JPH11229040A - Fe−Ni合金鋼ストリップの形状矯正を伴なう焼鈍方法及び焼鈍装置 - Google Patents
Fe−Ni合金鋼ストリップの形状矯正を伴なう焼鈍方法及び焼鈍装置Info
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- JPH11229040A JPH11229040A JP3247998A JP3247998A JPH11229040A JP H11229040 A JPH11229040 A JP H11229040A JP 3247998 A JP3247998 A JP 3247998A JP 3247998 A JP3247998 A JP 3247998A JP H11229040 A JPH11229040 A JP H11229040A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 竪型炉で応力除去焼鈍と同時に焼鈍炉装入前
に既にストリップに形成されている板長手方向歪みの板
幅方向に対する不均一性を矯正して、優れた板形状を有
する板厚が薄く幅の広いFe−Ni合金鋼ストリップを
製造する。 【解決手段】 下記工程:(1) Fe−Ni合金鋼ストリ
ップを再結晶温度以下で加熱冷却する。(2) 冷却帯2 内
入側にストリップ1 長手方向直角に、3本以上のロール
4 を設け、ストリップ1 を押し込み、ストリップ1 に板
幅方向の拘束力を負荷する。(3) 押し込まれたストリッ
プ1 の曲率半径を2500〜5000mmに調節する。(4) 上記
拘束力を負荷する位置のストリップ最高温度を200 〜50
0 ℃の範囲内に調節する。(5) ストリップ搬送張力を0.
1 〜20kg/mm2 に調節する。焼鈍炉5 に入る前の板
形状に応じて上記(5) の搬送張力を0.1 〜20kg/mm
2 の範囲内で定める。最高加熱温度を500 〜700 ℃の範
囲内で行なう。
に既にストリップに形成されている板長手方向歪みの板
幅方向に対する不均一性を矯正して、優れた板形状を有
する板厚が薄く幅の広いFe−Ni合金鋼ストリップを
製造する。 【解決手段】 下記工程:(1) Fe−Ni合金鋼ストリ
ップを再結晶温度以下で加熱冷却する。(2) 冷却帯2 内
入側にストリップ1 長手方向直角に、3本以上のロール
4 を設け、ストリップ1 を押し込み、ストリップ1 に板
幅方向の拘束力を負荷する。(3) 押し込まれたストリッ
プ1 の曲率半径を2500〜5000mmに調節する。(4) 上記
拘束力を負荷する位置のストリップ最高温度を200 〜50
0 ℃の範囲内に調節する。(5) ストリップ搬送張力を0.
1 〜20kg/mm2 に調節する。焼鈍炉5 に入る前の板
形状に応じて上記(5) の搬送張力を0.1 〜20kg/mm
2 の範囲内で定める。最高加熱温度を500 〜700 ℃の範
囲内で行なう。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、調質圧延された
後のFe−Ni合金鋼ストリップに残留する応力を除去
するため、そして前記調質圧延によりそのストリップに
形成された不均一な歪みを均一化し板形状を矯正するた
めに、竪型焼鈍炉を用いて上記ストリップを再結晶温度
以下で加熱し冷却し、且つストリップを板幅方向に拘束
した状態でこれに高い搬送張力を負荷しつつ熱処理を行
なう焼鈍方法及び焼鈍装置に関するものである。
後のFe−Ni合金鋼ストリップに残留する応力を除去
するため、そして前記調質圧延によりそのストリップに
形成された不均一な歪みを均一化し板形状を矯正するた
めに、竪型焼鈍炉を用いて上記ストリップを再結晶温度
以下で加熱し冷却し、且つストリップを板幅方向に拘束
した状態でこれに高い搬送張力を負荷しつつ熱処理を行
なう焼鈍方法及び焼鈍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この発明で対象とするNi含有量が30
〜40wt.%のFe−Ni合金鋼薄板、例えばNiを36
wt.%含むインバー合金の薄板は低熱膨張率特性に優れて
いるので、ブラウン管用シャドウマスクとして広く用い
られており、その板厚は0.05〜0.2mm程度のか
なり薄いものが主として使われる。このような電子材料
にみられる特殊な用途に適用されるFe−Ni合金鋼ス
トリップは、大きな板形態で平坦度に優れ、且つ美麗で
緻密な表面性状を有することが要求される。
〜40wt.%のFe−Ni合金鋼薄板、例えばNiを36
wt.%含むインバー合金の薄板は低熱膨張率特性に優れて
いるので、ブラウン管用シャドウマスクとして広く用い
られており、その板厚は0.05〜0.2mm程度のか
なり薄いものが主として使われる。このような電子材料
にみられる特殊な用途に適用されるFe−Ni合金鋼ス
トリップは、大きな板形態で平坦度に優れ、且つ美麗で
緻密な表面性状を有することが要求される。
【0003】このような材料は調質圧延後、応力除去焼
鈍が施されるが、この焼鈍前の板形状不良として、一般
に波板の他に、中伸びや耳波がある。波板は板の幅方向
圧縮の座屈により発生する。中伸びや耳波は、板の長手
方向歪みの幅手位置による差により発生する。
鈍が施されるが、この焼鈍前の板形状不良として、一般
に波板の他に、中伸びや耳波がある。波板は板の幅方向
圧縮の座屈により発生する。中伸びや耳波は、板の長手
方向歪みの幅手位置による差により発生する。
【0004】一方、このような材料ストリップの応力除
去焼鈍炉としては、竪型炉と横型炉とがある。横型炉
は、竪型炉で問題となるストリップ自重によるカテナリ
がストリップ自体に殆んどかからないのでこれに起因す
る板形状不良は発生しない。しかしながら、炉内に設け
られたサポートロールとの接触により表面疵が発生し易
いという欠点がある。そこで、この発明では、横型炉の
ようなロールを加熱炉内に設けない、竪型炉を対象とし
て改善を図ることにした。
去焼鈍炉としては、竪型炉と横型炉とがある。横型炉
は、竪型炉で問題となるストリップ自重によるカテナリ
がストリップ自体に殆んどかからないのでこれに起因す
る板形状不良は発生しない。しかしながら、炉内に設け
られたサポートロールとの接触により表面疵が発生し易
いという欠点がある。そこで、この発明では、横型炉の
ようなロールを加熱炉内に設けない、竪型炉を対象とし
て改善を図ることにした。
【0005】ところで、一般に炭素鋼ストリップもしく
は合金鋼ストリップに対して施すテンションアニーリン
