JPH11240752A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- JPH11240752A JPH11240752A JP10045843A JP4584398A JPH11240752A JP H11240752 A JPH11240752 A JP H11240752A JP 10045843 A JP10045843 A JP 10045843A JP 4584398 A JP4584398 A JP 4584398A JP H11240752 A JPH11240752 A JP H11240752A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 比誘電率が60以上、Q値がf・Q値で2500以
上、かつ共振周波数の温度係数が±20 ppm/℃以下であ
って、950 ℃以下の温度で焼結可能で、かつAgと接触さ
せて焼成した時に焼成中のAgの拡散量が最小限に抑制さ
れる、安価な誘電体磁器を作製できる組成物を提供す
る。 【解決手段】 xBaO ・yNd2O3・zTiO2・uPbO・vBi2O3
(0.086<x<0.178 、0.092<y<0.168 、 0.641<z
<0.726 、 0.021<u<0.082 、 0.003<v<0.05、x
+y+z+u+v=1)で示される主成分100 重量部に
対し、副成分として、CuO を1〜3重量部、ZnO を1〜
5重量部、 B2O3 を0.6 〜1.4 重量部、およびGeO2とSi
O2を合計2〜5重量部の割合で含有し、ZnO の含有量が
CuO の含有量より多く、かつGeO2とSiO2の比率が0.1 ≦
SiO2/(GeO2+SiO2) <0.9 であることを特徴とする、誘
電体磁器組成物。
上、かつ共振周波数の温度係数が±20 ppm/℃以下であ
って、950 ℃以下の温度で焼結可能で、かつAgと接触さ
せて焼成した時に焼成中のAgの拡散量が最小限に抑制さ
れる、安価な誘電体磁器を作製できる組成物を提供す
る。 【解決手段】 xBaO ・yNd2O3・zTiO2・uPbO・vBi2O3
(0.086<x<0.178 、0.092<y<0.168 、 0.641<z
<0.726 、 0.021<u<0.082 、 0.003<v<0.05、x
+y+z+u+v=1)で示される主成分100 重量部に
対し、副成分として、CuO を1〜3重量部、ZnO を1〜
5重量部、 B2O3 を0.6 〜1.4 重量部、およびGeO2とSi
O2を合計2〜5重量部の割合で含有し、ZnO の含有量が
CuO の含有量より多く、かつGeO2とSiO2の比率が0.1 ≦
SiO2/(GeO2+SiO2) <0.9 であることを特徴とする、誘
電体磁器組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器組成
物、より詳しくは主にUHF帯ないしマイクロ波帯(以
下、マイクロ波帯等ともいう) といった電波用に使用さ
れる誘電体磁器部品、例えば、誘電体共振器や、これを
組み込んだ無線電話用のフィルタ、デュプレクサ等、に
好適な新規な誘電体磁器組成物に関する。
物、より詳しくは主にUHF帯ないしマイクロ波帯(以
下、マイクロ波帯等ともいう) といった電波用に使用さ
れる誘電体磁器部品、例えば、誘電体共振器や、これを
組み込んだ無線電話用のフィルタ、デュプレクサ等、に
好適な新規な誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信または送受信機器には、装置の
小型化のために誘電体共振器を組み込んだ部品が利用さ
れている。かかる部品の例としては、携帯電話(自動車
電話やPHSを含む)、コードレス電話等の無線電話機
に使用されているフィルタまたはデュプレクサ(アンテ
ナ共用器)、さらには衛星放送受信器の局部発振器が挙
げられる。
小型化のために誘電体共振器を組み込んだ部品が利用さ
れている。かかる部品の例としては、携帯電話(自動車
電話やPHSを含む)、コードレス電話等の無線電話機
に使用されているフィルタまたはデュプレクサ(アンテ
ナ共用器)、さらには衛星放送受信器の局部発振器が挙
げられる。
【0003】誘電体の内部における電磁波の波長は、真
空中での波長のεr -1/2 (εr :比誘電率) に短縮され
る。内部が空洞の空洞共振器の代わりに、誘電体共振器
を用いると、上記のように共振波長が小さくなるため、
共振器を含む部品を小型化することができる。
空中での波長のεr -1/2 (εr :比誘電率) に短縮され
る。内部が空洞の空洞共振器の代わりに、誘電体共振器
を用いると、上記のように共振波長が小さくなるため、
共振器を含む部品を小型化することができる。
【0004】誘電体共振器材料として用いる誘電体磁器
に求められる特性は、比誘電率が使用周波数に応じて
適度に高いこと、誘電損失(tanδ) が小さいこと(即
ち、tanδの逆数であるQ値が高いこと)、共振周波
数の温度係数が小さいことである。例えば、携帯電話等
では数百MHz から1〜2GHz 程度の周波数が利用され、
波長がかなり長くなるため、装置を小型化するには、60
を超えるような高い比誘電率が求められる。
に求められる特性は、比誘電率が使用周波数に応じて
適度に高いこと、誘電損失(tanδ) が小さいこと(即
ち、tanδの逆数であるQ値が高いこと)、共振周波
数の温度係数が小さいことである。例えば、携帯電話等
では数百MHz から1〜2GHz 程度の周波数が利用され、
波長がかなり長くなるため、装置を小型化するには、60
を超えるような高い比誘電率が求められる。
【0005】一方、上記の機器をさらに小型化するに
は、誘電体共振器を金属ケースに収容した従来型の製品
より、誘電体磁器を用いた表面実装が可能な積層チップ
内に構成した共振器を利用した部品の方が有利である。
このような積層チップ型の誘電体部品は、グリーンシー
ト多層積層法を利用して効率よく製造することができ
る。即ち、誘電体磁器のグリーンシートの一部に内部電
極用の導体ペーストを所定の回路形状に印刷した後、シ
ートを積層し、積層体を焼成して誘電体と内部電極を同
時に焼結させる。外部電極はこの焼結体上に形成する
か、または焼結前の積層体に導体ペーストを印刷して、
