JPH11248935A - 偏光子及びその製造方法 - Google Patents

偏光子及びその製造方法

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JPH11248935A
JPH11248935A JP4650698A JP4650698A JPH11248935A JP H11248935 A JPH11248935 A JP H11248935A JP 4650698 A JP4650698 A JP 4650698A JP 4650698 A JP4650698 A JP 4650698A JP H11248935 A JPH11248935 A JP H11248935A
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layer
substrate
glass substrate
polarizer
dielectric
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JP4650698A
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Toru Fukano
徹 深野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体基板の一主面に光吸収異方性を有する
金属粒子が分散された金属粒子層と誘電体層とが交互に
積層された偏光層を設けて成る偏光子において、金属粒
子層を基板面に均一に成膜することを可能とし、ひいて
は、特性の優れた偏光子を大量且つ安価に提供できるよ
うにすること。 【解決手段】 透光性を有する誘電体基板2の下面に透
光性を有し、誘電体基板2より熱伝導率が高い熱伝達層
5を設けるとともに、誘電体基板2の上面に光吸収異方
性を有する金属粒子4aが分散された金属粒子層4と誘
電体層3aとが交互に多層に積層された偏光層8を配設
してなる偏光子1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信機器,光記
録機器,光センサー等に使用される偏光子、特に誘電体
中に光吸収異方性を有する金属粒子が分散された偏光子
に関するものであり、例えば光アイソレータに好適に使
用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばある種の溶液をセル内
に入れて構成された偏光子、プラスチックに着色剤を混
入し着色イオンを利用する偏光子、基板上に誘電体薄膜
を多数積層し多層薄膜の干渉を利用する偏光子、複屈折
性の大きな結晶で構成されたグラントムソンプリズムに
代表される偏光プリズム、ブリュースター条件を利用し
て偏光成分を分離するPBS(偏光ビームスプリッタ
ー)、あるいは、高分子材料を一定方向に配向させ一方
向の偏光成分を吸収する偏光フィルムなどが偏光子とし
て一般的に知られている。
【0003】ところが、例えば上記着色イオンを利用し
た偏光子は、波長依存性が大きいため、波長毎に最適な
波長特性を有するものを選択しなければならなかった。
また、屈折率の大きな結晶で構成された偏光子は、波長
依存性は小さいものの、加工が困難で素子寸法に制限が
あり小型化し難いなど、これまで小型でしかも波長特性
に優れた偏光子はなかった。
【0004】このような偏光子に対して、最近では、光
通信用デバイスとして偏光ガラスが使用されている。こ
れは例えば透明なガラスを媒体とし、この媒体中に銀粒
子を一定方向に揃えて分散させ光学異方性を持たせた構
造としたものである(特公平2−40619号公報等を
参照)。
【0005】この偏光ガラスの製造方法は、まず銀およ
び塩化物、臭化物およびヨウ化物より成る群から選択さ
れた少なくとも一つのハロゲン化物より成るガラス用バ
ッチを溶融し、必要とされる形状のガラス素地に成型す
る。次に、前記ガラス素地を定められた条件にて熱処理
を行い、ガラス中にハロゲン化銀粒子を析出させる。さ
らに、前記ガラス素地を定められた温度範囲において張
