JPH11217629A - 鋼材の加熱制御方法 - Google Patents
鋼材の加熱制御方法Info
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- JPH11217629A JPH11217629A JP1838098A JP1838098A JPH11217629A JP H11217629 A JPH11217629 A JP H11217629A JP 1838098 A JP1838098 A JP 1838098A JP 1838098 A JP1838098 A JP 1838098A JP H11217629 A JPH11217629 A JP H11217629A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃焼雰囲気の加熱炉において、スケールオフ
量を必要最小限にして表面疵の少ない製品を得る。深絞
り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱では、さらに深絞り性
に優れた製品を得る。 【解決手段】 抽出温度を1100℃以下、雰囲気ガス
の水蒸気濃度を5%以上とし、炉抽出時の鋼材スケール
量の適正範囲をあらかじめ定め、炉内でのスケール生成
速度について、雰囲気の酸素濃度を因子とするモデル、
および鋼材表面温度を因子とするモデルを構築し、装入
前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温度および酸素
濃度の分布と履歴に基づいて、各瞬間における両モデル
によるスケール生成速度を求め、その小さい方をその瞬
間でのスケール生成速度として採用し、それを時間積分
することにより炉抽出時のスケール量予測値を求め、炉
内の酸素濃度分布、温度分布、加熱時間の少なくとも1
項目を調整することにより、炉抽出時の鋼材スケール量
をあらかじめ定めた適正範囲内に制御する。
量を必要最小限にして表面疵の少ない製品を得る。深絞
り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱では、さらに深絞り性
に優れた製品を得る。 【解決手段】 抽出温度を1100℃以下、雰囲気ガス
の水蒸気濃度を5%以上とし、炉抽出時の鋼材スケール
量の適正範囲をあらかじめ定め、炉内でのスケール生成
速度について、雰囲気の酸素濃度を因子とするモデル、
および鋼材表面温度を因子とするモデルを構築し、装入
前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温度および酸素
濃度の分布と履歴に基づいて、各瞬間における両モデル
によるスケール生成速度を求め、その小さい方をその瞬
間でのスケール生成速度として採用し、それを時間積分
することにより炉抽出時のスケール量予測値を求め、炉
内の酸素濃度分布、温度分布、加熱時間の少なくとも1
項目を調整することにより、炉抽出時の鋼材スケール量
をあらかじめ定めた適正範囲内に制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼雰囲気の加熱
炉で鋼材を加熱するに際し、スケールオフ量を必要最小
限にして表面品質の良好な製品を得るための加熱制御方
法、特に深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱において
は、さらに深絞り性に優れた製品を得るための加熱制御
方法に関するものである。
炉で鋼材を加熱するに際し、スケールオフ量を必要最小
限にして表面品質の良好な製品を得るための加熱制御方
法、特に深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱において
は、さらに深絞り性に優れた製品を得るための加熱制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材の製造において、熱間加工のための
加熱時に生成する酸化スケールは、製造歩留まり落ちの
大きな要因であり、その効果的な対策が要望されてい
る。また薄鋼板の製造においては、製造コストの増大を
伴うことなく、製品の加工性、特に深絞り加工性を向上
させるとともに、表面疵による製品歩留まり落ちを低減
させることが重要な課題である。
加熱時に生成する酸化スケールは、製造歩留まり落ちの
大きな要因であり、その効果的な対策が要望されてい
る。また薄鋼板の製造においては、製造コストの増大を
伴うことなく、製品の加工性、特に深絞り加工性を向上
させるとともに、表面疵による製品歩留まり落ちを低減
させることが重要な課題である。
【0003】従来、上記のような酸化スケールの抑制、
表面疵低減、薄鋼板の加工性向上などの個々の技術につ
いては、以下のような対策が提案されている。酸化スケ
ール抑制については、特開昭56−102517号公報
に、連続加熱炉における鋼材の加熱に際して、燃料ガス
の空気比を、加熱帯では1.0〜1.5に、均熱帯では
0.5〜1.0にする方法が提案されている。この方法
によると、均熱帯を還元性雰囲気にしたことでスケール
生成が抑制され、均熱帯の未燃焼ガスが加熱帯で燃焼さ
れるので、熱効率が向上するとされている。
表面疵低減、薄鋼板の加工性向上などの個々の技術につ
いては、以下のような対策が提案されている。酸化スケ
ール抑制については、特開昭56−102517号公報
に、連続加熱炉における鋼材の加熱に際して、燃料ガス
の空気比を、加熱帯では1.0〜1.5に、均熱帯では
0.5〜1.0にする方法が提案されている。この方法
によると、均熱帯を還元性雰囲気にしたことでスケール
生成が抑制され、均熱帯の未燃焼ガスが加熱帯で燃焼さ
れるので、熱効率が向上するとされている。
【0004】表面疵については、特開平5−33153
