JPH11222499A - プロテアソーム抑制蛋白質およびそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

プロテアソーム抑制蛋白質およびそれをコードするポリヌクレオチド

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JPH11222499A
JPH11222499A JP10036542A JP3654298A JPH11222499A JP H11222499 A JPH11222499 A JP H11222499A JP 10036542 A JP10036542 A JP 10036542A JP 3654298 A JP3654298 A JP 3654298A JP H11222499 A JPH11222499 A JP H11222499A
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JP
Japan
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polynucleotide
human
sequence
amino acid
protein
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JP10036542A
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Naoki Niihara
直樹 新原
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Japan Science and Technology Agency
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プロテアソームの活性制御に関連する新規な
蛋白質、それをコードするポリヌクレオチド、そのアン
チセンスポリヌクレオチド、及び、その抗体を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、プロテアソーム制御因子とし
てプロテアソームの蛋白質分解活性を抑制する新規な蛋
白質、それをコードするポリヌクレオチド、及び、当該
蛋白質を認識する抗体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロテアソ−ムの
蛋白質分解活性を抑制する蛋白質および該蛋白質の変異
体、それらの蛋白質をコードするポリヌクレオチド並び
にそれを組み込んでなる形質転換体に関する。また、前
記ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドに
関する。また、前記蛋白質を認識する抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】プロテアソームは、別名、多機能性プロ
テアーゼと呼ばれ、不活性型で細胞内に局在し、エネル
ギー依存性蛋白質分解系を構成する主要酵素である。プ
ロテアソームは、酵母からヒトに至る真核生物に広く存
在しており、またすべての組織に存在し、なかでも肝臓
では、全可溶性蛋白質の1%も占める。プロテアソーム
は同一分子内に複数の触媒活性部位を持ち、トリプシン
型酵素の基質である塩基性アミノ酸、キモトリプシン型
酵素の基質である中性アミノ酸、酸性アミノ酸を含む合
成ペプチドのカルボキシ末端のペプチド結合を切断する
活性がある。酸性アミノ酸を含む合成ペプチドのカルボ
キシ末端のペプチド結合を切断する活性を有することは
プロテアーゼとしては稀である。しかしながら、種々の
既知の阻害剤にはプロテアソームに特異的かつ有効に作
用するものがないことから、プロテアソームは、既知の
プロテアーゼとは異なる触媒活性部位を持つと推定され
ている。
【0003】また、プロテアソームは構造的には、14
種類(α型7種類、β型7種類)の異なるサブユニット
のダイマーからなる総数28個の多成分複合体である。
また、沈降係数20S、分子量は約75万と推定され、
プロテアーゼとしては例外的に大きい。本明細書におい
て、このプロテアソームを20Sプロテアソームとい
う。また、プロテアソームを電子顕微鏡で観察すると7
種類のサブユニットが環状構造を形成し、これがα
(1-7)β(1-7)β(1-7)α(1-7)の4層構造をとる分子形状
を有していることが認められた。
【0004】さらに、ヒトプロテアソームは、少なくと
も14種類のサブユニットより、構成されていることが
わかり、このうちα型サブユニット群として、HC2、
HC3、HC8、HC9、Zeta、iotaまたはX
APC7、β型サブユニット群として、HC5、HC7
−I、HC−10、HN3、X、hLMP7、Y、hL
MP2、ZまたはMECL1等の一次構造が明かになっ
た(Tanahashi,N.et al.,Enzyme Protein,47,241,199
3)。かかるプロテアソームは、非リソゾーム系蛋白質
分解経路における主要酵素であり、蛋白質の修飾による
機能制御や蛋白質の代謝回転の調節など多彩な生理作用
を有していると推定される。さらに、最近、クラスI
MHC抗原の提示に欠陥をもつB細胞変異株が分離さ
れ、それらにはクラスII MHC領域約200kbに
欠失のあることが判明した。この領域には、TAP1お
よびTAP2とよばれるペプチドを細胞質から小胞体へ
移送させるトランスポーター蛋白質の遺伝子がコードさ
れており、その近傍には、LMP2、LMP7とよばれ
るプロテアソームのサブユニットをコードする遺伝子が
存在することが判明した。さらに、LMP2やLMP7
のノックアウトマウスがクラスI MHC抗原提示が低
下していることがわかった。これらにより、プロテアソ
ームは内在性抗原のプロセシング酵素であると考えられ
ており、注目されている(Tanaka,K.,et al.,Adv.Immun
ol.,64.1,1997)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プロテアソームは、こ
のような20S型複合体としてみいだされたが、細胞内
では、大部分が不活性型の状態で存在しており、これは
何らかの制御因子が結合することによりその活性が阻害
され不活性型となっていると考えられていた。しかしな
がら、その制御因子の実体は長い間不明であって、その
制御因子の詳細を明らかにし、各種病態の診断、および
治療法を確立することが強く要請されていた。そこで、
本発明はプロテアソーム制御因子としてプロテアソーム
の蛋白質分解活性を抑制する蛋白質(「プロテアソーム
抑制蛋白質」と命名する。)を単離し、そのアミノ酸配
列をおよびその機能を明らかにすることを目的とするも
のである。また、本発明は前記プロテアソーム抑制蛋白
質の遺伝子の塩基配列を提供することを目的とするもの
である。また、本発明は、前記プロテアソーム抑制蛋白
質を認識する抗体を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成可能とするため、前記プロテアソーム抑制蛋白質
について、機能等について詳細に研究を重ねた結果、新
規なプロテアソーム抑制蛋白質を単離同定し、その機能
について解明し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
列からなるプロテアソーム抑制蛋白質(以下、「ヒトP
I31」という。)または配列表の配列番号1に記載の
アミノ酸配列をその一部に含むプロテアソーム抑制蛋白
質に関する。また、本発明は、配列表の配列番号1に記
載のアミノ酸配列における一または複数のアミノ酸を置
換、欠失または付加してなるアミノ酸配列からなりかつ
ヒトプロテアソームの蛋白質分解活性を抑制するプロテ
アソーム抑制蛋白質(以下、「ヒトPI31変異体」と
いう。)に関する。
【0007】また、本発明は、前記ヒトPI31もしく
はヒトPI31を一部に含む蛋白質またはヒトPI31
変異体をコードするポリヌクレオチドに関する。さら
に、本発明は前記のポリヌクレオチドのうちの一部であ
って、連続する9以上の塩基からなるポリヌクレオチド
に関する。また本発明は、請求項1又は2に記載の蛋白
質をコードするポリヌクレオチドを組み込んでなる形質
転換体に関する。さらに、本発明は前記のポリヌクレオ
チドのアンチセンス鎖の塩基配列からなるアンチセンス
ポリヌクレオチドまたは該アンチセンスポリヌクレオチ
ドの誘導体のうちの一部であって、連続する9以上の塩
基からなるアンチセンスポリヌクレオチドまたは該アン
チセンスポリヌクレチドの誘導体に関する。さらに、本
発明は化学修飾された前記のポリヌクレオチド(アンチ
センスポリヌクレオチドを含む)に関する。また、本発
明はヒトPI31もしくはヒトPI31を一部に含む蛋
白質またはヒトPI31変異体を認識する抗体に関す
る。なお、本明細書および図面において、塩基やアミノ
酸などを略号で表示する場合、IUPAC- IUBによ
