JPH1120156A - インクジェット記録装置とその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録装置とその製造方法

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JPH1120156A
JPH1120156A JP9175530A JP17553097A JPH1120156A JP H1120156 A JPH1120156 A JP H1120156A JP 9175530 A JP9175530 A JP 9175530A JP 17553097 A JP17553097 A JP 17553097A JP H1120156 A JPH1120156 A JP H1120156A
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JP
Japan
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ink
pressure
pressure chamber
discharge port
piezoelectric element
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JP9175530A
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English (en)
Inventor
Eiichiro Tanaka
栄一郎 田中
祐二 ▲高▼島
Yuji Takashima
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルの高密度化ならびにノズル間のクロス
トークを抑制でき、かつ安価なインクジェット記録装置
とその製造方法を得る。 【解決手段】 インクを収容する圧力室21と、圧力室
21に連通しインクを吐出する吐出口22と、圧力室2
1に圧力を印加してインクを吐出口22から吐出させる
圧力印加手段とを備え、圧力印加手段は、圧力室21に
形成された振動板18と、振動板18を振動させる圧電
素子25とを有し、圧電素子25が、膜厚1〜10μ
m,平均粒径1μm以下のPZT系の焼結体からなるこ
とを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微小ノズルから
インクなどの液体を吐出させ、記録紙やシート上に液体
パターンを形成することにより文字や図形を描くプリン
タなどに用いられるインクジェット記録装置とその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンなどの印刷装置としてイ
ンクジェット記録装置を用いたプリンタが、取り扱いが
簡単、印字性能がよい、低コストなどの理由から広く普
及している。このインクジェット記録装置には、熱エネ
ルギーによってインク中に気泡を発生させ、その気泡に
よる圧力波によりインク滴を吐出させるもの、静電力に
よりインク滴を吸引吐出させるもの、圧電素子のような
振動子による圧力波を利用したもの等、種々の方式があ
る。
【0003】一般に、圧電素子を用いたものは、例え
ば、インク吐出口に連通したインク供給室と、そのイン
ク供給室に連通した圧力室と、その圧力室に設けられ圧
電素子が接合された振動板等により構成されている。従
来、インクの吐出方向と圧電素子の振動方向は同方向で
ある。このような構成において、圧電素子に所定の電圧
を印加すると、圧電素子が伸縮することによって、圧電
素子と振動板が太鼓状の振動を起こして圧力室内のイン
クが圧縮され、それによりインク吐出口からインク液滴
が吐出する。ところが、圧電素子による振動板の変位量
は非常に小さいため、圧電素子を小型化すると十分な吐
出力が得られない。そこで、この変位量を大きくしよう
とすると振動板および圧電素子を大きくする必要があ
り、小型化、マルチノズルヘッドの高密度化の実現が困
難となる。
【0004】そこで、その問題を解決するために、例え
ば、特願平6−273650号公報に示されるように、
圧電素子の振動方向をその振動方向に対して垂直な方向
に振動板を振動させる構成とし、圧電素子により生じた
小さな振動を大きな振動に増幅して、同じサイズで変位
量を大きくする方法や、インク吐出口の対向する位置に
対向電極を設けて、その対向電極と圧力室のインクとの
間に所定の高電圧、例えば1.5kV程度を印加し、そ