1号公報および特開平5−331532号公報に、加熱
炉内に水分を供給して雰囲気ガスの露点を高めること
で、酸化スケールの生成量を増大させ、連鋳スラブ表面
層の鋳造欠陥をスケールオフさせる方法および装置が提
案されている。
1号公報および特開平5−331532号公報に、加熱
炉内に水分を供給して雰囲気ガスの露点を高めること
で、酸化スケールの生成量を増大させ、連鋳スラブ表面
層の鋳造欠陥をスケールオフさせる方法および装置が提
案されている。
【0005】薄鋼板の加工性については、例えば特開昭
58−52439号公報に、Alキルド鋼スラブの加熱
温度を1100℃以下に抑えることでAlNの大半を析
出させてから熱間圧延し、その後、冷間圧延し連続焼鈍
することにより、r値の面内異方性が小さく、かつ平均
r値の高い、深絞り加工性の優れた薄鋼板を製造する方
法を開示している。
58−52439号公報に、Alキルド鋼スラブの加熱
温度を1100℃以下に抑えることでAlNの大半を析
出させてから熱間圧延し、その後、冷間圧延し連続焼鈍
することにより、r値の面内異方性が小さく、かつ平均
r値の高い、深絞り加工性の優れた薄鋼板を製造する方
法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭56−10
2517号公報の技術では、スラブ加熱に際して酸化ス
ケールの生成は抑制されるものの、スラブ表面層の介在
物や鋳造欠陥などがスケールオフされずに残存して、圧
延時に表面疵の原因となる。特に深絞り加工用の薄板製
品にとって表面疵は、深絞り加工性を劣化させるばかり
でなく、加工後に顕在しているものは研削除去する必要
があるので、微細なものまで歩留まり落ちの対象とな
る。したがってこの技術では、特に深絞り加工用の薄鋼
板に対しては、表面疵原因の製品歩留まり落ち増による
コスト高が、スケールオフ減での製造歩留まり向上によ
るコスト安を上回り、総合的には製造コストが増大する
ことになる。
2517号公報の技術では、スラブ加熱に際して酸化ス
ケールの生成は抑制されるものの、スラブ表面層の介在
物や鋳造欠陥などがスケールオフされずに残存して、圧
延時に表面疵の原因となる。特に深絞り加工用の薄板製
品にとって表面疵は、深絞り加工性を劣化させるばかり
でなく、加工後に顕在しているものは研削除去する必要
があるので、微細なものまで歩留まり落ちの対象とな
る。したがってこの技術では、特に深絞り加工用の薄鋼
板に対しては、表面疵原因の製品歩留まり落ち増による
コスト高が、スケールオフ減での製造歩留まり向上によ
るコスト安を上回り、総合的には製造コストが増大する
ことになる。
【0007】つぎに上記特開平5−331531号公報
および特開平5−331532号公報の技術は、スラブ
の表層0.5mmをスケールオフするための雰囲気露点と
加熱時間の範囲を示しているが、図面から明らかなよう
に、鋼材の加熱温度1100℃以上が対象となってい
る。本発明者らは、後述のように鋼材の加熱温度110
0℃以下かつ水蒸気濃度5%以上を対象とし、この領域
では、加熱炉雰囲気の水蒸気濃度(露点で示される)は
スケール生成の支配因子とはならないことを見出してい
る。また、上記特開昭58−52439号公報の技術
は、スラブ加熱温度が1100℃以下であるためスケー
ル生成量が少なく、スラブ表面層の介在物や鋳造欠陥な
どがスケールオフされずに残存して、薄板製品の表面疵
が増大することが懸念される。
および特開平5−331532号公報の技術は、スラブ
の表層0.5mmをスケールオフするための雰囲気露点と
加熱時間の範囲を示しているが、図面から明らかなよう
に、鋼材の加熱温度1100℃以上が対象となってい
る。本発明者らは、後述のように鋼材の加熱温度110
0℃以下かつ水蒸気濃度5%以上を対象とし、この領域
では、加熱炉雰囲気の水蒸気濃度(露点で示される)は
スケール生成の支配因子とはならないことを見出してい
る。また、上記特開昭58−52439号公報の技術
は、スラブ加熱温度が1100℃以下であるためスケー
ル生成量が少なく、スラブ表面層の介在物や鋳造欠陥な
どがスケールオフされずに残存して、薄板製品の表面疵
が増大することが懸念される。
【0008】そこで本発明は、燃焼雰囲気の加熱炉で鋼
材を加熱するに際し、スケールオフ量を必要最小限にし
て表面品質の良好な製品を得るための加熱制御方法を提
供し、特に深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱におい
ては、さらに深絞り性に優れた製品を得るための加熱制
御方法を提供することを目的とする。
材を加熱するに際し、スケールオフ量を必要最小限にし
て表面品質の良好な製品を得るための加熱制御方法を提
供し、特に深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱におい
ては、さらに深絞り性に優れた製品を得るための加熱制
御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、燃焼雰囲気の加熱炉で鋼材を加熱する方法
において、 a)鋼材の加熱炉抽出温度を鋼材平均温度で1100℃
以下とし、 b)炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度を5%以上とし、 c)加熱炉抽出時の鋼材スケール量の適正範囲をあらか
じめ定め、 d)炉内での鋼材のスケール生成速度について、炉内雰
囲気の酸素濃度を因子とするモデル、および鋼材表面温
度を因子とするモデルを構築し、 e)炉装入前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温
度、および炉内雰囲気の酸素濃度の分布、およびそれら
の履歴に基づいて、鋼材加熱時の各瞬間での前記両モデ
