JPH11217432A - 強誘電性液晶ポリマーおよびその用途 - Google Patents

強誘電性液晶ポリマーおよびその用途

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JPH11217432A
JPH11217432A JP10022911A JP2291198A JPH11217432A JP H11217432 A JPH11217432 A JP H11217432A JP 10022911 A JP10022911 A JP 10022911A JP 2291198 A JP2291198 A JP 2291198A JP H11217432 A JPH11217432 A JP H11217432A
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JP
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liquid crystal
crystal polymer
ferroelectric liquid
amino acid
poly
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JP10022911A
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Junji Watanabe
辺 順 次 渡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリペプチド系の強誘電性液晶ポリマーおよ
びその用途を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る強誘電性液晶ポリマーは、
分子内水素結合によって形成されるヘリックス形態をと
るポリ(α−アミノ酸)からなることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリペプチド系の強誘電
性液晶ポリマーおよびその用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】液晶ポリマーとしては、α−ヘリ
ックス形態のポリペプチド等の棒状分子が溶媒の存在に
より示すライオトロピック液晶と、主鎖または側鎖にあ
る剛直鎖が屈曲鎖でつながれ、熱的に液晶状態をとるサ
ーモトロピック液晶とがよく知られている。
【0003】これらの液晶ポリマーの中でも、強誘電性
液晶ポリマーは、従来、側鎖型サーモトロピック液晶ポ
リマーの側鎖に、強誘電性液晶を導入してつくられてい
た。この場合、強誘電性は、不斉炭素を有する光学活性
液晶分子のカイラルスメクチックC相において発現す
る。
【0004】一方、上述したように、液晶ポリマーの一
つであるα−ヘリックス形態のポリペプチドは、高分子
液晶研究の当初から用いられてきた液晶素材である。そ
の特徴は、 「1.棒状形態(100nm程度の持続長)を持つ。」 「2.光学活性である。」 であり、溶液系における液晶相の自発的構造発生、また
そのコレステリック液晶としての性質・機能が、生体系
における蛋白質分子を念頭において幅広く研究されてき
ている。
【0005】しかしながら、α−ヘリックス形態のポリ
ペプチドが有する第三の特徴である 「3.頭尾の識別された高分子であり、大きな分子双極
子を持つ。」 という点に関しては、あまり注目されていない。ちなみ
に一つのペプチドユニットには、>N−H基と、>C=
O基とが含まれ、これらの基の水素結合によって形成さ
れる双極子モーメントは4.3デバイであり、その双極
子はα−ヘリックス軸にほぼ平行で同一方向を向いてい
る。したがって、ポリペプチド分子としての双極子モー
メントの大きさは、単純に(4.3×重合度)デバイと
なる。この双極子相乗効果の大きさはまさにチェイン・
ダイポールと呼ぶべきものであり、分子としては驚くべ
き大きさの双極子モーメントを持っていると言える。し
かし、その極性制御、そして結果として発現するであろ
う機能、性質ならびに用途展開に関しては、全く研究さ
れていない。
【0006】
【発明の目的】本発明者らは、上記のα−ヘリックス形
態のポリペプチドの有する機能性について長年に及ぶ研
究の結果、驚くべきことに、かかるポリペプチドが強誘
電性を示しうるとの知見を得た。すなわち、従来、液晶
ポリマーではあるものの、強誘電性液晶ポリマーとは認
識されていなかったポリペプチドにおいて、ヘリックス
形態で発現する強誘電性を見出すに至り、新たな強誘電
性液晶ポリマー材料を提供しうる本発明を完成した。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る強誘電性液晶ポリマーは、
分子内水素結合によって形成されるヘリックス形態をと
るポリ(α−アミノ酸)からなることを特徴としてい
る。
【0008】また、本発明では、上記強誘電性液晶ポリ
マーは、電場を印加して双極子の向きを揃えたものであ
ることが好ましい。さらに、本発明では、上記ポリ(α
−アミノ酸)が、下記式にて示される繰り返し単位を1
種または2種以上含む(共)重合体であることが好まし
い。
【0009】
【化4】
【0010】式中、 式中、nは、10〜106であ
り、Rは
【0011】
【化5】
【0012】である。ただし、式中、mは、1〜6の整
