JPH11261161A - 薄膜光回路素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜光回路素子およびその製造方法

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JPH11261161A
JPH11261161A JP5720298A JP5720298A JPH11261161A JP H11261161 A JPH11261161 A JP H11261161A JP 5720298 A JP5720298 A JP 5720298A JP 5720298 A JP5720298 A JP 5720298A JP H11261161 A JPH11261161 A JP H11261161A
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JP
Japan
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thin film
substrate
gallium
waveguide
forming
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JP5720298A
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English (en)
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Takeo Kaneko
丈夫 金子
Katsumi Mori
克己 森
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寿命の長い薄膜光回路素子を提供する。 【解決手段】 導波路薄膜(102)より低い屈折率を備
え、かつ、溝(110)が設けられた基板(100)、基板(100)
の溝(110)に設けられた結晶核(121)から結晶成長したガ
リウム系化合物で形成された導波路薄膜(102)を備え
る。溝(110)から結晶成長が行うことで、無転移の導波
路薄膜(102)を提供可能であり、寿命を延ばすことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット式記
録ヘッドの工業的応用に係り、特に青紫色レーザ等の窒
化ガリウムを用いた薄膜光回路素子を良好な特性で形成
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】最近注目の青紫色レーザや光導波路等の
デバイスに使用する薄膜の形成には平板状の基板に各種
エピタキシー法により窒化ガリウム膜の結晶を成長させ
るのが一般的であった。蒸着法の例として、Internatio
nal Symposium on Blue Laserand Light Emitting Diod
es, Chiba University, Japan, March 5-7, 1996, pp53
4-537には、窒化ガリウム系半導体のパターンを、真空
蒸着法の一種であるホットウォールエピタキシャル法で
形成する方法が開示されている。この方法によれば、最
初にガリウム層を平板状の基板に形成してから窒化する
ことで結晶が製造できる旨が記載されている。また特公
平8−8217号には有機金属化合物成長法で結晶を成
長させる旨が記載されている。さらにこの方法では、平
板状のサファイア基板を反応容器内に設置し、有機金属
化合物ガスをこの反応容器内に供給しながら反応容器内
の温度を所定の高温に維持する。反応容器内では最初島
状に蒸着した窒化ガリウムから結晶が成長し、基板上に
窒化ガリウム系化合物の単結晶層が形成される。特にこ
の方法では基板上に窒化ガリウム系化合物層を成長させ
る前にバッファ層を形成することにより結晶性を高める
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法で製造された青紫色レーザは実用化の観点から
は寿命が短いという問題点があった。この問題は導波路
を形成する薄膜における結晶に欠陥が存在することに起
因する。格子欠陥は基板と導波路を構成する窒化ガリウ
ムとの間で結晶格子が整合しないことにより生ずる。エ
ピタキシー法等により結晶を成長させると基板表面から
垂直に結晶が成長する。基板表面で整合していない結晶
