JPH11246845A - 乾式摩擦材 - Google Patents

乾式摩擦材

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JPH11246845A
JPH11246845A JP4955898A JP4955898A JPH11246845A JP H11246845 A JPH11246845 A JP H11246845A JP 4955898 A JP4955898 A JP 4955898A JP 4955898 A JP4955898 A JP 4955898A JP H11246845 A JPH11246845 A JP H11246845A
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Yosuke Sasaki
要助 佐々木
Michinori Yanagi
道則 柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキパット、ライニング、クッラチフェ
ーシング等の摩擦材において、十分な撥水性を有し、且
つ摩擦特性を阻害しない特性をもつ乾式摩擦材を提供す
る。 【解決手段】 繊維状体、結合材及び摩擦調整剤とを含
む乾式摩擦材において、微粉末状黒鉛を混合した撥水剤
により撥水処理されてなることを特徴とする乾式摩擦
材。撥水剤はフッ素ポリマーであることが好ましく、撥
水剤、微粉末状黒鉛及び水もしくは有機溶剤との混合物
により撥水処理されてなる物であることが好ましい。前
記の撥水剤、微粉末状黒鉛及び水もしくは有機溶剤との
混合物は、7重量%以下の撥水剤と30重量%以下の微
粉末状黒鉛を含むものであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキなどに用
いる乾式摩擦材に関し、特に発進時や制動時にブレーキ
を使用した際に、吸湿に原因する異常音や異常効きが発
生しないようにした乾式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】主としてブレーキなどに用いる乾式摩擦
材(以下、簡単のために単に「摩擦材」ということあ
る)は、最近耐フェード性の向上、高速効力の向上のた
めに、摩擦材の気孔率が10〜30%と高いものを使用
するようになっている。ところで、そのために、洗車、
水溜まりを通過などにより、摩擦材のが水に濡れたり、
夜間屋外に車両を止めておくことにより、摩擦材がその
気孔中に水分を吸収する。そして、その水分を吸った摩
擦材は、その水が乾く過程でブレーキ時の停止直前、概
ね5km/h以下の時、又はオートマッチク車における
発進時、すなわちブレーキペタルを踏み、Dレンジに入
れてブレーキペタルを緩めてブレーキが完全に開放され
る途中において、クリープ力でブレーキが引きずられて
微速で発進中に、低周波異音が出る。この低周波異音は
「クリープグー音」ともいわれ、不快感がするので嫌わ
れているものである。この低周波異音は、摩擦材の気孔
率が大きい程多くの水を吸収するので大きくなる。ま
た、摩擦材が吸湿すると、ブレーキ時にスキール音が発
生したり、あるいは摩擦係数が高くなり過ぎて、異常効
きが発生するなどの問題がある。
【0003】また、有機繊維、無機繊維、金属線、充填
材及び結合材とからなる摩擦材本体を撥水材で含浸した
乾式摩擦材とすることが提案された(特開平4−234
479号公報)。そこで用いる撥水材としては、撥水性
を有し、且つ摩擦特性を阻害しないものが好ましいとさ
れ、シリコン油、フッ素樹脂などが用いることができる
とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、摩擦熱
でフッ素樹脂が熱分解するため、その効果は十分ではな
かった。本発明は、乾式摩擦材において、十分な撥水性
を有し、且つ摩擦特性を阻害しない特性をもつ乾式摩擦
材を提供することを目的とするものである。
【0005】本発明は、下記の手段により前記の課題を
解決した。 (1)繊維状体、結合材及び摩擦調整剤とを含む乾式摩
擦材において、微粉末状黒鉛を混合した撥水剤により撥
水処理されてなることを特徴とする乾式摩擦材。 (2)撥水剤がフッ素ポリマーであることを特徴とする
前記(1)記載の乾式摩擦材。 (3)撥水剤、微粉末状黒鉛及び水もしくは有機溶剤と
の混合物により撥水処理されてなることを特徴とする前
記(1)又は(2)に記載の乾式摩擦材。 (4)撥水剤、微粉末状黒鉛及び水もしくは有機溶剤と
の混合物が、7重量%以下の撥水剤と30重量%以下の
微粉末状黒鉛を含むものであることを特徴とする前記
(3)に記載の乾式摩擦材。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、繊維状体、結合材樹