グにおいて、ストリップの板厚が比較的厚く板幅も比較
的狭い場合には、搬送張力が例えば20kg/mm2 程
度の高張力を負荷した状態でテンションアニーリングを
施しても、その処理後にストリップ板幅方向の湾曲、所
謂波板形状は発生せず、また中伸びや耳波も発生せず、
問題となることはない。
は合金鋼ストリップに対して施すテンションアニーリン
グにおいて、ストリップの板厚が比較的厚く板幅も比較
的狭い場合には、搬送張力が例えば20kg/mm2 程
度の高張力を負荷した状態でテンションアニーリングを
施しても、その処理後にストリップ板幅方向の湾曲、所
謂波板形状は発生せず、また中伸びや耳波も発生せず、
問題となることはない。
【0006】しかし、上述した電子材料用薄板等に供す
るためのFe−Ni合金鋼ストリップのように、板厚の
薄い材料の場合には、調質圧延で発生した残留応力を除
去し、比較的大きな搬送張力を負荷して板形状不良を矯
正し、平坦度の良好な板を得るためのテンションアニー
リングを行なうと、長手方向張力が板の幅手位置で不均
衡となる。竪型焼鈍炉では、更に、焼鈍炉下方の入側炉
外ロールと上方の出側炉外ロールとの間に長いフリース
パンが形成されており、このフリースパンでの加熱、冷
却処理による熱応力がストリップに加算される。その結
果、熱処理後のストリップに波板形状が生じる。このよ
うにしてFe−Ni合金鋼ストリップに波板形状が発生
する。
るためのFe−Ni合金鋼ストリップのように、板厚の
薄い材料の場合には、調質圧延で発生した残留応力を除
去し、比較的大きな搬送張力を負荷して板形状不良を矯
正し、平坦度の良好な板を得るためのテンションアニー
リングを行なうと、長手方向張力が板の幅手位置で不均
衡となる。竪型焼鈍炉では、更に、焼鈍炉下方の入側炉
外ロールと上方の出側炉外ロールとの間に長いフリース
パンが形成されており、このフリースパンでの加熱、冷
却処理による熱応力がストリップに加算される。その結
果、熱処理後のストリップに波板形状が生じる。このよ
うにしてFe−Ni合金鋼ストリップに波板形状が発生
する。
【0007】こうして発生したストリップ波板形状の例
を、図4及び図5に示す。図4は波板形状をストリップ
の板幅方向断面で見た概略形状であり、湾曲が1箇所の
場合、そして図5は同じく湾曲が2箇所の場合である。
ここで、h1 、h2 、h3 を湾曲量とよぶ。
を、図4及び図5に示す。図4は波板形状をストリップ
の板幅方向断面で見た概略形状であり、湾曲が1箇所の
場合、そして図5は同じく湾曲が2箇所の場合である。
ここで、h1 、h2 、h3 を湾曲量とよぶ。
【0008】これに対して、特公平2−15615号公
報は、金属ストリップ幅方向の湾曲を防止するために、
加熱帯及び冷却帯を有する竪型炉で、ストリップの張力
を0.1〜1.5kg/mm2 の範囲内という低張力に
調節し、冷却帯内位置であってストリップ温度が200
〜700℃の範囲内まで下がる位置に3本以上のロール
を設け、このロールでストリップを押し込み、1000
〜15000mmの範囲内の曲率半径の曲げを生じさせ
る方法を提案し、このロール径及びロール配置を上記曲
率半径が得られ、且つストリップに材料の変形を生ぜし
めにくい条件に調整して行なう、合金鋼ストリップの焼
鈍技術(以下、先行技術という)を開示している。
報は、金属ストリップ幅方向の湾曲を防止するために、
加熱帯及び冷却帯を有する竪型炉で、ストリップの張力
を0.1〜1.5kg/mm2 の範囲内という低張力に
調節し、冷却帯内位置であってストリップ温度が200
〜700℃の範囲内まで下がる位置に3本以上のロール
を設け、このロールでストリップを押し込み、1000
〜15000mmの範囲内の曲率半径の曲げを生じさせ
る方法を提案し、このロール径及びロール配置を上記曲
率半径が得られ、且つストリップに材料の変形を生ぜし
めにくい条件に調整して行なう、合金鋼ストリップの焼
鈍技術(以下、先行技術という)を開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
技術のストリップに高張力を負荷しつつテンションアニ
ーリングを行なう方法によると、薄肉広幅のストリップ
の場合には、テンションンアニーリング工程で新たに板
幅方向の湾曲が発生し、波板形状となり易く、特に、板
平坦度の要求水準が高いストリップ材料を焼鈍する場合
には十分満足すべき平坦度が得られないという問題があ
る。
技術のストリップに高張力を負荷しつつテンションアニ
ーリングを行なう方法によると、薄肉広幅のストリップ
の場合には、テンションンアニーリング工程で新たに板
幅方向の湾曲が発生し、波板形状となり易く、特に、板
平坦度の要求水準が高いストリップ材料を焼鈍する場合
には十分満足すべき平坦度が得られないという問題があ
る。
【0010】これに対して、上述した先行技術によれ
ば、竪型焼鈍炉内において低張力でストリップを搬送
し、且つ炉内の冷却帯幅方向における冷却能力を均一に
する制御を行い、冷却過程で生ずる熱応力を抑制するの
で、長手方向張力が板の幅手位置で不均衡となるのを抑
制でき、従って、薄肉広幅のストリップを焼鈍処理する
場合でも、当該焼鈍炉内において新たに板幅方向に湾曲
する波板形状となるのを防止し得るという利点がある。
ば、竪型焼鈍炉内において低張力でストリップを搬送
し、且つ炉内の冷却帯幅方向における冷却能力を均一に
する制御を行い、冷却過程で生ずる熱応力を抑制するの
で、長手方向張力が板の幅手位置で不均衡となるのを抑
制でき、従って、薄肉広幅のストリップを焼鈍処理する
場合でも、当該焼鈍炉内において新たに板幅方向に湾曲
する波板形状となるのを防止し得るという利点がある。
【0011】しかしながら、Fe−Ni合金鋼ストリッ
プから製造されるブラウン管用シャドウマスクに使用さ
れるような板厚が薄く、平坦度に特に優れていることが
要求される板を製造するためには、材料の焼鈍中に板幅
方向の湾曲を発生させず、しかも焼鈍前に板に形成され
ている中伸びや耳波のような不均一歪みをも矯正しなけ
ればならないので、先行技術のような低張力負荷による
焼鈍方法は適用できない。即ち、板厚が薄く、板幅が広
いFe−Ni合金鋼ストリップで、特に板の平坦度に優
れたものを製造するためには、上記先行技術に更に、応
力除去焼鈍以前に既にストリップに形成されている、板
の幅手位置で不均一な板長手方向歪みを均一に矯正する
新技術を付加する必要がある。
プから製造されるブラウン管用シャドウマスクに使用さ
