JPH11183381A - 蛍光顕微鏡評価方法および装置 - Google Patents

蛍光顕微鏡評価方法および装置

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JPH11183381A
JPH11183381A JP35313697A JP35313697A JPH11183381A JP H11183381 A JPH11183381 A JP H11183381A JP 35313697 A JP35313697 A JP 35313697A JP 35313697 A JP35313697 A JP 35313697A JP H11183381 A JPH11183381 A JP H11183381A
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fluorescent
fluorescence
microscope
fluorescence microscope
optical system
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JP35313697A
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English (en)
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Yoshitaro Nakano
義太郎 中野
Ichiro Sase
一郎 佐瀬
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Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易かつ高精度に蛍光顕微鏡の蛍光検出性能
を評価することができる蛍光顕微鏡評価方法および装置
を提供する。 【解決手段】 蛍光顕微鏡10において、励起光源11
から出力された励起光は被測定対象物21に照射され、
被測定対象物21に含まれる蛍光性繊維から発生した蛍
光は対物レンズ14および第2対物レンズ16等を経て
蛍光顕微鏡評価装置30のピンホール31の開口の位置
に結像される。ミラー32が待避しているときには、蛍
光の強度が光検出器34およびカウンタ35により検出
される、ミラー32が光路上に有るときには、蛍光の像
がカメラ37により撮像され、蛍光性繊維の長さが画像
解析部39により求められる。演算部40により、蛍光
強度と蛍光性繊維の長さとに基づいて蛍光顕微鏡10の
蛍光検出性能が評価される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光顕微鏡の蛍光
検出性能を評価する方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】蛍光顕微鏡は、被測定対象物に励起光を
照射し、その被測定対象物に含まれる蛍光物質から発生
する蛍光を検出するものであり、種々の分野において用
いられている。また、一般に蛍光の強度は微弱であるこ
とから、蛍光顕微鏡は高感度であることが望まれる。し
たがって、蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価することは
重要である。
【0003】蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価するに
は、既知量の蛍光物質が蛍光顕微鏡の観察視野内に存在
する状態で被測定対象物に励起光を照射し、これに伴い
発生する蛍光の強度を測定する必要がある。実際には、
単一分子と認められる蛍光物質が蛍光顕微鏡の観察視野
内に存在する状態で励起光を照射し、これに伴い発生す
る蛍光および背景光の強度を測定し、また、励起光を照
射しないで背景光のみの強度を測定し、そして、両者の
差分を求める必要がある。従来の蛍光顕微鏡の評価で
は、強力な励起光源と特殊な光学系とを使用した特殊な
顕微鏡が用いられている。
【0004】また、蛍光顕微鏡の蛍光検出性能の他の評
価方法として、蛍光ビーズに励起光を照射して発生する
蛍光の強度を測定して蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価
する方法や、蛍光溶液に励起光を照射して発生する蛍光
の強度を測定して蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する
