JPH11228606A - 塩化ビニル系樹脂の懸濁重合方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の懸濁重合方法

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JPH11228606A
JPH11228606A JP3294698A JP3294698A JPH11228606A JP H11228606 A JPH11228606 A JP H11228606A JP 3294698 A JP3294698 A JP 3294698A JP 3294698 A JP3294698 A JP 3294698A JP H11228606 A JPH11228606 A JP H11228606A
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JP
Japan
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polymerization
vinyl chloride
pvc
fatty acid
vcm
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JP3294698A
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English (en)
Inventor
Kenichi Asahina
研一 朝比奈
Yukio Shibazaki
行雄 柴崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合器内壁に樹脂スケールが付着せず、得ら
れる塩化ビニル系樹脂は、高い空隙率を有し、且つ、シ
ャープな粒度分布と高い嵩比重とを有し、粒子表面にほ
とんどスキン層部分が無く、成形加工性が極めて良好で
ある塩化ビニル系樹脂の懸濁重合方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体を、油溶性重合開始
剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系
に、分散剤、乳化剤、高級脂肪酸、ならびに増粘剤を添
加し、重合を開始した後、塩化ビニル系単量体/水性媒
体の重量比率が0.1〜0.6の間に、その時点で存在
する塩化ビニル系単量体1に対して、重量比率で0.0
5〜0.2の塩化ビニル系単量体を重合系外に排除し、
さらに重合を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
の懸濁重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル系樹脂(以下、P
VCという)は、機械的強度、耐候性、耐薬品性等に優
れているため、配管材料、建築材料等の分野で広く利用
されている。しかし、成形加工性は、必ずしも優れてい
るとはいえず、一層の改善が要求されている。
【0003】PVCの成形加工性を評価する代表的な方
法としては、可塑剤の吸収性を測定する方法と、プラス
トミルを用いてトルクとゲル化時間とを測定する方法が
ある。優れた成形加工性とは、前者においては、可塑剤
がPVCの内部にまで短時間で浸透することであり、後
者においては、最大トルクが低く、かつ、ゲル化時間が
短いことである。
【0004】成形加工性を阻害する最大の要因として考
えられるものは、PVC粒子表面のスキン層の存在であ
る。スキン層とは、PVC粒子の表面に存在する表皮層
のことであり、重合において分散剤として使用された部
分鹸化ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体等がPVCに
対して強固にグラフトすることにより形成された層であ
ると考えられる。
【0005】元来、スキン層は重合系内のモノマー油滴
の表面を保護し、油滴の分裂と合体とを調整することに
より、重合系を安定化させる役目を果たしている。しか
し、PVCを成形加工する段階では、塩化ビニル系樹脂
粒子をサブミクロン単位(1次粒子以下)にまで粉砕す
る必要があり、強固なスキン層があることが、却って大
きな障害になっていると考えられる。
【0006】従って、成形加工性に優れたPVCを得る
には、PVC粒子表面のスキン層が少ないか又はほとん
ど無いことが望ましい。また、PVC粒子内部に取り込
まれた液状安定剤、可塑剤等を容易に拡散吸収できるよ
うに、PVC粒子内部にある1次粒子間に微細孔が多く
存在し、多孔性に優れていることが重要であると考えら
れる。
【0007】上述の様な、成形加工性に優れたPVCの
製造方法としては、例えば、特公昭36−22445号
公報には、ソルビタン高級脂肪酸エステルとポリオキシ
エチレンソルビタン高級脂肪酸エステルとを併用する懸
濁重合方法が開示されているが、得られるPVCは、多
孔性に乏しく、重合器内壁に樹脂スケールが多く付着す
る問題点があった。
【0008】上記の問題点を解決するために、数多くの
方法が提案されており、例えば、特公昭53−1339
5号公報には、塩基性化合物の存在下で、親油性ソルビ
タン高級脂肪酸と親水性のポリオキシエチレンソルビタ
ン高級脂肪酸エステルとを組み合わせた分散剤を使用
し、PVCの重合転化率が5〜40重量%に達した時点
で、水溶性セルロース誘導体を添加する方法、あるい
は、特公平5−86408号公報には、ソルビタン高級
脂肪酸エステルを分散剤として使用し、ファウドラー翼
