JPH11226472A - 円筒体の塗布方法および塗布装置 - Google Patents

円筒体の塗布方法および塗布装置

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JPH11226472A
JPH11226472A JP3759698A JP3759698A JPH11226472A JP H11226472 A JPH11226472 A JP H11226472A JP 3759698 A JP3759698 A JP 3759698A JP 3759698 A JP3759698 A JP 3759698A JP H11226472 A JPH11226472 A JP H11226472A
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JP
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coating
cylindrical body
liquid
ring
coating liquid
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JP3759698A
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English (en)
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Mamoru Fujita
護 藤田
Kazuyuki Tada
一幸 多田
Tomomasa Sato
智正 佐藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、円筒体外周面に良好で均一な
塗布膜を形成可能な垂直型非接触リング塗布方式の円筒
体の塗布方法及び塗布装置を提供すること。 【解決手段】 円筒体101をその外周面が鉛直になる
ように保持し、円筒体101上部外周、かつ接触しない
ように、リング状塗布部材102を保持し、円筒体10
1とリング状塗布部材102との間隙に上方から塗液1
04を供給し得る位置に、塗液供給口が配されるように
塗液供給部材107を保持し、塗液供給部材107から
塗液104を排出して塗液供給口に液塊110を形成
後、前記間隙に液塊110を供給し、過剰量の塗液10
4を供給して、前記間隙の全周に塗液の液溜まり106
を形成し、リング状塗布部材102を円筒体101に対
して相対的に鉛直方向下方に移動させることにより、円
筒体101の外周面上に塗布膜を形成することを特徴と
する円筒体の塗布方法および塗布装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗液により形成さ
れたリング状の液溜まりに、電子写真感光体ドラムの基
材の如き円筒体を通過させることにより、該円筒体外周
面に塗布膜を形成する、垂直型非接触リング塗布方式に
よる、円筒体の塗布方法および塗布装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、円筒体に塗布を行う方法とし
ては、浸漬塗布法、垂直型接触リング塗布方法が知られ
ている。
【0003】浸漬塗布法は操作が簡便であるという利点
を有するが、浸漬槽上部の液面状態の安定化や浸漬槽内
部の塗液の流れの安定化の為に、円筒体をゆっくり浸漬
する必要があり、その為に浸漬時間がかかること、円筒
体全体を浸漬しなければならない為、多量の塗液が必要
となり、装置が大型化し、さらにポットライフの短い塗
液を使用する場合、多量の塗液が無駄になること等の欠
点を有する。
【0004】さらに、塗布すべき円筒体表面以外の円筒
体内面に、塗液が塗布されるのを防ぐ為に、円筒体上部
または底部を気密に保つ必要がある。しかし、円筒体上
部を気密に保ちつつ、開口した底部開口面と塗液面とが
平行になるように、ゆっくりと浸漬させた場合に、円筒
体内部の空気が気密に保たれていたとしても、水圧によ
り、円筒体底部から塗液が侵入し、円筒体内面の一部に
塗液が付着することは避けられない為、これを除去する
工程が必要となる。一方、円筒体底部を気密に保ちつ
つ、円筒体上部を浸漬させずに、円筒体の塗布すべき外
周面のみを浸漬させれば、このような欠点はないもの
の、円筒体底部を気密に保つ為の治具が必要となり、該
治具の装着や脱着といった作業工程が必要となる。
