JPH1122814A - 自動変速機の変速過渡制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速過渡制御装置

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JPH1122814A
JPH1122814A JP9181331A JP18133197A JPH1122814A JP H1122814 A JPH1122814 A JP H1122814A JP 9181331 A JP9181331 A JP 9181331A JP 18133197 A JP18133197 A JP 18133197A JP H1122814 A JPH1122814 A JP H1122814A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速時における摩擦係合要素の係合圧のフィ
ードバック制御と、変速時のエンジンのトルクダウン制
御との調和が図られ、変速フィーリングのさらなる向上
が図れる自動変速機の変速過渡制御装置を提供する。 【解決手段】 変速中のエンジントルクを、設定された
トルクダウン量だけ低減させるコントロールユニット4
(トルクダウン手段)と、変速中の変速機構11の実入
力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じた目
標回転数にあわせるよう、デュ−ティソレノイドバルブ
3(液圧制御要素)を介して前記係合圧をフィードバッ
ク制御するとともに、前回の変速時のフィードバック制
御における前記係合圧の補正量の変化態様に基づいて、
今回の変速時の前記トルクダウン量を設定するコントロ
ールユニット2(フィードバック制御手段、トルクダウ
ン量設定手段)とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機におけ
る変速機構の摩擦係合要素に供給される液圧の変速時の
フィードバック制御を行う変速過渡制御装置に係わり、
前記フィードバック制御と、変速時のエンジンのトルク
ダウン制御との調和が図られ、変速フィーリングのさら
なる向上に貢献できる自動変速機の変速過渡制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用の自動変速機としては、
エンジンの回転をトルクコンバータを介して入力し、複
数組のプラネタリギアを有する変速機構により変速して
プロペラシャフト(車軸側)に出力するものが普及して
いる。この種の自動変速機における変速機構は、トルク
コンバータからのインプットシャフトの回転を、シフト
位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア又
はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの回
転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、或いは適
宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するために、通
常複数のクラッチやブレーキ等の油圧式摩擦係合要素を
備えている。
【0003】そして、油圧制御回路に組込まれたソレノ
イドバルブ等が制御されることにより、前記摩擦係合要
素が締結又は解放されて変速が行われる。この場合、摩
擦係合要素が解放から締結又は締結から解放に切換わる
際に、その締結力の変化が適度に進行しないと、過大な
トルクショックが生じる等の問題がある。例えばシフト
アップにおいて、解放側の摩擦係合要素の負荷がゼロに
低下して変速の第1段階(いわゆるトルクフェーズ)が
終了し、実行ギア比が変化し始める時点以降の段階(い
わゆるイナーシャフェーズ)では、締結側の摩擦係合要
素の締結容量(即ち、供給油圧)を適度に増加させて、
変速機構の入力軸回転数を適度な変化率で減少させる必
要がある。
【0004】というのは、この際上記締結容量が大きす
ぎると、上記入力軸回転数が急速に低下してシフトアッ
プに要する変速時間は短くなるが、出力軸トルクが一時
的に増大して大きな変速ショックが発生する。一方、上
記締結容量が小さすぎると、変速時間が過大となって歯
切れの悪い変速フィーリングとなる。
【0005】そこで従来では、例えば特開平3−374
