U)87の出力側に電気的に接続されている。
【0057】ECU87の入力側には、イグニッション
スイッチ88、エンジンの回転数を検出する回転数セン
サ89、吸気圧を検出する吸気圧センサ90、クランク
角を検出するクランク角センサ91、及び、吸気側カム
シャフト11のカム角を検出するカム角センサ92がそ
れぞれ電気的に接続されている。
【0058】ECU87は、イグニッションスイッチ8
8がオンとされると起動し、エンジンが運転されたか否
かを判断する。そして、ECU87は、エンジンが運転
されてから所定の待機時間だけ経過するとオイルポンプ
84からOCV76に所定の油圧が供給されている状態
になったと判断し、OCV76を第3制御位置から第4
制御位置に切り換えてその状態を保持する。この所定の
油圧は、吸気側カムシャフト11が受ける反力に抗して
ベーンロータ28をロータハウジング27に対して進角
側に相対回動させることができる大きさの油圧である。
そして、前記ロックピン48が係合位置に配置されると
きの油圧は、ECU87がOCV76を第3制御位置か
ら第4制御位置に切り換えるときの油圧よりも小さい油
圧となるように前記圧縮コイルばね57のばね定数、油
室54及び係合穴59の受圧面積が設定されている。E
CU87は、イグニッションスイッチ87がオフとされ
ると非作動状態となる。
【0059】又、ECU87は、エンジンが運転されて
いる間は、エンジンの回転数、吸気圧及び吸気側カムシ
ャフト11の回転位相に基づいてエンジンの運転状態を
判断し、その運転状態に対する目標開閉タイミングに対
応した吸気側カムシャフト11とクランクシャフトとの
目標相対位相を求める。そして、ECU87は、そのと
きの実際の相対位相と目標相対位相との偏差を求め、同
偏差が所定値以下となるようにバルブタイミング調整機
構17を制御すべくOCV76をデューティ制御する。
【0060】次に、上記のように構成されたバルブタイ
ミング制御装置の作用について説明する。エンジン始動
のためにイグニッションスイッチ88がオンされると、
クランキングによりクランクシャフトが回転駆動されて
ロータハウジング27が回転駆動される。このとき、ベ
ーンロータ28は、吸気側カムシャフト1から受ける反
力により最遅角位置側に相対回動するように付勢された
状態で回転する。クランキングにて回転駆動されるオイ
ルポンプ84からは、電磁方向制御弁78側に作動油が
供給される。このとき、オイルポンプ84から供給され
る作動油の油圧はベーンロータ28を相対回動させる所
定の油圧まで達していないが、電磁方向制御弁78は第
3制御位置のままであるためそのままオイルパン77に
戻される。
【0061】エンジンが始動した時点から所定の待機時
間が経過するまでには、オイルポンプ84から電磁方向
制御弁78側に供給される油圧がベーンロータ28を吸
気側カムシャフト11が受ける反力に抗して進角側に相
対回動させることができる所定の油圧に達する。このと
き、ECU87は、電磁方向制御弁78を第3制御位置
から第4制御位置に切り換え制御する。その結果、OC
V76の第5ポートPには、最初からベーンロータ28
を相対回動させることができる大きさの油圧が供給され
る。
【0062】こうしてOCV93に所定の大きさの油圧
が供給された状態で、ECU87が、吸気側バルブの開
閉タイミングを遅角側あるいは進角側に変更するために
OCV79を中立位置から第1制御位置側あるいは第2
制御位置側にデューティ制御すると、油室54あるいは
係合穴59に供給される油圧によりロックピン48が係
合位置から退避位置に切り換え配置される。すると、ベ
ーンロータ28とロータハウジング27との相対回動が
許容され、吸気側カムシャフト11とクランクシャフト
との相対位相を調整することが可能となる。このとき、
OCV76から遅角側ヘッド油路64あるいは進角側ヘ
ッド油路65には供給される油圧は、吸気側カムシャフ
ト11が受ける反力に抗してベーンロータ28を進角側
に相対回動させることができる大きさの油圧である。そ
の結果、ロックピン48が係合位置から退避位置に移動
してベーンロータ28とロータハウジング27との相対
回動が許容されると、ベーンロータ28が吸気側カムシ
ャフト11が受ける反力に拘らず進角側に相対回動され
るか、あるいは、最遅角位置で保持される。