による攪拌下で重合を開始し、PVCの重合転化率が5
〜40重量%に達した時点で、水溶性分散剤を添加する
方法が開示されている。
【0009】しかしながら、これらの重合方法は、重合
中に重合器内壁に樹脂スケールが付着せず、多孔性に富
んだPVCが得られるが、嵩比重が低くなり、分散剤を
後添加する為、重合工程上、操作が繁雑になり、又分散
剤がPVCの表面に多量に残存し、得られるPVCの物
性を低下させるという問題点があった。
【0010】又、特開平5−295008号公報には、
既知の懸濁分散剤、低鹸化度の部分鹸化ポリ酢酸ビニ
ル、ソルビタンモノラウレート等の非イオン界面活性剤
を、特定比率で添加して重合を行う方法が開示されてい
る。しかしながら、この方法により得られるPVCは、
粒子表面のスキン層部分は少なくなるが、重合初期段階
において、攪拌所要動力を制御する必要があり、得られ
るPVCのゲル化特性、可塑剤吸収性等がまだ不充分で
あった。
【0011】更に、特開平8−59731号公報には、
特定の曇点を有する懸濁分散剤、又は、セルロース誘導
体と特定のHLB値を有するソルビタン系高級脂肪酸エ
ステルと特定の増粘剤、炭素数8〜25の高級脂肪酸を
併用して重合する方法が開示されている。これらの方法
では、各種添加剤を一括して添加でき、製造の煩雑さが
なく、PVCのスキン層を少なくする点では大きく改善
されているが、PVCの成形加工性は改善されていなか
った。
【0012】又、特開平8−3206号公報、特開平8
−109207号公報には、部分鹸化ポリビニルアルコ
ールと高粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース、
又はカルボキシル基を有する架橋共重合体を使用する方
法が開示されている。しかしながら、この方法により得
られるPVCは、可塑剤吸収性には優れているが、嵩比
重が低く満足できるものではなかった。
【0013】上述のように、従来技術の問題点は、スキ
ン層のない樹脂では、嵩比重の低下が避けられなかっ
た。嵩比重を改良すると共に、重合器容積当たりの生産
性、スケール付着防止策のさらなる改良が求められてい
た。その一つの解決策として、特開平4−325506
号公報、特開平8−100004号公報には、水性媒体
の重合途中での添加方法が開示されている。
【0014】特開平4−325506号公報では、可塑
剤吸収時にフィッシュアイの発生の少ないPVCの製造
方法を特定の分散剤を使用し、さらに重合途中で水媒体
を追加することにより達成しようとするものであるが、
嵩比重の向上や可塑剤吸収性は改善されていなかった。
【0015】特開平8−100004号公報では、反応
熱除去のために特定の熱交換機を用いて、さらに重合に
より減少する体積分に相当する水媒体を追加することに
より、生産性向上とスケール付着防止を狙いとしている
が、嵩比重の改善は認められなかった。
【0016】他の解決策としては、特開平8−8150
9号公報では、重合転化率が10〜18重量%の間に、
塩化ビニル系単量体の2〜15重量%を系外に排出する
ことにより、初期着色や熱安定性の向上及びスケール付
着防止を行う事が開示されているが、本発明が目的とす
る嵩比重の改善効果は認められなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明のPVCの懸濁
重合方法は、上記に鑑み、重合器内壁に樹脂スケールが
付着せず、得られるPVCは、高い空隙率を有し、且
つ、シャープな粒度分布と高い嵩比重とを有し、粒子表
面にほとんどスキン層部分が無く、成形加工性が極めて
良好であるPVCの懸濁重合方法を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
単量体を、油溶性重合開始剤の存在下、水性媒体中で懸
濁重合する際に、反応系に、部分鹸化ポリ酢酸ビニル
(a)、及びセルローズ誘導体(b)の内の少なくとも
1種の分散剤、HLB値が3〜10のソルビタン高級脂
肪酸エステル(c)及びアニオン系乳化剤(d)の内の
少なくとも1種の乳化剤、炭素数が8〜25の高級脂肪
酸(e)、ならびに常温常圧において、0.1重量%の
水溶液のブルックフィールズ粘度が10〜200cPで
ある増粘剤(f)を添加し、重合を開始した後、塩化ビ
ニル系単量体/水性媒体の重量比率が0.1〜0.6の
間に、その時点で存在する塩化ビニル系単量体1に対し
て、重量比率で0.05〜0.2の塩化ビニル系単量体
を重合系外に排除し、さらに重合を継続することを特徴
とする。以下本発明を詳述する。尚、塩化ビニル系単量
体をVCMという。
【0019】本発明においては、VCMを、油溶性重合
開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する。上記VC
Mとしては、塩化ビニル単体の他に、塩化ビニルと共重
合し得る単量体との混合物を用いることができる。上記
塩化ビニルと共重合し得る単量体としては特に限定され
ず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル
類;エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、オクチルアクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート類;アルキルビニルエーテル;マレイミド類;
塩化ビニリデン;スチレン等が挙げられる。これらは単
独で使用してもよく、2種以上が併用されてもよい。塩