方法が知られている。
【0005】また、アクチンに蛍光分子を結合させたも
のに励起光を照射して発生する蛍光の強度を測定して蛍
光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する方法が知られてい
る。この方法では、アクチン繊維の単位長さ当たりに結
合している蛍光分子の量を徐々に減じて蛍光を検出し、
蛍光顕微鏡で蛍光検出可能な蛍光試薬量を求め、これに
より蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のうち、単一分子と認められる蛍光物質を用いる方
法は、蛍光検出性能が高くない蛍光顕微鏡では単一蛍光
分子から発生する蛍光を検出することができないことか
ら、その蛍光顕微鏡により単一蛍光分子が観察され得る
か否かの評価しかできず、蛍光検出性能を定量的に評価
することができない。
【0007】蛍光ビーズを用いる方法は、蛍光顕微鏡の
蛍光検出性能を相対的に評価することができるものの、
1つの蛍光ビーズから発生する蛍光が幾つの蛍光分子に
由来するものであるかを判定することができないので、
絶対的な評価が不可能であるという問題点がある。
【0008】蛍光溶液を用いる方法は、蛍光分子を溶液
中に稀釈して所望の濃度の蛍光溶液を作成することが必
要であるが、希薄な蛍光溶液を定量性よく作成すること
が困難であり、また、顕微鏡下の観察領域内に蛍光分子
が幾つ含まれているかを決定することができず、蛍光顕
微鏡の蛍光検出性能の評価の精度が低いという問題点を
有する。
【0009】さらに、蛍光性アクチン繊維を用いる方法
は、単位長さ当たりの蛍光分子数が互いに異なるアクチ
ン繊維を用意する必要があることから、評価が容易では
ないという問題点を有する。
【0010】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、容易かつ高精度に蛍光顕微鏡の蛍光検
出性能を評価することができる蛍光顕微鏡評価方法およ
び装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光顕微鏡
評価方法は、蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する蛍光
顕微鏡評価方法であって、(1) 単位長さ当たりに存在す
る蛍光分子の数が一定であって蛍光顕微鏡の観察視野内
に置かれた蛍光性繊維から発生した蛍光の強度を蛍光顕
微鏡の光学系を介して検出し、(2) 蛍光性繊維の像を蛍
光顕微鏡の光学系を介して撮像し、その像に基づいて蛍
光性繊維の長さを求め、(3) 蛍光の強度および蛍光性繊
維の長さに基づいて蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価す
る、ことを特徴とする。
【0012】この蛍光顕微鏡評価方法によれば、蛍光性
繊維が蛍光顕微鏡の観察視野内に置かれ、この蛍光性繊
維から発生する蛍光の強度が蛍光顕微鏡の光学系を介し
て検出される。また、この蛍光性繊維の像に基づいて蛍
光性繊維の長さが求められる。そして、蛍光性繊維の単
位長さ当たりに存在する蛍光分子の数が一定であるの
で、蛍光の強度および蛍光性繊維の長さに基づいて蛍光
顕微鏡の蛍光検出性能が評価される。
【0013】本発明に係る蛍光顕微鏡評価装置は、蛍光
顕微鏡の蛍光検出性能を評価する蛍光顕微鏡評価装置で
あって、(1) 単位長さ当たりに存在する蛍光分子の数が
一定であって蛍光顕微鏡の観察視野内に置かれた蛍光性
繊維から発生した蛍光の強度を蛍光顕微鏡の光学系を介
して検出する光検出器と、(2) 蛍光性繊維の像を蛍光顕
微鏡の光学系を介して撮像するカメラと、(3) カメラに
より撮像された蛍光性繊維の像に基づいて蛍光性繊維の
長さを求める画像解析部と、(4) 蛍光の強度および蛍光
性繊維の長さに基づいて蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評
価する演算部と、を備えることを特徴とする。
【0014】この蛍光顕微鏡評価装置によれば、蛍光性
繊維が蛍光顕微鏡の観察視野内に置かれ、これに励起光
が照射されて発生する蛍光の強度が蛍光顕微鏡の光学系
を介して光検出器により検出される。また、この蛍光性
繊維の像が蛍光顕微鏡の光学系を介してカメラにより撮
像され、その像に基づいて蛍光性繊維の長さが画像解析
部により求められる。そして、蛍光性繊維の単位長さ当
たりに存在する蛍光分子の数が一定であるので、蛍光の
強度および蛍光性繊維の長さに基づいて蛍光顕微鏡の蛍