70号公報に開示されるように、上記摩擦係合要素に供
給する変速時の油圧(係合圧)をフィードバック制御し
て、変速機構の入力軸回転数を所定の変化特性で変化さ
せる制御方式がある。また、上記公報にも記載されてい
るように、上記フィードバック制御の制御結果(補正量
の変化態様)に基づいて、次回の変速時の係合圧初期値
を補正するという学習制御も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
制御方式では、変速時の油圧をより最適値近くに保持す
ることができ、いわゆる棚はずれ(理想的な変速時の油
圧からのずれ)が減少する。しかし従来では、上述した
フィードバック制御によりリアルタイムで毎回調整さ
れ、その初期値が補正される変速時の油圧と、変速時の
エンジンからの入力トルクとの調和が必ずしもとれてい
ないために、さらなる変速フィーリングの向上という点
で問題があった。
【0007】すなわち、エンジン性能や変速機の油圧調
整回路などのばらつきにより、例えば変速時のエンジン
からの入力トルクが、上述したフィードバック制御や学
習制御により調整された締結側の摩擦係合要素の締結容
量よりも大きい場合には、この摩擦係合要素が毎回滑り
ぎみになる。このため図4に示す如く、入力軸回転数N
tの実測値Nt1が目標値Nt0を一時的に上回り、トル
クフェーズの終了時点(即ち、イナーシャフェーズの開
始時点)が、目標とする時点T0から時点T1にずれる。
そしてこれに伴って、変速機の出力軸トルクTpは、目
標とする波形Tp0からTp1にずれ、トルクフェーズに
おけるいわゆるトルクの引き込み(トルクの一時的減
少)が時間軸方向に大きくなって変速フィーリングが悪
くなるという問題があった。
【0008】なお、変速ショック抑制のために変速時に
エンジントルクを一様にトルクダウンさせることは、従
来より行われている。また、例えば特開昭61−119
432号公報や特開昭61−119434号公報に開示
されるように、変速時のパラメータ(変速時間やエンジ
ン回転数など)の基準値からの偏差に応じて、次回の変
速時におけるトルクダウン量を変更することも知られて
いる。しかし、前述したようなフィードバック制御の制
御結果に対して、エンジントルクをよりこのましい値に
制御することは、従来行われていなかった。
【0009】そこで本発明は、変速時における摩擦係合
要素の係合圧のフィードバック制御と、変速時のエンジ
ンのトルクダウン制御との調和が図られ、変速フィーリ
ングのさらなる向上が図れる自動変速機の変速過渡制御
装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の自動変速機の変速過渡制御装置は、
複数の摩擦係合要素の締結・解放切換により変速を行う
変速機構を有するとともに、前記摩擦係合要素の係合圧
を制御する液圧制御要素を備えた自動変速機の変速過渡
制御装置で、変速中の前記変速機構の実入力軸回転数を
スロットル開度,エンジン負荷に応じた目標回転数にあ
わせるよう、前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフ
ィードバック制御するフィードバック制御手段と、変速
中のエンジントルクを、設定されたトルクダウン量だけ
低減させるトルクダウン手段と、前回の変速時の前記フ
ィードバック制御における前記係合圧の補正量の変化態
様に基づいて、今回の変速時の前記トルクダウン量を設
定するトルクダウン量設定手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0011】請求項2記載の自動変速機の変速過渡制御
装置は、前記トルクダウン量設定手段が、前回の変速時
の前記補正量がプラスのときにのみ機能して、今回の変
速時の前記トルクダウン量の設定を行う構成とするとと
もに、前回の変速時の前記補正量がマイナスのときに
は、この補正量を打ち消すように、今回の変速時におけ
る前記係合圧の初期値を変更する係合圧初期値変更手段
を、さらに備えたことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の自動変速機の変速過渡制御
装置は、前記トルクダウン量設定手段は、変速の種類毎
に、前記トルクダウン量の設定を別個に行うことを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図面を参照して説明する。本例の変速過渡制御装置
