JPH11227123A - 二軸延伸スチレン系樹脂積層シート及びその製造方法 - Google Patents

二軸延伸スチレン系樹脂積層シート及びその製造方法

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JPH11227123A
JPH11227123A JP3719398A JP3719398A JPH11227123A JP H11227123 A JPH11227123 A JP H11227123A JP 3719398 A JP3719398 A JP 3719398A JP 3719398 A JP3719398 A JP 3719398A JP H11227123 A JPH11227123 A JP H11227123A
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sheet
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Satoru Oya
哲 大屋
Eiji Sawada
栄嗣 澤田
Akio Toyoda
明男 豊田
Kosuke Arai
宏介 新居
Nobuyuki Konishi
信行 小西
Koji Adachi
幸司 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性及び外観性に優れると共に、回収によ
る再利用も可能で、かつ、二次成形時におけるレインド
ロップを発生させることのない二軸延伸スチレン系樹脂
積層シートを提供する。 【解決手段】 メタクリル酸を1〜4重量%なる割合で
用いてスチレンと重合したスチレン系樹脂層(A)を少
なくとも両表層に配し、該両表層に挟まれた層として、
動的粘弾性測定の損失正接(tanδ)最大ピーク値温度
が、前記樹脂層(A)を構成する樹脂よりも6.5〜2
5℃低いポリスチレンから構成されているスチレン系樹
脂層(B)を配していることを特徴とする二軸延伸スチ
レン系樹脂積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸延伸スチレン系
樹脂シートに関し、さらに詳しくはOPSシートの透明
性、剛性等の優れた特性を損なうことなく、二次成形時
の型再現性精度、深絞り性の向上やレインドロップの発
生抑制を可能とした、成形可能範囲が広い二軸延伸スチ
レン系樹脂積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリスチレンシート(以下、O
PSシートという)は、環境衛生、腰の強さ、透明性、
成形性、回収性に優れている等の理由で軽量食品包装容
器やその他物品の包装に多く用いられている。その二次
成形方法としては、シートと熱板とを接触加熱させ、軟
化したシートを熱板からの加圧により金型へ押しつけ賦
形させる、所謂、接触加熱式圧空成形法が一般的に用い
られている。この成形方法は外枠と熱板との間にシート
を大過重で挟むことにより配向収縮を防ぐことに加え、
強い圧力が掛けられるため、配向を有した二軸延伸シー
トの成形には最適である。しかし、この二次成形方法
は、二次成形初期或は成形条件変更時における熱板の温
度調節が難しく、熱板温度が低い状態では型再現性が悪
くなり、また、熱板温度が上がり過ぎると、シートの配
向緩和現象による、過剰加熱箇所にレインドロップ(雨
粒状の斑点)と呼ばれる模様が発生する等の欠点を有し
ていた。
【0003】この欠点を補うため特開平2−23993
3号公報には、二軸延伸シートとして、表層樹脂にスチ
レン−メタクリル酸共重合体を用い、かつ、内層として
ポリスチレンを用いることにより、成形可能温度範囲を
広げ、その結果、二次成形時の熱板の温度乱れに伴うレ
インドロップの発生を防止する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−2
39933号公報記載の二軸延伸シートは、確かに二次
成形時におけるレインドロップ等の発生温度を上昇さ
せ、成形可能温度範囲を広げることが可能をなるもの
の、表層を形成する樹脂中のメタクリル酸構成比が高い
ため、表層を形成する樹脂と、内層を形成する樹脂との
流動性の差が大きく、シート表面に縞模様及び波模様が
生じてシートが白化し、透明性及び外観を著しく低下さ
せるものであった。特に大型の製造装置で吐出量が大き
い場合には、層合流部の剪断応力値が大きくなる傾向が
強く、外観低下は顕著なものであった。また、表層を形