脂、摩擦調整剤からなる摩擦材を形成した後、その摩擦
材に微粉末状黒鉛を混合した撥水剤により撥水処理する
ことにより製造することができ、具体的には微粉末状黒
鉛と撥水剤とを含浸させることにより製造することがで
きる。これらの含浸は、微粉末状黒鉛と撥水剤とを水に
分散させて混合させたものを用いて行うのが好ましい。
そして、摩擦材の平均気孔径が約0.4μmであるた
め、微粉末状黒鉛としては、その平均粒径が0.3μm
以下であることが好ましい。微粉末状黒鉛の具体例とし
ては、黒鉛の微粉末を水に分散させた日本黒鉛工業社製
スーパーコロハイト#16等を用いることができる。そ
の混合物中の微粉末状黒鉛の濃度としては、30重量%
以下とするが、10〜20%(重量)とすることが好ま
しい。分散液の調製には必要により界面活性剤を添加す
ることができる。
【0007】また、撥水剤としては、周知のフッ素樹脂
撥水剤やシリコーン撥水剤、脂肪酸アマイド、アルキル
エチレン尿素などがあるが、実際の適用では、微粉末状
黒鉛と共に水に分散させて使用する関係で、分散が容易
なフッ素樹脂撥水剤の方が良い。フッ素樹脂撥水剤とし
ては、例えば旭硝子社製フッ素系ポリマーLS317、
アサヒガードなどを用いることができる。アサヒガード
は、化学式Aで表わされる。また、シリコーン撥水剤と
しては、周知の種々のものを使用することができるが、
例えばPolon MRなどが挙げられる。Polon
MRは、化学式Bで表わされる物質である。その混合
物中の撥水剤の濃度としては、7重量%以下とするがよ
いが、1〜5%(重量)とすることが好ましい。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】摩擦材への微粉末状黒鉛等の含浸は、摩擦
材の製造工程における仕上げ工程の後に、フッ素樹脂撥
水剤と微粉末状黒鉛と水との分散混合物を含浸させる。
ただし、含浸を仕上げ工程の前に行ってもよい。その含
浸法としては、真空含浸法、塗布、どぶづけなどの手段
を用いることができるが、摩擦材内部への含浸効率が良
い点から、真空含浸法が好ましい。その含浸後に、10
0℃で1時間乾燥処理する。
【0011】含浸工程の後に、撥水剤の作用を十分に行
わせるために、常法により撥水剤の拡散処理及びフィル
ム形成処理をする。撥水剤の拡散処理は、105〜12
0℃、30〜60分間の範囲で行わせることができ、例
えば110℃、45分間とすることができる。フィルム
形成処理は、120〜150℃、0.5〜2時間の範囲
で行わせることができ、例えば130℃、1時間とする
ことができる。これらの加熱に際しては、均一な加熱が
できるように加熱炉を用いることが好ましい。摩擦材の
気孔内部で、撥水剤は拡散処理において、例えばその分
子が気孔表面に移動し、続くフィルム形成処理におい
て、撥水剤の分子が相互に結合して撥水性のフィルムを
形成することにより、気孔内部全体に撥水性が付与され
る。
【0012】図1は、ディスクブレーキ用ディスクパッ
トの製造工程を示し、板金プレスにより所定の形状に成
形され、脱脂処理及びプライマー処理が施され、そして
接着剤が塗布された裏金と、耐熱性有機繊維や無機繊
維、金属繊維等の繊維材料と、無機・有機充填材、摩擦
調整材及び熱硬化性樹脂バインダ等の粉末原料とを配合
し、攪拌により十分に均質化した原材料を常温にて所定
の圧力で成形(予備成形)して作製した予備成形体と
を、熱成形工程において所定の温度及び圧力で熱成形し
て両部材を一体に固着し、アフタキュアを行い、最終的
に仕上げ処理を施すそれまでの工程は従来法と同一であ
る。
【0013】前記した耐熱性有機繊維としては、例えば
芳香族ポリアミド繊維、耐炎性アクリル繊維が挙げら
れ、無機繊維としては例えばチタン酸カリウム繊維やア
ルミナ繊維等のセラッミク繊維、ガラス繊維、カーボン
繊維、ロックウール等が挙げられ、また金属繊維として
は例えば銅繊維やスチール繊維が挙げられる。無機充填
材としては、例えば銅やアルミニウム、亜鉛等の金属粒
子、バームキュライトやマイカ等の鱗片状無機物、硫酸
バリウムや炭酸カルシウム等の粒子が挙げられ、有機充
填材としては、例えば合成ゴムやカシュー樹脂等が挙げ
られる。熱硬化性樹脂バインダとしては、例えばフェノ
ール樹脂(ストレートフェノール樹脂、ゴム等による各
種変性フェノール樹脂を含む)、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、シアン酸エステル樹脂等を挙げることができ
る。また、摩擦調整剤としては、例えばアルミナやシリ
カ、マグネシア、ジルコニア、酸化クロム、石英等の金
属酸化物等を、固体潤滑剤としては、例えばグラファイ