力を加えて延伸し、前記ハロゲン化銀粒子を伸長させ、
張力方向へ整列させる。最後に上記伸長されたガラス素
地を定められた温度範囲内において還元雰囲気中に暴露
し、ハロゲン化銀の一部を金属銀粒子に還元することに
よって偏光ガラスとしたものである。
【0006】しかしながら、上記偏光ガラスの製造方法
は、前者はハロゲン化銀から金属銀を析出するために、
還元雰囲気中にて熱処理を行うが、このため、ガラス素
地内に析出する金属銀の量を制御することは困難であ
り、安定した光学特性を得ることができなかった。そし
て、このガラス素地を加熱延伸しても、安定して再現性
よく偏光特性を得ることが困難であった。
【0007】また、ガラス素地内の厚さ方向に温度分布
が存在することにより、中心部に金属銀が析出しなかっ
たハロゲン化銀が残留し、これが透過率に悪影響を及ぼ
すという問題もあった。
【0008】さらに、ハロゲン化銀粒子は金属銀に還元
される際、1/3程の体積収縮を伴うため、還元が行わ
れているガラス素地の表面部分はポーラスとなり、長期
信頼性においても問題があった。
【0009】そこで、このような問題点を解決するため
に、ガラス等の誘電体基板上に真空蒸着等の薄膜製造プ
ロセスを利用して不連続な島状金属粒子層と、ガラス等
の誘電体層を交互に形成し、加熱延伸によって異方性を
持たせるようにしたものも提案されている(例えば、1
990年電子情報通信学会秋季全国大会、講演予稿集C
ー212を参照)。この偏光子は、上記島状の金属粒子
層における各島が金属粒子の役割を果たし、金属粒子を
分散させたものと同じ構造になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記偏
光子の場合、分散させる金属粒子の大きさ、金属粒子の
分布状態を基板面内方向で均一にすることが難しく、工
業的に安定して作製することが難しかった。
【0011】この製造プロセスについて、発明者らが鋭
意検討した結果、金属粒子の成長には、基板温度が重要
なパラメータとなることが確認された。また、金属粒子
は、真空蒸着装置等で成膜された場合、基板面のエネル
ギー状態で存在箇所を変化させるため、基板面に温度分
布が存在すると、金属粒子の面内分布が生じることにな
る。
【0012】また、上記基板温度は通常300℃以上の
高温となるので、基板面を均一な面とするとともに、成
膜中、同一基板面内を均一な温度にする必要がある。
【0013】従来、基板を加熱させる場合、基板を保持
している基板保持体を介して、ヒータに取り付ける方法
や、また、白熱電球を使用する方法では、誘電体である
基板を加熱することが難しいため、一度、基板保持体を
加熱し、基板保持体からの熱伝導により基板を加熱する
方法が取られていた。このため、このような高温下で
は、ガラスの熱伝導率が低いことにより、同一基板面内
を均一な温度にすることが難しく、金属粒子が基板面に
不均一に分布し、基板一枚から特性の優れた偏光子を多
数得られない。
【0014】そこで本発明は、誘電体基板の一主面に光
吸収異方性を有する金属粒子が分散された金属粒子層と
誘電体層とが交互に積層された偏光層を設けて成る偏光
子において、金属粒子層を基板面に均一に成膜すること
を可能とし、ひいては、特性の優れた偏光子を大量且つ
安価に提供できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の偏光子は、透光性を有する誘電体基板の下
面に透光性を有し、前記誘電体基板より熱伝導率が高い
熱伝達層を設けるとともに、前記誘電体基板の上面に光
吸収異方性を有する金属粒子が分散された金属粒子層と
誘電体層とが交互に多層に積層された偏光層を配設して
なる。
【0016】また、特に、透光性を有するガラス基板の
下面に透光性を有するシリコン酸化物層を形成するとと
もに、前記ガラス基板の上面に光吸収異方性を有する金
属粒子が分散された金属粒子層と誘電体層とが交互に多
層に積層された偏光層を配設してなる偏光子とする。こ
こで、特にシリコン酸化物層の厚さは1〜4000Åと
し、より好適には500〜2000Åとする。
