JPH1119954A - 位相差フィルムの製造方法およびその装置 - Google Patents

位相差フィルムの製造方法およびその装置

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JPH1119954A
JPH1119954A JP17835497A JP17835497A JPH1119954A JP H1119954 A JPH1119954 A JP H1119954A JP 17835497 A JP17835497 A JP 17835497A JP 17835497 A JP17835497 A JP 17835497A JP H1119954 A JPH1119954 A JP H1119954A
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film
stretching
temperature
retardation
drying
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JP17835497A
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English (en)
Inventor
Masahiro Hosoi
正広 細井
Tamiaki Nagoshi
民明 名越
Seiichiro Suzuki
誠一郎 鈴木
Ichiro Okamoto
一郎 岡本
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚み、レターデーションの範囲、並びに微小
な範囲のレターデーションの斑が小さく、遅相軸の大き
さも小さく良好でかつ均一性に優れており、また透明性
に優れ、スクラッチや擦り傷が無い、光学用途に好適な
高分子の位相差フィルムを製造する。 【解決手段】 高分子の溶液を支持体上に流延し、液膜
を形成し支持体より剥離して乾燥した後、一軸延伸し、
冷却して位相差フィルムを製造する方法において、該一
軸延伸を第1段階の延伸および第2段階の延伸で行な
い、かつ該第2段階の延伸を該第1段階の延伸の温度よ
りも1〜20℃高い温度で行って位相差フィルムを製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流延製膜法により高
分子のフィルムを一軸延伸して位相差フィルムを製造す
る方法およびその装置に関する。更に詳細には、高分子
のフィルムを走行方向に一軸延伸してレターデーション
(複屈折率と厚みの積)の斑(位相差補償フィルムとし
たときの色斑、視野角特性の斑)などを発生しないフィ
ルムの製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光透過性でかつ複屈折性を有する熱可塑
性高分子フィルムによる位相差板は防眩材料として、ま
た、F−STN方式の液晶表示装置における位相差補償
板としてその用途が広がっている。高分子フィルムの位
相差板は、延伸による分子配向によって生じる複屈折性
を利用するものである。この位相差板の製造方法として
各種の高分子フィルムを一軸延伸によって製造する方法
は既に知られている。一般には固有複屈折性の大きいポ
リカーボネート系樹脂を一軸延伸したものが用いられて
いる。従来の技術として、縦一軸延伸法による位相差フ
ィルム及びその製造方法に関し、いくつかの技術が提案
されている。これらを主要技術課題と対比して見るなら
ば、次のように要約される。
【0003】特開平2−191904号公報には、主に
ポリカーボネート系樹脂フィルム又はシートについて、
ロール間距離がフィルム幅の5倍以上となる条件で、延
伸軸と直交する方向の長さと延伸前の長さの比が1/延
伸倍率の平方根〜1/延伸倍率の3乗根、すなわちネッ
クイン率を(1−1/延伸倍率の平方根)×100%〜
(1−1/延伸倍率の3乗根)×100%となるように
幅方向に一定の収縮を行い得る二軸延伸機を用いて延伸
する方法、又は縦一軸に自由幅で延伸する方法が提案さ
れている。しかし、この製造方法においてはロール間距
離を5倍以上に設定する必要があるため巨大な延伸装置
を要し、また、延伸ロール間にガイドのためのフリーロ
ールを要する等の設備上の制約が大きいという問題点が
ある。
【0004】また、特開平3−235902号公報に
は、ポリカーボネート重合体フィルムを縦一軸延伸して
作る位相差フィルムの製造方法において、延伸域の中に
前記フィルムのガラス転移温度からガラス転移温度より
10℃低い温度までの温度である熱緩和域を有する、視
野角特性の向上した平面性の良好な位相差フィルムの製
造方法が記載されている。また延伸を行う2対のロール
間の距離とフィルム幅の比が5以上である方法も記載さ
れている。この方法もやはり、巨大な延伸装置を要する
という設備上の制約が大きいという問題点がある。また
この製造方法においては、延伸域の中に前記フィルムの
ガラス転移温度から、ガラス転移温度より10℃低い温
度までの温度である熱緩和域を有するようにするが、こ
の熱緩和方法はその温度条件がガラス転移温度よりも低
い温度であるため、緩和のために要する時間が極めて長
く必要であるという問題があり、視野角特性の優れた位
相差フィルムを製造するにはまだ問題が残されている。
【0005】この点に着目して、特開平5−15011
5号公報には巨大な設備を要する等の設備上の制約が少
なく、より視野角の広いポリカーボネート系位相差板を
容易に製造できる方法が提案されている。これは延伸時
