JPH11192582A - アルミニウム材ろう付け用ペースト及びアルミニウム材 - Google Patents

アルミニウム材ろう付け用ペースト及びアルミニウム材

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JPH11192582A
JPH11192582A JP36944897A JP36944897A JPH11192582A JP H11192582 A JPH11192582 A JP H11192582A JP 36944897 A JP36944897 A JP 36944897A JP 36944897 A JP36944897 A JP 36944897A JP H11192582 A JPH11192582 A JP H11192582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう付け性を阻害することなく、耐溶剤性及
び貯蔵安定性を向上させる。 【解決手段】 アルミニウム材をろう付けするためのろ
う材粉末と;バインダー樹脂と;有機溶剤及び/又は水
と;から成り、バインダー樹脂が、活性水素含有基
(a)を有する高分子重合体(A)と、加熱により活性
水素と反応可能な官能基(b)を有する架橋剤(B)か
ら成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
から成る材料、即ち、アルミニウム材のろう付け(ブレ
ージング)に使用されるアルミニウム材ろう付け用ペー
スト及び、該ペーストが塗布されたアルミニウム材に関
する。更に詳しくは、自動車及び各種産業用アルミニウ
ム合金製エバポレーター、コンデンサー、ラジエター等
の熱交換器等を接合組立する際のろう付けに適するろう
付け用ペースト及び、該ペーストが塗布されたアルミニ
ウム材に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金製熱交換器の組立製造
は、一般に、下記のように行われる。即ち、押出形成さ
れた多穴管から成るチューブに対し、ろう(ろう材)を
母材にクラッドしたブレージングシートが使用されて、
フィンがろう付けされている。
【0003】しかし、近年では、熱交換器の小型化、軽
量化のために、特開平9−85483号公報に示すよう
に、薄肉化に限界があるろう材を母材にクラッドしたク
ラッドフィンをベアフィンに置き換えて、薄肉化し、チ
ューブ外面に、塗布により、ろう材粉末とバインダー樹
脂から成る被膜を形成して、チューブとフィンをろう付
けすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記バインダー樹脂と
しては、従来、多数の高分子化合物が提案されている。
しかしながら、これら高分子化合物は、何れも、有機溶
剤に対して可溶であった。そのため、熱交換器の製造工
程において、何らかの原因で、有機溶剤が上記被膜に付
着した際には、高分子化合物が溶出して、被膜、即ち、
ろう材粉末がチューブから剥離し易かった。このため、
ろう付け性が悪く、フィンをチューブに良好にろう付け
できないとの問題があった。
【0005】本発明者は、上記問題点及び貯蔵安定性
(経時安定性)を解決するために鋭意検討した結果、バ
インダー樹脂の基本骨格をなす高分子重合体を、特定の
架橋剤により、架橋して、高分子重合体を3次元的な網
目状とすることで、有機溶剤によるバインダー樹脂の溶
出を防止できることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム材
ろう付け用ペーストの特徴とするところは、アルミニウ
ム材をろう付けするためのろう材粉末と;バインダー樹
脂と;有機溶剤及び/又は水と;から成るアルミニウム
材ろう付け用ペーストにおいて、バインダー樹脂が、活
性水素含有基(a)を有する高分子重合体(A)と、加
熱により活性水素と反応可能な官能基(b)を有する架
橋剤(B)から成る点にある。尚、高分子重合体(A)
が、活性水素含有基(a)を有するエチレン性不飽和単
量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必
須構成単量体とする高分子共重合体とされることもあ
る。又、活性水素含有基(a)が、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基及びメルカプト基から成る群より選ばれ
る1種以上の官能基とされることもある。更に、官能基
(b)が、アミンイミド基、ヒドロキシアルキルアミド
基、アルコキシアルキルアミド基、ブロックイソシアネ
ート基及びブロックエポキシ基から成る群より選ばれる
1種以上の官能基とされることもある。又、本発明のア
