JPH11207752A - 成形金型酸化防止用シートおよびそれを用いた成形金型の酸化防止方法 - Google Patents

成形金型酸化防止用シートおよびそれを用いた成形金型の酸化防止方法

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JPH11207752A
JPH11207752A JP10012207A JP1220798A JPH11207752A JP H11207752 A JPH11207752 A JP H11207752A JP 10012207 A JP10012207 A JP 10012207A JP 1220798 A JP1220798 A JP 1220798A JP H11207752 A JPH11207752 A JP H11207752A
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sheet
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die
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形金型放置時の成形金型の合わせ面および
キャビティの酸化を防止し、常に着工を開始することを
可能にする。 【解決手段】 相対的に接近離反可能とされた上プラテ
ン2aと下プラテン2bの対向面に上金型1aと下金型
1bとがそれぞれ固定され、かつ上プラテン2aおよび
下プラテン2bが支柱5に取り付けられるとともに、下
プラテン2bの上昇・下降動作が、下プラテン2bの下
方においてシリンダラムケース7内に配置されたプレス
シリンダ6の駆動によって行われる成形金型1であり、
この成形金型1の放置時に、耐熱性および耐久性を有し
た成形金型酸化防止用シート8を、上金型1aと下金型
1bとによって型締め時の圧力より遙に低い圧力で挟持
して成形金型1の合わせ面1cおよびキャビティ3の酸
化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モールドを行う成
形金型の酸化防止技術に関し、特に、成形金型放置時に
この成形金型の酸化を防止する成形金型酸化防止用シー
トおよびそれを用いた成形金型の酸化防止方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】以下に説明する技術は、本発明を研究、
完成するに際し、本発明者によって検討されたものであ
り、その概要は次のとおりである。
【0003】例えば、所定の集積回路(Integrated Cir
cuit)が形成された半導体チップは、リードフレームと
電気的に接続されたうえで、塵埃や湿度などの外的雰囲
気や機械的衝撃からこれを保護するために、成形金型を
用いたモールド工程において樹脂により樹脂封止され
る。
【0004】なお、半導体チップの封止形態は、低融点
合金やガラスなどにより封着する気密封止と、成形金型
を用いて樹脂により成形封止する樹脂封止(非気密封
止)とに分けられる。このような半導体装置の封止技術
を詳しく記載している例としては、日経BP社発行、
「実践講座 VLSIパッケージング技術(下)」(1
993年5月31日発行)、31頁〜40頁がある。
【0005】また、モールド工程において、半導体装置
が少量多品種生産の場合、生産状況によっては成形金型
の稼動を一時停止させることがある。その際、停止状態
で数時間経過すると、成形金型の表面が酸化し、金型放
置後、約8時間以内で離型性が低下する。
【0006】このような場合には、クリーニング用樹脂
を用いて成形金型の表面の汚れを落とすなどしてクリー
ニングを行い、これにより、離型性を回復させている。
【0007】あるいは、半導体チップの搭載されていな
いリードフレーム(以降、ダミーリードフレームと呼
ぶ)を用い、この成形金型により樹脂成形したダミー成
形品を前記成形金型でクランプ(型締め)して密封し、
成形金型の油圧ポンプを停止させてこの密封状態を維持
して離型性の低下を防ぐ方法もある。
【0008】なお、前記したクリーニング用樹脂を用い
た成形金型のクリーニング方法やダミー成形品を用いた