【0063】エンジンが始動して運転されている状態
で、ECU87が、吸気側バルブの開閉タイミングをよ
り遅角側に調整するためにOCV76の制御位置を中立
位置よりも第2制御位置側に所定時間デューティ制御す
ると、電磁方向制御弁78を介してオイルポンプ84か
ら供給される作動油が各遅角室46に供給されるととも
に各進角室47から作動油がオイルパン77に排出され
る。すると、遅角室46と進角室47間の油圧差により
各ベーン33がより遅角室46側に移動するようにベー
ンロータ28とロータハウジング27とが相対回動され
る。その結果、吸気側カムシャフト11とクランクシャ
フトとの相対位相が変更され、吸気側バルブの開閉タイ
ミングがより遅角側となるように変更される。
【0064】反対に、ECU87が、吸気側バルブの開
閉タイミングをより進角側に調整するために、OCV7
6の制御位置を中立位置よりも第1制御位置側に所定時
間デューティ制御すると、電磁方向制御弁弁78を介し
てオイルポンプ84から供給される作動油が各進角室4
7に供給されるとともに各遅角室46から作動油がオイ
ルパン77に排出される。すると、遅角室46と進角室
47間の油圧差により各ベーン33がより進角室47側
に移動するようにベーンロータ28とロータハウジング
27とが相対回動される。その結果、吸気側カムシャフ
ト11とクランクシャフトとの相対位相が変更され、吸
気側バルブの開閉タイミングがより進角側となるように
変更される。
【0065】一方、ECU87が、吸気側バルブの開閉
タイミングをそのときの開閉タイミングから変更しない
ようにするために、OCV76の制御位置を中立位置に
デューティ制御すると、オイルポンプ84から供給され
ている油圧が各遅角室46及び進角室47のいずれにも
供給されず、又、遅角室46と進角室47のいずれから
も作動油がオイルパン77に排出されなくなる。する
と、各ベーン33の位置が保持されベーンロータ28と
ロータハウジング27との相対回動が規制される。その
結果、吸気側カムシャフト11とクランクシャフトとが
相対回動せず、吸気側バルブの開閉タイミングがそのと
きのままで保持される。
【0066】エンジンの運転を停止するためにイグニッ
ションスイッチ88がオフされると、ECU87は非作
動状態となる。すると、OCV76は圧縮コイルばね8
1の付勢力により第2制御位置から第1制御位置に切り
換えられ、各進角室47がオイルパン77に連通され
る。又、電磁方向制御弁78は圧縮コイルばね85の付
勢力により第4制御位置から第3制御位置に切り換えら
れ、OCV76の第5ポートPが電磁方向制御弁78を
介してオイルパン77に連通される。その結果、各遅角
室46及び進角室47が共にオイルパン77に連通され
た状態となる。
【0067】一方、イグニッションスイッチ88がオフ
されても運転が停止したエンジンがしばらくの間だけ惰
性で回転する。このとき、ベーンロータ28には、吸気
側カムシャフト11に加わる反力としての回転トルクが
加わる。このため、ベーンロータ28は、ロータハウジ
ング27に対して相対回動して最遅角位置に移動するよ
うに付勢される。すると、各遅角室46からは作動油が
オイルパン77に排出されるとともに各進角室47には
背圧が発生しないように作動油が導入される。このと
き、各遅角室46が直接オイルパン77に連通されてい
るため、各遅角室46からは作動油が小さな排出抵抗で
排出される。一方、各進角室47もオイルパン77に直
接連通されているため、各ベーン33が遅角側に移動す
るに応じて小さい吸入抵抗で作動油が導入される。その
結果、エンジンが惰性で回転している間に、ベーンロー
タ28がロータハウジング27に対して容易に相対回動
して最遅角位置まで移動する。
【0068】又、各遅角室46及び進角室47が共にオ
イルパン77に連通されるため、ロックピン48を係合
位置に付勢する油圧が導入される油室54及び係合穴5
9の油圧が共に減少する。従って、イグニッションスイ
ッチ88がオフとされると、ロックピン48が圧縮コイ
ルばね57により退避位置から係合位置側に移動するよ
うに付勢された状態となりドリブンギア26の端面に当
接した状態で保持される。従って、ベーンロータ28が
最遅角位置に移動配置されロックピン48が係合穴59
に相対向する位置となると、ロックピン48が係合穴5