ルミニウム材の特徴とするところは、上記アルミニウム
材ろう付け用ペーストにおける、ろう材粉末とバインダ
ー樹脂から成る被膜により被覆され、被膜1m2 当たり
の重量が10〜100gとされた点にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルミニウム材ろう付け用ペースト(ろう付け
用組成物、ろう付け用スラリー)は、アルミニウム材を
ろう付けするためのろう材粉末と;バインダー樹脂と:
有機溶剤及び/又は水;とから成る。
【0008】本発明のろう材粉末には、単独でろう材
として使用可能な金属や、アルミニウム材の表面と反
応し、低融点合金層を形成して、ろう材として寄与する
金属等が使用されるが、通常、各種アルミニウム合金が
使用される。このアルミニウム合金には、珪素(元素)
を通常よりも多量、即ち、10〜50wt%(重量%)
含有するものが望ましい。それは、ろう材粉末として、
通常よりも多量の珪素を含有するアルミニウム合金を使
用すれば、ろう付けされるアルミニウム材(被作業材、
被ろう付け材)に塗布するペースト量(即ち、ろう材粉
末、バインダー樹脂等)を低減でき、本発明の効果を十
分に発揮できるからである。尚、ろう材粉末を、珪素を
含有するアルミニウム合金とせずに、珪素粉単体とする
場合もある。
【0009】尚、ろう材粉末には、耐食性改善等の目的
で、珪素以外の亜鉛、鉄、銅、マンガン、スズ、インジ
ウム等の元素を、ろう付け性に悪影響を与えない量の範
囲で、添加してもよい。例えば、亜鉛は40wt%程度
まで添加しても、ろう付け性に悪影響を与える等の問題
はない。
【0010】又、ろう材粉末の粒径は5〜100μm程
度が望ましい。ろう材粉末の粒径が下限の5μm以下で
あると、ろう材粉末の製造コストが高くつくと共に、ろ
う材粉末に酸化被膜が形成され易くなり、ろう付け性が
阻害される。又、ろう材粉末の粒径が上限の100μm
以上になると、アルミニウム材に塗布されたペーストか
ら有機溶剤及び/又は水を実質上除去する乾燥工程で、
ろう材粉末がアルミニウム材上に留まらずに、バインダ
ー樹脂と共に落下し易くなり、アルミニウム材上にろう
材粉末を所定量付着させることが困難となる。
【0011】本発明のバインダー樹脂は、ろう材粉末を
アルミニウム材上に保持して、アルミニウム材上に、ろ
う材粉末とバインダー樹脂から成る均一な被膜を形成す
るためのものである。ろう付け用ペーストにおいて、ろ
う材粉末100重量部に対するバインダー樹脂の配合量
は、通常2〜200重量部、好ましくは、5〜100重
量部とされる。バインダー樹脂は、活性水素含有基
(a)を有する高分子重合体(A)と、加熱により活性
水素と反応可能な官能基(b)を有する架橋剤(B)か
ら成る。高分子重合体(A)中の活性水素含有基(a)
と架橋剤(B)中の官能基(b)の等量比(a)/
(b)は、通常、0.2〜5.0であり、耐溶剤性の点
から、好ましくは、0.5〜2.0である。
【0012】高分子重合体(A)の重量平均分子量は、
塗布性の点から、2,000〜1,000,000が好
ましい。高分子重合体(A)の溶解度パラメータ(以
下、単にSP値という)は、耐食性の点から、50.0
以下とされ、好ましくは、8.5〜30.0とされる。
尚、SP値はFedors法[Polym.Eng.S
ci.14(2)152,(1974)]によって算出
される値である。高分子重合体(A)は、活性水素含有
基(a)を有するものであれば、特に限定されないが、
好ましくは、活性水素含有基(a)を有するエチレン性
不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単
量体を必須構成単量体とする高分子共重合体である。高
分子重合体(A)中の活性水素含有基(a)の含有量
は、耐溶剤性及び耐ブロッキング性の点から、好ましく
は、0.2〜5.0mmol/g、更に好ましくは、
0.4〜2.0mmol/gである。
【0013】活性水素含有基(a)は特に限定されない
が、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びメ
ルカプト基から成る群(尚、上記任意の構成要素を削除
してもよい。)より選ばれる1種以上の官能基とされ
る。この内、臭気性の点からは、水酸基、カルボキシル
基が好ましい。
【0014】活性水素含有基(a)の高分子重合体
(A)への導入方法は、特に限定されないが、例えば、
下記の方法が挙げられる。即ち、活性水素含有基
(a)を有するエチレン性不飽和単量体(α)[例え
ば、マレイン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル
酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート等]と、他のエ