ルによるスケール生成速度を求め、その小さい方をその
瞬間でのスケール生成速度として採用して、それを時間
積分することにより加熱炉抽出時の鋼材スケール量予測
値を求め、 f)炉内の酸素濃度分布、温度分布、加熱時間の少なく
とも1項目を調整することにより、加熱炉抽出時の鋼材
スケール量をあらかじめ定めた前記適正範囲内に制御す
る、ことを特徴とする鋼材の加熱制御方法である。
の本発明は、燃焼雰囲気の加熱炉で鋼材を加熱する方法
において、 a)鋼材の加熱炉抽出温度を鋼材平均温度で1100℃
以下とし、 b)炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度を5%以上とし、 c)加熱炉抽出時の鋼材スケール量の適正範囲をあらか
じめ定め、 d)炉内での鋼材のスケール生成速度について、炉内雰
囲気の酸素濃度を因子とするモデル、および鋼材表面温
度を因子とするモデルを構築し、 e)炉装入前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温
度、および炉内雰囲気の酸素濃度の分布、およびそれら
の履歴に基づいて、鋼材加熱時の各瞬間での前記両モデ
ルによるスケール生成速度を求め、その小さい方をその
瞬間でのスケール生成速度として採用して、それを時間
積分することにより加熱炉抽出時の鋼材スケール量予測
値を求め、 f)炉内の酸素濃度分布、温度分布、加熱時間の少なく
とも1項目を調整することにより、加熱炉抽出時の鋼材
スケール量をあらかじめ定めた前記適正範囲内に制御す
る、ことを特徴とする鋼材の加熱制御方法である。
【0010】そして、前記モデルを下記(1)式および
(2)式とすることが好ましい。 vl =A×PO2 (1) vp =B×exp(−E/RT)/S (2) ここで、 vl ,vp : スケール生成速度 (g cm-2
s-1) PO2 : 酸素濃度 (%) R: 気体定数 (J mol-1K-1) T: 鋼材表面温度 (K) S: 各瞬間での鋼材スケール量 (g cm-2) A,B,E: 鋼材の種類により定まる定数 である。
(2)式とすることが好ましい。 vl =A×PO2 (1) vp =B×exp(−E/RT)/S (2) ここで、 vl ,vp : スケール生成速度 (g cm-2
s-1) PO2 : 酸素濃度 (%) R: 気体定数 (J mol-1K-1) T: 鋼材表面温度 (K) S: 各瞬間での鋼材スケール量 (g cm-2) A,B,E: 鋼材の種類により定まる定数 である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、燃焼雰囲気の加熱
炉において鋼材を加熱する際、鋼材の表面温度が110
0℃以下で、かつ炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度が5%以
上であると、酸化による鋼材スケール生成の支配的因子
は、鋼材の表面温度と雰囲気ガスの酸素濃度であり、水
蒸気濃度変動の影響は無視でき、加熱炉抽出時の鋼材ス
ケール量の制御がしやすいことを見出した。
炉において鋼材を加熱する際、鋼材の表面温度が110
0℃以下で、かつ炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度が5%以
上であると、酸化による鋼材スケール生成の支配的因子
は、鋼材の表面温度と雰囲気ガスの酸素濃度であり、水
蒸気濃度変動の影響は無視でき、加熱炉抽出時の鋼材ス
ケール量の制御がしやすいことを見出した。
【0012】したがって本発明法において、鋼材の加熱
炉抽出温度を鋼材平均温度で1100℃以下とし、かつ
炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度を5%以上と限定した。こ
のように鋼材の加熱温度を1100℃以下とすることに
より、特に深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱におい
ては、AlNの大半がスラブ加熱時に析出して、熱間圧
延時の微細析出が抑制されるため、その後の冷延および
焼鈍によりr値の面内異方性が小さく、かつ平均r値の
高い薄板製品が得られる。
炉抽出温度を鋼材平均温度で1100℃以下とし、かつ
炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度を5%以上と限定した。こ
のように鋼材の加熱温度を1100℃以下とすることに
より、特に深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱におい
ては、AlNの大半がスラブ加熱時に析出して、熱間圧
延時の微細析出が抑制されるため、その後の冷延および
焼鈍によりr値の面内異方性が小さく、かつ平均r値の
高い薄板製品が得られる。
【0013】本発明法は、上記温度および水蒸気濃度の
もとで鋼材を加熱し、加熱炉抽出時の鋼材スケール量
を、あらかじめ定めた適正範囲内に制御するものであ
る。鋼材スケール量の適正範囲は、加熱前の鋼材表面層
に存在する介在物や鋳造欠陥等と製品に要求される表面
疵の程度に応じて、スケールオフすべき表面層の厚さか
ら下限を定め、スケールオフ量増大による製造コスト高
の許容値から上限を定める。したがって、鋼種、製品の
種類および用途などによって適正範囲は異なり、鋼種で
は、特に鋼中のC含有量によってスケール量の下限が定
まる。
もとで鋼材を加熱し、加熱炉抽出時の鋼材スケール量
を、あらかじめ定めた適正範囲内に制御するものであ
る。鋼材スケール量の適正範囲は、加熱前の鋼材表面層
に存在する介在物や鋳造欠陥等と製品に要求される表面
疵の程度に応じて、スケールオフすべき表面層の厚さか
ら下限を定め、スケールオフ量増大による製造コスト高