数であり、R1 は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基、または、炭素数7〜20アラ
ルキル基であり、これらは置換基を有していてもよい。
【0013】さらに、本発明においては、前記Rは下記
の何れかであることが特に好ましい。
【0014】
【化6】
【0015】このような本発明によれば、従来、強誘電
性液晶物質とは認識されていなかったポリペプチドが、
新たな強誘電性液晶ポリマーとして提供される。本発明
の強誘電性ポリマーは、たとえば液晶ディスプレイ、各
種の圧電材料、焦電材料等の用途に好適に用いられる。
【0016】
【発明の具体的説明】本発明の強誘電性液晶ポリマー
は、ポリ(α−アミノ酸)からなる。α−アミノ酸とし
ては、従来より公知の種々のα−アミノ酸、置換α−ア
ミノ酸が特に制限されることなく用いられる。また、本
発明の液晶ポリマーは、一種類のα−アミノ酸のみから
なるα−アミノ酸単独重合体であってもよく、また二種
類以上のα−アミノ酸からなるα−アミノ酸共重合体で
あってもよい。
【0017】このようなポリ(α−アミノ酸)は、たと
えばNCA法により合成することができる。NCA法
は、たとえば「成形・設計のための液晶ポリマー:末永
純一著:シグマ出版」等にその詳細が記載されている。
【0018】NCA法の反応スキームをポリ(γ−グル
タメート)の製造を例にとると以下のように示される。
【0019】
【化7】
【0020】上記のように、ポリ(α−アミノ酸)は、
その主鎖骨格中に、>N−H基と、>C=O基とを含
む。そして、本発明のポリ(α−アミノ酸)では、これ
らのNH基およびCO基とが分子内水素結合を形成し、
安定化して、重合体の主鎖がラセンを描き、ヘリックス
形態をとる。
【0021】ポリペプチドのとりうるヘリックス形態と
しては、α型、γ型、π型等が知られている。本発明で
は、分子内水素結合によって安定化したヘリックス形態
であれば特に限定されないが、特にα−ヘリックス構造
が好ましい。
【0022】ポリペプチドには、D体とL体との光学異
性体があり、一般にはL体に対して右巻き、D体に対し
て左巻きのα−ヘリックスが安定である。そして、NH
基とCO基との間に分子内水素結合が形成されて、分子
内の回転運動が制限される。このため、ヘリックス軸に
ほぼ垂直に、約4.3デバイの双極子が安定化される。
この結果、ポリペプチド分子としての双極子モーメント
の大きさは、単純に(4.3×重合度)デバイとなり、
重合度に応じ、極めて大きな双極子モーメントが形成さ
れることになる。ポリペプチドは、この異方性の高い棒
状形態を有するため液晶形成能を持ち、また光学活性で
あるためコレステリック液晶を形成する。
【0023】そして、本発明者らによる長年の研究の結
果、驚くべきことにこのようなポリ(α−アミノ酸)
が、強誘電性を示し、このため、液晶ディスプレイ、圧
電材料、焦電材料、非線型光学材料、光メモリー等の用
途に用いうることが見出された。また、本発明の強誘電
性液晶ポリマーは、ポリペプチドであるため、生体適合
性あるいは生分解性を有することが期待できる。このた
め、種々の生体材料として用いうる。また、生分解性を
有することから、廃棄物処理の観点からも、従来の非生
分解性強誘電性物質と比して有利である。
【0024】また、本発明の強誘電性液晶ポリマーは、
上述したようにコレステリック液晶を形成する。コレス
テリック相は、一軸配向した分子団からなるネマチック
薄膜が、数分から数度の角度遷移を持ってラセン状に積
み重なったものである。そして、このネマチック薄膜間
の距離(すなわちラセン・ピッチ)は、温度変化により
可逆的に変化する。このピッチの変化にともない、色相
も変化するため、本発明の強誘電性液晶ポリマーは、サ
ーモクロミック材料としても用いられる。
【0025】本発明のポリ(α−アミノ酸)が有する強
誘電性は、非線型光学特性および三角波印加電圧法によ
る分極反転電流の測定により確認できる。本発明のポリ
(α−アミノ酸)は、強誘電性を有することから、自発
分極能を有し、また電場の印加により分極反転が可能で
ある。したがって、上記ポリ(α−アミノ酸)に電場を
印加することによって、双極子の向きを揃えられる。
【0026】ポリ(α−アミノ酸)は、上述したよう
に、1種または2種以上のα−アミノ酸の(共)重合体
であるが、本発明では、下記式にて示される繰り返し単
位を1種または2種以上含む(共)重合体であることが
好ましい。
【0027】
【化8】
【0028】ここで、nは、好ましくは10〜106
さらに好ましくは10〜105、特に好ましくは102
104の整数である。また、Rは、以下の基を表す。
【0029】
【化9】
【0030】式中、mは、1〜6、好ましくは1〜2の
整数であり、R1 は、炭素数1〜22、好ましくは1〜
12のアルキル基、炭素数6〜20、好ましくは6〜1
4のアリール基、または、炭素数7〜20、好ましくは
7〜13のアラルキル基である。さらに、これらアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基は、メチル基、エチル
基、プロピル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基;メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜4
