JPH11237330A - アルミニウム材料の耐食性試験方法 - Google Patents

アルミニウム材料の耐食性試験方法

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JPH11237330A
JPH11237330A JP3824498A JP3824498A JPH11237330A JP H11237330 A JPH11237330 A JP H11237330A JP 3824498 A JP3824498 A JP 3824498A JP 3824498 A JP3824498 A JP 3824498A JP H11237330 A JPH11237330 A JP H11237330A
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光彦 植木
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正隆 熊田
Shuichi Murooka
秀一 室岡
Kazuhiro Kobori
一博 小堀
Masahiro Kojima
正博 小島
Takashi Terada
隆 寺田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 孔食を主体とする腐食形態を示すアルミニウ
ム材料について、短期間で実機の耐久性と相関性の高い
試験結果が得られる耐食性試験方法を目的とする。 【解決手段】 試験体に対し、孔食を早期に発生させる
孔食発生促進過程を実施した後、続いて孔食の成長を促
進する孔食成長促進過程を実施する耐食性試験方法であ
って、前記孔食発生促進過程は、試験体に塩水を0.5
〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次いで乾燥環境中
に1〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに湿潤環境中
に1〜5時間保持する湿潤ステップを1サイクルとし、
4〜8サイクル/日の頻度で1〜10日間行うものであ
り、前記孔食成長促進過程は、0.5〜2時間の塩水噴
霧ステップ、1〜3時間の乾燥ステップ、6〜45時間
の湿潤ステップを1サイクルとし、0.5〜2サイクル
/日の頻度で1サイクル以上行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム材
料の腐食を促進して短時間で耐食性を試験する耐食性試
験方法に関し、特に熱交換器等の自動車用アルミニウム
製品の耐食性試験に適した耐食性試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用等の各種熱交換器の材料として
は、アルミニウムまたはその合金が多く使用されてい
る。また、熱交換器は、その使用環境において、排ガス
等の汚染空気に曝されるとともに、降雨や日照により湿
潤と乾燥と繰返し、長期使用の間には腐食は免れない。
そのため、的確な製品の耐久性予測や製品開発を行う上
で、製品または材料金属の耐食性試験は不可欠である。
【0003】各種金属材料の耐食性試験は、短時間で試
験を行うために試験体を腐食促進環境下において行う。
一般的な耐食性試験法として、例えば、連続的に塩水を
噴霧する塩水噴霧試験方法(JIS Z2371),酸
性水を噴霧するキャス試験(JIS H8681)、A
STM G85−85,Method G43 SWA
AT等が知られており、熱交換器の耐食性試験としても
これらの試験法が広く採用されている。また、特に自動
車用部品の耐食性試験法として、(財)自動車技術会制
定の自動車規格JASO M609−91 自動車用材
料腐食試験方法、M610−92 自動車部品外観腐食
試験法があり、一定サイクルで塩水噴霧、乾燥、湿潤を
繰返すこの試験方法も採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
一般的な耐食性試験法のうち、塩水噴霧試験方法法は塩
水の噴霧時間が長いために、孔食を主とする実機とは異
なる形態で腐食が発生進行し、市場における耐久性を的