9側に移動して係合位置に配置される。このとき、エン
ジンの回転数が次第に低くなりロータハウジング27に
対するベーンロータ28の回動速度が小さくなるため、
ロックピン48が係合穴59側に容易に係合する。その
結果、エンジンが停止されるときに、ベーンロータ28
が最遅角位置に固定された状態でベーンロータ28とロ
ータハウジング27とが相対回動しないように連結固定
される。
【0069】エンジン始動時のクランキングによりロー
タハウジング27が回転駆動されると、ベーンロータ2
8が最遅角位置に配置された状態で回転駆動される。従
って、吸気側バルブの開閉タイミングが最遅角タイミン
グの状態でエンジンが始動される。
【0070】このとき、オイルポンプ84から供給され
る作動油は電磁方向制御弁78からオイルパン77に戻
されるため、各遅角室46及び進角室47には所定の油
圧が供給されていない。しかし、ベーンロータ28は、
ロックピン48にてロータハウジング27に対して最遅
角位置で連結固定されているため、吸気側カムシャフト
11に加わる大きさが変動する反力に拘らず最遅角位置
で保持される。その結果、エンジンの始動時には、吸気
側カムシャフト12が受ける反力によりベーンロータ2
8がロータハウジング27に対して相対回動することが
防止される。そして、吸気側バルブの開閉タイミングが
最遅角タイミングの状態でエンジンが始動される。
【0071】エンジンが始動して所定の油圧が油室54
あるいは係合穴59に供給されると、ロックピン48は
係合位置から退避位置に移動配置される。その結果、ベ
ーンロータ28とロータハウジング27との相対回動が
許容され、吸気側バルブの開閉タイミングを変更するこ
とが可能になる。
【0072】以上詳述したように、本実施の形態の内燃
機関におけるバルブタイミング調整機構によれば、以下
の効果を得ることができる。 (a) 内燃機関が停止すると、遅角室46及び進角室
47が共にオイルパン77に直接連通される。従って、
内燃機関の停止後の惰性回転によりロータハウジング2
7が回転駆動されると、遅角室46から小さい排出抵抗
で作動油がオイルタンク77に排出されるとともに進角
室47に背圧が発生しないように作動油が遅角室46に
導入される。従って、ベーンロータ28がロータハウジ
ング27に対して容易に相対回動し、最遅角位置に移動
配置される。その結果、エンジン停止時の惰性回転を利
用してエンジン再始動時の吸気側バルブの開閉タイミン
グを確実に最遅角タイミングとすることができる。
【0073】(b) 内燃機関の停止時に最遅角位置に
移動したベーンロータ28が、ロックピン48、保持孔
49、係合穴59等にて構成された連結手段によりロー
タハウジング27に対して相対回動不能に固定される。
従って、内燃期間の始動時に、吸気側カムシャフト11
が受ける方向が反転する反力によりベーンロータ28が
ロータハウジング27に対して揺動して衝突することが
防止される。その結果、始動時における異音の発生を防
止することができる。
【0074】(c) 内燃機関の運転が開始されても、
ベーンロータ28とロータハウジング27との相対回動
が許容された場合に吸気側カムシャフト11が受ける変
動反力によりベーンロータ28がロータハウジング27
に対して揺動する可能性がある状態では、ベーンロータ
28とロータハウジング27との相対回動がロックピン
48、保持孔49、係合穴59等にて構成される連結手
段にて規制される。そして、油圧が所定の油圧以上とな
りバルブタイミング調整機構17の遅角室46あるいは
進角室47に作動油が供給されると、ベーンロータ28
とロータハウジング27との連結状態が解除されるとと
ともにベーンロータ28がロータハウジング27に対し
て相対回動される。従って、ベーンロータ28とロータ
ハウジング27との連結状態が解除されるときには、ベ
ーンロータ28が最遅角位置に保持されるか、あるいは
最遅角位置から進角側に移動するように制御される。そ
の結果、内燃機関が始動しても油圧が低くてベーンロー
タ28のロータハウジング27に対する相対位相を変更
することができない間は、ベーンロータ28とロータハ
ウジング27とが揺動するように相対回動することを防
止して、その衝突を防止することができる。
【0075】(d) 1つのECU87にてバルブタイ
ミング制御手段と給排状態制御手段とが構成されるた