の許容値から上限を定める。したがって、鋼種、製品の
種類および用途などによって適正範囲は異なり、鋼種で
は、特に鋼中のC含有量によってスケール量の下限が定
まる。
【0014】この適正範囲内に鋼材スケール量を制御す
るための手段として、まず炉内での鋼材のスケール生成
速度についてモデルを構築する。上記のように、酸化に
よる鋼材スケール生成の支配的因子は、鋼材の表面温度
と雰囲気ガスの酸素濃度であり、水蒸気濃度変動の影響
は無視できるので、酸素濃度を因子とするスケール生成
速度モデルと、鋼材表面温度を因子とするスケール生成
速度モデルを構築する。スケール生成速度は両モデルの
小さい方の値で律速され、これを時間積分することで鋼
材のスケール量を予測するモデルとなる。
るための手段として、まず炉内での鋼材のスケール生成
速度についてモデルを構築する。上記のように、酸化に
よる鋼材スケール生成の支配的因子は、鋼材の表面温度
と雰囲気ガスの酸素濃度であり、水蒸気濃度変動の影響
は無視できるので、酸素濃度を因子とするスケール生成
速度モデルと、鋼材表面温度を因子とするスケール生成
速度モデルを構築する。スケール生成速度は両モデルの
小さい方の値で律速され、これを時間積分することで鋼
材のスケール量を予測するモデルとなる。
【0015】炉内雰囲気の酸素濃度を因子とするモデル
は上記(1)式とし、鋼材表面温度を因子とするモデル
は上記(2)式とするのが好ましい。(1)式および
(2)式の定数A、B、Eは、対象鋼種の試験片につい
て、酸素濃度および温度を一定とした条件で、種々の酸
素濃度および温度での酸化増量の経時変化を測定するこ
とにより求めることができる。
は上記(1)式とし、鋼材表面温度を因子とするモデル
は上記(2)式とするのが好ましい。(1)式および
(2)式の定数A、B、Eは、対象鋼種の試験片につい
て、酸素濃度および温度を一定とした条件で、種々の酸
素濃度および温度での酸化増量の経時変化を測定するこ
とにより求めることができる。
【0016】しかし、これらの式によらず、例えば上記
測定結果から酸素濃度、温度、および時間を変数とし
て、スケール生成速度との関係を図示し、あるいはこの
関係を直接インプットしたものをモデルとすることもで
きる。なお、(2)式におけるS(鋼材スケール量)
は、加熱炉装入前のスケール量と炉内で生成したスケー
ル量の和である。
測定結果から酸素濃度、温度、および時間を変数とし
て、スケール生成速度との関係を図示し、あるいはこの
関係を直接インプットしたものをモデルとすることもで
きる。なお、(2)式におけるS(鋼材スケール量)
は、加熱炉装入前のスケール量と炉内で生成したスケー
ル量の和である。
【0017】つぎに対象とする鋼材を加熱炉に装入し、
炉装入前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温度およ
び炉内雰囲気の酸素濃度の分布およびそれらの履歴に基
づいて、前記両モデルにより加熱炉抽出時の鋼材スケー
ル量を予測する。予測に際しては、予測時点までの炉内
でのスケール生成量を両モデルにより計算し、装入前の
鋼材スケール量と、これから炉抽出時までに生成するで
あろうスケール量の予測値とを合算する。
炉装入前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温度およ
び炉内雰囲気の酸素濃度の分布およびそれらの履歴に基
づいて、前記両モデルにより加熱炉抽出時の鋼材スケー
ル量を予測する。予測に際しては、予測時点までの炉内
でのスケール生成量を両モデルにより計算し、装入前の
鋼材スケール量と、これから炉抽出時までに生成するで
あろうスケール量の予測値とを合算する。
【0018】炉装入前の鋼材スケール量は、個々の鋼材
毎に測定して求めることもでき、あるいは実測値に基づ
いて各鋼材の温度履歴および手入れ状況等から推定する
こともできる。鋼材表面温度は実測することもでき、ま
た炉温度と滞在時間から計算で求めることもできる。加
熱炉が複数の帯に分割され、鋼材が各帯を順次通過して
いく場合には、各帯の炉温と滞在時間から求める。
毎に測定して求めることもでき、あるいは実測値に基づ
いて各鋼材の温度履歴および手入れ状況等から推定する
こともできる。鋼材表面温度は実測することもでき、ま
た炉温度と滞在時間から計算で求めることもできる。加
熱炉が複数の帯に分割され、鋼材が各帯を順次通過して
いく場合には、各帯の炉温と滞在時間から求める。
【0019】炉内での鋼材表面温度の分布および履歴
は、炉内複数位置での温度を計測し、鋼材を装入してか
らの経過時間および移動距離から、計算または実測によ
り求めることができる。また炉内雰囲気の酸素濃度の分
布および履歴は、炉内複数位置での酸素濃度を実測し、
あるいは燃焼空気比から計算で求め、鋼材を装入してか
らの経過時間および移動距離から、計算または実測によ
り求めることができる。その後、予め求めた鋼材のスケ
ール量予測モデルを採用して、炉内の酸素濃度分布、温
度分布、加熱時間の少なくとも1項目を調整することに
より、加熱炉抽出時の鋼材スケール量をあらかじめ定め
た前記適正範囲内に制御する。
は、炉内複数位置での温度を計測し、鋼材を装入してか
らの経過時間および移動距離から、計算または実測によ
り求めることができる。また炉内雰囲気の酸素濃度の分
布および履歴は、炉内複数位置での酸素濃度を実測し、
あるいは燃焼空気比から計算で求め、鋼材を装入してか
らの経過時間および移動距離から、計算または実測によ
り求めることができる。その後、予め求めた鋼材のスケ
ール量予測モデルを採用して、炉内の酸素濃度分布、温
度分布、加熱時間の少なくとも1項目を調整することに
より、加熱炉抽出時の鋼材スケール量をあらかじめ定め
た前記適正範囲内に制御する。
【0020】酸素濃度分布の調整は、複数ある燃焼バー
ナーについて各バーナーの空気比を調整することで行う