離型性の低下防止方法については、例えば、特開平9−
70856号公報や特開平8−132446号公報に記
載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した技
術において、クリーニング用樹脂を用いる方法では、ク
リーニングの際に、クリーニング用樹脂を成形金型内に
充填する必要があり、その結果、封止用樹脂からクリー
ニング用樹脂への交換作業が発生し、この交換作業に手
間が掛かることが問題とされる。
【0010】したがって、成形金型の放置状態から着工
に移ろうとしても、クリーニング用樹脂を用いたクリー
ニングには時間がかかるため、直ぐには着工に移れない
ことが問題とされる。
【0011】また、成形金型の放置時に、ダミー成形品
を用いて型締めを行う方法では、型締めによる(高圧ク
ランプ)大きな負荷が、常時、成形金型の部品(例え
ば、成形機のパッキンやOリングなどのシリンダ用弾性
部材、もしくは、プレスオイル、あるいは、サポートピ
ンや弾性ピンなどの金型補助部品)に掛かるため、前記
部品が消耗したり劣化したりして損傷に至ることが問題
とされる。
【0012】本発明の目的は、成形金型放置時の合わせ
面およびキャビティの酸化を防止し、常に着工を開始す
ることができる成形金型酸化防止用シートおよびそれを
用いた成形金型の酸化防止方法を提供することにある。
【0013】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0015】すなわち、本発明の成形金型酸化防止用シ
ートは、一対の第1金型と第2金型とからなる成形金型
の酸化防止を行うものであり、耐熱性および耐久性を有
したシート材によって形成され、前記成形金型の放置時
に前記第1金型と前記第2金型とによって型締め時の圧
力より遙に低い圧力で挟持されて前記成形金型の表面を
含むキャビティの酸化防止を行うものである。
【0016】また、本発明の成形金型の酸化防止方法
は、成形金型酸化防止用シートを用いたものであり、耐
熱性および耐久性を有したシート材によって形成された
前記成形金型酸化防止用シートを準備する工程と、一対
の第1金型と第2金型とからなる成形金型の合わせ面お
よびキャビティに前記成形金型酸化防止用シートを配置
する工程と、前記成形金型酸化防止用シートを前記第1
金型と前記第2金型とによって型締め時の圧力より遙に
低い圧力で挟持する工程と、前記第1金型と前記第2金
型とによって前記低い圧力で前記成形金型酸化防止用シ
ートを挟持した状態で前記成形金型を放置する工程とを
有し、前記成形金型酸化防止用シートによって前記成形
金型の合わせ面およびキャビティの酸化を防止するもの
である。
【0017】これにより、放置時(長時間待機時)の成
形金型の合わせ面およびキャビティの酸化を防止するこ
とができるとともに、その際、型締め時の圧力より遙に
低い圧力で成形金型酸化防止用シートを挟持することに
より、成形金型の部品の損傷を防ぐことができる。
【0018】その結果、成形金型の合わせ面およびキャ
ビティの離型性の低下を防止することができ、かつ放置
状態から着工を開始する際に、成形金型を型開きして成
形金型酸化防止用シートを取り出すだけで、直ぐに着工
を開始することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の実施の形態における成形金
型酸化防止用シートの構造の一例を示す斜視図、図2は
本発明の実施の形態における成形金型の酸化防止方法の
一例を示す部分断面図である。
【0021】図2に示す本実施の形態における成形金型
1は、例えば、リードフレーム上に搭載された半導体チ
ップ(図示せず)を樹脂封止するために用いられるもの
であり、相対的に接近離反可能とされた上プラテン2a
と下プラテン2bの対向面には、上金型(第1金型)1
aと下金型(第2金型)1bとがそれぞれ固定されてい
る。なお、本実施の形態の成形金型1では、上側に設け
られた上プラテン2aが固定式のものであり、下側に設
けられた下プラテン2bが可動式のものであが、これに
限定されるものではなく、両プラテンとも可動式のもの
であってもよく、また、上プラテン2aが可動式で、下