成する樹脂と、内層を形成する樹脂との相溶性が無いた
めに、シート製造時或いはそのシートを成形し打ち抜く
際に発生するスクラップ或いはシート成形品の廃棄物を
回収、二軸延伸シートに再利用する際にも白化現象を生
じるものであった。
【0005】また、同様の層構成を有する二軸延伸シー
トにおいて、表層のメタクリル酸構成比を低くし、内外
層の樹脂の流動性や相溶性を改善した技術として、例え
ば、特開平7−156342号公報には、メタクリル酸
含量1〜4重量%のスチレン−メタクリル酸共重合体を
表層に用い、かつ、内層にポリスチレンを用いた二軸延
伸シートが開示されているが、これは内外層の相溶性が
良好となる点からシート外観は良好となるものの、成形
可能温度範囲が狭くなり、やはり、二次成形時のレイン
ドロップの発生を招くものであった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、透明性
及び外観性に優れると共に、回収による再利用も可能
で、かつ、二次成形時におけるレインドロップを発生さ
せることのない二軸延伸スチレン系樹脂積層シート及び
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討したところ、表層に、芳香族ビニ
ルとエチレン性不飽和カルボン酸とを特定比率で重合し
たスチレン系樹脂層(A)を少なくとも両表層に配し、
かつ、内層に特定のスチレン系樹脂を配することによっ
て、透明性やシート外観を良好に維持したまま、成形可
能温度範囲を拡大できて、二次成形時におけるレインド
ロップを防止でき、更に、スクラップ若しくはシート成
形品廃物の回収再利用が可能となることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、芳香族ビニル系化合物と
エチレン性不飽和カルボン酸とを必須の単量体成分と
し、エチレン性不飽和カルボン酸を1〜4重量%なる割
合で用いた重合したスチレン系樹脂層(A)を少なくと
も両表層に配し、該両表層に挟まれた層として、動的粘
弾性測定の損失正接(tanδ)最大ピーク値温度が、前
記樹脂層(A)を構成する樹脂よりも6.5〜25℃低
いスチレン系樹脂から構成されているスチレン系樹脂層
(B)を配していることを特徴とする二軸延伸スチレン
系樹脂積層シート、及び、芳香族ビニル系化合物とエチ
レン性不飽和カルボン酸とを必須の単量体成分とし、エ
チレン性不飽和カルボン酸を1〜4重量%なる割合で用
いて重合したスチレン系樹脂(a)と、動的粘弾性測定
の損失正接(tanδ)最大ピーク値温度が、前記樹脂
(a)よりも6.5〜25℃低いスチレン系樹脂(b)
とを、 工程1.夫々溶融混練し、 工程2.樹脂合流部内で前記樹脂(a)が両表層に来るよ
うに、樹脂(a)と脂層(b)とを合流させると共にダ
イスより共押出し、 工程3.次いで、二軸延伸することを特徴とする二軸延伸
スチレン系樹脂積層シートの製造方法に関する。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
シートは、特定のスチレン系樹脂層(A)を両表面層に
有しており、内層にその他のスチレン系樹脂層(B)を
有している少なくとも3層からなるものである。
【0010】本発明のシートのスチレン系樹脂層(A)
は、芳香族ビニル系化合物とエチレン性不飽和カルボン
酸とを必須の単量体成分とし、エチレン性不飽和カルボ
ン酸を1〜4重量%なる割合で用いて重合したスチレン
系樹脂(a)から構成される。
【0011】ここで、スチレン系樹脂(a)を構成する
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が、
芳香族ビニル系化合物としては、例えばスチレン、α−
メチルスチレン等の芳香環を有するビニル単量体が挙げ
られる。また、これらの単量体成分に加え、芳香族ビニ
ルやエチレン性不飽和カルボン酸に、例えば、メチル
(メタ)アクリレートやステアリル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを併用して
もよい。これらの中でも特に耐熱性、耐油性の点からエ
チレン性不飽和カルボン酸としてメタクリル酸、芳香族
ビニル系化合物としてメタクリル酸を用いた、スチレン
−メタクリル酸共重合体であることが好ましい。
【0012】スチレン系樹脂(a)について更に詳細に
述べると、エチレン性不飽和カルボン酸を上述の如く、