誘電体や内部電極と同時に外部電極も焼結させることが
できる。それにより、一度の焼成で、多様な形状に設計
された内部電極を持つ、誘電体共振器またはこれを組み
込んだフィルタ等といった誘電体磁器部品を効率よく製
造することができ、内部電極は間に誘電体を挟んで必要
なだけ多層化することができる。その結果、誘電体磁器
部品の大きさを共振波長より大幅に小さくすることがで
き、一層の小型化が可能になる。
は、誘電体共振器を金属ケースに収容した従来型の製品
より、誘電体磁器を用いた表面実装が可能な積層チップ
内に構成した共振器を利用した部品の方が有利である。
このような積層チップ型の誘電体部品は、グリーンシー
ト多層積層法を利用して効率よく製造することができ
る。即ち、誘電体磁器のグリーンシートの一部に内部電
極用の導体ペーストを所定の回路形状に印刷した後、シ
ートを積層し、積層体を焼成して誘電体と内部電極を同
時に焼結させる。外部電極はこの焼結体上に形成する
か、または焼結前の積層体に導体ペーストを印刷して、
誘電体や内部電極と同時に外部電極も焼結させることが
できる。それにより、一度の焼成で、多様な形状に設計
された内部電極を持つ、誘電体共振器またはこれを組み
込んだフィルタ等といった誘電体磁器部品を効率よく製
造することができ、内部電極は間に誘電体を挟んで必要
なだけ多層化することができる。その結果、誘電体磁器
部品の大きさを共振波長より大幅に小さくすることがで
き、一層の小型化が可能になる。
【0006】マイクロ波帯等では電極での損失が性能に
大きく影響するため、共振器の電極としては、Ag、Cu、
Ag−Pd(Pd 10%以下) 、Auといった低抵抗の金属材料が
使用されている。従って、上記方法で積層チップ型の誘
電体磁器部品を製造する場合には、これらの金属の融点
より低い温度で焼結する誘電体磁器が必要となる。
大きく影響するため、共振器の電極としては、Ag、Cu、
Ag−Pd(Pd 10%以下) 、Auといった低抵抗の金属材料が
使用されている。従って、上記方法で積層チップ型の誘
電体磁器部品を製造する場合には、これらの金属の融点
より低い温度で焼結する誘電体磁器が必要となる。
【0007】比誘電率が大きく、かつ上記との特性
も満たすことができるマイクロ波帯等に適した誘電体磁
器として、BaO-Nd2O3-TiO2-Bi2O3やBaO-Nd2O3-TiO2-PbO
が知られている。しかし、これらの誘電体磁器は、1300
〜1500℃の温度で焼成されており、この温度は上記の電
極用の低抵抗の金属材料の融点より高いため、導体ペー
ストをグリーンシートと同時に焼成するグリーンシート
多層積層法を適用することができなかった。
も満たすことができるマイクロ波帯等に適した誘電体磁
器として、BaO-Nd2O3-TiO2-Bi2O3やBaO-Nd2O3-TiO2-PbO
が知られている。しかし、これらの誘電体磁器は、1300
〜1500℃の温度で焼成されており、この温度は上記の電
極用の低抵抗の金属材料の融点より高いため、導体ペー
ストをグリーンシートと同時に焼成するグリーンシート
多層積層法を適用することができなかった。
【0008】この問題を解決するため、BaO-Nd2O3(-Sm2
O3)-TiO2-Bi2O3-PbO系誘電体磁器に、ガラス物質である
GeO2, ZnO, CuO, B2O3をそれぞれ少量ずつ含有させて焼
結温度を低くし、上記の低抵抗の電極材料との同時焼結
を可能にした誘電体磁器組成物が特開平5−334914号公
報に提案されている。特開平8−277161号公報には、同
様の誘電体磁器にガラス質物質としてSiO2, ZnO, B2O3
を少量ずつ含有させた、やはり焼結温度の低い誘電体磁
器組成物が開示されている。
O3)-TiO2-Bi2O3-PbO系誘電体磁器に、ガラス物質である
GeO2, ZnO, CuO, B2O3をそれぞれ少量ずつ含有させて焼
結温度を低くし、上記の低抵抗の電極材料との同時焼結
を可能にした誘電体磁器組成物が特開平5−334914号公
報に提案されている。特開平8−277161号公報には、同
様の誘電体磁器にガラス質物質としてSiO2, ZnO, B2O3
を少量ずつ含有させた、やはり焼結温度の低い誘電体磁
器組成物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示され
た、少量のガラス質物質を含有する低温焼成可能な誘電
体磁器組成物により、確かにAg、Cu、Ag−Pd(Pd 10%以
下) 、Auといった低抵抗の金属材料との同時焼結が可能
になり、グリーンシート多層積層法により積層チップ型
の誘電体磁器部品を製造することができるようになっ
た。
た、少量のガラス質物質を含有する低温焼成可能な誘電
体磁器組成物により、確かにAg、Cu、Ag−Pd(Pd 10%以
下) 、Auといった低抵抗の金属材料との同時焼結が可能
になり、グリーンシート多層積層法により積層チップ型
の誘電体磁器部品を製造することができるようになっ
た。
【0010】しかし、こうして製造された積層チップ型
の誘電体磁器部品では、内部電極に使用した金属材料
が、金属の種類によっては焼成中に周囲の誘電体磁器に
拡散することが判明した。この拡散は、内部電極と誘電
体磁器との境界、または内部電極の端部で特に起こり易
い。
の誘電体磁器部品では、内部電極に使用した金属材料
が、金属の種類によっては焼成中に周囲の誘電体磁器に
拡散することが判明した。この拡散は、内部電極と誘電
体磁器との境界、または内部電極の端部で特に起こり易
い。
【0011】この内部電極の金属材料の拡散により、電
極の形状面では、電極を設計通りに寸法制御することが
困難となるという問題がある。誘電体磁器部品は今後も
ますます小型化することが見込まれ、それに伴って配線
がさらに微細化していくと、このままでは対応が困難と
なる。
極の形状面では、電極を設計通りに寸法制御することが
困難となるという問題がある。誘電体磁器部品は今後も
ますます小型化することが見込まれ、それに伴って配線
がさらに微細化していくと、このままでは対応が困難と
なる。
【0012】また、誘電体磁器に内部電極の金属材料が
拡散すると、共振周波数の温度係数(温度依存性) が劣
化するという問題も起こる。この温度係数が劣化する
と、例えばフィルタとして使用した場合に、フィルタの