の静電力によりインクを対向電極側(すなわち、シート
等の記録媒体側)に膨らませた状態とし、小さな圧力を
印加しただけでインクが吐出できるように構成したもの
等が提案されている。
【0005】図8および図9に、従来のインクジェット
記録装置のノズルヘッドを示す。図8は、吐出口50の
先端面がすべて金属(導電体)の場合の例を示してい
る。吐出口50と対向電極51との間に電圧源52によ
り電圧が印加された場合、電界分布は略平行となってイ
ンク53に対する静電引力が働く。この静電引力によ
り、小さなインク滴でも加速され対向電極51側へ高速
に到達する。また、大きなインク滴を得るには電界を用
いない場合に比較して緩やかにインク室を加圧すること
によりサテライトの発生が抑えられ、さらにインク滴に
関係なく等速でインク53が飛翔する。電界印加の加速
により、インク滴の大きさを変化させることが可能とな
る。また、圧電素子の変位が小さくてもインク滴を安定
して飛翔させることができることから低電圧駆動が可能
である。しかし、吐出口50でのインク53の膨らみが
小さく、インク53の吐出口50の先端からのタレはほ
とんど生じない反面、静電引力が小さくなるためインク
53の飛び出す速度は遅くなり、圧電素子の大きな力に
よるインクの吐出補助が不可欠となる。
【0006】図9は、吐出口50の先端面がすべて絶縁
体54で覆われた場合の例を示している。吐出口50と
対向電極51との間に電圧源52により電圧が印加され
た場合、電界は吐出口50の先端のインク53に集中す
るため、インク53に対する静電引力が大きくなり、イ
ンク53の飛び出す速度を速くできる。ただし、この場
合は図8の例とは逆に、インク53を対向電極51側へ
引く力が大きくなるので、インク53が対向電極51側
へ大きく膨らみ、吐出口50の先端部でインク53のタ
レを生じる。このため、電界強度を大きくできず図8の
例と同様、圧電素子の大きな力によるインクの吐出補助
が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録装置では、対向電極に電圧を印加することで小さな
圧力でもインクが吐出し易くなるものの、圧電素子を従
来の厚膜印刷法にて形成する場合、印刷精度や圧電素子
の耐圧が不十分なため、圧電素子の機械的変位が大きく
できないことから高密度化は困難であり、また小型化に
よりマルチノズルヘッドとした場合は、ノズル間のクロ
ストークが生じるという課題がある。大きな変位とクロ
ストークを小さくするには、圧電素子と振動板を薄くす
ることが必要であるが、厚膜印刷で膜厚を薄くした場合
には、上部電極形成時にショートし易く、10μm以下
の薄膜化は困難であった。
【0008】この発明は、ノズルの高密度化ならびにノ
ズル間のクロストークを抑制でき、かつ安価なインクジ
ェット記録装置とその製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインクジ
ェット記録装置は、インクを収容する圧力室と、圧力室
に連通しインクを吐出する吐出口と、圧力室に圧力を印
加してインクを吐出口から吐出させる圧力印加手段とを
備え、圧力印加手段は、圧力室に形成された振動板と、
振動板を振動させる圧電素子とを有し、圧電素子が、膜
厚1〜10μm,平均粒径1μm以下のPZT系の焼結
体からなることを特徴とするものである。
【0010】請求項1記載のインクジェット記録装置に
よると、圧電素子は膜厚1〜10μm,平均粒径1μm
以下のPZT系の焼結体からなり、バインダ等を含まな
い高密度で高耐圧な圧電素子を得ることができる。請求
項2記載のインクジェット記録装置の製造方法は、イン
クを収容する圧力室と、圧力室に連通しインクを吐出す
る吐出口と、圧力室に圧力を印加してインクを吐出口か
ら吐出させる圧力印加手段とを備えたインクジェット記
録装置の製造方法であって、真空中に振動板を配置し、
振動板にPZT系の多結晶粉体を気体とともに噴射し、
堆積した多結晶粉体を加熱して焼結体からなる圧電素子
を形成し圧力印加手段とすることを特徴とするものであ
る。
【0011】請求項2記載のインクジェット記録装置の
製造方法によると、PZT系の多結晶粉体を真空中に配
置された振動板に気体とともに噴射し、大きな粉体は沈
降して微粉体のみ振動板に堆積させ、堆積した多結晶粉
体を加熱することによって、バインダ等を含まない高密
度で高耐圧な圧電素子を得ることができる。請求項3記
載のインクジェット記録装置の製造方法は、インクを収
