JPH11181525A - 磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Abstract
リーキルン焼成のMgO を焼鈍分離剤の主成分として用い
た場合にも、優れた被膜特性と磁気特性が得られる方向
性電磁鋼板を製造する。 【解決手段】 焼鈍分離剤用のMgO として、次に示すMg
O を用いる。すなわち、焼成することによりMgO を生成
するMg元素含有原料を焼成してMgO とし、このMgO を水
和させて比表面積4.0 〜15.0m2/g、結晶子のc軸平均径
25〜150 nm、a軸平均径50〜1200nmのMg(OH)2 とし、こ
のMg(OH)2 をロータリーキルンで再焼成して得られた、
40%CAA 値が40〜100 秒、80%CAA 値が120 〜400 秒、
比表面積が12〜35m2/g、Ig.loss が0.7 〜2.8 wt%であ
るMgO 。
Description
の鉄心に利用される方向性電磁鋼板の製造方法に関し、
特に、フォルステライト系絶縁被膜形成のための焼鈍分
離剤に工夫をこらすことによって、磁気特性及び被膜特
性に優れる方向性電磁鋼板を得ようとするものである。
晶粒の方向を、磁化させるのに有利な(110)〔00
1〕方位に二次再結晶現象を利用して揃えた鋼板であ
る。二次再結晶は、鋼中に微細に分散析出したAlN 、Mn
S やMnSeなどのインヒビターが一次再結晶粒の成長を抑
制する作用を用いるものであり、これにより結晶方位の
優れた核のみを異常粒成長させて、方位の優れた粒から
なる結晶組織の製品を得ている。かかる方向性電磁鋼板
は一般に、熱間圧延工程によりインヒビターを鋼中に微
細に分散させ、冷延工程によって最終板厚にするととも
に結晶組織の適正化を図り、最終仕上焼鈍において二次
再結晶させると同時に鋼板表面にフォルステライト系の
セラミック被膜を形成させて製造される。
性電磁鋼板の製造過程において、次に述べる方法により
鋼板表面に形成される。所望の板厚に冷間圧延した電磁
鋼板を、湿水素中で700 〜900 ℃の温度で一次再結晶焼
鈍(必要により脱炭焼鈍を兼ねる)し、その後、MgO を
主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻き取っ
て二次再結晶と鋼板の純化を目的とする最終仕上焼鈍を
施す。この最終仕上焼鈍のとき、一次再結晶焼鈍で鋼板
表面に生成したSiO2を含むサブスケールと塗布されたMg
O とが反応することで絶縁被膜が形成される。
2O4 )や窒化チタン(TiN )を含有することはあって
も、主成分としてフォルステライト(Mg2SiO4 )からな
るので、フォルステライト被膜、フォルステライト質、
あるいはフォルステライト系被膜と呼称されており、製
品の外観や電気絶縁性の良否を決定する。また、不均一
な被膜の場合は製品の製造歩留まりを低下させる。更
に、フォルステライト系被膜の生成過程は、鋼板表層の
インヒビター分解挙動にも影響を与え、二次再結晶とも
関わってくるので、かかるフォルステライト系被膜の良
否が製品の磁気特性にも少なからぬ影響を及ぼす。した
がって、フォルステライト系被膜の特性を向上させるこ
とは、方向性電磁鋼板の製造技術として極めて重要な位
置を占めている。
である焼鈍分離剤の主要構成物であるMgO は、上述した
被膜形成反応に多大な影響を及ぼすことが知られてお
り、これに関して数多くの研究がなされてきた。例え
ば、特公昭41−3726号公報では、焼鈍分離剤とし
て用いるMgO の一次粒度に着目し、一次粒子の粒径が17
0 〜280 Å(0.017 〜0.028 μm )の範囲に入るよう
な、水和反応が容易に進行する種類のMgO をスラリーと
して塗布し、鋼板を実質的に純粋の水酸化マグネシウム
で被覆する方法が提案されている。また、特公昭45−
14162号公報には、不純物の含有量が0.2 %以下の
水酸化マグネシウムを低温と高温との2段階で焼成して
得られた3μm 以下の大きさの粒子を少なくとも70%以
上含むMgO を用いることが提案されている。更に、特公
昭54−14566号公報には、44μm 以上の粒子を1
〜20%含有する不活性MgO が提案されている。
は、所定の純度と比表面積、一次粒子径を有する低活性
のMgO で、クエン酸との反応による活性度評価において
活性度分布の狭いMgO が提案されている。また、特公昭
56−15787号公報にはMgO 中のCaと水和量の合計
値を所定範囲以下に制御する技術が開示されている。更
に、特開平1−177376号公報には、水酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、高純度酸化マグネシウムを
原料として焼成するMgO 中のCaO とBの含有量の値及び
クエン酸活性度の値を所定範囲に制御したMgO が提案さ
れている。また、特公平7−45322号公報にはClを
含有したMg(OH)2 にホウ素化合物を所定量添加し、高水
蒸気分圧下で焼成したMgO が提案されている。
て、被膜の点状欠陥(ベアスポット)、密着性不良、被
膜形成不良(テンパーカラー)、被膜模様、白膜等の問
題が解決されてきたが、近年、次に述べるような新たな
問題が発生してくるようになった。すなわち、方向性電