トや二硫化モリブデン等を挙げることができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0015】実施例1 セラミック繊維、銅繊維、アラミドパルプ、摩擦調整
剤、潤滑材及びフェノール樹脂の原材料を第1表に示す
割合で配合し、攪拌して混合し、予備成形する。一方、
板金プレスにより裏金を形成し、脱脂し、プライマー処
理し、それに接着材を塗布し、その塗布面に前記の予備
成形体を乗せ、加圧加熱して熱成形する。この熱成形し
たものを仕上げ工程に送る。なお、フェノール樹脂の量
を変えて気孔率の異なる3種の試料A,B,C(ディス
クパット)を作製した。
【0016】
【表1】
【0017】次に撥水処理工程において、フッ素系撥水
剤(旭硝子社製、フッ素系ポリマーLS317)と、微
粉末状黒鉛(日本黒鉛工業社製、スーパーコロハイト#
16)を下記の割合で水に(もしくは有機溶剤)混合し
て分散させた液に10〜180秒間浸し、真空含浸法に
よりその内部に含浸させる。それを100℃で1時間乾
燥し、110℃で45分間加熱して拡散処理する。さら
に130℃で1時間加熱することにより、撥水剤のフィ
ルムが形成されるようにする。この撥水処理において、
分散液におけるフッ素系ポリマーの濃度を0.05〜5
%の範囲で、また微粉末状黒鉛の濃度を0〜30%の範
囲で種々変えてそれぞれ試料を作製した。各試料の製造
に使用したフッ素系ポリマー及び微粉末状黒鉛の濃度な
どを第2表に示す。
【0018】(モーニングシックネス試験)新品ロータ
ーを用い、前記試料を取り付け、1000km走行して
ブレーキパットとローターの十分な摺り合わせが得られ
た後に、その車両を15℃の室温、湿度95%(RH)
の環境室に12時間放置し、その後微速で発進、停止を
繰り返して、発進時のクリープグー音の発生について、
官能試験により試験した。一般的にはクリープグー音の
方が、ブレーキ時の異音より大であるため、クリープグ
ー音発生について試験した。試験結果については、次の
4段階で表わす。 中 : 小 : 微小: 無 : 試験結果を第2表に示す。表中、クリープグー音が
「無」又は「微小」のものは許容できるレベルであり、
「小」又は「中」のものは許容でき難いレベルである。
【0019】
【表2】
【0020】第2表により次のことが分かる。 (1)比較例1〜4のいずれも、クリープグー音が
「小」もしくは「中」の許容できないレベルで発生し
た。 (2)実施例1〜12のいずれも、クリープグー音が
「無」もしくは許容できる「微小」のレベルであった。
【0021】
【発明の効果】本発明の乾式摩擦材は、その使用におい
て、低周波異音とスキール音を効果的に低減することが
できるとともに、異常効きの発生を防止することができ
る。特に、耐フェード性等の向上のために気孔率の高い
ものとした乾式摩擦材の場合においても、洗車や雨など
で摩擦材に水がかかったようなときや、朝のように乾式
摩擦材が水分を吸収し易い条件に置かれても、水による
影響を少なくし、低周波異音とスキール音の発生を少な
くする効果を発揮することができる。更に、撥水剤が熱
履歴により熱分解しても、微粉末状黒鉛は耐熱性が高
く、しかも水との接触で摩擦係数を下げる効果があるた
め、水の影響下で摩擦係数が上がることはなく、ブレー
キ時の異音や異常効きを効果的に防止できる。以上は、
ディスクブレーキ用ブレーキパットについて説明した
が、本発明はドラム用ブレーキライニング及びクラッチ
フェーシングにも適用できる。そして、ドラムブレーキ
においてはカックン効き、クラッチフェーシングにおい
てはジャダーに対してその効果が一層期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾式摩擦材の製造工程の1例を示すフ
ローシートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状体、結合材及び摩擦調整剤とを含
    む乾式摩擦材において、微粉末状黒鉛を混合した撥水剤
    により撥水処理されてなることを特徴とする乾式摩擦
    材。
  2. 【請求項2】 撥水剤がフッ素ポリマーであることを特
    徴とする請求項1記載の乾式摩擦材。
  3. 【請求項3】 撥水剤、微粉末状黒鉛及び水もしくは有
    機溶剤との混合物により撥水処理されてなることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の乾式摩擦材。
  4. 【請求項4】 撥水剤、微粉末状黒鉛及び水もしくは有
    機溶剤との混合物が、7重量%以下の撥水剤と30重量
    %以下の微粉末状黒鉛を含むものであることを特徴とす
    る請求項3に記載の乾式摩擦材。
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