プラテン2bが固定式のものであってもよい。
【0022】したがって、本実施の形態の成形金型1で
は、下プラテン2bの上昇動作により、上下のプラテン
2a,2bが接近し、かつ、下プラテン2bの下降動作
により、上下のプラテン2a,2bが離反する。
【0023】これにより、上プラテン2aと下プラテン
2bとの相対的な接近離反動作によって、この上金型1
aと下金型1bとの密着および分離が行われる。
【0024】なお、上プラテン2aおよび下プラテン2
bは、支柱5に取り付けられ、さらに、下プラテン2b
の上昇・下降動作は、下プラテン2bの下方でシリンダ
ラムケース7内に配置されたプレスシリンダ6の駆動に
よって行われる。
【0025】ここで、プレスシリンダ6は油圧によって
動作させるものであり、オイルタンク11に貯蔵された
作動油12を油圧ポンプ9によってシリンダラムケース
7内に供給し、この際の油圧によってプレスシリンダ6
を押し上げ、これにより、下プラテン2bを上昇させる
とともに、その逆の動作により、下プラテン2bを下降
させるものである。
【0026】なお、プレスシリンダ6の外周には、複数
個のリング状のシリンダパッキン13が設けられ、この
シリンダパッキン13がシリンダラムケース7の内壁と
密着していることにより、作動油12の漏れを防いでい
る。
【0027】また、上金型1aおよび下金型1bには、
それぞれキャビティブロック1d(上側)とキャビティ
ブロック1e(下側)とが設置され、さらに、上金型1
aと下金型1bとの合わせ面1c、すなわちキャビティ
ブロック1dとキャビティブロック1dとの合わせ面1
cには、前記半導体チップが配置されかつこの半導体チ
ップを封止する樹脂封止部の形状に応じたキャビティ3
が複数箇所に形成されている。
【0028】さらに、上金型1aの中央部には、封止用
樹脂が注入されるシリンダ状のポット4が貫通して形成
され、このポット4内には前記封止用樹脂を押し出すプ
ランジャ10が配置されている。
【0029】なお、このポット4に対応する下金型1b
の中央部には図示しないカルが刻設され、さらに、前記
カルからは、前記した複数のキャビティ3に連通された
複数のランナおよび前記カルが分岐して形成されてい
る。
【0030】また、キャビティブロック1d,1e内に
は、キャビティブロック1d,1eを補助的に小さな荷
重で加圧して樹脂バリの発生を防止する複数本の弾性ピ
ン1gが設けられ、さらに、上金型1aおよび下金型1
b内には、型締め時に金型全体に均等に荷重を掛けるた
めの複数個の補助ピンであるサポートピーラ1fが設け
られている。
【0031】次に、図1および図2を用いて、図1に示
す本実施の形態の成形金型酸化防止用シート8について
説明する。
【0032】前記成形金型酸化防止用シート8は、図2
に示す成形金型1の酸化防止を行うものであり、耐熱性
および耐久性を有したシート材によって形成されるとと
もに、成形金型1の放置時(未使用時または長期待機
時)に、図2に示すように上金型1aと下金型1bとの
間に配置され、かつ上金型(第1金型)1aと下金型
(第2金型)1bとによって型締め時の圧力より遙に低
い圧力で挟持され、これにより、成形金型1の表面と内
部(表面および合わせ面1cを含むキャビティ3)の酸
化防止を行うものである。
【0033】なお、成形金型酸化防止用シート8は、例
えば、耐熱性のゴム(弾性)部材、耐熱樹脂(200℃
以上の耐熱性を有したもの)、フッ素樹脂(200℃以
上の耐熱性を有し、かつシリコーンゴムと混合したも
の)、紙、コットン紙、布または不織布などからなる収
縮可能なシート材によって形成されている。
【0034】その際の成形金型酸化防止用シート8の耐
熱性を表す耐熱温度は、上金型1aおよび下金型1bの
温度が170〜180℃付近まで上昇するため、200
℃以上であることが好ましい。
【0035】さらに、成形金型酸化防止用シート8は、
成形金型1をモールドとして使用していない間(稼動停
止中)、比較的長時間(例えば、1日〜1週間程度)使
用するものであるため、その耐久性を表す耐久時間とし
ては、少なくとも24時間以上であることが好ましい。
【0036】また、成形金型酸化防止用シート8の大き
さは、その厚さが、型開き時の上金型1aと下金型1b