格子から結晶が成長することがあり、格子欠陥が多発す
るのである。
【0004】上記問題点に鑑み、本願発明者は基板に加
工を施すことにより導波路の結晶成長方向を制御するこ
とに想到した。すなわち、本発明の第1の課題は、結晶
の成長方向が制御された無転移の導波路を備えることに
より寿命の長い実用的な薄膜光回路素子を提供すること
である。本発明の第2の課題は、基板に加工を施しイン
クジェット方式で結晶核を設けることにより、導波路の
結晶の成長方向を制御することができる薄膜光回路素子
の製造方法を提供することである。これにより無転移の
結晶を成長させ寿命の長い実用的な薄膜光回路素子を製
造することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
る発明は、導波路薄膜より低い屈折率を備えかつ導波路
薄膜の形成面に溝が設けられている基板と、前記基板の
溝に設けられた結晶核から結晶成長したガリウム系化合
物で形成された前記導波路薄膜と、を備え、当該導波路
薄膜を介して光を伝達可能に構成されていることを特徴
とする薄膜光回路素子である。ここで基板としてはサフ
ァイア(Al2O3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)、水晶(SiO2)等の酸化物誘電体単結晶、Ga
As、InP、Si、GaN、SiC等の半導体結晶、
また前記半導体上に酸化物や窒化物を形成してある基板
やガラス、石英、プラスチック等の非晶質材料等が適用
可能である。基板上の単結晶膜を形成するには各種のエ
ピタキシー法(気相、液相、分子ビーム、有機金属CV
D法等)を適用する。導波路薄膜としては、GaN等の
窒化ガリウム系化合物、ZnSe系化合物、BeTe系
化合物、ZnO/MgxZn1−xO等種々の材料が適
用可能である。薄膜光回路素子としては、光波を導波路
内に閉じこめその横方向境界面における全反射現象を利
用して導波路の軸方向に光波を伝搬する構造を一部また
は全部に採用するあらゆる素子が該当する。例えば導波
路素子、薄膜レーザ等が挙げられる。
【0006】例えば前記導波路薄膜上に複数のクラッド
層で挟持された活性導波路薄膜を備え、当該活性導波路
薄膜の共振により発生した光を前記導波路薄膜に結合可
能に構成された薄膜光回路素子である。薄膜レーザがこ
れに相当する。
【0007】例えば前記導波路薄膜を形成するガリウム
系化合物は窒化ガリウムである。
【0008】上記第2の課題を解決する発明は、薄膜で
形成された導波路薄膜を介して光を伝達可能に構成され
た薄膜光回路素子の製造方法であって、導波路薄膜より
低い屈折率を備えた基板に複数の溝を形成する工程と、
融点以上の温度で溶解している液体ガリウムを含む流動
体をインクジェット方式により前記基板の溝に吐出させ
る工程と、前記基板を加熱して前記溝に吐出された流動
体からガリウムの結晶核を形成する工程と、ガリウムお
よびアンモニアを含むガス雰囲気下でガリウムの融点よ
り低い温度に設定されている前記基板の溝に形成された
ガリウムの結晶核から結晶を成長させ前記導波路薄膜を
形成する工程と、を備える薄膜光回路素子の製造方法で
ある。
【0009】また上記第2の課題を解決する他の発明
は、薄膜で形成された導波路薄膜を介して光を伝達可能
に構成された薄膜光回路素子の製造方法であって、導波
路薄膜より低い屈折率を備えた基板に複数の溝を形成す
る工程と、融点より低い温度でガリウム粒子を含む流動
体をインクジェット方式によりガリウムの融点より低い
温度に設定されている前記基板の溝に吐出させる工程
と、前記基板の溝に吐出された流動体にガリウムの融点
以上の温度を与えて前記ガリウム粒子を液体ガリウムと
しさらにガリウムの結晶核を形成する工程と、ガリウム
およびアンモニアを含むガス雰囲気下で前記基板の溝に
形成されたガリウムの結晶核から結晶を成長させ前記導
波路薄膜を形成する工程と、を備える薄膜光回路素子の
製造方法である。
【0010】好ましくは上記前記基板に溝を形成する工
程は、前記基板上にレジスト層を形成する工程と、前記
基板上に形成されたレジスト層を前記パターンに合わせ
て露光・現像する工程と、露光・現像された前記レジス
ト層をマスクにして基板をエッチングする工程と、を備
える。
【0011】さらに好ましくは前記流動体を基板の溝に
吐出させる工程の前に、アンモニアを含むガス雰囲気下