のニップロール間のフィルムの長さを公知文献より小さ
く、フィルム幅の1〜3倍にとり、特定の温度、倍率条
件下で一軸延伸するものである。この製造方法において
は、一軸延伸を行う時にフィルムがニップロール部分で
滑りを起こし、フィルム面にスクラッチが入ることがあ
る。この防止のためにはニップの位置を微妙に調整する
か又は延伸前の加熱ロールの温度を調整するかして延伸
点(又は延伸線)を微妙に制御し延伸点がロール上に乗
らないように制御しないとスクラッチが出やすいという
問題がある。また、延伸開始点では延伸張力がかかり、
幅の収縮が起こるためにフィルム幅方向で縦しわが(巾
方向の端部では内向き斜め方向に、センター部付近では
縦方向にほぼ並行に)入り、ロール表面へのフィルム接
触が悪くなる部分を生じる。その結果、幅方向で温度差
のある不均一延伸となる結果レターデーション値の斑や
遅相軸の角度の斑を生じ易いという問題がある。更に、
フィルムの幅方向で延伸線が曲がる(幅方向の中央部の
延伸が遅れ、両端部が早まる)いわゆるバウイング現象
が起こり、遅相軸の角度がフィルムの幅方向で(フィル
ムの両端部に向かって角度が大きくなるような)斑が発
生する問題やレターデーション値の範囲や微小な範囲の
レターデーション値のバラツキが大きくなるという問題
がある。
【0006】また、特開平8−101306号公報には
フィルムを縦一軸延伸する位相差板の製造方法におい
て、熱可塑性樹脂フィルムの幅方向に温度勾配を設けて
縦一軸延伸する方法も開示されている。この方法は確か
に効果があると思われるが延伸前のフィルムの特性に応
じて温度勾配を微妙に付ける必要が生じ、実際は製造上
の制約条件を大幅に増やすなどの問題がある。即ち、フ
ィルムの幅方向の温度を微妙に制御できたとしても、レ
ターデーション値の斑を決める要因はフィルムの厚みの
幅方向の斑にもあり、フィルムが変わる都度そのフィル
ムの厚み斑に合わせて、その温度をフィルム幅方向で微
妙に制御する等煩雑な操作も必要になるという問題があ
る。
【0007】更に、延伸時に生じる光学斑を解消する方
法として延伸時のフィルム中の溶媒量を規定する方法が
開示されている。これらの公知文献として特開平4−2
82212号公報、特開平4−204503号公報、並
びに特開平5−113506号公報等をあげることがで
きる。これらの方法は溶媒量を比較的多くして一軸延伸
を行うものである。これらの方法によれば含有溶媒量に
応じて見かけ上のガラス転移温度は下がるから、確かに
比較的低温で延伸を実施できる利点がある。
【0008】特開平4−282212号公報には残留溶
媒と温度によって決定される膜の降伏値以下の条件で膜
にかけるテンションと乾燥温度とを規制することを特徴
とする位相差膜の製造方法が記載されている。この方法
は別に熱処理の工程を必要としない適当な位相差を有す
る流延製膜法による位相差膜の製造方法を提供するもの
である。この方法は含有溶媒フィルムの降伏値の差を利
用して延伸(開始)をする方法である、この方法では延
伸開始線を幅方向で一直線にするのが難しいため、幅方
向のレターデーション斑を生じやすい問題がある。
【0009】特開平4−204503号公報には延伸直
前のフィルムの溶媒含有量を固形分基準で2〜10%に
して延伸することを特徴とする斑の発生の少ない品質の
良好な位相差フィルムの製造方法が記載されている。こ
れは位相差フィルムの光学的斑が延伸工程時の流延製膜
に含まれる溶媒量を規制することによって解消できるこ
とを見いだした結果発明されたものである。この方法で
は、延伸を行う前の残留溶剤の量が多いので延伸後目標
の残留溶媒量にするためには乾燥設備の巨大化又は著し
い生産速度の低下が避けられないという問題がある。溶
媒含有量が多いフィルムを延伸するためレターデーショ
ン値を所望の値に合わせることや、微小なレターデーシ
ョンの斑を制御することが難しい。乾燥の能力が低いと
溶媒含有量がフィルム面内において不均一で、部分的に
延伸性に差が生じこれにより延伸後の複屈折斑が生じる
ことが原因である。
【0010】特開平5−113506号公報には、溶媒
含有量が固形分基準で3〜10%の範囲にあるときに1
55℃以上、175℃以下の雰囲気内において、延伸す
る視野角特性に優れた位相差フィルムの製造方法が記載
されている。
【0011】この方法はしかし、延伸時のフィルム中の
溶媒量が多いために延伸工程で加熱による溶媒の急激な
蒸発が起こり微小な気泡が発生する問題が起こる他、延
伸フィルムの均一性(光学的均一性)を制御するのが容
易で無いばかりでなく、延伸処理後にも残量溶媒が残り
やすく、この残存溶媒が液晶表示装置用の部品を作成す
るときに悪影響を及ぼす場合がある。延伸後の残存溶媒
量を更に少なくしようとすれば、乾燥のための工程を追
加する必要があるなどの課題がある。また、視野角特性
も改善されるが、残存溶媒量の多い状態で延伸するた
め、この溶媒の可塑化効果によりレターデーション値が
上がりにくいとか、視野角特性の改良も不十分であると
いう課題もある。これらの中で特に大きい問題は局部的
にフィルムの不均一性(レターデション値の斑、微小レ
ターデーション値の斑、遅相軸の斑)が起こり易いとい
う問題がある。
【0012】特開平8−211224号公報には溶媒含
有量を2重量%未満である状態で延伸する技術が提案さ
れている。この方法は、高濃度溶媒含有によって部分的
に延伸性に差が生じこれにより延伸後の膜厚及び高分子
の配向性、即ち、複屈折性に斑を生じることを改良する
ためのものである。しかし、含有溶媒量を減らして延伸