磁鋼板製造コストの低減のためコイルの大型化が進行し
たこと、並びに、MgO の製造コストの低減のためその焼
成法として従来のマッフル炉を用いる方法からロータリ
ーキルンを採用するようになってきたこと、これらの製
造技術の変化により、鋼板の板幅方向中央部において被
膜の変色や密着性の劣化及び磁気特性の劣化が頻繁に生
じるようになった。
炭焼鈍後の鋼板表面に生成したSiO2を含むサブスケール
と焼鈍分離剤として塗布されるMgO との反応により最終
仕上焼鈍時に形成されるが、この反応の時期が被膜や磁
気特性の制御のためには重要である。例えば、低温度か
ら被膜形成反応が進行する場合には、被膜はテンパーカ
ラー、黒色模様や点状欠陥が発生し、磁気特性は方位の
劣る二次再結晶粒が成長するため劣化する。逆に、高温
度になって被膜形成反応が進行する場合、被膜は白膜や
密着性不良となり、磁気特性は二次再結晶不良のため劣
化する。したがって、被膜形成の反応の活性を調節する
ことが重要であり、その反応の一翼を担うMgO の活性度
を制御することが従来より行われてきた。しかしなが
ら、この反応の活性は当然のことながらMgO の活性度に
よるのみでなく、脱炭焼鈍板表面に生成したSiO2を含む
サブスケールの活性度、及び最終仕上焼鈍時のコイル層
間の雰囲気とも連関している。
鋼板表面に生成したサブスケールの活性度は、一次再結
晶焼鈍温度や雰囲気酸化性が低くなるに従い低下する。
また、最終仕上焼鈍時のコイル層間雰囲気に関しては、
焼鈍分離剤中のMgO の水和水から発生するH2O の分圧や
通入雰囲気のH2分圧によって変化し、雰囲気の酸化度が
高くなると反応が抑制される。特に、コイルが大型にな
るとコイルの中心部のコイル層間の雰囲気の酸化性が過
剰に高くなり、被膜欠陥や磁気特性の劣化が発生する傾
向が強くなる。
り、したがって、鋼板成分の差異や脱炭焼鈍温度や雰囲
気酸化性の変更によるサブスケールの活性度の変化も小
さく、その変化に対してマッフル炉で焼成されたMgO の
活性度分布は極めて広いために十分対応でき、上述の問
題は発生しなかった。しかしながら、ロータリーキルン
で焼成されたMgO では、特公昭57−45472号公報
に示されるように活性度分布が極めて狭く、コイルの大
型化や脱炭焼鈍板表面サブスケールの活性度の変化に対
して十分対応できず、上述のような鋼板幅方向の中央部
における被膜欠陥や磁気特性の劣化の問題が発生し大き
な問題となってきた。また、ロータリーキルンで焼成し
たMgO については、焼成ロット内における均一性は極め
て優れるが、焼成時間が短いためロット間でのばらつき
が大きいということから、製造チャンスによって製品の
良、不良の大きな変動が発生するという問題も起きてい
る。これらの問題に対して前述の先行技術の適用は有効
な効果をあげることができず、解決が必要とされてい
た。
特有の問題として、焼鈍分離剤をコイルに塗布する際、
MgO がスラリー中で凝集し易く、スラリーの粘度が低下
して不均一に塗布されたり、配管の詰まりを起こした
り、鋼板表面に凝集物が付着して鋼板に押し傷の欠陥を
生成する不具合が発生し、解決が必要とされてきた。
板のコイルにおいても、ロータリーキルン焼成のMgO を
焼鈍分離剤の主成分として用いた場合にも、優れた被膜
特性と磁気特性が得られる方向性電磁鋼板製造のための
焼鈍分離剤用のMgO についてその技術を開示し、優れた
方向性電磁鋼板製造の技術を提案することがこの発明の
目的である。
すべく、発明者らはロータリーキルンで焼成されたMgO
の表面性状を詳細に調査した結果、MgO の表面が平滑で
あり、例えば酸との反応性にも弱い、極めて化学的に安
定した活性度の低いものであることが分かり、これが、
諸々の問題の原因ではないかと考えた。なお、比較のた
めに従来のマッフル炉で焼成したMgO の表面性状を調べ
たところ、その表面は多種多様でMgO 粒子によって異な
り、上記ロータリーキルン焼成のMgO の表面性状に近い
ものも存在するが、凹凸の激しい、酸との反応性の高い
MgO 粒子が多数存在した。
ータリーキルンで焼成する手法について考察した。最初
に、ロータリーキルンで焼成する際の焼成温度を低下す
ればよいことは容易に考えられるが、この焼成温度を低
下する手法によっては表面活性の高いMgO を得ても、CA
A 値や、Ig.loss や、比表面積など、他のMgO の粉体特
性も大きく変化し、方向性電磁鋼板製造のための焼鈍分
離剤用のMgO としては適合するものが得られなかった。
MgO 焼成の原料となるMg(OH)2 のサイズを粗大化し、か
つ、結晶子サイズを適正化することにより、MgO の他の
粉体特性をさほど変化させずに、MgO の表面活性を高め
得ることを発見した。かかる発見を基にロータリーキル
ン焼成によるMgO 使用時の諸々の問題を有利に解決し、
更に、粉体特性の均一性というこのロータリーキルン焼
成MgO の長所を有効に生かし、この発明は完成されたも
のである。
った実験について述べる。Siを3.44wt%、インヒビター
成分としてAlを0.022 wt%、Nを0.0085wt%、Mnを0.07
wt%、Seを0.016 wt%、Sbを0.036 wt%含有する鋼板
(板厚0.22mm、板幅1200mm、総重量15トン)の脱炭焼鈍
