JPH11246597A - 有用タンパク質の安定化方法および有用タンパク質組成物 - Google Patents
有用タンパク質の安定化方法および有用タンパク質組成物Info
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- JPH11246597A JPH11246597A JP10367567A JP36756798A JPH11246597A JP H11246597 A JPH11246597 A JP H11246597A JP 10367567 A JP10367567 A JP 10367567A JP 36756798 A JP36756798 A JP 36756798A JP H11246597 A JPH11246597 A JP H11246597A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】有用タンパク質を安定に保管する。
【解決手段】アラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液と有用タンパク質を混合する。
液と有用タンパク質を混合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有用タンパク質の安
定化および保存方法ならびに有用タンパク質の生理活性
を安定に保持することが可能な組成物に関する。
定化および保存方法ならびに有用タンパク質の生理活性
を安定に保持することが可能な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質、特に酵素、生理活性を持つ
有用タンパク質等は遺伝子組み換え技術などにより安価
に量産できるようになっていることから、さまざまな分
野、特に医薬、診断薬あるいは食品分野などで利用され
るようになっている。一方でタンパク質は分解などによ
りその一次構造にダメージを受けた場合に失活するのは
もちろんのこと、その機能が高次構造によるところも大
きく、タンパク質の種類によって程度の違いはあるが、
さまざまな外的要因(温度、時間的変化、光、pH)に
より容易に高次構造が崩れ、その機能(生理活性)を失
ってしまうという問題があることから、タンパク質の高
次構造を安定化させ、生理活性を維持させる方法が研究
されている。
有用タンパク質等は遺伝子組み換え技術などにより安価
に量産できるようになっていることから、さまざまな分
野、特に医薬、診断薬あるいは食品分野などで利用され
るようになっている。一方でタンパク質は分解などによ
りその一次構造にダメージを受けた場合に失活するのは
もちろんのこと、その機能が高次構造によるところも大
きく、タンパク質の種類によって程度の違いはあるが、
さまざまな外的要因(温度、時間的変化、光、pH)に
より容易に高次構造が崩れ、その機能(生理活性)を失
ってしまうという問題があることから、タンパク質の高
次構造を安定化させ、生理活性を維持させる方法が研究
されている。
【0003】現在、タンパク質の安定化方法として有用
かつ一般的であるのは、他のタンパク質(ゼラチン、ア
ルブミン、血清、コラーゲンなど)と混合させることで
あり、ゼラチンや血清と混合することで比較的長期間保
存できるようになり、医薬品として製品化された酵素お
よび生理活性タンパク質は多く知られている(特開平2
−264728号公報、特開平2−49734号公報、
特開昭54−80406号公報、特開昭56−6860
7号公報)。
かつ一般的であるのは、他のタンパク質(ゼラチン、ア
ルブミン、血清、コラーゲンなど)と混合させることで
あり、ゼラチンや血清と混合することで比較的長期間保
存できるようになり、医薬品として製品化された酵素お
よび生理活性タンパク質は多く知られている(特開平2
−264728号公報、特開平2−49734号公報、
特開昭54−80406号公報、特開昭56−6860
7号公報)。
【0004】免疫調節作用、抗ウイルス作用を持つ生理
活性物質であり医薬用途で注目されているインターフェ
ロン(IFN)の安定化について挙げるならば、特開昭
60−228422号公報、特開昭60−34919号
公報、特開昭61−137828号公報、特開昭60−
260523号公報においてアルブミンやゼラチンと混
合することにより安定化する方法が開示されている。ま
た、タンパク質以外の化合物でタンパク質の安定化作用
がある化合物の例としては、糖類、特に単糖類、二糖類
およびデキストランやヒドロキシエチルデンプンのよう
な多糖類と混合させる方法(特開昭59−181223
号公報、特公平6−51641号公報、特開昭61−4
4826号公報、特開昭60−155136号公報)あ
るいはサイクロデキストリンや多価糖アルコールを安定
化剤とする方法がある(特開昭58−92691号公
報、特公平3−500882号公報)。
活性物質であり医薬用途で注目されているインターフェ
ロン(IFN)の安定化について挙げるならば、特開昭
60−228422号公報、特開昭60−34919号
公報、特開昭61−137828号公報、特開昭60−
260523号公報においてアルブミンやゼラチンと混
合することにより安定化する方法が開示されている。ま
た、タンパク質以外の化合物でタンパク質の安定化作用
がある化合物の例としては、糖類、特に単糖類、二糖類
およびデキストランやヒドロキシエチルデンプンのよう
な多糖類と混合させる方法(特開昭59−181223
号公報、特公平6−51641号公報、特開昭61−4
4826号公報、特開昭60−155136号公報)あ
るいはサイクロデキストリンや多価糖アルコールを安定
化剤とする方法がある(特開昭58−92691号公
報、特公平3−500882号公報)。
【0005】また、ラクトビオン酸によって、活性の高
いIFN−γの二量体を優勢にさせる方法もある(特公
平3−501604号公報)。
いIFN−γの二量体を優勢にさせる方法もある(特公
平3−501604号公報)。
【0006】アラビアゴムとタンパク質の混合物の報告
としては、アラビアゴム水溶液を薬剤の分散剤として用
いたものが多いが(特開平6−321803号公報な
ど)、希に抗体産生において抗原とするタンパク質を単
独で投与するよりもアラビアゴムとの混合物として投与
する方が抗体産生量が増加した例(特公昭58−238
47号公報)や抗ガン剤と著量のアラビアゴムとの併用
により抗ガン活性が増した例(特開平3−127740
号公報)あるいは薬剤(ポリペプチド)とアラビアゴム
の複合体を合成することで薬剤の特定の細胞への輸送効
率を高めた例(米国特許第5554386号公報)など
特殊な報告例もある。しかし、アラビアゴムと混合する
ことによる有用タンパク質の安定化方法、または、アラ