【0005】これに対し、垂直型接触リング塗布方法と
して、例えば、円形開口部を有するリング状液漏れ防止
用弾性体パッキングを保持するリング状塗布部材を設
け、該弾性体パッキング開口部に円筒体を接触させて挿
入し、円筒体をリング状塗布部材に対し、相対的に鉛直
上方に移動させることにより、円筒体の外周面に塗布す
る方法がある。浸漬塗布方法と比較して浸漬時間がかか
らない為、生産速度が早くなること、このような垂直型
接触リング塗布方法は、円筒体内面に付着した塗液の除
去工程が要らないこと、少量の塗液で塗布が可能となる
こと、また連続的に円筒体をリング状塗布部材に供給す
ることにより、連続塗布が可能となること、といった特
に生産性を向上させる上での利点を有する。
【0006】しかしながら、このような垂直型接触リン
グ塗布方法にあっては、被塗布物である円筒体がリング
状塗布部材の一部である弾性体パッキングと接触してい
るため、塗布中に円筒体に傷を生じてしまう欠点を有す
る。
【0007】このような不具合を解消する為、特開昭6
0−95440号や特開昭61−8164号には、開口
部にエンドレスの塗液分配スリットを有するリング状塗
布部材を、円筒体の外周面に対して、接触しないように
近接配置し、スリットより塗液を直接押し出して供給す
ることにより液溜まりを形成し、円筒体をリング状塗布
部材に対し、相対的に鉛直上方に移動させることによ
り、円筒体の外周面に塗布する垂直型非接触リング塗布
方法が開示されている。
【0008】図6は、垂直型非接触リング塗布方法によ
る塗布装置の概略断面図である。また、図7は、図6に
おけるリング状塗布部材602の断面図である(尚、切
断面部分の詳細は省略してある)。円筒体601は、芯
出し治具(円筒体保持部材)608の上部に固定され、
リング状塗布部材602は円筒体601を取り囲むよう
に、かつ接触しないように配置される。塗液604は、
図示しない塗液供給手段から、図中矢印Aで示すように
塗液保管室609に供給され、図7に示すスリット61
1の出口から、リング状塗布部材602の開口部603
と円筒体601との間隙に供給され、液溜まり606を
形成する。液溜まり606を形成後、リング状塗布部材
602を円筒体601に対して相対的に下方に動かすこ
とにより、円筒体601上に塗布膜が形成される。
【0009】この方法では、円筒体601がリング状塗
布部材602と接触していないため、塗布中に円筒体6
01に傷を付けることがない。また、液溜まり606に
連続的に塗液を供給しつつ、連続的に円筒体601をリ
ング状塗布部材602の開口部603に挿通することに
より、連続塗布することも可能である。
【0010】しかしながら、かかる液溜まりは非常に不
安定で、液溜まりを形成する塗液量が少ないと、円筒体
とリング状塗布部材の間隙における垂直方向の液溜まり
の幅が小さくなり、塗液と円筒体あるいはリング状塗布
部材間で働く界面張力に抗しきれずに液溜まりを維持で
きなくなってしまい、液溜まりが切れて、液垂れを生じ
てしまう。一方、液溜まりを形成する塗液量が多い場合
にも、塗液と円筒体あるいはリング状塗布部材間で働く
界面張力が液自重に抗しきれずに、液溜まりから液垂れ
が生ずる。このように液垂れが生じたままその後の塗布
を行うと、該液垂れ部分は、塗布膜の厚みを不均一にす
る原因となる。従って、液溜まりを形成する塗液量を適
正に、かつ精密に保つ必要がある。
【0011】また、垂直型非接触リング塗布方法におい
ては、塗布開始前に液溜まりを形成する必要があるが、
このとき液垂れを生じさせずに液溜まりを形成するため
には、円筒体とリング状塗布部材との間隙に塗液を放出
して、液塊の状態でうまく橋架けする必要がある。即
ち、円筒体とリング状塗布部材との間隙に橋架けできる
大きさに塗液を液塊状態にし、かつ、円筒体あるいはリ
ング状塗布部材間で働く界面張力により該液塊が間隙に
保持できる程度の前記液塊の自重とし、さらに、ゆっく
りと液溜まりを形成しなければならない。
【0012】さらに、垂直型非接触リング塗布方法にお
いては、円筒体とリング状塗布部材との間隙を可能な限
り広くとることが望まれる。間隙が狭いほど、液溜まり
の上側の表面と円筒体との間に塗布中に形成されるメニ
スカスが、リング状塗布部材の開口部対向面により規制
される。このメニスカスは、塗布膜厚を決定する要素の
一つであり、間隙を広く取っておけば、リング状塗布部
材の開口部対向面の影響を受けず一定となり、塗布膜厚