するにしても延伸前のフィルムのレターデーション値や
遅相軸の角度などを厳密に制御して延伸しなければ均一
な特性のフィルムを製造することは極めて難しい。ま
た、延伸開始点でフィルムに発生する縦皺を防止しなけ
れば微小な範囲での位相差斑を生じ、品質の優れた位相
差フィルムを作るにはまだ問題が残されている。
【0013】また特開平4−84106号公報にはポリ
カーボネートフィルムをガラス転移温度以下でかつ弾性
変形限界内でロール間で一軸延伸する位相差フィルムの
製造法が記載されている。また特開平4−84107号
公報にはポリカーボネートフィルムを2対以上の周速度
の異なるロール間で一段当たりの延伸倍率が3%以下で
あるように多段一軸延伸する位相差フィルムの製造法が
記載されている。前者のガラス転移温度以下の温度でロ
ール間で一軸延伸する方法では引っ張りの応力が極めて
高くなるためフィルムが延伸直前のロール面上で滑り、
滑り傷を発生しやすくなるという問題がある。また後者
の多段一軸延伸の場合には、高い延伸応力による滑り傷
は起こり難くなるが、多段延伸のため各延伸ロールの速
度をフィルム厚みの変化等に応じて微妙に変化させるこ
とが必要となり、操作が煩雑になる問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】位相差用フィルムの製
造における技術課題、位相差板の備えるべき特性は次の
ように要約される。
【0015】1)透明性が優れることに加えて、フィル
ムの外観欠点、例えば擦り傷やスクラッチ、フィルムの
波打ち等が無く、平坦性が良いこと。
【0016】2)レターデーション値の変化の範囲及び
遅相軸の角度の変化の範囲が小さいこと。液晶表示画面
の大型化にともなって、部材も大型化する必要から各種
の問題が顕在化している。即ち、フィルムの小さい範囲
でなら比較的容易に制御できた特性値も、大型化にとも
なって、より広く大きいフィルムにおける特性の均一性
が要求されている。例えば、位相差フィルムの面内にお
いて相互に10cm離れた2点間のレターデーション値
の差が5nmを超えると、液晶表示装置に生じた色斑が
肉眼でも識別でき、液晶表示装置として使用できないと
されている。これより、ロール状に巻かれたフィルムの
巾方向、長さ方向のどの場所でレターデーション値を測
定してもその範囲が5nm以下であることが要求され
る。また遅相軸に関しても同様にフィルムロールのどの
場所で部材を切りとっても均一であることが要求されて
いる。
【0017】3)微小な範囲のレターデーションの斑が
小さいこと。微小な範囲の例えば,フィルム面上で10
mm離れた点のレターデーション値の差が1.5nm以
下であることが要求されている。この値を超える場合に
は偏光板間にフィルムを挟んで見た場合に色斑が検知さ
れる場合があり得るし、位相差板同士や位相差板を偏光
板とを複数枚重ねて液晶表示素子として用いた場合にレ
ターデーション値の斑が加算されることがあり、色斑と
なって検知されるため問題になる。
【0018】4)視野角特性を極力大きくすること。視
角を大きくした場合にも液晶表示装置の表示が良好に見
えるようにする必要がある。液晶表示装置の画面の大型
化にともない、そこで使用される位相差フィルムの大き
さも大きくなり必然的により大きな面での特性値の均一
性の要求が増大する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決のため、溶液キャストフィルムの一軸延伸のメカニ
ズムを鋭意検討の結果下記の如き知見を得て、本発明に
到達した。
【0020】本発明において、(1)高分子溶液を支持
体上に流延し、(2)形成された液膜を支持体より剥離
して、(3)乾燥した後、(4)一軸延伸し、位相差フ
ィルムを製造する方法において、該一軸延伸工程(4)
を第1段階の延伸および第2段階の延伸で行ない、かつ
該第2段階の延伸を該第1段階の延伸の温度よりも1〜
20℃高い温度で行って位相差フィルムを製造する。
【0021】本発明において用いられる高分子について
は、希望するフィルムの諸特性が得られるものであれば
特に制約はない。高分子としては例えばポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレ
ート、ポリスチレン、トリアセチルセルロースなど従来
公知のもので溶液流延法で製膜できるものが挙げられ
る。すなわち溶液流延法に必要な濃度、粘度を持った溶
液を形成する高分子溶液であれば本発明方法に適用でき
る。これらのなかでもとくにポリカーボネートが好まし
い。
【0022】一般に、ポリカーボネートと総称される高
分子材料は、重縮合反応が用いられ主鎖が炭素結合で結
ばれているものを総称する。これらのうちでもビスフェ
ノール誘導体と、ホスゲン或いはジフェニールカーボネ
ートから重縮合反応により得られるものを意味する。経
済性及び物性面からビスフェノールAと呼称されている
2、2ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフ
ェノール成分とする繰り返し単位で表される芳香族ポリ
カーボネートが好ましく使用されるが、適宜各種ビスフ
ェノール誘導体を選択することで、ポリカーボネート共
重合体を構成することが出来る。
【0023】かかる共重合成分として、ビス(4ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4ヒドロキシ