め、構成を簡素することができる。 (e) 内燃機関の停止時に吸気側バルブの開閉タイミ
ングが確実に最遅角タイミングとされるため、内燃機関
の始動時には最遅角タイミングで内燃機関が始動され
る。その結果、始動時に吸気側バルブの開閉タイミング
が最遅角タイミングよりも進角側の開閉タイミングとな
ることを防止して、バルブオーバラップ期間が長くなり
燃焼室における内部EGR量が過多となることによる始
動性の悪化を防止することができる。
【0076】(f) 内燃機関が運転されている間は、
遅角室46と進角室47に対して作動油を給排するOC
V76に電磁方向制御弁78を介してオイルポンプ84
の吐出側が連通される。内燃機関が停止してECU87
が非作動状態となると、OCV76が電磁方向制御弁7
8を介してオイルパン77に連通される。従って、内燃
機関を停止したときには、ECU87も非作動状態とす
ることができる。その結果、内燃機関を積んだ車両の運
転を終了したときには、ECU87を非作動状態とする
ことができる。
【0077】尚、実施の形態は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、以下のように変更して実施してもよ
い。 ・ OCV76の第5ポートPとオイルポンプ48の吐
出側との間に、第5ポートPをオイルポンプ84の吐出
側あるいはオイルパン77の一方に連通する電磁制御弁
78を設ける代わりに、エンジンの遅角側ヘッド油路6
4(遅角室46)とOCV76の第2ポートB(給排ポ
ート)との間に、同ヘッド油路64をオイルパン77に
連通する第5制御状態と、同ヘッド油路64を第2ポー
トBに連通する第6制御状態とに切り換え可能な電磁制
御弁(第3給排制御手段)を設けた構成としてもよい。
この場合にも、内燃機関が運転されているときには第6
制御状態として遅角室46に対して作動油が給排される
ようにし、運転が停止されたときには第5制御状態とし
て遅角室46に背圧が発生しないようにすることができ
る。そして、内燃機関停止時の惰性回転を利用して内燃
機関再始動時の吸気側バルブの開閉タイミングを確実に
再遅角タイミングとすることができる。
【0078】・ 内燃機関停止時にベーンロータ28が
ロータハウジング27に対して遅角側に相対回動して配
置される位置は、上記実施の形態のように、ベーン33
がベーン室31の側壁に当接することにより相対回動が
規制される最遅角位置に限らない。これを、内燃機関の
始動時に、吸気側バルブの開閉タイミングを最遅角位置
に対応する最遅角タイミングよりもやや進角側に設定さ
れた始動タイミングとなるようにロータハウジング27
とベーンロータ28との相対位相を設定する始動タイミ
ング設定手段を備えたバルブタイミング調整機構を含む
バルブタイミング制御装置において実施してもよい。
【0079】図11及び図12は、そのような始動タイ
ミング設定手段を備えたバルブタイミング調整機構の構
成と作動状態を示す摸式断面図である。内燃機関の運転
が停止されるときには、惰性により回転するクランクシ
ャフトの回転数がある程度まで減速したときに、図11
に示すように、第1ストッパ100が圧縮コイルばね1
01にて始動位置に配置される。そして、吸気側カムシ
ャフト11が受ける反力によりベーンロータ28がロー
タハウジング27に対して遅角側に相対回動すると、第
1ストッパ100の当接部102が第2ストッパ103
に当接する位置で相対回動が規制される。従って、内燃
機関が停止されたときにはロータハウジング27が最遅
角位置よりもやや進角側の始動位置に配置された状態と
なり、内燃機関の再始動時にはバルブの開閉タイミング
が最遅角タイミングよりもやや進角側に設定された始動
タイミングに制御される。
【0080】内燃機関が運転されると、第1ストッパ1
00に作用する遠心力により、第1ストッパ100は圧
縮コイルばね101の付勢力に抗して当接部102が第
2ストッパ103に当接しない運転位置に移動配置され
る。従って、内燃機関の運転中には、図12に示すよう
に、ロータハウジング27が始動位置を超えて最遅角位
置まで相対回動される。その結果、運転状態に応じた最
適な開閉タイミングに調整することができるとともに高
い始動性を得ることができる。
【0081】このように構成されたバルブタイミング調