光検出性能が演算部により評価される。
【0015】また、本発明に係る蛍光顕微鏡評価装置
は、光検出器に到る検出光学系とカメラに到る撮像光学
系との分岐位置に設けられ、検出光学系および撮像光学
系の何れか一方に蛍光の光路を切り替える光路切替手段
を更に備えることを特徴とする。この場合には、蛍光強
度検出および蛍光性繊維撮像は順次に行われる。
【0016】また、本発明に係る蛍光顕微鏡評価装置
は、光検出器に到る検出光学系とカメラに到る撮像光学
系との分岐位置に設けられ、蛍光を分岐して検出光学系
および撮像光学系の双方に蛍光を導く光分岐手段を更に
備えることを特徴とする。この場合には、蛍光強度検出
および蛍光性繊維撮像は同時に行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0018】先ず、本発明に係る蛍光顕微鏡評価装置の
1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係
る蛍光顕微鏡評価装置の構成図である。この図には、本
実施形態に係る蛍光顕微鏡評価装置30とともに、この
蛍光顕微鏡評価装置30の評価対象である蛍光顕微鏡1
0およびこの蛍光顕微鏡10の被測定対象物21等も示
されている。
【0019】蛍光顕微鏡10は、この蛍光顕微鏡評価装
置30による評価対象であり、励起光源11、励起光フ
ィルタ12、ダイクロイックミラー13、対物レンズ1
4、励起光除去フィルタ15および第2対物レンズ16
を備えて構成される。
【0020】励起光源11は、被測定対象物21に含ま
れる蛍光性繊維に結合している蛍光分子を励起し得る波
長を含む光を出力する。励起光フィルタ12は、励起光
源11から出力された光のうち励起波長のものを透過し
て、これを励起光とする。例えば、励起光源11は超高
圧水銀灯であり、励起光フィルタ12は透過帯域510
nm〜560nmのバンドパスフィルタである。また、
例えば、励起光源11は単色光を励起光として出力する
レーザ光源であり、この場合には、励起光フィルタ12
は不要である。
【0021】励起光フィルタ12から到達した励起光を
入力するダイクロイックミラー13は、その励起光を反
射させて対物レンズ14に入射させるとともに、対物レ
ンズ14から到達した蛍光を透過させる。対物レンズ1
4は、ダイクロイックミラー13により反射された励起
光を入力し、その励起光を観察視野内にある被測定対象
物21に照射するとともに、その観察視野内にある被測
定対象物21から発生した蛍光を入力し、その蛍光をダ
イクロイックミラー13へ出力する。そして、ダイクロ
イックミラー13は、その蛍光を透過する。
【0022】励起光除去フィルタ15は、ダイクロイッ
クミラー13から到達した蛍光を透過させ、その蛍光と
共に到達した散乱光等を除去する。第2対物レンズ16
は、励起光除去フィルタ15から到達した蛍光を入力
し、その蛍光の像を結像する。
【0023】被測定対象物21は、スライドガラス22
とカバーガラス23との間に挟まれた状態で、蛍光顕微
鏡10のステージ(図示せず)の上に載置されている。
この被測定対象物21は、単位長さ当たりに存在する蛍
光分子の数が一定である蛍光性繊維であり、例えば、ロ
ーダミン等の蛍光分子が結合したアクチン繊維や、チュ
ーブリンが重合した微小管が好適に用いられる。また、
上記アクチン繊維におけるローダミンに替えて BODIPY
、Cy3 、Cy5 、Eosin 、Fluorescein 、OregonGreen、
DiI 、Texas Red 等の蛍光分子を特定のアミノ酸に特異
的に接合させることのできる aziridine基、iodoacetam
ide 基、maleimide 基を結合させたものも好適に用いら
れる。
【0024】蛍光顕微鏡評価装置30は、ピンホール3
1、ミラー32、レンズ33、光検出器34、カウンタ
35、レンズ36、カメラ37、画像記録部38、画像
解析部39および演算部40を備えて構成される。
【0025】ピンホール31は、被測定対象物21から
発生した蛍光が蛍光顕微鏡10の対物レンズ14および
第2対物レンズ16に依り結像される位置に開口を有す
るものである。光路切替手段であるミラー32は、可動
または着脱自在であって、ピンホール31の開口を通過
した蛍光の光路上に配されているときには、蛍光を反射
させて、レンズ36を含む撮像光学系へ蛍光を導き、ピ
ンホール31の開口を通過した蛍光の光路上から待避し
ているときには、レンズ33を含む検出光学系へ蛍光を
導く。