との間の距離よりも厚いものであり、例えば、100〜
200mm程度であるとともに、面積は、上金型1aお
よび下金型1bの合わせ面1cとキャビティ3とを充分
に覆う程度のものである。
【0037】したがって、成形金型1の上金型1aと下
金型1bとによって成形金型酸化防止用シート8を挟持
した際には、成形金型酸化防止用シート8を全てのキャ
ビティ3を含む合わせ面1cの全域と接触させることが
できる。
【0038】なお、成形金型酸化防止用シート8の大き
さについては、前記した大きさに限定されるものではな
く、成形金型1の大きさによって種々変更可能であるこ
とは言うまでもない。
【0039】さらに、本実施の形態の成形金型酸化防止
用シート8は、溶剤や薬品が含浸されていないものであ
るが、必要に応じて、酸化防止機能を有する溶剤や薬品
が含浸されているものであってもよい。
【0040】ここで、本実施の形態の成形金型酸化防止
用シート8が、上金型1aと下金型1bとによって挟持
される際の荷重について説明する。
【0041】前記成形金型酸化防止用シート8は、図2
に示すように上金型1aと下金型1bとによって型締め
時(樹脂封止時の型締め時)の圧力より遙に低い圧力で
挟持されて使用する(このような低圧によるクランプ
を、以降、ソフトクランプと呼ぶ)ものである。
【0042】本実施の形態の成形金型1の場合、油圧ポ
ンプ9によって下プラテン2bを上昇させて下金型1b
を移動させるものであるため、成形金型酸化防止用シー
ト8を前記ソフトクランプによって挟持する際には、下
プラテン2bを僅か(微量)に上昇させる程度の低圧を
掛ければ良い。
【0043】つまり、下プラテン2bを僅かに上昇させ
る程度の油圧を油圧ポンプ9からプレスシリンダ6に対
して掛け、これにより、下プラテン2bを僅かに上昇さ
せる。
【0044】ただし、下プラテン2bの僅かな上昇とは
微量であるため、実際には、プレスシリンダ6がストロ
ークエンドの周辺つまりプレスシリンダ6がほとんど上
昇しない位置であり、作動油12がオイルタンク11に
戻っている状態が望ましく、下プラテン2bを微量だけ
上昇させて上金型1aと下金型1bとによって成形金型
酸化防止用シート8を挟んだ後、油圧ポンプ9の動作も
停止しておく。
【0045】なお、下プラテン2bの僅かな上昇によっ
て、図2に示すように、上金型1aと下金型1bとが成
形金型酸化防止用シート8の表裏両面に対してそれぞれ
めり込む状態を形成する必要があり、これにより、上金
型1aおよび下金型1bの合わせ面1cとキャビティ3
とを成形金型酸化防止用シート8によって密封した状態
とする。すなわち、成形金型酸化防止用シート8は上金
型1aと下金型1bとによって挟持された際に、その表
裏両面において僅かに縮み(凹み)、上金型1aおよび
下金型1bに対して、それぞれの外周に僅かにオーバー
ラップした状態を形成し、これにより、合わせ面1cと
キャビティ3とを成形金型酸化防止用シート8によって
密封した状態とするものである。
【0046】したがって、上金型1aと下金型1bとが
成形金型酸化防止用シート8の表裏両面に対してそれぞ
れめり込む状態を形成する必要があり、その結果、上金
型1aと下金型1bとがそれぞれ僅かに成形金型酸化防
止用シート8にめり込む程度に下プラテン2bを微量だ
け上昇させる荷重(低圧すなわち型締め時の圧力より遙
に低い圧力)をプレスシリンダ6に掛けることになる。
【0047】次に、本実施の形態による成形金型1の酸
化防止方法について説明する。
【0048】前記成形金型1の酸化防止方法は、図1に
示す成形金型酸化防止用シート8を用いたものである。
【0049】まず、耐熱性および耐久性を有したシート
材によって形成された図1に示す成形金型酸化防止用シ
ート8を準備する。
【0050】その後、一対の上金型1aと下金型1bと
からなり、かつ未使用中(稼動停止中)の図2に示す成
形金型1の合わせ面1cおよびキャビティ3にこれらを
覆うようにして成形金型酸化防止用シート8を配置す
る。
【0051】すなわち、稼動停止中の成形金型1の型開
きを行い、図2に示すように、上金型1aと下金型1b
との間において、下金型1bの合わせ面1cおよびキャ
