JPH11189A - 光学活性ムスコンの製造方法 - Google Patents

光学活性ムスコンの製造方法

Info

Publication number
JPH11189A
JPH11189A JP16968197A JP16968197A JPH11189A JP H11189 A JPH11189 A JP H11189A JP 16968197 A JP16968197 A JP 16968197A JP 16968197 A JP16968197 A JP 16968197A JP H11189 A JPH11189 A JP H11189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optically active
muscone
active muscone
producing
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16968197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3852063B2 (ja
Inventor
Yasushi Matsumura
村 康 史 松
Hidemichi Fukawa
川 秀 道 府
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyotama Koryo Co Ltd
Original Assignee
Toyotama Koryo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyotama Koryo Co Ltd filed Critical Toyotama Koryo Co Ltd
Priority to JP16968197A priority Critical patent/JP3852063B2/ja
Publication of JPH11189A publication Critical patent/JPH11189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3852063B2 publication Critical patent/JP3852063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の酵素を用いることにより、光学分割さ
れた光学活性ムスコンを、従来より安価で簡便に合成す
ることができ、且つ光学活性体を分離して得ることがで
きる製造方法を提供する。 【解決手段】 化1で表わされるアルコールに、有機溶
媒中でアシル化剤の存在下、細菌由来の加水分解酵素を
作用させることにより、不斉エステル化反応を行い、次
いで加水分解し、その後酸化を行う。また、該アルコー
ルに該酵素を作用させ、不斉エステル化反応を行い、そ
の後生成物と未反応物とを分離した後、加水分解し酸化
する。さらに、該未反応物を酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性ムスコ
ン、特に天然型の(R)−(−)−ムスコン又は(S)
−(+)−ムスコンの製造方法に関する。詳細には、細
菌由来のリパーゼを用いて、(R)−(−)−ムスコン
の前駆体である化1で表わされるアルコールを光学分割
した後、加水分解を行い、次いで酸化することにより、
麝香鹿から採取される高価な香料である天然型の(R)
−(−)−ムスコンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(R)−(−)−ムスコンは、天然麝香
の主香成分であり、天然麝香中に0.5〜2.0重量%
含有されている。また、(R)−(−)−ムスコンと
(S)−(+)−ムスコンとの香気を比較すると、
(R)−(−)−ムスコンは、拡散性が優れたボリュー
ム感ある強いムスク香(閾値:3ppm)であるのに対
し、(S)−(+)−ムスコンは、化学的で広がりのな
い貧弱な弱いムスク香(閾値:10ppm)であり、
(−)体の方が(+)体よりムスク香が3倍強いことが
報告されている(印藤元一著、「合成香料」、492〜
495頁)。
【0003】従来、この光学活性ムスコンである(R)
−(−)−ムスコンは、主として以下の4つの方法で製
造されていた。 出発原料として光学活性体を用いる方法。例えば、
(S)−4−ブロモ−3−メチルブタンニトリルを用い
る方法(J.Org.Chem.1990,55, 820〜826頁等)が
ある。 (E)−2−シクロペンタデセン−1−オンに触媒の
存在下で、不斉マイケル反応させる方法(J.Chem. So