【0026】レンズ33は、ピンホール31の開口を通
過した蛍光を光検出器34の受光面上に集光し、光検出
器34は、その集光された蛍光を検出する。この光検出
器34として、例えば、光子計数が可能な光電子増倍管
やアバランシェフォトダイオード等が好適に用いられ
る。カウンタ35は、光検出器34が蛍光光子を受光し
て出力したパルス信号を入力し、そのパルスを計数す
る。このカウンタ34に依り一定時間計数されたパルス
数は、蛍光の強度を表すものである。
【0027】一方、レンズ36は、ピンホール31の開
口の位置に一旦結像された蛍光の像をカメラ37の撮像
面上に再結像し、カメラ37は、その撮像面上に結像さ
れた蛍光の像を撮像する。このカメラ37として、高感
度撮像が可能なSIT(Silicon Intensified Tube Cam
era )、イメージインテンシファイア付CCD(Charge
d Coupled Device)、冷却型CCD等が好適に用いられ
る。
【0028】画像記録部38は、カメラ37により撮像
された蛍光の像を入力して記録し、画像解析部39は、
画像記録部38に記録された蛍光の像を読み出し、その
蛍光の像を画像解析して、その像に含まれる蛍光性繊維
の長さを求める。このとき、その像に含まれる蛍光性繊
維が複数本であれば、その複数本の蛍光性繊維それぞれ
の長さの総和を求める。
【0029】演算部40は、カウンタ35により得られ
た蛍光の強度と画像解析部39により得られた蛍光性繊
維の長さとに基づいて、蛍光顕微鏡10の蛍光検出性能
の評価を行う。また、演算部40は、被測定対象物21
として蛍光性繊維を含まない場合のカウンタ35からの
出力信号すなわち背景光の強度にも基づいて蛍光顕微鏡
10の蛍光検出性能の評価を行うことにより、更に高精
度な評価が可能である。
【0030】次に、蛍光顕微鏡評価装置30の作用を説
明するとともに、本発明に係る蛍光顕微鏡評価方法の1
実施形態について説明する。
【0031】評価対象である蛍光顕微鏡10では、励起
光源11から出力された光は、被測定対象物21中に含
まれる蛍光性繊維を励起し得る波長成分が励起光フィル
タ12を透過して励起光とされ、その励起光は、ダイク
ロイックミラー13により反射されて対物レンズ14に
入射する。そして、励起光は、対物レンズ14から被測
定対象物21に向けて出力されて、その対物レンズ14
の観察視野内にある被測定対象物21に照射される。被
測定対象物21に含まれる蛍光性繊維に励起光が照射さ
れて発生した蛍光は、対物レンズ14、ダイクロイック
ミラー13、励起光除去フィルタ15および第2対物レ
ンズ16からなる蛍光顕微鏡10の光学系を経て、蛍光
顕微鏡評価装置30のピンホール31の開口の位置に結
像される。
【0032】蛍光顕微鏡評価装置30では、ピンホール
31の開口を通過した蛍光の光路上にミラー32が有る
ときには、その蛍光は、ミラー32により反射され、レ
ンズ36によりカメラ37の撮像面上に再び結像され、
カメラ37により撮像される。カメラ37により撮像さ
れた蛍光の像は、画像記録部38に送られて一旦記録さ
れる。画像記録部38に記録された蛍光像は、画像解析
部39により読み出されて画像解析され、蛍光像内にあ
る蛍光性繊維の長さが求められる。一方、ピンホール3
1の開口を通過した蛍光の光路上にミラー32が無いと
きには、その蛍光は、レンズ33により集光され光検出
器34により検出される。光検出器34が蛍光光子を検
出して出力したパルス信号は、カウンタ35により一定
時間計数される。
【0033】カウンタ35による計数値すなわち蛍光強
度および画像解析部39により求められた蛍光性繊維の
長さは、演算部40に入力される。そして、演算部40
では、蛍光性繊維の単位長さ当たりに存在する蛍光分子
の数が一定であるので、これらに基づいて蛍光性繊維の
単位長さ当たりの蛍光強度が求められる。また、その単
位長さ当たりに存在する蛍光分子数が他の方法で求めら
れていれば、単一の蛍光分子から発生し蛍光顕微鏡10
に依り検出され得る蛍光の強度が求められる。すなわ
ち、蛍光顕微鏡10の蛍光検出性能が評価される。
【0034】なお、上記のようにして光検出器34およ
びカウンタ35に依り得られた蛍光強度は、真の蛍光に
加えてノイズである背景光をも含む強度である。この背
景光の強度は、蛍光性繊維を含まないものを被測定対象
物21として用い、ミラー32を光路上から待避させ
て、光検出器34およびカウンタ35に依り求められ
る。そして、演算部40において、背景光成分が除去さ
れた真の蛍光の強度が求められ、蛍光顕微鏡10に依り