フェニル)フルオレン、1,1−ビス(4ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5トリメチルシクロヘキサン、2,
2−ビス(4ヒドロキシ−3メチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)−2フェニ
ルエタン、2,2ビス(4ヒドロキシフェニル)1,
1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロパン、ビス(4
ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4ヒド
ロキシフェニル)サルファイド、ビス(4ヒドロキシフ
ェニル)スルフォン等をあげることができる。更に、こ
れらのフェニル基の水素基が一部メチル基やハロゲン基
で置換されているものも含む。
【0024】また、一般にテレフタル酸及び/又はイソ
フタル酸成分を含むポリエステルカーボネートを使用す
ることも可能である。このような構成単位をビスフェノ
ールAからなるポリカーボネートの構成成分の一部に使
用することによりポリカーボネートの性質、例えば耐熱
性、溶解性を改良することができるが、このような共重
合体も本発明では用いることができる。
【0025】本発明において用いられるポリカーボネー
ト系樹脂は、濃度0.5g/dlの塩化メチレン溶液中
20℃での粘度測定から求めた粘度平均分子量で、1
0,000以上200、000以下、好ましくは20,
000以上120,000以下の範囲が好適に用いられ
る。粘度平均分子量が10、000より低い樹脂を使用
すると得られるフィルムの機械的強度が不足する場合が
ある。また200,000以上の高分子量になるとドー
プ粘度が高くなりすぎて溶解やキャスト工程での取り扱
い上問題を生じるので好ましくない。
【0026】本発明の高分子溶液において用いられる溶
媒系としては塩化メチレンを主体とする溶媒や1,3−
ジオキソランを主体とする溶媒が挙げられる。
【0027】ポリカーボネートの溶液を調製する具体的
方法としては、塩化メチレン中にポリカーボネートを投
入攪拌して溶解する方法が挙げられる。要すれば、予め
塩化メチレン中に剥離助剤として所定量のエタノールを
混合しておき、そこにポリカーボネートを投入して室温
で攪拌溶解する。このようにして得られた溶液を、公知
の方法でスチールベルトやドラム又は支持体フィルム
(一般的にはポリエステルの2軸配向フィルム)面上な
どに、キャストし、乾燥して半乾きの状態(この時の含
有溶媒量は約20wt%以下である)で支持体より剥離
する。
【0028】ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リアリレート、ポリスチレン、トリアセチルセルロース
の各溶液についても同様に塩化メチレンを主体とする溶
媒や1,3−ジオキソランを主体とする溶媒にこれらの
樹脂を溶解させることにより調製することができる。
【0029】本発明において高分子溶液の濃度を10〜
30重量%、より好ましくは15〜25重量%に調製す
ることにより溶液流延法により好適にフィルムを製膜す
ることができる。
【0030】本発明においては、乾燥工程(3)は、
(3−1)ピンテンターにてフィルムを把持しつつ乾燥
する工程、および(3−2)ロール懸垂型乾燥装置を用
いて乾燥する工程からなることが好ましい。
【0031】乾燥工程(3−1)において、支持体より
剥離して得られた溶媒含有フィルムはピンテンターにて
その両端を把持された(通常はピンで突き刺し固定して
搬送する)状態で連続的に加熱乾燥することができる。
この工程で大量の溶媒の蒸発が起こるためにフィルムが
収縮する。その収縮に対応して収縮応力が発生し、レタ
ーデーション値や遅相軸の斑が発生するので収縮応力を
緩和するようにピンテンター把持時のフィルム幅と熱風
温度とを所望の設定値に調節することが好ましい。
【0032】その加熱温度は温度(Tg2+10)〜
(Tg2+90)℃に制御することが好ましい。 (Tg
2(℃)は溶媒を含有する高分子フィルムのガラス転移
温度であり、この温度は乾燥が進むにつれ残留溶媒含有
量の減少とともに上昇する。)具体的にはポリカーボネ
ート溶液の場合は90〜130℃に制御することが好ま
しい。
【0033】ピンテンターの熱風温度が(Tg2+1
0)℃より低い場合には溶媒の乾燥が十分に行われない
ために次のロール懸垂型乾燥装置における乾燥工程にお
いて含有溶媒の影響により延伸直前のフィルムの特性を
制御できないことがある。また、熱風温度が(Tg2
90)℃を超える場合には特に光学特性(レターデーシ
ョン値や遅相軸並びにそれらの分布)が所望の値からは
ずれてしまうことがある。
【0034】またピンテンターで高分子のフィルムを、
把持した後ピン間距離即ち延伸軸と直交する方向のフィ
ルムの長さが2〜5%収縮するようにピン間距離を制御
することが好ましい。ピンテンターの高分子フィルム把
持のピン間距離の縮小量を2%よりも少なくした場合、
溶媒蒸発による収縮応力が大のためレターデーション値
や遅相軸の大きさや分布が所望の値にならないことがあ
る。また、ピン間距離の縮小量を5%よりも大きくした
場合、ピンテンター中の走行中にフィルムが垂れ下がり
その結果フラット性が悪くなり次の工程で走行不良が生
じることとなり、本発明の目的が達成できなくなること
がある。ピンテンターの出口においてはフィルムを冷風
で室温まで冷却し構造を固定することができる。
【0035】上記(3−1)のピンテンターにおける乾
燥工程後の高分子のフィルムの特性値は、残留溶媒量