後の鋼板を7コイル用意し、鋼板表面に以下に述べる7
種類の焼鈍分離剤を塗布し、再び巻き取った後、最終仕
上焼鈍を施した。
のTiO2と2%のSnO2をMgO 中に配合したものを用いた
が、MgO については下記(A) から(G) の7種類のMg(OH)
2 を焼成前の原料とし、いずれもロータリーキルンで95
0 ℃、20分焼成し作製したものを用いた。また、(H) 〜
(J) のMgO は従来例として、マッフル炉で焼成したもの
を用いた。
して、これと石灰乳とを反応させることによりMg(OH)2
を作り、ロータリーキルン焼成前の原料とした。(B)
は、上記作製したMg(OH)2 ((A) )をロータリーキルン
で900 ℃、30分焼成しMgO とし、更にこのMgO を水中で
水和させMg(OH)2 としてロータリーキルン焼成前の原料
とした。(C) は、海水中に石灰乳を投与し、沈殿物を洗
浄濾過することによりMg(OH)2 を回収し、これをロータ
リーキルン焼成前の原料とした。(D) は、上記作製した
Mg(OH)2 ((C) )をロータリーキルンで950 ℃、30分焼
成し、MgO とし、更に、このMgO を水中で水和させMg(O
H)2 としてロータリーキルン焼成前の原料とした。(E)
は、鹹水中に石灰乳を投与し、沈殿物を洗浄濾過するこ
とによりMg(OH)2 を回収し、これをロータリーキルン焼
成前の原料とした。(F) は、上記作製したMg(OH)
2 ((E) )をロータリーキルンで920 ℃、30分焼成しMg
O とし、更にこのMgO を水中で水和させMg(OH)2 として
ロータリーキルン焼成前の原料とした。(G) は、塩基性
炭酸マグネシウムをロータリーキルンで980 ℃、30分焼
成しMgOとし、更にこのMgO を水中で水和させMg(OH)2
としてロータリーキルン焼成前の原料とした。(H) は、
イオン苦汁を出発原料として、これと石灰乳とを反応さ
せることによりMg(OH)2 を作りマッフル炉で950 ℃、1
時間焼成しMgO とした。(I) は、塩基性炭酸マグネシウ
ムをロータリーキルンで980 ℃、30分焼成しMgOとし
た。(J) は、海水中に石灰乳を投与し、沈殿物を洗浄濾
過することによりMg(OH)2 を回収し、これをマッフル炉
で950 ℃、1時間焼成しMgO とした。
MgO を焼鈍分離剤として塗布して製造した方向性電磁鋼
板の被膜特性及び磁気特性を表1に示す。
体特性も、さほど差異がないが、一度焼成したMgO を更
に水和しMg(OH)2 とし再度ロータリーキルンで焼成した
MgO(B) 、(D) 、(F) 、(G) のMgO を用いて焼鈍分離剤
とした場合は、格段に優れた磁気特性や被膜特性が安定
して得られる。
らが鋭意研究を進め得た知見としては、MgO を水和して
Mg(OH)2 となし、再度焼成して得た(B) 、(D) 、(F) 、
(G)のMgO の表面は凹凸が激しく、化学的にも表面活性
が大きいことがわかった。更に、第1回目の焼成により
S、C、Clの不純物成分が、SO2 、CO2 、Cl2 の形とし
て気相中に散逸していく結果、純度の優れたMgO が焼成
されることが分かった。更に、これらの焼鈍分離剤の鋼
板への塗布は極めて容易であったが、再焼成して得たMg
O のスラリー中での分散状態は極めて良いことがわかっ
た。
く、化学的にも活性が高いMgO は、低温焼成して得られ
ることが分かっており、従来からマッフル炉で焼成した
MgOは、焼成温度分布が大きいため、このような表面の
化学的活性の高いMgO が一定範囲で存在することが知ら
れている。これに対して、ロータリーキルンで焼成した
MgO はMgO 粒子の均一性が良好なため、方向性電磁鋼板
製造のための焼鈍分離剤用として調整したMgO の表面活
性は低下していた。しかも、ロータリーキルンにより、
表面活性を高めるべく低温焼成したMgO は粉体諸特性が
あまりにも異なるため方向性電磁鋼板製造のための焼鈍
分離剤用のMgO として使用できない。
た結果、焼成前のMg(OH)2 の六角板状粒子(結晶系:hc
p )のサイズを粗大化すること、すなわち、粒子の比表
面積を低減し、かつMg(OH)2 粒子を構成する結晶子のc
軸〈001〉の軸径とa軸〈100〉の軸径を調整する
ことで、焼成後のMgO の粉体特性をほぼ同一としたまま
MgO の表面の凹凸を増加し化学的活性を高めることがで
きることを発見したのである。
化し、かつ、その粒子を構成する結晶子のサイズを調整
する方法によって、ロータリーキルン焼成のMgO 固有の
問題とされていた方向性電磁鋼板コイル内の磁気特性や
被膜特性の不均一性やコイルチャンス毎のばらつきなど
が解消され、しかも、ロータリーキルン特有の均一性の
良い粉体特性によって優れた方向性電磁鋼板の製造が可
能となった。更に、焼成前のMg(OH)2 のサイズを粗大化
することは、焼鈍分離剤スラリー中のMgO の分散性を向
上させ、MgO の凝集に関わる諸問題の発生を解消するこ
とも可能になった。
とは、一般にはMg(OH)2 焼成時に低温で長時間結晶成長
のために保持すれば良いが、それでもこの発明の適正と
するサイズに成長させることは困難である。ここで、Mg
元素含有原料もしくは初期原料から製造したMg元素を含