は、図1に示すように、タービン回転数計測手段1と、
変速機用のコントロールユニット2と、デュ−ティソレ
ノイドバルブ3と、エンジン用のコントロールユニット
4とよりなる。
【0014】ここで、タービン回転数計測手段1は、自
動変速機10における変速機構11の入力軸回転数Nt
(この場合、トルクコンバータ12のタービンランナに
連結された回転軸の回転数)を検出するセンサである。
【0015】次に、コントロールユニット2は、本発明
のフィードバック制御手段、トルクダウン量設定手段、
及び係合圧初期値変更手段を構成するもので、具体的に
は予め設定されたプログラムに従って動作するととも
に、各種設定値を記憶するメモリを備えたマイクロコン
ピュータよりなる。このコントロールユニット2は、こ
の場合後述する図2及び図3のフローチャートに示す処
理により、変速中のイナーシャフェーズにおいて締結側
の摩擦係合要素の係合圧をフィードバック制御するとと
もに、このフィードバック制御の補正量に基づいて、次
回の変速におけるエンジンのトルクダウン量を決定し、
かつ前記係合圧の初期値を修正する点に特徴を有するも
のである。
【0016】また、デュ−ティソレノイドバルブ3は、
本発明の液圧制御要素に相当し、変速機構ケーシングの
下部に設けられる油圧制御回路に組込まれた調圧手段
で、コントロールユニット2の油圧制御信号に従って動
作して、図示省略したオイルポンプの出力圧であるライ
ン圧を調圧し、変速機構の摩擦係合要素に供給される油
圧(即ち、係合圧)を調整するものである。
【0017】また、エンジン用のコントロールユニット
4は、やはりマイクロコンピュータよりなるエンジン2
0の制御手段で、点火時期制御、吸入空気量制御、燃料
供給量制御、吸排気弁の開閉時期の制御、過給圧の制御
など、一般に知られたエンジンの各種電子制御を行う。
この場合、このコントロールユニット4は、変速機用の
コントロールユニット2からのトルクダウン指令に従っ
て、コントロールユニット2の処理で設定されたトルク
ダウン量に応じて変速時のエンジンの出力トルクを低減
させる機能を有し、本発明のトルクダウン手段を構成す
る。
【0018】ここで、上記トルクダウンは、具体的に
は、エンジン20の点火時期、吸入空気量、燃料供給
量、吸排気弁の開閉時期、又は過給圧などが調整される
ことによって、実現される。またこの場合、変速時にお
いては、予め設定された一定量だけ必ずトルクダウンが
行われ、後述のフィードバック制御の補正量に基づくト
ルクダウン量がこの一定量に加算される構成であるが、
後述のフィードバック制御の補正量に基づくトルクダウ
ン量のトルクダウンのみが行われる構成でもよい。
【0019】なお、変速中の解放側の摩擦係合要素の油
圧の制御、或いはトルクフェーズにおける締結側の油圧
の制御も、例えばコントロールユニット2により従来ど
おり行われる構成とすればよいが、本例は、締結側の油
圧のフィードバック制御、及びこのフィードバック制御
の補正量に基づくトルクダウン量決定処理に特徴を有す
るものであるので、その他の制御処理については説明を
省略する。また、変速機10やエンジン20の構成及び
動作についても、本発明は特に限定されないので、その
説明を省略する。
【0020】次に、図2のフローチャートにより、コン
トロールユニット2による変速中のイナーシャフェーズ
での締結側の摩擦係合要素の油圧制御処理を説明する。
なお、この図2に示す一連の処理は、コントロールユニ
ット2が実行する処理の一部(サブルーチン)として、
例えば変速中において一定周期毎に繰り返し実行され
る。まずステップS2では、変速中のイナーシャフェー
ズが検出されたか否か判定し、検出されていればステッ
プS4に進み、検出されていなければステップS14に
進む。なおステップS14では、後述の積算値ΔP及び
Sumの値が、0にリセットされる。
【0021】ここでイナーシャフェーズ検出とは、変速
の第2段階であるイナシャーフェーズの開始を検出する
ことで、例えば次のような原理で行われる。すなわち、
イナーシャフェーズ開始時点では、タービン回転数計測
手段1により検出される変速機構入力軸の回転数Nt
が、シフトアップの場合であれば急激に減少し始める。
このため、このような回転数変化が検知された時点で、
イナーシャフェーズが開始したと判定する。