る略号あるいは当該分野における慣用の略号を使用し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。 (PI31の精製)本発明に係るPI31はヒトだけで
はなく、各種動物の組織由来細胞から、透析、硫安沈殿
またはゲル濾過カラム、イオン交換カラムもしくはハイ
ドロキシアパタイトを吸着体としたクロマトグラフィ
ー、またはグリセロール密度勾配遠心法等の操作で単一
に精製することが可能である。また、各種クロマトグラ
フィーを組み合わせることにより、PI31の精製は可
能である。精製したPI31画分は20Sプロテアソー
ムの蛋白質分解活性を抑制する活性がある。精製したP
I31を含む画分を、SDS−ポリアクリルアミド電気
泳動法(SDS−PAGE、Antibodies A
Laboratory Manual,p636−6
40)や、O’Farrell等による2次元電気泳動
により分離した後、ゲルをクマシー染色すると、分子量
31kDaのバンドが観察される。
【0009】(PI31の単離)前記SDS−PAGE
や2次元電気泳動によるバンドからPI31を単離する
には、分子量約31kDaのバンドを選ぶことにより可
能である。すなわち電気泳動法より分離同定されたPI
31ををポリビニリデンジフルオロダイド(PVDF)
等にトランスファーすることが可能である。
【0010】(プローブの作成)前記の処理後のPI3
1を、リジルエンドペプチダーゼなどによる各種酵素処
理によりポリペプチドフラグメントの混合物とし、得ら
れたペプチドフラグメントの混合物を高速液体クロマト
グラフィーで分離する。前記得られたポリペプチドフラ
グメントのいくつかのフラグメントのアミノ酸配列を自
動アミノ酸シークエンサー等を用いて決定し、得られた
アミノ酸配列をコードするポリペプチドフラグメントの
うち縮重頻度の低いものを選択し、これに対応する相補
的ポリヌクレオチドを合成する。得られた合成ポリヌク
レオチドはPI31をコードするポリヌクレオチドの検
索のためのプローブとして使用できる。また、複数のア
ミノ酸配列が得られた場合は、対応する相補的ポリヌク
レオチドを組み合わせて、cDNAを鋳型にして、PC
R法により、より長い断片のDNAプローブを得ること
もできる。以上のようにして、PI31をコードするポ
リヌクレオチドをスクリーニングするためのポリヌクレ
オチドプローブが得られる。
【0011】(cDNAライブラリーの作製およびスク
リーニング)本発明のPI31をコードするポリヌクレ
オチドをスクリーニングするためのcDNAライブラリ
ーの作製方法としては、一般的な方法が使用可能であ
り、例えば次のステップにより調製することができる。
すなわち、(i)プロテアソーム産生細胞からメッセン
ジャーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該mRN
Aから、単鎖の相補鎖ポリヌクレオチド(cDNA)
を、次いで2重鎖ポリヌクレオチドを合成し、(ii
i)2重鎖ポリヌクレオチドをプラスミドまたはファー
ジに組み込み、(iv)得られた組換えプラスミドまた
はファージにより適当な宿主細胞を形質転換し、(v)
得られた形質転換体を培養後、形質転換体から、適当な
方法、例えばコロニーハイブリダイゼーションまたはプ
ラークハイブリダイゼーションにより、目的とするポリ
ヌクレオチドを含有するプラスミドまたはファージを単
離し、(vi)そのプラスミドまたはファージから目的
とするポリヌクレオチドを切り出し、(vii)切り出
したポリヌクレオチド(クローン化ポリヌクレオチド)
を適当なプラスミドにサブクローニングする、というス
テップである。
【0012】各ステップについてさらに詳しく説明す
る。 ステップ(i):ヒトPI31のポリペプチドをコード
するmRNAは、種々の動物の組織、器官、産生細胞か
ら、より具体的には、肝臓、腎臓、心臓、脳、肺、胸
腺、肝癌細胞株、腎臓癌細胞株などから得ることができ
る。また前記細胞から全RNAを調製する方法として
は、グアニジウム/セシウムクロライド法(Guani
diumu/Cesiumu Chroroideme
thod,Molecular Cloning Se
cond Edition,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,p
7.19−7.23,1989)やグアニジウムチオシ
アネート法(Analytical Biochemi
stry,162,p156−159,1987)等が
一般に用いられる。前記操作により得られる全RNAか
らのmRNAの分離、精製は例えば、オリゴdT−セル
ロース(コラボレイティブ リサーチ社(Collab
orative Research社))やオリゴテッ
クス−dT30(タカラ社)等を用いて吸着カラム法ま
たはバッチ法により実施できる。
【0013】ステップ(ii):このようにして得られ
たmRNAを鋳型として逆転写酵素を用いて、例えばオ
カヤマ−バーグ法(Okayama,H.and Be
rg,P.,Molecular and Cellu
lar Biology,3,p280,1983)や
グブラーとホフマンの方法(Gubler,V.and
Hoffman,B.J.,Gene,25,p26
3−269,1983)等に従いcDNAを合成する。
【0014】ステップ(iii):得られたcDNAを
プラスミドやファージに組み込み、cDNAのライブラ
リーを調製する。cDNAを組み込むプラスミドベクタ
ーとしては、例えば、PBR322(Gene,2,9
5,1977)、PBR325(Gene,4,12
1,1978)、PUC12もしくはPUC13(Ge
ne,19,259,1982)、PUC18もしくは
PUC19(Gene,33,103,1985)、P
UC118もしくはPUC119(Methods i
n Enzymology,153,3,1987)、
Bluescript II(Nucleic Aci
ds.Res.,17,9494,1989)などが挙
げられるが、その他のものであっても、宿主内で複製保
持されるものであれば、いずれも用いることができる。
【0015】また、cDNAを組み込むファージベクタ
ーとしては、例えば、λgt10(Huynh,T.
V.,Young,R.A.and Davis,R.
W.,DNA cloning,A Practica
l Approach,IRLPress,Oxfor
d,1,49,1985)、λgt11(Proc.N
atl.Acad.Sci.,U.S.A.,80,1
194,1983)またはλZAPII(Nuclei
c Acids.Res.,17,9494,198
9)などが使用可能であるが、その他のベクターであっ
ても、適当な宿主内で増殖できるものであれば良い。
【0016】プラスミドにcDNAを組み込む方法とし
ては、例えば、サンブルーク(Sambrook,
J.)らの方法(前掲のMolecular Clon
ingSecond Edt.,p1.53−1.7
3,1989)などが挙げられる。また、ファージベク
ターにcDNAを組み込む方法としては、例えば、Hy
unh,T.V.等の方法(前掲のDNA cloni
ng)などが使用可能である。
【0017】ステップ(iv):前記の方法により得ら
れたプラスミドやファージベクターは、これを適当な宿
主たとえば、エシェリヒアコリ(Escherichi
aColi)、バチルススブチリス(Bacillus
subtilis)、サッカロミセスセレビシアエ
(Saccharomyces cerevisia
e)等に導入して、これを形質転換できる。プラスミド
ベクターで宿主を形質転換する方法としては、例えば、
モレキュラークローニング(前掲のMolecular
Cloning、1.74−1.84ページ)記載の
エレクトロポーレーション法あるいはカルシウムクロラ
イド法などが挙げられる。また、ファージベクターに
は、例えば、増殖させた大腸菌にインビトロパッケージ
ング法を用いて導入することができる。
【0018】ステップ(v):前記方法によるcDNA
から目的のヒトプロテアソームのサブユニットP58の
cDNAを選択するには、例えばラベル化したプローブ
を用いたコロニーハイブリダイゼーション法または、プ
ラークハイブリダイゼーション法(前掲のMolecu
lar Cloning Second Edit.,
1.85−1.104ページまたは2.112−2.1
20ページ)などが使用可能である。
【0019】前記のハイブリダイゼーションにおけるプ
ローブとして用いるポリヌクレオチドとしては、ヒトP
I31とハイブリダイズするポリヌクレオチドであれ
ば、何でもよく、例えばヒトPI31のアミノ酸配列に
基づいて化学合成したポリヌクレオチドが使用可能であ
る。以上のようにして、ヒトPI31をコードするポリ
ヌクレオチドが調製可能となる。
【0020】(塩基配列の決定)前記に従い得られたc
DNAの塩基配列の決定は、例えば、マキサム−ギルバ