れるような板厚が薄く、平坦度に特に優れていることが
要求される板を製造するためには、材料の焼鈍中に板幅
方向の湾曲を発生させず、しかも焼鈍前に板に形成され
ている中伸びや耳波のような不均一歪みをも矯正しなけ
ればならないので、先行技術のような低張力負荷による
焼鈍方法は適用できない。即ち、板厚が薄く、板幅が広
いFe−Ni合金鋼ストリップで、特に板の平坦度に優
れたものを製造するためには、上記先行技術に更に、応
力除去焼鈍以前に既にストリップに形成されている、板
の幅手位置で不均一な板長手方向歪みを均一に矯正する
新技術を付加する必要がある。
【0012】従って、この発明の課題は、竪型の応力除
去焼鈍炉を用い、本来の目的である応力除去焼鈍をする
と共に、焼鈍炉装入前に既にストリップに形成されてい
る板長手方向歪みの板の幅手方向に対する不均一性を除
去し、板形状を矯正し、且つ、当該焼鈍炉内で新たに板
の形状不良を発生させることがなく、こうして優れた板
形状を有するストリップを製造する技術を開発すること
にある。そして、この発明の目的は、上記課題を解決す
ることにより、テンションアニーリング熱処理方法によ
り波板のような板幅方向の湾曲がなく、且つ、中伸びや
耳波のような板の長手方向歪みの幅手位置による差がな
くなって、平坦度に優れた、板厚の薄いFe−Ni合金
鋼ストリップを安価に製造する焼鈍方法及び焼鈍装置を
提供することにある。
去焼鈍炉を用い、本来の目的である応力除去焼鈍をする
と共に、焼鈍炉装入前に既にストリップに形成されてい
る板長手方向歪みの板の幅手方向に対する不均一性を除
去し、板形状を矯正し、且つ、当該焼鈍炉内で新たに板
の形状不良を発生させることがなく、こうして優れた板
形状を有するストリップを製造する技術を開発すること
にある。そして、この発明の目的は、上記課題を解決す
ることにより、テンションアニーリング熱処理方法によ
り波板のような板幅方向の湾曲がなく、且つ、中伸びや
耳波のような板の長手方向歪みの幅手位置による差がな
くなって、平坦度に優れた、板厚の薄いFe−Ni合金
鋼ストリップを安価に製造する焼鈍方法及び焼鈍装置を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、Fe−N
i合金鋼ストリップに調質圧延で既に形成されている板
長手方向歪みの板幅方向に対する不均一性を除去するた
めには、竪型焼鈍炉内での搬送張力を大きくしなければ
ならないことを前提条件とした。但し、この不均一性が
軽度の場合には、搬送張力を大きくすることは必須要件
とはならない。そして、ストリップの搬送張力と加熱温
度との組合せ条件を適切に選定し、板幅方向の湾曲を矯
正することにした。このとき、特に、炉内ストリップを
板幅方向に拘束する位置と、そのストリップの板幅方向
の拘束力とを適切に選定すれば、搬送張力を大きくして
も炉内で板に新たな形状不良を発生させることなく、し
かも焼鈍前の板の歪みを矯正することができ、目的とす
る優れた板形状のストリップを得ることができる条件が
存在することを見い出した。
i合金鋼ストリップに調質圧延で既に形成されている板
長手方向歪みの板幅方向に対する不均一性を除去するた
めには、竪型焼鈍炉内での搬送張力を大きくしなければ
ならないことを前提条件とした。但し、この不均一性が
軽度の場合には、搬送張力を大きくすることは必須要件
とはならない。そして、ストリップの搬送張力と加熱温
度との組合せ条件を適切に選定し、板幅方向の湾曲を矯
正することにした。このとき、特に、炉内ストリップを
板幅方向に拘束する位置と、そのストリップの板幅方向
の拘束力とを適切に選定すれば、搬送張力を大きくして
も炉内で板に新たな形状不良を発生させることなく、し
かも焼鈍前の板の歪みを矯正することができ、目的とす
る優れた板形状のストリップを得ることができる条件が
存在することを見い出した。
【0014】この発明は、上述した知見に基づきなされ
たものであり、その特徴は下記のとおりである。請求項
1記載の焼鈍方法は、加熱帯及び冷却帯を備えた竪型焼
鈍炉を用いてFe−Ni合金鋼ストリップを焼鈍する方
法において、下記工程(1)から(5)の条件を満たす
工程でFe−Ni合金鋼ストリップを加熱し冷却するこ
とに特徴を有するものである。 (1)上記Fe−Ni合金鋼ストリップをその再結晶温
度以下の温度で加熱し、次いで冷却する。 (2)上記冷却帯内の入側にストリップ長手方向に直角
に、互いに近接した3本以上のロールを設け、そのロー
ルでストリップの表面を交互に反対方向に押し込み、ス
トリップに板幅方向の拘束力を負荷する。 (3)上記工程(2)において押し込まれたストリップ
の曲率半径が、ロール間の少なくとも1箇所において2
500〜5000mmの範囲内になるようにロールの間
隔及び押込量の内、少なくとも一つを調整して前記拘束
力を調節する。 (4)上記工程(2)の拘束力を負荷する位置における
ストリップの温度を200〜500℃の範囲内に調節す
る。 (5)焼鈍炉内におけるストリップの搬送張力を0.1
〜20kg/mm2 の範囲内に調節する。
たものであり、その特徴は下記のとおりである。請求項
1記載の焼鈍方法は、加熱帯及び冷却帯を備えた竪型焼
鈍炉を用いてFe−Ni合金鋼ストリップを焼鈍する方
法において、下記工程(1)から(5)の条件を満たす
工程でFe−Ni合金鋼ストリップを加熱し冷却するこ
とに特徴を有するものである。 (1)上記Fe−Ni合金鋼ストリップをその再結晶温
度以下の温度で加熱し、次いで冷却する。 (2)上記冷却帯内の入側にストリップ長手方向に直角
に、互いに近接した3本以上のロールを設け、そのロー
ルでストリップの表面を交互に反対方向に押し込み、ス
トリップに板幅方向の拘束力を負荷する。 (3)上記工程(2)において押し込まれたストリップ
の曲率半径が、ロール間の少なくとも1箇所において2
500〜5000mmの範囲内になるようにロールの間
隔及び押込量の内、少なくとも一つを調整して前記拘束
力を調節する。 (4)上記工程(2)の拘束力を負荷する位置における
ストリップの温度を200〜500℃の範囲内に調節す
る。 (5)焼鈍炉内におけるストリップの搬送張力を0.1
〜20kg/mm2 の範囲内に調節する。
【0015】請求項2記載の焼鈍方法は、上記請求項1
の工程(5)におけるストリップの搬送張力は、0.1
〜20kg/mm2 の範囲内において、当該焼鈍炉に入
る前のストリップの板形状に応じてその値を定め、スト
リップの形状矯正をすることに特徴を有するものであ
る。