【0022】次いでステップS4では、入力軸回転数N
tの目標変化率dN0を演算する。この演算は、例えば
以下のようにして行われる。即ち、その時点での計測値
に基づく実際の入力軸回転数Ntと、車速と変速後のギ
ア比とから求められる変速後の入力軸回転数Ntとの差
(変化量ΔNt)を、スロットル開度やエンジン負荷等
に応じて予め設定された所定の変速時間が終了するまで
の時間Tで割った値ΔNt/Tを目標変化率dN0とす
る。
【0023】次にステップS6では、タービン回転数計
測手段1の出力信号に基づいてその時点で求められてい
る実際の入力軸回転数Ntより、入力軸回転数Ntのそ
の時点での実際の変化率dNtを演算して読み込む。な
お、入力軸回転数Ntの実測値の演算は、別の処理で例
えば10msecの周期で行われており、その前回の値
と今回の値との差に基づいて、変化率dNt(単位時間
当たりの変化量)が求められる。
【0024】次いでステップS8では、ステップS4及
びS6で得られたdN0,dNtの値から、比例積分方
式により油圧のフィードバック補正量Cofが求めら
れ、さらにこの補正量Cofのイナーシャフェーズ中の
積算値ΔPが求められる。具体的には、予め設定された
定数Ki及びKPにより、例えば下記式(1)乃至
(4)の演算により、上記補正量Cofとこの積算値Δ
Pが求められる。
【0025】 Sum = Sum+ Ki× (dN0−dNt) (1) Pro = KP× (dN0−dNt) (2) Cof = Sum+ Pro (3) ΔP = ΔP+ Cof (4)
【0026】次にステップS10では、エンジンの吸気
圧力やスロットル開度から判定される入力トルクTvo
や、変速種から、周知の関数に基づいて変速時の必要油
圧PLが求められる。
【0027】そしてステップS12では、ステップS8
で求められたフィードバック補正量Cofと、ステップ
S10で求められた必要油圧PLと、前回の同種の変速
において登録された後述の学習値ΔPoldとが加算され
て、最終的な油圧制御の制御量PLoutが求められ、
この値に応じた油圧制御信号がデュ−ティソレノイドバ
ルブ3に出力される。なお図2には記載していないが、
変速終了時には、ステップS8で求められた補正量Co
fの積算値ΔPを、学習値ΔPoldとして変速種毎に登
録する処理が行われる。そして、この補正量の学習値Δ
Poldは、この場合、本発明の補正量、或いは補正量の
変化態様としての意味をもつ。
【0028】次に、図3のフローチャートにより、コン
トロールユニット2によるエンジンのトルクダウン量の
決定処理を説明する。なお、この図3に示す一連の処理
は、コントロールユニット2が実行する処理の一部(サ
ブルーチン)として、変速が行われる度に、その変速終
了後から次回の変速開始までの間に実行される。まずス
テップS22では、前述の図2に示す処理により求めら
れて登録された補正量の学習値ΔPoldを、読み込む。
【0029】次にステップS24では、この補正量の学
習値ΔPoldがプラスの値か否かを判定し、プラスであ
ればステップS26に進み、ΔPoldの値が0又はマイ
ナスのときには、トルクダウン量を更新設定しないで、
一連の処理を終了する。なお、ΔPoldの値が0以下の
ときには、前回設定されたトルクダウン量がそのまま維
持される。また、ΔPoldの値が一度もプラスになって
おらず、トルクダウン量が一度も更新設定されていない
場合には、予め設定された前述の一定量が変速時のトル
クダウン量として維持される。
【0030】次いでステップS26では、ステップS2
2で読み込まれた補正量の学習値ΔPoldが求められた
際の変速の種類を、読み込む。そしてステップS28で
は、ステップS22で読み込んだΔPoldの値や、ステ
ップS26で読み込んだ変速種から、例えば下記式
(5)の演算を行って、ΔPoldをエンジントルクに換
算することにより、トルクダウン量の修正量ΔTeを求
める。
【0031】 ΔTe = μ・D・n・A・ΔPold (5) なお上記式(5)は、締結側の摩擦係合要素が油圧駆動
多板式のものである場合で、ここで、μは摩擦係合要素
の摩擦面の摩擦係数、Dは摩擦係合要素の有効径、nは
摩擦係合要素のプレート枚数、Aは駆動ピストンの受圧
面積である。
【0032】次にステップS30では、ΔPoldの値を
0にリセットし、その後ステップS32では、決定され