確に予測することが困難である。さらに、腐食の促進性
が低いために、短期間で試験を実施することができな
い。また、酸性液を用いるキャス試験やSWAATでは
腐食の促進性はあるが、やはり実機の腐食形態とは異な
るために、市場における耐久性を的確に予測することが
できない。
【0005】また、JASO M609−91やM61
0−92は、市場の腐食環境に近い腐食試験方法である
が、裸鋼板、塗装板、ステンレス、めっき品、アルミニ
ウム材料など、あらゆる金属材料を対象にした試験方法
であり、個々の材料すべてに対して短期間で腐食を発生
させる最適な耐食性試験方法とは言い難い。
【0006】このように、既存の耐食性試験方法におい
ては、アルミニウム材料およびその製品、特に熱交換器
等の自動車用アルミニウム製品を対象として、市場相関
がありかつ腐食を短時間で発生させる最適条件が確立さ
れていない。
【0007】この発明は、このような技術背景に鑑み、
孔食を主体とする腐食形態を示すアルミニウム材料につ
いて、短期間で実機の耐久性と相関性の高い試験結果が
得られるアルミニウム材料の耐食性試験方法の提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この第1の発明のアルミ
ニウム材料の耐食性試験方法は、前記目的を達成するた
めに、試験体に対し、孔食を早期に発生させる孔食発生
促進過程を実施した後、続いて孔食の成長を促進する孔
食成長促進過程を実施することにより、該試験体の耐食
性を試験する方法であって、前記孔食発生促進過程は、
試験体に、35〜60℃でpH6〜8に調整された2〜
6%NaCl水溶液を0.5〜2時間噴霧する塩水噴霧
ステップ、次いで前記試験体を50〜70℃で湿度40
%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保持する乾燥ステ
ップ、さらに前記試験体を40〜60℃で湿度80〜1
00%RHの湿潤環境中に1〜5時間保持する湿潤ステ
ップを1サイクルとするとともに、前記湿潤ステップ時
間が1サイクル中の33〜67%となるように設定し、
3.4〜8サイクル/日の頻度で1〜10日間行うもの
であり、前記孔食成長促進過程は、前記試験体に、35
〜60℃でpH6〜8に調整された2〜6%NaCl水
溶液を0.5〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次い
で前記試験体を50〜70℃で湿度40%RH以下の乾
燥環境中に1〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに前
記試験体を40〜60℃で湿度80〜100%RHの湿
潤環境中に6〜45時間保持する湿潤ステップを1サイ
クルとするとともに、前記湿潤ステップ時間が1サイク
ル中の50〜95%となるように設定し、0.5〜2サ
イクル/日の頻度で1サイクル以上行うことを特徴とす
る。
【0009】また、第2の発明のアルミニウム材料の耐
食性試験方法は、第1の発明の方法の孔食発生促進過程
を単独で行うものであって、試験体に、35〜60℃で
pH6〜8に調整された2〜6%NaCl水溶液を0.
5〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記試験
体を50〜70℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に
1〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を
40〜60℃で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に
1〜5時間保持する湿潤ステップを1サイクルとすると
ともに、前記湿潤ステップ時間が1サイクル中の33〜
67%となるように設定し、3.4〜8サイクル/日の
頻度で1サイクル以上行うことを特徴とする。
【0010】また、第3の発明のアルミニウム材料の耐
食性試験方法は、第1の発明の方法の孔食成長促進過程
を単独で行うものであって、試験体に、35〜60℃で
pH6〜8に調整された2〜6%NaCl水溶液を0.
5〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記試験
体を50〜70℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に
1〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を
40〜60℃で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に
6〜45時間保持する湿潤ステップを1サイクルとする
とともに、前記湿潤ステップ時間が1サイクル中の50
〜95%となるように設定し、0.5〜2サイクル/日
の頻度で1サイクル以上行うことを特徴とする。
【0011】第1の耐食性試験方法は、腐食促進を腐食
挙動の異なる2段階で行い孔食を発生かつ進行させ、市
場の実機の腐食形態を短期間に再現する。即ち、第1段
階の孔食発生促進過程は主として孔食を早期に発生させ
るものであり、第2段階の孔食成長促進過程は先の過程
で発生させた孔食の成長を促進するものである。これら
の過程は、いずれも塩水噴霧ステップ、乾燥ステップ、
湿潤ステップを1サイクルとしてこれを反復して行うも
のであるが、1サイクル中の湿潤ステップ時間の割合
を、孔食発生促進過程で短く、孔食成長促進過程で長く
設定している点で異なる。
【0012】なお、前記孔食発生促進過程および孔食成
長促進過程は、腐食挙動が異なるといってもいずれも腐
食形態は孔食でありかつ腐食を促進するものであるか
ら、単独で実施した場合でも、腐食の進行速度が若干低
下するものの、市場の腐食形態を再現してアルミニウム
材料の耐食性試験とすることができる。上述の第1の耐
食性試験方法が2つの異なる過程を組合せたものである
のに対し、第2の耐食性試験方法は第1の試験方法の孔
食発生促進過程を単独で行うものであり、第3の耐食性
試験方法は孔食成長促進過程を単独で行うものである。
これらの単一過程による試験方法では、試験に要する期
間が若干長くなるものの、同一サイクルの反復実施であ
るからサイクル管理が簡単であるという利点がある。
【0013】以下に、各ステップの条件について詳述す
る。なお、孔食発生促進過程および孔食成長促進過程に
おける各ステップの条件は、保持時間およびサイクル頻
度を除いて共通である。
【0014】[塩水噴霧ステップ]塩水噴霧ステップ
は、試験体に塩水を噴霧して試験体表面に腐食促進物質
を付着させるとともに、試験体表面が常時濡れている状
態を保持する。噴霧する塩水は、pH6〜8に調整され
た2〜6%NaCl水溶液である。NaClは腐食促進
成分であり、NaCl濃度が2%未満では腐食の進行が
遅く試験に長時間を要し、6%を超えると腐食進行が飽
和する。NaCl濃度の好ましい下限値は3%であり、
好ましい上限値は5%である。NaCl水溶液をpH6
〜8の中性とするのは、市場の腐食形態を再現するため
である。NaCl水溶液のpHの好ましい下限値は6.
5であり、好ましい上限値は7.5である。また、前記
塩水の噴霧雰囲気は、適度な腐食速度を確保するために
35〜60℃の範囲としている。35℃未満では腐食の
発生が遅れ、60℃を超えると水和酸化膜が成長し、カ
ソードの還元反応は抑制されてしまい腐食速度は遅くな
るためである。塩水噴霧雰囲気温度の好ましい下限値は
45℃であり、好ましい上限値は55℃である。
【0015】[乾燥ステップ]乾燥ステップは、試験体
を50〜70℃、湿度40%RH以下の乾燥環境中で保
持して、試験体表面から水分を除去するとともに腐食を
促進する。乾燥環境における温度は、50℃未満では腐
食の促進が不十分で試験に長時間を要し、一方70℃を
超えると試験装置の耐熱性を確保するために、装置の構
成材料に制限がある。好ましい乾燥環境温度の下限値は
55℃であり、好ましい上限値は65℃である。また、
湿度は、40%RHを超えると付着水分が蒸発しにくく
なり乾燥しにくくなる。湿度の好ましい上限値は30%
RHである。
【0016】[湿潤ステップ]湿潤ステップは、試験体
を湿度40〜60℃、湿度80〜100%RHの湿潤環
境中に1〜5時間保持することにより、乾燥した試験体
表面に再び水分を与えて腐食を促す。湿潤環境における
温度は、40℃未満では腐食の促進が不十分で試験に長
時間を要し、一方60℃を超えると水和酸化膜が成長
し、カソードの還元反応は抑制されてしまい腐食速度は
遅くなるためである。好ましい湿潤環境温度の下限値は
45℃であり、好ましい上限値は55℃である。また、
相対湿度は、80%RH未満では試験体表面に十分な水
分を与えることができない。湿度の好ましい下限値は9
0%RHであり、好ましい上限値は98%RHである。
【0017】次に、孔食発生促進過程および孔食成長促