は、塗布速度、塗液粘度、温度等の条件のみで決定する
こととなる。一方、間隙が狭い場合には、間隙が精密に
一定に保たれていないと、間隙が広い部分では膜厚が厚
く、狭い部分では薄くなるため、均一な塗布膜を得るこ
とができない。この間隙を一定に保つためには、円筒体
およびリング状塗布部材開口部の円筒度や、塗布装置の
駆動機構の駆動精度を厳しくする必要があり、位置合わ
せによる生産性低下や、材料および設備のコスト上昇を
招く。
【0013】円筒体とリング状塗布部材との間隙を広げ
るためには、液溜まり形成時に液垂れが生じないよう
に、液塊を大きく、特に水平方向に厚くする必要があ
る。このためには垂直方向の塗液供給口の幅を広げれば
よいが、放出される塗液量が多くなり、それに伴い、液
塊の自重は大きくなり、液溜まり形成時に結局液垂れが
生じやすくなる。特に塗液供給口がエンドレスのスリッ
トである場合、供給される塗液は、リング状塗布部材内
面の全周にわたるため、液塊の自重が塗液と円筒体ある
いはリング状塗布部材との間で働く界面張力以上に供給
されても、液塊はどの方向にも移動できずに留まるしか
ないため、そのまま液溜まり形成時に液垂れが生ずる。
従って、エンドレスのスリットを用いた場合、液垂れを
生じさせずに液溜まりを形成するためには、円筒体とリ
ング状塗布部材の間隙を狭くして、液塊の自重を、塗液
と円筒体あるいはリング状塗布部材間で働く界面張力以
下にしなければならない。つまり、前述したような生産
性低下を招くことになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における、上記のような円筒体とリング状塗布部材の間
隙を広く取れないという欠点を改良することを目的とし
てなされたものである。すなわち、本発明の目的は、生
産性に優れ、円筒体外周面に良好で均一な塗布膜を形成
することのできる垂直型非接触リング塗布方式の円筒体
の塗布方法及び塗布装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。即ち本発明は、 (1)円筒体をその外周面が鉛直になるように保持し、
該円筒体上部外周、かつ接触しないように、該円筒体外
周よりも径が大きい円形開口部を有するリング状塗布部
材を保持し、該円筒体と該リング状塗布部材との間隙に
上方から塗液を供給し得る位置に、形状が円形、矩形も
しくは多角形である塗液供給口が配されるように塗液供
給部材を保持し、該塗液供給部材から塗液を排出して前
記塗液供給口に液塊を形成後、前記間隙に該液塊を供給
し、塗布に必要な液量よりも過剰量の塗液を供給して、
前記間隙の全周に塗液の液溜まりを形成し、前記リング
状塗布部材を前記円筒体に対して相対的に鉛直方向下方
に移動させることにより、円筒体の外周面上に塗布膜を
形成することを特徴とする円筒体の塗布方法である。
【0016】(2)円筒体をその外周面が鉛直になるよ
うに保持し、該円筒体上部外周、かつ接触しないよう
に、該円筒体外周よりも径が大きい円形開口部を有する
リング状塗布部材を保持し、前記リング状塗布部材の前
記円筒体に対向する面に、形状が円形、矩形もしくは多
角形である塗液供給口を設け、該塗液供給部材から塗液
を排出して前記塗液供給口に液塊を形成後、前記円筒体
と前記リング状塗布部材との間隙に該液塊を供給し、塗
布に必要な液量よりも過剰量の塗液を供給して、前記間
隙の全周に塗液の液溜まりを形成し、前記リング状塗布
部材を前記円筒体に対して相対的に鉛直方向下方に移動
させることにより、円筒体の外周面上に塗布膜を形成す
ることを特徴とする円筒体の塗布方法である。
【0017】(3)円筒体と該リング状塗布部材との間
隙が、0.05〜5.0mmであることを特徴とする
(1)または(2)に記載の円筒体の塗布方法である。 (4)塗液供給口の直径または円相当直径が、0.3〜
5mmであることを特徴とする(1)ないし(3)のい
ずれか1に記載の円筒体の塗布方法である。 (5)塗液が、電子写真感光体の感光層を形成するため
の塗液であることを特徴とする(1)ないし(4)のい
ずれか1に記載の円筒体の塗布方法である。 (6)塗液の粘度が、0.8〜2,000mPa・sで
あることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれか1
に記載の円筒体の塗布方法である。
【0018】(7)円筒体をその外周面が鉛直になるよ
うに保持する円筒体保持部材と、該円筒体保持部材に保