たトルクダウン量を出力し、次回の同種の変速でのコン
トロールユニット4によるトルクダウン制御に使用す
る。
【0033】以上説明した制御処理では、ステップS2
〜S12の処理によって、変速中のイナーシャフェーズ
において入力軸回転数Ntが所定の変化率dN0で変化
するよう、変速機構11の摩擦係合要素の係合圧(いわ
ゆるライン圧)がフィードバック制御される。そして、
この制御中の各制御サイクルにおいて、ステップS8に
おいて毎回求められる圧力の補正値Cofが、同じくス
テップS8の処理で毎回積算され、この積算値ΔPは、
変速終了後にΔPoldとして変速種毎に登録される。
【0034】次いで、ステップS22〜S32の処理に
よって、上述の如く登録されたΔPoldの値がプラスの
場合には、この補正量を打ち消すように、ΔPoldの値
をエンジントルクに換算した量だけ該当する変速種のト
ルクダウン量が増加修正されて更新設定される。
【0035】このため、フィードバック制御などにより
調整される変速時の実際の係合圧が、変速時の実際のエ
ンジントルクに対して不足しており、摩擦係合要素が容
量不足となっているときには、前記ΔPoldの値がこの
不足の程度に応じた大きさのプラスの値となり、次回の
同種の変速の際には、その不足分に応じた量だけエンジ
ントルクTeが余計に低減されることになる。
【0036】従って、前述の図4に示すようなエンジン
トルクが相対的に高い場合に起こる不具合が、同種の変
速の2回目以降では必ず修正され、図4において例えば
点線で示すようなより良好な変速特性となって、トルク
フェーズ時間の短縮、及びトルクフェーズにおけるトル
ク引き込み量の低減が図られ、より良好な変速フィーリ
ングが得られるという効果が奏される。
【0037】また本例の制御では、前述のフィードバッ
ク制御における補正量の学習値ΔPoldの値が0以下の
場合には、この補正量を打ち消すように、次回の同種の
変速時の前記フィードバック制御における係合圧の初期
値が変更される。即ち、この場合ステップS24の分岐
処理によりステップS30が実行されなくなるため、前
記ΔPoldの値がそのまま維持される。このため、この
場合、次回の同種の変速におけるフィードバック制御に
おいては、ステップS12の処理(PLout=PL+C
of+ΔPold)により、フィードバック制御の開始時
点の初期油圧はPL+Cof+ΔPoldとなって、前回
の変速の結果が初期油圧に反映される。
【0038】このため、係合圧がエンジントルクに対し
て高すぎる場合の不具合が解消される。というのは、係
合圧がエンジントルクに対して高すぎると、図4に示す
場合と逆の変速特性となって、トルクフェーズ時間が過
度に短縮され、全体的に変速が早く終了するものの、ト
ルクフェーズにおける出力軸トルク変動の振幅が過度に
大きくなり、大きな変速ショックが生じる。ところが、
本例では、なんらかの要因によりこのような不具合が発
生した場合、前記ΔPoldの値がその程度に応じたマイ
ナスの値となるため、次回以降の同種の変速において
は、上述のステップS12の処理でその分だけ初期油圧
が低減されることになり、上記不具合が解消される。
【0039】なお本例では、前記ΔPoldの値がプラス
の値となり、この値に基づくエンジンのトルクダウン量
の更新が実行された場合には、ステップS30の処理で
前記ΔPoldの値が0にリセットされる。このため、こ
の場合、次回の同種の変速におけるフィードバック制御
においては、ステップS12の処理では、ΔPold=
0、つまり、PLout=PL+Cofとなり、フィード
バック制御の開始時点の初期油圧はPL+Cofとなっ
て、前回の変速の結果が反映されない。
【0040】つまり本例では、フィードバック制御の結
果、係合圧が不足した場合には、次回の変速でその分エ
ンジントルクがダウンし、係合圧が過多な場合には、次
回の変速でその分フィードバック制御の係合圧初期値が
低減される。このため、定常状態においては、変速時の
エンジントルクと係合圧の調和が維持され、常により最
適な変速特性が実現される。
【0041】なお、係合圧が過多な場合には、エンジン
のトルクダウン量をその分減らし、結果的にエンジント
ルクをその分増加させる制御方式や、係合圧が不足した
場合には、次回の変速でそれに応じて係合圧初期値を増
加させる制御方式も、本発明の別態様としてあり得る。
しかし、変速時の係合圧やエンジントルクの増加は、必