【0017】また、透光性を有するガラス基板の上面
に、光吸収異方性を有する金属粒子が分散された金属粒
子層とガラスから成る誘電体層とを交互に積層させて成
る偏光層を配設してなる偏光子の製造方法において、前
記偏光層は下記Aの工程にB〜Dの工程を複数回繰り返
し行い、しかる後にガラス基板を加熱しながら延伸せし
め、前記金属粒子層内に分散された金属粒子に光吸収異
方性を具備させることを特徴とする。A:ガラス基板の
下面にシリコン層を薄膜形成法により形成する工程。
B:ガラス基板の上面に金属微粒子を薄膜形成法により
被着形成する工程。C:前記ガラス基板を軟化点より低
い温度で加熱して、前記金属微粒子を成長させて金属粒
子層を形成させる工程。D:前記金属粒子層上に薄膜形
成法により誘電体層を形成させる工程。
【0018】また、上記製造方法において特に、シリコ
ン層を加熱して透光性を有したシリコン酸化物層を生ぜ
しめる工程を含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づき詳細に説明する。図1及び図1のA−A
線断面図である図2(g)に示すように、本発明の偏光
子1は透光性を有する誘電体基板であるガラス基板2の
下面には、ガラス基板2より熱伝導率が高い熱伝達層で
ある例えばシリコン(Si)が、後記する熱酸化処理に
より酸化形成された透光性を有する酸化シリコン(Si
2 )層7が設けられ、ガラス基板2の上面には、光学
異方性を有する金属粒子3aが多数分散された(個数密
度:2〜37個/μm2 )金属粒子層4と誘電体層3a
とが交互に多層に積層されて成る偏光層8を配設したも
のである。なお、金属粒子層4において金属粒子4aと
金属粒子4aとの間は誘電体層3aの一部になってい
る。
【0020】上記のように誘電体基板の下面にシリコン
層を設ける場合には、シリコン層が残留すると挿入損失
が増大するので、後記する熱処理工程により熱酸化せし
め透明な酸化シリコンとするとよい。また、熱伝達層が
不透明で熱処理等の工程においても透明化することがで
きない場合は、このような熱伝達層を研磨等により除去
してもよい。また、熱伝達層が例えば金や白金等の光を
透過する金属等の薄膜で構成した場合には、そのような
透光性を有する熱伝達層を設けたままの状態にしておい
てもよい。なお、透光性を有するとは使用波長に対して
透明という意味である。また、金属粒子の個数密度は基
板面S方向における密度であって、少なくとも1個の金
属粒子4aの長軸を含み、且つ基板面Sに平行な面で切
断した時に計測した密度である。
【0021】基板2は例えばパイレックスガラス(パイ
レックスとはコーニング・ガラス・インダストリーの商
標名)や、BKガラス(BKとは、ホーヤガラス社の商
標名)等のホウ珪酸ガラスを用い、これ以外にシリカガ
ラス等の高融点の珪酸塩ガラスやソーダガラス等の低融
点ガラスを用いても良い。また、このようなガラス材料
に代えて他の透明な誘電体材料を用いてもよいが、ガラ
ス材料は安価で延伸が容易であるので好適に使用でき
る。誘電体層5は基板2と同種の材料が好ましく、例え
ば基板2にBKガラスを用いる場合には、誘電体層5に
もBKガラスを用い、熱膨張率等の特性を一致させるこ
とが好ましい。
【0022】金属粒子4aには、Au,Ag,Pt,R
h,Ir等の貴金属元素やCu,Fe,Ni,Cr,A
l及びW等の遷移金属から選択される一種以上の金属で
あることが好ましく、基板2や誘電体層5との濡れ性が
悪く凝集しやすい金属でしかも酸化され難く、誘電体層
5中で金属粒子4aとして存在し得るものが好ましい。
これらの内、特に好ましいものは、低融点なため凝集が
容易で、ガラスとの濡れ性が悪く、しかも酸化され難い
Auと、安価でガラスとの濡れ性が悪いCuである。な
お、金属粒子4aは金属単体に限定されるものではなく
合金であってもよい。
【0023】また、金属粒子4aはほぼ回転楕円体状で
形状異方性があり、図1(但し、光の進行方向をZ方向
とし、これに直交する平面をX−Y平面とする)では、
金属粒子4aの長軸方向がX方向で、短軸方向がY方向