ビアゴムと混合することにより安定化された有用タンパ
ク質組成物については知られていない。
としては、アラビアゴム水溶液を薬剤の分散剤として用
いたものが多いが(特開平6−321803号公報な
ど)、希に抗体産生において抗原とするタンパク質を単
独で投与するよりもアラビアゴムとの混合物として投与
する方が抗体産生量が増加した例(特公昭58−238
47号公報)や抗ガン剤と著量のアラビアゴムとの併用
により抗ガン活性が増した例(特開平3−127740
号公報)あるいは薬剤(ポリペプチド)とアラビアゴム
の複合体を合成することで薬剤の特定の細胞への輸送効
率を高めた例(米国特許第5554386号公報)など
特殊な報告例もある。しかし、アラビアゴムと混合する
ことによる有用タンパク質の安定化方法、または、アラ
ビアゴムと混合することにより安定化された有用タンパ
ク質組成物については知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】医薬用添加物、特に注
射用医薬品の添加物としてタンパク質を用いる場合、添
加物自身が生体にとって異種のタンパク質であるので添
加量によってはアレルギーを引き起こす可能性があるこ
と、また医薬品に種々な目的で添加可能なタンパク質と
してよく用いられるウシ由来のゼラチンにおいては狂牛
病の原因タンパク質が混入することを確実に避けること
が困難であることなど様々な問題が指摘されている。そ
こで、タンパク質以外で、生体に無毒であり、タンパク
質の安定化作用を持つ化合物が求められており、そのよ
うな例として、糖類、多価アルコールなどが知られてい
るが、水溶液状態で有用蛋白質の活性低下が無い状態で
長期保存することは一般に困難である。凍結乾燥品など
固形状態ではある程度保存可能となっても、溶解時や溶
解後の水溶液では十分な効果を持つ化合物は少ない。
射用医薬品の添加物としてタンパク質を用いる場合、添
加物自身が生体にとって異種のタンパク質であるので添
加量によってはアレルギーを引き起こす可能性があるこ
と、また医薬品に種々な目的で添加可能なタンパク質と
してよく用いられるウシ由来のゼラチンにおいては狂牛
病の原因タンパク質が混入することを確実に避けること
が困難であることなど様々な問題が指摘されている。そ
こで、タンパク質以外で、生体に無毒であり、タンパク
質の安定化作用を持つ化合物が求められており、そのよ
うな例として、糖類、多価アルコールなどが知られてい
るが、水溶液状態で有用蛋白質の活性低下が無い状態で
長期保存することは一般に困難である。凍結乾燥品など
固形状態ではある程度保存可能となっても、溶解時や溶
解後の水溶液では十分な効果を持つ化合物は少ない。
【0008】また幅広いpHで生理活性タンパク質を安
定に保つことは困難であり、さらに安全で効果の高い安
定化剤が望まれている。
定に保つことは困難であり、さらに安全で効果の高い安
定化剤が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、新たにアラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液を有用タンパク質と混合することによりタンパク質の
活性を安定に保つことができることを見いだした。さら
に、この混合液を凍結乾燥することによって得られた有
用タンパク質の組成物は高い生理活性を保持しており、
また、この組成物は水溶液状態へ復元した後もその生理
活性を高いレベルで維持できることを見い出し、本発明
に至った。
結果、新たにアラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液を有用タンパク質と混合することによりタンパク質の
活性を安定に保つことができることを見いだした。さら
に、この混合液を凍結乾燥することによって得られた有
用タンパク質の組成物は高い生理活性を保持しており、
また、この組成物は水溶液状態へ復元した後もその生理
活性を高いレベルで維持できることを見い出し、本発明
に至った。
【0010】即ち、本発明は、アラビン酸の基本構造を
持つ化合物の水溶液と混合することによる有用タンパク
質の安定化方法、および、アラビン酸の基本構造を持つ
化合物を含む有用タンパク質組成物である。
持つ化合物の水溶液と混合することによる有用タンパク
質の安定化方法、および、アラビン酸の基本構造を持つ
化合物を含む有用タンパク質組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の有用タンパク質としては
特に限定されないが、アラビン酸の基本構造を持つ化合
物によって活性を阻害されないタンパク質であればよ
く、酵素や生理活性を持つタンパク質、例えばインター
フェロン、インターロイキン、インシュリン、成長ホル
モン、G−CSF、エリスロポエチン、NGFなどが例
として挙げられる。有用タンパク質として好ましくは、
サイトカイン類であり、さらに好ましくは、インターフ
ェロン−α、β、γまたはωである。インターフェロン
としては、好ましくは、脊椎動物のインターフェロンで
あり、さらに動物由来のインターフェロンであるイヌイ
ンターフェロン(α、β、γの各タイプ)、ネコインタ
ーフェロンωなどが好ましい。
特に限定されないが、アラビン酸の基本構造を持つ化合
物によって活性を阻害されないタンパク質であればよ
く、酵素や生理活性を持つタンパク質、例えばインター
フェロン、インターロイキン、インシュリン、成長ホル
モン、G−CSF、エリスロポエチン、NGFなどが例
として挙げられる。有用タンパク質として好ましくは、
サイトカイン類であり、さらに好ましくは、インターフ
ェロン−α、β、γまたはωである。インターフェロン
としては、好ましくは、脊椎動物のインターフェロンで
あり、さらに動物由来のインターフェロンであるイヌイ
ンターフェロン(α、β、γの各タイプ)、ネコインタ
ーフェロンωなどが好ましい。
【0012】ここで本発明のアラビン酸の構造を示す。
【0013】
【化1】 本発明においてタンパク質を安定化させるために用いら
れるアラビン酸の基本構造を持つ化合物とは、タンパク
質を失活させるような成分あるいはアラビン酸によるタ
ンパク質の安定化作用を妨げるような成分を副成分とし
て含まないすべてのアラビン酸の基本構造を持つ化合物
であり、アラビン酸がいくつもつながった高分子化合物
(分子量20〜25万といわれる)であるアラビアゴム
およびその分解物、修飾物も含まれる。好ましくは、ア
ラビアゴムを使用する。
れるアラビン酸の基本構造を持つ化合物とは、タンパク
質を失活させるような成分あるいはアラビン酸によるタ
ンパク質の安定化作用を妨げるような成分を副成分とし
て含まないすべてのアラビン酸の基本構造を持つ化合物