単量体成分中1〜4重量%となる割合で用いたものであ
るが、これはエチレン性不飽和カルボン酸を1重量%未
満では、成形可能温度範囲が狭くなり、レインドロップ
を抑制するのに十分な耐熱性が発現されず、一方、4重
量%を超える場合には、後述する樹脂(b)との流動
性、相溶性の差が大きくなり、シート外観及び透明性が
低下する他、スクラップ若しくはシート成形品廃物の再
利用ができなくなる。即ち、エチレン性不飽和カルボン
酸をこの1〜4重量%の範囲で用いた場合は、表層のス
チレン系樹脂(a)と内層のスチレン系樹脂(b)との
屈折率の違いが顕著に小さく、再使用に当たっても得ら
れるシートが白濁状を呈することなく優れた透明性を兼
備したものとなる。
【0013】このエチレン性不飽和カルボン酸の使用割
合としては、これらの効果のバランスに優れる点から単
量体成分中2〜3.5重量%であることがより好まし
い。
【0014】また、上記スチレン系樹脂(a)の重量平
均分子量は、特に限定されるものではないが、シートの
透明性や賦型性、更に成形可能温度範囲を拡大させてレ
インドロップを良好に抑制できる点から20〜30×1
4が好ましい。
【0015】また、上記スチレン系樹脂(a)から構成
されるスチレン系樹脂層(A)は、レインドロップ防止
効果がより顕著となる点から、樹脂中に含まれるのメタ
ノール可溶分は1.5重量%以下であることが好まし
い。このメタノール可溶分とは、特にその成分が特定さ
れるものではないが、例えば、スチレンモノマーや、通
常流動性改質剤として添加する鉱油やスチレンオリゴマ
ー等の低分子量揮発分が挙げられる。更に大きな効果を
発現させることが可能なため、メタノール可溶分量は1
重量%以下がより好ましい。
【0016】次に、本発明のシートを構成するスチレン
系樹脂層(B)は、動的粘弾性測定の損失正接(tan
δ)最大ピーク値温度が、前記樹脂(a)よりも6.5
〜25℃低いスチレン系樹脂(b)から構成される。
【0017】ここで、動的粘弾性測定の損失正接(tan
δ)最大ピーク値温度とは、動的粘弾性の温度依存性に
関する試験法(JIS−K−7198、A法)で測定さ
れる、損失正接(tanδ)最大ピーク値温度である。こ
の最大ピーク値温度が、上記したスチレン系樹脂(a)
よりも、6.5〜25℃低い樹脂を用いることにより、
シートの透明性や外観を保持したまま、成形可能温度範
囲を広げることが可能となる。
【0018】この様なスチレン系樹脂(b)としては、
具体的には、ポリスチレン、或は、スチレン、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ゴム質含有
ポリスチレン、スチレン系アイオノマー樹脂、及び、前
記芳香族ビニル系化合物と、前記エチレン性不飽和カル
ボン酸との共重合体、並びに、それらの混合物等が挙げ
られるが、なかでも、前記最大ピーク値温度が低く、か
つ、シートにした際の賦型性、及び、透明性が良好とな
る点からポリスチレンが好ましい。
【0019】また、これらのスチレン系樹脂(b)の中
でも、成形品の耐熱温度を、加熱調理用途で求められる
92℃以上とするためには、ビカット軟化温度95℃以
上のものが好ましい。また、本発明においては、スチレ
ン系樹脂(b)として、OPS又は本発明の二軸延伸シ
ートのスクラップ又はシート成形品廃棄物等の再生品
を、上掲した樹脂に一部混入させて使用することもでき
る。
【0020】この様なスチレン系樹脂(b)の重量平均
分子量としては特に限定されるものではないが、スチレ
ン系樹脂(b)は、動的粘弾性測定の損失正接(tan
δ)最大ピーク値温度を減少させながらも、成型品強度
を良好に維持できる点から20〜40×104の範囲で
あることが好ましい。
【0021】また、スチレン系樹脂(b)における、前
記最大ピーク値温度を低減させる方法としては、特に制
限されず、鉱油や低分子量スチレン等の一般的改質剤に
よる流動調整、スチレン系樹脂(b)の製造段階での分
子量調整、流動性の異なるグレードの樹脂ブレンドによ
る調整等が挙げられる。
【0022】本発明においては、特に鉱油の添加による
調整が有効であり、特に前記分子量範囲に調整しながら
鉱油を添加することにより、前記最大ピーク値温度を低
減させ乍ら、成型品強度を良好に保持できる。
【0023】また、詳述したスチレン系樹脂(a)及び
スチレン系樹脂(b)は、シート面状態を良好なものと
するため、それらのMI値の差は2倍以内であることが
好ましい。
【0024】本発明の二軸延伸スチレン系樹脂積層シー