中心周波数が温度により移動し、温度変化によりフィル
タの通過帯域がずれるため、通過帯域の幅を広めに設計
しなければならなくなる。その結果、十分な減衰量を確
保することが難しくなり、フィルタ性能が劣化する上、
減衰量の規格に対する余裕が小さくなり、歩留りにも悪
影響がある。
拡散すると、共振周波数の温度係数(温度依存性) が劣
化するという問題も起こる。この温度係数が劣化する
と、例えばフィルタとして使用した場合に、フィルタの
中心周波数が温度により移動し、温度変化によりフィル
タの通過帯域がずれるため、通過帯域の幅を広めに設計
しなければならなくなる。その結果、十分な減衰量を確
保することが難しくなり、フィルタ性能が劣化する上、
減衰量の規格に対する余裕が小さくなり、歩留りにも悪
影響がある。
【0013】さらに、特開平5−334914号公報に記載の
誘電体磁器組成物では、低温焼結助剤として使用するゲ
ルマニウム化合物が高価で、コスト高になるという問題
もあった。本発明の課題は、このような問題点が解消さ
れた、積層チップ型の誘電体磁器部品の製造に適した誘
電体磁器組成物を提供することである。
誘電体磁器組成物では、低温焼結助剤として使用するゲ
ルマニウム化合物が高価で、コスト高になるという問題
もあった。本発明の課題は、このような問題点が解消さ
れた、積層チップ型の誘電体磁器部品の製造に適した誘
電体磁器組成物を提供することである。
【0014】具体的には、比誘電率が高く、誘電損失が
小さく (即ち、Q値が大きく)、かつ共振周波数の温度
係数が小さいという、マイクロ波帯等で使われる誘電体
磁器に求められる特性を備え、さらに低抵抗の金属材料
と同時焼成が可能な低温焼結性を有し、この同時焼成中
に誘電体磁器への金属材料の拡散が抑えられる誘電体磁
器組成物を提供するものである。
小さく (即ち、Q値が大きく)、かつ共振周波数の温度
係数が小さいという、マイクロ波帯等で使われる誘電体
磁器に求められる特性を備え、さらに低抵抗の金属材料
と同時焼成が可能な低温焼結性を有し、この同時焼成中
に誘電体磁器への金属材料の拡散が抑えられる誘電体磁
器組成物を提供するものである。
【0015】マイクロ波帯等で用いられる誘電体共振器
やフィルタといった誘電体磁器部品の内部電極に用いら
れる低抵抗の金属材料のうち、Auは高価であり、Cuは易
酸化性であって大気中で焼成できないため、AgやAg−Pd
(Pd 10%以下) がよく用いられている。特に、Agは価格
が比較的安価であること、最も低抵抗であることから、
かかる用途の電極材料として最適である。従って、低温
焼結性として、Agの融点である961 ℃より低温、例えば
950 ℃以下、好ましくは940 ℃以下で焼結可能であるこ
とが有利である。また、同時焼成中の拡散についても、
特にAgの拡散を防止することが重要となる。
やフィルタといった誘電体磁器部品の内部電極に用いら
れる低抵抗の金属材料のうち、Auは高価であり、Cuは易
酸化性であって大気中で焼成できないため、AgやAg−Pd
(Pd 10%以下) がよく用いられている。特に、Agは価格
が比較的安価であること、最も低抵抗であることから、
かかる用途の電極材料として最適である。従って、低温
焼結性として、Agの融点である961 ℃より低温、例えば
950 ℃以下、好ましくは940 ℃以下で焼結可能であるこ
とが有利である。また、同時焼成中の拡散についても、
特にAgの拡散を防止することが重要となる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記組
成式 xBaO・yNd2O3・zTiO2・uPbO・vBi2O3 (ただし、 0.086<x<0.178 0.092<y<0.168 0.641<z<0.726 0.021<u<0.082 0.003<v<0.05 x+y+z+u+v=1) で示される主成分100 重量部に対し、副成分として、Cu
O を1〜3重量部、ZnO を1〜5重量部、B2O3を0.6 〜
1.4 重量部、およびGeO2とSiO2を合計2〜5重量部の割
合で含有し、ZnO の含有量がCuO の含有量より多く、か
つGeO2とSiO2の含有量の重量比が0.1 ≦SiO2/(GeO2+Si
O2) <0.9 であることを特徴とする、誘電体磁器組成物
により、上記の全ての課題を解決することができる。
成式 xBaO・yNd2O3・zTiO2・uPbO・vBi2O3 (ただし、 0.086<x<0.178 0.092<y<0.168 0.641<z<0.726 0.021<u<0.082 0.003<v<0.05 x+y+z+u+v=1) で示される主成分100 重量部に対し、副成分として、Cu
O を1〜3重量部、ZnO を1〜5重量部、B2O3を0.6 〜
1.4 重量部、およびGeO2とSiO2を合計2〜5重量部の割
合で含有し、ZnO の含有量がCuO の含有量より多く、か
つGeO2とSiO2の含有量の重量比が0.1 ≦SiO2/(GeO2+Si
O2) <0.9 であることを特徴とする、誘電体磁器組成物
により、上記の全ての課題を解決することができる。
【0017】具体的には、本発明の誘電体磁器組成物
は、比誘電率 (εr ) が60以上、Q値がf・Q値で示し
て2500以上、かつ共振周波数の温度係数 (τf ) が±20
ppm/℃以下の誘電体磁器を形成することができ、950
℃以下の温度で焼結可能であり、かつAgと接触させて焼
成した時に焼成中のAgの拡散量が最小限に抑制される。
また、SiO2を配合することで、高価なGeO2の配合量が低
減でき、低コスト化できると同時に、SiO2の配合量でτ
f を調整することが可能となる。
は、比誘電率 (εr ) が60以上、Q値がf・Q値で示し
て2500以上、かつ共振周波数の温度係数 (τf ) が±20
ppm/℃以下の誘電体磁器を形成することができ、950
℃以下の温度で焼結可能であり、かつAgと接触させて焼
成した時に焼成中のAgの拡散量が最小限に抑制される。
また、SiO2を配合することで、高価なGeO2の配合量が低
減でき、低コスト化できると同時に、SiO2の配合量でτ
f を調整することが可能となる。
【0018】本発明によれば、上記誘電体磁器組成物
と、これと同時焼成された銀の内部電極とを備えた、積