であり、アラビン酸がいくつもつながった高分子化合物
(分子量20〜25万といわれる)であるアラビアゴム
およびその分解物、修飾物も含まれる。好ましくは、ア
ラビアゴムを使用する。
【0014】アラビアゴムは高分子化合物であり、か
つ、中性領域の水溶液中でマイナスにチャージしてい
る。発明者らは、特にインターフェロンの活性を安定に
保持できる化合物を探索してきたが、アラビアゴム以外
に安定化作用の高い化合物としてゼラチンがあった。ゼ
ラチンも高分子化合物であり、かつ、中性領域の水溶液
中でマイナスにチャージしている。これらのことから、
特に、インターフェロンに対して安定化作用が高い化合
物は、高分子で、かつ、中性領域の水溶液中でマイナス
にチャージする特徴があることが予想できた。この観点
から、アラビアゴム、ゼラチン以外の安定化作用を持つ
と予想される化合物として、カルボキシメチルセルロー
ス、コンドロイチン硫酸などがある。この2つの化合物
についても、インターフェロンの安定化作用を検討した
ところ、予想通り安定化作用を有することを見出した。
その安定化作用はアラビアゴムに比較して低いものでは
あったが、アラビアゴムとの組み合わせでさらに安定性
が改善されることは容易に想定できる。
つ、中性領域の水溶液中でマイナスにチャージしてい
る。発明者らは、特にインターフェロンの活性を安定に
保持できる化合物を探索してきたが、アラビアゴム以外
に安定化作用の高い化合物としてゼラチンがあった。ゼ
ラチンも高分子化合物であり、かつ、中性領域の水溶液
中でマイナスにチャージしている。これらのことから、
特に、インターフェロンに対して安定化作用が高い化合
物は、高分子で、かつ、中性領域の水溶液中でマイナス
にチャージする特徴があることが予想できた。この観点
から、アラビアゴム、ゼラチン以外の安定化作用を持つ
と予想される化合物として、カルボキシメチルセルロー
ス、コンドロイチン硫酸などがある。この2つの化合物
についても、インターフェロンの安定化作用を検討した
ところ、予想通り安定化作用を有することを見出した。
その安定化作用はアラビアゴムに比較して低いものでは
あったが、アラビアゴムとの組み合わせでさらに安定性
が改善されることは容易に想定できる。
【0015】アラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液の濃度はいかなる濃度でも良いが、濃度が低すぎると
安定化効果が少なく、高濃度であればコストがかかり、
またアラビアゴムの場合は粘性が増して扱いにくいこと
から、0.01〜10.0重量%の濃度が好ましく、さ
らに好ましくは0.5〜2.0重量%である。
液の濃度はいかなる濃度でも良いが、濃度が低すぎると
安定化効果が少なく、高濃度であればコストがかかり、
またアラビアゴムの場合は粘性が増して扱いにくいこと
から、0.01〜10.0重量%の濃度が好ましく、さ
らに好ましくは0.5〜2.0重量%である。
【0016】有用タンパク質は凍結、融解、加熱などに
よる温度変化、抽出、精製、緩衝液への溶解におけるp
H変化などの外的要因により、その生理活性を失いやす
いが、これらの不活性化を誘引する操作に先立ち、アラ
ビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶液と混合しておく
ことで、その生理活性は有意に保たれる。
よる温度変化、抽出、精製、緩衝液への溶解におけるp
H変化などの外的要因により、その生理活性を失いやす
いが、これらの不活性化を誘引する操作に先立ち、アラ
ビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶液と混合しておく
ことで、その生理活性は有意に保たれる。
【0017】また一般的に、タンパク質の精製操作で
は、精製段階が進み目的とするタンパク質の純度が高く
なるとそのタンパク質が失活し易くなることが知られて
いる。すなわち、精製操作もまた不活性化を誘引する操
作の1つであるが、精製前の段階あるいは途中でアラビ
ン酸の基本構造を持つ化合物と混合しておくことで、精
製によるタンパク質の失活を防止することができる。
は、精製段階が進み目的とするタンパク質の純度が高く
なるとそのタンパク質が失活し易くなることが知られて
いる。すなわち、精製操作もまた不活性化を誘引する操
作の1つであるが、精製前の段階あるいは途中でアラビ
ン酸の基本構造を持つ化合物と混合しておくことで、精
製によるタンパク質の失活を防止することができる。
【0018】有用タンパク質の水溶液中での経時的失
活、すなわち保存時の失活についてもアラビン酸の基本
構造を持つ化合物の水溶液と混合することで防ぐことが
可能である。アラビン酸の基本構造を持つ化合物を含む
有用タンパク質組成物は液体状態で保存する際には有用
タンパク質の熱安定性にもよるが15℃以下が好ましい
が、その混合物が凍結しない温度ならば低温であるほど
良く、さらに好ましくは4〜10℃である。
活、すなわち保存時の失活についてもアラビン酸の基本
構造を持つ化合物の水溶液と混合することで防ぐことが
可能である。アラビン酸の基本構造を持つ化合物を含む
有用タンパク質組成物は液体状態で保存する際には有用
タンパク質の熱安定性にもよるが15℃以下が好ましい
が、その混合物が凍結しない温度ならば低温であるほど
良く、さらに好ましくは4〜10℃である。
【0019】保存が長期に及ぶ場合には該組成物を凍結
もしくは凍結乾燥して保存することが好ましい。凍結保
存する場合には融解しない程度の低温であれば何度でも
良く、融解した後においては液体状態で保存する場合と
同様である。
もしくは凍結乾燥して保存することが好ましい。凍結保
存する場合には融解しない程度の低温であれば何度でも
良く、融解した後においては液体状態で保存する場合と
同様である。
【0020】凍結乾燥する場合には、水分含量が少ない
ほど保存性が増すため、好ましくは水分5重量%以下ま
で乾燥させる方が良い。このように凍結乾燥処理した該
組成物は冷暗所に保存することが好ましく、室温保存な
らば一年、冷蔵保存であればそれ以上の期間安定に保存
することが可能である。また、50℃という苛酷な条件
下においても2ヶ月以上の保存性が望める。なお、凍結
乾燥品は水、場合によっては生理的食塩水などの溶液で
再溶解して使用することになるが、再溶解後の保存に関
しては液体状態での保存方法と同様である。
ほど保存性が増すため、好ましくは水分5重量%以下ま
で乾燥させる方が良い。このように凍結乾燥処理した該
組成物は冷暗所に保存することが好ましく、室温保存な
らば一年、冷蔵保存であればそれ以上の期間安定に保存
することが可能である。また、50℃という苛酷な条件
下においても2ヶ月以上の保存性が望める。なお、凍結