ート(Maxiam−Gilbert)法(Metho
ds in Enzymology,65,499−5
60,1980)、ジデオキシ法(Messing,
J.et al.,Nucleic Acids Re
search,9,309,1981)、蛍光色素を用
いたTaqサイクルシークエンシング法(Biotec
hniques,7,494−499,1989)によ
り行うことができる。
【0021】(ヒトPI31)決定されたヒトPI31
のポリペプチドをコードするcDNAの塩基配列は、配
列表の配列番号2に記載したように、3064残基から
なり、オープンリーディングフレームは127番目のA
から939番目のGまでの813塩基基であり、271
アミノ酸をコードする。本発明に係る前記cDNAは、
前記配列の5’末端にATGが結合していない塩基配列
からなるcDNAを含む。また、cDNAに限らず、配
列表の配列番号2に記載の塩基配列を一次構造とするD
NAおよび該塩基配列に対応する塩基配列からなるRN
Aも、本発明のヒトPI31をコードするポリヌクレオ
チドに含まれる。
【0022】本発明のポリヌクレオチドは、ヒトPI3
1のシグナルペプチドの部分または全部をコードする
5’−フランキングポリヌクレオチドを含むDNAも含
む。さらに、遺伝暗号の縮重に従い、ポリヌクレオチド
から生産されるポリペプチドのアミノ酸配列を変えるこ
となくそのポリヌクレオチドの塩基配列の少なくとも一
つの塩基を他の種類の塩基に置換することができる。従
って、本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝暗号の縮
重に基づく置換によって、その塩基配列がコードするア
ミノ酸配列が配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列
であるもの全てを含む。
【0023】本発明のヒトPI31のアミノ酸配列は、
配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列である。該ア
ミノ酸配列からなる蛋白質の計算上の分子量は、29,
772Daであり、等電点は、5.35である。本発明
に係るヒトPI31は、前記のアミノ酸配列のN末端に
メチオニンが結合していないポリペプチドを含む。ま
た、前記アミノ酸配列のN末端にヒトPI31のための
シグナルペプチドの一部分もしくは全部が結合または欠
損したポリペプチドも含む。
【0024】また、自然の変異により、または人工の変
異によりポリペプチドの主たる活性に変化を与えること
なく、蛋白質をコードするDNAの構造の一部を変化さ
せることが可能である。人工の変異としては、例えばポ
イントミューテーションの技術がある。この技術を利用
して、目的とする蛋白質をコードするDNAの構造を変
化させたDNA変異体を作製し、該DNA変異体を適当
な宿主に導入して形質転換体を作製し、該形質転換体に
目的とする蛋白質の変異体を作製させることができる。
この技術を利用して、本発明のヒトPI31についても
その構造を変化させた変態を作製することができる。し
たがって、本発明は、ヒトPI31のアミノ酸配列が変
化しておりかつプロテアソームの蛋白質分解活性を抑制
するヒトPI31変異体も含む。
【0025】また、本発明は、ヒトPI31変異体をコ
ードする塩基配列をからなるポリヌクレオチドを含有す
る。ヒトPI31をコードするcDNAおよびゲノムD
NAは、目的により、そのままあるいは制限酵素で切断
して使用することが可能である。
【0026】(アンチセンスポリヌクレオチド)また、
本発明は、前記塩基配列の相補塩基配列からなるアンチ
センスポリヌクレオチドをも含むものである。本発明の
アンチセンスポリヌクレオチドは、ヒトPI31の生合
成を阻害するのに使用可能であり、またプローブとして
も使用可能である。一般に、アンチセンスポリヌクレオ
チドはポリヌクレオチドに含まれる。本明細書において
も、アンチセンスポリヌクレオチドはポリヌクレオチド
に含まれるものとして説明するが、特に、アンチセンス
鎖のポリヌクレオチドであるものを明確に指す場合に、
アンチセンスポリヌクレオチドという。ポリペプチドの
生合成を阻害するためのアンチセンスポリヌクレオチド
は、15塩基以上からなることが好ましい。一方、あま
りに長いアンチセンスポリヌクレオチドは、細胞内に取
り込まれるには不適である。一般に、細胞内にアンチセ
ンスポリヌクレオチドを取り込ませ、目的とする蛋白質
の生合成を阻害させる場合、12塩基以上30塩基以
下、好ましくは15塩基以上25塩基以下、より好まし
くは18塩基以上22塩基以下の塩基からなるアンチセ
ンスポリヌクレオチドを用いるのがよい。本発明のヒト
PI31に対するアンチセンスポリヌクレチドにおいて
も、12塩基以上30塩基以下、好ましくは15塩基以
上25塩基以下、より好ましくは18塩基以上22塩基
以下の塩基からなるアンチセンスポリヌクレオチドを用
いるのがよい。
【0027】本発明のアンチセンスポリヌクレオチド
は、塩基、リン酸、糖からなるヌクレオチドが複数結合
したものが、天然には存在しないものを含めて全て含ま
れる。代表的なものは、アンチセンスDNAとアンチセ
ンスRNAである。本発明のアンチセンスポリヌクレオ
チドについて、公知のアンチセンス技術を用いて、目的
とするDNAやmRNAとの結合力、組織選択制、細胞
透過性、ヌクレアーゼ耐性、細胞内安定性の高い様々な
アンチセンスポリヌクレオチド誘導体が得られる。現在
一般的に知られている誘導体は、ヌクレアーゼ耐性、組
織選択性、細胞透過性、結合力の少なくとも一が高めら
れた誘導体であることが好ましい。特に好ましくは、フ
ォスフォロチオエート結合を骨格構造として有する誘導
体である。本発明のポリヌクレオチドおよびその誘導体
についても、これらの機能または構造を有する誘導体が
含まれる。ハイブリダイズのし易さの点では、一般的に
は、ステムループを形成している領域の塩基配列に相補
的な塩基配列を持つアンチセンスポリヌクレオチドまた
はその誘導体を設計するとよいとされている。本発明の
アンチセンスポリヌクレオチドおよびその誘導体は、必
要に応じ、ステムループを形成することが可能である。
【0028】また、翻訳開始コドン付近、リボソーム結
合部位、キャッピング部位、スプライス部位の配列に相
補的な配列を有するようなアンチセンスポリヌクレオチ
ドは、一般に高い発現抑制効果が期待できる。したがっ
て、本発明のアンチセンスポリヌクレオチドまたはその
誘導体であって、ヒトPI31をコードするDNAまた
はmRNAの翻訳開始コドン付近、リボソーム結合部
位、キャッピング部位、スプライス部位の相補的な配列
を含むものは、高い発現抑制効果が期待される。天然型
のアンチセンスポリヌクレオチドであれば、化学合成機
を使用して合成したり、ヒトPI31をコードする遺伝
子を鋳型とするPCR法により本発明のアンチセンスポ
リヌクレオチドを作製することができる。また、メチル
フォスフォネート型やフォスフォロチオエート型等、誘
導体の中には、化学合成できるものもある。この場合に
は、化学合成機に添付されている説明書にしたがって操
作を行い、得られた合成産物を逆相クロマトグラフィー
等を用いたHPLC法により精製することによっても、
目的のアンチセンスポリヌクレオチドまたはその誘導体
を得ることができる。
【0029】(ポリヌクレオチドプローブ)本発明のヒ
トPI31をコードするポリヌクレオチドもしくはその
一部(連続する9以上の塩基からなるポリヌクレオチ
ド)、または該ポリヌクレオチドのアンチセンス鎖のア
ンチセンスポリヌクレオチドもしくはその誘導体(連続
する9以上の塩基からなるアンチセンスポリヌクレオチ
ドもしくはその誘導体)は、cDNAライブラリー等か
らヒトPI31遺伝子をスクリーニングするためのプロ
ーブとして使用可能である。このときGC含有率が30
ないし70%のものが好適に使用可能である。また、連
続する12以上の塩基からなるポリヌクレオチドがより
好ましく、15塩基以上であればさらに好ましい。プロ
ーブとして用いる該ポリヌクレオチドは誘導体であって
もよい。通常、前記の塩基数以上の配列は特異性のある
配列であると認識されている。該プローブを用いたスク
リーニングにおいて使用するcDNAライブラリーとし
ては、mRNAから作製されたものが好ましく使用でき
る。これらのcDNAライブラリーからランダムサンプ
リングにより選択された一群のcDNAを検索の試料と
することができる。例えば、配列表の配列番号2に記載
の塩基配列のうちの連続する9以上の塩基からなるDN
Aまたは該DNAにハイブリダイズするポリヌクレオチ
ド(アンチセンスポリヌクレオチド)は、cDNAライ
ブラリー等からヒトPI31遺伝子をスクリーニングす
るためのプローブとして使用可能である。また、本発明
のヒトPI31をコードするポリヌクレオチドもしくは
その一部をプローブとして、各組織由来のmRNAにつ
いてノザンブロットハイブリダイゼーション解析を行う
ことにより、ヒトPI31を遺伝子由来のmRNAが発