整機構を備えたバルブタイミング制御装置に実施した場
合には、内燃機関停止時の惰性回転を利用して再始動時
のバルブの開閉タイミングを確実に最遅角タイミングよ
りもやや進角側に設定された始動タイミングとすること
ができる。
【0082】・ 上記実施の形態では、イグニッション
スイッチ88がオフとされECU76が非作動状態とな
る通常の運転停止時に電磁制御弁78の励磁制御が終了
するようにした。これを、イグニッションスイッチ88
がオンでのままであってECU76が作動状態であると
きにエンジンの運転が停止される所謂エンストの場合に
実施してもよい。この場合には、ECU78が作動状態
である状態で、車両が走行中であるか停止状態であるか
に拘らずエンジンの運転が停止した状態を検出すること
が必要である。その方法としては、エンジンの回転数に
対応したパルス信号を取り出すようにしたり、オルタネ
ータからの出力をモニタする方法がある。そして、EC
U76がエンジンの運転が停止したと判断すると、電磁
制御弁を制御して遅角室46をオイルパン77に連通す
る。この場合には、車両が停止中あるいは走行中におい
て所謂エンストが発生したときに、再始動時には吸気側
バルブの開閉タイミングを確実に最遅角タイミングとす
ることができる。
【0083】・ ロータハウジング27が備えるベーン
室31の数、及び、ベーンロータ28が備えるベーン3
3の数は、4つに限らず、3つ以下、あるいは、5つ以
上であってもよい。
【0084】・ オイル回収手段は、遅角室46に連通
する油路内に空気を導入しない状態で背圧の発生を防止
することができるものであればよく、オイルパン77に
限らず、例えばオイルパンを持たないドライサンプ方式
の内燃機関の場合におけるオイルタンクであってもよ
い。
【0085】・ ロックピン48等にて構成される連結
手段を備えないバルブタイミング調整機構としてもよ
い。但し、この場合には、内燃機関始動時のクランキン
グにより、吸気側カムシャフト11がバルブスプリング
等から受ける方向が反転する変動反力によりロータハウ
ジング27とベーンロータ28とが揺動する。
【0086】・ バルブタイミング制御手段だけをEC
U87にて構成し、給排状態制御手段は別に設けた制御
装置としてもよい。この場合には、従来のバルブタイミ
ング制御装置に電磁方向制御弁78と同制御装置を追加
してバルブタイミング制御装置を構成することができ
る。
【0087】・ ロータハウジング27がカムシャフト
と一体回転可能に設けられ、ベーンロータ28がクラン
クシャフトにて回転駆動されるように構成されたバルブ
タイミング調整機構を備えたバルブタイミング制御装置
としてよい。
【0088】・ 連結手段を構成するロックピン48を
ロータハウジングに設けた構成としてもよい。この場合
には、例えば、吸気側カムシャフト11に固定された円
盤プレートに内周面が摺接するように設けられたスプロ
ケットにロックピン48を収容し、円盤プレートにロッ
クピン48が係合する係合穴を設ける。
【0089】・ バルブタイミング調整機構は、バルブ
オーバラップが大きめに設定された状態で排気側バルブ
の開閉タイミングを調整するように排気側カムシャフト
12に設けられたものであってもよい。この場合には、
内燃機関の停止時に排気側バルブの開閉タイミングが遅
角側の所定の開閉タイミングに設定される。従って、運
転時には大きなバルブオーバラップにより吸気慣性効果
を大きくしてより高回転で運転することができ、始動時
にはオーバラップを最小として始動性を確保することが
できる。
【0090】・ 吸気側あるいは排気側バルブの駆動方
式は、直動式、スイングアーム式、ロッカアーム式のい
ずれの方式であってもよい。 ・ 吸気側カムシャフト11及び排気側カムシャフト1
2の同じ側の端部にそれぞれ固定されたタイミングプー
リ(スプロケット)と、クランクシャフトの同じ側の端
部に固定されたタイミングプーリ(スプロケット)との
間にタイミングベルト(チェーン)を掛装したベルト
(チェーン)駆動方式の弁駆動機構を備えたエンジンに
実施してもよい。
【0091】・ 平歯車列にて駆動されるギアトレイン
弁駆動方式のエンジンや、シャフトとかさ歯車にて駆動
されるシャフト駆動方式のエンジンに実施してもよい。 ・ 車両用エンジンに限らず、船舶用、航空機用等の内
燃機関に実施してもよい。