容する複数の圧力室と、各圧力室に連通しインクを吐出
する吐出口と、各圧力室に圧力を印加してインクを吐出
口から吐出させる圧力印加手段とを備えたインクジェッ
ト記録装置の製造方法であって、真空中に振動板を配置
し、振動板と振動板に多結晶粉体を噴射するノズルとの
間に各圧力室に対応する幅0.1〜0.5mmの複数の
スリットを有したマスクを配置し、PZT系の多結晶粉
体をノズルから振動板に気体とともに噴射し、圧力室に
対応して分離堆積した多結晶粉体を加熱して焼結体から
なる圧電素子を形成し圧力印加手段とすることを特徴と
するものである。
【0012】請求項4記載のインクジェット記録装置の
製造方法は、インクを収容する複数の圧力室と、各圧力
室に連通しインクを吐出する吐出口と、各圧力室に圧力
を印加してインクを吐出口から吐出させる圧力印加手段
とを備えたインクジェット記録装置の製造方法であっ
て、付着力良好な金属膜を各圧力室に対応して分離形成
した振動板を真空中に配置し、振動板にPZT系の多結
晶粉体を気体とともに噴射し、堆積した多結晶粉体を加
熱し、振動板の付着力良好な部位を除く多結晶粉体を除
去して焼結体からなる圧電素子を形成し圧力印加手段と
することを特徴とするものである。
【0013】請求項3および請求項4記載のインクジェ
ット記録装置の製造方法によると、PZT系の多結晶粉
体を真空中に配置された振動板に気体とともに噴射し、
大きな粉体は沈降して微粉体のみ振動板に堆積させ、堆
積した多結晶粉体を加熱することによって、バインダ等
を含まない高密度で高耐圧な圧電素子を得ることができ
る。また、圧電素子を個々の圧力室に個別に作成する
際、フォトリソグラフィを用いることなく容易かつ安価
に製造することができる。
【0014】請求項5記載のインクジェット記録装置
は、インクを収容する圧力室と、圧力室に連通しインク
を吐出する吐出口と、圧力室に圧力を印加してインクを
吐出口から吐出させる圧力印加手段とを備え、吐出口の
先端を構成する絶縁性部材に制御電極を設け、吐出口の
前面に対向電極を配置し、制御電極と対向電極との間に
電圧を印加する電圧源を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0015】請求項5記載のインクジェット記録装置に
よると、制御電極と吐出口の先端のインクとの間に絶縁
性部材が存在するため、対向電極とインクとの間に電圧
源により電圧を印加した場合、電界の集中が制御電極側
とインク側に分散される。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を図1な
いし図6に基づいて説明する。図1は、インクジェット
記録装置に用いる圧電素子の製造装置の概略図を示して
いる。図1において、圧電素子であるPZT膜19の材
料となるPZT粉体12をガス流13によって混合浮遊
させるガス/PZT粉体混合容器20と、膜堆積室10
が搬送管11によって接続されている。膜堆積室10は
真空排気装置17により減圧されていて、搬送管11の
先端にはノズル14が接続されている。ノズル14の先
には、膜堆積のための振動板18が加熱および走査(X
−Y方向)のためのヒーターステージ15の上に設置し
て設けられている。ヒーターステージ15には加熱のた
めの加熱電源16が接続されている。ガス流13によっ
て搬送されたPZT粉体12は真空中で勢いよく振動板
18に噴射され、真空中のためガス流13による浮力が
なくなるとともに加速度をもって振動板18に衝突し、
PZT膜19として堆積する。
【0017】図2はインクジェット記録装置のノズルヘ
ッド部分の断面図を示したものである。図2において、
圧力室21は、Si(シリコン)部材27a、2層の感
光性ガラス27b,27cの3層構造の圧力室構造体2
7と、Si部材27aの上に一体に形成されたSi製の
振動板18と、圧力室21にインクを流入させるための
小穴30を有するステンレス製のインク流入口板28と
から構成されている。また、吐出口22は、絶縁性部材
31に吐出口22の孔26から半径方向に所定の距離離
れた部位に制御電極32が形成された吐出ノズル板3
3、Si部材27aの一端部、感光性ガラス27cの一
端部などにより構成されている。さらに、共通液室34
は、インク流入口板28と、共通液室構造板29と、イ
ンク供給口35を有するインク供給口平板36とから構
成されている。ここで、共通液室構造板29およびイン
ク供給口平板36はステンレス製である。
【0018】また、振動板18の上には圧電素子25が