現している組織を見出すことが可能である。
【0030】(化学修飾されたポリヌクレオチド)DN
A又はRNAを化学合成するときに、側鎖をメチル化す
ること、あるいはビオチン化すること、またはリン酸基
部分のO(酸素)をS(硫黄)に置換すること等の化学
的に修飾することはよく知られている。例えば、配列表
の配列番号6ないし9に記載のDNAを化学合成すると
きに、前記化学修飾を行い、配列表に示されたDNAそ
のものと異なるものを合成することが可能である。ま
た、cDNAライブラリーから取得されたcDNAであ
っても放射性同位体で標識することも可能である。した
がって、本発明のDNA及びRNAは、前記の化学修飾
されたDNA、RNAまたはアンチセンスポリヌクレオ
チドをその範囲に含むものである。化学修飾されたDN
AまたはRNAは、蛋白質をコードする機能またはプロ
ーブとしての機能をいずれも発揮可能なものであり、化
学修飾されたアンチセンスポリヌクレオチドは、プロー
ブまたは蛋白質の生合成を阻害する機能またはプローブ
としての機能をいずれも発揮可能なものである。
【0031】(免疫疾患等の診断用測定方法)本発明の
ポリヌクレオチドもしくはその一部またはアンチセンス
ポリヌクレオチドもしくはその誘導体をプローブとして
用いることは、プロテアソームが関与する各種疾患の診
断等にも有効な手段を与える。さらにヒトPI31の遺
伝的多型性を調べることにより、前記各種疾患との関連
も明らかにでき、ポリヌクレオチド診断に有効に使用可
能となる。また、例えば、本発明のポリヌクレオチドを
プローブとして用いたRT−PCR解析や前記ノザンブ
ロットハイブリダイゼーション解析を行うことにより、
各種ヒト臓器のmRNA発現量を定量的に測定すること
が可能となり、前記各種疾患の診断手段を与えるもので
ある。
【0032】(組換PI31の作製)また、本発明は、
前記のヒトPI31遺伝子を導入した形質転換体によっ
て作製された組換ヒトPI31を含むものである。また
本発明の開示によりヒトPI31のアミノ酸配列のうち
一または複数のアミノ酸を置換、欠失または付加したヒ
トPI31変異体の作製が可能となる。形質転換に用い
るベクターや宿主は前記cDNAライブラリーの作製お
よびスクリーニングの項で説明したものが使用可能であ
る。また、PI31の精製方法は、前記ヒトPI31の
精製の項で説明した方法が使用可能である。また、製造
段階において、製造するヒトPI31またはヒトPI3
1変異体は、他のポリペプチドとの融合ペプチドとして
形質転換体に作製させてもよい。この場合は、精製工程
において、ブロムシアン等の化学物質やプロテーゼ等の
酵素で処理して、ヒトPI31またはヒトPI31変異
体を切り出す操作が必要になる。
【0033】(PI31を認識する抗体)さらに本発明
において得られたヒトPI31に対するポリクロナール
またはモノクロナール抗体を作成することが可能であ
る。本発明は、ヒトPI31の抗原性について、実施例
2に例示するように、本発明のヒトPI31またはヒト
PI31に特異的なアミノ酸配列からなるオリゴペプチ
ドをヒト以外の動物に免疫することで抗体が得られるも
のであることを明らかにするものである。したがって、
本発明のヒトPI31を認識する抗体(以降、ヒトPI
31抗体ということがある)は、ヒトPI31をヒト以
外の動物に免疫感作することにより得られる抗体であっ
て、該抗体が本発明のヒトPI31を認識することがウ
ェスタンブロット法、ELISA法や免疫染色法(例え
ばFACSでの測定)等により確認される抗体をその範
囲内に含む。
【0034】また、免疫原として、該蛋白質の一部をウ
シ血清アルブミンなどの他のキャリア蛋白質に結合させ
たものを用いることは、よく用いられる方法である。該
蛋白質の一部は、例えばペプチド合成機を用いて合成し
てもよい。なお、蛋白質の一部としては、8アミノ酸残
基以上であることが好ましい。抗原性が明らかとなった
物質については、免疫感作によってポリクローナル抗体
が得られるならば、該免疫した動物のリンパ球を用いた
ハイブリドーマによりモノクローナル抗体が産生される
ことはよく知られている(前掲のAntibodies
A Laboratory Manual 第6
章)。したがって本発明のヒトPI31抗体はモノクロ
ーナル抗体もその範囲内に含むものである。
【0035】本発明においては、抗体は活性フラグメン
トをも包含するものである。活性フラグメントとは、抗
原抗体反応活性を有する抗体のフラグメントを意味し、
具体的には、F(ab′)2 、Fab′、Fab、Fv
などを挙げることができる。例えば、本発明の抗体をペ
プシンで分解するとF(ab’)2 が得られ、パパイン
で分解するとFabが得られる。F(ab’)2 を2−
メルカプトエタノールなどの試薬で還元して、モノヨー
ド酢酸でアルキル化するとFab’が得られる。Fvは
重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをリンカーで結合させた
一価の抗体活性フラグメントである。これらの活性フラ
グメントを保持し、その他の部分を他の動物のフラグメ
ントに置換することでキメラ抗体が得られる。得られた
抗体を用いた免疫的測定法により、各種細胞中の該サブ
ユニットの変化を定量的に測定する手段が与えられる。
抗体を用いる方法としては具体的には、標識されたヒト
PI31抗体を用いてヒトPI31を検出する方法、ヒ
トPI31抗体および該抗体の標識二次抗体を用いてヒ
トPI31を検出する方法が挙げられる。標識として
は、例えば放射性同位元素(RI)、酵素、アビジン又
はビオチン、もしくは蛍光物質(FITCやローダミン
等)が利用される。酵素反応を利用する方法としては、
例えば、ELISA法、免疫凝集法、ウェスタンブロッ
ト法、フローサイトメトリーを用いた免疫反応分子の同
定方法又はそれらに類似する方法が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 ヒトPI31の同定 (1)ウシPI31の調製 (1−1)出発物質の調製 牛赤血球細胞からウシPI31を以下に記載の方法にし
たがって精製した。牛血液をヘパリン存在下で収集し、
2000×gで1時間遠心し赤血球細胞を集めた後、得
られた沈殿を4倍体積のリン酸緩衝液に懸濁し、再沈殿
することにより洗浄した。この操作を4回繰り返した。
なお、以下のステップは特に述べない限り4℃で行っ
た。赤血球細胞(細胞体積で1500ml)に3倍体積
の溶解バッファー(バッファーH:20mM Tris
−HCl(pH7.6)、20mM NaCl、1mM
EDTA、1mM βーメルカプトエタノール)を加
えて10分間攪拌して溶解した。これを16,000×
gで60分間遠心し、上清を集めて保存した。沈殿は再
度バッファーHに懸濁し、遠心した後、得られた上清を
最初の上清に加えた。この上清画分を、20mM Tr
is−HCl(pH7.6)、20mM NaCl、
0.5mM MgCl2 、0.1mM EDTA、5m
M βーメルカプトエタノール、10%グリセロールか
らなる緩衝液に対して透析処理を行った。
【0037】(1−2)DE52による調製 前記の透析画分5mlに対し、バッファーHで平衡化し
たDEAEセルロースレジン(DE52、ワットマン社
製)1mlを添加した。レジンをブフナー漏斗につけた
濾紙(ワットマン1(登録商標、ワットマン社製))上
でバッファーHで洗浄した。該レジンに結合している蛋
白を0.5M NaClを含むバッファーHで10分間
緩やかに攪拌することにより溶出した(レジン:0.5
M NaCl/バッファーH=1:1)。さらに少量の
0.5M NaClを含むバッファーHで溶出し、ヘモ
グロビンを含まない赤血球細胞からの抽出画分を得た。
【0038】(1−3)硫安沈殿 前記得られた画分に40%飽和になるまで30分間ゆっ
くりと攪拌しながら硫安(硫酸アンモニウム)を添加し
た。さらに30分間攪拌して沈殿した蛋白を遠心分離に
より集めた。この沈殿をダンス(DOUNCE)ホモジ
ナイザーを用いて大量のバッファーHで再懸濁し、さら
に遠心し沈殿蛋白を得た。沈殿は100mM NaCl
を添加したバッファーH 10mlに溶解し、同じ溶液
2000mlに対して16時間透析した。透析後、不溶
物を30,000×g、30分間遠心して除き、上清画
分を得た。
【0039】(1−4)セファクリルS−300カラム
による精製 セファクリルS−300(ファルマシア社製、100×
5cm)カラムをバッファーHで平衡化後、(1−3)
で得た画分をアプライし、100mM NaClを含む
バッファーHで溶出し、11mlずつフラクションを集
めた。フラクションのうち20Sプロテアームの蛋白質
分解活性を抑制する画分を集めた。20Sプロテアーム
の蛋白質分解活性を抑制することの測定は(1−7)に
記載した。
【0040】(1−5)ハイドロキシアパタイトによる
精製 (1−4)で得られた画分をバッファーHで平衡化した
ハイドロキシアパタイト(バイオラッド社製、7×2.