【0092】以下、特許請求の範囲に記載された技術的
思想の外に前述した各実施の形態から把握される技術的
思想をその効果とともに記載する。 (1) 内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された
第1回転体と、バルブを開閉駆動するカムシャフトに駆
動連結され、前記第1回転体に対して同一回転軸で相対
回動可能に設けられた第2回転体と、前記第1回転体あ
るいは第2回転体の一方に設けられたベーン室と、前記
第1回転体あるいは第2回転体の他方に設けられ、前記
ベーン室を遅角室と進角室とに区画するベーンとを備え
たバルブタイミング調整手段と、前記遅角室及び進角室
に連通されるとともにオイルポンプの吐出側及びオイル
回収手段に連通され、前記遅角室を前記オイルポンプの
吐出側に連通するとともに前記進角室を前記オイル回収
手段に連通する第1制御状態と、前記遅角室を前記オイ
ル回収手段に連通するとともに前記進角室を前記オイル
ポンプの吐出側に連通する第2制御状態とに切り換え可
能な第1給排制御手段と、内燃機関の運転状態に基づ
き、前記第1給排制御手段を前記第1制御状態あるいは
第2制御状態に制御して、前記第1回転体と前記第2回
転体との相対位相を前記運転状態に応じて予め設定され
た相対位相に制御するバルブタイミング制御手段と、前
記遅角室と該遅角室に連通される前記第1給排制御手段
の給排ポートとの間に設けられ、該遅角室を前記オイル
回収手段に連通する第5制御状態と、該遅角室と前記給
排ポートとを連通する第6制御状態とに切り換え可能な
第3給排手段と、内燃機関が運転されているときには、
前記第3給排制御手段を第6制御状態とし、内燃機関の
運転が停止されていないときには、第3給排制御手段を
第5制御状態とする給排状態制御手段とを備えた内燃機
関のバルブタイミング制御装置。
【0093】このような構成によっても、内燃機関停止
時の惰性回転を利用して再始動時のバルブの開閉タイミ
ングを確実に遅角側の所定の開閉タイミングとすること
ができる。
【0094】(2) 請求項2に記載の内燃機関のバル
ブタイミング制御装置において、前記第2給排制御手段
は、前記第3制御状態に対応する第3制御位置と、前記
第4制御状態に対応する第4制御位置とを備えるととも
に該両制御位置の切り換えを行う第2弁体を備え、該第
2弁体を付勢して前記第3制御位置に配置する第2ばね
部材と、前記第2ばね部材の付勢力に抗して前記第2弁
体を前記第4制御位置に切り換え配置する第2単動型電
磁ソレノイドを有する第2電磁操作方向制御弁であり、
前記給排状態制御手段は、内燃機関が運転されていると
きには前記第2単動型ソレノイドを磁励制御し、内燃機
関が運転されていないときには非作動状態となる。この
ような構成によれば、内燃機関を停止したときには給排
状態制御手段を作動させる必要がない。
【0095】(3) 上記(2)に記載の内燃機関のバ
ルブタイミング制御装置において、前記第1給排制御手
段は、前記第1制御状態に対応する第1制御位置と、前
記第2制御状態に対応する第2制御位置とを備えるとと
もに両制御位置の切り換えを行う第1弁体を備え、該第
1弁体を付勢して前記両制御位置のいずれか一方の制御
位置に配置する第1ばね部材と、該第1ばね部材の付勢
力に抗して前記第1弁体を両制御位置の他方の制御位置
に切り換え配置する第1単動型電磁ソレノイドとを備え
た第1電磁操作方向制御弁であり、前記バルブタイミン
グ制御手段は、内燃機関が運転されているときには前記
第1単動型電磁ソレノイドを励磁制御し、内燃機関が運
転されていないときには非作動状態となる。このような
構成によれば、内燃機関を停止したときにバルブタイミ
ング制御装置を作動させる必要がない。
【0096】(4) 請求項2〜請求項4及び上記
(1)〜(3)のいずれか一項に記載の内燃機関のバル
ブタイミング制御装置において、前記内燃機関の始動時
に、前記バルブの開閉タイミングを、内燃機関運転時に
おいて開閉タイミングが前記クランクシャフトの回転位
相に対して最も遅れた最遅角タイミングよりも進角側に
設定された始動タイミングとなるように前記ロータハウ
ジング27とベーンロータ28との相対位相を設定する
始動タイミング設定手段を備えた。このような構成によ
れば、内燃機関停止時の惰性回転を利用して再始動時の