検出し得る真の蛍光の強度が求められる。また、演算部
40において、蛍光顕微鏡10のS/N比が求められ
る。
【0035】次に、1実施例について説明する、被測定
対象物21に含まれる蛍光性繊維の作成方法は以下のと
おりである。蛍光分子とアクチン分子とを濃度比5対1
で重合溶液(0.1MのKCl、2mMのMOPS、1
mMのMgCl2 、1.5mMのNaN3 、0.1mM
のATP、pH7.0)中に入れ充分に攪拌し、この溶
液を遮光して氷温下に置き、数時間ごとに一度ゆっくり
と攪拌して12時間かけて染色した。その後、反応を停
止させるため、蛍光分子の濃度の約100倍の濃度のD
TTを溶液に加え、60分間放置後に、脱重合溶液(2
mMのTris、0.2mMのCaCl2 、0.3mM
のNaN3 、0.2mMのATP、pH8.0)で透析
した。透析後、加速度346000gで1時間に亘り遠
心分離し、上澄に残った染色アクチン分子のみを再び重
合させた。重合した染色アクチン分子を再び遠心分離で
回収して脱重合溶液で攪拌した。脱重合溶液に溶かした
状態で10時間以上に亘り氷上に置き、その溶液を脱重
合溶液中で透析し、加速度346000gで1時間に亘
り遠心分離した。その上澄を回収し、Sephadex G-25
カラム(Pharmacia Biotech :PD−10)でゲル濾過
を行った。ゲル濾過後の染色アクチン繊維を、被測定対
象物21に含まれるべき蛍光性分子とした。ただし、ゲ
ル濾過後の分子には染色されたアクチン分子と染色され
ていないアクチン分子とが混在しているので、この比率
を吸光光度計により測定し、その測定値に基づいて蛍光
性繊維の単位長さ当たりに結合している蛍光分子数を決
定した。
【0036】被測定対象物21の作成方法は以下のとお
りである。サイズ36×24mmのカバーガラス22の
上に、予めワセリンが塗られた帯状の2枚の紙片(1.
5×20×厚0.03mm)を一定距離だけ互いに離し
て平行に置き、その上に、18×18mmのカバーガラ
ス23を載せた。そして、スライドガラス21とカバー
ガラス23との間の間隙に poly-L-lysine水溶液(1m
g/ml)を流して系を poly-L-lysineコートした。な
お、2枚の紙片に塗られたワセリンから水溶液中へ蛍光
物質が溶け出すことはない。その後、緩衝溶液A(25
mMの imidazole/HCl、25mMのKCl、4mM
のMgCl2 、pH7.5)を系に流し込み、そこへ酵
素処理したミオシン分子を稀釈し、流し込み後1分間放
置した。1分間放置後、カバーガラス23に付着しなか
ったミオシン分子を取り除くため緩衝溶液Aを流した。
充分洗い流した後に重合溶液を流し溶液を置換した。低
濃度に稀釈した蛍光性繊維を重合溶液(ATPなし)に
溶かし、その溶液を系に導入した。1分間放置後、付着
しなかった蛍光性繊維を洗い流し、脱気溶液(ATP無
しの重合溶液へ Glucose Oxidaseを0.1mg/ml、
Catalaseを0.018mg/ml、 Glucoseを3mg/
mlそれぞれ加えたもの)を導入した。これを被測定対
象物21とした。なお、ミオシン分子の濃度、蛍光性繊
維の濃度および放置時間等については、最終状態を蛍光
顕微鏡で観察し各実験により適量を調節した。
【0037】蛍光性繊維の単位長さ当たりに結合してい
る蛍光分子の数の見積方法は以下のとおりである。蛍光
分子が結合しているアクチン繊維すなわち蛍光性繊維
は、顕微鏡下で1本の紐として観察することができる
(T.Yanagida, et al., Nature,Vol.307, No.5946, pp.
58-60 (1984) を参照)。また、アクチン繊維の1μm
を構成するアクチン分子の数は一定であり、その値は3
66であることが知られている(E.H.Egelman, Journal
of Muscle Research and Cell Motility, Vol.6,pp.12
9-151 (1985) を参照)。したがって、蛍光顕微鏡の観
察視野内にある蛍光性繊維の長さを測定することによ
り、その観察視野内にある蛍光分子の数を求めることが
できる。
【0038】また、 iodoacetamide基を有する蛍光分子
を用いて特定のアミノ酸のみに蛍光分子を結合すること
により、アクチン分子1個に対して1個の蛍光分子のみ
を結合させることができる(J.F.Tait, C.Frieden, Arc
hives of Biochemistry andBiophysics, Vol.216, No.