c., Chem. Commun,1990,795〜797頁等)がある。 3−メチル−2−シクロペンタデセン−1−オンを光
学活性ホスフィン錯体を触媒として、不斉水素化する方
法(特開平6−192161)がある。 酵素触媒を用いた光学分割法(第39回香料・テルペ
ンおよび精油化学に関する討論会要旨集,1995,1
77〜178頁)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の製造方法の内、第1の方法は、いずれの製造方
法も多工程であり、出発原料の合成も困難である。ま
た、第2の方法は、高価な触媒が原料に対して約2倍
モル必要であり、さらに−78℃の低温で反応を行わな
ければならない。さらに、第3の方法は、不斉水素化
反応の基質となる(E)−及び(Z)−3−メチル−2
−シクロペンタデセン−1−オンを合成する際に用いる
触媒が高価で不安定なものであるばかりか、高度希釈法
で合成する必要がある。さらに、不斉水素化を実行する
には、(E)−体及び(Z)−体の分離を完全に行わな
ければならないが、それぞれの分離が困難であり、また
収率も低い。さらにまた、第4の方法は、化学合成法
に比べて、高価な試薬や複雑な工程を必要としない方法
である。しかし、原料となるアルコールは不斉炭素が2
個存在するため、図1で示すように、4種類の立体異性
体が存在し、Pseudomonas sp. 由来の酵素(リパーゼA
K、天野製薬株式会社(製))はこれら異性体のうちの
一種類のみしか選択的に反応せず、それ故に収率がかな
り低い。さらに,反応時間も長い。以上のことからも光
学活性ムスコンである(R)−(−)−ムスコンの工業
的製造が困難である。以上のように、上記〜のいず
れの製造方法も光学活性ムスコンである(R)−(−)
−ムスコンの製造方法としては、満足できるものではな
かった。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、特定の酵素を用いることにより、光学分割さ
れた光学活性ムスコンを、従来より安価で簡便に合成す
ることができ、且つ光学活性体である(R)−(−)−
ムスコン及び(S)−(+)−ムスコンを得ることがで
きる製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のことから、本発明
者は、酵素触媒を用いる光学活性ムスコンの製造方法に
ついて、鋭意検討した結果、出発原料として3−メチル
シクロペンタデカン−1−オールを採用し、細菌由来の
加水分解酵素を触媒として不斉エステル化を行った後、
加水分解し、次いで酸化を行えば、上記の課題を解決で
きることを見出した。
【0007】即ち、本発明は、化1で表わされるアルコ
ールに、有機溶媒中でアシル化剤の存在下、細菌由来の
加水分解酵素を作用させることにより、不斉エステル化
反応を行い、次いで加水分解し、その後酸化を行うこと
を特徴とする光学活性ムスコンの製造方法である。光学
活性ムスコンとしては、天然型の(R)−(−)−ムス
コンを、上記の製造方法により得ることができる。ま
た、本発明は、化1で表わされるアルコールに、細菌由
来の加水分解酵素を作用させることにより、不斉エステ
ル化反応を行い、生成物であるエステル体と未反応物で
あるアルコールを分離した後、加水分解し、次いで酸化
することを特徴とする光学活性ムスコンの製造方法であ
る。光学活性ムスコンとしては、天然型の(R)−
(−)−ムスコンを、上記の製造方法により得ることが
できる。さらに、上記の未反応物であるアルコールを酸
化することにより、得られることを特徴とする光学活性
ムスコンの製造方法である。光学活性ムスコンとして
は、(S)−(+)−ムスコンを、上記の製造方法によ
り得ることができる。
【0008】本発明を図示すると、図2のようになる。
図2において、式中、Rはアルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アリール基及びCH2CH2COOH等とから
成る群から選ばれる一種を示す。
【0009】本発明において、使用できるアシル化剤即
ちアシルドナーは、特に限定されるものではないが、酢
酸イソプロペニルが最も好ましい。その他のアシルドナ
ーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及び酪
酸ビニル等のRが炭素数1〜17の飽和カルボン酸ビニ
ル類、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル等の不飽
和カルボン酸ビニル類、芳香族カルボン酸ビニル類、コ
ハク酸無水物、及びグルタル酸無水物等の酸無水物類等
を挙げることができる。
【0010】本発明の光学活性ムスコンの出発原料であ