5cm)にアプライし、リン酸緩衝液(20−200m
l)のリニアグラジエントにより8mlずつ各フラクシ
ョンを溶出して集めた。前記各フラクションの活性画分
を集め、50mM NaClを含むバッファーHで透析
し、1mg/mlの濃度になるまでPM10メンブラン
(アミコン社製)で濃縮した。
【0041】(1−6)イオン交換カラムによる精製 (1−5)の活性画分を50mM NaClを含むバッ
ファーHで平衡化したDEAEカラム(ファルマシア社
製、1.50×2.0cm)にアプライし、50mM−
280mM NaCl/バッファーHによるリニアグラ
ジエント(280ml)で溶出し、5mlずつフラクシ
ョンを集めた。得られたフラクションのうち、抑制活性
の高い画分を集め20mMリン酸緩衝液(pH7.6)
に対して透析を行った。
【0042】(1−7)蛋白質分解抑制活性の測定方法 PI31のプロテアソームの蛋白質分解活性に対する抑
制活性の測定は、20SプロテアソームとPI31を混
合して20Sプロテアソームの蛋白質分解活性を測定す
る方法により可能である。PI31がヒトPI31でも
ウシPI31でも同様の方法で測定できる。反応は、5
mM Tris−HCl(pH8.0)、5mMジチオ
スレイトール(DTT)、60μM ATP、10mM
MgCl2 中、0.3μgの20Sプロテアソームと
精製各段階のPI31を添加して最終容積50μlで行
った。この反応液を、37℃で45分間プレインキュベ
ートし、50mM Tris−HCl(pH8.0)、
5mM βーメルカプトエタノール、50μM 20S
プロテアソーム、Suc−Leu−Leu−Val−T
yr−AMC(キモトリプシン様活性を測定するための
合成基質、ペプチド研究所社製)に添加し10分間イン
キュベートして、蛍光を測定した。測定器は、島津社製
の吸光光度計を使用した。基質に対し、プロテアソーム
がキモトリプシンとして作用するとペプチドの末端のA
MCがMCAとして遊離し、蛍光を発することを利用し
て、蛍光強度を測定して、プロテアソームの蛋白質分解
活性を測定した。各精製段階にて得られる画分から、蛍
光強度が小さい、すなわちプロテアソームの蛋白質分解
活性が阻害されている画分をPI31蛋白質が含まれて
いる画分として選んだ。
【0043】(2)ウシPI31の部分アミノ酸配列の
決定 (2−1)ウシPI31の単離 (1)の処理で得られたウシPI31を逆相高速液体ク
ロマトグラフィー(Shodex RS Pak D4
−613カラム(登録商標、昭和電工社製)、(6×1
50mm))を使用し以下の条件で分離した。 分離条件: 流速:0.75ml/min 温度:50℃ 溶媒A:0.06% トリフルオロ酢酸(TFA) 溶媒B:0.05%TFA/70%アセトニトリル/3
0%水 64%溶媒Aおよび36%溶媒Bによりカラムを平衡化
し、36−70%の溶媒Bを用いたグラジエントで溶出
した。214nmの波長で検出し、ピーク画分をスピー
ドバックコンセントレータ(セイバントインストルメン
ツ社製)で乾燥した。
【0044】(2−2)電気泳動による分離 前記得られた乾燥サンプルはSDSサンプルバファーに
溶解し、10%SDS−PAGE(前掲のAntibo
dies A Laboratory Manual、
636−640ページ)により分離した。電気泳動が終
わったゲルは、イモビロン−PVDFメンブラン(ミリ
ポア社製)にセミドライエレクトロブロティング装置ザ
ルトブロットII−S(ザルトリウス社製)を用いてト
ランスファーした。蛋白質をブロットした膜フィルター
は、蒸留水で洗浄した後、クマシーブルー染色液(0.
2%クマシーブリリアントブルーR250を含む40%
メタノール、10%酢酸溶液)で染色後、脱色液(60
%メタノール溶液)に浸し、振とうしてバックグラウン
ドを脱色した。このメンブラン上の31kDaの位置の
スポットを切り出し、in situでL−1−トシル
アミド−2−フェニルクロロメチルケトン処理トリプシ
ン(ワーシントンインザイム社製)、またはLys−C
プロテアーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)により酵
素処理した。生成したペプチドはHPLC(パーキンエ
ルマー社製)によって分離精製した(流速50μl/m
in、0.1%TFAを溶媒とし0−70%のアセトニ
トリルによるグラジエント、RP300カラム(2.1
×100mm))。得られたウシPI31の断片のポリ
ペプチドフラグメントのいくつかをペプチドシークエン
サー(パーキンエルマー社製プロテインシークエンサー
497型分析装置)により解析を行った。以上のアミノ
酸解析により次の3種類のペプチドフラグメントのアミ
ノ酸配列を決定した。 フラグメント1;SELLPVESNHNKDLY(配
列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるペプチ
ド) フラグメント2;FDPFGPIGTSPSGPNPD
HLPPPGYDD(配列表の配列番号4に記載のアミ
ノ酸配列からなるペプチド) フラグメント3;AVTVENSMIINVLEH(配
列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるペプチ
ド)
【0045】(3)プライマーの合成 前記ペプチドフラグメントの配列をもとにPCRプライ
マーを作製した。肝臓癌細胞株HepG2細胞(ATC
Cから入手可能No.HB−8065)からシングルス
トランドcDNAを作製した。前記HepG2由来シン
グルストランドcDNAをテンプレートにしてRT−P
CRを行った。センスプライマーとして、5’−ACC
(T)GTG(T)GAGAATT(A)G(C)T
(C)ATGATTATTAATGTG(T)CTG
(C)GA−3’(配列表の配列番号6に記載の塩基配
列)、アンチセンスプライマ−として5’−GTAGC
CGGGGGGGGGCAG(A)GTGGTCGGG
GTTGGGGCC−3’(配列表の配列番号7に記載
の塩基配列)を用いた時に全長540bpのcDNAフ
ラグメントが得られた。
【0046】(4)cDNAライブラリーの調製 (4−1)cDNAの調製 ヒト肝細胞癌HepG2から、グアニジウムチオシアネ
イト法(Anal.Biochem.、162、156
−159、1987)によって全RNAを分離した。全
RNAからオリゴ(dT)ラテックス(タカラ社製、O
ligotex−dT30)を用いてHepG2細胞か
らmRNA10μgを得た。前記の方法によって得られ
たポリ(A)+RNAから、タイムセイバーcDNA合
成キット(登録商標、ファルマシア社製)を用いてcD
NAを得た。より詳しくは、オリゴdTプライマーを前
記mRNAのポリA部分にアニールさせ、逆転写酵素
(Murine Reverse Transcrip
tase)により、1本鎖DNAを合成し、E.col
iDNAポリメラーゼ1により、2本鎖cDNAとして
合成した。得られた前記cDNAの両端にNotI/E
coRIアダプターを付加するため、T4DNAライゲ
ース処理およびポリヌクレオチドキナーゼ処理を行な
い、両端にEcoRI制限酵素切断部位をもつcDNA
を得た。
【0047】(4−2)インビトロパッケージング反応 得られた両端にEcoRI制限酵素切断部位をもつcD
NAをクローニングベクターであるλZAPII(スト
ラタジーン社製、EcoRI/CIAP処理λZAPI
Iを含むλZAPIIクローニングキット)のEcoR
I間にT4DNAリガーゼを用いて挿入した。ライゲー
ション反応溶液1mlをギガパックIIゴールドパッケ
ージングエクストラクト(GigapackII Go
ld packaging extract、登録商
標、ストラタジーン社製)によりパッケージングを行っ
た。パッケージングした組換えバクテリオファージを含
むパッケージング溶液と大腸菌DH5αを37℃で15
分間培養した。これを2〜3mlのトップアガー(48
℃)に加え150mm NZYアガープレート10枚へ
プレーティングして、37℃で1夜培養した。前記NZ
Yアガープレートにプレーティングしてスクリーニング
に用いたプラークは、10枚のプレート合計で約5×1
5 /個とした。
【0048】(5)クローンの単離 (5−1)スクリーン用フィルタの調製 前記NZYアガープレートを4℃で2時間冷却し、この
プレート上にナイロンフィルタ(アマシャム社製、ハイ
ボンドN+(登録商標))をのせ、2分間放置した。こ
れをはがしてフィルターペーパ上で乾燥し、紫外線照射
により固定してスクリーニング用フィルターを調製し
た。これを用いて以下のハイブリダイゼーションを行っ
た。
【0049】(5−2)ハイブリダイゼーションのため
のプローブは(3)で得られた540bpのウシPI3
1のDNAを、ランダムプライムラベリング法(タカラ
社製、ランダムプライマDNAラベリングキットVe
r.2(登録商標))で32P−dCTP(アマシャム社
製)で標識したものを使用した。プレハイブリダイゼー
ション溶液として、5×SSC(0.15M NaC
l、0.015M クエン酸ナトリウム(pH7.