で当該基板の表面を窒化する工程をさらに備える。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための最
良の形態を、図面を参照して説明する。
【0013】(実施形態1)本発明の実施形態1は液体
ガリウムを用いて薄膜光回路素子を製造するものであ
る。
【0014】(薄膜光回路素子の構造)図1に本実施形
態で製造される薄膜光回路素子の断面図を示す。この図
は薄膜光回路素子を導波路の軸方向に沿って切断した様
子の概略である。本薄膜光回路素子は薄膜レーザを構成
し、基板100、窒化膜101、導波路薄膜102、ク
ラッド層103、光ガイド層104、活性導波路薄膜1
05光ガイド層106、クラッド層107、p型電極1
08およびn型電極109を備えている。
【0015】基板100はニオブ酸リチウム(LiNb
O3)、水晶(SiO2)等の酸化物誘電体単結晶、G
aAs、InP、Si、GaN、SiC等の半導体結
晶、また前記半導体上に酸化物や窒化物を形成してある
基板やガラス、石英、プラスチック等の非晶質材料等が
適用される。当該基板100には溝110が形成されて
いる。この溝110は導波路薄膜102の製造時に結晶
の成長方向を制御するためのものである。溝110の形
成方向は図1では導波路の軸方向(図面の左右方向)に
垂直な方向に形成されているが、これと異なる方向であ
ってもよい。溝110の幅は、インクジェット方式によ
り流動体を溝内部に吐出可能な開口を備え、かつドロッ
プレットが適量形成可能なガリウムを含んだ流動体量を
充填可能に形成する。複数の溝110を形成する場合に
溝間のピッチは結晶成長の速度および時間に応じて定め
る。後述する結晶成長により各溝から成長した窒化ガリ
ウムが互いに合体できる程度に隣接する溝と接近してい
ることを要する。窒化膜101は基板100表面を窒化
することにより形成された膜で、多結晶のAlNにより
構成される。窒化膜101の厚みは0.5〜5nm程度
になる。窒化膜101は比較的方位のそろった単結晶層
であるため、この単結晶を種として成長するGaN結晶
を均一な方位の単結晶にすることができる。導波路薄膜
102は本薄膜光回路素子の導波路として機能する層で
あり、ガリウム系化合物で構成されることが好ましい。
例えばガリウム(Ga)にインジウム(In)、砒素
(As)、リン(P)、アルミニウム(Al)等が化合
したものが用いられる。GaN等の窒化ガリウム系化合
物の他、ZnSe系化合物、BeTe系化合物、ZnO
/MgxZn1−xO等種々の材料が適用可能である。
特にこの導波路薄膜102は基板100に設けられた溝
110内の結晶核から結晶成長したものであるため基板
面に平行に結晶が成長している。そのため基板と薄膜と
の格子欠陥が影響することなく、膜内に転移が存在しな
い。クラッド層103および107は導波路薄膜102
や活性導波路薄膜105より屈折率の低い材料、例えば
AlGaN等で構成されており、導波路薄膜102や活
性導波路薄膜105内に光波を反射可能に構成されてい
る。n型電極(陰極)109側のクラッド層103には
n型元素がドープされ、p型電極(陽極)108側のク
ラッド層107にはp型元素がドープされていることは
好ましい。クラッド層のAlを高めておくと、動作電圧
を低減できるという効果を奏する。陰極側から電子を高
速に輸送し陽極側から正孔を高速に輸送することができ
るからである。また超格子層構造すると割れの発生を抑
えられる。またクラッド層は必要に応じて多層化されて
いてもよい。例えばクラッド層103の導波路薄膜10
2側にはn型InGaN層を、クラッド層107の陰極
側にはp型GaN層を設けてもよい。光ガイド層104
および106は活性導波路薄膜105内で発生した光波
を損失無く全反射させるための層であり、例えば陰極側
の光ガイド層104はn型元素をドープしたGaNで、
陽極側の光ガイド層106はp型元素をドープしたGa
Nでそれぞれ構成されている。活性導波路薄膜105は
電界が印加されることにより光波を発生可能に構成され
ており、例えばp型AlGaNにより構成されている。
当該活性導波路薄膜105は多層化されていてもよい。
例えばInGaN層を形成し多重量子井戸を形成可能に
構成されていてもよい。p型電極108は金属薄膜で構
成され電源の正極側に接続可能に構成されている。n型
電極109は金属薄膜で構成され電源の負極側に接続可
能に構成されている。
【0016】上記構造において活性導波路薄膜105は