進過程における各ステップの保持時間およびサイクル頻
度について、表1を参照しつつ説明する。
【0018】
【表1】
【0019】[孔食発生促進過程]塩水噴霧ステップの
保持時間は0.5〜2時間とする。0.5時間未満では
腐食を促進する効果に乏しく、2時間を超えると腐食形
態が面状腐食になりやすい。塩水噴霧ステップの保持時
間の好ましい下限値は1時間であり、好ましい上限値は
1.5時間である。
【0020】乾燥ステップの保持時間は1〜3時間とす
る。1時間未満または3時間を超える場合は、腐食の進
行速度が低下する。乾燥ステップの保持時間の好ましい
下限値は1時間であり、好ましい上限値は2時間であ
る。
【0021】湿潤ステップの保持時間は1〜5時間と
し、後述の孔食成長促進過程よりも短く設定する。1時
間未満では腐食を促進する効果に乏しく、5時間を超え
て湿潤状態を持続すると孔食を発生させる効果が低下す
る。湿潤ステップの保持時間の好ましい下限値は2時間
であり、好ましい上限値は4時間である。
【0022】孔食を早期に発生させるために、3つのス
テップ時間を上述の範囲とし、さらに、特に孔食の早期
発生に深く関与する1サイクル中の湿潤ステップ時間の
割合を33〜67%となるように、各ステップ保持時間
を設定する。湿潤ステップ時間の割合が前記範囲内にあ
るときに、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行を促進
する効果が大きい。1サイクル中の湿潤ステップ時間の
割合の好ましい下限値は40%であり、好ましい上限値
は60%である。
【0023】また、塩水噴霧ステップ、乾燥ステップ、
湿潤ステップを1サイクルとするサイクル頻度は3.4
〜8サイクル/日の範囲とする。換言すれば、相対的に
湿潤ステップ時間を短くしてサイクル頻度を多くするこ
とにより、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行を促進
する効果が大きい。サイクル頻度の好ましい下限値は4
サイクル/日であり、好ましい上限値は6サイクル/日
である。
【0024】[孔食成長促進過程]塩水噴霧ステップお
よび乾燥ステップの保持時間は、上述の孔食発生促進過
程におけるそれぞれの保持時間と同一である。
【0025】湿潤ステップの保持時間は6〜45時間と
し、上述の孔食発生促進過程よりも長く設定する。6時
間未満であっても45時間を超えても孔食の成長を促進
する効果が低下する。湿潤ステップの保持時間の好まし
い下限値は12時間であり、好ましい上限値は36時間
である。
【0026】孔食の成長を促すために、3つのステップ
時間を上述の範囲とし、さらに、特に孔食の成長に深く
関与する1サイクル中の湿潤ステップ時間の割合を50
〜95%となるように、各ステップ保持時間を設定す
る。湿潤ステップ時間の割合が前記範囲内にあるとき
に、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行を促進する効
果が大きい。1サイクル中の湿潤ステップ時間の割合の
好ましい下限値は67%であり、好ましい上限値は92
%である。
【0027】また、サイクル頻度は0.5〜2サイクル
/日の範囲とする。換言すれば、湿潤ステップ時間を長
く設定してサイクル頻度を少なくすることにより、孔食
を成長させる効果が大きい。サイクル頻度の好ましい下
限値は0.62サイクル/日であり、好ましい上限値は
1.6サイクル/日である。
【0028】この発明の第1の耐食性試験方法は、前記
孔食発生促進過程1〜10日間実施して、早期に孔食を
発生させた後、続いて前記孔食成長促進過程を実施して
孔食を成長させるものである。前記孔食発生促進過程の
実施期間は、3〜5日間が好ましい。また、前記孔食成
長促進過程は1サイクル以上任意の期間実施し、特に期
間は限定しない。
【0029】また、第2の耐食性試験方法は前記孔食発
生促進過程のみを実施するものであり、第3の耐食性試
験方法は前記孔食成長促進過程のみを実施するものであ
って、いずれも1サイクル以上任意の期間実施する。
【0030】この発明の第1のアルミニウム材料の耐食
性試験方法は、腐食挙動の異なる2種類の腐食促進過程
を組合せることにより、アルミニウム材料に短期間で孔
食を発生させかつ進行させることができる。そのため、
孔食を起こすような状況で使用されるアルミニウム材料
やアルミニウム製品の耐食性について短期間で的確に評
価することができる。
【0031】また、第1の耐食性試験方法の2つの腐食
促進過程をそれぞれ単独で行う第2および第3の耐食性
試験方法は、腐食の進行速度が第1の耐食性試験方法よ
りも若干低下するものの、アルミニウム材料に短期間で
孔食を発生させかつ進行させることができ、短期間で耐