ことができ、温度分布の調整は、各バーナーのは燃焼量
を調整することで行うことができる。加熱時間の調整
は、炉内での鋼材の搬送速度を調整することで行うこと
ができる。
ナーについて各バーナーの空気比を調整することで行う
ことができ、温度分布の調整は、各バーナーのは燃焼量
を調整することで行うことができる。加熱時間の調整
は、炉内での鋼材の搬送速度を調整することで行うこと
ができる。
【0021】このような本発明法で、加熱炉に装入され
た鋼材の刻々変化する表面スケール量を把握しつつ操業
条件を調整することにより、加熱炉抽出時の鋼材スケー
ル量を、あらかじめ定めた適正範囲内に高精度で制御す
ることができる。したがって、必要最小限のスケールオ
フ量で、表面品質の良好な鋼材が得られる。さらに、鋼
材を1100℃以下の温度に均一加熱することでエネル
ギ原単位を向上でき、深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ
加熱に適用すれば、深絞り性に優れかつ表面性状の良好
な薄板製品が得られる。
た鋼材の刻々変化する表面スケール量を把握しつつ操業
条件を調整することにより、加熱炉抽出時の鋼材スケー
ル量を、あらかじめ定めた適正範囲内に高精度で制御す
ることができる。したがって、必要最小限のスケールオ
フ量で、表面品質の良好な鋼材が得られる。さらに、鋼
材を1100℃以下の温度に均一加熱することでエネル
ギ原単位を向上でき、深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ
加熱に適用すれば、深絞り性に優れかつ表面性状の良好
な薄板製品が得られる。
【0022】
【実施例】[実施例1] 重量%でCが0.005%以
下、Tiを0.001%以上0.08%以下、Mnを
0.3%以下、Siを0.05%以下含有する鋼材の試
験片について、800〜1100℃の間の温度7水準、
酸素濃度0.1〜10%の間の7水準、水蒸気濃度5%
の条件で、温度および酸素濃度を一定として、熱天秤に
より時間−酸化増量曲線を測定した。試験片の初期スケ
ール量は0のものと0.05g cm-2のものについて測定
した。
下、Tiを0.001%以上0.08%以下、Mnを
0.3%以下、Siを0.05%以下含有する鋼材の試
験片について、800〜1100℃の間の温度7水準、
酸素濃度0.1〜10%の間の7水準、水蒸気濃度5%
の条件で、温度および酸素濃度を一定として、熱天秤に
より時間−酸化増量曲線を測定した。試験片の初期スケ
ール量は0のものと0.05g cm-2のものについて測定
した。
【0023】これら測定結果から(1)式および(2)
式の定数を求めた結果、A=9.5×10-6(g cm-2 s
-1%-1)、 B=0.30( g2 cm-4 s-1)、E=1
39(kJ mol-1)であった。そして、(1)式および
(2)式によるスケール量の予測値と実測値の誤差は5
%以内であった。上記成分のスラブを、予熱帯、加熱
帯、均熱帯からなる燃焼雰囲気の連続加熱炉で加熱し、
熱間圧延した後、酸洗、冷間圧延、連続焼鈍を行い、一
部については表面処理を施して薄板製品とした。
式の定数を求めた結果、A=9.5×10-6(g cm-2 s
-1%-1)、 B=0.30( g2 cm-4 s-1)、E=1
39(kJ mol-1)であった。そして、(1)式および
(2)式によるスケール量の予測値と実測値の誤差は5
%以内であった。上記成分のスラブを、予熱帯、加熱
帯、均熱帯からなる燃焼雰囲気の連続加熱炉で加熱し、
熱間圧延した後、酸洗、冷間圧延、連続焼鈍を行い、一
部については表面処理を施して薄板製品とした。
【0024】上記加熱炉から抽出した時のスケール生成
量と、抽出された鋼材のスケールオフによる歩留まり落
ち、および薄板製品の表面疵発生程度との関係を求めた
結果を図1に示す。この結果、薄板製品の表面疵による
歩留まり落ちがなく、かつスケールオフによる歩留まり
落ちが製造コストの観点から許容できるスケール生成量
の範囲は、0.089〜0.16g cm-2であり、これを
鋼材スケール量の適正範囲とした。また、加熱前のスラ
ブの温度履歴、表面溶削処理条件、加熱炉装入温度と、
加熱炉装入時の初期スケール量との対応をあらかじめ求
めておき、個々のスラブについて、これら各条件に基づ
き、加熱炉装入時の初期スケール量を推定した。
量と、抽出された鋼材のスケールオフによる歩留まり落
ち、および薄板製品の表面疵発生程度との関係を求めた
結果を図1に示す。この結果、薄板製品の表面疵による
歩留まり落ちがなく、かつスケールオフによる歩留まり
落ちが製造コストの観点から許容できるスケール生成量
の範囲は、0.089〜0.16g cm-2であり、これを
鋼材スケール量の適正範囲とした。また、加熱前のスラ
ブの温度履歴、表面溶削処理条件、加熱炉装入温度と、
加熱炉装入時の初期スケール量との対応をあらかじめ求
めておき、個々のスラブについて、これら各条件に基づ
き、加熱炉装入時の初期スケール量を推定した。
【0025】つぎに、個々のスラブの初期温度(加熱炉
装入時の温度)、予熱帯、加熱帯、均熱帯の各炉温、お
よび各帯のスラブの予定滞在時間から、加熱炉内での予
想される鋼材表面温度を計算で求めた。この予想鋼材表
面温度と各帯で測定した酸素濃度とから、(1)式およ
び(2)式によりスケール生成速度を予測し、両式の予
測値の小さい方を採用して、それを時間積分して加熱炉
抽出時の鋼材のスケール量を予測し、加熱炉抽出時の鋼
材スケール量が上記適正範囲となるように制御した。
装入時の温度)、予熱帯、加熱帯、均熱帯の各炉温、お
よび各帯のスラブの予定滞在時間から、加熱炉内での予
想される鋼材表面温度を計算で求めた。この予想鋼材表
面温度と各帯で測定した酸素濃度とから、(1)式およ
び(2)式によりスケール生成速度を予測し、両式の予