トは、詳述したスチレン系樹脂(a)から構成されるス
チレン系樹脂層(A)を両表層に配し、かつ、該両表層
に挟まれた層として、スチレン系樹脂(b)から構成さ
れるスチレン系樹脂層(B)を配した構造を有するもの
である。
【0025】具体的には、上記スチレン系樹脂(B)層
の両表面にスチレン系樹脂(A)層が積層された3層構
造、即ち、(A)層/(B)層/(A)層の層構成であ
ってもよいが、勿論、(A)層/(B)層/(A)層/
(B)層/(A)層の5層構造、(A)層/(B)層/
(A)層/(B)層/(A)層/(B)層/(A)層の
7層構造等であってもよい。
【0026】また、その製造方法は特に制限されるもの
でなく、これらの積層物が全体として二軸延伸されたも
のであればよく、例えば、スチレン系樹脂(B)の両面
にスチレン系樹脂(A)を接着剤によりそれらを接着し
てもよいが、熱溶融共押出による方法が好ましい。
【0027】具体的には、本発明の製造方法、即ち、芳
香族ビニル系化合物とエチレン性不飽和カルボン酸とを
必須の単量体成分とし、エチレン性不飽和カルボン酸を
1〜4重量%なる割合で用いて重合したスチレン系樹脂
(a)と、動的粘弾性測定の損失正接(tanδ)最大ピ
ーク値温度が、前記樹脂(a)よりも6.5〜25℃低
いスチレン系樹脂(b)とを、 工程1.夫々溶融混練し、 工程2.樹脂合流部内で前記樹脂(a)が両表層に来るよ
うに、樹脂(a)と脂層(b)とを合流させると共にダ
イスより共押出し、 工程3.次いで、二軸延伸する方法が好ましい。
【0028】この場合、両表層の(A)層の厚みは、二
次成形後の成形品に歪みを発生させないために、それぞ
れ同等程度とすることが好ましい。また、表層に来るス
チレン系樹脂層(A)1層の厚みは、成形可能温度範囲
が広がる点からシート全体厚みの0.5〜7%が好まし
く、なかでも2次成形時の深絞り部等の外観がより良好
となる点から1〜2.3%であることが特に好ましい。
更に両表層の(A)層の厚み合計は、型再現性が一層良
好となる点から1〜14%の範囲が好ましく、特に1〜
4.6%の範囲が好ましい。また、前記した通り、
(A)層を3層以上積層する場合は、(A)層の厚み合
計がシート全体厚みの70%以下となる範囲が好まし
い。
【0029】工程1.及び工程2.における、熱溶融共押出
法による押出条件としては特に制限されないが、通常、
それぞれの樹脂をポリスチレン系シートの条件である2
20〜280℃で溶融混練し、マルチマニホールドダイ
にて共押出しするか、或は、溶融混練後、樹脂合流装置
であるフィードブロック内でスチレン系樹脂(a)及び
スチレン系樹脂(b)を接合させ、Tダイにより溶融押
出して積層する方法が挙げられる。ここで、フィードブ
ロックやダイ内における剪断速度は1〜1,000se
-1の範囲が好ましく、その際の樹脂粘度は温度条件等
の調整により100〜2,000Pa・S程度とし成膜
することが好ましい。
【0030】また、工程2.におけるフィードブロック又
はマルチマニホールドダイ内の表層に来るスチレン系樹
脂(a)の剪断応力は15,000Pa以下とすること
が、得られるシート表面の平滑性がより良好となる点か
ら好ましい。更に、安定的な生産が可能な点から12,
000Pa以下であることが好ましい。
【0031】溶融押出されたシートは、次いで工程3.と
して、所定の厚みになるように二軸延伸される。この
際、ダイスより押出された樹脂は、必要によりキャステ
ィングロールに接触させ、厚みの均一化、温度調整を施
した後、延伸工程に供される。また、ここでキャスティ
ングロールに安定的に樹脂を供給する手段としては、例
えば、タッチロール、エアーナイフ、薄い場合には静電
ピンニング等の方法を用いることができる。
【0032】また、ダイスにおけるリップの間隔は、
0.2〜3.0mmとなる範囲が好ましいが、中でも成
膜性の点から0.2〜2.0mmとなる範囲が特に好ま
しい。
【0033】延伸処理方法としては、特に制限されない
が、ダイスより押出された未延伸シートを、ロール間速
度差及びテンターを利用した、同時二軸延伸又は逐次二
軸延伸で行う方法が好ましい。
【0034】延伸倍率は目的に応じ異なるが、通常面倍
率で3〜15倍、より好ましくは4〜10倍であること
が好ましい。また、逐次延伸の場合の流れ方向の延伸倍
率は、1.2〜5倍、なかでも1.5〜4倍が好まし
く、クロス方向の延伸倍率は1.2〜5倍、なかでも
1.5〜3倍が好ましい。
【0035】同時2軸延伸の各方向の延伸倍率は、1.