3.5〜4.5wt.%、レターデーション値10〜1
5nmおよび、遅相軸の角度−10〜+10度を満足す
るものであることが好ましい。
【0036】続いて、ピンテンターのピンで把持した約
50mmの両エッジ部を切除することが好ましい。両エ
ッジ部を切除しない場合にはピンの突き刺し部がでこぼ
こしており次の工程へ搬送するためのロール面上をフィ
ルムがスムースに走行しなかったり、ピンの突き刺し孔
等から生じた白粉(ピンによる削れ粉)がフィルムの製
品になる部分に付着し汚染することがある。
【0037】次いで、フィルムをロール懸垂型乾燥装置
に通膜し、上記(3−2)のロール懸垂型乾燥装置を用
いる乾燥工程によりさらに乾燥させることが好ましい。
またこの工程は延伸前のフィルムの予熱処理工程も兼ね
ている。
【0038】ロール懸垂型乾燥装置の乾燥処理条件は、
温度(Tg3−20)〜(Tg3+10)℃、張力1〜
2.5Kg/cm2程度が好ましい。(Tg3(℃)は溶
媒を含有する高分子フィルムのガラス転移温度であり、
この温度は乾燥が進むにつれ残留溶媒含有量の減少とと
もに上昇する。)
【0039】上記(3−2)のロール懸垂型乾燥装置で
乾燥処理した後の、一軸延伸工程に供せられるフィルム
の望ましい特性値は、とくにポリカーボネート溶液から
のものについて含有溶媒量:0.5〜2.0wt.%、
より好ましくは0.5〜1.6wt.%。レターデショ
ン値:10〜20nm、より好ましくは10〜15n
m、及び遅相軸の角度:−7〜+7度を同時に満足する
ように制御することが望ましい。これらの特性値が上記
の範囲を外れる場合、次の延伸の工程で良い条件を見い
だすことができず特性の優れた位相差フィルムを製造す
ることが難しい。
【0040】一軸延伸工程に供せられるロールに巻き掛
けられた高分子フィルムはニップロールでおさえること
が好ましい。また延伸は延伸直前のニップロール又はピ
ンチロール上で実質的に起こることなく、フィルムがニ
ップロールを離れた直後に開始することが好ましい。該
フィルムの延伸線(延伸開始線)がフィルムの幅方向に
渉って湾曲(いわゆるバウイング)しないように延伸を
開始することが好ましい。
【0041】上記(4)の一軸延伸工程では高分子フィ
ルムを所定倍率一軸延伸するが、本発明において該一軸
延伸を第1段階の延伸および第2段階の延伸で行ない、
かつ該第2段階の延伸を該第1段階の延伸の温度よりも
1〜20℃高い温度で行う。一軸延伸を2段階の温度で
行うことによりレターデーション(複屈折率と厚みの
積)の斑(位相差補償フィルムとしたときの色斑、視野
角特性の斑)などを発生しないフィルムを製造すること
ができる。
【0042】本発明における第1段階の延伸の温度は
(Tg1+10)℃〜(Tg1+35)℃が好ましい。さ
らに第2段階の延伸の温度は第1段階の延伸温度よりも
5〜10℃高い温度が好ましい。(ここで言うところの
Tg1とは溶媒を含有する場合のガラス転移温度のこと
であり、この温度は乾燥が進むにつれ残留溶媒含有量の
減少とともに上昇する。) 延伸温度をこのように設定することによって一軸延伸に
おけるフィルムの幅方向の自由収縮により、延伸方向の
主屈折率をnx、延伸方向に直交方向の主屈折率をny
厚み方向の屈折率をnzとしたときのnyの低下とnz
上昇がおこり易く、また縦方向の弛緩の寄与も効いて、
視野角特性を向上させることができる。延伸の温度が
(Tg1+10)℃以下の場合には、この縦と横方向の
分子鎖の弛緩が起こりにくいからこの様な場合にはこの
弛緩の時間を長く採ることが必要となり、ロール間長を
長大とするか、又は熱弛緩のための工程が別途必要とな
る。
【0043】第1段階の延伸温度が(Tg1+35)℃
より高い場合には分子鎖の配向をあげることが難しくな
り、得られるフィルムのレターデーション値の斑が増大
することがある。延伸温度は延伸後の残留溶媒量を極力
少なくするためや幅方向の高分子鎖の配向緩和を十分に
して視野角特性を向上させるためにも上記温度範囲の中
でも比較的高温度を採ることが好ましい。
【0044】第1段階の延伸は延伸倍率1.1〜3.2
倍であり、第2段階の延伸は延伸倍率1.01〜1.2
0倍であることが好ましい。ここでいう延伸倍率とは第
1段階、第2段階の延伸ともに延伸前の元の長さに対し
ての延伸倍率を意味する。
【0045】延伸ロールと延伸終了後のロール間でフィ
ルムを空気噴流で加熱して第1段階の延伸を実施する。
空気噴流は幅方向で均一に熱風がでるようにしたスリッ
トノズルによって、延伸ロールをフィルムが離れる直後
に吹き付け、延伸が開始されるようにすることが好まし
い。熱風の噴流の速度はフィルムへの熱伝達率を極力ア
ップするため15〜30m/secの範囲が好ましい。
このための装置として、空気浮遊式の熱風装置を好まし
く用いることができる。延伸中のフィルム全面にわたっ
て熱風を吹きつける上で、また熱風の風速、熱風の温度
を延伸ロール間のフィルム走行方向で変えることもでき
るのでこの方法は極めて好都合である。
【0046】また第2段階の延伸は第1段階と同様な空
気噴流式加熱延伸法、ロール間にフィルムを巻き掛けて
延伸するなどの装置を用いて実施することができる。と
りわけ空気噴流式加熱延伸法が得られるフィルムの光学
特性の均一性、表面欠点が無いなどの点から好ましく用
いられる。
【0047】第1段階の延伸において、延伸温度とロー
ル間長(延伸スパン)を厳密に制御することが好まし
い。第1段階の延伸の開始点(又は延伸開始線)から延
伸終了までの長さ、とくに第2段階の延伸の間にニップ