チレン性不飽和単量体(β)を共重合する方法と、高
分子重合体に有機過酸化水素系ラジカル重合開始剤[例
えば、ターシャリブチルパーオキシラウレート、ターシ
ャリブチルパーオキシアセテート等]を用いて、活性水
素含有基(a)を有するエチレン性不飽和単量体をグラ
フト重合する方法等である。
【0015】エチレン性不飽和単量体(β)としては、
例えば、オレフィン[例えば、炭素数2〜20のα−
オレフィン等]、共役ジエン[例えば、ブタジエン、
イソプレン等]、ビニル芳香族[例えば、スチレン、
α−メチルスチレン等]、ビニルエステル[例えば、
酢酸ビニル等]、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル[例えば、炭素数2〜20のアルキル基を有する(メ
タ)アクリレート等]、ビニルピリジン[例えば、N
−ビニルピリジン等]、ビニルラクタム[例えば、N
−ビニルピロリドン、3−メチル−N−ビニルピロリド
ン等]、ビニルイミダゾール[例えば、N−イミダゾ
ール、2−メチル−2−イミダゾール等];及びこれら
2種以上の混合物が挙げられる。この内、低温揮発分解
性の点から好ましいのは、上記(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルであり、更に好ましいのは、メタクリル
酸アルキルエステルである。
【0016】本発明において、加熱により活性水素と反
応可能な官能基(b)を有する架橋剤(B)の使用は、
耐ブロッキング性、貯蔵安定性及び耐溶剤性の点から有
用である。架橋剤(B)は特に限定されないが、架橋剤
(B)として、活性水素と低温でも反応可能な架橋剤
(例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化
合物等)を使用すれば、製造(配合)後のろう付け用ペ
ーストの貯蔵安定性(保存安定性)や作業性が劣り、好
ましくない。
【0017】官能基(b)としては、加熱により活性水
素と反応可能な官能基であれば、特に限定はなく、例え
ば、加熱により、イソシアネート化合物、エポキシ化合
物、ホルマリン化合物等を生じる官能基が挙げられる。
耐溶剤性、貯蔵安定性の点から、官能基(b)として、
好ましくは、アミンイミド基[例えば、1,1−ジメチ
ル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンイミド基
等]、ブロックイソシアネート基[例えば、オキシムブ
ッロクイソシアネート、メタノールブッロクイソシアネ
ート、カプロラクタムブッロクイソシアネート、フェノ
ールブッロクイソシアネート等]、ブロックエポキシ基
[例えば、炭酸ブロックエポキシ基等]、ヒドロキシア
ルキルアミド基[例えば、メチロールアミド基等]、ア
ルコキシアルキルアミド基[例えば、ブチロキシメチル
アミド基等]から成る群(尚、上記任意の構成要素を削
除してもよい。)より選ばれる1種以上の官能基とされ
る。架橋剤(B)1分子中に含有される官能基(b)の
数は、耐溶剤性の点から、通常、2個以上とされ、好ま
しくは、3個以上とされる。
【0018】本発明のろう付け用ペーストの構成成分と
される、有機溶剤及び/又は水の配合量(含有量)は、
特に限定されないが、ろう付け用ペーストが塗布(例え
ば、刷毛塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布、浸
積塗布等)のために適当な粘度を有するように、上記配
合量は調整される。有機溶剤は、特に限定されないが、
乾燥性の点から、沸点250℃以下のものが好ましい。
【0019】本発明のろう付け用ペーストには、ペース
トに付与する各機能に応じて、以下のものを添加しても
よい。例えば、ペーストに平滑性を付与する場合には、
ペーストに、低分子潤滑剤[例えば、メチルピロリド
ン、イソプロピルアルコール等]、高分子潤滑剤[例え
ば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタ
ン、コロイダルシリカ等]等を添加してもよい。
【0020】又、ろう付け用ペーストに防菌性や防かび
性を付与する場合には、ペーストに、防菌剤[例えば、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等]や、防か
び剤[2−チアゾール−4−(メチルスルホニル)ピリ
ジン等]を添加してもよい。
【0021】更に、ろう付け用ペーストに、塗布時の均
一塗布性を付与する場合には、ペーストに、レベリング
剤として、界面活性剤[例えば、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル等のノニオン活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸エステル等のアニオン