る3−メチルシクロペンタデカン−1−オールは、図1
に示すように、4種類の立体異性体が存在する。しか
し、本発明においては、ラセミムスコンの還元により得
た3−メチルシクロペンタデカン−1−オールを原料と
した場合、水酸基の立体異性体が、いかなる比率で存在
しようとも、高い光学純度且つ高収率で光学活性ムスコ
ンを得ることができる。
【0011】本発明において用いられるリパーゼは、細
菌由来(Alcaligenes sp.)のものが選択される。酵素の
起源としてCandida cylindracea nov.sp.、 Mucor javan
icus、 Aspergillus niger 等に由来するリパーゼを用い
てもアシル化反応が殆ど進行しないか、進行しても得ら
れるエステル体の光学純度が非常に低いものしか得られ
ない。また、Pseudomonas sp. 由来のリパーゼ(リパー
ゼAK、天野製薬株式会社(製))を用いると非常に高
い光学純度のムスコンが得られるが、収率がかなり低く
なる(第39回香料・テルペンおよび精油化学に関する
討論会要旨集,1995,177〜178頁)。本発明
において用いられる細菌由来(Alcaligenes sp.)のリパ
ーゼは、種々のものが市販されており、本発明では、こ
れらの市販品をそのまま用いることができる。具体例と
しては、リパーゼQL(名糖産業社(製)、加水分解活
性=30000 ユニット/g。尚、37℃で1分間に1マイ
クロモルの脂肪酸を遊離する酵素量を1単位とした。)
を挙げることができる。
【0012】本発明において用いられる有機溶媒として
は、例えばIPEやジエチルエーテル等のエーテル系溶
媒、またはヘキサン、シクロヘキサンやトルエン等を挙
げることができる。
【0013】本発明を実施するには、反応容器に3−メ
チルシクロペンタデカン−1−オールを入れ、さらに有
機溶媒を加え混合液とする。混合液中の3−メチルシク
ロペンタデカン−1−オールの濃度は、約0.04〜
0.4モル/リットルとなるように調整する。次いで、
得られた混合液に、アシル化剤を3−メチルシクロペン
タデカン−1−オールと等モル加え、さらに細菌由来の
加水分解酵素を、力価が約30000 ユニット/gのもので
約20〜50重量%となるように加える。リパーゼを添
加した混合液を混和し、室温で攪拌することにより、不
斉エステル化反応を行う。反応時間は、通常24時間〜
20日間であるが、反応温度、酵素の量及び溶媒等を変
えることにより、反応時間を短縮することも可能であ
る。
【0014】反応終了後、酵素を濾過除去し、反応生成
物である3−メチルシクロペンタデカン−1−オールの
エステル体と未反応物である3−メチルシクロペンタデ
カン−1−オールの混合物を回収する。得られた混合物
から、反応生成物と未反応物を分離するには、蒸留ある
いはシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の操作を行
う。
【0015】得られたエステル体は、常法に従い、例え
ば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリを用
いて加水分解し、さらにジョーンズ試薬等で酸化すれ
ば、天然型(R)−(−)−ムスコンを得ることができ
る。さらに、未反応物を、そのまま酸化すれば、(S)
−(+)−ムスコンを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、実施例中の分析は、次の分析機器を用い
ておこなった。 3−メチルシクロペンタデカン−1−オールのエステル
化率; ガスクロマトグラフィー:5880A (ヒューレットパッカ
ード(社)製) カラム:HP-20M(Carbowax 20M)50m ×0.2mm ×0.1 μm
(ヒューレットパッカード(社)製) 温度:200℃(定温) 光学活性ムスコンの旋光度; 旋光光度計:DIP−370(JASCO)
【0017】
【実施例】
(実施例1)シクロヘキサン10mlに3−メチルシク
ロペンタデカン−1−オール1g(4.16mmol)
を溶解し、その混合物中に酢酸イソプロペニル416m
g(4.16mmol)を加え、さらにリパーゼQL
(名糖産業(社)製、加水分解活性=30000 ユニット/
g、以下同様)500mgを加え、室温で6日間攪拌し
た。反応の進行は、ガスクロマトグラフィーで確認し、
原料と反応生成物の量がほぼ等しくなった時点をもって
反応の終点とした。反応終了後、酵素を除去し、エバポ
レーターを用いて溶媒を留去し、反応生成物と未反応物
の混合物を得た。得られた混合物から、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:
1(体積比))を用いて反応生成物を529mg(収率
45%)と未反応物465mg(収率46.5%)を得
た。得られた反応生成物はメタノール10mlに溶解
し、その後水酸化ナトリウム100mgを加え、1時間
還流する。反応終了後、反応溶液をジエチルエーテルで
抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去し、反応生成物を4
12mg(3−メチルシクロペンタデカン−1−オール
からの収率41.2%)得た。反応生成物は、アセトン
40mlに溶解し、ジョーンズ試薬を適量加え、その後
1時間撹拌する。反応終了後、反応溶液をジエチルエー
テルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
40:1(体積比))を用いて天然型の(R)−(−)
−ムスコンを398mg(3−メチルシクロペンタデカ
ン−1−オールからの収率40.1%)単離精製した。
更に、未反応物を上記と同様の方法で酸化し、(S)−
(+)−ムスコン423mg(3−メチルシクロペンタ
デカン−1−オールからの収率42.7%)を得た。
【0018】得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋
光度は[α]D 25 =−11.4°(C=1.02,メタ
ノール)であった。(R)−(−)−ムスコンの比旋光
度が[α]D =−11.7°(C=0.80,メタノー
ル)(Helv.Chim.Acta ,60巻、1977、925頁)である
ことから、上記の(R)−(−)−ムスコンの光学純度
が文献値と極めて近いと考えられる。また、得られた
(S)−(+)−ムスコンの比旋光度は[α]D 25 =−
11.3°(C=1.02,メタノール)であった。
【0019】(実施例2)トルエン100mlに3−メ
チルシクロペンタデカン−1−オール1g(4.16m
mol)を溶解し、その混合物中にコハク酸無水物41
6mg(4.16mmol)を加え、さらにリパーゼQ
L(名糖産業(社)製、加水分解活性=30000 ユニット
/g、以下同様)500mgを加え、室温で1週間攪拌
した。反応終了後、酵素を除去し、1M炭酸ナトリウム
水溶液で処理し、得られた水層に水酸化ナトリウム10
0mgを加えて1時間還流した。反応終了後、反応溶液
をジエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫
酸マグネシウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留
去し、反応生成物280mg(3−メチルシクロペンタ
デカン−1−オールからの収率28%)を得た。また、
酵素反応で未反応であったアルコールは有機層に残り、
有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去し、未反応物を69
0mg(収率69%)得た。反応生成物及び未反応物と
も実施例1と同様の方法で酸化し、それぞれ(R)−
(−)−ムスコン251mg(3−メチルシクロペンタ
デカン−1−オールからの収率25.3%)及び(S)
−(+)−ムスコン620mg(3−メチルシクロペン
タデカン−1−オールからの収率62.5%)を得た。
【0020】得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋
光度は[α]D 25 =−11.9°(C=1.02,メタ
ノール)であった。(R)−(−)−ムスコンの比旋光
度が[α]D =−11.7°(C=0.80,メタノー
ル)(Helv.Chim.Acta ,60巻、1977、925頁)である
ことから、上記の(R)−(−)−ムスコンの光学純度
は天然型とほぼ同じであると考えられる。また、得られ
た(S)−(+)−ムスコンの比旋光度は[α]D 25
−5.7°(C=1.13,メタノール)であった。 (実施例3)シクロヘキサン100mlに3−メチルシ
クロペンタデカン−1−オール10g(41.6mmo
l)を溶解し、そこへ酢酸イソプロペニル4.16g
(41.6mmol)を加え、さらにリパーゼQL(名
糖産業社製、加水分解活性=30000 ユニット/g以下同
様)2gを加え温室で14日間攪拌した。反応の進行
は、ガスクロマトグラフィーで確認し、原料と反応生成
物の量がほぼ等しくなった時点をもって反応の終点とし
た。反応終了後、酵素を除去し、エバポレーターを用い
て溶媒を留去し反応生成物と未反応物の混合物を得た。
得られた混合物にトリメトキシボラン1.08g(1
0.4mmol)を加え減圧蒸留(110〜130℃/
1mmHg)し、反応生成物を5.30g(収率45.