層チップ型誘電体磁器部品も提供される。かかる誘電体
磁器部品はマイクロ波帯等で使用される部品であり、具
体例としては、誘電体共振器、携帯電話等の無線電話機
に使用されるフィルタまたはデュプレクサ、衛星放送受
信器の局部発振器などが挙げられる。
と、これと同時焼成された銀の内部電極とを備えた、積
層チップ型誘電体磁器部品も提供される。かかる誘電体
磁器部品はマイクロ波帯等で使用される部品であり、具
体例としては、誘電体共振器、携帯電話等の無線電話機
に使用されるフィルタまたはデュプレクサ、衛星放送受
信器の局部発振器などが挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物の組成
を上記のように限定した理由について、次に説明する。
主成分として、比誘電率が大きく、Q値が大きく、かつ
共振周波数の温度係数が小さいことが知られているBaO-
Nd2O3-TiO2-PbO-Bi2O3系の誘電体材料を選択した。
を上記のように限定した理由について、次に説明する。
主成分として、比誘電率が大きく、Q値が大きく、かつ
共振周波数の温度係数が小さいことが知られているBaO-
Nd2O3-TiO2-PbO-Bi2O3系の誘電体材料を選択した。
【0020】この主成分のBaO の含有量 (x値) は、x
≧0.178 では焼結温度が高くなり、x≦0.086 では比誘
電率が低くなる。Nd2O3 の含有量 (y値) は、y≧0.16
8 とy≦0.092 のいずれでも焼結温度が高くなる。同様
にTiO2の含有量 (z値) も、z≧0.726 とz≦0.641 の
いずれでも、焼結温度が高くなる。PbO の含有量 (u
値) は、u≧0.082 では焼結温度が高くなり、x≦0.02
1 ではQ値が低くなる。Bi2O3 の含有量 (v値) は、v
≧0.05ではQ値が低くなり、v≦0.003 では焼結温度が
高くなる。
≧0.178 では焼結温度が高くなり、x≦0.086 では比誘
電率が低くなる。Nd2O3 の含有量 (y値) は、y≧0.16
8 とy≦0.092 のいずれでも焼結温度が高くなる。同様
にTiO2の含有量 (z値) も、z≧0.726 とz≦0.641 の
いずれでも、焼結温度が高くなる。PbO の含有量 (u
値) は、u≧0.082 では焼結温度が高くなり、x≦0.02
1 ではQ値が低くなる。Bi2O3 の含有量 (v値) は、v
≧0.05ではQ値が低くなり、v≦0.003 では焼結温度が
高くなる。
【0021】好ましい組成は、0.10≦x≦0.15、 0.1≦
y≦0.15、0.65≦z≦0.70、0.04≦u≦0.080 、 0.006
≦v≦0.025 である。
y≦0.15、0.65≦z≦0.70、0.04≦u≦0.080 、 0.006
≦v≦0.025 である。
【0022】この主成分に対して、上記の誘電体磁器の
特性を著しく阻害せずに低温焼結性を付与すると同時
に、焼成中に誘電体磁器へのAgの拡散を防止し、かつコ
スト高とならないように、副成分として、2価金属酸化
物であるCuO とZnO 、3価金属酸化物のB2O3、さらに4
価金属酸化物のGeO2とSiO2を少量ずつ配合する。4価金
属酸化物は、その90重量%までをSiO2で代替しても、誘
電体磁器部品としての性能に著しい劣化がないことを本
発明者らは見出した。SiO2はGeO2に比べれば非常に安価
であるので、SiO2を使用することで誘電体磁器部品の低
コスト化が可能となる。
特性を著しく阻害せずに低温焼結性を付与すると同時
に、焼成中に誘電体磁器へのAgの拡散を防止し、かつコ
スト高とならないように、副成分として、2価金属酸化
物であるCuO とZnO 、3価金属酸化物のB2O3、さらに4
価金属酸化物のGeO2とSiO2を少量ずつ配合する。4価金
属酸化物は、その90重量%までをSiO2で代替しても、誘
電体磁器部品としての性能に著しい劣化がないことを本
発明者らは見出した。SiO2はGeO2に比べれば非常に安価
であるので、SiO2を使用することで誘電体磁器部品の低
コスト化が可能となる。
【0023】主成分100 重量部当たりの副成分の配合量
として、CuO が1重量部より少ないと焼結温度が高くな
り、3重量部を超えるとQ値が著しく劣化し、Agの拡散
量も多くなる。ZnO の配合量が1重量部より少ないと、
Q値の著しい劣化とAgの拡散量の増大が起こり、5重量
部を超えると温度特性 (共振周波数の温度係数) が悪く
なる。2価金属酸化物は、ZnO の含有量がCuO の含有量
より多くなるように配合する。ZnO とCuO の含有量がい
ずれも上記範囲を満たしていても、ZnO ≦CuOになる
と、Agの拡散量が著しく増大する。
として、CuO が1重量部より少ないと焼結温度が高くな
り、3重量部を超えるとQ値が著しく劣化し、Agの拡散
量も多くなる。ZnO の配合量が1重量部より少ないと、
Q値の著しい劣化とAgの拡散量の増大が起こり、5重量
部を超えると温度特性 (共振周波数の温度係数) が悪く
なる。2価金属酸化物は、ZnO の含有量がCuO の含有量
より多くなるように配合する。ZnO とCuO の含有量がい
ずれも上記範囲を満たしていても、ZnO ≦CuOになる
と、Agの拡散量が著しく増大する。
【0024】3価金属酸化物のB2O3の配合量が0.6 重量
部より少ないと焼結温度が高くなり、1.4 重量部より多
くなるとAgの拡散量が増大する。4価金属酸化物である
GeO2とSiO2については、その合計含有量が2重量部より
少ないと焼結温度が高くなり、5重量部を超えると、比
誘電率が低くなる。また、4価金属酸化物中のSiO2の重
量比 [SiO2/(GeO2+SiO2)]が0.1 未満では、GeO2の一部
をSiO2に代替したことによるコスト低下効果がほとんど
なく、この重量比が0.9 以上では、焼成温度が高くな
り、温度特性も悪くなる。
部より少ないと焼結温度が高くなり、1.4 重量部より多
くなるとAgの拡散量が増大する。4価金属酸化物である
GeO2とSiO2については、その合計含有量が2重量部より
少ないと焼結温度が高くなり、5重量部を超えると、比
誘電率が低くなる。また、4価金属酸化物中のSiO2の重
量比 [SiO2/(GeO2+SiO2)]が0.1 未満では、GeO2の一部