要動力を増加させるため、本例のようにいずれの場合に
も、低減方向への修正で対応する態様が好ましい。
【0042】また本例では、変速種毎に前記ΔPoldの
値が登録され、前記トルクダウン量の更新設定や、係合
圧初期値の変更が変速種毎に行われるため、変速種に固
有なばらつきもきめ細かく補正され、さらなる変速特性
の向上が実現できる。
【0043】なお、本発明は上記形態例に限られず、各
種の態様があり得る。例えば上記形態例では、変速時に
は、基本的に一定量のエンジンのトルクダウンを行うよ
うにし、フィードバック制御の結果学習された補正量に
より、このトルクダウン量を修正して更新設定するよう
にしているが、このような一定量のトルクダウンを行わ
ず、前記補正量に基づくトルクダウンのみを行う態様も
あり得る。
【0044】また、フィードバック制御の補正量に基づ
いて変更する係合圧初期値は、イナーシャフェーズ開始
時点の係合圧ではなく、トルクフェーズ開始時点の係合
圧でもよい。
【0045】また、図3に例示したようなトルクダウン
量の決定処理は、エンジン用のコントロールユニット4
により実行する態様もあり得る。さらに、エンジン用の
コントロールユニットと変速機用のコントロールユニッ
トを1セットのユニットに統合し、この一つのユニット
で変速機とエンジンの全ての制御を行う態様でもよいこ
とはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の変速過渡制御装置では、
フィードバック制御手段により、変速中の変速機構の実
入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じた
目標回転数にあわせるよう、変速機構の摩擦係合要素の
係合圧がフィードバック制御される。またトルクダウン
量設定手段が、前回の変速時の上記フィードバック制御
における前記係合圧の補正量の変化態様に基づいて、今
回の変速時のエンジンのトルクダウン量を設定する。そ
してトルクダウン手段が、変速中のエンジントルクを、
設定されたトルクダウン量だけ低減させる。
【0047】このため、フィードバック制御により調整
される変速時の実際の係合圧が、変速時の実際のエンジ
ントルクに対して不足しており、摩擦係合要素が容量不
足となっているときには、前記補正量の値がこの不足の
程度に応じた大きさのプラスの値となり、次回の同種の
変速の際には、その不足分に応じた量だけエンジントル
クが余計に低減されることになる。
【0048】従って、前述の図4に示すようなエンジン
トルクが相対的に高い場合に起こる不具合が、同種の変
速の2回目以降では必ず修正され、図4において点線で
示すようなより良好な変速特性となって、トルクフェー
ズ時間の短縮、及びトルクフェーズにおけるトルク引き
込み量の低減が図られ、より良好な変速フィーリングが
得られるという効果が奏される。
【0049】さらに、請求項2記載の変速過渡制御装置
では、トルクダウン量設定手段が、前回の変速時の前記
補正量がプラスのときにのみ機能して、今回の変速時の
前記トルクダウン量の設定(トルクダウン量の増加)を
行う。一方、前回の変速時の前記補正量がマイナスのと
きには、係合圧初期値変更手段が、この補正量を打ち消
すように、今回の変速時における前記係合圧の初期値を
変更する。
【0050】このため、係合圧がエンジントルクに対し
て高すぎる場合の不具合が、エンジントルクを増加させ
ることなく解消できるという作用効果も得られる。とい
うのは、係合圧がエンジントルクに対して高すぎると、
図4に示す場合と逆の変速特性となって、トルクフェー
ズ時間が過度に短縮され、全体的に変速が早く終了する
ものの、トルクフェーズにおける出力軸トルク変動の振
幅が過度に大きくなり、大きな変速ショックが生じる。
【0051】そして、このような変速ショックを抑制す
るため、係合圧が過多な場合に、エンジンのトルクダウ
ン量をその分減らし、結果的にエンジントルクをその分
増加させる制御を行うことがあり得るが、変速時のエン
ジントルクの増加は、必要動力を増加させるため好まし
くない。
【0052】ところが、本発明では、なんらかの要因に
よりこのような不具合が発生した場合、前記補正量がそ
の程度に応じたマイナスの値となるため、次回以降の同
種の変速においては、その分だけ係合圧初期値が低減さ
れることになり、エンジントルクの増加を伴うことなく