化ビニルに対して上記塩化ビニルと共重合し得る単量体
を共重合させる場合は、塩化ビニルを50重量%以上と
することが好ましい。
【0020】上記油溶性重合開始剤としては、一般にP
VCの重合に用いられる公知のラジカル重合開始剤等が
用いられる。上記ラジカル重合開始剤としては特に限定
されず、例えば、t−ブチルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘ
キシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネ
オデカノエート、t−ヘキシルネオヘキサノエート、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ−2
−ネオデカノエート等のパーエステル化合物;ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピル
パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキ
シド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルパーオキシド、p−メンタンハイドロパー
オキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオ
キシド、イソブチルパーオキシド等のパーオキシド化合
物;α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′
−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)、α,α′−ア
ゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは単独で使
用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】上記部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)は、分
散剤として使用され、鹸化度としては60〜90モル%
が好ましく、70〜85モル%がより好ましい。鹸化度
が60モル%未満では、油溶性が強くなり、VCMを分
散する能力が不足するため、選られるPVCは粗大粒子
が多くなる。また90モル%を超えると、保護コロイド
性が強くなるため、粒子表面に強いスキン層が形成さ
れ、ゲル化特性が悪くなる。
【0022】上記部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の平均
重合度としては、500〜3000が好ましく、700
〜1500がより好ましい。平均重合度が500未満で
は、VCMの分散能力に欠け、PVCが粗大粒子やブロ
ックになり易く、3000を超えると、スキン層が厚く
なると共に多孔性が不足して成形加工性が低下する。
【0023】上記部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の添加
量としては、VCMに対して、150〜1500ppm
が好ましい。150ppm未満では、VCMの油滴が不
安定になるため、PVCはブロック状になり易く、15
00ppmを超えると、PVC粒子表面のスキン層が厚
くなって、成形加工性が悪くなり、フィッシュアイと呼
ばれるガラス玉粒子が多くなる。
【0024】上記セルローズ誘導体(b)としては、例
えば、メチルセルローズ、エチルセルローズ、ヒドロキ
シプロピルメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルロ
ーズ等が挙げられる。
【0025】上記セルローズ誘導体(b)の添加量とし
ては、VCMに対して、150〜2000ppmが好ま
しい。150ppm未満では、VCMの油滴が不安定に
なるため、PVCはブロック状になり易く、2000p
pmを超えると、PVC粒子表面のスキン層が厚くなっ
て、成形加工性が悪くなり、フィッシュアイと呼ばれる
ガラス玉粒子が多くなる。
【0026】上記部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)及び上
記セルローズ誘導体(b)の内少なくとも1種の分散剤
とは、(a)、(b)それぞれの中から選ばれた各種の
分散剤を単独で使用してもよく、2種以上が併用されて
もよい。
【0027】上記ソルビタン高級脂肪酸エステル(c)
は、HLB値が3〜10のものに限定され、4〜9が好
ましい。HLB値が3未満であると、親油性が強いた
め、上記VCMの水中での乳化分散能力が低くなり、得
られるPVCの粒度分布が粗大粒子を含む幅広いものと
なり、10を超えると、親水性が大きいため、重合中の
上記VCMの油滴が不安定となり、上記VCMの粒子の
凝集が起こりやすく、得られるPVCがブロック状にな
ったり粗大粒子の集合体になったりする。
【0028】上記HLB値とは、親水親油平衡値のこと
であり、W.C.Griffin〔J.soc.Cos
metic Chem.,1巻、311頁(1949
年)〕によって提唱された非イオン性界面活性剤の親水
基と疎水基との釣り合いを意味する値である。この値が
大きいほど親水性が大きくなり、小さいほど疎水性が大
きくなる。
【0029】上記HLB値が3〜10のソルビタン高級
脂肪酸エステル(c)としては、例えば、ソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソ
ルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート
等のソルビタン飽和高級脂肪酸エステル及びソルビタン
不飽和高級脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単
独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0030】上記ソルビタン高級脂肪酸エステル(c)
の添加量は、少なくなると得られるPVC粒子のスキン
層が厚く形成されて、多孔性に欠け、成形加工性が低下
し、多くなると得られるPVCの粒度分布が広く、重合
器の内壁に樹脂が付着し易くなるので、VCMの重量当
たりに対して500〜5,000ppmが好ましく、8
00〜2,500ppmがより好ましい。
【0031】上記アニオン系乳化剤(d)としては、例
えば、ステアリン酸ソーダ石鹸等の脂肪酸塩、ラウリル
硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンス
ルホン酸塩、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム
等のアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジドデシルスル
ホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキル
燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカル
ボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ル燐酸エステル、反応性界面活性剤等が挙げられる。こ
れらは単独で使用してもよく、2種以上が併用されても
よい。
【0032】上記アニオン系乳化剤(d)の添加量は、
少なくなると得られるPVC粒子のスキン層が厚く形成
されるため、多孔性に欠け、成形加工性が悪くなり、多
くなると得られるPVCの粒度分布が広くなり、重合器
の内壁に樹脂スケールが多く付着し、場合によってはP
VC粒子がブロック化するので、上記VCMの重量当た
りに対して、5〜1,000ppmが好ましく、25〜
750ppmがより好ましい。
【0033】上記HLB値が3〜10のソルビタン高級
脂肪酸エステル(c)及びアニオン系乳化剤(d)のう
ちの少なくとも1種の乳化剤とは、(c)、(d)それ
ぞれの中から選ばれた各種の乳化剤を単独で使用しても
よく、2種以上が併用されてもよい。
【0034】上記炭素数8〜25の高級脂肪酸(e)と
しては、主鎖の不飽和度、分岐により効果が低下するこ
とはないが、直鎖型の飽和脂肪酸が好ましい。炭素数が
少なくなると、親水性を帯びるため、重合中に該高級脂
肪酸(e)が上記VCMの油層に分配されず、ゲル化促
進効果を発揮せず、多くなると、該高級脂肪酸(e)の
融点が高くなるため、得られるPVCを成形加工温度に
しても、ゲル化促進効果を発揮し難いので、上記範囲が
好ましく、炭素数11〜22がより好ましい。
【0035】上記高級脂肪酸(e)としては、例えば、
イソステアリン酸、ステアリン酸、n−ヘプタデカン
酸、パルミチン酸、n−ペンタデカン酸、ミリスチン
酸、アラギン酸、ノナデカン酸、n−トリデカン酸、ラ
ウリン酸、ウンデシル酸等が挙げられる。これらは単独
で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。上
記高級脂肪酸(e)の添加量は、上記VCMの重量当た
りに対して、300〜20,000ppmが好ましい。
【0036】上記増粘剤(f)としては、常温常圧にお
ける0.1重量%の水溶液のブルックフィールズ粘度が
10〜200cPであるものが用いられる。10cP未
満であっても、200cPを超えても、得られるPVC
の粒度分布が悪くなるので、上記範囲が好ましく、より
好ましくは11〜140cPである。
【0037】上記増粘剤(f)としては、例えば、ポリ
エチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド、ポリアクリルアミド共重合体、架橋型(メ
タ)アクリル酸系樹脂、メチルセルロースカルシウム、
澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉燐酸エステルナトリ
ウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレング
リコールエステル、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げ
られる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
【0038】上記増粘剤(f)として用いられるポリエ
チレンオキサイドは、平均分子量170万〜550万の
ものが好ましい。特に、430万〜480万のものを
0.1重量%水溶液にすると、ブルックフィールズ粘度
が12cPとなるので好適である。
【0039】上記増粘剤(f)の添加量は、上記VCM
の重量当たりに対して、5〜2,000ppmが好まし
い。5ppm未満であると、粘度が低いため、得られる
PVCの粒度分布の改善効果が低く、2,000ppm
を超えると、得られるPVC粒子の表面に強いスキン層
が形成されるため、ゲル化速度が遅くなる。より好まし
くは、25〜900ppmである。
【0040】本発明において、重合途中におけるVCM
の排除は、VCM/水媒体の重量比率で0.6〜0.