の工程(5)におけるストリップの搬送張力は、0.1
〜20kg/mm2 の範囲内において、当該焼鈍炉に入
る前のストリップの板形状に応じてその値を定め、スト
リップの形状矯正をすることに特徴を有するものであ
る。
【0016】請求項3記載の焼鈍方法は、上記請求項1
又は2記載の発明において、Fe−Ni合金鋼ストリッ
プの最高加熱温度を、500〜700℃の範囲内で行な
うことに特徴を有するものである。
又は2記載の発明において、Fe−Ni合金鋼ストリッ
プの最高加熱温度を、500〜700℃の範囲内で行な
うことに特徴を有するものである。
【0017】請求項4記載の焼鈍装置は、加熱帯及び冷
却帯を備えたFe−Ni合金鋼ストリップの焼鈍炉にお
いて、焼鈍炉は竪型炉であり、そして、下記(1)〜
(4)の機構を備えていることに特徴を有するものであ
る。 (1)上記冷却帯内の入側に、ストリップの搬送方向に
沿って、且つその搬送方向に直角方向に軸を向けて設け
られた、互いに近接した3本以上のロール。 (2)上記工程(1)のロールでストリップ表面を交互
に反対方向に押し込み、こうして押し込まれた当該スト
リップの曲率半径が、ロール間の少なくとも1箇所にお
いて2500〜5000mmの範囲内になるように調整
する、ロール押込量調整機構。 (3)上記焼鈍炉の加熱帯及び冷却帯におけるストリッ
プの材料温度を調節する、炉内ストリップの温度制御機
構。 (4)上記竪型炉内におけるストリップの搬送張力を
0.1〜20kg/mm2の範囲内に調節する、炉内ス
トリップの搬送張力調節機構。
却帯を備えたFe−Ni合金鋼ストリップの焼鈍炉にお
いて、焼鈍炉は竪型炉であり、そして、下記(1)〜
(4)の機構を備えていることに特徴を有するものであ
る。 (1)上記冷却帯内の入側に、ストリップの搬送方向に
沿って、且つその搬送方向に直角方向に軸を向けて設け
られた、互いに近接した3本以上のロール。 (2)上記工程(1)のロールでストリップ表面を交互
に反対方向に押し込み、こうして押し込まれた当該スト
リップの曲率半径が、ロール間の少なくとも1箇所にお
いて2500〜5000mmの範囲内になるように調整
する、ロール押込量調整機構。 (3)上記焼鈍炉の加熱帯及び冷却帯におけるストリッ
プの材料温度を調節する、炉内ストリップの温度制御機
構。 (4)上記竪型炉内におけるストリップの搬送張力を
0.1〜20kg/mm2の範囲内に調節する、炉内ス
トリップの搬送張力調節機構。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1は、この発明による焼鈍装置の一
例を示すものであり、Fe−Ni合金鋼ストリップの形
状を矯正しつつ応力除去焼鈍をするための竪型焼鈍装置
の概略鉛直断面図である。1はFe−Ni合金鋼のスト
リップ、2は加熱帯、3は冷却帯、そして4はロールで
ある。ストリップ1は竪型の焼鈍炉5内を下方から上方
に向かって所要の張力を負荷されつつ搬送される。スト
リップ1は、加熱帯2内において再結晶温度以下の温度
で加熱されて残留応力が除去されると共に、降伏温度に
到達し、ストリップ1に負荷された搬送張力により板形
状が矯正される。焼鈍炉5内におけるストリップ1の支
持位置は、冷却帯3内の入側に設けられたロール4と冷
却帯3内出口近傍の炉内ロール7だけである。以下、焼
鈍装置の構成とその機能について説明する。
ながら説明する。図1は、この発明による焼鈍装置の一
例を示すものであり、Fe−Ni合金鋼ストリップの形
状を矯正しつつ応力除去焼鈍をするための竪型焼鈍装置
の概略鉛直断面図である。1はFe−Ni合金鋼のスト
リップ、2は加熱帯、3は冷却帯、そして4はロールで
ある。ストリップ1は竪型の焼鈍炉5内を下方から上方
に向かって所要の張力を負荷されつつ搬送される。スト
リップ1は、加熱帯2内において再結晶温度以下の温度
で加熱されて残留応力が除去されると共に、降伏温度に
到達し、ストリップ1に負荷された搬送張力により板形
状が矯正される。焼鈍炉5内におけるストリップ1の支
持位置は、冷却帯3内の入側に設けられたロール4と冷
却帯3内出口近傍の炉内ロール7だけである。以下、焼
鈍装置の構成とその機能について説明する。
【0019】(1)図2は、冷却帯内の入側に設けられ
たロール4の配置を示す鉛直方向の概略断面図である。
これはロールが3本設けられた場合である。同図におい
て、最下段のロール4aでストリップ1の右側表面を左
方向に押し込み、中段のロール4bでストリップ1の左
側表面を右方向に押し込み、そして上段のロール4cで
ストリップの右側表面を左方向に押し込む。同図でdが
ロールの押込量を指す。ロール4の押し込みは、油空圧
式あるいは電動式負荷装置で行ない、その押込量dは押
込量調整機構(図1、符号8)で制御する。
たロール4の配置を示す鉛直方向の概略断面図である。
これはロールが3本設けられた場合である。同図におい
て、最下段のロール4aでストリップ1の右側表面を左
方向に押し込み、中段のロール4bでストリップ1の左
側表面を右方向に押し込み、そして上段のロール4cで
ストリップの右側表面を左方向に押し込む。同図でdが
ロールの押込量を指す。ロール4の押し込みは、油空圧
式あるいは電動式負荷装置で行ない、その押込量dは押
込量調整機構(図1、符号8)で制御する。
【0020】(2)このようにストリップ1をロール4
で押し込んでストリップ1に対して板幅方向に拘束力を
負荷する。こうしてストリップ1を板幅方向に拘束した
状態で所定値以上の張力をストリップ1に負荷すること
により、ストリップ長手方向に歪みを付与する。但し、
この張力により付与される歪みの大きさは板幅方向の位
置により異なる。即ち、ここで付与される歪みの大きさ
は、この歪み付与前のストリップ1に既に形成されてい
た板幅方向の歪み分布に応じてきまり、そして上記張力
の負荷後には、板幅方向の歪み分布が均一になるように
しようとするものである。
で押し込んでストリップ1に対して板幅方向に拘束力を
負荷する。こうしてストリップ1を板幅方向に拘束した
状態で所定値以上の張力をストリップ1に負荷すること
により、ストリップ長手方向に歪みを付与する。但し、
この張力により付与される歪みの大きさは板幅方向の位
置により異なる。即ち、ここで付与される歪みの大きさ
は、この歪み付与前のストリップ1に既に形成されてい
た板幅方向の歪み分布に応じてきまり、そして上記張力
の負荷後には、板幅方向の歪み分布が均一になるように
しようとするものである。
【0021】(3)この発明において、搬送張力を0.