持された円筒体外周に、接触しないように、かつ、相対
的に鉛直方向に移動し得るように保持された、該円筒体
外周よりも径が大きい円形開口部を有するリング状塗布
部材と、該円筒体と該リング状塗布部材との間隙に上方
から塗液を供給し得る位置に、形状が円形、矩形もしく
は多角形である塗液供給口が配されるように保持された
塗液供給部材と、を有することを特徴とする円筒体の塗
布装置である。
【0019】(8)円筒体をその外周面が鉛直になるよ
うに保持する円筒体保持部材と、該円筒体保持部材に保
持された円筒体外周に、接触しないように、かつ、相対
的に鉛直方向に移動し得るように保持された、該円筒体
外周よりも径が大きい円形開口部を有するリング状塗布
部材と、を有する円筒体の塗布装置であって、前記リン
グ状塗布部材の前記円筒体に対向する面に、形状が円
形、矩形もしくは多角形である塗液供給口が設けられた
ことを特徴とする円筒体の塗布装置である。
【0020】(9)円筒体と該リング状塗布部材との間
隙が、0.05〜5.0mmであることを特徴とする
(7)または(8)に記載の円筒体の塗布装置である。 (10)塗液供給口の直径または円相当直径が、0.3
〜5mmであることを特徴とする(7)ないし(9)の
いずれか1に記載の円筒体の塗布装置である。 (11)塗液が、電子写真感光体の感光層を形成するた
めの塗液であることを特徴とする(7)ないし(10)
のいずれか1に記載の円筒体の塗布装置である。 (12)塗液の粘度が、0.8〜2,000mPa・s
であることを特徴とする(7)ないし(11)のいずれ
か1に記載の円筒体の塗布装置である。
【0021】上記本発明の構成によれば、塗液供給口の
開口部が大きな液塊を形成するに適切な形状である為、
より大きな液塊を当該供給口に形成することができ、円
筒体とリング状塗布部材との間隙に、該液塊をうまく橋
架けすることができる。従って、上記本発明の円筒体の
塗布方法または塗布装置によれば、円筒体とリング状塗
布部材との間隙を広く取ることができ、生産性に優れ、
円筒体外周面に良好で均一な塗布膜を形成することがで
きる。
【0022】尚、本発明の円筒体の塗布方法および塗布
装置は、その構成より、中空である円筒体のみならず、
円柱体に適用することも、もとより可能である。従っ
て、本発明において「円筒体」というときは「円柱体」
を含む概念とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。勿論、本発明は以下の具体的構成に
限定されるものではない。図1は、本発明の塗布方法に
よる塗布装置の一例を示す概略断面図である。また、図
2および図3は、図1に示す塗布装置により円筒体外周
面に塗布膜を形成する工程を説明する概略断面図であ
る。
【0024】図1に示す塗布装置は、円筒体保持部材1
08と、リング状塗布部材102と、塗液供給部材10
7と、から構成される。円筒体保持部材108は、円筒
体101をその外周面が鉛直になるように保持する部材
である。リング状塗布部材102は、円筒体101の外
周よりも径が大きい円形の開口部103を有し、円筒体
保持部材108に保持された円筒体101の外周に、接
触しないように、かつ、相対的に鉛直方向に移動し得る
ように保持されている。リング状塗布部材102は、開
口部103が円形であれば、当該部材全体が円形である
必要はなく、例えば、円形の開口部103を有する矩形
体やその他多角形体等であってもよい。尚、形成される
塗布膜の膜厚の均一性等を考慮すると、円筒体101
と、リング状塗布部材102の開口部103とは、なる
べく精密に同一軸心となるようにすることが好ましい。
【0025】また、塗液供給部材107は、円筒体10
1とリング状塗布部材102の開口部103との間隙に
上方から塗液104を供給し得る位置に、形状が円形、
矩形もしくは多角形である塗液供給口が配されるように
保持されている。尚、図1において塗液供給部材107
は、円筒体101とリング状塗布部材102との間隙の
上方に、傾けた状態で配されているが、円筒体101と
リング状塗布部材102の開口部103との間隙に上方
から塗液104を供給し得る位置に、塗液供給口が配さ
れていれば、塗液供給部材107全体としてどのような
位置あるいは角度に保持されていてもよい。
【0026】塗液供給部材107から排出された塗液1
04は、塗液供給口で液塊110を形成し、リング状塗
布部材102の開口部103と、円筒体101との間隙