1、好ましくは0.5〜0.2の時点で行われる。0.
6より前の時点で排除すると、VCM排除の効果を得る
ためには大量のVCM排除が必要となり、重合収率が低
下し、生産性が落ちる。0.1未満の時点で排除する
と、重合の終末段階であるため、PVC粒子もほぼ完成
し、残余VCMも少ないので、VCM排除効果は期待で
きない。
【0041】排除されるVCMの重量は、排除される時
点での重合系内の残余VCMの重量1に対して0.05
〜0.2に限定される。0.05未満では、排除による
嵩比重の向上効果が少なく、0.2を超えると、重合途
中でのVCM排除による1バッチ当たりの収量の低下が
無視できず、生産性が低下するので好ましくない。
【0042】本発明の作用としては、重合途中における
懸濁油滴内の一部VCMの排除により、気相単量体が減
り、液相単量体、即ち油滴内単量体が減り、油滴即ち重
合PVC粒子が締まり、「締まる」状態になり、尚且つ
PVC粒子の微細な空隙孔が多数形成されると推測され
る。その結果、空隙率が維持もしくは増大し、嵩比重が
上がることになる。
【0043】本発明において使用される重合器(耐圧オ
ートクレーブ)の形状、構造については、特に限定され
ず、従来公知の重合器が使用される。又、攪拌翼はファ
ウドラー翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン
翼、ブルマージン翼等が挙げられ、何れも使用される
が、この中でもファウドラー翼が好ましい。尚、翼と邪
魔板(バッフル)との組み合わせにおいても特に限定さ
れない。
【0044】本発明の懸濁重合方法においては、懸濁分
散剤、乳化剤、増粘剤、水溶性の窒素原子含有物質、V
CMなどを投入する方法は従来公知の方法で行われ、重
合条件により、重合調整剤、連鎖移動剤、帯電防止剤、
架橋剤、安定剤、充填剤、スケール防止剤、pH調整剤
等が適宜添加されてもよい。また、添加は一括添加で
も、本発明の好ましい範囲の時間内に反応が完了するの
であれば、間欠添加又は連続添加でもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0046】(実施例1)内容積約100リットルの重
合器(耐圧オートクレーブ)に、脱イオン水45kgを
入れ、更に、VCMの重量当たりに対して、表1に示し
たように、部分鹸化化ポリ酢酸ビニル(a)(鹸化度7
2モル%、平均重合度700)500ppm、ソルビタ
ンモノラウレート(c)(HLB=8.6)1,400
ppm、ラウリン酸(e)1,400ppm、ポリエチ
レンオキサイド(f)(平均分子量,430万〜480
万、12cP/0.1%水溶液)100ppm、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート500ppmを投入し
た。次に、重合器内を40mmHgまで脱気した後、V
CMを45kg仕込み、攪拌を開始した。重合温度は5
7℃とし、重合終了までこの温度を保持した。
【0047】重合温度が恒温に達した後、VCMが重合
により約31kg消費した時点(単量体/水媒体=約
0.3)でVCMを約1.5kg(重合器内残余単量体
1に対して重量比で約0.1に相当)を排ガス操作によ
り系外へ排除し、VCM回収装置へ導いた。更に重合を
続け、重合転化率が95%に達した時点で反応を終了
し、重合器内の未反応VCMを回収した後、重合体をス
ラリー状で系外に取り出し、脱水乾燥後、得られたPV
Cに対し、後述の試験方法に従って、可塑剤吸収性、粒
度分布、嵩比重、空隙率、最高トルク、ゲル化時間、ス
キンフリー率、及び、スケール付着状態の評価行い、結
果を表3に示した。
【0048】(実施例2〜4)表1に示される条件で、
実施例1と同様の方法で、PVCを作成し、性能を評価
して、結果を表3に示した。
【0049】(比較例1〜5)表2に示される条件で、
実施例1と同様の方法で、PVCを作成し、性能を評価
して、結果を表3に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】〔性能評価方法〕 (可塑剤吸収性の測定)ガラスフィルター付き遠心管に
得られたPVCを5g入れ、PVCに対して過剰の可塑
剤DOP(10mL)を添加し、よく混合して、1時間
放置した。しかる後に、遠心分離器(H−200N、回
転数:3000rpm、国産遠心分離器社製)で30分
間処理して、過剰のDOPを分離して、PVC100g
当たりのDOPの吸収量を求めた。
【0054】(粒度分布の測定)JIS Z 8801
に準じて、得られたPVCを、60、100、200メ
ッシュの篩を用いて分別し、通過量の重量%を求めた。