1, p.133-141 (1982) を参照)。アクチン繊維を用いた
試料を顕微鏡下で観察した場合、蛍光強度は、アクチン
繊維単位長さ当たりの蛍光色素分子数とアクチン繊維長
とに比例することが知られている(I.Sase, etal., Bio
physiccal Journal, Vol.69, pp.323-328 (1995) 、Y.H
arada, et al., Journal of Molecular Biology, Vol.2
16, pp.49-68 (1990)を参照)。
【0039】以上のようにして作成された被測定対象物
21を蛍光顕微鏡10のステージに置いた。ここで評価
対象である蛍光顕微鏡10は、励起光源11として超高
圧水銀灯を、励起光フィルタ12として透過帯域510
nm〜560nmのバンドパスフィルタを、それぞれ有
するものである。また、蛍光顕微鏡評価装置30は、光
検出器34として光電子増倍管を、カメラ37としてS
ITを、それぞれ有するものである。ピンホール31
は、観察視野の中央領域に相当する位置に開口が配さ
れ、その開口の径が1.5mmである。また、カメラ3
7に依り撮像される蛍光像において1本から数本の蛍光
性繊維が観察されるようにした。
【0040】このときの蛍光の像をカメラ37に依り撮
像し、画像記録部38に依り記録し、その蛍光像に基づ
いて蛍光性繊維の長さを画像解析部39に依り求めた。
また、ミラー32を蛍光光路上から取り去って、光検出
器34およびカウンタ35により光子計数法で蛍光(背
景光を含む)の強度を測定した。さらに、カメラ37に
より蛍光性繊維が観測されない領域へ被測定対象物21
をステージ上で移動し、そのときに光検出器34および
カウンタ35により測定された結果を背景光強度として
求めた。
【0041】そして、演算部40では、背景光を含む蛍
光の強度から背景光強度を減じることにより真の蛍光強
度を求め、この真の蛍光強度および蛍光性繊維の長さに
基づいて蛍光性繊維の単位長さ当たりの蛍光強度を求め
た。図2は、蛍光性繊維の長さと蛍光強度(蛍光光子
数)との関係を示すグラフである。このグラフには、2
6組の蛍光性繊維の長さおよび真の蛍光強度の測定デー
タとともに、一次回帰直線も示されている。このグラフ
から判るように、測定データは直線上によく乗ってお
り、蛍光性繊維の単位長さ(1μm)当たりに検出され
た蛍光光子数は約618cpsであり、蛍光性アクチン
1分子当たりに検出された蛍光光子数は約6cpsであ
った。
【0042】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。上記実施形態では、
光検出器34に到る検出光学系およびカメラ37に到る
撮像光学系の何れか一方に蛍光の光路を切り替える光路
切替手段として着脱自在のミラー32を設けたが、これ
に限られるものではない。例えば、ミラーの位置を動か
すことなく方位のみを変え、ミラー方位の切替により、
検出光学系および撮像光学系の何れか一方に蛍光の光路
を切り替えるようにしてもよい。なお、これら何れの場
合も、ピンホール31の開口を通過した蛍光の全てが光
検出器34およびカメラ37の何れか一方に到達するの
で、蛍光強度検出および蛍光像撮像の効率がよい。
【0043】また、何れか一方に蛍光の光路を切り替え
るのではなく、図1中に示すミラー32の位置にミラー
32に替えて光分岐手段であるハーフミラーを設け、ピ
ンホール31の開口を通過した蛍光をハーフミラーによ
り2分岐して、検出光学系および撮像光学系の双方に同
時に蛍光を導くようにしてもよい。この場合、可動部が
なく、また、蛍光強度検出と蛍光像撮像とが同時に行わ
れる点で好適である。しかし、光検出器34に到達する
蛍光はハーフミラーの透過率に依存して弱くなる。そこ
で、光検出器34およびカウンタ35により検出された
光強度をハーフミラーの透過率で補正するのが好適であ
る。
【0044】また、上記実施形態では蛍光像に基づいて
蛍光性繊維の長さを求めたが、これに限られるものでは
ない。例えば、被測定対象物21を落射照明して得られ
た反射光の像をカメラ37により撮像し、その像に基づ
いて蛍光性繊維の長さを求めてもよい。この場合、励起
光フィルタ12および励起光除去フィルタ15は不要で
あり、ダイクロイックミラー13に替えてハーフミラー
が設けられる。
【0045】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、蛍光性繊維が蛍光顕微鏡の観察視野内に置か