乾燥品は水、場合によっては生理的食塩水などの溶液で
再溶解して使用することになるが、再溶解後の保存に関
しては液体状態での保存方法と同様である。
【0021】アラビン酸を基本構造とする化合物の水溶
液と有用タンパク質の混合物の好ましいpHは有用タン
パク質自身のpH安定性による。しかしながら、有用タ
ンパク質とアラビン酸を基本構造とする化合物とを混合
することによって有用タンパク質のpH安定性の範囲が
広くなる。例えば、本発明において用いたIFN−γは
水溶液の場合pH6〜8に保持しないと著しく失活する
事が知られているが、アラビアゴムの水溶液と混合し冷
蔵保存した場合、pH6〜7の範囲で100%、pH
4.5〜8.0の範囲で70%以上の高い活性を保持で
きる。また、凍結乾燥処理をした場合はpH4.5〜
8.0の範囲で100%近い活性を保持する。アラビア
ゴムと有用タンパク質の混合物はそのタンパク質の持つ
機能に基づき、さまざまな用途に用いられ得る。有用タ
ンパク質が医薬用途として有用でありかつ医薬用途とし
て問題のないグレードであるならば、アラビアゴムを日
本薬局方収載または医薬品添加グレードにすることで、
その混合物を医薬用途に用いることができる。
液と有用タンパク質の混合物の好ましいpHは有用タン
パク質自身のpH安定性による。しかしながら、有用タ
ンパク質とアラビン酸を基本構造とする化合物とを混合
することによって有用タンパク質のpH安定性の範囲が
広くなる。例えば、本発明において用いたIFN−γは
水溶液の場合pH6〜8に保持しないと著しく失活する
事が知られているが、アラビアゴムの水溶液と混合し冷
蔵保存した場合、pH6〜7の範囲で100%、pH
4.5〜8.0の範囲で70%以上の高い活性を保持で
きる。また、凍結乾燥処理をした場合はpH4.5〜
8.0の範囲で100%近い活性を保持する。アラビア
ゴムと有用タンパク質の混合物はそのタンパク質の持つ
機能に基づき、さまざまな用途に用いられ得る。有用タ
ンパク質が医薬用途として有用でありかつ医薬用途とし
て問題のないグレードであるならば、アラビアゴムを日
本薬局方収載または医薬品添加グレードにすることで、
その混合物を医薬用途に用いることができる。
【0022】また、医薬用途以外に各種の測定や診断の
目的で使用されている酵素類についても、本発明によっ
て開示される安定化方法、保存方法、組成物を利用する
ことによって、その安定性が向上し、長期間の使用が可
能になることが期待できる。
目的で使用されている酵素類についても、本発明によっ
て開示される安定化方法、保存方法、組成物を利用する
ことによって、その安定性が向上し、長期間の使用が可
能になることが期待できる。
【0023】アラビン酸を基本構造とする化合物を含む
有用タンパク質組成物はこれらの成分以外に、タンパク
質の活性を阻害しないあらゆる化合物を含むことができ
る。例えば、ポリエチレングリコールをはじめとするポ
リオール類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、Twe
en20のような界面活性剤、ソルビトールのような糖
類、グリシンのようなアミノ酸類あるいはゼラチンのよ
うなタンパク質を添加してもよい。好ましくは、界面活
性剤を添加する。界面活性剤としては、界面活性剤がポ
リオキシエチレン硬化ひまし油、およびポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。
有用タンパク質組成物はこれらの成分以外に、タンパク
質の活性を阻害しないあらゆる化合物を含むことができ
る。例えば、ポリエチレングリコールをはじめとするポ
リオール類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、Twe
en20のような界面活性剤、ソルビトールのような糖
類、グリシンのようなアミノ酸類あるいはゼラチンのよ
うなタンパク質を添加してもよい。好ましくは、界面活
性剤を添加する。界面活性剤としては、界面活性剤がポ
リオキシエチレン硬化ひまし油、およびポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。
【0024】また、食塩を添加しても問題ないことか
ら、例えば該組成物を注射用医薬品として用いる場合に
は食塩で浸透圧を調整することができる。特に、低濃度
の有用蛋白質を水溶液中で安定に保存するためには、ア
ラビン酸を基本構造とする化合物に加えて、さらに界面
活性剤を添加することが有用である。
ら、例えば該組成物を注射用医薬品として用いる場合に
は食塩で浸透圧を調整することができる。特に、低濃度
の有用蛋白質を水溶液中で安定に保存するためには、ア
ラビン酸を基本構造とする化合物に加えて、さらに界面
活性剤を添加することが有用である。
【0025】本発明において有用タンパク質の製造方法
に限定はなく、例えば有機合成法、組換えDNA技術を
用いて製造されたタンパク質あるいは天然物からの抽出
・精製により製造されたタンパク質など、あらゆる手法
でつくられたタンパク質に適用できる。有用タンパク質
としてイヌインターフェロン−γやネコインターフェロ
ンωなどの安定化をする場合には、大腸菌またはカイコ
により生産されたものに好ましく適用できる。
に限定はなく、例えば有機合成法、組換えDNA技術を
用いて製造されたタンパク質あるいは天然物からの抽出
・精製により製造されたタンパク質など、あらゆる手法
でつくられたタンパク質に適用できる。有用タンパク質
としてイヌインターフェロン−γやネコインターフェロ
ンωなどの安定化をする場合には、大腸菌またはカイコ
により生産されたものに好ましく適用できる。
【0026】また、本発明の有用蛋白の安定化方法、お
よび、有用蛋白質組成物は、有用蛋白質水溶液を凍結乾
燥して製剤とした後、再度、水によって再溶解するよう
な用途、例えば、注射用医薬品、診断薬などの製造にお
いて有用である。
よび、有用蛋白質組成物は、有用蛋白質水溶液を凍結乾
燥して製剤とした後、再度、水によって再溶解するよう
な用途、例えば、注射用医薬品、診断薬などの製造にお
いて有用である。
【0027】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
する。実施例において使用したアラビアゴムは三栄薬品
貿易、局方グレードを用いた。 参考例 <カイコによるイヌインターフェロン−γの作成>特願
平9−208087号に開示した遺伝子組換えバキュロ
ウイルスrBNVγのウイルス液を5令2日のカイコ幼
虫に接種し、25℃で4日間、市販の人工飼料(カネボ
ウシルクエレガンス社製)を与えて飼育した。50頭の
カイコ腹部を切り、0.01%の塩化ベンザルコニウム
を含む500mlの50mM酢酸バッファー(pH3.