形成され、その圧電素子25は、図示していないが、一
方の電極となるAu層からなる上部電極、圧電部材であ
るPZT層、PZT層の下に他方の電極となるNi層,
Ti層,またはTi層とNi層の積層からなる下部電極
にて形成されている。ここでは、圧力室21の一部であ
るSi部材27aとSi製の振動板18とは一体ものと
して形成してあるが、振動板18としてはNiやTi,
SUSなどの金属板を用いてもよい。
【0019】また、このノズルヘッドの吐出口22の対
向する位置にはインクを吐出させ易くするための対向電
極23が設けられ、この対向電極23と圧力室21内の
インクとの間に電圧を印加するための電圧源24が接続
されている。また、吐出口22の制御電極32と圧力室
21内のインクとの間に制御電圧を印加するための電圧
源37が接続されている。
【0020】次に、圧力室21および圧電素子25の製
造方法について説明する。圧電素子25であるPZT膜
19は図1に示した製造装置によって製膜するが、大き
なPZT粉体12はガス流13の中ですぐに沈降するた
めガス流13によって搬送され難く、平均粒径1μm以
下の微粉体のみによって製膜される。このため、従来の
印刷法等によって得られる膜に比較して緻密で高密度な
膜が製膜でき、膜厚1〜10μmで、3〜10V/μm
の高耐圧な膜を得ることができる。例えば、図1のPZ
T粉体12として、平均粒径1.0μmのPb(Zrx
Ti 1-x )O3 〔x:0.52〜0.56〕を用い、ガスとして
空気流を用い、流速を調整することにより5mm幅のノ
ズル14によって3〜10mm/sの走査速度で5μmの膜
厚で堆積できる。このとき、流速を小さくし、走査速度
を3mm/sにしたとき、最も緻密で10V/μmの高耐圧
な膜が得られた。1cm2 当たりの堆積速度に換算すれ
ば、これらは7.5〜25μm/秒に相当する。
【0021】振動板18にSiを用いる場合には、Si
上に膜厚0.1μmのTi膜とさらに膜厚0.1〜1μ
mのNi膜をスパッタ蒸着法により形成したものを膜堆
積室10のヒーターステージ15に設置し、100〜2
00℃に加熱電源16により加熱してPZT膜19を堆
積する。堆積したPZT膜19は、空気中にて300〜
600℃、0.5〜1時間加熱処理を行う。これによ
り、結晶性の向上と膜強度の向上が図れる。
【0022】図3は圧力室構造体27のSi部材27a
とSi製の振動板18が一体で作成されたものであり、
圧力室21が5つ形成されている。図4は図3のIV−IV
断面図であり、下部共通電極40とPZT膜19と個別
電極42が形成されている。ここで、PZT膜19はそ
れぞれの圧力室21に個別に形成する方が効率がよく、
分離する方が望ましい。
【0023】圧電素子25を個々の圧力室21に対応す
るように分離する手段としては、フォトリソグラフィを
用いることもできるが、工程が複雑となり高価なものに
なる。このため、図5に示すようにSi部材27aとS
i製の振動板18を一体で作成してなるSi部材43と
ノズル14の間にマスク44を設置する。マスク44に
は各圧力室21に対応して複数のスリット45が形成さ
れており、これにより選択的にPZT膜19が形成され
る。このとき、マスク44はガス流13とともに搬送さ
れてくるPZT粉体12とガス流13を効率よく分離し
て堆積するために、スリット45の幅は0.1〜0.5
mmとすることが望ましい。スリット45の幅が0.1
mm以下ではガス流13がSi部材43で反射しPZT
粉体12を逆流させる。また、0.5mm以上ではマス
ク44の下部に回り込み精度がでなくなる。このとき、
ノズル14とSi部材43の間隔は1〜3mmに設定す
る。これにより、フォトリソグラフィを用いることなく
圧電素子25を分離することができる。
【0024】つぎに、圧電素子25に個別電極42とし
てAu膜をスパッタ蒸着法等で形成する。これには通常
のマスクを接触させて形成すればよく、フォトリソグラ
フィを用いる必要はない。上記のSi部材43にさらに
圧力室21を形成するため、圧電素子25の下部のSi
を異方性エッチングやプラズマを用いたドライエッチン
グ法により選択的にエッチングする。異方性エッチング
ではSi酸化膜や窒化膜をマスク材として形成した後、
圧力室21となる部位をエッチングで除く。Si酸化膜
をマスク材として用いる場合には有機アルカリ(例え
ば、エチレンジアミン:ピロカテコール:ピラジン:水
=1リットル:160g:6g:0.133リットルの
混合液)を、窒化膜をマスク材として用いる場合には水