に供給され、供給を続けると周方向に徐々に広がりなが
ら、図2に示すように全周にわたって液溜まり106が
形成される。このように、形状が円形、矩形もしくは多
角形である塗液供給口により、液溜まり110を形成す
ると、得られる液塊106の自重が、液塊106と円筒
体101あるいはリング状塗布部材102との間で働く
界面張力以上であっても、余分な塗液104は周方向に
広がるため、従来技術の如きエンドレスのスリット状塗
液供給口(図6におけるスリット611)である場合と
比べ、液垂れが生じずに液溜まり106を形成し易く、
円筒体101とリング状塗布部材102との間隙を広く
取ることが可能となる。
【0027】以上のようにして液溜まり106を形成
後、図3に示すように、リング状塗布部材102を白矢
印で示すように、円筒体101に対して相対的に下方に
動かすことにより、円筒体101の表面に塗布膜105
が形成される。尚、本発明において「相対的に下方に動
かす」とは、円筒体101との関係において、リング状
塗布部材102を下方に動かすことを指し、リング状塗
布部材102を下方に動かす場合の他、円筒体101を
上方に動かす場合や、双方ともそれぞれ下上方向に動か
す場合の、いずれをも含むものである。
【0028】リング状塗布部材102の材質としては、
ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの金属、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミ
ド、ABSなどの樹脂やガラスなどが用いられる。ま
た、液溜まり106の安定性を向上させるため、リング
状塗布部材102の開口部103(円筒体101と対向
する面)を表面処理しても良い。
【0029】リング状塗布部材102の開口部103と
円筒体101との間隙は、液溜まり106が形成されう
る0.05mm〜5.0mm程度が好ましく、円筒体1
01および/またはリング状塗布部材102の駆動設備
の精度を考慮に入れれば0.5〜3.0mm程度がより
好ましい。
【0030】塗液供給部材107の塗液供給口の形状
は、円形、矩形、多角形のいずれであってもよい。尚、
本発明において、塗液供給口の形状を示す「円形」と
は、「楕円形」を含む概念である。
【0031】塗液供給部材107の塗液供給口の大きさ
は、小さすぎると、リング状塗布部材の開口部103と
円筒体101との間隙に橋架けして、液溜まり106を
形成するに十分な大きさの液塊110を形成することが
できずに液垂れを生じ、大きすぎると、液塊110が形
成されずに塗液供給口から塗液104が滴下してしま
う。このため、塗液供給部材107の塗液供給口の直径
または円相当直径は、0.3〜5.0mmの範囲にある
ことが望ましい。尚、円相当直径とは、塗液供給口が矩
形、多角形あるいは楕円形である場合の当該開口部の大
きさを示す指標であり、当該開口部の面積と、同一面積
の円を描いたときの、当該円の直径をいう。
【0032】塗液供給部材107は、図1に示すように
一つのみであってもよいが、周方向に液溜まり106を
迅速に形成させるため、周方向に複数個存在するほうが
望ましく、また、縦方向に複数段あっても構わない。た
だし、塗液供給部材107の数が多すぎると、液溜まり
106を形成する際に、塗液と、円筒体101あるいは
リング状塗布部材102との間で働く界面張力以上にな
る量の自重を有する液塊110が供給された場合、液塊
110はどの方向にも移動できずに留まるしかなくな
り、そのまま液垂れとなってしまう。従って、塗液供給
部材107の数は、リング状塗布部材102の開口部1
03と円筒体101との間隙の大きさ、塗液供給口の口
径等を考慮に入れながら適宜決定すればよい。
【0033】リング状塗布部材102の開口部103と
円筒体101との間隙に、塗液104を連続的に供給し
つつ塗布することも可能であるが、液溜まり106の量
が円筒体101に塗布される液量よりも充分に多ければ
連続的に供給しなくてもよい。
【0034】図4は本発明の塗布方法による塗布装置の
他の一例を示すものである。図4に示す塗布装置は、円
筒体保持部材408と、リング状塗布部材402とから
構成される。図1に示す塗布装置とは、塗液供給部材1
07がない代わりに、リング状塗布部材402が塗液供
給を併せ持っている点のみが異なる。
【0035】図5は、リング状塗布部材402の断面図
である(尚、切断面部分の詳細は省略してある)。円筒