有する物質を高温で焼成した粗大なMgO を原料として、
それを用い水和させることによって容易に粗大なMg(OH)
2 を生成することができることを発見した。ここで、Mg
を含有する物質とは、MgCl2 、塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、Mg(OH)2 であり、Mg元素含有の
初期原料とは海水、鹹水、苦汁、ドロマイト、石灰質ド
ロマイト、塩基性炭酸マグネシウムなどである。
焼成する場合、MgO 粒子の焼結性が増加し、適正な特性
のMgO を得ることが困難となる。これに対し、Mg(OH)2
粒子を構成する結晶子の大きさを調整することで、MgO
粒子の焼結性を制御でき、容易に適正な特性を得られる
ようになることを見いだした。
位が異なっているので、焼成時に生成するMgO の方位も
結晶子ごとに異なっており、焼結速度が抑制されるから
である。これに対し、Mg(OH)2 粒子のサイズが大きく、
かつ、結晶子サイズも大きい場合には、Mg(OH)2 粒子内
においては容易にMgO の焼結反応が進行することにな
り、MgO の特性の制御が困難となるのである。
より、Cl、SO3 、CO2 といった成分が気相中に散逸し、
高純度化が図られることが方向性電磁鋼板製造のための
焼鈍分離剤用のMgO として適していること、及び高純度
化し過度に低減した微量元素については、水和後のMg(O
H)2 中に適量含有させることで、より好適な焼鈍分離剤
用MgO とすることが可能であることを見いだした。
努力の結果なし得たもので、その要旨を下記に記す。す
なわち、方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延とそれに続
く冷延圧延工程により最終板厚とした後、一次再結晶焼
鈍を施し、次いで鋼板表面にMgO を主成分とする焼鈍分
離剤を塗布してからコイル状に巻き取り最終仕上焼鈍を
施す方向性電磁鋼板の製造方法において、上記焼鈍分離
剤用のMgO として、下記に示すMgO を用いることを特徴
とする磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の
製造方法。 記 Mg元素含有原料もしくは初期原料から製造したMgを含む
物質を焼成してMgO とし、このMgO を水和させて比表面
積4.0 〜15.0m2/g、結晶子のc軸平均径25〜150nm、a
軸平均径50〜1200nmのMg(OH)2 とし、このMg(OH)2 をロ
ータリーキルンで再焼成して得られた、40%CAA 値が40
〜100 秒、80%CAA 値が120 〜400 秒、比表面積が12〜
35m2/g、Ig.loss が0.7 〜2.8 wt%であるMgO (第1発
明)であり、第1発明において、Mg元素含有原料もしく
は初期原料から製造したMgを含む物質を850 ℃以上の高
温で焼成してS、C、Clの含有量をそれぞれ0.4 wt%以
下としたMgO を水和させることを特徴とする磁気特性お
よび被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法(第2
発明)であり、第1発明又は第2発明において、Mg元素
を含有する該初期原料として海水、鹹水、苦汁、塩基性
炭酸マグネシウムのうち1種又は2種以上を用いること
を特徴とする磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電磁
鋼板の製造方法(第3発明)であり、第1発明又は第2
発明において、Mg(OH)2 をロータリーキルンで再焼成す
るに当たり、ロータリーキルンの胴周方向の温度均一性
が10℃以上のロータリーキルンで焼成すること、若しく
はロータリーキルン内の定点における温度の時間変化の
最大値を20℃/h以上に変化させること、又はロータリー
キルンの異なる設定温度にて焼成したMgO を混合させる
こと、のいずれか一つ又は複数を組み合わせて、活性度
分布を拡張させたMgO を用いることを特徴とする磁気特
性及び被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法(第
4発明)であり、第1発明、第2発明又は第4発明にお
いて、ロータリーキルンでの再焼成前の段階において、
Ca及び/又はClを含有する物質を添加することにより、
再焼成後のMgO 中の含有量としてCaを0.10〜1.0 wt%、
Clを0.01〜0.08wt%に調整したMgO を用いることを特徴
とする磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の
製造方法(第5発明)である。
の製造方法について、構成要件とその限定理由について
述べる。この発明の方向性電磁鋼板は、通常公知のC、
Si、Mn及び通常公知のAl、S、Se、Sb、B等のインヒビ
ター成分等を含有する鋼を熱間圧延とそれに続く冷間圧
延工程により最終板厚としたのち、一次再結晶焼鈍を施
し、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻き取
り、最終仕上焼鈍を施す、一連の公知な製造工程によっ
て製造される。
面に塗布される焼鈍分離剤の主要成分であるMgO につい