酸化カリウム溶液を、70℃に加熱してエッチングを行
う。このとき、Siの結晶方位が<111>と<110
>,<100>で、エッチング速度が<111>に比較
して他の方位では数十倍と大きく異なることを利用し、
結晶方位<111>面に沿って圧力室21を設計すれば
高精度の圧力室21が得られる。ここで、Siを振動板
18として残すには、あらかじめBを高濃度にドーピン
グしておけば、ドーピング部のエッチング速度が遅くな
ることから数μmの厚みでSiの振動板18を作成でき
る。
【0025】また、振動板18にNi等の金属膜を用い
る場合には、図4の共通電極40を兼用で数μmの厚み
に電鋳や蒸着法でSi部材27a上に形成し、Si部材
27aの圧力室21部位のSiを選択的に全部除去すれ
ば金属膜が振動板18として残る。ドライエッチング法
はこのような場合に有効で、プラズマ中の原子の発光ス
ペクトルの監視で終点検出が可能である。
【0026】また、圧電素子25を分離する別の手段と
して、図1の製造装置でPZT膜19を形成する際、付
着力の小さな材料、例えばW,Mo,Crなどの金属や
これらの合金あるいはSUSの金属、あるいはガラス材
料やセラミック材料を振動板18あるいはその一部と
し、圧力室21に対応するPZT膜19の形成が必要な
部位にのみTiあるいはNi等の付着力良好な金属膜を
下地電極として形成し、PZT膜19を形成する。その
後、接着テープ等でPZT膜19に接着し引き剥がせ
ば、TiあるいはNi等の付着力良好な部位のみにPZ
T膜19が残り、他の部位は容易に除去できる。これに
より、フォトリソグラフィを用いることなく容易に圧電
素子25を分離形成できる。
【0027】このようにして得られた振動板18と圧電
素子25と圧力室構造体27の一部を、図2の感光性ガ
ラス27b,27c以下の構造物と接着材等を用いて接
着して作成する。すなわち、Si部材27aと感光性ガ
ラス27bを接着して圧力構造体27を作成し、吐出ノ
ズル板33を接着した後、SUS板等を貼り合わせてイ
ンク流入口板28,共通液室構造板29,インク供給口
平板36を形成し、圧力室構造体27とインク流入口板
28を接着してノズルヘッドを作成する。
【0028】最後に、個別電極42と共通電極40間に
5V/μm以上の電界を印加し圧電素子25の分極を行
う。この分極によりピエゾとしての機能を発現する。次
に、ノズルヘッドの動作について、図面を参照しながら
説明する。図2において、圧電素子25は膜厚5μm、
振動板18は膜厚2μm、圧力室21の大きさ0.2m
m×2mm×厚み0.2mm、吐出口22の大きさ30
μmφ、圧力室21の間隔が0.254mmのノズルヘ
ッドを作成した。対抗電極23や電源24を用いない場
合には、圧電素子25の変位が0.12μm、インク吐
出量が約6ng、圧電素子25に3.5V/μmの電界
が必要である。この場合には、より小さなインク滴を吐
出させるには速度が小さくまた吐出方向が一定しない。
安定な印字のためにはこれ以下の吐出量は困難であっ
た。また、これ以上の大きなインク滴を吐出させるにも
サテライトと言われる小さなインク滴が大きなインク滴
の後に発生し、印字品質を悪化させる。この実施の形態
によるインクジェット記録装置では、6ngのインク滴
を安定して飛翔させることが可能であり、記録紙上では
約20μmφのドットで記録でき、極めて高品位な印字
が可能となった。また、ノズル密度が100dpiの高
密度なヘッドが可能となった。
【0029】図6はノズルヘッドを示しており、図7お
よび図8の2つの従来例の中間的な作用を呈する。制御
電極32と吐出口22の先端のインクとの間に絶縁性部
材31が存在するため、対向電極23とインク46との
間に電圧源24により電圧を印加した場合、電界の集中
が制御電極32側とインク46側に分散されるため、イ
ンク46に対する電界の集中は、その程度が図8の場合
ほど大きくはなく、また図7の場合ほど小さくない。そ
の結果、比較的大きな電界強度を印可することができる
ことから、インク46の飛び出す速度をある程度大きく
できて、なおかつインク46のタレも抑制できる。ま
た、対向電極23による静電引力も余り小さくならず
に、インク46の吐出口22からのタレを防止でき、ノ
ズル間のクロストークも抑制できる。このように、対向
電極23とインク46との間の電界の集中が緩和される
ため、クロストークの影響が少なくなり、例えば図7に
示すように、制御電極47を共通とし、吐出口48を複