体401に対向する面(開口部)403には、図5に示
すように1箇所、もしくは複数カ所の、形状が円形、矩
形もしくは多角形である塗液供給口413が設けられて
いる。図4に示す塗布装置におけるその他の構成は、図
1に示す塗布装置と同様である。
【0036】図4に示す塗布装置において、塗液404
は、図示しない塗液供給手段により、図中矢印Aで示す
ように塗液保管室409に供給され、図5に示す塗液供
給口413から、リング状塗布部材402の開口部40
3と円筒体401との間隙に供給され、液溜まり406
を形成する。
【0037】このように、本発明は、塗液供給口413
をリング状塗布部材402の開口部403中に設けても
よい。かかる構成であっても図1に示す塗布装置同様、
液垂れを生ずることなく液溜まり406を形成すること
ができ、装置の部品点数を削減することができる。
【0038】以上の本発明の塗布方法あるいは塗布装置
により塗布することのできる円筒体101、401とし
ては、形状精度が高い円筒体で、均一性の高い塗布膜を
得たいものに対して特に有効である。円筒体の材質とし
ては、ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの金
属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リイミド、ABSなどの樹脂やガラス、紙管など、形状
精度の高いものであれば何を用いてもよい。
【0039】塗布すべき塗液としては、塗布の目的によ
り、公知の樹脂、顔料等を溶剤に溶解および/または分
散させて調合したものが適宜選択される。用いられる溶
剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、
オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコール
等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アノ
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、塗液
の粘度としては、0.5mPa・s〜10,000mP
a・s程度が良く、さらに好ましくは、0.8mPa・
s〜2,000mPa・sの範囲であり、目標とする塗
布膜厚や、及び塗布速度等により、適宜選択すればよ
い。
【0040】さらに、上記の塗布方法や塗布装置には、
公知の塗液粘度調整機構あるいは塗液組成調整機構、塗
液追加機構、塗液調製機構等を付加することもでき、こ
の場合、塗液の粘度あるいは組成を一定に保つことによ
り、円筒体の塗布を連続的に、より安定な状態で行うこ
とが可能となる。また、膜厚の均一性を上げるため、リ
ング状塗布部材102、402の上部に溶剤蒸気をコン
トロールするための円筒状の溶剤蒸気調整板を設けても
よい。さらに、例えば、円筒体101、401を連続的
に供給して、円筒体101、401外周面に連続的に塗
布することもできる。
【0041】以上の如く、本発明によれば、円筒体の外
周面に良好で均一な塗布膜を形成することのでき、か
つ、生産性に優れた垂直型非接触リング塗布方式による
塗布方法及び塗布装置を提供することができる。
【0042】
【実施例】本発明の効果を一層明確にする為に、以下、
本発明を実施例によって具体的に説明する。 〔実施例1〕本実施例においては、図1に示す塗布装置
により、円筒体101の外周面に塗布膜を形成した。円
筒体101としてのφ30×340mmのアルミパイプ
を図1に示す方法を用いて液溜まりの形成を行った。塗
液104としては、ブチラール樹脂(商品名:エスレッ
クB,積水化学製)14重量部を1−ブタノール986
重量部に溶解した溶液を使用した。この時の粘度は1
1.5mPas、表面張力は0.23N/mであった。
リング状塗布部材はSUS304製のものを用い、開口
部径φ32mm(間隙は1.0mmとなる)、開口部高
さ40mmのものを用いた。供給口径はφ1.5mm、
供給口の数は1個である。
【0043】先ず、図1に示すように、円筒体101
は、円筒体保持部材108の上部に固定され、リング状
塗布部材102は円筒体101と同一軸心となるように
配置されている。塗液供給部材107において、塗液1
04に徐々に圧力を与え、塗液供給口に液塊110を形
成後、円筒体101とリング状塗布部材102の開口部
103との間隙に、該液塊110を供給した。合計0.