5〜5倍、好ましくは2〜4倍である。
【0036】また、同時二軸延伸又は逐次二軸延伸にお
ける、温度条件は、特に制限されるものではないが、A
STM D−1504に準拠し測定される配向緩和応力
が1.5〜13Kgf/cm2となる様に行うのが、延
伸切れを防止でき、また、二次成型性が良好となる点か
ら好ましい。
【0037】一方、配向緩和力が3〜10の範囲である
と、得られたシートの折り割れ性が良好であるばかりで
なく、シートの成形性自体も極めて良好となるのでより
好ましい。
【0038】本発明の積層二軸延伸シートは、本発明の
効果を損なわない範囲で、一般OPSシートに慣用され
るスリップ剤、帯電防止剤、離型剤、防曇剤、着色剤、
抗菌剤等をスチレン系樹脂層(B)やスチレン系樹脂層
(A)に含有、又は、シート表層へコーティングしても
よい。これらの中でも、シートの表面状態を良好に保持
でき、本発明の効果がより顕著になる点からスリップ剤
及び防曇剤の使用が好ましく、具体的には、スリップ剤
としては、シリカ、PS架橋ビーズ、ハイインパクトポ
リスチレン等が挙げられ、防曇剤としては、グリセリン
酸脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル等が挙げられる。更に、美麗さ、機能
性等を与えるため当該シートの表面に印刷を施すこと
や、バリア性、抗菌性、ヒートシール性等の機能性を持
つ樹脂フィルムをラミネートしてもよい。
【0039】本発明の二軸延伸シートは、従来の二軸延
伸ポリスチレンシートと同様な条件で、所定の形状の金
型で圧空成形すれば、所望の容器、蓋材等を容易に得る
ことができる。また真空圧空成形法や真空成形法によっ
ても賦形可能である。
【0040】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではないし、またこれら
に限定するつもりもない。
【0041】なお、各特性値は以下の方法により評価を
行った。 [損失正接(tanδ)最大ピーク値温度]JIS−K−
7198、A法に準拠。 [ビカット軟化温度]JIS K7206に準拠。 [剪断応力]樹脂合流部直前の剪断応力は、目的とする
樹脂の流れ特性試験をJIS K7199法を用い行
い、壁面における真の剪断応力と剪断速度との関係から
求めた。尚、剪断速度は、フィードブロック内にある樹
脂合流部直前部の剪断速度(γw)を次式から求めた。
【0042】
【式1】γw=6Q/(WH2) [γw:剪断速度[s-1]、Q:容積流量[m3/s]、
W:樹脂合流直前流路の長辺[m]、H:樹脂合流直前
流路の短辺[m]]
【0043】[シート面状態]実施例および比較例で得
られたシートについて、両表面の樹脂の流動性の違いに
よる縞模様及び波模様を観察し、表面状態を比較した。 判定基準 表面状態 ○;表面平滑で、縞模様及び波模様の何れも発生せず。 ×;縞模様及び波模様発生。
【0044】[回収性]実施例および比較例で得られた
シートを、弁当の蓋材に成形した後、それぞれ粉砕し、
ポリスチレン(Mw=26.5万)に対し、20%と5
0%のドライブレンドを行ない、二軸延伸装置を用いて
実施例1と同様な倍率・配向緩和応力・温度で延伸し、
厚み0.21mmのシートを得た。そして、このシート
のヘイズ値をJIS K7105法で測定し、再利用性
の確認を行った。 判定基準 ○;0〜2%未満、 △;2〜5%未満、
×;5%以上
【0045】[透明性]JIS K7105でヘイズ値
を測定。 判定基準 ○;0〜2%未満、 △;2〜5%未満、
×;5%以上
【0046】[引張強度]JIS K7127に準拠。 判定基準 ○;50MPa以上、 ×;50MPa未満
【0047】[耐熱性]30〜100℃までの範囲で、
加熱されたオーブン中でシートを5分間放置した時に2
%の収縮が起こる最低温度(2%収縮温度)とする。ま
た収縮率は熱処理した時の寸法が収縮した長さを元の寸
法で割った百分率(%)で表す。 判定基準 ○;94℃以上、 △;90〜94%未満、
×;90℃未満
【0048】[二次成形性]下記の成型機及び金型を用
い成形し、型再現性、レインドロップの発生、白化の発
生を評価した。
【0049】 金型1:縦×横×深さ=180×125×20mm 金型2:縦×横×深さ= 73× 63×30mm 成形下限温度・・型再現率が80%以上になる最低温
度。
【0050】白化発生温度・・成形下限温度以上の温度
で白化が発生した場合の最高温度。 成形上限温度・・レインドロップが発生し始める温度。 成形可能温度範囲・成形上限温度−成形下限温度(白化
が発生する場合は白化発生温度) 判定基準は成形温度幅を用い評価した。 ○;8℃以上、 △;8℃未満〜6.5℃、 ×;6.