て、特に限定した製造条件により得られたMgO を用いる
点にこの発明の特徴があり、これによって優れた磁気特
性と被膜特性とを有する方向性電磁鋼板を得ることがで
きる。
用のMgO は、Mg(OH)2 をロータリーキルンで焼成して得
られるMgO 粉末であるが、ロータリーキルンによる焼成
前のMg(OH)2 について、そのサイズを特に厳密に管理す
ることが必須である。このサイズの管理は、Mg(OH)2 の
比表面積でなされ、この値を4.0 〜15.0m2/gと低く抑制
すること、すなわち、粗大化することが必要である。こ
こにおいて、Mg(OH)2 の比表面積が4.0 m2/gより小さい
と、生成するMgO の焼結性が増し、所望のMgO の特性が
焼成時に得難くなり、逆に、15m2/gを超えるとMg(OH)2
のサイズが過小となり、焼成後のMgO の表面活性が低下
し、方向性電磁鋼板の磁気特性や被膜特性の、コイル内
の不均質やコイルチャンスごとの品質の劣化が発生す
る。
めには、Mg(OH)2 粒子を構成する結晶子のサイズを適正
化することが必要である。この結晶子のサイズが小さい
とMg(OH)2 粒子の内部に焼成時に生成するMgO が多数の
結晶方位の異なるMgO で構成されるようになり、MgO の
焼結速度が低下するのでMgO の特性の制御が容易とな
る。このためには、Mg(OH)2 の結晶子のc軸の平均径と
して25〜150 nm、a軸の平均径として50〜1200nmとする
ことが必要である。この範囲より小さい場合には、MgO
の焼結が抑制され、所望の粉体特性が得られず、逆に、
この範囲より大きい場合にはもMgO の焼結が急激に進行
する結果、所望のMgO の特性を得ることが困難となる。
したがって、上記範囲に調整する。
とは、Mg(OH)2 粒子を構成する単結晶体の〈001〉方
向や〈100〉方向の軸径を示すもので、X線の回折ピ
ークの幅の拡がりのうち、装置固有の拡がりの寄与分を
除いて測定されるものである。
を含む物質を焼成したMgO を水和したものである。
製造過程で発生する苦汁、海水や鹹水及びドロマイト水
などを初期原料として、これに石灰乳等を投入して生成
するMg(OH)2 やMgCl2 、塩基性炭酸マグネシウムや炭酸
マグネシウムなど、焼成によりMgO が生成する物質をい
う。このうち、初期原料として海水、鹹水、苦汁もしく
は塩基性炭酸マグネシウムを用いることが品質的にも純
度が良く、望ましい。
有不純物としてのS、C、Clを、それぞれ0.4 %以下と
することが好ましく、このためには850 ℃以上の温度で
焼成する。これによって、次工程の水和、再焼成により
得られるMgO 中の不純物成分を有効に低減することが可
能となり、これらの不純物が過度にMgO 中に含有される
ことに起因する方向性電磁鋼板の点状の被膜欠陥の発生
を防止することが可能となる。
発明の方法では極めて良く、そのため微量元素の含有量
が適正量を下回るまでに低下する場合があるので、この
ときには、初期原料からロータリーキルンによる最終焼
成前までの中間物質に有効微量成分含有物を添加するこ
とが、方向性電磁鋼板の磁気特性や被膜特性の向上のた
めに好ましい。調整が好ましい成分としては、Ca、Cl、
B、Sであり、それぞれMgO 中に0.10〜1.0 wt%、0.01
〜0.08wt%、0.04〜0.5 wt%、0.01〜0.4 wt%の範囲で
調整されることが被膜特性の安定化の為に好ましいが、
このうち特に、CaとClは良好な被膜性状を得る上で重要
な微量元素である。
タリーキルンを用いて最終生成される。ここで、ロータ
リーキルンは炉床が回転しつつ被焼成物を移動させなが
ら焼成する炉の総称であるが、これによってMgO は均一
に焼成することが可能となり、極めて優れた方向性電磁
鋼板を製造することが可能となる。
るMgO が以下の粉体特性を満たすように調整する。40%
及び80%CAA 値としてそれぞれ40〜100 秒間と120 〜40
0 秒間、比表面積の値として12〜35g/m2、Ig.loss の値
として0.7 〜2.8 wt%。
は、クエン酸とMgO との反応活性度を測定するもので、
30℃、0.4 N のクエン酸水溶液中に40%又は80%の最終
反応等量のMgO を投与し攪拌しつつ、最終反応までの時
間(クエン酸が消費され溶液が中性となるまでの時間)
を測定し、この時間で評価する方法である。各CAA 値が
下限未満の場合には、方向性電磁鋼板の磁気特性が劣化
し、鋼板の被膜中に多数の点状被膜欠陥が発生するよう
になり、逆に、各CAA 値が上限を超えると、同じく磁気
特性が劣化し、被膜の密着性が劣化する。したがって、
上記範囲に制御することが必要である。
のガス吸着量を基に粉体の表面積を求める一般的測定に
より求められるが、比表面積の値としては12〜35g/m2の
範囲に制御することが必要である。比表面積が12g/m2未
満の場合には被膜が白膜状となり密着性が劣化する。逆
に、35g/m2を超える場合には被膜中に多数の点状被膜欠
陥が発生するようになる。
の範囲に調整することが必要である。Ig.loss とは、Mg
O を1000℃まで灼熱した際の重量減少百分率であるが、
このIg.loss によって主としてMgO が含有する微量なMg
(OH)2 の含有率を推定することができる。MgO 中の微量