活性剤、アルキルアミン塩等のカチオン活性剤、N,
N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニ
ウムベタイン等の両性活性剤]を添加してもよい。
【0022】又、ろう付け時において、アルミニウム材
に対するフラックス塗布工程を省略する場合には、ろう
付け用ペーストに、フッ素系やセシウム系等のフラック
スを添加してもよい。
【0023】更に、ろう付け用ペーストの硬化速度を速
めることで、ろう付けの作業性を向上させる場合には、
ペーストに、酸触媒[例えば、パラトルエンスルホン
酸、リン酸ジブチルのような有機酸等]、アルカリ触媒
[例えば、トリブチルアミンのような有機アミン等]を
添加してもよい。
【0024】本発明のろう付け用ペーストを製造する際
には、ろう材粉末、バインダー樹脂及び必要により添加
される各種添加剤を、有機溶剤及び/又は水に、溶解、
可溶化、分散、懸濁させることで、容易に製造できる。
【0025】本発明のろう付け用ペーストの使用方法に
は、ペーストをアルミニウム材に塗布して、ペースト
から有機溶剤及び/又は水を実質上除去した後、加熱に
より、ペーストを硬化させる方法と、ペーストからの
有機溶剤及び/又は水の除去と、ペーストの硬化を、加
熱により、同時に行う方法がある。ろう付け用ペースト
から有機溶剤及び/又は水を実質上除去する方法には、
特に限定はなく、加熱除去、減圧除去、自然乾燥除去等
が挙げられる。ペーストから有機溶剤及び/又は水を実
質上除去した際には、アルミニウム材上に、ろう材粉末
とバインダー樹脂等から成る被膜が形成されるが、この
被膜1m2 当たりの重量は10〜100gとすることが
好ましい。ろう付け用ペーストを硬化させる際の加熱温
度は、架橋剤(B)中の官能基(b)が高分子重合体
(A)の活性水素含有基(a)中の活性水素と反応可能
となる温度以上であればよく、通常、80℃〜250
℃、好ましくは、100〜200℃とされる。
【0026】本発明のろう付け用ペーストを使用して、
アルミニウム材、即ち、アルミニウム合金から成る材料
がろう付けされる。尚、ろう付け用ペーストから有機溶
剤及び/又は水を実質上除去した際に形成される被膜
の、アルミニウム材に対する付着性や密着性を良好に
し、被膜の厚さを均一にして、被膜の剥離や被膜の厚さ
の不均一(ばらつき)によるろう付け後の局部的な未着
部(ろう付けされていない部分)の発生を防止するため
には、アルミニウム材の表面が10〜60μm程度の凹
凸を有することが望ましい。
【0027】又、上記アルミニウム合金の材質は、ろう
付けが行え、且つ、このアルミニウム合金により構成さ
れる製品や部品に要求される機能、用途及び目的等に適
合するものであればよい。例えば、押出しチューブの場
合には、チューブを構成するアルミニウム合金の材質
を、押出し性が良好なものとすればよく、又、熱交換器
の場合には、熱交換器を構成するアルミニウム合金の材
質を、耐食性等が良好なものとすればよい。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例を、比較例と比較しな
がら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0029】<製造例1>還流器のついた4つ口コルベ
ンに、メチルエチルケトン500部を入れて、攪拌しな
がら、75℃(表1の「A−1」の欄の「反応温度」の
項目参照)に加熱し、この温度を保持した。次に、不飽
和重合性高分子重合体(A)の構成成分として、下記の
反応性単量体(モノマー)を選択し、これら単量体の
内、NBMとHEMを、表1の「A−1」の欄の「組
成」の項目に示す割合で配合し、この配合したものを1
000部、重合開始剤である2,2−アゾビス(2−ア
ミジプロパン)ハイドロクロリド(以下AHC)5部
(表1の「A−1」の欄の「AHC量」の項目参照)、
トルエン500部を混合して、混合液を得た。この混合
液を、上記コルベン内に3時間かけて滴下し、5時間同
条件で攪拌後、AHC0.1部を添加して、更に3時間
攪拌した。次に、コルベン内からメチルエチルケトンを
減圧除去して、高分子重合体(A−1)を得た。
【0030】次に、表1の「A−2」〜「A−5」及
び、表2の「B−1」と「B−2」の欄に示すように、
反応性単量体の種類と配合割合、反応温度、AHC(重
合開始剤)の配合量のみを変更して、上記同様の操作を
行い、高分子重合体(A−2〜A−5)及び、架橋剤
(B−1、B−2)を得た。
【0031】[反応性単量体] NBM :ノーマルブチルメタクリレート IBM :イソブチルメタクリレート HEM :2−ヒドロキシエチルメタクリレート PPM :ポリプロピレングリコールモノメタクリレー