5℃未満〜4℃、××;4℃未満 樹脂としては表1に示すものを用いた。
【0051】
【表1】
【0052】実施例1 表2に示す配合処方で表層に配置するスチレン−メタク
リル系樹脂を30φ径、ポリスチレン樹脂を65φ径の
共押出機を用いて、240℃の樹脂温にて溶融し、表層
ベイン開度を20%とした2種3層の分配機を通した後
Tダイから押し出し、厚み1.0mmの積層シートを作
製した。
【0053】次に二軸延伸装置を用いて、縦10cm、
横10cmに裁断したシートを120℃雰囲気中で、縦
方向、横方向共に2.2倍延伸を行い、厚み0.21m
mのシートを得た。
【0054】各シートの樹脂合流時の表層部の剪断応力
計算値、シート面状態、回収性、透明性、引張強度、耐
熱性、成形性を評価した。その結果を表2に示す。何れ
も、各評価試験で優れた結果が得られた。
【0055】実施例2 表2に示す配合処方で表層に配置するスチレン−メタク
リル系樹脂を30φ径、ポリスチレン樹脂を65φ径の
共押出機を用いて、表層層樹脂温度を270℃、中心層
樹脂温度を240℃とし、溶融した樹脂を表層ベイン開
度8%とした2種3層の分配機を通した後Tダイから押
し出し、厚み1.0mmの積層シートを作製した。
【0056】次に二軸延伸装置を用いて、縦10cm、
横10cmに裁断したシートを122℃雰囲気中で、縦
方向、横方向共に2.6倍延伸を行い、厚み0.15m
mのシートを得た。
【0057】各シートの樹脂合流時の表層部の剪断応力
計算値、シート面状態、回収性、透明性、引張強度、耐
熱性、成形性を評価した。その結果を表2に示す。
【0058】実施例3 表2に示す配合処方で表層に配置するスチレン−メタク
リル系樹脂を30φ径、ポリスチレン樹脂を65φ径の
共押出機を用いて、表層層樹脂温度を230℃、中心層
樹脂温度を240℃とし、溶融した樹脂を表層ベイン開
度30%とした2種3層の分配機を通した後Tダイから
押し出し、厚み1.0mmの積層シートを作製した。
【0059】次に二軸延伸装置を用いて、縦10cm、
横10cmに裁断したシートを118℃雰囲気中で、縦
方向、横方向共に1.8倍延伸を行い、厚み0.30m
mのシートを得た。
【0060】各シートの樹脂合流時の表層部の剪断応力
計算値、シート面状態、回収性、透明性、引張強度、耐
熱性、成形性を評価した。その結果を表2に示す。
【0061】実施例4 表2に示す配合処方で表層に配置するスチレン−メタク
リル系樹脂を30φ径、ポリスチレン樹脂を65φ径の
共押出機を用いて、表層層樹脂温度を240℃、中心層
樹脂温度を240℃とし、溶融した樹脂を表層ベイン開
度20%とした2種3層の分配機を通した後Tダイから
押し出し、厚み1.0mmの積層シートを作製した。
【0062】次に二軸延伸装置を用いて、縦10cm、
横10cmに裁断したシートを118℃雰囲気中で、縦
方向、横方向共に2.2倍延伸を行い、厚み0.21m
mのシートを得た。
【0063】各シートの樹脂合流時の表層部の剪断応力
計算値、シート面状態、回収性、透明性、引張強度、耐
熱性、成形性を評価した。その結果を表2に示す。
【0064】比較例1 65φ、30φ共に原料Fを使用し、樹脂温度230
℃、ベイン開度を6%とし、厚さ1.0mmの単層シー
トを作製した。次に実施例1と同様の方法で延伸及び評
価を行った。結果を表3に示す。二次形成性に劣るもの
であった。
【0065】比較例2 表層原料をF、中心原料をEとし実施例1と同様の方法
で押出、延伸、評価を行った。結果を表3に示す。成形
温度域は単層シートと同程度で、成形可能温度範囲の拡
大はみられなかった。また、耐熱温度が低く、フードパ
ック用途に多い加熱食品投入用には使用が難しいことが
分かった。また、二次成形性も劣るものであった。
【0066】比較例3 表層原料をD、中心原料をEとし実施例1と同様の方法