測値の小さい方を採用して、それを時間積分して加熱炉
抽出時の鋼材のスケール量を予測し、加熱炉抽出時の鋼
材スケール量が上記適正範囲となるように制御した。
【0026】制御に際し、スケール生成量の予測値が適
正範囲を外れた場合の対応として、つぎの方法1〜方法
11を行い、本発明例とした。 方法1:各帯の炉温を操作した。 方法2:各帯での鋼材の滞在時間を操作した。 方法3:各帯のバーナーの空気比を操作してその帯の実
測酸素濃度を所望の酸素濃度に制御した。 方法4:各帯のバーナーの空気比を操作してその帯の計
算酸素濃度を所望の酸素濃度に制御した。 方法5:方法1と方法2の組合わせ。 方法6:方法1と方法3の組合わせ。 方法7:方法1と方法4の組合わせ。 方法8:方法2と方法3の組合わせ。 方法9:方法2と方法4の組合わせ。 方法10:方法1と方法2と方法3の組合わせ。 方法11:方法1と方法2と方法4の組合わせ。
正範囲を外れた場合の対応として、つぎの方法1〜方法
11を行い、本発明例とした。 方法1:各帯の炉温を操作した。 方法2:各帯での鋼材の滞在時間を操作した。 方法3:各帯のバーナーの空気比を操作してその帯の実
測酸素濃度を所望の酸素濃度に制御した。 方法4:各帯のバーナーの空気比を操作してその帯の計
算酸素濃度を所望の酸素濃度に制御した。 方法5:方法1と方法2の組合わせ。 方法6:方法1と方法3の組合わせ。 方法7:方法1と方法4の組合わせ。 方法8:方法2と方法3の組合わせ。 方法9:方法2と方法4の組合わせ。 方法10:方法1と方法2と方法3の組合わせ。 方法11:方法1と方法2と方法4の組合わせ。
【0027】また比較例1、2では本発明による制御を
行わなかった。本発明例および比較例1では、平均の鋼
材抽出温度が1100℃を超えない範囲で加熱し、比較
例2では抽出温度の制限を設けず、1100℃を超える
温度で抽出された。本発明例では、上記方法1〜方法1
1ともに、スケール生成量があらかじめ定めた適正範囲
(0.089〜0.16g cm-2)内に確実に制御された
のに対し、比較例はいずれも適正範囲を外れるものの頻
度が高かった。本発明例の方法11と比較例1の結果を
図2に示す。
行わなかった。本発明例および比較例1では、平均の鋼
材抽出温度が1100℃を超えない範囲で加熱し、比較
例2では抽出温度の制限を設けず、1100℃を超える
温度で抽出された。本発明例では、上記方法1〜方法1
1ともに、スケール生成量があらかじめ定めた適正範囲
(0.089〜0.16g cm-2)内に確実に制御された
のに対し、比較例はいずれも適正範囲を外れるものの頻
度が高かった。本発明例の方法11と比較例1の結果を
図2に示す。
【0028】また、薄板製品の表面疵および深絞り加工
性、鋼材加熱時のスケール生成による歩留まり落ちの結
果を表1に示す。本発明例はいずれも、歩留まり落ちに
なる表面疵は皆無であり、かつ鋼材加熱時のスケール生
成による歩留まり落ちを低減することができ、さらに深
絞り性も良好であった。本発明法の制御を行わず、抽出
温度を1100℃以下とした比較例1では、表面疵によ
る歩留まり落ちが高く、抽出温度が1100℃を超えた
比較例2では、スケール生成による歩留まり落ちが高
く、深絞り加工で不良が発生した。
性、鋼材加熱時のスケール生成による歩留まり落ちの結
果を表1に示す。本発明例はいずれも、歩留まり落ちに
なる表面疵は皆無であり、かつ鋼材加熱時のスケール生
成による歩留まり落ちを低減することができ、さらに深
絞り性も良好であった。本発明法の制御を行わず、抽出
温度を1100℃以下とした比較例1では、表面疵によ
る歩留まり落ちが高く、抽出温度が1100℃を超えた
比較例2では、スケール生成による歩留まり落ちが高
く、深絞り加工で不良が発生した。
【0029】
【表1】
【0030】[実施例2] 重量%でCが0.005〜
0.03%、Alを0.01〜0.1%、Mnを0.3
%以下、Siを0.05%以下含有する鋼材の試験片に
ついて実施例1と同様の測定を行い、(1)式および
(2)式の定数を求めた結果、A=8.7×10-6(g
cm-2 s-1%-1)、 B=0.29( g2 cm-4 s-1)、E
=138(kJ mol-1)であった。そして、(1)式お
よび(2)式によるスケール量の予測値と実測値の誤差
は7%以内であった。上記成分のスラブを、実施例1と
同様にして薄板製品とし、スケール生成量の適正範囲
0.067〜0.16g cm-2を求めた。また、同様にし
て加熱炉装入時の初期スケール量を推定した。
0.03%、Alを0.01〜0.1%、Mnを0.3
%以下、Siを0.05%以下含有する鋼材の試験片に
ついて実施例1と同様の測定を行い、(1)式および
(2)式の定数を求めた結果、A=8.7×10-6(g
cm-2 s-1%-1)、 B=0.29( g2 cm-4 s-1)、E
=138(kJ mol-1)であった。そして、(1)式お
よび(2)式によるスケール量の予測値と実測値の誤差
は7%以内であった。上記成分のスラブを、実施例1と
同様にして薄板製品とし、スケール生成量の適正範囲
0.067〜0.16g cm-2を求めた。また、同様にし
て加熱炉装入時の初期スケール量を推定した。
【0031】つぎに、個々のスラブについて実施例1の
方法10による加熱制御を行い、薄板製品を製造した。
比較例3、4では本発明による制御を行わなかった。本
発明例および比較例3では、平均の鋼材抽出温度が11
00℃を超えない範囲で加熱し、比較例4では抽出温度
の制限を設けず、1100℃を超える温度で抽出され
た。本発明例では、スケール生成量があらかじめ定めた
適正範囲(0.067〜0.16g cm-2)内に確実に制
御されたのに対し、比較例はいずれも適正範囲を外れる
ものの頻度が高かった。本発明例と比較例1の結果を図
3に示す。