ファブリ・ペロー共振器を構成している。陽極と陰極と
の間に電圧が与えられると活性導波路薄膜105が発光
する。層構造103〜107はダブルヘテロ接合構造を
しているので、ヘテロ接合部における大きな屈折率の差
から光波は活性導波路薄膜105に閉じこめられる。活
性導波路薄膜105と導波路薄膜102とは分布結合さ
れITG(integratedtwin guide)レーザを構成してい
る。このため活性導波路薄膜105内で共振している光
波が少ない損失で導波路薄膜102に結合し、導波路の
軸方向に伝達される。なお本実施形態の薄膜光回路素子
は上記層の組成および層構造を適宜変更可能である。例
えば、ファブリ・ペロー型レーザ構造であっても分布帰
還型(DFB:distributed feedback)レーザ構造であ
ってもブラッグ反射型(DBR:distributed Bragg re
frector)レーザ構造であってもリングレーザ構造であ
ってもよい。二つの導波路の結合方式もY分岐、エバネ
ッセント結合等任意の方法を適用可能である。
【0017】(製造方法)次に図2および図3の製造工
程断面図を参照して、本実施形態の薄膜光回路素子の製
造方法を説明する。以下の工程において基板を窒化させ
る装置、インクジェット式記録ヘッドを含むパターン形
成装置、および窒化ガリウム結晶を成長させる装置を使
用する。これらは機能が一体化された製造装置として構
成されていても個別化された製造装置を並行して使用す
るものであってもよい。
【0018】レジスト層形成工程(図2(a)): レ
ジスト層塗布工程は基板100のパターン形成面にレジ
スト層200を形成する工程である。レジスト材料とし
てはポジ型でもネガ型でもよい。ポジ型レジストは露光
されなかった部分が硬化して残される。ネガ型レジスト
は露光された部分が硬化して残される。スピンナー法、
スプレー法等の方法を用いて均一な厚さに塗布しレジス
ト層200を形成する。レジスト材料には東京応化製O
FPR−5000やクラリアント製AZ4620等の公
知のものを用いる。光には水銀ランプのg線やi線等の
公知の光源を用いる。
【0019】露光・現像工程(図2(b)): 露光・
現像工程はレジスト層200をパターン形成領域に合わ
せて露光および現像する工程である。パターンは基板1
00に形成する溝110に相当するものである。まずレ
ジスト層200の材料としてポジ型レジストを用いた場
合には溝形成領域に光を照射し、ネガ型レジストを用い
た場合には溝形成領域以外の領域に光を照射して露光す
る。次いで露光されたレジスト層200を現像して溝形
成領域以外のレジスト層のみを残す。現像処理に用いる
現像液には東京応化製NMD−W等の公知のものを用い
る。
【0020】エッチング工程(図2(c)): エッチ
ング工程は基板100のレジストパターン形成領域に溝
110を形成する工程である。エッチング方法として
は、例えば平行平板型反応性イオンエッチング等の活性
気体を用いた異方性エッチング等のドライエッチングや
湿式の異方性エッチング等のウェットエッチング等を用
いる。ドライエッチングによりレジスト層200の除去
と溝110のエッチングを連続して行うことも可能であ
る。エッチングの深度は、結晶核から好適な結晶成長が
行えるように結晶核が十分隠れる程度の深さにする。
【0021】基板表面窒化工程(図2(d)): 窒化
工程は基板100表面を窒化する工程である。このため
アンモニア等の窒素化合物を含むガス雰囲気下で当該基
板の表面を窒化する。窒化化合物は高温に晒したりリモ
ートプラズマ法を適用して活性化しておくことが好まし
い。基板100を真空装置の中に入れ、アンモニア(N
H3)ガスまたはモノメチルヒドラジン等の窒化力の強
い窒素化合物のガスを約1000℃の雰囲気下で3分間
〜5分間流す。この窒化処理によって基板100の表面
が窒化され多結晶のAlN等の窒化層101が0.5〜
5nmの厚みで形成される。このAlN層101は比較
的方位のそろった単結晶層であるため、この単結晶を種
として成長するGaN結晶を均一な方位の単結晶にする
ことができる。この工程により製造されるAlN層は必
須の層ではなく省略可能である。例えば基板表面の結晶
構造を単一化できるのであれば、AlN層が無くても良
好な結晶の窒化ガリウムの導波路薄膜を形成可能だから
である。
【0022】吐出工程(図2(e)(f)): 吐出工
程はインクジェット式記録ヘッド1を使用して溝110