上記不具合が解消される。
【0053】つまり本発明では、フィードバック制御の
結果、係合圧が不足した場合には、次回の変速でその分
エンジントルクがダウンし、係合圧が過多な場合には、
次回の変速でその分フィードバック制御の係合圧初期値
が低減される。このため、定常状態においては、変速時
のエンジントルクと係合圧の調和が維持され、常により
最適な変速特性が実現される。しかもエンジントルクや
係合圧初期値は、変速時において常に低減方向へのみ修
正されて、燃費の面などで有利となる。
【0054】また、請求項3記載の変速過渡制御装置で
は、変速の種類毎に、前記トルクダウン量の設定が別個
に行われる。このため、変速種に固有なばらつきもきめ
細かく補正され、さらなる変速特性の向上が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である変速過渡制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】同装置の特徴的な制御処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図3】同装置の特徴的な制御処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図4】従来の問題点と本発明の作用を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 タービン回転数計測手段(回転数検出手段) 2 変速機用コントロールユニット(フィードバック制
御手段、トルクダウン量設定手段、及び係合圧初期値変
更手段) 3 デュ−ティソレノイドバルブ(液圧制御要素) 4 エンジン用コントロールユニット 10 変速機 11 変速機構 12 トルクコンバータ 20 エンジン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦係合要素の締結・解放切換に
    より変速を行う変速機構を有するとともに、前記摩擦係
    合要素の係合圧を制御する液圧制御要素を備えた自動変
    速機の変速過渡制御装置で、 変速中の前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開
    度,エンジン負荷に応じた目標回転数にあわせるよう、
    前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフィードバック
    制御するフィードバック制御手段と、 変速中のエンジントルクを、設定されたトルクダウン量
    だけ低減させるトルクダウン手段と、 前回の変速時の前記フィードバック制御における前記係
    合圧の補正量の変化態様に基づいて、今回の変速時の前
    記トルクダウン量を設定するトルクダウン量設定手段
    と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速過渡制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記トルクダウン量設定手段が、前回の
    変速時の前記補正量がプラスのときにのみ機能して、今
    回の変速時の前記トルクダウン量の設定を行う構成とす
    るとともに、 前回の変速時の前記補正量がマイナスのときには、この
    補正量を打ち消すように、今回の変速時における前記係
    合圧の初期値を変更する係合圧初期値変更手段を、さら
    に備えたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の
    変速過渡制御装置。
  3. 【請求項3】 前記トルクダウン量設定手段は、変速の
    種類毎に、前記トルクダウン量の設定を別個に行うこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の自動変速機の変速過
    渡制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100316881B1 (ko) * 1999-05-10 2001-12-22 이계안 파워 온 매뉴얼 다운 쉬프트 변속 제어방법
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