5)に浸漬し、4℃で20時間保持した。得られたカイ
コ体液抽出液を2NNaOHで中和した後に、5000
rpmで15分間遠心分離し上清を回収した。得られた
上清をホロファイバー型の限外濾過膜装置(Amico
n社製、分子量分画サイズ10万、HIP40−10
0)を用いて限外濾過を行なった。この透過液をスルホ
プロピルセファロース(ハイパフォーマンスタイプ)に
かけ、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄後、
塩化ナトリウムの直線的な濃度勾配により吸着物を溶出
し、抗ウイルス画分を集めて、イヌIFN−γを回収
し、20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.
0)中で一晩透析を行い、これをイヌIFN−γサンプ
ルとして安定化剤の検討に用いた。 <大腸菌によるイヌインターフェロン−γの作成>イヌ
IFN−γをコードする遺伝子を組み込んだベクター
(pET)を導入した大腸菌(BL21株)をLB液体
培地に植菌し、対数増殖期でIPTGを終濃度1mMと
なるように添加し、2時間後に集菌した。得られた菌体
を培養時の50分の1容量の20mMリン酸ナトリウム
バッファー(pH7.0)に懸濁し、超音波により菌体
を破砕したのち14000rpmで遠心処理し、得られ
た上清を0.45μmの滅菌フィルターでろ過し、IF
N−γ抽出液とした。
する。実施例において使用したアラビアゴムは三栄薬品
貿易、局方グレードを用いた。 参考例 <カイコによるイヌインターフェロン−γの作成>特願
平9−208087号に開示した遺伝子組換えバキュロ
ウイルスrBNVγのウイルス液を5令2日のカイコ幼
虫に接種し、25℃で4日間、市販の人工飼料(カネボ
ウシルクエレガンス社製)を与えて飼育した。50頭の
カイコ腹部を切り、0.01%の塩化ベンザルコニウム
を含む500mlの50mM酢酸バッファー(pH3.
5)に浸漬し、4℃で20時間保持した。得られたカイ
コ体液抽出液を2NNaOHで中和した後に、5000
rpmで15分間遠心分離し上清を回収した。得られた
上清をホロファイバー型の限外濾過膜装置(Amico
n社製、分子量分画サイズ10万、HIP40−10
0)を用いて限外濾過を行なった。この透過液をスルホ
プロピルセファロース(ハイパフォーマンスタイプ)に
かけ、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄後、
塩化ナトリウムの直線的な濃度勾配により吸着物を溶出
し、抗ウイルス画分を集めて、イヌIFN−γを回収
し、20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.
0)中で一晩透析を行い、これをイヌIFN−γサンプ
ルとして安定化剤の検討に用いた。 <大腸菌によるイヌインターフェロン−γの作成>イヌ
IFN−γをコードする遺伝子を組み込んだベクター
(pET)を導入した大腸菌(BL21株)をLB液体
培地に植菌し、対数増殖期でIPTGを終濃度1mMと
なるように添加し、2時間後に集菌した。得られた菌体
を培養時の50分の1容量の20mMリン酸ナトリウム
バッファー(pH7.0)に懸濁し、超音波により菌体
を破砕したのち14000rpmで遠心処理し、得られ
た上清を0.45μmの滅菌フィルターでろ過し、IF
N−γ抽出液とした。
【0028】この抽出液をスルホプロピルセファロース
カラム(ハイパフォーマンスタイプ)にて精製した。具
体的には、抽出液をカラムにアプライした後、20mM
リン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)で洗浄、さ
らに0.4MNaClを含む20mMリン酸ナトリウム
バッファー(pH7.0)にて洗浄した後、0.5M、
0.6M、0.7M、0.8M、0.9Mそして1.0
MのNaClを含むリン酸ナトリウムバッファーにて段
階的に溶出した。得られた溶出画分についてSDS−P
AGEを行い、IFN−γが含まれる画分についてさら
にブルーセファロース(ファストフロータイプ)による
精製を行った。具体的にはIFN−γを含む画分を集め
てカラムにアプライした後、0.5M NaClを含む
リン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)にて洗浄、
続いて1.0M NaClを含むリン酸ナトリウムバッ
ファー(pH7.0)にて洗浄した後、1.5M、2.
0Mそして2.5MNaClを含むリン酸ナトリウムバ
ッファーにて段階的に溶出し、イヌIFN−γ画分とし
て得られる2.0M溶出画分を20mMリン酸ナトリウ
ムバッファー(pH7.0)中で一晩透析を行なった。
透析後、この画分をイヌIFN−γサンプルとして、安
定化剤の検討に供した。 <抗ウイルス活性測定法>イヌインターフェロン−γの
活性は抗ウイルス活性として、プロバーら(Prober et
al), サイエンス(Science) 238,3 36-341(1987)の文
献に従いCPE法により測定した。測定用ウイルスとし
てベシキュラー ストマチクス ビールス(Vesicular
Stomatitis Virus)を用い、感受性細胞としてはイヌM
DCK(ATCC CCL−34)を細胞を用いた。す
なわち、96穴マイクロプレート上にコンフルーエント
となるまで37℃で培養されたイヌMDCK細胞にイヌ
IFN−γを含むサンプルの希釈液を加え、さらに37
℃で20〜24時間培養し、抗ウイルス活性を誘導させ
た。さらにVSVを加え37℃で16〜20時間培養し
た後、生存してマイクロプレート上に付着しているイヌ
MDCK細胞を20%ホルマリンを含むクリスタルバイ
オレット染色液で染色した。マイクロプレート上のクリ
スタルバイオレットの量を570nmにおける吸光度を
測定することによって、細胞を50%生存させる時のイ
ヌIFN−γ量を抗ウイルス活性1ユニット(1U)と
定義した。
カラム(ハイパフォーマンスタイプ)にて精製した。具
体的には、抽出液をカラムにアプライした後、20mM
リン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)で洗浄、さ
らに0.4MNaClを含む20mMリン酸ナトリウム
バッファー(pH7.0)にて洗浄した後、0.5M、
0.6M、0.7M、0.8M、0.9Mそして1.0
MのNaClを含むリン酸ナトリウムバッファーにて段
階的に溶出した。得られた溶出画分についてSDS−P
AGEを行い、IFN−γが含まれる画分についてさら
にブルーセファロース(ファストフロータイプ)による
精製を行った。具体的にはIFN−γを含む画分を集め
てカラムにアプライした後、0.5M NaClを含む
リン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)にて洗浄、
続いて1.0M NaClを含むリン酸ナトリウムバッ
ファー(pH7.0)にて洗浄した後、1.5M、2.