である。
【0024】また、金属粒子4aの長軸方向の長さと短
軸方向の長さの比をアスペクト比とし、ここでは多数の
金属粒子4aのアスペクト比の平均値を単にアスペクト
比と呼ぶものとする。
【0025】金属粒子4aが回転楕円体状になるのは、
基板2上に偏光層3の成膜後の延伸時に、基板2ととも
に金属粒子4aが延伸方向に引き延ばされるからであ
る。そして、アスペクト比が大きいほど消光比が増加す
るが、それと同時に基板2の延伸率が増加して延伸が困
難になり、しかも消光比の増加率がアスペクト比の大き
い領域で減少するため、偏光層3中の金属粒子4aのア
スペクト比(長軸方向の長さ/短軸方向の長さ)は3〜
30が適当であり、特に好ましくは15〜25である。
なお、消光比は、所定波長において偏光していない入射
光を用いた場合に、Y方向の偏光成分とX方向の偏光成
分のエネルギーの比をデシベル単位で示したものとし、
エネルギーの比が10の時に10dBとする。後記する
挿入損失は、所定波長において偏光していない入射光を
用いた場合に、入射光の全エネルギーとX方向の偏光成
分のエネルギーの比をデシベル単位で示したものとし、
エネルギーの比が0.1の時に0.1dBとする。
【0026】また、金属粒子層4中の金属粒子4aの個
数密度は基板面方向に2〜37個/μm2 とする。この
理由は、個数密度が2個/μm2 より下回ると偏光子と
しての特性が出にくくなり、例えば消光比が20dBよ
り低くなるからであり、また、37個/μm2 より上回
ると金属粒子での吸収が大きく挿入損失が1dBより増
大するからである。すなわち、上記範囲を外れると金属
粒子同士が近づき過ぎて挿入損失が増大したり、離れす
ぎて消光比が得られないのである。
【0027】次に、本発明に係る偏光子1の製造方法に
ついて説明する。まず、図2(a)に示すように、透光
性を有する硼珪酸ガラス等のガラス基板2の下面に、シ
リコン等のガラス基板2より熱伝導率が高い熱伝達層5
を例えばスパッタリング等の薄膜形成法により形成する
(工程a)。
【0028】次に、図2(b)に示すように、ガラス基
板2の上面に銅などの金属微粒子6をスパッリングによ
り薄膜形成法により被着形成する(工程b)。その後、
このガラス基板2をガラス軟化点より低い温度で加熱し
て、金属微粒子6を成長させた金属粒子4aから成る金
属粒子層4を形成させる(工程c)。
【0029】そして、上記金属粒子層4上にスパッタリ
ング等の薄膜形成法により誘電体層3aを形成させる
(工程d)。
【0030】このようにして、上記工程b〜工程dを複
数回、繰り返し行うことにより、金属粒子層4と誘電体
層3aとが交互に積層された積層体3がガラス基板2上
に形成される(工程e,f)。
【0031】そして、上記スパッタリング等の薄膜形成
法に使用したアルゴンガスを除去するために、ガラス軟
化点以下の温度で加熱処理を行い、誘電体層3a中のア
ルゴン量を1.0×1019molecules /cm3 以下にする
ように脱ガスする。その後、ガラス基板7を軟化点付近
で加熱しながらX−X′方向へ応力を加えて延伸等の熱
塑性変形を行わせ、金属粒子層4内に分散された金属粒
子4aに光吸収異方性を具備させる(工程f,e)。
【0032】なお、工程a以外において、ガラス基板2
は例えばSUS等で作製した基板保持体に密着させて取
り付け、この基板保持体をヒータ等の加熱源に接触させ
てガラス基板全体が均一温度になるようにし、金属微粒
子6及び誘電体層4aをそれぞれ成膜する。
【0033】いま、XY方向の偏光成分をもつ入射光L
1を偏光子1に入射させると、金属粒子の短軸方向(Y
方向)に平行な偏光に比べ、長軸方向(X方向)に平行
な偏光を多くしかも長波長帯にて吸収するため、出射光
L2はある波長帯においてY方向に平行な偏光のみとな
り、偏光子として作用する。このような製造方法によっ
て得られた偏光子は、光アイソレータや干渉計等の各種
光学部品に用いることが可能となり、光通信の分野で広
く使用することができる。
【0034】以上のように、金属粒子層の形成前に、ガ
ラス基板の下面にシリコン(Si)等の熱伝達層を形成