をSiO2に代替したことによるコスト低下効果がほとんど
なく、この重量比が0.9 以上では、焼成温度が高くな
り、温度特性も悪くなる。
【0025】これらの副成分の好ましい配合量は、主成
分100 重量部当たり、CuO が1〜2重量部、 ZnOが1〜
4重量部、B2O3が 0.5〜0.75重量部、4価金属酸化物
(GeO2とSiO2) が合計 2.5〜4重量部である。4価金属
酸化物中のSiO2の重量比 [SiO2/(GeO2+SiO2)]は、SiO2
による低コスト化を考慮すると、好ましくは0.3 以上、
さらに好ましくは0.4 以上、最も好ましくは0.5 以上で
ある。
分100 重量部当たり、CuO が1〜2重量部、 ZnOが1〜
4重量部、B2O3が 0.5〜0.75重量部、4価金属酸化物
(GeO2とSiO2) が合計 2.5〜4重量部である。4価金属
酸化物中のSiO2の重量比 [SiO2/(GeO2+SiO2)]は、SiO2
による低コスト化を考慮すると、好ましくは0.3 以上、
さらに好ましくは0.4 以上、最も好ましくは0.5 以上で
ある。
【0026】本発明に係る組成を持つ誘電体磁器は、常
法により製造することができる。即ち、各成分の金属酸
化物または焼成中に金属酸化物に変化する適当な前駆化
合物(例、炭酸塩、カルボン酸塩など) を所定の組成を
生ずるような割合で混合し、必要に応じて成形し、焼結
温度以上で焼成すればよい。
法により製造することができる。即ち、各成分の金属酸
化物または焼成中に金属酸化物に変化する適当な前駆化
合物(例、炭酸塩、カルボン酸塩など) を所定の組成を
生ずるような割合で混合し、必要に応じて成形し、焼結
温度以上で焼成すればよい。
【0027】本発明に係る誘電体磁器組成物は、前述し
たグリーンシート多層積層法により積層チップ型の誘電
体磁器部品を製造するのに適している。グリーンシート
は、常法に従って、各成分の金属酸化物またはその前駆
化合物を所定の組成を生ずるような割合で混合した混合
粉末を有機ビヒクル (有機溶媒中にバインダーや必要に
応じて可塑剤などの他の添加剤を溶解させた溶液) によ
りスラリー化し、ドクターブレード等によりテープ成形
し、乾燥させて溶媒の大半を除去することにより製造で
きる。
たグリーンシート多層積層法により積層チップ型の誘電
体磁器部品を製造するのに適している。グリーンシート
は、常法に従って、各成分の金属酸化物またはその前駆
化合物を所定の組成を生ずるような割合で混合した混合
粉末を有機ビヒクル (有機溶媒中にバインダーや必要に
応じて可塑剤などの他の添加剤を溶解させた溶液) によ
りスラリー化し、ドクターブレード等によりテープ成形
し、乾燥させて溶媒の大半を除去することにより製造で
きる。
【0028】このグリーンシートを適当な寸法に切断
し、その一部に内部電極を形成するために低抵抗の金属
材料を主成分とする導体ペーストを所定形状にスクリー
ン印刷してから、グリーンシートを積層して熱圧着さ
せ、積層体を必要であれば切断してから、金属材料の融
点より低温で焼成してグリーンシートと導体ペーストを
同時に焼結させ、得られた焼結体に所定の外部電極を形
成すると、積層チップ型の誘電体磁器部品が完成する。
外部電極形成用の導体ペーストは、焼成前に塗布し、同
時焼結させてもよい。
し、その一部に内部電極を形成するために低抵抗の金属
材料を主成分とする導体ペーストを所定形状にスクリー
ン印刷してから、グリーンシートを積層して熱圧着さ
せ、積層体を必要であれば切断してから、金属材料の融
点より低温で焼成してグリーンシートと導体ペーストを
同時に焼結させ、得られた焼結体に所定の外部電極を形
成すると、積層チップ型の誘電体磁器部品が完成する。
外部電極形成用の導体ペーストは、焼成前に塗布し、同
時焼結させてもよい。
【0029】積層チップ型の誘電体共振器の構造の1例
を図1に示す。図1(a) は平面図、図1(b) は断面図で
ある。図示の誘電体共振器は、誘電体ブロック42の内部
に、短冊状のストリップラインを構成する内部電極43
が、間に誘電体45を挟んで多層(図示例では3層) に配
置されている。各内部電極43は、短辺の一端が開放端と
なり、その開放端は互いに電気的に接続されている。内
部電極43の他端は、外部電極44に接続されている。外部
電極44は、内部電極の開放端が面する平面を除いて、誘
電体ブロック42の外面の全面を覆っており、接地導体と
して機能する。
を図1に示す。図1(a) は平面図、図1(b) は断面図で
ある。図示の誘電体共振器は、誘電体ブロック42の内部
に、短冊状のストリップラインを構成する内部電極43
が、間に誘電体45を挟んで多層(図示例では3層) に配
置されている。各内部電極43は、短辺の一端が開放端と
なり、その開放端は互いに電気的に接続されている。内
部電極43の他端は、外部電極44に接続されている。外部
電極44は、内部電極の開放端が面する平面を除いて、誘
電体ブロック42の外面の全面を覆っており、接地導体と
して機能する。
【0030】積層チップ型のフィルタの場合には、スト
リップラインを構成する内部電極の数や内部電極の形状
が変更される。こうして形成された積層チップ型の誘電
体共振器、フィルタ等の誘電体磁器部品は、他の素子と
一緒に基板上に表面実装することができ、携帯電話等の
機器の小型化が可能になるだけでなく、その製造工程も
簡略化される。
リップラインを構成する内部電極の数や内部電極の形状
が変更される。こうして形成された積層チップ型の誘電
体共振器、フィルタ等の誘電体磁器部品は、他の素子と
一緒に基板上に表面実装することができ、携帯電話等の
機器の小型化が可能になるだけでなく、その製造工程も
簡略化される。
【0031】内部電極用の好ましい導体材料は、比較的
安価で、低抵抗、かつ大気中で焼成できるAgである。本
発明に係る誘電体磁器組成物を使用すると、内部電極の
形成に銀ペーストを使用しても、必要な950 ℃以下、好
ましくは940 ℃以下の温度での低温焼成が可能であり、
しかも焼成中の誘電体磁器へのAgの拡散が抑制されるた
め、誘電体磁器の温度特性の劣化や電極形状の変形が起
こらず、配線の微細化にも十分に対応可能である。
安価で、低抵抗、かつ大気中で焼成できるAgである。本
発明に係る誘電体磁器組成物を使用すると、内部電極の