1〜20kg/mm2 という低張力から高張力までの広
い範囲に限定した理由を説明する。上述した理由によ
り、焼鈍炉内でのストリップに対する長手方向の新たな
歪み付与は、加熱帯の内部で所定値以上の張力を、搬送
張力調整機構(図1、符号9)で負荷することにより行
なう。
1〜20kg/mm2 という低張力から高張力までの広
い範囲に限定した理由を説明する。上述した理由によ
り、焼鈍炉内でのストリップに対する長手方向の新たな
歪み付与は、加熱帯の内部で所定値以上の張力を、搬送
張力調整機構(図1、符号9)で負荷することにより行
なう。
【0022】(a) ここで板形状を矯正するために要する
張力σreformの値を求める。図3は、板形状矯正に要す
る搬送張力σreformの最小値を求める模式図である。板
形状矯正に要する張力σreformは、ストリップの温度T
stによってきまるストリップの降伏応力σy よりも大き
いことが必要である。ストリップの温度Tstとその温度
におけるストリップの降伏応力σy との間には、ストリ
ップの温度Tstが高くなるとストリップの降伏応力σy
は低下する関係がある(同図のσy =f(Tst))。一
方、ストリップの加熱温度は再結晶温度以下とし、この
発明で対象とするNi−Fe合金鋼(Ni:30〜50
wt.%)では最高加熱温度を500〜700℃の範囲内と
する。従って、もし、負荷したσreformに対し、板の長
手方向張力が幅手位置で完全に均一な分布をすると仮定
すれば、板形状を矯正するためストリップに負荷すべき
張力σreformは、ストリップ温度Tstが加熱温度の最高
値700℃におけるストリップの降伏応力σy,700 以上
とすればよい。しかし実際には、負荷したσreformに対
し、板の長手方向張力は幅方向に対してある張力分布を
形成し、実際の板形状矯正のメカニズムは、ストリップ
の降伏応力σ y を超えた位置より塑性変形による形状矯
正が進行するので、搬送張力としては、σy,700 よりも
小さい値(σ’reform)で形状矯正は可能である。但
し、板幅の広範囲で、形状矯正をしようとする場合は、
搬送張力をより大きくすることが効果的である。
張力σreformの値を求める。図3は、板形状矯正に要す
る搬送張力σreformの最小値を求める模式図である。板
形状矯正に要する張力σreformは、ストリップの温度T
stによってきまるストリップの降伏応力σy よりも大き
いことが必要である。ストリップの温度Tstとその温度
におけるストリップの降伏応力σy との間には、ストリ
ップの温度Tstが高くなるとストリップの降伏応力σy
は低下する関係がある(同図のσy =f(Tst))。一
方、ストリップの加熱温度は再結晶温度以下とし、この
発明で対象とするNi−Fe合金鋼(Ni:30〜50
wt.%)では最高加熱温度を500〜700℃の範囲内と
する。従って、もし、負荷したσreformに対し、板の長
手方向張力が幅手位置で完全に均一な分布をすると仮定
すれば、板形状を矯正するためストリップに負荷すべき
張力σreformは、ストリップ温度Tstが加熱温度の最高
値700℃におけるストリップの降伏応力σy,700 以上
とすればよい。しかし実際には、負荷したσreformに対
し、板の長手方向張力は幅方向に対してある張力分布を
形成し、実際の板形状矯正のメカニズムは、ストリップ
の降伏応力σ y を超えた位置より塑性変形による形状矯
正が進行するので、搬送張力としては、σy,700 よりも
小さい値(σ’reform)で形状矯正は可能である。但
し、板幅の広範囲で、形状矯正をしようとする場合は、
搬送張力をより大きくすることが効果的である。
【0023】一方、搬送張力が大きくなるほど、ロール
による板幅方向の拘束力を大きくしなければ、矯正後の
歪みを板幅方向に対して均一にすることができない。こ
の拘束力を大きくするために、ロールの押し込みによる
ストリップの曲率半径を小さくしなければならない。し
かし、曲率半径を小さくし過ぎると、ロールによる板絞
りが発生して問題となる。また、搬送張力を大きくし過
ぎると波板形状の矯正に留まらず、板厚が減少する。こ
れらの問題を解消するために、搬送張力は20kg/m
m2 以下に制限すればよいことがわかった。
による板幅方向の拘束力を大きくしなければ、矯正後の
歪みを板幅方向に対して均一にすることができない。こ
の拘束力を大きくするために、ロールの押し込みによる
ストリップの曲率半径を小さくしなければならない。し
かし、曲率半径を小さくし過ぎると、ロールによる板絞
りが発生して問題となる。また、搬送張力を大きくし過
ぎると波板形状の矯正に留まらず、板厚が減少する。こ
れらの問題を解消するために、搬送張力は20kg/m
m2 以下に制限すればよいことがわかった。
【0024】(b) ところで、当該焼鈍炉での処理前スト
リップの板の幅手位置に対する板長手方向歪み分布がほ
ぼ均一であり、矯正する必要が殆んどないような良好な
板形状を有する場合もある。このような場合には、搬送
張力はストリップを搬送するという本来の目的を達成す
ればよい。このための搬送張力としては、0.1kg/
mm2 以上必要である。
リップの板の幅手位置に対する板長手方向歪み分布がほ
ぼ均一であり、矯正する必要が殆んどないような良好な
板形状を有する場合もある。このような場合には、搬送
張力はストリップを搬送するという本来の目的を達成す
ればよい。このための搬送張力としては、0.1kg/
mm2 以上必要である。
【0025】この発明においては、焼鈍前における板の
変形程度が各種水準に変動していても、変形の程度に応
じて搬送張力を定めることにより、ストリップを連続的
に一層効率よく焼鈍することが可能となる点にも大きな
特徴がある。従って、上記(a) 及び(b) を満たす条件と
して、搬送張力は、0.1〜20kg/mm2 の範囲内
で調整することが望ましい。従って、また、搬送張力調
節機構(図1、符号9)は、ストリップの張力を上記範
囲内に調整できることを要する。
変形程度が各種水準に変動していても、変形の程度に応
じて搬送張力を定めることにより、ストリップを連続的
に一層効率よく焼鈍することが可能となる点にも大きな
特徴がある。従って、上記(a) 及び(b) を満たす条件と
して、搬送張力は、0.1〜20kg/mm2 の範囲内
で調整することが望ましい。従って、また、搬送張力調
節機構(図1、符号9)は、ストリップの張力を上記範
囲内に調整できることを要する。
【0026】なお、加熱温度の最高温度を500〜70
0℃の範囲内とする理由は、下記による。Ni含有量が
30〜40wt.%のNi−Fe合金鋼ストリップの応力除
去焼鈍を行なうに際して、再結晶による軟化等の機械特
性を大きく変化させないという理由で700℃以下とす
ることが必要であり、また、主目的である応力除去とい
う理由で500℃以上確保することが必要である。