ビティ3上に成形金型酸化防止用シート8を配置(載
置)する。
【0052】続いて、成形金型酸化防止用シート8を上
金型1aと下金型1bとによって型締め時の圧力より遙
に低い圧力で挟持する。
【0053】つまり、上金型1aと下金型1bとによっ
て成形金型酸化防止用シート8をソフトクランプする。
【0054】その際、まず、下プラテン2bを僅か(微
量)に上昇させる程度の油圧を油圧ポンプ9からプレス
シリンダ6に対して掛け、これにより、下プラテン2b
を微量だけ上昇させ、下金型1b上の成形金型酸化防止
用シート8が上金型1aの表面に接するまで下プラテン
2bを上昇させる。
【0055】その結果、上金型1aと下金型1bとによ
って挟まれた成形金型酸化防止用シート8がその表裏両
面において僅かに縮む(凹む)位置で下プラテン2bの
上昇を停止させる。
【0056】これにより、成形金型酸化防止用シート8
は、上金型1aおよび下金型1bに対して、それぞれの
外周に僅かにオーバーラップした状態を形成し、その結
果、成形金型1の合わせ面1cとキャビティ3とを成形
金型酸化防止用シート8によって密封した状態とする。
【0057】なお、実際には、下プラテン2bの上昇は
微量であるため、プレスシリンダ6がストロークエンド
の周辺つまりプレスシリンダ6がほとんど上昇しない位
置であり、この際、作動油12がオイルタンク11に戻
っている状態が望ましい。
【0058】続いて、油圧ポンプ9の動作を停止して、
下プラテン2bの微量な上昇を停止させる。
【0059】その後、上金型1aと下金型1bとによっ
て前記低い圧力で成形金型酸化防止用シート8を挟持し
た状態(ソフトクランプ状態)、すなわち、上金型1a
と下金型1bとによって成形金型酸化防止用シート8を
挟んでその合わせ面1cおよびキャビティ3を成形金型
酸化防止用シート8によって密封した状態で、次着工ま
で成形金型1を放置する。
【0060】これにより、次着工まで、成形金型酸化防
止用シート8によって成形金型1の合わせ面1cおよび
キャビティ3に対して空気が触れるのを防ぐことがで
き、その結果、合わせ面1cおよびキャビティ3の酸化
を防止することができる。
【0061】本実施の形態の成形金型酸化防止用シート
および成形金型の酸化防止方法によれば、以下のような
作用効果が得られる。
【0062】すなわち、成形金型酸化防止用シート8が
耐熱性および耐久性を有したシート材によって形成さ
れ、かつ成形金型1の放置時に、上金型1aと下金型1
bとによって成形金型酸化防止用シート8を挟持するこ
とにより、放置時(長時間待機時)の成形金型1の合わ
せ面1cおよびキャビティ3の酸化を防止することがで
きるとともに、その際、型締め時の圧力より遙に低い圧
力(ソフトクランプ)で成形金型酸化防止用シート8を
挟持することにより、成形金型1の部品(例えば、プレ
スシリンダ6のシリンダパッキン13やOリングなどの
シリンダ用弾性部材やプレスオイル、あるいは、サポー
トピーラ1fや弾性ピン1gなどの金型補助部品、また
は油圧機器など)の損傷を防ぐことができる。
【0063】その結果、成形金型1の合わせ面1cおよ
びキャビティ3の離型性の低下を防止することができる
とともに、成形金型1の放置状態から着工を開始する際
に、成形金型1を型開きして成形金型酸化防止用シート
8を取り出すだけで、直ぐに着工を開始することができ
る。
【0064】したがって、半導体装置などの着工品が少
量多品種生産の場合に、一度中断していた着工を再開す
る際にも、直ぐに着工を開始することができる。
【0065】その結果、製品のターンアラウンドタイム
を向上できる。
【0066】また、成形金型酸化防止用シート8が耐熱
性および耐久性を有したシート材によって形成されてい
ることにより、成形金型酸化防止用シート8の熱による
経時変化を防ぐことができる。
【0067】これにより、成形金型酸化防止用シート8
を繰り返して複数回使用することが可能になる。
【0068】また、成形金型酸化防止用シート8を用い
ることにより、成形金型1の合わせ面1cおよびキャビ
ティ3の酸化を防止することができ、これにより、クリ
ーニング用樹脂を用いた成形金型1のクリーニング作業
を省くことができる。このクリーニング作業は1回当た