0Mそして2.5MNaClを含むリン酸ナトリウムバ
ッファーにて段階的に溶出し、イヌIFN−γ画分とし
て得られる2.0M溶出画分を20mMリン酸ナトリウ
ムバッファー(pH7.0)中で一晩透析を行なった。
透析後、この画分をイヌIFN−γサンプルとして、安
定化剤の検討に供した。 <抗ウイルス活性測定法>イヌインターフェロン−γの
活性は抗ウイルス活性として、プロバーら(Prober et
al), サイエンス(Science) 238,3 36-341(1987)の文
献に従いCPE法により測定した。測定用ウイルスとし
てベシキュラー ストマチクス ビールス(Vesicular
Stomatitis Virus)を用い、感受性細胞としてはイヌM
DCK(ATCC CCL−34)を細胞を用いた。す
なわち、96穴マイクロプレート上にコンフルーエント
となるまで37℃で培養されたイヌMDCK細胞にイヌ
IFN−γを含むサンプルの希釈液を加え、さらに37
℃で20〜24時間培養し、抗ウイルス活性を誘導させ
た。さらにVSVを加え37℃で16〜20時間培養し
た後、生存してマイクロプレート上に付着しているイヌ
MDCK細胞を20%ホルマリンを含むクリスタルバイ
オレット染色液で染色した。マイクロプレート上のクリ
スタルバイオレットの量を570nmにおける吸光度を
測定することによって、細胞を50%生存させる時のイ
ヌIFN−γ量を抗ウイルス活性1ユニット(1U)と
定義した。
【0029】なお、本法によって得られる抗ウイルス活
性のデータの標準偏差は32%である。
性のデータの標準偏差は32%である。
【0030】比較例1 組換えウイルスを接種したカイコより抽出精製したイヌ
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を他の添加物を加
えず冷蔵保管処理、凍結保管処理および安定化剤を加え
ず凍結乾燥処理した際の活性の変化を調べた。活性の残
存率は処理前のサンプルの活性を100%として表し
た。結果を表1に示す。
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を他の添加物を加
えず冷蔵保管処理、凍結保管処理および安定化剤を加え
ず凍結乾燥処理した際の活性の変化を調べた。活性の残
存率は処理前のサンプルの活性を100%として表し
た。結果を表1に示す。
【0031】なお、凍結乾燥品は滅菌蒸留水で再溶解
し、抗ウイルス活性の測定に供した。
し、抗ウイルス活性の測定に供した。
【0032】
【表1】 実施例1 組換えウイルスを接種したカイコより抽出精製したイヌ
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uを各種濃度のアラビアゴム水溶液(5.0、7.
5、10.0、12.5、15.0、20.0mg/m
l)1mlとガラスバイアル中で混合し、凍結乾燥した
後の残存活性と活性の残存率(1.24×105Uを1
00%とする)を表2に示す。
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uを各種濃度のアラビアゴム水溶液(5.0、7.
5、10.0、12.5、15.0、20.0mg/m
l)1mlとガラスバイアル中で混合し、凍結乾燥した
後の残存活性と活性の残存率(1.24×105Uを1
00%とする)を表2に示す。
【0033】
【表2】 実施例2 組換えウイルスを接種したカイコより抽出精製したイヌ
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uと各種pHを示す10mg/ml濃度のアラビアゴム
水溶液1mlとを混合し、凍結乾燥処理を行ったのち、
残存活性および活性の残存率(1.24×105Uを1
00%とする)を調べた。その結果を表3に示す。な
お、アラビアゴム水溶液のpHに関しては酸としてHC
l、アルカリとしてNaOHの適当量をアラビアゴム水
溶液に添加したのち、これらのpHを測定し、その実測
値を表に示している。なお、このときの凍結乾燥サンプ
ルの水分含量は約1.8%(3回測定中の平均値)であ
り、凍結乾燥サンプル中のアラビアゴムの含量(重量
%)は約98.2%である。
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uと各種pHを示す10mg/ml濃度のアラビアゴム
水溶液1mlとを混合し、凍結乾燥処理を行ったのち、
残存活性および活性の残存率(1.24×105Uを1
00%とする)を調べた。その結果を表3に示す。な
お、アラビアゴム水溶液のpHに関しては酸としてHC
l、アルカリとしてNaOHの適当量をアラビアゴム水
溶液に添加したのち、これらのpHを測定し、その実測
値を表に示している。なお、このときの凍結乾燥サンプ
ルの水分含量は約1.8%(3回測定中の平均値)であ
り、凍結乾燥サンプル中のアラビアゴムの含量(重量
%)は約98.2%である。
【0034】
【表3】 実施例3 組換え大腸菌より抽出精製したイヌIFN−γサンプル
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)を1.20×105 UとHClおよび
NaOHを用いて各種pHに調整した10mg/ml濃
度のアラビアゴム水溶液1mlとを混合し、4℃で6日
間保存した後の残存活性および残存率(1.20×10
5Uを100%とした)を表4に示す。
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)を1.20×105 UとHClおよび
NaOHを用いて各種pHに調整した10mg/ml濃
度のアラビアゴム水溶液1mlとを混合し、4℃で6日
間保存した後の残存活性および残存率(1.20×10
5Uを100%とした)を表4に示す。
【0035】
【表4】 実施例4 組換え大腸菌より抽出精製したイヌIFN−γサンプル
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)を4.0×105Uと各種pHを示す
10mg/ml濃度のアラビアゴム水溶液1mlとを混
合し、凍結乾燥処理を行った後の残存活性をおよび残存
率(4.0×105Uを100%とした)を表5に示
す。なお、このときの凍結乾燥サンプルの水分含量は約
1.7%(3回測定中の平均値)であり、凍結乾燥サン
プル中のアラビアゴムの含量(重量%)は約98.3%
である。
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)を4.0×105Uと各種pHを示す
10mg/ml濃度のアラビアゴム水溶液1mlとを混
合し、凍結乾燥処理を行った後の残存活性をおよび残存
率(4.0×105Uを100%とした)を表5に示
す。なお、このときの凍結乾燥サンプルの水分含量は約
1.7%(3回測定中の平均値)であり、凍結乾燥サン
プル中のアラビアゴムの含量(重量%)は約98.3%
である。
【0036】