方法10による加熱制御を行い、薄板製品を製造した。
比較例3、4では本発明による制御を行わなかった。本
発明例および比較例3では、平均の鋼材抽出温度が11
00℃を超えない範囲で加熱し、比較例4では抽出温度
の制限を設けず、1100℃を超える温度で抽出され
た。本発明例では、スケール生成量があらかじめ定めた
適正範囲(0.067〜0.16g cm-2)内に確実に制
御されたのに対し、比較例はいずれも適正範囲を外れる
ものの頻度が高かった。本発明例と比較例1の結果を図
3に示す。
【0032】また、薄板製品の表面疵および深絞り加工
性、鋼材加熱時のスケール生成による歩留まり落ちの結
果を表2に示す。本発明例は歩留まり落ちになる表面疵
は皆無であり、かつ鋼材加熱時のスケール生成による歩
留まり落ちを低減することができ、さらに深絞り性も良
好であった。本発明法の制御を行わず、抽出温度を11
00℃以下とした比較例3では、表面疵による歩留まり
落ちが高く、抽出温度が1100℃を超えた比較例4で
は、スケール生成による歩留まり落ちが高く、深絞り加
工で不良が発生した。
性、鋼材加熱時のスケール生成による歩留まり落ちの結
果を表2に示す。本発明例は歩留まり落ちになる表面疵
は皆無であり、かつ鋼材加熱時のスケール生成による歩
留まり落ちを低減することができ、さらに深絞り性も良
好であった。本発明法の制御を行わず、抽出温度を11
00℃以下とした比較例3では、表面疵による歩留まり
落ちが高く、抽出温度が1100℃を超えた比較例4で
は、スケール生成による歩留まり落ちが高く、深絞り加
工で不良が発生した。
【0033】
【表2】
【0034】[実施例3] 重量%でCが0.03〜
0.08%、Alを0.01〜0.1%、Mnを0.3
%以下、Siを0.05%以下含有する鋼材の試験片に
ついて実施例1と同様の測定を行い、(1)式および
(2)式の定数を求めた結果、A=8.3×10-6(g
cm-2 s-1%-1)、 B=0.25( g2 cm-4 s-1)、
E=135(kJ mol-1)であった。そして、(1)式
および(2)式によるスケール量の予測値と実測値の誤
差は10%以内であった。上記成分のスラブを、実施例
1と同様にして薄板製品とし、スケール生成量の適正範
囲0.067〜0.14g cm-2を求めた。また、同様に
して加熱炉装入時の初期スケール量を推定した。
0.08%、Alを0.01〜0.1%、Mnを0.3
%以下、Siを0.05%以下含有する鋼材の試験片に
ついて実施例1と同様の測定を行い、(1)式および
(2)式の定数を求めた結果、A=8.3×10-6(g
cm-2 s-1%-1)、 B=0.25( g2 cm-4 s-1)、
E=135(kJ mol-1)であった。そして、(1)式
および(2)式によるスケール量の予測値と実測値の誤
差は10%以内であった。上記成分のスラブを、実施例
1と同様にして薄板製品とし、スケール生成量の適正範
囲0.067〜0.14g cm-2を求めた。また、同様に
して加熱炉装入時の初期スケール量を推定した。
【0035】つぎに、個々のスラブについて実施例1の
方法10による加熱制御を行い、薄板製品を製造した。
比較例5、6では本発明による制御を行わなかった。本
発明例および比較例5では、平均の鋼材抽出温度が11
00℃を超えない範囲で加熱し、比較例6では抽出温度
の制限を設けず、1100℃を超える温度で抽出され
た。本発明例では、スケール生成量があらかじめ定めた
適正範囲(0.067〜0.14g cm-2)内に確実に制
御されたのに対し、比較例はいずれも適正範囲を外れる
ものの頻度が高かった。
方法10による加熱制御を行い、薄板製品を製造した。
比較例5、6では本発明による制御を行わなかった。本
発明例および比較例5では、平均の鋼材抽出温度が11
00℃を超えない範囲で加熱し、比較例6では抽出温度
の制限を設けず、1100℃を超える温度で抽出され
た。本発明例では、スケール生成量があらかじめ定めた
適正範囲(0.067〜0.14g cm-2)内に確実に制
御されたのに対し、比較例はいずれも適正範囲を外れる
ものの頻度が高かった。
【0036】また、薄板製品の表面疵および深絞り加工
性、鋼材加熱時のスケール生成による歩留まり落ちの結
果を表3に示す。本発明例は歩留まり落ちになる表面疵
は皆無であり、かつ鋼材加熱時のスケール生成による歩
留まり落ちを低減することができ、さらに深絞り性も良
好であった。本発明法の制御を行わず、抽出温度を11
00℃以下とした比較例5では、表面疵による歩留まり
落ちが高く、抽出温度が1100℃を超えた比較例6で
は、スケール生成による歩留まり落ちが高く、深絞り加
工で不良が発生した。
性、鋼材加熱時のスケール生成による歩留まり落ちの結
果を表3に示す。本発明例は歩留まり落ちになる表面疵
は皆無であり、かつ鋼材加熱時のスケール生成による歩
留まり落ちを低減することができ、さらに深絞り性も良
好であった。本発明法の制御を行わず、抽出温度を11
00℃以下とした比較例5では、表面疵による歩留まり
落ちが高く、抽出温度が1100℃を超えた比較例6で
は、スケール生成による歩留まり落ちが高く、深絞り加
工で不良が発生した。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明法により、加熱炉に装入された鋼
材の刻々変化する表面スケール量を把握しつつ操業条件
を調整することで、加熱炉抽出時の鋼材スケール量を、
あらかじめ定めた適正範囲内に高精度で制御することが
できる。したがって、スケールオフ量を必要最小限にし
て表面品質の良好な鋼材が得られる。さらに、鋼材を1
100℃以下の温度に均一加熱することでエネルギ原単
位を向上でき、深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱に