り1時間程度要するため、このクリーニング作業を省く
ことができるのは、非常に有効である。
【0069】その結果、モールド工程の作業効率を向上
できる。
【0070】なお、樹脂封止の際には、上金型1aおよ
び下金型1bは、170〜180℃程度まで加熱される
ため、シリンダ内のオイルが高温になり、前記クリーニ
ング用樹脂を用いて繰り返してクリーニング作業を行う
とプレスシリンダ6のシリンダパッキン13やOリング
などのシリンダ用弾性部材が劣化して損傷する。
【0071】したがって、この点からも前記クリーニン
グ用樹脂を用いない本実施の形態の酸化防止方法は有効
である。
【0072】さらに、ダミーリードフレームを用いたダ
ミー成形品14(図3参照)と成形金型酸化防止用シー
ト8とを使用した場合などには一層気密性があり、その
結果、成形金型1の酸化を防止できる。
【0073】これにより、クリーニングの作業を省くこ
とができ、したがって、モールド工程における経済性を
向上できる。
【0074】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その
要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言う
までもない。
【0075】例えば、前記実施の形態における成形金型
1は、半導体チップを樹脂封止するためのものである
が、これに限定されるものではなく、他の種々の射出成
形用、トランスファーモールド用の成形金型1に適用す
ることが可能である。
【0076】また、前記実施の形態の成形金型1の酸化
防止方法では、ダミー成形品14を用いない方法につい
て説明したが、図3に示す他の実施の形態の酸化防止方
法のように、ダミー成形品14を用いてもよい。
【0077】ここで、図3に示す酸化防止方法は、この
成形金型1によってダミーリードフレームを樹脂成形し
て形成したダミー成形品14を用いるものであり、ま
ず、この成形金型1により樹脂成形されたダミー成形品
14を準備する。
【0078】さらに、厚さ10μm程度の耐熱性を有し
たポリイミドフィルムなどの薄膜耐熱シート15を準備
する。
【0079】その後、成形金型酸化防止用シート8の表
裏両面側において上金型1aおよび下金型1bのキャビ
ティ3にダミー成形品14を配置し、さらに、この両側
に配置したそれぞれのダミー成形品14の外側に薄膜耐
熱シート15を配置する。
【0080】したがって、上金型1aと下金型1bとに
よって成形金型酸化防止用シート8を挟持する際に、上
金型1aおよび下金型1bのそれぞれの各キャビティ3
に薄膜耐熱シート15を介してダミー成形品14を配置
し、これにより、成形金型酸化防止用シート8の表裏両
面側にこのダミー成形品14を配置させて、ダミー成形
品14を介して成形金型酸化防止用シート8を挟持する
ものである。
【0081】図3に示す酸化防止方法によれば、上金型
1aおよび下金型1bのそれぞれのキャビティ3に薄膜
耐熱シート15を介してダミー成形品14を配置したこ
とにより、薄膜耐熱シート15がパッキンの役目を成し
かつダミー成形品14によって各キャビティ3の隅々ま
で密封することができるため、その結果、成形金型1の
酸化防止効果をさらに向上させることができる。
【0082】また、図4に示す他の実施の形態の酸化防
止方法は、成形金型酸化防止用シート8として多数の細
孔8aを有した多孔質シートを用いるものである。
【0083】まず、前記多孔質シートである成形金型酸
化防止用シート8を準備し、その後、成形金型酸化防止
用シート8を上金型1aと下金型1bとによって前記低
い圧力(ソフトクランプ)で挟持するとともに、ドライ
エアーまたはN2 ガスなどの酸化防止用気体18を成形
金型酸化防止用シート8内に供給することにより、外方
からの成形金型酸化防止用シート8内への空気の侵入を
阻止して成形金型1の酸化を防止するものである。
【0084】なお、図4に示す酸化防止方法において
は、酸化防止用気体18を成形金型酸化防止用シート8
内に供給する際には、調節弁16により酸化防止用気体
18の流量を微量に調節しながらガス供給手段17から
ガス導入口19を介して成形金型酸化防止用シート8内
に酸化防止用気体18を供給する。