0)),50%ホルムアミド、1×denhardt
(0.2%ウシ血清アルブミン(Fraction
V)、0.2%ポリビニルピロリドン、0.2%Fic
oll400)溶液、0.1%SDS、200μg/m
lサーモンスパームDNAを用いた。フィルターは42
℃、3時間、プレハイブリダイゼーション溶液でインキ
ュベートし、続いて標識プローブを加えたハイブリダイ
ゼ−ション溶液(10%dextran sulfat
eを含むプレハイブリダイゼーション溶液)で42℃、
16時間、インキュベートしてハイブリダイゼーション
を行った。以上の操作により4個のポジティブクローン
が得られた。
【0050】(6)切り出し(in vivo exc
ision)による大腸菌組換え体の作成 (5−2)で得られたポジティブクローンのアガープレ
ート中のポジティブZAPファージクローンのプラーク
の中心を竹くしでつき、500μlのSM緩衝液と20
μlのクロロフォルム混合液中に溶出し、ボルテックス
をした後、一夜放置した。大腸菌XL−1 Blue2
00μlとポジティブファージクローン200μl(>
1×105 ファージパーティクル)、1μlのヘルパ
ーファージR408(>1x106 pfu/ml)を5
0mlチューブにて混合し37℃、15分間で、ZAP
とヘルパーファージを感染させた。5mlの2×YT培
地(10g NaCl、10g Bacto Yeas
tExtract、16g Bactotrypton
e/1l)を加え、37℃で3時間振とうし培養し、大
腸菌よりファージミドを分泌させた。70℃で20分間
熱処理した後、4000×gで5分間遠心し、菌体を死
滅させた。上清のファージミドを別の試験管に移した。
この上清にはpBluescriptSK(−)粒子が
含まれており、この上清200μlあるいは100倍に
希釈した溶液20μlと大腸菌DH5α(ストラタジー
ン社製)200μl(OD600=1.0)を混合し3
7℃で15分間混合し感染させた。1〜100μlの培
養液をLB/Ampプレートにプレーティングした後、
37℃で一晩培養した。表れたコロニーはインサートD
NAを含む2本鎖のpBluescriptSK(−)
をもった大腸菌(DH5α)形質転換体である。4個の
ポジティブクローンの大腸菌からプラスミドをQIAp
repPlasmidキット(キアゲン社製)を用いて
調製し、制限酵素NotIで切断して、そのうち最も長
いインサート(約3.1kb)をもつクローンについて
以下のDNA塩基配列の決定を行った。ヒトPI31c
DNAの制限酵素地図を図2に示す。このヒトPI31
のインサートを導入した大腸菌DH5α形質転換体をh
u−PI31と命名して、工業技術院生命工学工業技術
研究所に平成10年1月30日に寄託した(受託番号:
FERM P−16619)。
【0051】(7)塩基配列の決定 前記で得られた約3.1kbのクローンの塩基配列を、
パーキンエルマー社製DNAシークエンサー373Aを
用い、Taqサイクルシークエンシング法により決定し
た。図2にプライマーウォーキングでシークエンスした
部分を矢印で示す。得られたヒトPI31のcDNAの
塩基配列の解析結果を配列表の配列番号2および図1に
示す。決定した塩基数は3064残基で、オープンリー
ディングフレームは配列表の配列番号2に記載の塩基配
列の127番目のAから939番目のGまでの813塩
基であり、271個のアミノ酸がコードされている。こ
のアミノ酸配列は配列表の配列番号1に示す。配列表の
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるヒトPI31
の計算上の分子量は29772であり、等電点は、5.
35である。図1では、オープンリーディングフレーム
の塩基がコードするアミノ酸を塩基配列の下段に示す。
プロリンは白抜き表示で示す。下線部は、(2−2)記
載の牛赤血球より精製したウシPI31の断片のペプチ
ドシークエンスと相同性のある部分を示すものであり、
ウシPI31のアミノ酸と異なるアミノ酸は下線を点線
にして示す。また、本発明のヒトPI31cDNAにつ
いて、プライマーウォーキングによるシーケンスの過程
を図2に示しておく。
【0052】実施例2 ヒトPI31に反応するポリク
ローナル抗体の作製 (1)ヒトPI31のN端側19アミノ酸(LGVGD
QPGPNDKKSELLPA、配列表の配列番号1に
記載のアミノ酸配列の38番目のLeuから56番目の
Alaまで)を選択し、このポリペプチドのC末端にシ
ステインを付加したペプチドをF−Moc法(Soli
d Phase Peptide synthesi
s,A practical approach,IR
L Press,Oxford,1989年,Athe
rton,E.,Sheppard,R.C.著)によ
り、パーキンエルマー社製ペプチド合成機433Aを用
いて合成した。
【0053】合成したペプチドの脱保護は、以下の方法
で行った。ペプチドクッカーの中に、乾燥した合成後の
樹脂とフットボール型撹拌子を入れた。シリコン栓が閉
じているのを確認してから、0.1mmolの樹脂に対
して、m−クレゾール0.3ml、エタンジチオール
0.9ml、チオアニソール1.8ml、トリフルオロ
酢酸(TFA)12.0mlを加えた。ふたを閉めて、
液がふたにかからないようにペプチドクッカーをスター
ラーに斜めに固定し、室温で2時間撹拌した。テフロン
撹拌子を入れた50ml遠心管にジョイントを付けペプ
チドクッカーに差し込んだ。ペプチドクッカーのテフロ
ン栓を開け、ジョイントの枝部にアスピレーターをつな
ぎ、ペプチドクッカーのふたをゆるめ、アスピレーター
を吸引し、ペプチドクッカー内の炉液を遠心管に落とし
た。2mlのTFAをペプチドクッカーの上部から洗い
込むように入れ、アスピレーターで吸引した。回収した
ペプチド溶液が入っている遠心管に枝付き封じ栓を取り
付け、スタンドを使用してスターラーの上に固定した。
枝付き封じ栓にN2 ガスボンベからのチューブおよび排
気用チューブをつないだ。ドラフト内の流しに水を張
り、その中に前記排気用チューブを呼び込んだ。N2
スボンベの栓を開け、遠心管内の液面が揺れる程度にガ
スを吹き付けた。スターラーで混ぜながら20分間液を
濃縮した。濃縮後の遠心管を氷水中、スターラーの上に
固定し、撹拌した。撹拌しながら冷ジエチルエーテルを
40ml入れて、ふたをして転倒混和した。遠心管を氷
づけにして30分以上静置し、白い沈殿を沈めた。遠心
管を4000回転、5分間遠心分離し、撹拌子を落とさ
ないように上清をビーカーに捨て、その後、沈殿をテフ
ロン撹拌子で崩した後、冷エーテルを45ml加えスタ
ーラーを併用しながら混ぜ、氷中に5分間静置しペプチ
ドを沈殿させることを4回繰り返した。4回目の操作後
のペプチドを吸引鍾に入れ、アスピレーターで軽く風乾
した後、20mlの0.1%TFAで沈殿を溶かし、
0.45μmのフィルターで濾過した。脱保護基後のペ
プチドの精製はC18ODSカラム(島津社製、Syn
ProPepカラム、4.6×150mm、0.1%T
FA、0−80%アセトニトリルグラジエント)を用い
た。
【0054】(2)前記ペプチドにヘモシアニン(KL
H)をイムジェクトアクチベイテッドイムノグロビンコ
ンジュゲイションキット(ピアス社製)を用いて結合さ
せペプチド−KLH複合体を前記のキット中のカラムに
より調製した。 (3)初回約150μgをフロインドの完全アジュバン
ト(FCA、キャペル社製)とともにエマルジョンに
し、ラビット(ジャパニーズホワイト)の背中に免疫し
た。その後2週間おきに3回不完全アジュバント(FI
A)により同様に免疫した。初回免疫後、7、8、9週
目にELISA法により抗体価を測定し、後抗体価の上
昇を確認後全採血を行なった。
【0055】(4)ウサギ血液は、室温で3時間静置
後、セパラピッドチューブ(積水化学社製)にアプライ
し、3000回転で30分間の遠心によりヒトPI31
に対する血清を得た。 (5)また、ヒト肝臓癌細胞HepG2をSDSサンプ
ルバッファーに溶かし、SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動(前掲のAntibodies A Labor
atory Manual、636−640ページ)で
分離し、これをPVDFメンブランにエレクトロトラン
スファーし、抗ヒトPI31抗体を含む前記抗血清およ
び免疫していないラビット抗血清を一次抗体としてEC
L検出キット(アマシャム社製)により検出した。この
イムノブロットの結果を図3に示す。図3のレーン1が
免疫していないラビット抗血清を用いた場合の結果であ
り、レーン2が抗PI31抗体を用いた場合の結果であ
る。レーン2にのみ31kDの位置にバンドが見られ、
抗ヒトPI31抗体がヒトPI31を特異的に認識する
ことが確認された。
【0056】実施例3 組み換えヒトPI31の大腸菌
での発現 全長のヒトPI31遺伝子をpPET−28(+)ベク
ターに挿入し、該ベクターをコンピテントセル大腸菌B
L21に導入して形質転換体を作製した。作成方法は、
以下の通りである。PCRプライマ−としてフォワ−ド
プライマ−、5’−CTCCATATGGCGGCCT
GGA−3’(配列表の配列番号8に記載の塩基配列、
CATATG:NdeIサイト)、とリバ−スプライマ
−、5’−GAGAAGCTTGAGGCCTTCAC
AGG−3’(配列表の配列番号9に記載の塩基配列、
AAGCT:HindIIIサイト)を合成した。これ
を用いて、ヒトPI31が挿入されたpBleuscr
iptSK(−)ベクター(実施例1で最終的に得られ
たポジティブクローン)をPCR法で増幅した。得られ
た約0.83kbのDNAを精製して、pPET−28
(+)ベクター(N端にヒスチジンタグがついている)
のNdeI−HindIIIサイトにライゲ−スを用い
て結合させ、大腸菌BL21を形質転換した。得られた
形質転換体を100mlのLB培養液で培養してOD
(600nm)=0.6になったところで、0.5mM
IPTGを添加して3時間培養した。大腸菌を8ml
の緩衝液(20mM Tris−HCl(pH7.