バルブの開閉タイミングを確実に始動タイミングとする
ことができる。
【0097】(5) 請求項2〜請求項4及び上記
(1)〜(3)のいずれか一項に記載の内燃機関のバル
ブタイミング制御装置において、前記バルブタイミング
制御手段及び給排状態制御手段は、共に同一のコンピュ
ータにて構成された。このような構成によれば、各制御
手段を別々に設ける場合に比較して構成を簡素化するこ
とができる。
【0098】(6) 請求項2〜請求項4及び上記
(1)〜(3)のいずれか一項に記載の内燃機関のバル
ブタイミング制御装置において、前記カムシャフトは、
吸気側カムシャフトである。このような構成によれば、
始動時に内部EGR量が過多となることを防止して始動
性の悪化を防止することができる。
【0099】(7) 請求項2〜請求項4及び上記
(1)〜(3)のいずれか一項に記載の内燃機関におけ
るバルブタイミング制御装置を備えた内燃機関。このよ
うな構成によれば、始動を確実に遅角側の所定の開閉タ
イミングで行うことができる。
【0100】(8) 上記付記(7)に記載の内燃機関
を備えた車両。このような構成によれば、内燃機関の始
動を確実に遅角側の所定の開閉タイミングで行うことが
できる。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
4に記載の発明によれば、内燃機関停止時の惰性回転を
利用して内燃機関再始動時のバルブの開閉タイミングを
確実に遅角側の所定の開閉タイミングとすることができ
る。
【0102】請求項3に記載の発明によれば、内燃機関
の始動時に第1回転体と第2回転体とが揺動して衝突す
ることを防止することができる。請求項4に記載の発明
によれば、内燃機関が始動しても油圧が低くて第1回転
体の相対位相を変更することができない間は第1回転体
と第2回転体とが揺動して衝突することを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バルブタイミング制御装置を示す摸式構成
図。
【図2】 吸気側及び排気側カムシャフトを示す摸式平
面図。
【図3】 電磁比例制御弁を示す摸式断面図。
【図4】 バルブタイミング調整機構を示す断面図。
【図5】 バルブタイミング調整機構を示す正面側から
見た断面図。
【図6】 同じく正面側から見た断面図。
【図7】 ロックピンを含む部位の断面図。
【図8】 同じく作動状態を示す断面図。
【図9】 ロックピンを示す要部断面図。
【図10】 図9におけるC−C線断面図。
【図11】 始動タイミング設定手段を示す正面から見
た断面図。
【図12】 同じく作動状態を示す断面図。
【図13】 従来例のバルブタイミング調整機構を示す
正面からの断面図。
【図14】 図13におけるD−D線断面図。
【符号の説明】
11…カムシャフトとしての吸気側カムシャフト、27
…第1回転体としてのロータハウジング、28…第2回
転体としてのベーンロータ、31…ベーン室、33…ベ
ーン、46…遅角室、47…進角室、48…連結手段を
構成するロックピン、49…同じく保持孔、57…同じ
く圧縮コイルばね、59…同じく係合穴、76…第1給
排制御手段としてのOCV、77…オイル回収手段とし
てのオイルパン、78…第2給排態制御手段としての電
磁方向制御弁、80…第1弁体としてのスプール、81
…第1ばね部材としての圧縮コイルばね、82…第1単
動型電磁ソレノイドとしての電磁ソレノイド、84…オ
イルポンプ、85…第2ばね部材としての圧縮コイルば
ね、86…第2単動型電磁ソレノイドとしての電磁ソレ
ノイド、87…バルブタイミング制御手段、給排状態制
御手段及びコンピュータとしてのECU、100…始動
タイミング設定手段を構成する第1ストッパ、101…
同じく圧縮コイルばね、102…同じく当接部、103
…同じく第2ストッパ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトに駆動連結
    された第1回転体と、バルブを開閉駆動するカムシャフ
    トに駆動連結され、前記第1回転体に対して同一回転軸
    で相対回動可能に設けられた第2回転体と、前記第1回
    転体あるいは第2回転体の一方に設けられたベーン室
    と、前記第1回転体あるいは第2回転体の他方に設けら
    れ、前記ベーン室を遅角室と進角室とに区画するベーン