することで、金属粒子層の形成時に、シリコンの熱伝導
性により、ガラス基板の熱を均一化させ、ガラス基板表
面に著しい温度分布が生じることが極力防止され、ガラ
ス基板面内の金属粒子の分散を均一にさせることがで
き、さらに、金属粒子の大きさも均一にすることができ
る。なお、この方法では、従来不可能であった、白熱電
球等の輻射によるガラス基板加熱も可能とすることがで
きるが、より温度を均一にするためには、輻射熱を基板
保持体で受け、基板に伝える方法が好ましい。
【0035】また、形成したシリコンは、そのままの状
態ではガラス基板との屈折率の相違から損失を発生さ
せ、偏光子として機能させるには問題となることが考え
られるが、本発明のように透光性を有するガラス基板の
一面側に異方性を有する金属粒子が分散された金属粒子
層と誘電体層とが交互に多層に積層された偏光層を設け
てなる偏光子では、例えばスパッタリング等の薄膜形成
法による成膜中にトラップされたアルゴン(Ar)ガス
を脱離するために行っている熱処理過程において酸化さ
れ透明な例えば酸化シリコン(SiO2 )となるため、
偏光子として全く問題とならない。しかしながら、その
Arを脱離するために実施している熱処理温度は600
℃程度であり、熱酸化を可能とし、しかも熱伝達に寄与
するSiの厚さに限界がある。発明者らが、鋭意研究を
重ねた結果、この最適膜厚が1〜4000Å(ただし、
基板として後記するBK7ガラスを用いた場合は200
0Åが上限であった)であることを見いだし、偏光特性
を全く損なわない膜厚は500〜2000Åであること
を見出した。
【0036】
【実施例】まず、誘電体基板として、76mm×10m
m×1mmの大きさのBK7ガラス(SiO2 :69
%,B2 3 :10%,Na2 O:8%,K2 O:8
%,BaO:3%(但し,組成は重量%)、軟化点は7
24℃)を多数用意した。
【0037】また、これらガラス基板の下面(裏面)に
は、Si(熱伝導率168W/mK)が500Å,10
00Å,1500Å,2000Å,2500Åの膜厚と
なるように、5種類のものをそれぞれ10枚ずつ形成し
た。次に、これらガラス基板の上面に金属粒子層と誘電
体層とが交互に複数層積層した。すなわち、図2(b)
〜(d)の工程を5回繰り返し行い、Cuから成る金属
粒子層とBK7ガラスから成る誘電体層とが交互にそれ
ぞれ5層ずつとなるように成膜した。
【0038】スパッタリングガスには、Arを利用し、
金属粒子のスパッタ条件は、RFパワー20W、スパッ
タ圧2.0×10-3Torr、Arガスの流量10ccm、
銅の膜厚24nmに設定し、銅粒子を成長させるため、
成膜直後に500℃, 60分間の熱処理を行った。ここ
で、銅の膜厚は上記スパッタ条件にて、20分間成膜し
たものの膜厚を測定し、成膜速度を算出し、この値から
導きだしたものである。次に金属粒子を誘電体層内に埋
め込むため、誘電体層を150nmの膜厚で成膜した。
【0039】金属粒子層の形成後、真空中で金属粒子層
をヒーター加熱法で500℃前後でアニールして凝集さ
せ、さらに島状の金属粒子の形状をほぼ球状に整えた。
このときの金属粒子の個数密度は5〜10個/μm2
した。なお、誘電体層の加熱は行わなかった。
【0040】その後、スパッタ時に誘電体層内にトラッ
プされたArガスを脱離するため、600℃, 50時間
の熱処理を行った。このとき、ガラス基板の下面に成膜
されたSiは2000Å以下のサンプルでは全て熱酸化
され透光性を有するSiO2となった。しかしながら、
2500ÅのサンプルはBK7基板とSiO2 の界面に
Siが残った。
【0041】上記Siが2000Å以下のサンプルを6
25℃にて45kg/mm2 の応力で延伸を行った。消光
比20dB、挿入損失0.05dBの歩留まりとして
は、500Åの場合20%、1000Åの場合30%、
1500Åの場合60%、2000Åの場合90%とな
り、Siの厚さが厚くなれば、歩留まりが向上する結果
が得られた。
【0042】しかしながら、Siが2500Å成膜した
サンプルは、SiO2 とSiの界面、BK7とSiの界