9)、0.5M NaCl)に懸濁して、3回洗浄し、
リゾチ−ム(1mg/ml)で30分間、4℃で処理
し、凍結融解を1回繰り返した。ソニケ−トして遠心
後、可溶性画分をニッケルアガロ−スカラムにアプライ
して、結合画分を0−25mMのイミダゾ−ルで溶出し
た。PI31を含む画分をプ−ルして20mM Tri
s−HCl(pH7.9)、20mM NaCl、1m
M EDTA、5mMメルカプトエタノ−ルで透析し、
組み換え蛋白質ヒトPI31を最終的に精製した。この
組み換え蛋白質ヒトPI31 10μlを、等量のSD
S−PAGE用サンプルバッファーおよび1μlの2−
メルカプトエタノール(2ME)と混和し、95℃で熱
処理を5分間行った。その後、5−20%のグラディエ
ントゲルで電気泳動した。電気泳動後、ゲルをクマシー
染色したところ31kDの位置にバッンドが観察され、
組み換えヒトPI31が作製されたことが確認された。
【0057】実施例4 ヒトPI31のプロテアソ−ム
活性抑制効果 ヒトPI31がプロテアソ−ムの蛋白質分解活性の抑制
効果があるかどうかを検討した。McGuireらの方
法(Biochem.Biophys.Acta、99
5、181−186、1989)で標識化したカゼイン
(methyl−14C−Casein、2800dpm
/μg)を基質として、5mM Tris−HCl(p
H8.0)、5mMジチオスレイトール(DTT)、6
0μMATP、10mM MgCl2 中でヒト20Sプ
ロテアソ−ムを最終濃度41nMになるように添加(2
μg、41nM)して、最終体積70μlで分解させた
(この際の分解活性を100%とした)。この系に組み
換えヒトPI31と赤血球細胞から精製したヒトPI3
1(製法は、実施例1でウシPI31について示したも
のと同様)を最終濃度0ないし140nMとなるように
添加した際の効果を調べた。ヒト20Sプロテアソーム
によって分解された14Cの定量は、液体シンチレーショ
ンカウンター(ヒューレットパッカード社製)を用い
て、前記McGuireらの方法に従い行った。その結
果を図4に示す。図4より、ヒトPI31は濃度依存的
にプロテアソームの蛋白質分解を抑制することが分かっ
た。組み替えヒトPI31と精製したヒトPI31には
差がなく、約70nMで50%の抑制効果があることが
分かる。これらのことから、組み換えPI31は精製し
たPI31とほぼ同等のプロテアソ−ムの蛋白質分解活
性を抑制する活性(プロテアソーム抑制活性)をもつこ
とがわかった。
【0058】
【発明の効果】本発明のPI31によりプロテアソーム
の制御が可能となる。また、PI31のアンチセンスポ
リヌクレオチドもPI31を介してプロテアソームの制
御に利用可能である。また、本発明の抗体による免疫反
応による方法、さらにポリヌクレオチドプリーブ(アン
チセンスポリヌクレオチドを含む)を利用する方法で、
プロテアソームが関与する各種病態の診断および治療へ
の応用が可能となると考えられる。
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:271 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Ala Gly Leu Glu Val Leu Phe Ala Ser Ala Ala Pro Ala Ile Thr 1 5 10 15 Cys Arg Gln Asp Ala Leu Val Cys Phe Leu His Trp Glu Val Val Thr 20 25 30 His Gly Tyr Cys Gly Leu Gly Val Gly Asp Gln Pro Gly Pro Asn Asp 35 40 45 Lys Lys Ser Glu Leu Leu Pro Ala Gly Trp Asn Asn Asn Lys Asp Leu 50 55 60 Tyr Val Leu Arg Tyr Glu Tyr Lys Asp Gly Ser Arg Lys Leu Leu Val 65 70 75 80 Lys Ala Ile Thr Val Glu Ser Ser Met Ile Leu Asn Val Leu Glu Tyr 85 90 95 Gly Ser Gln Gln Val Ala Asp Leu Thr Leu Asn Leu Asp Asp Tyr Ile 100 105 110 Asp Ala Glu His Leu Gly Asp Phe His Arg Thr Tyr Lys Asn Ser Glu 115 120 125 Glu Leu Arg Ser Arg Ile Val Ser Gly Ile Ile Thr Pro Ile His Glu 130 135 140 Gln Trp Glu Lys Ala Asn Val Ser Ser Pro His Arg Glu Phe Pro Pro 145 150 155 160 Ala Thr Ala Arg Glu Val Asp Pro Leu Arg Ile Pro Pro His His Pro 165 170 175 His Thr Ser Arg Gln Pro Pro Trp Cys Asp Pro Leu Gly Pro Phe Val 180 185 190 Val Gly Gly Glu Asp Leu Asp Pro Phe Gly Pro Arg Arg Gly Gly Met 195 200 205 Ile Val Asp Pro Leu Arg Ser Gly Phe Pro Arg Ala Leu Ile Asp Pro 210 215 220 Ser Ser Gly Leu Pro Asn Arg Leu Pro Pro Gly Ala Val Pro Pro Gly 225 230 235 240 Ala Arg Phe Asp Pro Phe Gly Pro Ile Gly Thr Ser Pro Pro Gly Pro 245 250 255 Asn Pro Asp His Leu Pro Pro Pro Gly Tyr Asp Asp Met Tyr Leu 260 265 270 配列番号:2 配列の長さ:3190 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ATTCGCGGCC GCTGCAAGAA CCAGCGCAAG AGGGAAGCGG AGTTATAGCT ACCCCGGCCG 60 CGGAGCCGGC TCACTGCACT ACCCCCGCCC CCTTCTTTCC TCCAGACGCC GAAGTCGCGG 120 GCGCTC ATG GCG GGC CTG GAG GTA CTG TTC GCA TCG GCA GCG CCG GCC 168 ATC ACC TGC AGG CAG GAC GCG CTC GTC TGC TTC TTG CAT TGG GAA GTG 216 GTG ACA CAC GGT TAC TGC GGC TTG GGT GTC GGT GAC CAG CCG GGT CCC 264 AAT GAT AAG AAG TCA GAA CTG CTG CCA GCT GGG TGG AAC AAC AAT AAA 312 GAC CTG TAT GTC CTC CGG TAT GAG TAT AAG GAT GGG TCC AGA AAG CTC 360 CTT GTG AAA GCC ATC ACC GTG GAG AGC AGC ATG ATC CTC AAT GTG CTG 408 GAA TAT GGC TCA CAG CAA GTG GCA GAC TTG ACC CTG AAC TTG GAT GAT 456 TAT ATT GAT GCA GAA CAC CTG GGT GAC TTC CAC AGG ACC TAC AAG AAC 504 AGT GAG GAG CTT CGG TCT CGT ATT GTG TCT GGA ATC ATC ACA CCT ATC 552 CAT GAG CAG TGG GAA AAG GCT AAT GTA AGC AGT CCC CAC CGG GAG TTC 600 CCC CCT GCT ACC GCC AGA GAG GTG GAC CCA CTC CGG ATT CCT CCA CAC 648 CAC CCA CAC ACC AGT CGG CAG CCT CCC TGG TGT GAT CCC CTG GGC CCG 696 TTT GTT GTC GGG GGA GAA GAC TTA GAC CCT TTT GGG CCT CGG AGA GGT 744 GGC ATG ATT GTG GAT CCC CTG AGA TCT GGC TTC CCA AGA GCA CTT ATT 792 GAC CCT TCC TCA GGC CTC CCG AAC CGA CTT CCT CCA GGC GCT GTG CCC 840 CCA GGA GCT CGC TTT GAC CCC TTT GGA CCC ATT GGG ACC AGC CCA CCC 888 GGA CCT AAC CCA GAC CAT CTC CCC CCG CCG GGC TAC GAT GAC ATG TAC 936 CTG TGA AGGCCTCAAG AATGTAACAT CCCAGGCTTC CCTCCATTCT CCTGGAGCTG 992 CCACCGCTGT CCCCATCAGC AACCATGTTC TTGCAGGCTG GGGGCAAGGG ATTCTGCTCA 1052 TGTGTGTGGA GACCGGCTGG GATAGCCTCC CCACCCCTTA TCAGAGNCAA GACACCTGCT 1112 GGAGCTCTCC ACCTAGCTGG AGATAGCTCC CAAAGAGAAA TCAGTGTGTC TCTTNCACCA 1172 TCAGCTCCTC CCCTTACACC ACCAGCTCCT CTCCACTTCC CANGGGAGAC TCCGGCANCC 1232 TTCAGCAACA TATATCCTCG ACCAGATGCA GTGCTATAAG AACAGAACGC ATTTTGGATG 