Mg(OH)2 は被膜形成反応を促進するために微量の存在が
必要であるが、過剰に存在すると、点状被膜欠陥の原因
となるので、上記範囲に制御することが必要である。
明の効果を高めるために、好ましくはMgO の活性度分布
を拡大することが、方向性電磁鋼板の被膜特性及び磁気
特性を向上させるに有効である。このためには、ロータ
リーキルンにてMgO を再焼成するに当たり、焼成時間の
均一性を低下させれば良いので、第1に、ロータリーキ
ルンの異なる設定温度にて焼成したMgO を混合する方
法、第2に、ロータリーキルンの胴周方向の温度均一性
が10℃以上のロータリーキルンで焼成する方法、第3
に、ロータリーキルン内の定点における温度の時間変化
の最大量を20℃以上に変化させる方法のいずれか一つ又
は複数の組み合わせがより有利に適合し、これによりMg
O の活性度分布を拡張することが可能になり、方向性電
磁鋼板の磁気特性や被膜特性を更に向上させることがで
きる。
分離剤用MgO は、TiO2、SrSO4 、SnO2など、公知の焼鈍
分離剤用添加剤を混合して、最終仕上前の方向性電磁鋼
板に塗布されるが、塗布の方法としては、スラリー状に
した後に塗布乾燥する方法や静電塗装など従来公知の方
法が利用できる。塗布後の鋼板はコイル状に巻かれて、
最終仕上焼鈍に供される。最終仕上焼鈍では、二次再結
晶と被膜形成及び鋼中不純物成分の純化が行われ、基本
的な方向性電磁鋼板の製品の特性がここで得られる。そ
の後は、未反応の焼鈍分離剤を除去したのち、必要に応
じて平坦化焼鈍を兼ね絶縁コーティングを塗布焼き付け
て製品とする。
コイル長手方向を横切る方向に多数の溝を鋼板表面に設
けていても良く、また、最終仕上焼鈍後の鋼板表面にレ
ーザーやプラズマジェットを照射し歪付与による磁区細
分化処理や突起ロールでの溝付与による磁区細分化処理
を施してもよい。
i、0.07wt%のMn、0.018 wt%のSe、0.021 wt%のAl、
0.040 wt%のSb、0.008 wt%のNを含み、残部は不可避
的不純物と鉄とからなる板厚0.22mm、板幅1000mm、総重
量15トンの脱炭焼鈍後の鋼板であって、磁区細分化処理
として幅100 μm 、深さ20μm の板幅方向への多数の溝
を有する鋼板を10コイル用意し、(K) 〜(T) の10種類の
MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、再び巻き取っ
たのち、最終仕上焼鈍を施した。
O2と3%のSnO2及び2%のSr(OH)2・7H2OをMgO 中に配
合したものを用いたが、MgO については以下に述べる
(K) 〜(S) の種類のMg(OH)2 を焼成前の原料とし、いず
れもロータリーキルンで焼成温度と時間とを変えて作製
した。また、(T) のMgO は従来例として、マッフル炉で
焼成したものを用いた。
して、これと石灰乳とを反応させることにより、Mg(OH)
2 をつくり、第1回目のロータリーキルンによるMgO 焼
成とその後の再水和、及び第2回目のロータリーキルン
によるMgO 再焼成を経て焼鈍分離剤用MgO とした。この
うち、(K) 〜(N) は、石灰乳の純度や反応速度、時間を
調整して低S、C、Cl(0.2 〜1.5 %)含有としたMg(O
H)2 をつくり、(O) 〜(R) はMgSO4 、MgCO3 およびMgCl
2 のいずれか1種か2種以上を再水和前のMgOに添加し
て高S、C、Cl(1.0 〜4.8 %)含有のMg(OH)2 をつく
った。また、第1回目のロータリーキルン焼成条件とし
ては、(K) と(O) は800 ℃で在炉時間が30分、(L) と
(P) は850 ℃で在炉時間が20分、(M) と(Q) は850 ℃で
在炉時間が30分、(N) と(R) は900 ℃で在炉時間が15
分、の焼成を行った。この第1回目の焼成後のMgO 中の
不純物S、C、Clの含有量を表2に示す。
このとき十分に時間をかけて、いずれのMg(OH)2 も比表
面積が5.3 〜8.5 m2/gで、結晶子としてc軸平均軸径が
35〜48nm、a軸平均軸径が88〜260 nmの結晶に成長させ
た。この後、各Mg(OH)2 をロータリーキルンにて950 ℃
で在炉時間20分の第2回目の焼成を行い最終のMgO とし
た。
(OH)2 を用い、ロータリーキルンにて950 ℃で在炉時間
20分の一回のみの焼成を行い、最終のMgO とした。更
に、(T) のMgO は(L) の再水和後のMg(OH)2 を用い、マ
ッフル炉で950 ℃で在炉時間90分の焼成を行い、最終の
MgO とした。
N2雰囲気で、800 〜1050℃までは25%のN2と75%のH2と
の混合雰囲気で、1050〜1150℃まで及び1150℃で5時間
の均熱まではH2雰囲気で行い、降温は800 ℃までH2中で
強制冷却を行い、800 ℃以下をN2で冷却する熱サイクル
と雰囲気とを採用した。最終仕上焼鈍後は、未反応の焼
鈍分離在を除去した後、50%のコロイダルシリカとりん
酸マグネシウムからなる張力コートを塗布焼き付けて製
品とした。
サイズの試験片を板幅方向の全体から切り出し800 ℃で
3時間の歪取焼鈍を施したのち、1.7 Tの磁束密度にお
ける鉄損の値W17/50及び磁束密度B8 を測定した。更