内に液体ガリウム120を吐出する工程である。
【0023】インクジェット式記録ヘッド1の構造を簡
単に説明する。インクジェット式記録ヘッド1は、一般
的なインクジェット式記録ヘッドとして任意の流動体を
吐出可能に構成されていれば十分である。すなわち圧力
室が形成された圧力室基板の一面にノズル板が貼り合わ
せられ、他面に振動板が設けられて構成されている。ノ
ズル板には圧力室に対応させてノズルが形成されてお
り、振動板には圧力室に対応させて圧電体素子が設けら
れている。そして圧電体素子に電圧を印加することによ
り流動体を吐出可能に構成されている。なお上記インク
ジェット式記録ヘッドは、発熱体により流動体に熱を加
えその膨張によって液滴を吐出させるような構成であっ
てもよい。
【0024】流動体120としては液体ガリウムを使用
する。例えば固形ガリウムを熱して溶解させ、液体ガリ
ウムをインクジェット式記録ヘッド1に流動体を供給す
るタンク(図示する)に貯蔵する。タンクに貯蔵された
液体ガリウムはインクジェット式記録ヘッド1の吐出動
作に連れて少しずつインクジェット式記録ヘッド1に供
給されていく。ガリウムの溶解からインクジェット式記
録ヘッドによる吐出までの総ての工程をこの融点(30
℃)以上に保持しておくことが重要である。融点以下に
なった場所で目詰まりが生ずることを防止するためであ
る。なお最初から液体ガリウムとして供給されている場
合にはガリウムの融点以上で保温をすれば十分であって
溶解は不要である。一方、基板100のうち少なくとも
溝110はガリウムの融点より低い温度に設定しておく
ことが好ましい。
【0025】流動体120の吐出は、まず図示しない駆
動機構を動作させてインクジェット式記録ヘッド1を基
板100の溝110に相対する位置に搬送する。そして
インクジェット式記録ヘッド1の圧電体素子に電圧を印
加する。電圧が印加されると圧電体素子に体積変化が生
じ、その体積変化が振動板を介して圧力室に伝達され
る。この結果圧力室内に供給されていた液体ガリウムの
流動体120がノズルから吐出される。液体ガリウムが
溝110に着弾すると、溝110がガリウムの融点より
低い温度に設定されているのでガリウムが溝110に付
着する。
【0026】結晶核形成工程(図2(f)): 結晶核
形成工程は溝110に付着したガリウムから窒化ガリウ
ムの結晶核を形成する工程である。基板100を真空装
置の中に入れ、アンモニア(NH3)ガスまたはモノメ
チルヒドラジン等の窒化力の強い窒素化合物のガスを約
1000℃の雰囲気下で3分間〜5分間流す。温度が上
昇するとまず溝110に付着したガリウムがドロップレ
ットとなる。さらにアンモニアが供給されることにより
窒化ガリウムの小さい結晶核121が多数形成される。
【0027】結晶成長工程(図2(g)図3(a)
(b)): 結晶成長工程は窒化ガリウムの結晶を成長
させる工程である。窒化ガリウムの結晶核121が形成
されたら、さらにガリウムを含むガスをアンモニアとと
もに供給し、約900℃で10分間窒化ガリウムを結晶
核121に蒸着させ、結晶を成長させる。この蒸着には
各種のエピタキシー法を適用可能である。例えば気相、
液相、分子ビーム、有機金属CVD、同時蒸着法、フラ
ッシュ法、温度法、アーク放電法、イオンプレーティン
グ法、イオンビーム蒸着法、レーザ蒸着法、MOCV
D、MBF等種々の蒸着法が適用可能である。特にホッ
トウォールエピタキシャル法を用いることは好ましい。
このホットウォールエピタキシャル法によればエピタキ
シャル成長がほとんど熱平衡に近い状態でしかも材料の
損失を必要最小限に抑えながらできる。この方法はヘッ
ド部、ウォール部、ソース部およびリザーバ部を備えた
ホットウォールエピタキシャル装置により実施可能であ
る。ヘッド部に上記結晶核121が形成された基板10
0を配置し、ソース部に液体ガリウムを入れる。リザー
バ部からアンモニアガス等を供給する。ソース部から蒸
発した分子がヘッド部に移動し、ほぼ熱平衡に近い状態
で結晶成長が得られる。このときアンモニア分子により
窒化される。この方法によりほぼ単結晶に近い良好な窒
化ガリウム系化合物の結晶成長が行える。溝110内で
は結晶核121から基板面に垂直な方向に結晶が成長す
る(図2(g))。溝110に結晶が充たされたら基板
面を超えて結晶が成長する。このとき基板面上では基板
面の横方向に結晶が成長していく(図3(a))。従来
基板と窒化ガリウム結晶との転移が問題となっていた。