形成に銀ペーストを使用しても、必要な950 ℃以下、好
ましくは940 ℃以下の温度での低温焼成が可能であり、
しかも焼成中の誘電体磁器へのAgの拡散が抑制されるた
め、誘電体磁器の温度特性の劣化や電極形状の変形が起
こらず、配線の微細化にも十分に対応可能である。
【0032】例えば、フィルタの場合、誘電体磁器への
Agの拡散が抑制されて温度特性の劣化が防止できると、
予め通過帯域の幅を広めに設計する必要がなくなり、十
分な減衰量を有する急峻なフィルタ波形を得ることがで
き、また同時に歩留りの向上が可能となる。
Agの拡散が抑制されて温度特性の劣化が防止できると、
予め通過帯域の幅を広めに設計する必要がなくなり、十
分な減衰量を有する急峻なフィルタ波形を得ることがで
き、また同時に歩留りの向上が可能となる。
【0033】
【実施例】(1) 誘電体磁器サンプルの調製 いずれも純度98重量%以上という高純度の炭酸バリウム
(BaCO3) 、酸化ネオジウム(Nd2O3) 、酸化チタン(Ti
O2)、酸化鉛(PbO) 、酸化ビスマス(Bi2O3) 、酸化亜鉛
(ZnO) 、酸化銅(CuO) 、酸化ゲルマニウム(GeO2)、無水
ホウ素(B2O3)、酸化珪素(SiO2)をそれぞれ所定の組成を
与えるように秤量して、ボールミルで24時間湿式混合し
た後、乾燥させて、粉末混合物を得た。
(BaCO3) 、酸化ネオジウム(Nd2O3) 、酸化チタン(Ti
O2)、酸化鉛(PbO) 、酸化ビスマス(Bi2O3) 、酸化亜鉛
(ZnO) 、酸化銅(CuO) 、酸化ゲルマニウム(GeO2)、無水
ホウ素(B2O3)、酸化珪素(SiO2)をそれぞれ所定の組成を
与えるように秤量して、ボールミルで24時間湿式混合し
た後、乾燥させて、粉末混合物を得た。
【0034】この粉末混合物を 800〜900 ℃の温度で約
3時間仮焼した後、ボールミルで24時間湿式粉砕し、乾
燥させた。その後、この乾燥粉末に、約1重量%のバイ
ンダー (ポリビニルアルコール樹脂) を添加し、整粒し
た後、約1500 kg/cm2 の圧力で直径16 mm ×高さ8 mmの
円柱状に成形し、 860〜1360℃の温度で約2時間空気中
で焼成して、誘電体磁器のサンプルを調製した。
3時間仮焼した後、ボールミルで24時間湿式粉砕し、乾
燥させた。その後、この乾燥粉末に、約1重量%のバイ
ンダー (ポリビニルアルコール樹脂) を添加し、整粒し
た後、約1500 kg/cm2 の圧力で直径16 mm ×高さ8 mmの
円柱状に成形し、 860〜1360℃の温度で約2時間空気中
で焼成して、誘電体磁器のサンプルを調製した。
【0035】(2) 電気特性の評価 得られた誘電体磁器のサンプルを、誘電体円柱共振器法
により、共振周波数3〜5GHz 、室温で比誘電率
(εr ) とQ値 (f・Q値) を測定した。また、−30℃
〜+85℃の温度範囲のいくつかの温度で共振周波数を測
定し、25℃における共振周波数を基準とした変化率か
ら、共振周波数の温度係数 (τf ) を求めた。
により、共振周波数3〜5GHz 、室温で比誘電率
(εr ) とQ値 (f・Q値) を測定した。また、−30℃
〜+85℃の温度範囲のいくつかの温度で共振周波数を測
定し、25℃における共振周波数を基準とした変化率か
ら、共振周波数の温度係数 (τf ) を求めた。
【0036】(3) 内部電極を持つ誘電体磁器サンプルの
調製 Agの拡散について試験するため、Agが融解しない温度で
焼成が十分に可能である焼成温度が940 ℃以下であった
誘電体磁器について、Agの内部導体を有する積層チップ
形の誘電体磁器サンプルを次のようにして調製した。
調製 Agの拡散について試験するため、Agが融解しない温度で
焼成が十分に可能である焼成温度が940 ℃以下であった
誘電体磁器について、Agの内部導体を有する積層チップ
形の誘電体磁器サンプルを次のようにして調製した。
【0037】上記(1) と同様にして、原料粉末の秤量、
湿式混合、乾燥、仮焼、湿式粉砕、乾燥という工程を行
って得た乾燥粉末を、その約60重量%の量の主にキシレ
ンからなる有機溶剤と一緒にボールミルで24時間混合す
る。得られたスラリーに、乾燥粉末の約8重量%のバイ
ンダー (ポリビニルブチラール樹脂) を加えてさらにボ
ールミルで24時間混合する。
湿式混合、乾燥、仮焼、湿式粉砕、乾燥という工程を行
って得た乾燥粉末を、その約60重量%の量の主にキシレ
ンからなる有機溶剤と一緒にボールミルで24時間混合す
る。得られたスラリーに、乾燥粉末の約8重量%のバイ
ンダー (ポリビニルブチラール樹脂) を加えてさらにボ
ールミルで24時間混合する。
【0038】このスラリーをドクターブレード法により
テープ成形し、乾燥させた後、切断して、一辺80 mm 、
厚み100 μmの正方形のグリーンシートを得る。このグ
リーンシートの一部に、内部電極を形成するために、Ag
ペーストをスクリーン印刷する。Agペーストは、1シー
トに、2.5 mm×2.5 mmの正方形の電極が、間に2.5 mmの
間隔を設けて縦横15列づつ合計225 個形成されるように
印刷する。なお、Agペーストの印刷厚みは50μmとし、
バラツキのないように印刷条件を設定・管理する。
テープ成形し、乾燥させた後、切断して、一辺80 mm 、
厚み100 μmの正方形のグリーンシートを得る。このグ
リーンシートの一部に、内部電極を形成するために、Ag
ペーストをスクリーン印刷する。Agペーストは、1シー
トに、2.5 mm×2.5 mmの正方形の電極が、間に2.5 mmの
間隔を設けて縦横15列づつ合計225 個形成されるように
印刷する。なお、Agペーストの印刷厚みは50μmとし、
バラツキのないように印刷条件を設定・管理する。
【0039】Agペーストを印刷したグリーンシートの上
下に、印刷していないグリーンシートを2枚づつ配置
し、180 kg/cm2、90℃で熱プレスを行って積層体を得
る。この積層体を、各片がそれぞれ内部電極を1個ずつ
含むように、所定の形状 (5mm×5mmの正方形) に切断
した後、 860〜940 ℃の所定の温度で2時間焼成して、
試験用の誘電体磁器サンプルを得る。
下に、印刷していないグリーンシートを2枚づつ配置
し、180 kg/cm2、90℃で熱プレスを行って積層体を得
る。この積層体を、各片がそれぞれ内部電極を1個ずつ