【0085】図4に示す酸化防止方法によれば、成形金
型1を放置している間、成形金型酸化防止用シート8内
に酸化防止用気体18を微量供給するため、前記同様、
成形金型1の酸化防止効果をさらに向上させることがで
きる。
【0086】なお、前記実施の形態および前記他の実施
の形態における成形金型酸化防止用シート8は、その廃
棄処理の容易性を考慮すると、燃焼や溶解が容易な材質
で形成されているものが望ましい。
【0087】また、前記実施の形態および前記他の実施
の形態においては、成形金型1において第1金型が上金
型1aで、かつ第2金型が下金型1bの場合を説明した
が、第1金型が下金型1bで、第2金型が上金型1aで
あってもよい。
【0088】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0089】(1).成形金型の放置時に、第1金型と
第2金型とによって耐熱性および耐久性を有した成形金
型酸化防止用シートを挟持することにより、放置時の成
形金型の合わせ面およびキャビティの酸化を防止するこ
とができるとともに、その際、型締め時の圧力より遙に
低い圧力で成形金型酸化防止用シートを挟持することに
より、成形金型の部品の損傷を防ぐことができる。その
結果、成形金型の合わせ面およびキャビティの離型性の
低下を防止することができ、かつ放置状態から着工を開
始する際に、成形金型を型開きして成形金型酸化防止用
シートを取り出すだけで、直ぐに着工を開始することが
できる。
【0090】(2).前記(1)により、半導体装置な
どの着工品が少量生産の場合などに、一度中断していた
着工を再開する際にも、直ぐに着工することができる。
その結果、製品のターンアラウンドタイムを向上でき
る。
【0091】(3).成形金型酸化防止用シートが耐熱
性および耐久性を有したシート材によって形成されてい
ることにより、成形金型酸化防止用シートの熱による経
時変化を防ぐことができる。これにより、成形金型酸化
防止用シートを繰り返して複数回使用することができ
る。
【0092】(4).前記(1)により、成形金型の合
わせ面およびキャビティの酸化を防止することができ、
これにより、クリーニング用樹脂を用いた成形金型のク
リーニング作業を省くことができる。その結果、モール
ド工程の作業効率を向上できる。
【0093】(5).ダミーリードフレームを用いたダ
ミー成形品を使用せずに成形金型の酸化を防止できるた
め、クリーニング用樹脂やダミーリードフレームを不要
にすることができる。これにより、モールド工程におけ
る経済性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における成形金型酸化防止
用シートの構造の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における成形金型の酸化防
止方法の一例を示す部分断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態である成形金型の酸化
防止方法を示す拡大部分断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態である成形金型の酸化
防止方法を示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 成形金型 1a 上金型(第1金型) 1b 下金型(第2金型) 1c 合わせ面 1d,1e キャビティブロック 1f サポートピーラ 1g 弾性ピン 2a 上プラテン 2b 下プラテン 3 キャビティ 4 ポット 5 支柱 6 プレスシリンダ 7 シリンダラムケース 8 成形金型酸化防止用シート 8a 細孔 9 油圧ポンプ 10 プランジャ 11 オイルタンク 12 作動油 13 シリンダパッキン 14 ダミー成形品 15 薄膜耐熱シート 16 調節弁 17 ガス供給手段 18 酸化防止用気体 19 ガス導入口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の第1金型と第2金型とからなる成
    形金型の酸化防止を行う成形金型酸化防止用シートであ