    とを備えたバルブタイミング調整手段に対して、 内燃機関により駆動されるオイルポンプの吐出側を前記
    遅角室あるいは進角室の一方に連通するとともに、両室
    の他方をオイル回収手段に連通することにより、前記第
    1回転体を第2回転体に対して相対回動させ、前記カム
    シャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変更す
    る内燃機関のバルブタイミング制御方法において、 内燃機関が停止されるときには、前記遅角室及び進角室
    を共に前記オイル回収手段に連通させる内燃機関のバル
    ブタイミング制御方法。
  2. 【請求項2】 内燃機関のクランクシャフトに駆動連結
    された第1回転体と、バルブを開閉駆動するカムシャフ
    トに駆動連結され、前記第1回転体に対して同一回転軸
    で相対回動可能に設けられた第2回転体と、前記第1回
    転体あるいは第2回転体の一方に設けられたベーン室
    と、前記第1回転体あるいは第2回転体の他方に設けら
    れ、前記ベーン室を遅角室と進角室とに区画するベーン
    とを備えたバルブタイミング調整手段と、 前記遅角室及び進角室に連通されるとともにオイルポン
    プの吐出側及びオイル回収手段に連通され、前記遅角室
    を前記オイルポンプの吐出側に連通するとともに前記進
    角室を前記オイル回収手段に連通する第1制御状態と、
    前記遅角室を前記オイル回収手段に連通するとともに前
    記進角室を前記オイルポンプの吐出側に連通する第2制
    御状態とに切り換え可能な第1給排制御手段と、 内燃機関の運転状態に基づき、前記第1給排制御手段を
    前記第1制御状態あるいは第2制御状態に制御して、前
    記第1回転体と前記第2回転体との相対位相を前記運転
    状態に応じて予め設定された相対位相に制御するバルブ
    タイミング制御手段と、 前記オイルポンプの吐出側と該吐出側と連通される前記
    第1給排制御手段の導入側との間に設けられ、該導入側
    を前記オイル回収手段に連通する第3制御状態と、前記
    吐出側と該導入側とを連通する第4制御状態とに切り換
    え可能な第2給排制御手段と、 内燃機関が運転されているときには、前記第2給排制御
    手段を第4制御状態とし、内燃機関の運転が停止されて
    いないときには、第2給排制御手段を第3制御状態とす
    る給排状態制御手段とを備えた内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関が運転されていないときには、
    前記第1回転体が遅角側の所定位置にあるとき該第1回
    転体と第2回転体とを相対回動不能に連結し、内燃機関
    が運転されたときには、前記第1回転体が前記所定位置
    に移動しても該第1回転体と第2回転体とを相対回動不
    能に連結しない連結手段を備えた請求項2に記載の内燃
    機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記連結手段は、前記遅角室あるいは進
    角室に供給される作動油の油圧が所定の油圧未満のとき
    には前記第1回転体と第2回転体とを連結し、前記所定
    の油圧以上であるときに該油圧に基づき該第1回転体と
    第2回転体とを連結しないように構成され、 前記給排状態制御手段は、内燃機関が始動された後、前
    記オイルポンプから第2給排制御手段に供給される油圧
    が、前記カムシャフトが受ける反力に抗して前記第1回
    転体を第2回転体に対して進角側に相対回動させること
    ができる油圧以上の油圧となったときに第3制御状態か
    ら第4制御状態に切り換えるように構成され、 前記連結手段は、前記給排状態制御手段が第3制御状態
    から第4状態に切り換わるときの油圧未満の大きさの油
    圧に基づき第1回転体と第2回転体とを連結しないよう
    に設定された請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
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