ト[日本油脂株式会社製ブレンマーPP500] AMI :1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプ
ロピル)アミンメタクリルアミド[イヌイ株式会社製イ
ミド−100] MOA :メチロールアクリルアミド
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】<製造例2>還流器のついた4つ口コルベ
ンに、メチルエチルケトンオキシム260部、イソホロ
ンジイソシアネートヌレート体740部、メチルエチル
ケトン500部を入れて、攪拌しながら60℃に加熱し
た。10時間同条件で攪拌後、コルベン内から、メチル
エチルケトン及び過剰のメチルエチルケトンオキシムを
減圧除去して、架橋剤(B−3)を得た。
【0035】<実施例1>JISA1050で規定され
るアルミニウム製円筒状ビレットを、多穴偏平管(高さ
1.8mm、幅16mm、19孔)に押出形成した後、
表面にブラスト処理を施して、チューブを得た。次に、
下記の表3の「実施例1」の欄に示すように、バインダ
ー樹脂を構成する高分子重合体(A)及び架橋剤(B)
成分として、上記高分子重合体(A−1)及び架橋剤
(B−1)を選択し、これらの活性水素含有基(a)と
官能基(b)の当量比(当量比の値)が1.0/1.0
となるように、高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B
−1)を配合し、触媒を使用せずに、バインダー樹脂を
製造した。
【0036】このバインダー樹脂に、ろう材粉末である
平均粒径40μmのAl−25Si−15Zn合金粉末
と、有機溶剤であるトルエンを配合して、ろう付け用ペ
ーストを製造した。尚、ペースト中のアルミニウム合金
粉末、バインダー樹脂、トルエンの重量比率は40:
6:54とした。このペースト中に上記チューブを浸積
して、チューブにペーストを付着させた後、150℃に
よる加熱処理を5分間(表3の「実施例1」の欄の「加
熱時間」の項目参照)行い、チューブ上のペーストから
トルエンを実質上除去して、チューブ上に、ペーストの
合金粉末とバインダー樹脂から成る被膜を形成した。
尚、被膜1m2 当たりの重量は30gであった。
【0037】<実施例2〜10>次に、表3の実施例2
〜実施例10の欄に示すように、高分子重合体(A)成
分、架橋剤(B)成分、加熱時間のみを変更して、実施
例1と同一条件の処理を行い、実施例2〜10のろう付
け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成された実施例
2〜10のチューブを得た。
【0038】<実施例11>活性水素含有基(a)と官
能基(b)の当量比(当量比の値)が0.8/1.2に
なるように、高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B−
1)を配合したこと以外は、実施例9と同一条件の処理
を行い(表3の実施例11の欄参照)、ろう付け用ペー
ストと、該ペーストの被膜が形成されたチューブを得
た。
【0039】<実施例12>活性水素含有基(a)と官
能基(b)の当量比(当量比の値)が1.2/0.8に
なるように、高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B−
1)を配合したこと以外は、実施例9と同一条件の処理
を行い(表3の実施例12の欄参照)、ろう付け用ペー
ストと、該ペーストの被膜が形成されたチューブを得
た。
【0040】<実施例13>バインダー樹脂の製造時
に、触媒として、0.5wt%のリン酸ジブチルを使用
したことと、加熱時間を1分にしたこと以外は、実施例
9と同一条件の処理を行い(表3の実施例13の欄参
照)、ろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成
されたチューブを得た。
【0041】<比較例1〜5>表3の比較例1〜5に示
すように、バインダー樹脂を、高分子重合体(A−1)
〜(A−4)の何れかのみから構成したことと、加熱時
間を1分にしたこと以外は、実施例1と同一条件の処理
を行い、比較例1〜5のろう付け用ペーストと、該ペー
ストの被膜が形成された比較例1〜5のチューブを得
た。
【0042】<比較例6>表3の比較例6に示すよう
に、バインダー樹脂を、高分子重合体(A−1)と架橋
剤(B−4)から構成したこと以外は、実施例9と同一
条件の処理を行い、ろう付け用ペーストと、該ペースト
の被膜が形成されたチューブを得た。尚、架橋剤(B−
4)として、イソホロンジイソシアネートヌレート体を
使用した。
【0043】次に、上記実施例及び各比較例のろう付け