    って、耐熱性および耐久性を有したシート材によって形
    成され、前記成形金型の放置時に前記第1金型と前記第
    2金型とによって型締め時の圧力より遙に低い圧力で挟
    持されて前記成形金型の表面を含むキャビティの酸化防
    止を行うことを特徴とする成形金型酸化防止用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形金型酸化防止用シー
    トであって、フッ素樹脂、耐熱樹脂、紙またはコットン
    紙によって形成されていることを特徴とする成形金型酸
    化防止用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の成形金型酸化防
    止用シートであって、前記耐熱性を表す耐熱温度が20
    0℃以上であることを特徴とする成形金型酸化防止用シ
    ート。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の成形金型酸
    化防止用シートであって、前記耐久性を表す耐久時間が
    24時間以上であることを特徴とする成形金型酸化防止
    用シート。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の成形金
    型酸化防止用シートを用いた成形金型の酸化防止方法で
    あって、 耐熱性および耐久性を有したシート材によって形成され
    た前記成形金型酸化防止用シートを準備する工程と、 一対の第1金型と第2金型とからなる成形金型の合わせ
    面およびキャビティに前記成形金型酸化防止用シートを
    配置する工程と、 前記成形金型酸化防止用シートを前記第1金型と前記第
    2金型とによって型締め時の圧力より遙に低い圧力で挟
    持する工程と、 前記第1金型と前記第2金型とによって前記低い圧力で
    前記成形金型酸化防止用シートを挟持した状態で前記成
    形金型を放置する工程とを有し、 前記成形金型酸化防止用シートによって前記成形金型の
    合わせ面およびキャビティの表面の酸化を防止すること
    を特徴とする成形金型の酸化防止方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の成形金型の酸化防止方法
    であって、前記成形金型酸化防止用シートを前記第1金
    型と前記第2金型とによって挟持する際に、前記成形金
    型酸化防止用シートの表裏両面に薄膜耐熱シートを配置
    し、前記薄膜耐熱シートを介して前記成形金型酸化防止
    用シートを挟持することを特徴とする成形金型の酸化防
    止方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の成形金型の酸化
    防止方法であって、ダミーリードフレームを用いて前記
    成形金型により樹脂成形されたダミー成形品を準備し、
    前記成形金型酸化防止用シートを前記第1金型と前記第
    2金型とによって挟持する際に、前記成形金型酸化防止
    用シートの表裏両面側において前記第1金型および前記
    第2金型のキャビティに前記第1および第2金型によっ
    て形成した前記ダミー成形品を配置し、前記ダミー成形
    品を介して前記成形金型酸化防止用シートを挟持するこ
    とを特徴とする成形金型の酸化防止方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の成形金型の酸化防止方法
    であって、前記成形金型酸化防止用シートとして多孔質
    シートを準備し、前記成形金型酸化防止用シートである
    多孔質シートを前記第1金型と前記第2金型とによって
    前記低い圧力で挟持するとともに、ドライエアーなどの
    酸化防止用気体を前記多孔質シート内に供給することに
    より、外方からの成形金型酸化防止用シート内への空気
    の侵入を阻止して前記成形金型の酸化を防止することを
    特徴とする成形金型の酸化防止方法。
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