これに対し本実施形態のように結晶の成長が横方向、つ
まり基板の面方向であると、基板面と窒化ガリウム結晶
との不整合が結晶成長に影響することがない。さらに結
晶が成長して隣接する溝から発生した結晶が合体し所定
の膜厚、例えば2μm〜5μm程度に達したら成長を止
める(図3(b))。このようにして形成された結晶は
転移が少なく、薄膜レーザの導波路等に適する。
【0028】薄膜レーザ層形成工程(図3(c)):
本工程は導波路薄膜102を薄膜レーザの導波路として
機能させるための層を形成する工程である。導波路薄膜
102上にクラッド層103、光ガイド層104、活性
導波路薄膜105光ガイド層106およびクラッド層1
07を順次形成していく。形成方法は上記各種エピタキ
シー法を使用する。
【0029】エッチング工程(図3(d)): エッチ
ング工程は、クラッド層103、光ガイド層104、活
性導波路薄膜105光ガイド層106およびクラッド層
107と導波路薄膜102の一部をエッチングして、二
重導波路結合(ITG)を形成する工程である。p型電
極108およびn型電極109を備えている。
【0030】電極形成工程(図1): 最後に電極をp
型電極108をクラッド層107上に、n型電極109
を導波路薄膜102上に形成する。このような構造は、
陽極−陰極間に電圧を加えた場合、活性導波路薄膜10
5において共振した光波が発生し、導波路薄膜102に
分布結合可能に構成される。
【0031】上記したように本実施形態1によれば溝か
ら結晶を成長させるので、窒化ガリウム層に転移が発生
せず、結晶欠陥密度が非常に少ない導波路を製造可能で
ある。したがってこのような導波路を備えた薄膜レーザ
は従来の製品に比べ格段に長い寿命を備える。を形成し
ておくので、インクジェット式記録ヘッドの吐出方向等
にムラがあっても、予め形成した溝に沿って窒化ガリウ
ムのパターンを形成することができる。
【0032】また、従来基板に高温下でGaN層を成長
させようと思っても基板にGaが付着しにくいことから
結晶を成長させることが難しかった。この点、本実施形
態1によれば基板付近が低温で保たれているので容易に
基板表面にGaが付着し、これにアンモニアを供給する
ことでGaNの小さい結晶核を多数形成させることがで
きる。その後比較的高温にしてガリウムガスとアンモニ
アガスを供給しても、結晶核ができている場所、すなわ
ちインクジェット方式により最初にガリウムが付着した
場所からしか結晶が成長しないので、パターン以外の部
分に特にマスクを施さなくても格子欠陥の少ないGaN
層の薄膜を簡単に成長させることができる。
【0033】またホットウォールエピタキシャル法を用
いれば結晶成長においても材料の利用効率を高めること
ができる。
【0034】(実施形態2)本発明の実施形態2は実施
形態1と異なり固形のガリウム粒子をインクジェット方
式から吐出し結晶成長させるものである。
【0035】本実施形態においても上記実施形態1と同
様の基板100を用い、同様の層構造の薄膜光回路素子
を形成する。ただしインクジェット式記録ヘッド1から
吐出させる流動体としては液体ガリウムを用いずに固体
のガリウム粒子を含む流動体を用いる。
【0036】図4(a)〜(c)等の製造工程断面図を
参照して、本実施形態の薄膜光回路素子の製造方法を説
明する。以下の工程において基板を窒化させる装置、イ
ンクジェット式記録ヘッドを含むパターン形成装置、お
よび窒化ガリウム結晶を成長させる装置を使用する。こ
れらは機能が一体化された製造装置として構成されてい
ても個別化された製造装置を並行して使用するものであ
ってもよい。
【0037】流動体形成工程(図4(a)): 本工程
はガリウム粒子を混ぜた流動体を製造する工程である。
ガリウムが固形化した粒子122を溶媒125により攪
拌し、ガリウム粒子を含んだ流動体123を製造する。
この流動体123はインクジェット式記録ヘッドのタン
ク124に貯蔵される。ガリウム粒子122の径は流動
体123中で粒子122が偏在しない程度、例えば1μ
m程度に調整する。溶媒125としては、ガリウム粒子
122を含んだ状態でインクジェット式記録ヘッド1か
ら吐出可能な程度の粘度、例えば2〜4cpを有するも
のであって、ガリウムと反応しないもので構成する。例
えば溶媒125としてはキシレンが挙げられる。基板1
00に対する溝110の形成および基板表面の窒化は上
記実施形態1(図2(a)〜(d))と同様にして行