7mlの塗液を次々に供給することにより、徐々に周方
向に広がりながら、やがて全周に液溜まり106が形成
された(所要時間は約20秒)。液垂れを生ずることな
く全周にわたって液溜まりを形成できた。
【0044】液溜まり106を形成後、リング状塗布部
材102を円筒体101に対して、400mm/min
の速度で下方に動かすことにより、円筒体101外周面
に塗液を塗布した。その後150℃で7.5min乾燥
し、塗布膜を形成した。得られた円筒体101外周面の
塗布膜の膜厚を、周方向4点(円筒体101の軸に対し
て90°間隔)、かつ、軸方向3点(円筒体101の上
端より、55mm、175mm、285mm)の計12
点について測定したところ、膜厚の標準偏差は0.12
μmであり、均一性の高い塗布膜であった。
【0045】〔実施例2〕塗液供給部材107の数を4
個とし、それぞれの塗液供給口を円筒体101とリング
状塗布部材102の開口部103との間隙の上方に、円
筒体101の軸に対して90°間隔で配置した以外は、
実施例1と同様にして液溜まり106を形成した。
【0046】実施例1よりも迅速に(所要時間は約5
秒)、液垂れを生ずることなく全周にわたって液溜まり
106を形成することができた。また、実施例1と同様
に塗布膜を形成したところ、実施例1と同様の均一性の
高い塗布膜を得ることができた。
【0047】〔比較例1〕本比較例においては、図6に
示す塗布装置により、円筒体601の外周面に塗布膜を
形成した。リング状塗布部材602の断面は、図7に示
すようになっており、スリット611の幅は1.5mm
とし、エンドレスとなっている。その他の構成は、実施
例1と同様とした(勿論、図1における「塗液供給部材
107」は、配さない)。液塊をリング状塗布部材60
2の開口部603と円筒体601との間隙に供給したと
ころ、液溜まり606の形成は瞬時に行われたが、その
際液垂れが発生した。
【0048】液溜まり606を形成後、リング状塗布部
材602を円筒体601に対して、400mm/min
の速度で下方に動かすことにより、円筒体601外周面
に塗液を塗布した。その後150℃で7.5min乾燥
し、塗布膜を形成した。得られた円筒体601外周面の
塗布膜の膜厚を、周方向4点(円筒体601の軸に対し
て90°間隔)、かつ、軸方向3点(円筒体601の上
端より、55mm、175mm、285mm)の計12
点について測定したところ、膜厚の標準偏差は0.63
μmであり、均一性に欠けるものであった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の円筒体の
塗布方法および塗布装置によれば、リング状塗布部材と
円筒体との間隙を広くすることができ、円筒体あるいは
リング状塗布部材を移動させる際、駆動機構の駆動精
度、あるいは、円筒体およびリング状塗布部材開口部の
円筒度の精度を緩く設定でき、生産コストを抑えること
ができる。さらに、円筒体とリング状塗布部材とが接触
しないため、塗布中に円筒体の基材に傷を付けることな
く、良好で均一性の高い塗布膜を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法による塗布装置の一例を示す
概略断面図である。
【図2】図1に示す塗布装置により円筒体外周面に塗布
膜を形成する工程のうち、液溜まり形成時の状態を示す
概略断面図である。
【図3】図1に示す塗布装置により円筒体外周面に塗布
膜を形成する工程のうち、塗布膜形成直後の状態を示す
概略断面図である。
【図4】本発明の塗布方法による塗布装置の他の一例を
示す概略断面図である。
【図5】図4に示す塗布装置におけるリング状塗布部材
の断面図である。
【図6】従来の垂直型非接触リング塗布方法による塗布
装置の概略断面図である。
【図7】図6に示す垂直型非接触リング塗布装置におけ
るリング状塗布部材の断面図である。
【符号の説明】
101、401、601:円筒体 102、402、602:リング状塗布部材 103、403、603:開口部 104、404、604:塗液 105:塗布膜 106、406、606:液溜まり 107:塗液供給部材 108、408、608:円筒体保持部材 409、609:塗液保管室 611:スリット 413:塗液供給口

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒体をその外周面が鉛直になるように
    保持し、 該円筒体上部外周、かつ接触しないように、該円筒体外
    周よりも径が大きい円形開口部を有するリング状塗布部
    材を保持し、 該円筒体と該リング状塗布部材との間隙に上方から塗液
    を供給し得る位置に、形状が円形、矩形もしくは多角形
    である塗液供給口が配されるように塗液供給部材を保持
    し、 該塗液供給部材から塗液を排出して前記塗液供給口に液
    塊を形成後、前記間隙に該液塊を供給し、塗布に必要な
    液量よりも過剰量の塗液を供給して、前記間隙の全周に
    塗液の液溜まりを形成し、 前記リング状塗布部材を前記円筒体に対して相対的に鉛
    直方向下方に移動させることにより、円筒体の外周面上
    に塗布膜を形成することを特徴とする円筒体の塗布方