0℃の範囲内とする理由は、下記による。Ni含有量が
30〜40wt.%のNi−Fe合金鋼ストリップの応力除
去焼鈍を行なうに際して、再結晶による軟化等の機械特
性を大きく変化させないという理由で700℃以下とす
ることが必要であり、また、主目的である応力除去とい
う理由で500℃以上確保することが必要である。
【0027】(4)次に、ロールの押込みによるストリ
ップの曲率半径を2500〜5000mmの範囲内に限
定した理由を説明する。上述した適切な矯正歪みをスト
リップに付与するためには、上述したようにストリップ
に対して板幅方向に適切な拘束力を負荷している状態で
適切な搬送張力をストリップに負荷する必要がある。本
発明者等は、この適切なストリップ拘束力は、上記ロー
ル4が3本以上で、押込量調整機構(図1、符号8)に
よりストリップ1を適量押し込み、当該ストリップ1に
形成される曲率半径R(図2参照)を適切に選定するこ
とにより、板形状を害することなく達成されることを見
出した。即ち、曲率半径Rは小さいほどストリップ拘束
力は大きくなるが、そのRを2500mm未満にする
と、ストリップ1がロール4を乗り越えるときに所謂板
絞りが生じてしまい、板形状を害する。一方、曲率半径
Rは大きくなるほどストリップ拘束力が小さくなるが、
Rを5000mm以上にすると、上記拘束力が小さくな
り過ぎ、搬送張力により板幅方向の湾曲が新たに発生
し、この発明で目標とする板平坦度を満足しない。ここ
で、板平坦度の内、波板の板幅方向の湾曲量h1 、
h2 、h3 (図4、5参照)の目標値を、4mm以下に
設定した。
ップの曲率半径を2500〜5000mmの範囲内に限
定した理由を説明する。上述した適切な矯正歪みをスト
リップに付与するためには、上述したようにストリップ
に対して板幅方向に適切な拘束力を負荷している状態で
適切な搬送張力をストリップに負荷する必要がある。本
発明者等は、この適切なストリップ拘束力は、上記ロー
ル4が3本以上で、押込量調整機構(図1、符号8)に
よりストリップ1を適量押し込み、当該ストリップ1に
形成される曲率半径R(図2参照)を適切に選定するこ
とにより、板形状を害することなく達成されることを見
出した。即ち、曲率半径Rは小さいほどストリップ拘束
力は大きくなるが、そのRを2500mm未満にする
と、ストリップ1がロール4を乗り越えるときに所謂板
絞りが生じてしまい、板形状を害する。一方、曲率半径
Rは大きくなるほどストリップ拘束力が小さくなるが、
Rを5000mm以上にすると、上記拘束力が小さくな
り過ぎ、搬送張力により板幅方向の湾曲が新たに発生
し、この発明で目標とする板平坦度を満足しない。ここ
で、板平坦度の内、波板の板幅方向の湾曲量h1 、
h2 、h3 (図4、5参照)の目標値を、4mm以下に
設定した。
【0028】そして、上記曲率半径Rを得るためには、
実験結果によれば、ロール本数が2本以下ではストリッ
プ1が曲がりくねった移動経路をとりにくく、R=25
00〜5000mmの範囲内に確保することができな
い。ロール本数が3本以上あれば、上記曲率半径の確保
に問題がない。
実験結果によれば、ロール本数が2本以下ではストリッ
プ1が曲がりくねった移動経路をとりにくく、R=25
00〜5000mmの範囲内に確保することができな
い。ロール本数が3本以上あれば、上記曲率半径の確保
に問題がない。
【0029】なお、上述したように、ストリップ1の曲
率半径Rを適切な範囲内に調整する。上記曲率半径R
は、例えば、ロール間隔sと前述したロール押込量dと
から実験で求めておく。
率半径Rを適切な範囲内に調整する。上記曲率半径R
は、例えば、ロール間隔sと前述したロール押込量dと
から実験で求めておく。
【0030】(5)ストリップを板幅方向に拘束するた
めのロールの設置位置について説明する。ストリップ1
の幅方向拘束のためのロール4は、加熱帯内に設けると
高温に耐え得るロールの製作・設置に多額の費用がかか
ることやロールとストリップとの接触によりストリップ
表面に疵が付き易いことから避けるべきである。これに
対して、ロール4を冷却帯内に設ければその問題解決は
容易になる。更に、冷却帯内の入側に設置し、且つその
位置におけるストリップ温度が500℃以下の位置、又
は、その位置におけるストリップ温度が500℃以下と
なるように加熱帯での加熱条件を、また必要に応じて更
に冷却帯での冷却条件をも調整すれば、ロールに関する
上記設備面の問題は解消される。しかしながら、ロール
4の設置位置を冷却帯入口から遠くして出口に近づける
ほど、焼鈍炉内での加熱帯入口からのストリップのフリ
ースパンが長くなるので、ロール4によるストリップ板
幅方向の拘束をする上で不利になる。即ち、その場合は
ストリップの曲率半径Rを小さくしてストリップに対す
る拘束力を大きくしなければならず、板絞りが発生し易
くなる。
めのロールの設置位置について説明する。ストリップ1
の幅方向拘束のためのロール4は、加熱帯内に設けると
高温に耐え得るロールの製作・設置に多額の費用がかか
ることやロールとストリップとの接触によりストリップ
表面に疵が付き易いことから避けるべきである。これに
対して、ロール4を冷却帯内に設ければその問題解決は
容易になる。更に、冷却帯内の入側に設置し、且つその
位置におけるストリップ温度が500℃以下の位置、又
は、その位置におけるストリップ温度が500℃以下と
なるように加熱帯での加熱条件を、また必要に応じて更
に冷却帯での冷却条件をも調整すれば、ロールに関する
上記設備面の問題は解消される。しかしながら、ロール
4の設置位置を冷却帯入口から遠くして出口に近づける
ほど、焼鈍炉内での加熱帯入口からのストリップのフリ
ースパンが長くなるので、ロール4によるストリップ板
幅方向の拘束をする上で不利になる。即ち、その場合は
ストリップの曲率半径Rを小さくしてストリップに対す
る拘束力を大きくしなければならず、板絞りが発生し易
くなる。
【0031】なお、ロール4設置位置のストリップ温度
の下限値は200℃以上であれば、実操業で得られる温
度で問題なく、特に限定する必要はない。但し、通常操
業では、加熱終了後の冷却速度を異常に大きくしない限
り、その温度は成り行きで200℃程度以上になる。
の下限値は200℃以上であれば、実操業で得られる温
度で問題なく、特に限定する必要はない。但し、通常操
業では、加熱終了後の冷却速度を異常に大きくしない限
り、その温度は成り行きで200℃程度以上になる。
【0032】以上より、ロール4の設置位置としては、
冷却帯内の入側であって、その位置におけるストリップ
温度を500℃以下に調整でき、且つ、ストリップの曲
率半径を上述した通りの2500〜5000mmの範囲
内に調整できるための炉内スペースを確保できることを
条件にして、できるだけ冷却帯入口に近いことが望まし
い。なお、ロール4は、より拘束力を持った位置に移動
させると更に効果的である。
冷却帯内の入側であって、その位置におけるストリップ