う。
【0038】吐出工程(図4(b)): 吐出工程は上
記実施形態1の吐出工程(図1(e))と同様にしてイ
ンクジェット式記録ヘッド1からガリウム粒子122を
含む流動体123を窒化膜101上に吐出する工程であ
る。インクジェット式記録ヘッド1の移動および吐出動
作は上記実施形態1と同様にして行うが、タンク124
への流動体123の貯蔵から吐出までの工程はガリウム
の融点(30℃)より低い温度に維持しておくことが必
要である。吐出前にガリウムが溶解するとインクジェッ
ト式記録ヘッド1中でガリウムが付着することになり、
吐出特性に影響を与えるからである。基板100付近の
温度は上記実施形態1と同様にガリウムの融点以上にし
ておく。
【0039】ガリウム溶解工程(図4(c)): この
工程は吐出された流動体123にガリウムの融点以上の
温度を与えてガリウム粒子122を溶解させ液体ガリウ
ムにする工程である。ガリウム粒子122が溶解するこ
とによりガリウムのドロップレットが溝110内部に付
着する。ガリウム粒子が溶解する過程で融点付近の比較
的低い温度を経る。ガリウム等の金属は基板が融点付近
の低い温度に保たれている際に付着しやすい。そして温
度を上昇させ溶媒成分を蒸発させる。ここで上記ガリウ
ム溶解工程を経ずにこの結晶成長工程を行ってもよい。
結晶成長工程においてガリウムの融点以上の温度になる
ためガリウム粒子が結晶成長の初期において溶解するか
らである。
【0040】以後の結晶核の形成、結晶成長、レーザ層
形成は上記実施形態1(図2(f)(g)、図3)と同
様にして行う。
【0041】上記したように実施形態2によれば、上記
実施形態1と同様の効果を備える他、ガリウムを粒子の
まま吐出させることによってもパターンを形成可能であ
る。本実施形態の工程はインクジェット式記録ヘッドを
含めた総ての工程をガリウムの融点以上に維持すること
が不可能な場合等に有効である。
【0042】(その他の変形例)本発明は上記実施形態
によらず種々に変形して適用することが可能である。例
えば上記各実施形態ではガリウムを吐出させて結晶を成
長させていたが、他の組成の金属等を吐出させてもよ
い。吐出させたい金属の融点や溶解後の粘度に応じて金
属を液体金属にして吐出させるか粒子を溶媒に混ぜて吐
出させるかを選択する。液体金属として流通させてもイ
ンクジェット式記録ヘッドに悪影響を及ぼすことなく、
かつインクジェット式記録ヘッドから吐出可能な粘度を
液体金属が保持している場合には、実施形態1と同様に
して液体金属を吐出させればよい。液体金属として流通
させるとインクジェット式記録ヘッドの構造に悪影響を
与えるほど金属の融点が高すぎる場合または液体金属に
なるとインクジェット式記録ヘッドから吐出不可能な粘
度になる場合には、実施形態2と同様にして金属粒子を
溶媒に含めて吐出させればよい。
【0043】また吐出後はガリウムを窒化させていた
が、他の金属等でエピタキシャル成長させることで異な
る組成の導波路薄膜を形成可能である。例えばAs、I
n、P等ガリウムと化合することにより特殊な機能を奏
する組み合わせの元素を蒸着可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば結晶の成長方向が制御さ
れた無転移の導波路を備えたので、寿命の長い実用的な
薄膜光回路素子を提供することができる。
【0045】また本発明によれば、基板に溝を設けその
中から結晶を成長させることにより、導波路の結晶の成
長方向を制御することができる薄膜光回路素子の製造方
法を提供できる。これにより無転移の結晶を成長させ寿
命の長い実用的な薄膜光回路素子を製造することができ
る。特に溝への薄膜材料の吐出にインクジェット方式を
用いたので、材料の利用効率を飛躍的に向上させ、製造
工程における省電力化を図ることができる。
【0046】さらに本発明によれば、基板付近をガリウ
ムの融点より低い温度に保つので、溝へのガリウムの付
着率を上げることができる。その後に温度を上げても、
ガリウムが最初に付着し窒化された場所以外には結晶核
が存在しないので、結晶の成長方向を容易に制御でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における薄膜光回路素子の
構造を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施形態1における薄膜光回路素子の