に、被膜特性が最も不良となる製品板幅中央部の被膜外
観と被膜密着性を調査した。なお、この被膜密着性につ
いては円筒に製品の鋼板を巻き付けて被膜が剥離しない
円筒の最小の径でもってこれを評価した。これらの調査
結果を表3に示す。
(M) 、(N) 、(P) 、(Q) 、(R) を焼鈍分離剤用のMgO を
使用した場合には、被膜特性に優れ、かつ、磁気特性に
も優れた方向性電磁鋼板を安定して製造することができ
る。
i、0.08wt%のMn、0.0012wt%のB、0.008 wt%のNを
含み、残部は不可避的不純物及び鉄からなる板厚0.35m
m、板幅1000mm、総重量15トンの冷間圧延鋼板コイル
に、830 ℃でP(H2O)/P(H2)として0.50の酸化性雰囲気中
で均熱2分間の連続脱炭焼鈍を施した後、各鋼板の表面
に以下に示す(U)〜(X) のMgO にそれぞれ4%のTiO2と
3%のSnO2と2%のSr(OH)2 を添加した焼鈍分離剤をそ
れぞれ4コイルずつ、塗布チャンスを替え、この塗布チ
ャンスの度に新たにMgO を焼成し、鋼板表面に塗布しコ
イル状に巻き取ったのち、1200℃で5時間の最終仕上焼
鈍を施し、更に、平坦化焼鈍を兼ねて張力コーティング
を塗布焼き付けて製品とした。これらの製品の磁気特性
及び被膜特性を表4に示す。
生成したMg(OH)2 を900 ℃で焼成し、S含有量、C含有
量、Cl含有量としてそれぞれ0.15%、0.05%、0.25%で
あることを確認後、更に水和させることにより比表面積
29.3m2/g、c軸平均軸径19nm、a軸平均43nmのMg(OH)2
を製造し、再度ロータリーキルンで940 ℃、30分焼成し
たMgO であり、40%CAA 値;78秒間、80%CAA 値;275
秒間、比表面積;17m2/g、Ig.loss ;0.84%(比較
例)。
入して生成したMg(OH)2 を900 ℃で焼成し、S含有量、
C含有量、Cl含有量としてそれぞれ0.32%、0.15%、0.
22%であることを確認後、更に水和させることにより比
表面積7.5 m2/g、c軸平均軸径44nm、a軸平均148 nmの
Mg(OH)2 を製造し、再度ロータリーキルンで940 ℃、30
分焼成したMgOであり、40%CAA 値;79秒間、80%CAA
値;282 秒間、比表面積;17m2/g、Ig.loss ;0.83%
(発明例)。
条件にして水和で得たMg(OH)2 を、再度ロータリーキル
ンで940 ℃、30分焼成したが、その際、Mg(OH)2 を3分
割し、900 ℃で在炉40分間、930 ℃で在炉30分間、960
℃で在炉15分間のそれぞれの条件で焼成したMgO を混合
したMgO であり、40%CAA 値;73秒間、80%CAA 値;36
5 秒間、比表面積;17m2/g、Ig.loss ;0.95%(発明
例)。
条件にして水和で得たMg(OH)2 を、再度ロータリーキル
ンで焼成したが、この時、ロータリーキルンの設定温度
を930 ℃を中心にして10分間隔で上下限30℃の範囲で周
期的に変動させ、在炉時間として30分で焼成したMgO で
あり、40%CAA 値;68秒間、80%CAA 値;372 秒間、比
表面積;17m2/g、Ig.loss ;0.94%(発明例)。
O (記号(V) 〜(X) )を用いた場合においては、被膜特
性においても磁気特性においても極めて安定して良好な
製品が得られている。しかも、記号(X) のMgO が最も優
れた結果を得た。
i、0.07wt%のMn、0.020 wt%のSe、0.025 wt%のSbを
含み、残部は不可避的不純物及び鉄からなる板厚2.4 m
m、板幅1000mm、総重量15トンの熱間圧延鋼板コイル2
本に、950 ℃、1分間の熱延板焼鈍を施し、0.55mmの中
間板厚に冷間圧延し、更に950 ℃、1分間の中間焼鈍を
施した後、0.20mmの最終板厚に冷間圧延した。この後、
840 ℃でP(H2O)/P(H2)として0.60の酸化性雰囲気中で均
熱2分間の連続脱炭焼鈍を施したのち、各鋼板コイルの
表面に以下に示す(Y) および(Z) のMgO に1.5 %のTiO2
と2%のSrSO4 を添加した焼鈍分離剤を塗布し、コイル
状に巻き取ったのち、1200℃で5時間の最終仕上焼鈍を
施し、更に平坦化焼鈍を兼ねて張力コーティングを塗布
焼き付けて製品とした。これらの製品の磁気特性及び被
膜特性を表5に示す。
入して生成したMg(OH)2 を950 ℃で焼成し、Ca含有量、
S含有量、C含有量、Cl含有量がそれぞれ0.05wt%、0.
15wt%、0.08wt%、0.003 wt%であることを確認後、更
に水和させることにより比表面積8.7 m2/g、c軸平均軸
径32nm、a軸平均軸径480 nmのMg(OH)2 を製造し、再度
ロータリキルンで930 ℃、20分焼成したMgO であり、40
%CAA 値;65秒間、80%CAA 値;235 秒間、比表面積;
12.5m2/g、Ig.loss ;0.97%であり、微量含有成分とし
てCa含有量0.05wt%、S含有量0.07wt%、C含有量0.03
wt%、Cl含有量0.002 wt%の値を得た。
入して生成したMg(OH)2 を950 ℃で焼成し、Ca含有量、
S含有量、C含有量、Cl含有量がそれぞれ0.05wt%、0.