温度を500℃以下に調整でき、且つ、ストリップの曲
率半径を上述した通りの2500〜5000mmの範囲
内に調整できるための炉内スペースを確保できることを
条件にして、できるだけ冷却帯入口に近いことが望まし
い。なお、ロール4は、より拘束力を持った位置に移動
させると更に効果的である。
【0033】(6)この発明の最大の特徴は、ロール4
によるストリップの曲率半径を2500〜5000mm
の範囲内に限定調整することと、搬送張力を最大20k
g/mm2 まで可能とする高張力で搬送する方式との組
合せ技術にあり、これに、ロール設置位置及びその本数
と、加熱帯のロール設置位置におけるストリップの温度
条件とを適切に組み合せることにより、ストリップに高
張力を負荷して板形状を矯正しても、その際に他方で板
形状を害するということなく所期目的を達成することが
できる点にある。
によるストリップの曲率半径を2500〜5000mm
の範囲内に限定調整することと、搬送張力を最大20k
g/mm2 まで可能とする高張力で搬送する方式との組
合せ技術にあり、これに、ロール設置位置及びその本数
と、加熱帯のロール設置位置におけるストリップの温度
条件とを適切に組み合せることにより、ストリップに高
張力を負荷して板形状を矯正しても、その際に他方で板
形状を害するということなく所期目的を達成することが
できる点にある。
【0034】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に詳細
に説明する。上述した実施の形態に基づき、下記試験を
行なった。
に説明する。上述した実施の形態に基づき、下記試験を
行なった。
【0035】板厚0.12mm及び0.25mmの2
種、板幅880mmの36wt.%Ni合金鋼で、調質圧延
後のストリップを、ストリップの最高温度約550℃で
残留応力除去焼鈍をしつつ板形状の矯正をした。使用し
た焼鈍炉は図1に示したものと同じ竪型炉であり、3本
のロールを冷却帯内入口近くに設置した。但し、本発明
の範囲外の比較例として、ロールを2本設置した場合の
試験も行なった。
種、板幅880mmの36wt.%Ni合金鋼で、調質圧延
後のストリップを、ストリップの最高温度約550℃で
残留応力除去焼鈍をしつつ板形状の矯正をした。使用し
た焼鈍炉は図1に示したものと同じ竪型炉であり、3本
のロールを冷却帯内入口近くに設置した。但し、本発明
の範囲外の比較例として、ロールを2本設置した場合の
試験も行なった。
【0036】ロール設置位置におけるストリップの温度
は、約350℃であった。3本又は2本のロール間隔s
はすべて330mmで、ロール押込量dを種々変化させ
てストリップの曲率半径Rを、本発明の範囲内及び範囲
外の所定値となるように調整した。そして、残留応力除
去前のストリップ板幅方向の湾曲量に応じて、炉内搬送
張力を0.2〜15kg/mm2 の範囲内の5水準
(0.2、1.5、4、10及び15kg/mm2 )の
いずれかに決めた。
は、約350℃であった。3本又は2本のロール間隔s
はすべて330mmで、ロール押込量dを種々変化させ
てストリップの曲率半径Rを、本発明の範囲内及び範囲
外の所定値となるように調整した。そして、残留応力除
去前のストリップ板幅方向の湾曲量に応じて、炉内搬送
張力を0.2〜15kg/mm2 の範囲内の5水準
(0.2、1.5、4、10及び15kg/mm2 )の
いずれかに決めた。
【0037】上記試験条件でストリップの残留応力除去
焼鈍をすると共に、板形状の矯正を行なった。表1に、
本発明の範囲内の条件を満たす実施例1〜7、及び本発
明の範囲外の条件である比較例1〜6の試験条件を示
す。
焼鈍をすると共に、板形状の矯正を行なった。表1に、
本発明の範囲内の条件を満たす実施例1〜7、及び本発
明の範囲外の条件である比較例1〜6の試験条件を示
す。
【0038】
【表1】
【0039】次に、試験結果について述べる。ストリッ
プの板形状として、波板、中伸び、板絞り及び板折れに
ついて測定した。
プの板形状として、波板、中伸び、板絞り及び板折れに
ついて測定した。
【0040】ストリップの波板形状は、焼鈍前及び後
のいずれにおいても、図4及び5に板の横断面形状を示
したように、板幅方向の湾曲が1箇所の場合と2箇所の
場合とがあった。図4及び5のそれぞれに示したよう
に、ストリップ1と水平定盤10との隙間である湾曲量
の極大値h1 、並びに、h1 及びh2 を測定した。図5
のように湾曲が2箇所ある場合は湾曲量の大きい方の値
を当該ストリップの湾曲量と定めた。板波の評価特性と
して上記湾曲量を用い、それが4mm以下のものを合格
とした。
のいずれにおいても、図4及び5に板の横断面形状を示
したように、板幅方向の湾曲が1箇所の場合と2箇所の
場合とがあった。図4及び5のそれぞれに示したよう
に、ストリップ1と水平定盤10との隙間である湾曲量
の極大値h1 、並びに、h1 及びh2 を測定した。図5
のように湾曲が2箇所ある場合は湾曲量の大きい方の値
を当該ストリップの湾曲量と定めた。板波の評価特性と
して上記湾曲量を用い、それが4mm以下のものを合格
とした。
【0041】ストリップの中伸び急峻度を、焼鈍前後
に測定した。図6は中伸び急峻度の説明図であり、中伸
び部分の板長手方向断面における波高aとピッチpとか
ら急峻度λを、λ=(a/p)×100%で定義する。
中伸び急峻度は、λ≦0.5%のものを合格とした。
に測定した。図6は中伸び急峻度の説明図であり、中伸
び部分の板長手方向断面における波高aとピッチpとか
ら急峻度λを、λ=(a/p)×100%で定義する。
中伸び急峻度は、λ≦0.5%のものを合格とした。
【0042】更に、ストリップの板絞り及び板折れ発
生の有無を検査した。そして、ストリップ板形状の評価
として、湾曲量及び中伸び急峻度が共に合格で、且つ板
絞り及び板折れのいずれも発生しなかったストリップ
を、総合評価で良とし○印で、そして、上記評価特性の
内一つでも不可のあったストリップは総合評価で不良と
し×印で表わした。
生の有無を検査した。そして、ストリップ板形状の評価
として、湾曲量及び中伸び急峻度が共に合格で、且つ板
絞り及び板折れのいずれも発生しなかったストリップ
を、総合評価で良とし○印で、そして、上記評価特性の
内一つでも不可のあったストリップは総合評価で不良と
し×印で表わした。
【0043】これらの試験結果を、表1に併記した。上
記試験結果からわかるように、実施例1〜7の方法で行
なわれた形状矯正を伴なう応力除去焼鈍後のFe−Ni
合金鋼ストリップは、板形状に対する目標を達成した良
好なものが得られた。これに対して、比較例1〜6の方
法では、形状矯正を伴なう応力除去焼鈍を行なっても、
板形状に対する目標を達成せず、良好なFe−Ni合金
鋼ストリップは得られなかった。
記試験結果からわかるように、実施例1〜7の方法で行
なわれた形状矯正を伴なう応力除去焼鈍後のFe−Ni