食性を評価することができる。
【0032】
【実施例】次に、この発明のアルミニウム材料の耐食性
試験方法の具体的実施例について説明する。
【0033】以下の実験例において、試験体として、J
IS A1050からなる肉厚0.4mmの多穴管押出チ
ューブと、JIS A3003+2%Znからなる芯材
の両面にJIS A4343+2%Znからなるろう材
を10%でクラッドしたブレージングシートで製作した
コルゲートフィンとを組合せ、これらを弗化物系フラッ
クスを用いて窒素雰囲気中で600℃、5分間の加熱し
てろう付した熱交換器のミニサンプルを使用した。
【0034】[実験例1]表2および表3に示す実施例
1〜7は、この発明の第2の耐食性試験方法、即ち1サ
イクル中の湿潤ステップ時間の割合が相対的に少ない孔
食発生促進過程に相当するものである。
【0035】実施例1〜7については、表2に示す濃度
にNaClを溶解し、さらに塩酸または水酸化ナトリウ
ムにより表2に示すpHに調整し、噴霧用塩水とした。
そして、前記試験体に対し、表2に示す温度、湿度、時
間の各条件で塩水噴霧ステップ、乾燥ステップ、湿潤ス
テップを1サイクルとするサイクル試験を90日間実施
した。
【0036】一方、比較例1は、JIS Z2371
塩水噴霧試験方法に準拠し、表2に示す濃度およびpH
のNaCl水溶液を50℃で連続90日間噴霧した。比
較例2はJIS H8681 キャス試験方法に準拠
し、酸性塩水を49℃で90日間連続噴霧した。比較例
3は、ASTM G85−85,Method G43
SWAATに準拠し、ASTM人工海水と酢酸により調
整した酸性腐食液を0.5時間噴霧、1.5次間湿潤環
境保持を1サイクルとするサイクル試験を90日間実施
した。比較例4は、JASO M610−92自動車部
品外観腐食試験法(CCT)に準拠し、表2に示す条件
で、塩水噴霧、乾燥環境保持、湿潤環境保持を1サイク
ルとするサイクル試験を90日間実施した。
【0037】各試験体について、試験後開始後、30日
目、60日目および90日目に、腐食状態を肉眼で観察
するとともに、孔食の深さを測定し、腐食形態と腐食促
進度について評価した。評価結果を表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】[実験例2]表4および表5に示す実施例
11〜17は、この発明の第3の耐食性試験方法、即ち
1サイクル中の湿潤ステップ時間の割合が相対的に多い
孔食成長促進過程に相当するものである。
【0041】実施例11〜17については、表4に示す
濃度にNaClを溶解し、さらに塩酸または水酸化ナト
リウムにより表4に示すpHに調整し、噴霧用塩水とし
た。そして、前記試験体に対し、表4に示す温度、湿
度、時間の各条件で塩水噴霧ステップ、乾燥ステップ、
湿潤ステップを1サイクルとするサイクル試験を90日
間実施した。
【0042】一方、比較例11〜14は、比較例1〜4
の再掲である。
【0043】各試験体について、試験後開始後、30日
目、60日目および90日目に、腐食状態を肉眼で観察
するとともに、孔食の深さを測定し、腐食形態と腐食促
進度について評価した。評価結果を表5に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】[実験例3]表6および表7に示す実施例
21〜24は、この発明の第1の耐食性試験方法に相当
するものであって、孔食発生促進過程実施後に孔食成長
促進過程を実施するものである。
【0047】実施例21〜24は、表6に示すように、
上述の実施例1(表2)と同一のサイクルを所定期間実
施した後、続いて実施例11(表4)あるいは実施例1
2(表4)と同一のサイクルを実施したものである。
【0048】一方、比較例21〜24は、比較例1〜4
の再掲である。
【0049】各試験体について、試験後開始後30日
目、60日目および90日目に、腐食状態を肉眼で観察
するとともに、孔食の深さを測定し、腐食形態と腐食促
進度について評価した。評価結果を表7に示す。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】表3、表5、表7の結果より、この発明の
方法によれば、市場の実機の腐食形態である孔食が再現
できるとともに、短期間で腐食を進行させることができ
ることを確認できた。そして、この試験方法によりアル
ミニウム材料の耐久性を短期間で評価することができ
る。
【0053】また、孔食発生促進過程、孔食成長促進過
程という腐食挙動の異なる2種類のサイクル試験を組合
せることにより、各過程を単独で実施するよりも、さら
に短期間で腐食を進行させ得ることも確認することがで
きた。
【0054】
【発明の効果】以上の次第で、この発明の第1のアルミ