15wt%、0.08wt%、0.003 wt%であることを確認後、こ
れにCaO およびMgCl2 を微量添加した後、更に水和させ
ることにより比表面積10.5m2/g、c軸平均軸径28nm、a
軸平均軸径450nmのMg(OH)2 を製造し、再度ロータリキ
ルンで930 ℃、20分焼成したMgO であり、40%CAA 値;
63秒間、80%CAA 値;220 秒間、比表面積;13.2m2/g、
Ig.loss;0.96%であり、微量含有成分としてCa含有量
0.35wt%、S含有量0.07wt%、C含有量0.03wt%、Cl含
有量0.05wt%の値を得た。
O (記号(Y) 、(Z) )を用いた場合においては、被膜特
性においても磁気特性においても良好な製品が得られて
いるが、特にロータリキルンでの再焼成前の段階におい
てCa及びClを含有する物質を添加し、再焼成後のMgO の
CaおよびCl含有量を調整したMgO (記号(Z) )において
は、優れた製品が得られている。
%、インヒビター成分としてNbを0.005 wt%、Sbを0.02
0 wt%含有し、残部は不可避的不純物及び鉄からなる鋼
スラブ8本を1200℃に加熱した後、総重量20トン、厚み
2.2 mmの熱間圧延鋼板コイルとした。これを950 ℃、1
分間の熱延板焼鈍を施し、0.34mmの板厚に冷間圧延した
後、840 ℃でP(H2O)/P(H2)として0.55の酸化性雰囲気中
で均熱2分間の連続脱炭焼鈍を施した。この後、各鋼板
コイルの表面に、実験例で使用した各(A) 〜(H) のMgO
と3.5%のTiO2と2.0 %のSnO2を添加した焼鈍分離剤を
塗布し、コイル状に巻き取った後、1150℃で5時間の最
終仕上焼鈍を施し、更に平坦化焼鈍を兼ねて張力コーテ
ィングを塗布焼き付けて製品とした。これらの製品の磁
気特性及び被膜特性をMgO の特性及び最終焼成前の中間
生成物のMg(OH)2 の性状と併せて、表6に示す。
号(B) 、(D) 、(F) 、(G) )を用いた場合においては、
被膜特性においても磁気特性においても良好な特性が得
られている。
をなす焼鈍分離剤用のMgO を使用して方向性電磁鋼板を
製造すれば、極めて優れた磁気特性及び被膜特性を有す
る方向性電磁鋼板を安定して製造することが可能とな
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延とそ
れに続く冷延圧延工程により最終板厚とした後、一次再
結晶焼鈍を施し、次いで鋼板表面にMgO を主成分とする
焼鈍分離剤を塗布してからコイル状に巻き取り最終仕上
焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、 上記焼鈍分離剤用のMgO として、下記に示すMgO を用い
ることを特徴とする磁気特性及び被膜特性に優れる方向
性電磁鋼板の製造方法。 記 Mg元素含有原料もしくは初期原料から製造したMgを含む
物質を焼成してMgO とし、 このMgO を水和させて比表面積4.0 〜15.0m2/g、結晶子
のc軸平均径25〜150nm、a軸平均径50〜1200nmのMg(O
H)2 とし、 このMg(OH)2 をロータリーキルンで再焼成して得られ
た、40%CAA 値が40〜100 秒、80%CAA 値が120 〜400
秒、比表面積が12〜35m2/g、Ig.loss が0.7 〜2.8 wt%
であるMgO 。 - 【請求項2】 Mg元素含有原料もしくは初期原料から製
造したMgを含む物質を850 ℃以上の高温で焼成してS、
C、Clの含有量をそれぞれ0.4 wt%以下としたMgO を水
和させることを特徴とする請求項1記載の磁気特性及び
被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 Mg元素を含有する該初期原料として海
水、鹹水、苦汁、塩基性炭酸マグネシウムのうち1種又
は2種以上を用いることを特徴とする請求項1又は2記
載の磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製
造方法。 - 【請求項4】 Mg(OH)2 をロータリーキルンで再焼成す
るに当たり、ロータリーキルンの胴周方向の温度均一性
が10℃以上のロータリーキルンで焼成すること、若しく
はロータリーキルン内の定点における温度の時間変化の
最大値を20℃/h以上に変化させること、又はロータリー
キルンの異なる設定温度にて焼成したMgO を混合させる
こと、のいずれか一つ又は複数を組み合わせて、活性度
分布を拡張させたMgO を用いることを特徴とする請求項
1又は2記載の磁気特性及び被膜特性に優れる方向性電
磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 ロータリーキルンでの再焼成前の段階に
おいて、Ca及び/又はClを含有する物質を添加すること
により、再焼成後のMgO 中の含有量としてCaを0.10〜1.
0 wt%、Clを0.01〜0.08wt%に調整したMgO を用いるこ
とを特徴とする請求項1,2又は4記載の磁気特性及び
被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP35448897A JP4192283B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JPH11181525A true JPH11181525A (ja) | 1999-07-06 |
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Family
ID=18437914
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| JP35448897A Expired - Lifetime JP4192283B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
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