1%)と未反応物4.72g(収率47.2%)を得
た。得られた反応生成物はメタノール100mlに溶解
し水酸化ナトリウム1gを加え、1.5時間還流する。
反応終了後、反応溶液を酢酸エチルで抽出し飽和食塩水
で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾別後、減圧
下で溶媒を留去し、反応生成物を4.18g(3−メチ
ルシクロペンタデカン−1−オールからの収率41.8
%)得た。反応生成物は、70%アセトニトリル水溶液
100mlに溶解し、臭素酸ナトリウム2.63g(1
7.4mmol)、硝酸第二セリウムアンモニウム0.
95g(1.74mol)を加え1時間還流する。反応
終了後、反応溶液をジエチルエーテルで抽出し飽和食塩
水、重曹水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾
別後、減圧下で溶媒を留去する。残渣を減圧蒸留(17
0〜175℃/1mmHg)し(R)−(−)−ムスコ
ン(天然型ムスコン)を4.01g(3−メチルシクロ
ペンタデカン−1−オールからの収率40.4%)単離
精製した。更に、未反応物を酸性処理した後、上記と同
様の方法で酸化し、(S)−(+)−ムスコン4.25
g(3−メチルシクロペンタデカン−1−オールからの
収率42.9%)を得た。得られた(R)−(−)−ム
スコンの比旋光度は[α]D 25 =−11.5°(C=
1.02,メタノール)であった。(R)−(−)−ム
スコンの比旋光度が[α]D =−11.7°(C=0.
80,メタノール)(Helv.Chim.Acta ,60巻、1977、9
25頁)であることから、上記の(R)−(−)−ムス
コンの光学純度が文献値と極めて近いと考えられる。ま
た、得られた(S)−(+)−ムスコンの比旋光度は
[α]D 25 =−11.4°(C=1.03,メタノー
ル)であった。
【0021】
【発明の効果】本発明によって、出発原料である3−メ
チルシクロペンタデカン−1−オールは、4種類の立体
異性体が存在するが、ラセミムスコンの還元により得た
3−メチルシクロペンタデカン−1−オールを原料とし
た場合、水酸基の立体異性体がいかなる比率で存在しよ
うとも、光学活性ムスコンを大量に合成することが可能
となり、本発明の方法は、香料として有用な光学活性ム
スコンを工業的に製造することのできるきわめて有効な
方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学活性ムスコンの立体異性体を示す図であ
る。
【図2】本発明の光学活性ムスコンの製造方法を示す図
である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 で表わされるアルコールに、有機溶媒中でアシル化剤の
    存在下、細菌由来の加水分解酵素を作用させることによ
    り、不斉エステル化反応を行い、次いで加水分解し、そ
    の後酸化を行うことを特徴とする光学活性ムスコンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 該有機溶媒が、ジエチルエーテル、IP
    E、THF等のエーテル系溶媒、アセトン、アセトニト
    リル、ヘキサン、シクロヘキサン及びトルエンから成る
    群から選ばれる一種である請求項1記載の光学活性ムス
    コンの製造方法。
  3. 【請求項3】 アシル化剤が、酢酸ビニルエステル類、
    酢酸イソプロペニル、コハク酸無水物等の酸無水物及び
    ジケテンからなる群から選ばれる一種である請求項1記
    載の光学活性ムスコンの製造方法。
  4. 【請求項4】 光学活性ムスコンが、天然型の(R)−
    (−)−ムスコンである請求項1から3の何れか一項に
    記載の光学活性ムスコンの製造方法。
  5. 【請求項5】 化1で表わされるアルコールに、細菌由
    来の加水分解酵素を作用させることにより、不斉エステ
    ル化反応を行い、生成物であるエステル体と未反応物で
    あるアルコールを分離した後、加水分解し、次いで酸化
    することを特徴とする光学活性ムスコンの製造方法。
  6. 【請求項6】 光学活性ムスコンが、天然型の(R)−
    (−)−ムスコンである請求項5記載の光学活性ムスコ
    ンの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の未反応物であるアルコー
    ルを酸化することにより、得られることを特徴とする光
    学活性ムスコンの製造方法。
  8. 【請求項8】 光学活性ムスコンが、(S)−(+)−
    ムスコンである請求項7記載の光学活性ムスコンの製造
    方法。
JP16968197A 1997-06-12 1997-06-12 光学活性ムスコンの製造方法 Expired - Lifetime JP3852063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16968197A JP3852063B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 光学活性ムスコンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16968197A JP3852063B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 光学活性ムスコンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11189A true JPH11189A (ja) 1999-01-06