ニウム材料の耐食性試験方法は、試験体に対し、孔食を
早期に発生させる孔食発生促進過程を実施した後、続い
て孔食の成長を促進する孔食成長促進過程を実施するこ
とにより、該試験体の耐食性を試験する方法であって、
前記孔食発生促進過程は、試験体に、35〜60℃でp
H6〜8に調整された2〜6%NaCl水溶液を0.5
〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体
を50〜70℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1
〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を4
0〜60℃で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に1
〜5時間保持する湿潤ステップを1サイクルとするとと
もに、前記湿潤ステップ時間が1サイクル中の33〜6
7%となるように設定し、3.4〜8サイクル/日の頻
度で1〜10日間行うものであり、前記孔食成長促進過
程は、前記試験体に、35〜60℃でpH6〜8に調整
された2〜6%NaCl水溶液を0.5〜2時間噴霧す
る塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体を50〜70℃
で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保持す
る乾燥ステップ、さらに前記試験体を40〜60℃で湿
度80〜100%RHの湿潤環境中に6〜45時間保持
する湿潤ステップを1サイクルとするとともに、前記湿
潤ステップ時間が1サイクル中の50〜95%となるよ
うに設定し、0.5〜2サイクル/日の頻度で1サイク
ル以上行うものであるから、アルミニウム材料に短期間
で孔食を起こさせかつ進行させることができ、孔食を生
じる状況で使用されるアルミニウム材料やアルミニウム
製品の耐食性について、実機の耐久性と相関性の高い試
験結果が得られる。そのため、試験結果に基づき、市場
における製品の耐久性を的確に予測することができると
ともに、用途に応じた耐食性材料や製品の開発も的確に
行うことができる。孔食を起こすようなアルミニウム材
料ないし製品として、自動車用熱交換器、特にコンデン
サ、海洋雰囲気や融雪剤散布地区等の塩害地域で使用さ
れる各種アルミニウム製品を例示でき、これらの耐久性
の評価と品質保証を的確に行え、また耐久性の改善にも
寄与する。
【0055】また、第2のアルミニウム材料の耐食性試
験方法は、試験体に、35〜60℃でpH6〜8に調整
された2〜6%NaCl水溶液を0.5〜2時間噴霧す
る塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体を50〜70℃
で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保持す
る乾燥ステップ、さらに前記試験体を40〜60℃で湿
度80〜100%RHの湿潤環境中に1〜5時間保持す
る湿潤ステップを1サイクルとするとともに、前記湿潤
ステップ時間が1サイクル中の33〜67%となるよう
に設定し、3.4〜8サイクル/日の頻度で1サイクル
以上行うものであり、第1の耐食性試験方法よりも腐食
の進行速度が若干低下するものの、アルミニウム材料に
短期間で孔食を発生させかつ進行させることができ、短
期間で耐食性を評価することができる。そのため、試験
期間に若干の時間を要することを除き、第1の耐食性試
験方法と同様の効果が得られる。
【0056】また、第3のアルミニウム材料の耐食性試
験方法は、試験体に、35〜60℃でpH6〜8に調整
された2〜6%NaCl水溶液を0.5〜2時間噴霧す
る塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体を50〜70℃
で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保持す
る乾燥ステップ、さらに前記試験体を40〜60℃で湿
度80〜100%RHの湿潤環境中に6〜45時間保持
する湿潤ステップを1サイクルとするとともに、前記湿
潤ステップ時間が1サイクル中の50〜95%となるよ
うに設定し、0.5〜2サイクル/日の頻度で1サイク
ル以上行うものであるから、第1の耐食性試験方法より
も腐食の進行速度が若干低下するものの、アルミニウム
材料に短期間で孔食を発生させかつ進行させることがで
き、短期間で耐食性を評価することができる。そのた
め、試験期間に若干の時間を要することを除き、第1の
耐食性試験方法と同様の効果が得られる。
【0057】また、第2および第3の耐食性試験方法