適用すれば、深絞り性に優れかつ表面性状の良好な薄板
製品が得られる。
材の刻々変化する表面スケール量を把握しつつ操業条件
を調整することで、加熱炉抽出時の鋼材スケール量を、
あらかじめ定めた適正範囲内に高精度で制御することが
できる。したがって、スケールオフ量を必要最小限にし
て表面品質の良好な鋼材が得られる。さらに、鋼材を1
100℃以下の温度に均一加熱することでエネルギ原単
位を向上でき、深絞り加工向け薄鋼板用のスラブ加熱に
適用すれば、深絞り性に優れかつ表面性状の良好な薄板
製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法におけるスケール生成量の適正範囲の
例を示すグラフである。
例を示すグラフである。
【図2】実施例1におけるスケール生成量を示すグラフ
である。
である。
【図3】実施例2におけるスケール生成量を示すグラフ
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 燃焼雰囲気の加熱炉で鋼材を加熱する方
法において、 a)鋼材の加熱炉抽出温度を鋼材平均温度で1100℃
以下とし、 b)炉内雰囲気ガスの水蒸気濃度を5%以上とし、 c)加熱炉抽出時の鋼材スケール量の適正範囲をあらか
じめ定め、 d)炉内での鋼材のスケール生成速度について、炉内雰
囲気の酸素濃度を因子とするモデル、および鋼材表面温
度を因子とするモデルを構築し、 e)炉装入前の鋼材スケール量、炉内での鋼材表面温
度、および炉内雰囲気の酸素濃度の分布、およびそれら
の履歴に基づいて、鋼材加熱時の各瞬間での前記両モデ
ルによるスケール生成速度を求め、その小さい方をその
瞬間でのスケール生成速度として採用して、それを時間
積分することにより加熱炉抽出時の鋼材スケール量予測
値を求め、 f)炉内の酸素濃度分布、温度分布、加熱時間の少なく
とも1項目を調整することにより、加熱炉抽出時の鋼材
スケール量をあらかじめ定めた前記適正範囲内に制御す
る、ことを特徴とする鋼材の加熱制御方法。 - 【請求項2】 前記モデルを下記(1)式および(2)
式とすることを特徴とする請求項1記載の鋼材の加熱制
御方法。 vl =A×PO2 (1) vp =B×exp(−E/RT)/S (2) ここで、 vl ,vp : スケール生成速度 (g cm-2
s-1) PO2 : 酸素濃度 (%) R: 気体定数 (J mol-1K-1) T: 鋼材表面温度 (K) S: 各瞬間での鋼材スケール量 (g cm-2) A,B,E: 鋼材の種類により定まる定数 である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1838098A JPH11217629A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 鋼材の加熱制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1838098A JPH11217629A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 鋼材の加熱制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11217629A true JPH11217629A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=11970118
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1838098A Withdrawn JPH11217629A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 鋼材の加熱制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11217629A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002249824A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間圧延鋼材の製造方法 |
| JP2011246789A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Kobe Steel Ltd | 条鋼の製造方法 |
| JP2018159134A (ja) * | 2018-06-18 | 2018-10-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 鋼板表面疵の抑制方法及び連続焼鈍炉 |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP1838098A patent/JPH11217629A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002249824A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間圧延鋼材の製造方法 |
| JP2011246789A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Kobe Steel Ltd | 条鋼の製造方法 |
| JP2018159134A (ja) * | 2018-06-18 | 2018-10-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 鋼板表面疵の抑制方法及び連続焼鈍炉 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050405 |