ロールを設けた際には延伸の開始点(又は延伸開始線)
から延伸ニップロール間の長さを、延伸されるフィルム
の幅に対して1.5倍以上4.0倍以下にすることが好
ましい。
【0048】ロール間長(延伸スパン)が延伸前フィル
ム幅の1.5倍以上であれば、フィルムが延伸され延伸
の終了点がこの間にある間にフィルム幅及び厚みの自由
な変化(幅及び厚みの減少)が起こる。いわば、自由幅
一軸延伸、自由厚み一軸延伸となって屈折率nyとnz
が等しくなるような理想の一軸延伸構造となり視野角特
性が向上する。
【0049】ロール間長(延伸スパン)がフィルム幅に
対して1.5倍以下の場合には、フィルム幅方向の自由
な収縮に基ずく高分子鎖の延伸軸に沿う回転が起こりに
くいため、いわゆる面配向が大きい(厚み方向の屈折率
が小さい)ままでフィルムの光学的構造が固定されるこ
とがある。即ち、屈折率nyとnzとが等しくなる理想の
一軸延伸とはならず、視野角特性は向上しないことがあ
る。
【0050】また第1段階の延伸終了点でニップロール
でフィルムをニップしてもよいし、ニップしないで第2
段階の延伸を行なっても良い。第1段階の延伸終了点で
ニップをする際には、フィルムの温度が高いままニップ
すると延伸時に発生した小さなピッチの波状斑がロール
で押さえられ、しわが固定されてしまうことがある。ま
た第1段階の延伸の温度に比べニップロール系の温度が
低すぎた場合は熱膨張していたフィルムが収縮してしま
うためフィルムにしわが寄ってしまうことがある。した
がってニップロール系の温度を第1段階延伸の温度より
も5℃〜100℃低くなるように調整することが好まし
い。
【0051】第2段階の延伸終了後のフィルムを次いで
室温まで冷却することが好ましい。この際、フィルム温
度を延伸温度から室温まで急激に下げるいわゆる急冷を
行うと皺の入った位相差フィルムができてしまうことが
ある。延伸後のフィルムを急冷すると熱膨張分の収縮を
起こすから、フィルムを空間で冷却する場合にも、ま
た、フィルムをロールに接触させて冷却させる場合に
も、フィルムの縦方向に平行な皺が数多く入ってしま
う。この膨張、収縮による皺は急冷するとそのまま固定
され縦方向にほぼ並行な波板状のいわゆる波皺となって
残る。この波板状の皺は延伸後のフィルムを100〜1
50℃の温度でロールに接触させるか又はロール間で空
気熱処理しひきつづき室温まで冷却すれば解消できる。
【0052】また本発明における位相差フィルムの製造
装置は第1図および第2図に示すような、キャスト製膜
装置(A)、フィルムの剥離装置(B)、ピンテンター
乾燥装置(C)、ロール懸垂型乾燥装置(D)、第1段
階延伸装置(E)、第1冷却室(F)、第2段階延伸装
置(G)、および第2冷却室(H)を備え、かつこれら
の装置がこの順序に配置されており、かつ第2段階延伸
装置の温度条件が第1段階延伸装置の温度条件に比べ1
〜20℃高い装置である。この製造装置にフィルムを連
続して通膜し処理することができる。第1段階延伸装置
(E)と第2段階延伸装置(G)の中間にニップロール
を設けないものを図1、ニップロールを設けたものを図
2に示す。
【0053】このようにして、溶液製膜法によって液晶
表示素子の構成素子としての要求特性を満たす、高分子
のフィルムよりなり、厚みのフレ幅が小さく、レターデ
ーション値の範囲、レターデーション値の微細な斑も小
さい、視野角特性の優れた位相差フィルムを製造するこ
とができる。
【0054】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳述する。な
お、測定は以下の方法で実施した。
【0055】[レターデーション値及び遅相軸角度の測
定]フィルムの幅方向サンプル全幅についてレターデー
ション連続測定器(新王子製紙(株))製の商品名KO
BRA−21SDH)により5mm間隔でレターデーシ
ョン値を測定した。このデータより測定サンプル全幅に
おけるレターデーション値の差を求めた。即ち全幅の範
囲のレターデーション値の最大値と最小値の差をとり、
均一性の尺度(単位nm)とした。またフィルム全幅に
ついて5mm間隔で測定した値の、次の隣りの点との
間、即ち10mm間のレターデーション値の差を測定
し、その最大値をフィルム微小部分のレタデーションの
最大値とし、均一性の尺度(単位nm)とした。この値
が大きい場合にはフィルムを偏光板間にはさんでみると
きにこの部分が筋状の色斑となって見える場合がある。
測定のサンプル長は幅方向全長を、長さ方向の場合には
1mを測定長とした。
【0056】[フィルム中の含有溶媒量の測定]溶媒を
含有したフィルム約5gを採取し、170℃の熱風乾燥
機で1時間乾燥させた後室温まで冷却した。乾燥前後の
重量変化率(化学天秤で精秤した)より固形分基準の溶
媒含有量を求めた。フィルム幅方向測定の場合幅方向に
5等分して測定した。
【0057】[視野角特性の測定]自動複屈折率測定装
置(新王子製紙(株)製の商品名KOBRA−21AD
H)を用いてフィルムの法線方向のレターデーションR
e(0)とフィルムの法線と40度の相対角度で斜入射
したときのレターデーションRe(40)を測定し、そ
の差の絶対値からレターデーションの変化率を求めた。
【0058】
【数1】[|Re(0)−Re(40)|/Re
(0)]×100 この変化率の小さな方が視野角特性に優れることを意味
する。
【0059】[見かけのガラス転移温度Tg1〜3(溶媒
を含んだフィルムのTg)の測定]溶媒を含むフィルム
サンプル約10mgを用い、加熱速度10℃/min.