数個一列に配置して、制御電極47とそれぞれの吐出口
48との間を絶縁性部材49で取り囲むように構成すれ
ば、多ノズル化が容易になる。
【0030】また、インク46と制御電極32との間に
電圧源24の電圧よりも小さい逆の電圧を電圧源37に
より印加することにより、対向電極23への電圧印加に
より生じたメニスカスを吐出口22の途中でそのまま保
持しておくことが可能となり、インク46のタレを防止
することができる。また、制御電極32の領域および絶
縁性部材31の領域を調節したり、電圧源37の電圧を
調節すれば、インク46への電界の集中の程度、すなわ
ちインク46の飛び出す速度、および吐出口22におけ
るインク46の保持力等を制御できるので、最適な条件
が選択可能である。
【0031】以上のように、静電界の印加により圧電素
子25に大きな変位を必要とせずにインク滴を安定に吐
出できる。このことは、静電界を用いない場合に比較し
てさらに高ノズル密度のヘッドが可能であることを意味
する。例えば、上記の圧電素子25が5μm厚、振動板
が2μm厚の構成で圧力室の大きさ0.12mm×2.
0mm×厚み0.15mmで、インク滴3〜9ngの吐
出が安定して得られる。このときの静電界強度は、1k
V/mmで制御電圧は50Vである。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載のインクジェット記録装置
によると、圧電素子は膜厚1〜10μm,平均粒径1μ
m以下のPZT系の焼結体からなり、バインダ等を含ま
ない高密度で高耐圧な圧電素子を得ることができ、ノズ
ルの高密度化,多ノズル化,小型化が図れる。
【0033】請求項2記載のインクジェット記録装置の
製造方法によると、PZT系の多結晶粉体を真空中に配
置された振動板に気体とともに噴射し、大きな粉体は沈
降して微粉体のみ振動板に堆積させ、堆積した多結晶粉
体を加熱することによって、バインダ等を含まない高密
度で高耐圧な圧電素子を得ることができ、ノズルの高密
度化,多ノズル化,小型化が図れる。
【0034】請求項3および請求項4記載のインクジェ
ット記録装置の製造方法によると、PZT系の多結晶粉
体を真空中に配置された振動板に気体とともに噴射し、
大きな粉体は沈降して微粉体のみ振動板に堆積させ、堆
積した多結晶粉体を加熱することによって、バインダ等
を含まない高密度で高耐圧な圧電素子を得ることがで
き、ノズルの高密度化,多ノズル化,小型化が図れる。
また、圧電素子を個々の圧力室に個別に作成する際、フ
ォトリソグラフィを用いることなく容易かつ安価に製造
することができる。
【0035】請求項5記載のインクジェット記録装置に
よると、制御電極と吐出口の先端のインクとの間に絶縁
性部材が存在するため、対向電極とインクとの間に電圧
源により電圧を印加した場合、電界の集中が制御電極側
とインク側に分散され、吐出口からのインクのタレを防
ぐことができるとともに、ノズル間のクロストークも抑
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態のインクジェット記録
装置における圧電素子の製造装置の概略図である。
【図2】この発明の一実施の形態のインクジェット記録
装置におけるノズルヘッドの断面図である。
【図3】この発明の一実施の形態のインクジェット記録
装置におけるノズルヘッドの圧力室部分の正面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】この発明の一実施の形態のインクジェット記録
装置におけるノズルヘッドのPZT膜作成の説明図であ
る。
【図6】この発明の一実施の形態のインクジェット記録
装置におけるノズルヘッドの電界分布を示す断面図であ
る。
【図7】この発明の一実施の形態のインクジェット記録
装置におけるノズルヘッドの変形例の斜視図である。
【図8】従来例のインクジェット記録装置におけるノズ
ルヘッドの電界分布を示す断面図である。
【図9】その他の従来例のインクジェット記録装置にお
けるノズルヘッドの電界分布を示す断面図である。
【符号の説明】
10 膜堆積室 11 搬送管 12 PZT粉体 13 ガス 14 ノズル 15 ヒーターステージ 16 加熱電源 17 真空排気装置 18 振動板 19 PZT膜 20 ガス/PZT粉体混合容器 21 圧力室 22,48 吐出口 23 対向電極 24,37 電圧源 25 圧電素子 27 圧力室構造体 28 インク流入口板 29 共通液室構造板 30 小穴 31,49 絶縁性部材 32,47 制御電極 33 吐出ノズル板 34 共通液室 35 インク供給口 36 インク供給口平板 44 マスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容する圧力室と、前記圧力室