は、単一サイクルの反復であるから、サイクル管理が簡
単である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室岡 秀一 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 小堀 一博 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 小島 正博 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 寺田 隆 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験体に対し、孔食を早期に発生させる
    孔食発生促進過程を実施した後、続いて孔食の成長を促
    進する孔食成長促進過程を実施することにより、該試験
    体の耐食性を試験する方法であって、 前記孔食発生促進過程は、試験体に、35〜60℃でp
    H6〜8に調整された2〜6%NaCl水溶液を0.5
    〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体
    を50〜70℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1
    〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を4
    0〜60℃で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に1
    〜5時間保持する湿潤ステップを1サイクルとするとと
    もに、前記湿潤ステップ時間が1サイクル中の33〜6
    7%となるように設定し、3.4〜8サイクル/日の頻
    度で1〜10日間行うものであり、 前記孔食成長促進過程は、前記試験体に、35〜60℃
    でpH6〜8に調整された2〜6%NaCl水溶液を
    0.5〜2時間噴霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記
    試験体を50〜70℃で湿度40%RH以下の乾燥環境
    中に1〜3時間保持する乾燥ステップ、さらに前記試験
    体を40〜60℃で湿度80〜100%RHの湿潤環境
    中に6〜45時間保持する湿潤ステップを1サイクルと
    するとともに、前記湿潤ステップ時間が1サイクル中の
    50〜95%となるように設定し、0.5〜2サイクル
    /日の頻度で1サイクル以上行う、 ことを特徴とするアルミニウム材料の耐食性試験方法。
  2. 【請求項2】 試験体に、35〜60℃でpH6〜8に
    調整された2〜6%NaCl水溶液を0.5〜2時間噴
    霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体を50〜7
    0℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保
    持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を40〜60℃
    で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に1〜5時間保
    持する湿潤ステップを1サイクルとするとともに、前記
    湿潤ステップ時間が1サイクル中の33〜67%となる
    ように設定し、3.4〜8サイクル/日の頻度で1サイ
    クル以上行うことを特徴とするアルミニウム材料の耐食
    性試験方法。
  3. 【請求項3】 試験体に、35〜60℃でpH6〜8に
    調整された2〜6%NaCl水溶液を0.5〜2時間噴
    霧する塩水噴霧ステップ、次いで前記試験体を50〜7
    0℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保
    持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を40〜60℃
    で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に6〜45時間
    保持する湿潤ステップを1サイクルとするとともに、前
    記湿潤ステップ時間が1サイクル中の50〜95%とな
    るように設定し、0.5〜2サイクル/日の頻度で1サ
    イクル以上行うことを特徴とするアルミニウム材料の耐
    食性試験方法。
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