でDSC曲線(DSC測定装置はDSC V4 OB
DuPont2000を用いた)を求めた。この曲線の
立ち下がり(変曲点)部を見かけのガラス転移温度Tg
1〜3とした。
【0060】[実施例1]帝人化成(株)製のポリカー
ボネート(商品名パンライトC−1400QJ、粘度平
均分子量3.8万、メチレンクロライドを含まないポリ
マーのTgは159℃であった。)をメチレンクロライ
ドに溶解し18重量%の溶液を作成した。これをスチー
ルベルト上に流延し、乾燥させてベルト面より剥ぎ取っ
た。この時のフィルムの特性は次の通りであった。 含有溶媒量:19.5±1.0wt.%(フィルム全
幅) ガラス転移温度Tg2:45℃ フィルム厚み:70μm、フィルム幅:1500mm,
厚み斑:1μm(フィルム全幅)
【0061】次いで、このフィルムを、部屋を6ゾーン
に分割したピンテンターに通した。この際のピンテンタ
ーの入口幅は1500mmとし、入口から進むに従って
逐次幅を縮め各ゾーンの縮小幅を直線的になし5番目の
ゾーンにおいて、1448mmまで(即ち3.5%)縮
小させた。ピンテンターのオーブンの乾燥空気の温度は
6室全てを110℃とした。次いでフィルムを把持した
まま室温まで空冷しピンテンター出口にて両エッジ部を
切除した。かくして得られたフィルムの特性値は下記の
通りであった。 レターデーション値:10〜15nm(フィルム幅14
00mm) 遅相軸の値:−7〜+7度(フィルム幅1400mm) 残留溶媒量並びにその分布:4.0±0.5wt.%
(フィルム幅1400mm) ガラス転移温度Tg3:110℃ 厚み及び厚み斑:70μm及び1.0μm(フィルム幅
1400mm) この様にして厚み70μmの無延伸フィルムを作成し
た。このフィルムを更にロール懸垂型乾燥装置、延伸並
びに冷却ゾーンを有する延伸装置に通膜した。
【0062】a)ロール懸垂型乾燥装置における乾燥条
件 熱風温度:100℃、フィルムに掛けた張力:1.5K
g/cm2、処理時間:30分。得られたフィルムの特
性値は残留溶媒量:1.6±0.05wt.%、ガラス
転移温度Tg1:140℃、レターデーション値:12
〜15nm(フィルム1400mm全幅)、遅相軸の角
度:−5〜+5度(フィルム1400mm全幅)。
【0063】b)延伸条件 第1段階 空気噴流式の加熱下に、延伸温度:150
℃、延伸倍率:1.26倍、延伸のスパン長:延伸前フ
ィルム幅の1.6倍。 第2段階 空気噴流式の加熱下に、延伸温度:160
℃、延伸倍率:1.03倍、延伸のスパン長:延伸前フ
ィルム幅の1.6倍で延伸した。 第2段階の延伸終了後のフィルムを温度100℃に保持
したニップロールでニップした。この後60℃の冷却ゾ
ーンで30秒間冷却し、次いで室温まで空冷した。
【0064】得られたフィルムの位相差フィルムとして
の特性は下記の様な値であった。 フィルム厚み:54μm、フィルムの厚み斑:0.3μ
m(1200mmフィルム全幅)、レターデーション値
の最大値と最小値の差:4nm(1200mmフィルム
幅) 微小レターデーション値 最大値:1.1nm(120
0mmフィルム幅) 遅相軸角度の範囲:−1.5〜+1.5度(1200m
mフィルム幅) 視野角特性:7.5、外観欠点:スクラッチ、擦り傷、
波打ち等なし。 以上の結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】[実施例2〜4]延伸条件を表1のように
変える以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを作成
し得られたフィルムの特性値を表1に示した。なおいず
れの条件ともフィルムのレターデーションは約500n
mを狙った条件とした。
【0067】表1に示すように実施例2において延伸温
度を実施例1よりも高めて延伸を行なったが、この場合
にも得られたフィルムの特性は良好で位相差用フィルム
として優れたものであった。
【0068】表1に示すように実施例3においては延伸
温度、延伸倍率とも実施例1よりも高めて延伸を行な
い、図2のように第1段階の延伸と第2段階の延伸の中
間にニップロールでフィルムをニップする方式を用い
た。このときフィルムに皺が寄らないようにニップロー
ルの温度を150℃〜160℃に調整した。実施例3に
おいても得られたフィルムの特性は良好で位相差用フィ
ルムとして優れたものであった。
【0069】表1に示すように実施例4においては第2
段階目の延伸の倍率を実施例1よりも高めて延伸を行な
ったが、この場合にも得られたフィルムの特性は良好で
位相差用フィルムとして優れたものであった。
【0070】[比較例]延伸条件において第一段目の延
伸を空気噴流式の加熱下に延伸温度150℃、延伸倍率
1.26倍とし、第二段目の延伸は行なわないこと以外
は実施例1と全く同様にして延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムの位相差フィルムとしての特性値を表
1に示した。ここで得られたフィルムは、レタデーショ
ン値の範囲、微小レタデーション値の最大値、遅相軸角
度の範囲等が大きくまた視野角特性も不良であった。外
観欠点は特になし。
【0071】
【発明の効果】本発明方法の高分子よりなる位相差フィ
ルムは、製品ロール状フィルムの全幅並びに巻き取り方
向の全長において厚み、レターデーションの範囲、並び
に微小な範囲のレターデーションの斑が小さく、遅相軸
の大きさも小さく良好でかつ均一性に優れており、また
透明性に優れ、スクラッチや擦り傷が無いため、生産
性、作業性が著しく向上して、産業上極めて有用である
光学用途に好適な高分子の位相差フィルムを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】位相差フィルム製造装置の概略構成説明図(第
1段階延伸装置と第2段階延伸装置の中間にニップロー
ルを設けないもの)
【図2】位相差フィルム製造装置の概略構成説明図(第
1段階延伸装置と第2段階延伸装置の中間にニップロー
ルを設けたもの)キャスト製膜装置(A)、フィルムの
剥離装置(B)、ピンテンター乾燥装置(C)、ロール
懸垂型乾燥装置(D)、第1段階延伸装置(E)、第1
冷却室(F)、第2段階延伸装置(G)、および第2冷