れ、この蛍光性繊維から発生する蛍光の強度が蛍光顕微
鏡の光学系を介して検出される。また、この蛍光性繊維
の像に基づいて蛍光性繊維の長さが求められる。そし
て、蛍光性繊維の単位長さ当たりに存在する蛍光分子の
数が一定であるので、蛍光の強度および蛍光性繊維の長
さに基づいて蛍光顕微鏡の蛍光検出性能が評価される。
したがって、容易かつ高精度に蛍光顕微鏡の蛍光検出性
能を評価することができる。
【0046】また、光検出器に到る検出光学系とカメラ
に到る撮像光学系との分岐位置に設けられた光路切替手
段により、検出光学系および撮像光学系の何れか一方に
蛍光の光路を切り替える場合には、蛍光強度検出および
蛍光性繊維撮像は順次に行われ、蛍光強度検出および蛍
光性繊維撮像の効率がよい。
【0047】また、光検出器に到る検出光学系とカメラ
に到る撮像光学系との分岐位置に設けられ蛍光を分岐す
る光分岐手段により、検出光学系および撮像光学系の双
方に蛍光を導く場合には、蛍光強度検出および蛍光性繊
維撮像は同時に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る蛍光顕微鏡装置の構成図であ
る。
【図2】蛍光性繊維の長さと蛍光強度との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10…蛍光顕微鏡、11…励起光源、12…励起光フィ
ルタ、13…ダイクロイックミラー、14…対物レン
ズ、15…励起光除去フィルタ、16…第2対物レン
ズ、21…被測定対象物、22…スライドガラス、23
…カバーガラス、30…蛍光顕微鏡評価装置、31…ピ
ンホール、32…ミラー、33…レンズ、34…光検出
器、35…カウンタ、36…レンズ、37…カメラ、3
8…画像記録部、39…画像解析部、40…演算部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する蛍
    光顕微鏡評価方法であって、 単位長さ当たりに存在する蛍光分子の数が一定であって
    前記蛍光顕微鏡の観察視野内に置かれた蛍光性繊維から
    発生した蛍光の強度を前記蛍光顕微鏡の光学系を介して
    検出し、 前記蛍光性繊維の像を前記蛍光顕微鏡の光学系を介して
    撮像し、その像に基づいて前記蛍光性繊維の長さを求
    め、 前記蛍光の強度および前記蛍光性繊維の長さに基づいて
    前記蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する、 ことを特徴とする蛍光顕微鏡評価方法。
  2. 【請求項2】 蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する蛍
    光顕微鏡評価装置であって、 単位長さ当たりに存在する蛍光分子の数が一定であって
    前記蛍光顕微鏡の観察視野内に置かれた蛍光性繊維から
    発生した蛍光の強度を前記蛍光顕微鏡の光学系を介して
    検出する光検出器と、 前記蛍光性繊維の像を前記蛍光顕微鏡の光学系を介して
    撮像するカメラと、 前記カメラにより撮像された前記蛍光性繊維の像に基づ
    いて前記蛍光性繊維の長さを求める画像解析部と、 前記蛍光の強度および前記蛍光性繊維の長さに基づいて
    前記蛍光顕微鏡の蛍光検出性能を評価する演算部と、 を備えることを特徴とする蛍光顕微鏡評価装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出器に到る検出光学系と前記カ
    メラに到る撮像光学系との分岐位置に設けられ、前記検
    出光学系および前記撮像光学系の何れか一方に前記蛍光
    の光路を切り替える光路切替手段を更に備えることを特
    徴とする請求項2記載の蛍光顕微鏡評価装置。
  4. 【請求項4】 前記光検出器に到る検出光学系と前記カ
    メラに到る撮像光学系との分岐位置に設けられ、前記蛍
    光を分岐して前記検出光学系および前記撮像光学系の双
    方に前記蛍光を導く光分岐手段を更に備えることを特徴
    とする請求項2記載の蛍光顕微鏡評価装置。
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Cited By (7)

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