のアルコキシ基;フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基
等の炭素数6〜20のアリロキシ基;ベンジルオキシ基
等の炭素数7〜20のアラルキルオキシ基;塩素、ヨウ
素、臭素等のハロゲン原子により置換されていてもよ
い。
【0031】これらの中でも、本発明においては、上記
式においてmが2であり、R1 がベンジル基、メチル
基、エチル基、ドデシル基であるRが好ましく、特に、
以下の基が好ましい。
【0032】
【化10】
【0033】本発明のポリ(α−アミノ酸)は、上記式
にて示される繰り返し単位1種のみからなる単独重合体
であってもよく、また2種以上を含む共重合体であって
もよい。
【0034】本発明の強誘電性液晶ポリマーを構成する
ポリ(α−アミノ酸)は、上記で説明したポリペプチド
の何れであってもよいが、特にγ−ベンジル−L−グル
タメート/γ−メチル−L−グルタメート共重合体が好
ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、強誘電性が全く認識さ
れていなかったポリペプチドに属する領域において、強
誘電性液晶ポリマーが提供される。したがって、本発明
のポリペプチド系強誘電性液晶ポリマーは、圧電材料、
焦電材料、非線型光学材料、光メモリー、液晶ディスプ
レイ表示板等の強誘電性物質を用いる技術分野におい
て、新たな材料として用いられうる。また、本発明の強
誘電性液晶ポリマーは、ポリペプチドであるため、生体
適合性、生分解性を必要とする用途にも使用されうる。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
【実施例1】ベンジル−L−グルタメート分率が68%
であり、重合度が約800のγ−ベンジル−L−グルタ
メート/γ−メチル−L−グルタメート共重合体を、N
CA法にしたがって調製した。
【0038】得られた共重合体を、ベンジルアルコール
に溶解させ、37重量%の溶液を調製した。このサンプ
ルを、インジウム・錫酸化物(ITO)透明電極を備え
たガラス板の間に挟んだ。セル厚を約8μmとした。特
に表面処理は行わなかったが、わずかにズリ配向処理を
行い、基板に平行に分子を整列させ、基板に対して垂直
な軸を有するヘリックスを形成した。ヘリカル・ピッチ
が約1μmとなる室温において、非線型光学特性および
三角波印加電圧法による分極反転電流の測定を行った。
【0039】図1に溶融シリカプレートを回転させるこ
とにより得たSHG信号の干渉縞を示す。図1に示すよ
うに、印加電圧の極性を変化させることにより縞が反転
することが確認された。この結果は、非線型分極が、そ
の方向性を電場の反転により変えることを意味し、すな
わち系が強誘電性であることが証明された。
【0040】図2に、1Hzの三角波電圧を印加して得
た分極反転電流値の変化を示す。この結果、分極反転電
流にピークが存在することが確認できた。この結果もま
た、該共重合体が、強誘電性であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】γ−ベンジル−L−グルタメート/γ−メチル
−L−グルタメート共重合体のSHG信号の干渉縞を示
す。
【図2】γ−ベンジル−L−グルタメート/γ−メチル
−L−グルタメート共重合体の三角波印加電圧法による
分極反転電流を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内水素結合によって形成されるヘリ
    ックス形態をとるポリ(α−アミノ酸)からなる強誘電
    性液晶ポリマー。
  2. 【請求項2】 電場を印加して双極子の向きを揃えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の強誘電性液晶ポリマ
    ー。
  3. 【請求項3】 ポリ(α−アミノ酸)が、下記式にて示
    される繰り返し単位を1種または2種以上含む(共)重
    合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    強誘電性液晶ポリマー。 【化1】 式中、nは、10〜106であり、Rは 【化2】 である。ただし、式中、mは、1〜6の整数であり、 R1 は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基、または、炭素数7〜20アラルキル基で
    あり、これらは置換基を有していてもよい。
  4. 【請求項4】 前記Rが下記の何れかであることを特徴
    とする請求項3に記載の強誘電性液晶ポリマー。 【化3】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電
    性液晶ポリマーを含む液晶ディスプレイ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電
    性液晶ポリマーを含む圧電材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電
    性液晶ポリマーを含む焦電材料。
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