【表5】 実施例5 組換えウイルスを接種したカイコより抽出精製したイヌ
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uと10mg/mlアラビアゴムおよび0〜0.1%の
各種濃度でレオドール(日本油脂、Tween20)を
含む水溶液1mlとを混合し、凍結乾燥処理を行ったの
ち、残存活性および活性の残存率(1.24×105U
を100%とする)を調べた。なお、このときの凍結乾
燥サンプルの水分含量は約1.7%(3回測定中の平均
値)であり、表中に各々の凍結乾燥サンプルのアラビア
ゴム含量(重量%)を示す。
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uと10mg/mlアラビアゴムおよび0〜0.1%の
各種濃度でレオドール(日本油脂、Tween20)を
含む水溶液1mlとを混合し、凍結乾燥処理を行ったの
ち、残存活性および活性の残存率(1.24×105U
を100%とする)を調べた。なお、このときの凍結乾
燥サンプルの水分含量は約1.7%(3回測定中の平均
値)であり、表中に各々の凍結乾燥サンプルのアラビア
ゴム含量(重量%)を示す。
【0037】
【表6】 実施例6 組換えウイルスを接種したカイコより抽出精製したイヌ
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uと10mg/mlアラビアゴムおよび0〜10.0m
g/mlの各種濃度のマクロゴール4000(日本油
脂、ポリエチレングリコール)を含む水溶液1mlとを
混合し、凍結乾燥処理を行ったのち、残存活性および活
性の残存率(1.24×105Uを100%とする)を
調べた。なお、このときの凍結乾燥サンプルの水分含量
は約1.7%(3回測定中の平均値)であり、表中に各
々の凍結乾燥サンプルのアラビアゴム含量(重量%)を
示す。
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH7.0に溶解させたもの)を1.24×10
5Uと10mg/mlアラビアゴムおよび0〜10.0m
g/mlの各種濃度のマクロゴール4000(日本油
脂、ポリエチレングリコール)を含む水溶液1mlとを
混合し、凍結乾燥処理を行ったのち、残存活性および活
性の残存率(1.24×105Uを100%とする)を
調べた。なお、このときの凍結乾燥サンプルの水分含量
は約1.7%(3回測定中の平均値)であり、表中に各
々の凍結乾燥サンプルのアラビアゴム含量(重量%)を
示す。
【0038】
【表7】 実施例7 組換え大腸菌より抽出精製したイヌIFN−γサンプル
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)を1.0×105Uと0〜2.0mg/
mlの各種濃度のアラビアゴムおよび5.0mg/ml
のマクロゴール4000(日本油脂、ポリエチレングリ
コール)を含む水溶液1mlとを混合し、凍結乾燥処理
を行ったのち、残存活性および活性の残存率(1.0×
105Uを100%とする)を調べた。なお、このとき
の凍結乾燥サンプルの水分含量は約1.5%(3回測定
中の平均値)であり、表中に各々の凍結乾燥サンプルの
アラビアゴム含量(重量%)を示す。
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)を1.0×105Uと0〜2.0mg/
mlの各種濃度のアラビアゴムおよび5.0mg/ml
のマクロゴール4000(日本油脂、ポリエチレングリ
コール)を含む水溶液1mlとを混合し、凍結乾燥処理
を行ったのち、残存活性および活性の残存率(1.0×
105Uを100%とする)を調べた。なお、このとき
の凍結乾燥サンプルの水分含量は約1.5%(3回測定
中の平均値)であり、表中に各々の凍結乾燥サンプルの
アラビアゴム含量(重量%)を示す。
【0039】
【表8】 実施例8 組換え大腸菌より抽出精製したイヌIFN−γサンプル
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)と各種pHに調整した10mg/ml
アラビアゴム、5mg/mlマクロゴール4000(日
本油脂、ポリエチレングリコール)、20mMグリシン
からなる水溶液と混合し、凍結乾燥処理を行った後の残
存活性を調べた。表9に仕込みのイヌIFN−γ活性を
100%としたときの活性残存率を示す。なお、同じ試
験を2回行い、それぞれ試験No.1、試験No.2として結
果に示した。また、このときの凍結乾燥サンプルの水分
含量は約1.7%(3回測定中の平均値)であり、凍結
乾燥サンプル中のアラビアゴムの含量(重量%)は約5
8.9%である。
(20mMリン酸ナトリウムバッファー pH7.0に
溶解させたもの)と各種pHに調整した10mg/ml
アラビアゴム、5mg/mlマクロゴール4000(日
本油脂、ポリエチレングリコール)、20mMグリシン
からなる水溶液と混合し、凍結乾燥処理を行った後の残
存活性を調べた。表9に仕込みのイヌIFN−γ活性を
100%としたときの活性残存率を示す。なお、同じ試
験を2回行い、それぞれ試験No.1、試験No.2として結
果に示した。また、このときの凍結乾燥サンプルの水分
含量は約1.7%(3回測定中の平均値)であり、凍結
乾燥サンプル中のアラビアゴムの含量(重量%)は約5
8.9%である。
【0040】
【表9】 実施例9 組換えウイルスを接種したカイコより抽出精製したイヌ
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァーpH7.0に溶解させたもの)1mlを、1l の20
mM酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)に対して、
4℃、16時間透析した。pH5.5に調整した20m
g/mlアラビアゴム溶液、1%ポリオキシエチレン硬
化ひまし油(HCO60、日本油脂)溶液を用いて調製
した表10に示す組成のイヌIFN-γ溶液1ml(抗
ウイルス活性:4×104U/ml)を注射用ガラスバ
イアルに分注した。また、比較例として、20mg/m
lカルボキシメチルセルロース溶液、20mg/mlコ
ンドロイチン硫酸溶液を用いて同様にイヌIFN-γ溶
液を調製し、同じく注射用ガラスバイアルに分注した。
これら、イヌIFN-γ溶液を、4℃で2週間保存した
後のイヌIFN−γ活性を測定した結果を表10に示
す。
IFN−γサンプル(20mMリン酸ナトリウムバッフ
ァーpH7.0に溶解させたもの)1mlを、1l の20
mM酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)に対して、
4℃、16時間透析した。pH5.5に調整した20m
g/mlアラビアゴム溶液、1%ポリオキシエチレン硬
化ひまし油(HCO60、日本油脂)溶液を用いて調製
した表10に示す組成のイヌIFN-γ溶液1ml(抗
ウイルス活性:4×104U/ml)を注射用ガラスバ