用ペースト及びチューブについて、下記に示すように、
ろう付け性、耐溶剤性、貯蔵安定性の各試験を行った。
結果を表3に示す。
【0044】<試験方法> (1)ろう付け性 チューブを60mmに切り出した。次に、波形(コルゲ
ート)加工された板厚0.07mmのAl−0.5Si
−1Fe−0.5Ni−2Zn合金製フィンの20波分
(尚、1波は、山と谷から成る。)と、上記切り出され
たチューブを組み合わせて、ミニコアを作成した。この
コアにフッ素系のフラックスを塗布した後、窒素雰囲気
下で、コアを、600℃の温度で3分間加熱して、チュ
ーブ上における、合金粉末とバインダー樹脂から成る被
膜からバインダー樹脂を揮発させ、フィンとチューブを
20箇所(即ち、フィンにおける、各波のチューブ側に
突出する山部分)でろう付けした。その後、上記20箇
所のろう付け部分の内、完全に接合(ろう付け)されて
いる箇所の数を数え、(完全に接合(ろう付け)されて
いる箇所数)/20を、フィン接合率として、評価し
た。フィン接合率が95%以上のものを○、それ以下を
×とした。
【0045】(2)耐溶剤性 チューブを温度30℃のトルエン中に10分間浸積する
「浸積試験」を行って、チューブ上の被膜の溶出状況を
観察した後、チューブをトルエン中から取り出し、チュ
ーブ表面にトルエンが残存する状態で、チューブをガー
ゼにより擦る「剥離試験」を行って、被膜の剥離状況を
観察した。そして、剥離試験後でも被膜の剥離が認めら
れないものを◎、浸積試験では被膜が溶出しないが剥離
試験では被膜が一部剥離するものを○、浸積試験で被膜
が一部溶出するものを△、浸積試験で被膜が完全に溶出
するものを×とした。
【0046】(3)貯蔵安定性 ろう付け用ペーストを45℃の温度で保存して、使用不
能になるまでの日数を求めた。
【0047】
【表3】
【0048】表3を見れば、実施例では、全ての試験結
果が良好であるが、比較例では、何れかの試験結果が悪
いことが分かる。
【0049】
【発明の効果】以上記述したように、本発明によれば、
バインダー樹脂を、活性水素含有基を有する高分子重合
体と、加熱により活性水素と反応可能な官能基を有する
架橋剤から構成することにより、ろう付け性を阻害する
ことなく、耐溶剤性及び貯蔵安定性を向上でき、これに
より、熱交換器メーカーの製造時や貯蔵時における、ろ
う付け用ペーストの取り扱いを極めて容易化でき、産業
上顕著な効果を奏することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土公 武宜 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気工 業株式会社日光事業所内 (72)発明者 太田 義久 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内 (72)発明者 中野 智治 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材をろう付けするためのろ
    う材粉末と;バインダー樹脂と;有機溶剤及び/又は水
    と;から成るアルミニウム材ろう付け用ペーストにおい
    て、 バインダー樹脂が、活性水素含有基(a)を有する高分
    子重合体(A)と、加熱により活性水素と反応可能な官
    能基(b)を有する架橋剤(B)から成るアルミニウム
    材ろう付け用ペースト。
  2. 【請求項2】 高分子重合体(A)が、活性水素含有基
    (a)を有するエチレン性不飽和単量体と(メタ)アク
    リル酸アルキルエステル単量体を必須構成単量体とする
    高分子共重合体とされた請求項1記載のアルミニウム材
    ろう付け用ペースト。
  3. 【請求項3】 活性水素含有基(a)が、水酸基、カル
    ボキシル基、アミノ基及びメルカプト基から成る群より
    選ばれる1種以上の官能基とされた請求項1又は2記載
    のアルミニウム材ろう付け用ペースト。
  4. 【請求項4】 官能基(b)が、アミンイミド基、ヒド
    ロキシアルキルアミド基、アルコキシアルキルアミド
    基、ブロックイソシアネート基及びブロックエポキシ基
    から成る群より選ばれる1種以上の官能基とされた請求
    項1〜3の何れかに記載のアルミニウム材ろう付け用ペ
    ースト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のアルミニ
    ウム材ろう付け用ペーストにおける、ろう材粉末とバイ
    ンダー樹脂から成る被膜により被覆され、被膜1m2
    たりの重量が10〜100gとされたアルミニウム材。
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