で押出、延伸、評価を行った。結果を表3に示す。シー
ト外観、透明性に劣る他、回収性に問題があった。
【0067】比較例4 表層原料をD、中心原料をEとし実施例1と同様の方法
で押出、延伸、評価を行った。結果を表3に示す。シー
ト外観、透明性に劣る他、表層の厚みが厚いため、白化
の発生温度が低く二次形成性に劣るものであった。
【0068】比較例5 表層原料をB、中心原料をGとし実施例1と同様の方法
で押出、延伸、評価を行った。結果を表3に示す。二次
形成性に劣るものであった。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、透明性及び外観性に優
れると共に、回収による再利用も可能で、かつ、二次成
形時におけるレインドロップを発生させることのない二
軸延伸スチレン系樹脂積層シート及びその製造方法を提
供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 (72)発明者 小西 信行 千葉県千葉市中央区末広3−1−25 (72)発明者 安達 幸司 千葉県市原市辰巳台東4−4

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル系化合物とエチレン性不飽
    和カルボン酸とを必須の単量体成分とし、エチレン性不
    飽和カルボン酸を1〜4重量%なる割合で用いて重合し
    たスチレン系樹脂層(A)を少なくとも両表層に配し、
    該両表層に挟まれた層として、動的粘弾性測定の損失正
    接(tanδ)最大ピーク値温度が、前記樹脂層(A)を
    構成する樹脂よりも6.5〜25℃低いスチレン系樹脂
    から構成されているスチレン系樹脂層(B)を配してい
    ることを特徴とする二軸延伸スチレン系樹脂積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 両表層を構成する、スチレン系樹脂層
    (A)1層の厚さが、シート全厚の0.5〜7%である
    請求項1記載のシート。
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂層(B)が、鉱油を含有
    するものである請求項1又は2記載のシート。
  4. 【請求項4】 スチレン系樹脂層(A)が、メタノール
    可溶分が1.5重量%以下のものである請求項1、2又
    は3記載のシート。
  5. 【請求項5】 芳香族ビニル系化合物とエチレン性不飽
    和カルボン酸とを必須の単量体成分とし、エチレン性不
    飽和カルボン酸を1〜4重量%なる割合で用いて重合し
    たスチレン系樹脂(a)と、動的粘弾性測定の損失正接
    (tanδ)最大ピーク値温度が、前記樹脂(a)よりも
    6.5〜25℃低いスチレン系樹脂(b)とを、 工程1.夫々溶融混練し、 工程2.樹脂合流部内で前記樹脂(a)が両表層に来るよ
    うに、樹脂(a)と樹脂(b)とを合流させると共にダ
    イスより共押出し、 工程3.次いで、二軸延伸することを特徴とする二軸延伸
    スチレン系樹脂積層シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂合流部内において、樹脂(a)と樹
    脂(b)が合流する直前の、樹脂(a)にかかる最大剪
    断応力値が15,000Pa以下である請求項5記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 二軸延伸を面倍率で3〜15倍となる範
    囲で行う請求項5又は6記載の製造方法。
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