イアルに分注した。また、比較例として、20mg/m
lカルボキシメチルセルロース溶液、20mg/mlコ
ンドロイチン硫酸溶液を用いて同様にイヌIFN-γ溶
液を調製し、同じく注射用ガラスバイアルに分注した。
これら、イヌIFN-γ溶液を、4℃で2週間保存した
後のイヌIFN−γ活性を測定した結果を表10に示
す。
【0041】
【表10】 この表から、カルボキシメチルセルロース、コンドロイ
チン硫酸に比較して、アラビアゴムが有意に安定化作用
が高いことが分かる。また、アラビアゴムに界面活性剤
ポリオキシエチレンヒマシ硬化油HCO60を添加する
ことで、さらにイヌIFN−γの活性が高く保持される
ことが分かる。
チン硫酸に比較して、アラビアゴムが有意に安定化作用
が高いことが分かる。また、アラビアゴムに界面活性剤
ポリオキシエチレンヒマシ硬化油HCO60を添加する
ことで、さらにイヌIFN−γの活性が高く保持される
ことが分かる。
【0042】
【発明の効果】アラビン酸の基本骨格を持つ化合物を混
合することにより、インターフェロンなどの有用タンパ
ク質を失活することなく、安定に保存することができ
る。
合することにより、インターフェロンなどの有用タンパ
ク質を失活することなく、安定に保存することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 A61K 37/66 H //(C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19)
Claims (16)
- 【請求項1】アラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液と混合することによる有用タンパク質の安定化方法。 - 【請求項2】アラビン酸の基本構造を持つ化合物を0.
01〜10.0重量%の濃度で混合することを特徴とす
る請求項1記載の有用タンパク質の安定化方法。 - 【請求項3】アラビン酸の基本構造を持つ化合物と界面
活性剤が共存する水溶液と混合することを特徴とする請
求項1または2記載の有用タンパク質の安定化方法。 - 【請求項4】アラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液と混合した有用タンパク質を凍結乾燥することを特徴
とする請求項1から3のいずれか1項記載の有用タンパ
ク質の安定化方法。 - 【請求項5】アラビン酸の基本構造を持つ化合物の水溶
液と混合した有用タンパク質を凍結乾燥した後、水溶液
状態に復元することを特徴とする請求項4記載の有用蛋
白質の安定化方法。 - 【請求項6】有用タンパク質がサイトカイン類であるこ
とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の有用
タンパク質の安定化方法。 - 【請求項7】アラビン酸の基本構造を持つ化合物を含む
有用タンパク質組成物。 - 【請求項8】アラビン酸の基本構造を持つ化合物と界面
活性剤を含む有用タンパク質組成物。 - 【請求項9】0.01〜10.0重量%の濃度でアラビ
ン酸の基本構造を持つ化合物を含む水溶液であることを
特徴とする請求項7または8記載の有用タンパク質組成
物。 - 【請求項10】凍結乾燥処理されたことを特徴とする請
求項7から9のいずれか1項記載の有用タンパク質組成
物。 - 【請求項11】凍結乾燥後の水分含量が5重量%以下で
あることを特徴とする請求項10記載の有用タンパク質
組成物。 - 【請求項12】凍結乾燥後水溶液に復元されることを特
徴とする請求項10記載の有用タンパク質組成物。 - 【請求項13】アラビン酸の基本構造を持つ化合物を
5.0〜99.9%含むことを特徴とする請求項10ま
たは11記載の有用タンパク質組成物。 - 【請求項14】有用タンパク質がサイトカイン類である
ことを特徴とする請求項7から13のいずれか1項記載
の有用タンパク質組成物。 - 【請求項15】ポリエチレングリコール、グリシン、食
塩および界面活性剤の少なくとも1種をさらに含有する
請求項7から14のいずれか1項記載の有用タンパク質
組成物。 - 【請求項16】請求項7から15のいずれか1項に記載
の有用タンパク質組成物を含む注射用医薬品組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10367567A JPH11246597A (ja) | 1997-12-25 | 1998-12-24 | 有用タンパク質の安定化方法および有用タンパク質組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9-357872 | 1997-12-25 | ||
| JP35787297 | 1997-12-25 | ||
| JP10367567A JPH11246597A (ja) | 1997-12-25 | 1998-12-24 | 有用タンパク質の安定化方法および有用タンパク質組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11246597A true JPH11246597A (ja) | 1999-09-14 |
Family
ID=26580682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10367567A Pending JPH11246597A (ja) | 1997-12-25 | 1998-12-24 | 有用タンパク質の安定化方法および有用タンパク質組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11246597A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007501223A (ja) * | 2003-08-05 | 2007-01-25 | フジ フォト フィルム ビー.ブイ. | 安定剤としての組換え又は合成ゼラチンのワクチン中の使用 |
| JP2021042166A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 日油株式会社 | 蛋白質安定化剤および安定化された蛋白質を含有する試薬、ならびに試薬に含有される蛋白質の安定化方法 |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP10367567A patent/JPH11246597A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP2021042166A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 日油株式会社 | 蛋白質安定化剤および安定化された蛋白質を含有する試薬、ならびに試薬に含有される蛋白質の安定化方法 |
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