却室(H)を備え、かつこれらの装置および室がこの順
序に配置され、この製造装置にフィルムを連続して通膜
し処理する。
【符号の説明】
1:キャスト製膜装置 2:フィルムの剥離装置 3:ピンテンター乾燥装置 4:ロール懸垂型乾燥装置 5:第一段階延伸装置 6:第一冷却室 7:第二段階延伸装置 8:第二冷却室 9:フィルム 10:自由回転ロール 11:ニップロール 12:空気噴流装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】[実施例2〜4]延伸条件を表1のように
変える以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを作成
し得られたフィルムの特性値を表1に示した。なお実施
例と比較例のいずれの条件ともフィルムのレターデーシ
ョンは約500nmを狙った条件とし、そして得られた
フィルムのレタデーション値は約500nmであった。
フロントページの続き (72)発明者 岡本 一郎 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)高分子溶液を支持体上に流延し、
    (2)形成された溶媒含有フィルムを支持体より剥離し
    て、(3)乾燥した後、(4)一軸延伸し、位相差フィ
    ルムを製造する方法において、該一軸延伸工程(4)を
    第1段階の延伸および第2段階の延伸で行ない、かつ該
    第2段階の延伸の温度が該第1段階の延伸の温度よりも
    1〜20℃高いことを特徴とする位相差フィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記一軸延伸工程(4)を温度(Tg1
    +10)〜(Tg1+35)℃、かつ延伸倍率1.1〜
    3.2倍の条件で行い、第2段階の延伸を第1段階の延
    伸温度よりも5〜10℃高い温度で、かつ延伸倍率1.
    01倍〜1.20倍の条件で行う請求項1に記載の位相
    差フィルムの製造方法。(Tg1(℃)は溶媒を含有す
    る高分子フィルムのガラス転移温度であり、この温度は
    乾燥が進むにつれ残留溶媒含有量の減少とともに上昇す
    る。)
  3. 【請求項3】 高分子溶液が10〜30重量%のポリカ
    ーボネート溶液である請求項1〜2のいずれかに記載の
    位相差フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記乾燥工程(3)が、(3−1)ピン
    テンターにてフィルムを把持しつつ乾燥する工程、およ
    び(3−2)ロール懸垂型乾燥装置を用いて乾燥する工
    程からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記乾燥工程(3−1)において、支持
    体より剥離したフィルムについて、走行方向と直交する
    方向のフィルムの収縮率が2〜5%になるようにピンテ
    ンターにてフィルムを把持しつつ、温度(Tg2+1
    0)〜(Tg2+90)℃で、乾燥を行うことを特徴と
    する請求項4に記載の位相差フィルムの製造方法。(T
    2(℃)は溶媒を含有する高分子フィルムのガラス転
    移温度であり、この温度は乾燥が進むにつれ残留溶媒含
    有量の減少とともに上昇する。)
  6. 【請求項6】 上記乾燥工程(3−1)で乾燥した後の
    フィルムの特性値が、残留溶媒量3.5〜4.5wt.
    %、レターデーション値10〜15nm、及び遅相軸の
    角度−10〜+10度を満足するものである請求項4〜
    5のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記乾燥工程(3−1)で乾燥した後の
    フィルムについて、ロール懸垂型乾燥装置を用いてフィ
    ルム走行方向に1〜2.5Kg/cm2の張力をかけつ
    つ、さらに温度(Tg3−20)〜(Tg3+10)℃の
    条件で乾燥を行う請求項4〜6のいずれかに記載の位相
    差フィルムの製造方法。(Tg3(℃)は溶媒を含有す
    る高分子フィルムのガラス転移温度であり、この温度は
    乾燥が進むにつれ残留溶媒含有量の減少とともに上昇す
    る。)
  8. 【請求項8】 一軸延伸工程に供せられるフィルムの特
    性値が、溶媒含有量0.5〜2.0wt.%、レターデ
    ーション値10〜20nm、及び遅相軸の角度−7〜+
    7度を満足するものである請求項1〜7のいずれかに記
    載の位相差フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 第1段階の延伸を、延伸ロール間長が延
    伸前のフィルム巾に対して1.5倍〜4.0倍の条件で
    行う請求項1〜8のいずれかに記載の位相差フィルムの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 第1段階の延伸におけるフィルムの加
    熱の方法が空気噴流式の加熱方式よりなることを特徴と
    する請求項1〜9のいずれかに記載の位相差フィルムの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 (1)高分子溶液を支持体上に流延
    し、(2)形成された溶媒含有フィルムを支持体より剥
    離して、(3)乾燥した後、(4)一軸延伸し、位相差
    フィルムを製造する位相差フィルムの製造装置であっ
    て、キャスト製膜装置(A)、フィルムの剥離装置
    (B)、ピンテンター乾燥装置(C)、ロール懸垂型乾
    燥装置(D)、第1段階延伸装置(E)、第1冷却室
    (F)、第2段階延伸装置(G)、および第2冷却室
    (H)を備え、かつこれらの装置および室がこの順序に
    配置されており、かつ第2段階延伸装置の温度条件が第
    1段階延伸装置の温度条件に比べ1〜20℃高いことを
    特徴とする位相差フィルムの製造装置。
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