    法。
  2. 【請求項2】 円筒体をその外周面が鉛直になるように
    保持し、 該円筒体上部外周、かつ接触しないように、該円筒体外
    周よりも径が大きい円形開口部を有するリング状塗布部
    材を保持し、 前記リング状塗布部材の前記円筒体に対向する面に、形
    状が円形、矩形もしくは多角形である塗液供給口を設
    け、 該塗液供給部材から塗液を排出して前記塗液供給口に液
    塊を形成後、前記円筒体と前記リング状塗布部材との間
    隙に該液塊を供給し、塗布に必要な液量よりも過剰量の
    塗液を供給して、前記間隙の全周に塗液の液溜まりを形
    成し、 前記リング状塗布部材を前記円筒体に対して相対的に鉛
    直方向下方に移動させることにより、円筒体の外周面上
    に塗布膜を形成することを特徴とする円筒体の塗布方
    法。
  3. 【請求項3】 円筒体と該リング状塗布部材との間隙
    が、0.05〜5.0mmであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の円筒体の塗布方法。
  4. 【請求項4】 塗液供給口の直径または円相当直径が、
    0.3〜5mmであることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1に記載の円筒体の塗布方法。
  5. 【請求項5】 塗液が、電子写真感光体の感光層を形成
    するための塗液であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれか1に記載の円筒体の塗布方法。
  6. 【請求項6】 塗液の粘度が、0.8〜2,000mP
    a・sであることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか1に記載の円筒体の塗布方法。
  7. 【請求項7】 円筒体をその外周面が鉛直になるように
    保持する円筒体保持部材と、 該円筒体保持部材に保持された円筒体外周に、接触しな
    いように、かつ、相対的に鉛直方向に移動し得るように
    保持された、該円筒体外周よりも径が大きい円形開口部
    を有するリング状塗布部材と、 該円筒体と該リング状塗布部材との間隙に上方から塗液
    を供給し得る位置に、形状が円形、矩形もしくは多角形
    である塗液供給口が配されるように保持された塗液供給
    部材と、を有することを特徴とする円筒体の塗布装置。
  8. 【請求項8】 円筒体をその外周面が鉛直になるように
    保持する円筒体保持部材と、 該円筒体保持部材に保持された円筒体外周に、接触しな
    いように、かつ、相対的に鉛直方向に移動し得るように
    保持された、該円筒体外周よりも径が大きい円形開口部
    を有するリング状塗布部材と、を有する円筒体の塗布装
    置であって、 前記リング状塗布部材の前記円筒体に対向する面に、形
    状が円形、矩形もしくは多角形である塗液供給口が設け
    られたことを特徴とする円筒体の塗布装置。
  9. 【請求項9】 円筒体と該リング状塗布部材との間隙
    が、0.05〜5.0mmであることを特徴とする請求
    項7または8に記載の円筒体の塗布装置。
  10. 【請求項10】 塗液供給口の直径または円相当直径
    が、0.3〜5mmであることを特徴とする請求項7な
    いし9のいずれか1に記載の円筒体の塗布装置。
  11. 【請求項11】 塗液が、電子写真感光体の感光層を形
    成するための塗液であることを特徴とする請求項7ない
    し10のいずれか1に記載の円筒体の塗布装置。
  12. 【請求項12】 塗液の粘度が、0.8〜2,000m
    Pa・sであることを特徴とする請求項7ないし11の
    いずれか1に記載の円筒体の塗布装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005036586A1 (ja) * 2003-10-10 2005-04-21 Fujitsu Limited 発光放電管、発光放電管の製造方法及び保護膜形成装置
JP2007130589A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Canon Inc 弾性ローラとその製造方法、電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置
KR100822425B1 (ko) 2006-04-07 2008-04-16 시노다 프라즈마 가부시끼가이샤 발광 방전관 및 발광 방전관의 제조 방법
CN103056069A (zh) * 2013-01-28 2013-04-24 日星电气(昆山)有限公司 编织管材涂布用分离式均匀涂布模具
JP2014087944A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Canon Inc 基材へのチューブ被覆方法、定着部材、および画像加熱定着装置

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