1292 TTATTATTAA GAACCAAATG TCAATACAGA ATTCATGTTG CCGGTTTCCC ACTTTTCTTT 1352 TTACATTAAT GCATAGCTGC TTCCATTTAT GAGACTTTAG AGTTTGAGTT TCTGTAGGGC 1412 TGAATGACTC TTTTTCCTGC CCAGGGCCCA TTCTTGCTTC TCAGGCACCT TCCGTTTATT 1472 AATTGCCATT GCTCCTGACA TCACTAAGAT GGGTCCCCTT CTGGCTGCAT GAATGGAAAT 1532 GAGTGACTGG AAATCCCATA GGCCACAAGA ATGACTTTCA CAAGGGCAGG AACATTGTGG 1592 AAAGACTGCA TCATTCTGAT GAGGCAAAAT CCTCCAGCTA TTCCTGTCTG GGCCAGTTTT 1652 GTAGGTCCAT CTGTGCATGG GCAGCAGTAG TCACAAAGCC AAGGANAAAA CAGAGCAGAC 1712 CTGAAGGCTA ATCTTATTTT TGCCACTAAC TTAGTGANTG ACCCTAAGCA AGTTCCTTCT 1772 CCTCTTAGGG CCTTGTGCCA AGCCTATGAA ATTGGAGGTG NCTTTCCTGC TCTAAAGCAT 1832 TTTGATGTCT CATTCTGTGT TTGGTAACCC CTATAAACTG GGGCAGAGGA AAAGAATGAT 1892 GGTTCAAGGC CATACTTCCC TTGAACCTTG TGTGGTTCTT GCCTAACTCT GTGGTTTTTG 1952 GACCCCATGG GGCCCAGACA GAGCACAGGA GCATGGGCTG CCTCTGAGTG TGGTGTTGAA 2012 CTTCGGGAGG AGCAGGGAGC CCTGCACCTT GTGTCCTGGC CCACCTGACC TTTGGTGTTC 2072 TCCGGATCCT TTTCAGCCCG AGGCCTGACA GACGCGGGCA GTGATGAGCC CTGTTCTGGA 2132 GTGGAAAGAG CACGATAGAG CACCAGGCTA AGAGGCACGA GATCAAGGCG GTAGTCACTT 2192 CCGCTCTGCA GCTAGCATTT CAACCATATG TGGATCCTTT CATTTCTCAG CTCCCTGGAT 2252 TCCTTCCCCT AAATTAGGAC CTATTATTTA CCTGTAGGTA AGCAAGCTAC TGTAGCTCTT 2312 CTGAGGTATC TCCCAGGCTG TTTTCTGTAG CCTCAGANTG CCTATCTNCT TAGCCTGAGA 2372 ACAGGTAGAT GNAAACTAAA CTGATGCCTA GGCCCAGGGT CAGTCTCAGA TGGAAGCTGG 2432 GCCTGGGTGG GGAGGCTAGC ATGCGTGGCT CCCTGGGTAT TTCTGTCAGT CCCCATGGCA 2492 AGCAGTGATT TAGTAAAACA CCCCAGAGTC AGGGAAGCCA ACCACCTTGA AACCTTTAGG 2552 ACATCTCTGC TTTGGAGAAA GACCCAGAGA TCAGGCAGAG GTGCAGATTC ANTCATTACT 2612 CATAACCTTT GAGAGATGTC ACNTGGGNGG AGTGTTAGTC TTTGTTTTGG AGNTGGGCCA 2672 TTCTTGCACC CCCCAGGACT TAGAGCAGTT TGNTCATAAA GACATCCTTT ATTATAAAAG 2732 GAAGTATTTA TAGGATGATA GAGACCATCA GATAGAAGCA GGGGGGGTAG ATAACTTTTA 2792 GGNCCTTGAT GTGTGGAGAA GATAAAATTT AAACAATAAA TTTGCCACTT AGATTTTCTA 2852 NCACCACAGT CCGACGAAAG ATAGTTATAT ACAACATTCT GTTTTCTGAT AACAACNNTG 2912 TGATTCACCT TCAGAATTGG CCATTTTTTT TGTGAGTTTC CTTGCATCAA GGACACTGAG 2972 AAACACAGTC ATTGTCTTAG GTGTTCTATG GGAGGAAGTG AATAGAGCCT TTAGGAACTT 3032 CCTGGTCAAG CTTATGGTGC TTATTTTGAT CTGGGCCACT TCCCTCCTTC CAGTCATGAG 3092 TAATCATCAA GGAGCAAGTT GGAGTGTTTC AGGTGTATAT TTTGTAGAAC CCAAAAGATT 3152 GGAGCCTTAA CAATAAACAT CAGAGCGGCC GCGAATTC 3190 配列番号:3 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Glu Leu Leu Pro Val Glu Ser Asn His Asn Lys Asp Leu Tyr 1 5 10 15 配列番号:4 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Phe Asp Pro Phe Gly Pro Ile Gly Thr Ser Pro Ser Gly Pro Asn Pro 1 5 10 15 Asp His Leu Pro Pro Pro Gly Tyr Asp Asp 20 25 配列番号:5 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Val Thr Val Glu Asn Ser Met Ile Ile Asn Val Leu Glu His 1 5 10 15 配列番号:6 配列の長さ:35 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ACYGTKGAGA ATWSYATGAT TATTAATGTK CTSGA 35 配列番号:7 配列の長さ:36 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GTAGCCGGGG GGGGGCARGT GGTCGGGGTT GGGGCC 36 配列番号:8 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 CTCCATATGG CGGCCTGGA 19 配列番号:9 配列の長さ:23 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GAGAAGCTTG AGGCCTTCAC AGG 23
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトPI31のcDNAの塩基配列およびアミ
ノ酸配列を示す図である。
【図2】ヒトPI31cDNAについてプライマーウォ
ーキングによるシーケンスの過程を示す図である。図中
の矢印は1回のシーケンスを行った部位とシーケンスの
方向を示す。黒塗部はコード領域である。
【図3】ヒト肝臓癌細胞HepG2の細胞抽出液と抗ヒ
トPI31抗体を含むラビット抗血清を反応さえたイム
ノブロットの結果を示す電気泳動写真である。
【図4】ヒトPI31がプロテアソ−ムの蛋白質分解活
性を濃度依存的に抑制することを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/576 B 33/576 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 15/00 ZNA (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列を少なくとも有するアミノ酸配列からなるプロテアソ
    ーム抑制蛋白質。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列における一または複数のアミノ酸を置換、欠失または
    付加してなるアミノ酸配列からなり、かつヒトプロテア
    ソームの蛋白質分解活性を抑制するプロテアソーム抑制
    蛋白質。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の蛋白質をコー
    ドするポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号2に記載の塩基配列か
    らなるポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載のポリヌ
    クレオチドのうちの一部であって、連続する9以上の塩
    基からなるポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の蛋白質をコード
    するポリヌクレオチドを組み込んでなる形質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のポリヌクレオチドのア
    ンチセンス鎖の塩基配列からなるアンチセンスポリヌク
    レオチドまたは該アンチセンスポリヌクレオチドの誘導
    体のうちの一部であって、連続する9以上の塩基からな
    るアンチセンスポリヌクレオチドまたは該アンチセンス
    ポリヌクレオチドの誘導体。
  8. 【請求項8】 化学修飾された請求項3ないし6に記載
    のポリヌクレオチドまたはアンチセンスポリヌクレオチ
    ドもしくは該アンチセンスポリヌクレオチドの誘導体。
  9. 【請求項9】 請求項1または2に記載の蛋白質を認識
    する抗体。
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