製造方法を説明する製造工程断面図である。
【図3】本発明の実施形態1における薄膜光回路素子の
製造方法を説明する製造工程断面図(続編)である。
【図4】本発明の実施形態2における薄膜光回路素子の
製造方法を説明する製造工程断面図である。
【符号の説明】
1…インクジェット式記録ヘッド、 100…基板 101…窒化膜 102…導波路薄膜 103,107…クラッド層 104、106…光ガイド層 105…活性導波路薄膜 108…p型電極 109…n型電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波路薄膜より低い屈折率を備えかつ当
    該導波路薄膜の形成面に溝が設けられている基板と、前
    記基板の溝に設けられた結晶核から結晶成長したガリウ
    ム系化合物で形成された前記導波路薄膜と、を備え、当
    該導波路薄膜を介して光を伝達可能に構成されているこ
    とを特徴とする薄膜光回路素子。
  2. 【請求項2】 前記導波路薄膜上に複数のクラッド層で
    挟持された活性導波路薄膜を備え、当該活性導波路薄膜
    の共振により発生した光を前記導波路薄膜に結合可能に
    構成された請求項1に記載の薄膜光回路素子。
  3. 【請求項3】 前記導波路薄膜を形成するガリウム系化
    合物は窒化ガリウムである請求項1に記載された薄膜光
    回路素子。
  4. 【請求項4】 薄膜で形成された導波路薄膜を介して光
    を伝達可能に構成された薄膜光回路素子の製造方法であ
    って、 導波路薄膜より低い屈折率を備えた基板に複数の溝を形
    成する工程と、 融点以上の温度で溶解している液体ガリウムを含む流動
    体を当該融点より低い温度に設定されている前記基板の
    溝にインクジェット方式により吐出させてガリウムを付
    着させる工程と、 アンモニアを含むガス雰囲気下で前記基板を加熱して前
    記溝に付着したガリウムから窒化ガリウムの結晶核を形
    成する工程と、 ガリウムおよびアンモニアを含むガス雰囲気下で前記基
    板の溝に形成された窒化ガリウムの結晶核から結晶を成
    長させ前記導波路薄膜を形成する工程と、を備えること
    を特徴とする薄膜光回路素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 薄膜で形成された導波路薄膜を介して光
    を伝達可能に構成された薄膜光回路素子の製造方法であ
    って、 導波路薄膜より低い屈折率を備えた基板に複数の溝を形
    成する工程と、 融点より低い温度でガリウム粒子を含む流動体をインク
    ジェット方式により前記基板の溝に吐出させてガリウム
    を付着させる工程と、 アンモニアを含むガス雰囲気下で前記基板の溝に付着し
    たガリウムにガリウムの融点以上の温度を与えて窒化ガ
    リウムの結晶核を形成する工程と、 ガリウムおよびアンモニアを含むガス雰囲気下で前記基
    板の溝に形成された窒化ガリウムの結晶核から結晶を成
    長させ前記導波路薄膜を形成する工程と、を備えること
    を特徴とする薄膜光回路素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板に溝を形成する工程は、 前記基板上にレジスト層を形成する工程と、前記基板上
    に形成されたレジスト層を前記パターンに合わせて露光
    ・現像する工程と、露光・現像された前記レジスト層を
    マスクに基板をエッチングする工程と、を備える請求項
    4または請求項5のいずれかに記載の薄膜光回路素子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記流動体を基板の溝に吐出させる工程
    の前に、アンモニアを含むガス雰囲気下で当該基板の表
    面を窒化する工程をさらに備える請求項4または請求項
    5のいずれかに記載の薄膜光回路素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004055811A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 Kansai Tlo Kk 窒化物半導体用基板及びその製造方法

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