【0055】(嵩比重の測定)JIS Z 6721に
準じて、得られたPVCの嵩比重を測定した。
【0056】(空隙率の測定)水銀圧入ポロシメーター
(ポロシメーター2000、アコム社製)を用いて、
2,000kg/cm2 で得られたPVC100g当た
りに圧入される水銀の容量を測定して、空隙率を求め
た。
【0057】(嵩比重の測定)JIS Z 6721に
準じて、得られたPVCの嵩比重を測定した。
【0058】〔加工性(最高トルク、ゲル化時間)の測
定〕 試験用コンパウンド;得られたPVC100重量部に、
ジブチル錫メルカプト(有機錫系安定剤:JF−10
B、三共有機社製)2重量部、モンタン酸エステル(滑
剤:WAX OP、ヘキスト社製)0.5重量部を入
れ、スーパーミキサー(三井三池社製)を用いて120
℃に昇温・混合した後、40℃で冷却して、試験用コン
パウンドとした。
【0059】装置;プラストミル:東洋精機社製、機
種:ハーケ・レオコード90 試験条件;試験用コンパウンド60gを温度120℃の
試験チャンバーに投入し、5℃/分の割合で昇温しなが
ら、回転数50回転/分で、200℃になるまで混練
し、最高トルク及びゲル化時間を測定した。
【0060】〔表面状態(スキンフリー率)の評価〕得
られたPVC粒子を走査型電子顕微鏡(FE−SEM
S−4200、日立製作所社製)により、加速電圧2k
V、倍率130倍で撮影し、粒子の輪郭、スキン部分、
スキンが存在しない部分(1次粒子が露出している部分
で、以下、スキンフリー部分という)を、トレーシング
ペーパー(又は、OHP用シート)に写した。次に、ト
レーシングペーパー(又は、OHP用シート)を画像解
析装置(PIAS−III、ピアス社製)に導入して画
像解析を行い、粒子面積、スキンフリー面積を算出し、
スキンフリー率を下記の式に従って求めた。スキンフリ
ー率=(スキンフリー面積/粒子面積)×100
【0061】
【発明の効果】本発明のPVCの懸濁重合方法は、上述
の通りであるので、重合器内壁に樹脂スケールが付着せ
ず、また、シャープな粒度分布と高い嵩比重とを有し、
重合生産性が高く、粒子表面にほとんどスキン層部分が
無い、成形加工性が極めて良好であるPVCを得ること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系単量体を、油溶性重合開始
    剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系
    に、部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)、及びセルローズ誘
    導体(b)の内の少なくとも1種の分散剤、HLB値が
    3〜10のソルビタン高級脂肪酸エステル(c)及びア
    ニオン系乳化剤(d)の内の少なくとも1種の乳化剤、
    炭素数が8〜25の高級脂肪酸(e)、ならびに常温常
    圧において、0.1重量%の水溶液のブルックフィール
    ズ粘度が10〜200cPである増粘剤(f)を添加
    し、重合を開始した後、塩化ビニル系単量体/水性媒体
    の重量比率が0.1〜0.6の間に、その時点で存在す
    る塩化ビニル系単量体1に対して、重量比率で0.05
    〜0.2の塩化ビニル系単量体を重合系外に排除し、さ
    らに重合を継続することを特徴とする塩化ビニル系樹脂
    の懸濁重合方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114839A (ja) * 1999-10-20 2001-04-24 Nisshin Chem Ind Co Ltd 塩化ビニル系共重合樹脂及びその製造方法
JP2011144342A (ja) * 2009-12-18 2011-07-28 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系中空粒子の製造方法、塩化ビニル系中空粒子、塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系成形体
JP2012072257A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Sekisui Chem Co Ltd 中空塩化ビニル樹脂粒子及びその製造方法
JP2012188491A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の製造方法

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