    に連通し前記インクを吐出する吐出口と、前記圧力室に
    圧力を印加して前記インクを前記吐出口から吐出させる
    圧力印加手段とを備え、 前記圧力印加手段は、前記圧力室に形成された振動板
    と、前記振動板を振動させる圧電素子とを有し、前記圧
    電素子が、膜厚1〜10μm,平均粒径1μm以下のP
    ZT系の焼結体からなることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 インクを収容する圧力室と、前記圧力室
    に連通し前記インクを吐出する吐出口と、前記圧力室に
    圧力を印加して前記インクを前記吐出口から吐出させる
    圧力印加手段とを備えたインクジェット記録装置の製造
    方法であって、 真空中に振動板を配置し、前記振動板にPZT系の多結
    晶粉体を気体とともに噴射し、堆積した多結晶粉体を加
    熱して焼結体からなる圧電素子を形成し前記圧力印加手
    段とすることを特徴とするインクジェット記録装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 インクを収容する複数の圧力室と、前記
    各圧力室に連通し前記インクを吐出する吐出口と、前記
    各圧力室に圧力を印加して前記インクを前記吐出口から
    吐出させる圧力印加手段とを備えたインクジェット記録
    装置の製造方法であって、 真空中に振動板を配置し、前記振動板と前記振動板に多
    結晶粉体を噴射するノズルとの間に前記各圧力室に対応
    する幅0.1〜0.5mmの複数のスリットを有したマ
    スクを配置し、PZT系の多結晶粉体を前記ノズルから
    前記振動板に気体とともに噴射し、前記圧力室に対応し
    て分離堆積した多結晶粉体を加熱して焼結体からなる圧
    電素子を形成し前記圧力印加手段とすることを特徴とす
    るインクジェット記録装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 インクを収容する複数の圧力室と、前記
    各圧力室に連通し前記インクを吐出する吐出口と、前記
    各圧力室に圧力を印加して前記インクを前記吐出口から
    吐出させる圧力印加手段とを備えたインクジェット記録
    装置の製造方法であって、 付着力良好な金属膜を前記各圧力室に対応して分離形成
    した振動板を真空中に配置し、前記振動板にPZT系の
    多結晶粉体を気体とともに噴射し、堆積した多結晶粉体
    を加熱し、前記振動板の付着力良好な部位を除く多結晶
    粉体を除去して焼結体からなる圧電素子を形成し前記圧
    力印加手段とすることを特徴とするインクジェット記録
    装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 インクを収容する圧力室と、前記圧力室
    に連通し前記インクを吐出する吐出口と、前記圧力室に
    圧力を印加して前記インクを前記吐出口から吐出させる
    圧力印加手段とを備え、 前記吐出口の先端を構成する絶縁性部材に制御電極を設
    け、前記吐出口の前面に対向電極を配置し、前記制御電
    極と前記対向電極との間に電圧を印加する電圧源を設け
    たことを特徴とするインクジェット記録装置。
JP9175530A 1997-07-01 1997-07-01 インクジェット記録装置とその製造方法 Withdrawn JPH1120156A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002115831A (ja) * 2000-10-10 2002-04-19 Takuma Co Ltd 電気式溶融炉の炉壁構造及び炉壁冷却方法
US11993083B2 (en) 2020-09-30 2024-05-28 Ricoh Company, Ltd. Actuator, liquid discharge head, and liquid discharge apparatus

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