合金鋼ストリップは、板形状に対する目標を達成した良
好なものが得られた。これに対して、比較例1〜6の方
法では、形状矯正を伴なう応力除去焼鈍を行なっても、
板形状に対する目標を達成せず、良好なFe−Ni合金
鋼ストリップは得られなかった。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
調質圧延された後のFe−Ni合金鋼ストリップに残留
する応力を除去すると共に、調質圧延により形成された
不均一な歪みを均一化して板形状を矯正して、板絞りや
板折れ発生を伴わずに中伸びや耳波を改善し、しかも波
板形状が良好で板幅方向の湾曲を抑制した、平坦度に優
れたストリップを安価に製造することができる。このよ
うな焼鈍方法及び焼鈍装置を提供することができ、工業
上有用な効果がもたらされる。
調質圧延された後のFe−Ni合金鋼ストリップに残留
する応力を除去すると共に、調質圧延により形成された
不均一な歪みを均一化して板形状を矯正して、板絞りや
板折れ発生を伴わずに中伸びや耳波を改善し、しかも波
板形状が良好で板幅方向の湾曲を抑制した、平坦度に優
れたストリップを安価に製造することができる。このよ
うな焼鈍方法及び焼鈍装置を提供することができ、工業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の竪型焼鈍装置の一例を示す概略鉛直
断面図である。
断面図である。
【図2】図1の冷却帯内の入側に設けられたロール配置
の詳細図である。
の詳細図である。
【図3】板形状矯正に要するストリップ搬送張力σ
reformの最小値をもとめる模式図である。
reformの最小値をもとめる模式図である。
【図4】ストリップの板幅方向の湾曲が1箇所の場合の
概略C方向断面形状である。
概略C方向断面形状である。
【図5】ストリップの板幅方向の湾曲が2箇所の場合の
概略C方向断面形状である。
概略C方向断面形状である。
【図6】ストリップの中伸び急峻度の説明図である。
1 ストリップ 2 加熱帯 3 冷却帯 4、4a、4b、4c ロール 5 焼鈍炉 6 焼鈍装置 7 出口近傍炉内ロール 8、8a、8b、8c 押込量調整機構 9 搬送張力調整機構 10 定盤 h1 、h2 、h3 板幅方向の湾曲量 d ロール押込量 D ロール径 R 曲率半径 a 波高 p ピッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 大介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 加熱帯及び冷却帯を備えた竪型焼鈍炉を
用いてFe−Ni合金鋼ストリップを焼鈍する方法にお
いて、下記工程(1)から(5)の条件を満たす工程で
前記Fe−Ni合金鋼ストリップを加熱し冷却すること
を特徴とする、Fe−Ni合金鋼ストリップの形状矯正
を伴なう焼鈍方法。 (1)前記Fe−Ni合金鋼ストリップをその再結晶温
度以下の温度で加熱し、次いで冷却する。 (2)前記冷却帯内の入側に前記ストリップ長手方向に
直角に、互いに近接した3本以上のロールを設け、前記
ロールで前記ストリップの表面を交互に反対方向に押し
込み、前記ストリップに板幅方向の拘束力を負荷する。 (3)上記工程(2)において押し込まれた前記ストリ
ップの曲率半径が、前記ロール間の少なくとも1箇所に
おいて2500〜5000mmの範囲内になるように前
記ロールの間隔及び押込量の内、少なくとも一つを調整
して前記拘束力を調節する。 (4)上記工程(2)の前記拘束力を負荷する位置にお
ける前記ストリップの温度を200〜500℃の範囲内
に調節する。 (5)前記焼鈍炉内における前記ストリップの搬送張力
を0.1〜20kg/mm2 の範囲内に調節する。 - 【請求項2】 請求項1の工程(5)における前記スト
リップの搬送張力は、0.1〜20kg/mm2 の範囲
内において、当該焼鈍炉に入る前の前記ストリップの板
形状に応じてその値を定めることを特徴とする、請求項
1記載のFe−Ni合金鋼ストリップの形状矯正を伴な
う焼鈍方法。 - 【請求項3】 前記Fe−Ni合金鋼ストリップの最高
加熱温度を、500〜700℃の範囲内で行なうことを
特徴とする、請求項1又は2記載のFe−Ni合金鋼ス
トリップの形状矯正を伴なう焼鈍方法。 - 【請求項4】 加熱帯及び冷却帯を備えたFe−Ni合
金鋼ストリップの焼鈍炉において、前記焼鈍炉は竪型炉
であり、そして、下記(1)から(4)の機構を備えて
いることを特徴とする、Fe−Ni合金鋼ストリップの
形状矯正を伴なう焼鈍装置。 (1)前記冷却帯内の入側に、前記ストリップの搬送方
向に沿って、且つ前記搬送方向に直角方向に軸を向けて
設けられた、互いに近接した3本以上のロール。 (2)前記(1)のロールで前記ストリップ表面を交互
に反対方向に押し込み、こうして押し込まれた当該スト
リップの曲率半径が、前記ロール間の少なくとも1箇所
において2500〜5000mmの範囲内になるように
調整する、ロール押込量調整機構。 (3)前記焼鈍炉の加熱帯及び冷却帯における前記スト
リップの材料温度を調節する、炉内ストリップの温度制
御機構。 (4)前記竪型炉内における前記ストリップの搬送張力
を0.1〜20kg/mm2 の範囲内に調節する、炉内
ストリップの搬送張力調節機構。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3247998A JPH11229040A (ja) | 1998-02-16 | 1998-02-16 | Fe−Ni合金鋼ストリップの形状矯正を伴なう焼鈍方法及び焼鈍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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| JPH11229040A true JPH11229040A (ja) | 1999-08-24 |
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Family Applications (1)
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| JP3247998A Pending JPH11229040A (ja) | 1998-02-16 | 1998-02-16 | Fe−Ni合金鋼ストリップの形状矯正を伴なう焼鈍方法及び焼鈍装置 |
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1998
- 1998-02-16 JP JP3247998A patent/JPH11229040A/ja active Pending
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