含むように、所定の形状 (5mm×5mmの正方形) に切断
した後、 860〜940 ℃の所定の温度で2時間焼成して、
試験用の誘電体磁器サンプルを得る。
【0040】(4) Agの拡散の評価 上記の内部電極を有する積層チップ型の誘電体磁器サン
プルからランダムに選んだサンプルの側面を、内部電極
のAg層が露出するように研磨しながら、電極の先端付近
が露出した時点、電極のほぼ中央部が露出した時点、お
よび電極の終端付近が露出した時点の3カ所について、
電極周囲の断面のSEM写真を撮影する。撮影されたS
EM写真の1例 (電極の中央部が露出した時点のもの)
を、図2に示す。各SEM写真を上質紙 (厚みが一様)
にコピーし、Ag部分と誘電体磁器の境界にできた空隙を
切り取って、その重量を測定する。一方、同じ写真のコ
ピーから50μm平方の正方形 (=2500μm2) を切取り、
やはり重量を測定する。空隙の面積は、空隙断片の重量
/50μm平方の正方形の重量として求められる。この空
隙は、電極材料であるAgが周囲の誘電体磁器中に拡散し
て空洞化することにより生じたものであるので、空隙の
面積からAgの拡散の程度を評価することができる。3枚
のSEM写真から求めた空隙の面積の平均値を、Agの拡
散の程度を示す指標として記録する。
プルからランダムに選んだサンプルの側面を、内部電極
のAg層が露出するように研磨しながら、電極の先端付近
が露出した時点、電極のほぼ中央部が露出した時点、お
よび電極の終端付近が露出した時点の3カ所について、
電極周囲の断面のSEM写真を撮影する。撮影されたS
EM写真の1例 (電極の中央部が露出した時点のもの)
を、図2に示す。各SEM写真を上質紙 (厚みが一様)
にコピーし、Ag部分と誘電体磁器の境界にできた空隙を
切り取って、その重量を測定する。一方、同じ写真のコ
ピーから50μm平方の正方形 (=2500μm2) を切取り、
やはり重量を測定する。空隙の面積は、空隙断片の重量
/50μm平方の正方形の重量として求められる。この空
隙は、電極材料であるAgが周囲の誘電体磁器中に拡散し
て空洞化することにより生じたものであるので、空隙の
面積からAgの拡散の程度を評価することができる。3枚
のSEM写真から求めた空隙の面積の平均値を、Agの拡
散の程度を示す指標として記録する。
【0041】以上の結果を、誘電体磁器の組成と一緒
に、次の表1にまとめて示す。なお、表1において、主
成分のBaO 、Nd2O3 、TiO2、PbO 、およびBi2O3 の含有
量(x),(y), (z), (u), (v) はそれぞれ主成分中のモル
比であり、副成分のCuO 、ZnO、B2O3、および4価金属
酸化物 (GeO2+SiO2) の含有量(a) 、(b) 、(c) 、(d)
は、それぞれ主成分100 重量部当たりの重量部である。
また、SiO2比は、SiO2/(GeO2+SiO2) の値である。*を
付した含有量は、本発明の範囲外であることを意味し、
CuO とZnO の含有量に付した+印は、含有量の数値は本
発明の範囲内であるが、ZnO の含有量がCuO の含有量よ
り多いという要件を満たしていないことを示す。τf の
単位は ppm/℃である。また、区分の欄における「比」
は比較例を、「実」は実施例を意味する。
に、次の表1にまとめて示す。なお、表1において、主
成分のBaO 、Nd2O3 、TiO2、PbO 、およびBi2O3 の含有
量(x),(y), (z), (u), (v) はそれぞれ主成分中のモル
比であり、副成分のCuO 、ZnO、B2O3、および4価金属
酸化物 (GeO2+SiO2) の含有量(a) 、(b) 、(c) 、(d)
は、それぞれ主成分100 重量部当たりの重量部である。
また、SiO2比は、SiO2/(GeO2+SiO2) の値である。*を
付した含有量は、本発明の範囲外であることを意味し、
CuO とZnO の含有量に付した+印は、含有量の数値は本
発明の範囲内であるが、ZnO の含有量がCuO の含有量よ
り多いという要件を満たしていないことを示す。τf の
単位は ppm/℃である。また、区分の欄における「比」
は比較例を、「実」は実施例を意味する。
【0042】
【表1】
【0043】表1からわかるように、本発明より、比誘
電率が63〜73、Q値 (f・Q値) が2500〜3000、共振周
波数の温度特性が−13〜+20ppm/℃と、マイクロ波用材
料として十分な優れた電気特性を有するとともに、 860
〜940 ℃の低温で焼成でき、しかも同時焼成によりAgの
内部電極を形成した時に、Agの拡散が、上記の拡散面積
で20μm2以下と最小限に抑制できる誘電体磁器が得られ
た。
電率が63〜73、Q値 (f・Q値) が2500〜3000、共振周
波数の温度特性が−13〜+20ppm/℃と、マイクロ波用材
料として十分な優れた電気特性を有するとともに、 860
〜940 ℃の低温で焼成でき、しかも同時焼成によりAgの
内部電極を形成した時に、Agの拡散が、上記の拡散面積
で20μm2以下と最小限に抑制できる誘電体磁器が得られ
た。
【0044】試験No. 28に示すように、4価金属酸化物
が全て高価なGeO2からなり、SiO2が0の場合も、同様に
上記の望ましい特性を示す誘電体磁器になる。しかし、
4価金属酸化物の全体の90重量%未満であれば、GeO2の
一部を安価なシリカで代替しても、誘電体磁器の特性に
著しい変化はなかった。例えば、50重量%から80重量%
程度といったGeO2の大部分をSiO2に代替できるため、材
料コストが削減される。さらに、試験No. 25〜28からわ
かるように、GeO2とSiO2の合計量は同じにしたまま、Si
O2の割合を変化させると、他の特性を著しく変化させず
に、共振周波数の温度係数を変化させることができるの
で、この温度係数を0ppm /℃付近の所望の値に調整す
ることができる。
が全て高価なGeO2からなり、SiO2が0の場合も、同様に
上記の望ましい特性を示す誘電体磁器になる。しかし、
4価金属酸化物の全体の90重量%未満であれば、GeO2の
一部を安価なシリカで代替しても、誘電体磁器の特性に
著しい変化はなかった。例えば、50重量%から80重量%
程度といったGeO2の大部分をSiO2に代替できるため、材
料コストが削減される。さらに、試験No. 25〜28からわ