面にて反射が発生し、消光比20dB,挿入損失10d
Bとなった。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の偏光子及
びその製造方法によれば、ガラス基板の下面に熱伝達層
を形成することにより、ガラス基板の上面側に金属粒子
層を形成する場合のガラス基板の表面温度を均一化し、
これにより、ガラス基板面内の金属粒子の分布をなくす
ことが可能となり、特性の優れた偏光素子を歩留り良く
提供することができる。
【0044】また、特にガラス基板の下面にシリコンか
ら成る熱伝達層を設ける場合には、ガラス基板の熱処理
工程により容易に酸化させることができ、透光性の有す
るシリコン酸化物とすることができ、このシリコン酸化
物を除去しなくとも特性の損なわない優れた偏光子を非
常に簡便に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光子の一実施形態を説明するた
めの斜視図である。
【図2】(a)〜(g)は、それぞれ本発明に係る偏光
子の製造工程を説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1:偏光子 2:ガラス基板(誘電体基板) 3:偏光層 3a:誘電体層 4:金属粒子層 4a:金属粒子 5:熱伝達層 6:金属微粒子 7:酸化シリコン層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する誘電体基板の下面に、透
    光性を有し前記誘電体基板より熱伝導率が高い熱伝達層
    を設けるとともに、前記誘電体基板の上面に光吸収異方
    性を有する金属粒子が分散された金属粒子層と誘電体層
    とが交互に多層に積層された偏光層を配設してなる偏光
    子。
  2. 【請求項2】 ガラス基板の下面に透光性を有するシリ
    コン酸化物層を形成するとともに、前記ガラス基板の上
    面に光吸収異方性を有する金属粒子が分散された金属粒
    子層と誘電体層とが交互に多層に積層された偏光層を配
    設してなる偏光子。
  3. 【請求項3】 ガラス基板の上面に、光吸収異方性を有
    する金属粒子が分散された金属粒子層とガラスから成る
    誘電体層とが交互に積層された偏光層を配設してなる偏
    光子の製造方法であって、 前記偏光層は下記Aの工程にB〜Dの工程を複数回繰り
    返し行い、しかる後にガラス基板を加熱しながら塑性変
    形せしめ、前記金属粒子に光吸収異方性を具備させるこ
    とを特徴とする偏光子の製造方法。 A:ガラス基板の下面にシリコン層を薄膜形成法により
    形成する工程。 B:ガラス基板の上面に金属微粒子を薄膜形成法により
    被着形成する工程。 C:前記ガラス基板を軟化点より低い温度で加熱し、前
    記金属微粒子を成長させて金属粒子層を形成させる工
    程。 D:前記金属粒子層上に薄膜形成法により誘電体層を形
    成させる工程。
  4. 【請求項4】 前記シリコン層を加熱して透光性を有す
    るシリコン酸化物層を形成せしめる工程を含むことを特
    徴とする請求項3に記載の偏光子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012198307A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Seiko Epson Corp 偏光素子の製造方法
JP2012198308A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Seiko Epson Corp 偏光素子の製造方法
JP2014112137A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Seiko Epson Corp 偏光素子の製造方法

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