JP3852063B2 JP3852063B2 (ja) 2006-11-29

Family

ID=15890942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16968197A Expired - Lifetime JP3852063B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 光学活性ムスコンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3852063B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002335991A (ja) * 2001-05-11 2002-11-26 Toyotama Koryo Kk 新規シクロペンタデカン誘導体及びその製造法
JP2010022382A (ja) * 2009-11-04 2010-02-04 Takasago Internatl Corp 光学活性ムスコールの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002335991A (ja) * 2001-05-11 2002-11-26 Toyotama Koryo Kk 新規シクロペンタデカン誘導体及びその製造法
JP2010022382A (ja) * 2009-11-04 2010-02-04 Takasago Internatl Corp 光学活性ムスコールの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3852063B2 (ja) 2006-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0439779B1 (en) Process for producing optically active hydroxy lactones
JP3010497B2 (ja) 光学活性α―ヒドロキシエステル類の製造方法
JPH0856693A (ja) 光学活性エンド−2−ノルボルネオール類の製造方法
Chênevert et al. Enzymatic desymmetrization of meso-2, 6-dimethyl-1, 7-heptanediol. Enantioselective formal synthesis of the vitamin E side chain and the insect pheromone tribolure
WO1996000206A1 (fr) Procede pour la preparation de l'acide (+)-(1r)-cis-3-oxo-2-pentyl-1-cyclopentaneacetique
JP3852063B2 (ja) 光学活性ムスコンの製造方法
JPH047195B2 (ja)
JPH0889282A (ja) 立体異性アルコール混合物の分解方法
Takekawa et al. Fragmentation reactions of optically active trisubstituted cyclopropylcarbinyl radicals
KR930002029B1 (ko) 광학활성 화합물 및 이의 제조방법
JPH107618A (ja) エイコサペンタエン酸エステルの製造方法
JPH09278A (ja) 光学活性リナロールの製造法
JP3704731B2 (ja) 光学活性3−ヒドロキシヘキサン酸類の製造方法
JP3493043B2 (ja) 光学活性δ−ラクトンの製造法
JP4217805B2 (ja) 光学活性γ−ラクトンの製造方法
JP2002335991A (ja) 新規シクロペンタデカン誘導体及びその製造法
JPH08275796A (ja) 光学活性シクロプロパン誘導体の製造法
JP4106079B2 (ja) 光学活性エポキシアルコールの製造法
JPH08182498A (ja) 光学活性化合物の製造法
JPH069501A (ja) 光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン誘導体およびその製造法
JP2002226416A (ja) (−)−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタン−2−オール、その製法及びこれを含有する香料組成物。
JP2001169798A (ja) リパーゼを利用した光学活性アズレントリフルオロエタノール誘導体の両鏡像体の製造方法
JP4834208B2 (ja) (2s,3r)−2,3−エポキシ酪酸エステルの製造法
FR2677985A1 (fr) Procede de dedoublement de 1-diphenylphosphinyl-2-hydroxyalcanes par acylation enantioselective catalysee par un extrait lipasique, enantiomeres et leurs esters obtenus par le procede.
JPH09191892A (ja) 含硫黄光学活性アルコールの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term