かるように、GeO2とSiO2の合計量は同じにしたまま、Si
O2の割合を変化させると、他の特性を著しく変化させず
に、共振周波数の温度係数を変化させることができるの
で、この温度係数を0ppm /℃付近の所望の値に調整す
ることができる。
【0045】一方、試験No. 28以外の比較例の結果から
わかるように、誘電体磁器の組成が本発明の範囲外で
は、少なくとも一つの特性が上記の望ましい範囲を満た
すことができなかった。特に、試験No.29 に示すよう
に、含有量が全て本発明で規定する範囲内であっても、
CuO がZnO と同量以上になると、Agの拡散量が増大し、
Agの拡散抑制効果が失われることが注目される。
わかるように、誘電体磁器の組成が本発明の範囲外で
は、少なくとも一つの特性が上記の望ましい範囲を満た
すことができなかった。特に、試験No.29 に示すよう
に、含有量が全て本発明で規定する範囲内であっても、
CuO がZnO と同量以上になると、Agの拡散量が増大し、
Agの拡散抑制効果が失われることが注目される。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る誘電体磁器組成物は、内部
電極にAg導体を用いて、電極と誘電体磁器を同時に焼成
するグリーンシート多層積層法により、低温焼成で、誘
電特性と温度特性に優れた積層チップ型の誘電体磁器部
品を製造することができ、しかも同時焼成中の誘電体磁
器へのAgの拡散が著しく抑制される。その結果、例え
ば、フィルタの場合には、前述したようにフィルタ波形
を急峻に設計することが可能となり、フィルタの高性能
化、小型化、歩留り向上が可能となる。また、高価なGe
O2の大半を安価なSiO2に変更しても、性能が実質的に劣
らないため、低コストで製品を製造できる。
電極にAg導体を用いて、電極と誘電体磁器を同時に焼成
するグリーンシート多層積層法により、低温焼成で、誘
電特性と温度特性に優れた積層チップ型の誘電体磁器部
品を製造することができ、しかも同時焼成中の誘電体磁
器へのAgの拡散が著しく抑制される。その結果、例え
ば、フィルタの場合には、前述したようにフィルタ波形
を急峻に設計することが可能となり、フィルタの高性能
化、小型化、歩留り向上が可能となる。また、高価なGe
O2の大半を安価なSiO2に変更しても、性能が実質的に劣
らないため、低コストで製品を製造できる。
【図1】積層チップ型の誘電体共振器の構造の1例を示
す説明図である。
す説明図である。
【図2】内部にAg電極を形成した誘電体磁器の焼成中の
Agの拡散を調べるためのSEM写真の1例とその模式図
である。
Agの拡散を調べるためのSEM写真の1例とその模式図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
Claims (2)
- 【請求項1】 下記組成式 xBaO・yNd2O3・zTiO2・uPbO・vBi2O3 (ただし、 0.086<x<0.178 0.092<y<0.168 0.641<z<0.726 0.021<u<0.082 0.003<v<0.05 x+y+z+u+v=1) で示される主成分100 重量部に対し、副成分として、 CuO を1〜3重量部、 ZnO を1〜5重量部、 B2O3を0.6 〜1.4 重量部、および GeO2とSiO2を合計2〜5重量部 の割合で含有し、ZnO の含有量がCuO の含有量より多
く、かつGeO2とSiO2の含有量の重量比が0.1 ≦SiO2/(G
eO2+SiO2) <0.9 であることを特徴とする、誘電体磁器
組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の誘電体磁器組成物と、こ
れと同時焼成された銀の内部電極とを備えた積層チップ
型誘電体磁器部品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10045843A JPH11240752A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10045843A JPH11240752A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11240752A true JPH11240752A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=12730510
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10045843A Pending JPH11240752A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11240752A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003020271A (ja) * | 2001-05-01 | 2003-01-24 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 誘電体磁器組成物及びそれを用いた磁器コンデンサ並びにそれらの製造方法 |
| CN112299837A (zh) * | 2020-10-28 | 2021-02-02 | 华中科技大学 | 一种低介微波介质陶瓷材料及其温频特性调控方法 |
-
1998
- 1998-02-26 JP JP10045843A patent/JPH11240752A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003020271A (ja) * | 2001-05-01 | 2003-01-24 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 誘電体磁器組成物及びそれを用いた磁器コンデンサ並びにそれらの製造方法 |
| CN112299837A (zh) * | 2020-10-28 | 2021-02-02 | 华中科技大学 | 一种低介微波介质陶瓷材料及其温频特性调控方法 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031104 |