JPH11264003A - 超硬合金焼結体 - Google Patents

超硬合金焼結体

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JPH11264003A
JPH11264003A JP6797398A JP6797398A JPH11264003A JP H11264003 A JPH11264003 A JP H11264003A JP 6797398 A JP6797398 A JP 6797398A JP 6797398 A JP6797398 A JP 6797398A JP H11264003 A JPH11264003 A JP H11264003A
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JP6797398A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Kuribayashi
伸碩 栗林
Kiyohide Wada
清秀 和田
Keiichi Matsumoto
啓一 松本
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KYORITSU GOKIN SEISAKUSHO KK
Original Assignee
KYORITSU GOKIN SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超硬合金粉末を粘結剤と共に混練して予備成
型体6を形成した後焼結して、係止部材が係合可能な被
係止部4を備えさせた超硬合金焼結体を、高価な設備を
必要とせず、材質劣化を招くことも回避できながら、必
要な精度を有する被係止部を形成する。 【解決手段】 被係止部4を形成した仮焼結後の被係止
部材3と、仮焼結後にその被係止部材3が嵌入可能な嵌
入穴2を形成した本体1とを別体に形成しておき、被係
止部材3を、嵌入穴2に異材を介在させることなく嵌入
した後、仮焼結の温度より高い焼結温度で本焼結して一
体に形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば炭化タング
ステンを基材とした超硬合金粉末を粘結剤と共に混練し
て予備成型体を形成した後焼結して、係止部材が係合可
能な被係止部を備えさせた、例えば金属プレス加工用の
ダイス等に用いられる超硬合金焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】上記従来の超硬合金焼結体はプレス加工
用のダイスを例にとって説明すると、例えば図5に被係
止部近傍のみを模式的に示したが、本体1とは別に、例
えばボルト等の係止部材が備える雄ねじ等の係止部が係
止自在に形成される雌ねじ等の被係止部4を形成可能
な、例えば鋼材等からなる被係止部材3Aの素材を予め
用意しておく。これとは別に、例えば炭化タングステン
等の超硬材料を基材とする粉体を圧粉成型した前記本体
1の予備成型体を、真空中で、例えば600〜700℃
程度の温度下で仮焼結した後、前記被係止部材3Aを焼
結後に嵌入自在な嵌入穴2を穿孔して、例えば1370
℃の温度下で真空中もしくは非酸化性雰囲気で本焼結す
る。そして、焼結後の前記本体1の前記嵌入穴2に前記
被係止部材3Aの素材を嵌入し、銀ロウ等を用いてロウ
付けし、前記被係止部材3Aの素材に下穴を形成した後
(予め下穴を有する管状の素材が用いられる場合もあ
る)前記被係止部4をねじ切り加工する。ここでは被係
止部4の加工性の良い材料として鋼材を用いているが、
ロウ付けの強度面を改善するのに、例えば図3に示すよ
うに、モリブデン等の高融点金属材料からなる被係止部
材3Aを前記本体1の本焼結の際に前記本体1に接合す
ることが行われる。つまり、仮焼結後の本体1に嵌入穴
2を穿孔して、その嵌入穴2に前記モリブデン等からな
る被係止部材3Aを嵌入した状態で本体1を焼結して前
記被係止部材3Aを結合するのである。このようにして
製造された超硬合金焼結体は、一体形成された本体に被
係止部4が形成された構成になっている。従来このよう
な製造方法によって超硬合金焼結体を製造する理由は、
これら超硬合金焼結体は、金属機械加工工具等に用いら
れる材料から成るもので、通常の加工法によっては前記
被係止部を加工することが極めて困難であるからであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
製造方法に基づく構成においては、前記被係止部材3A
は本体1に一体化されてはいるが、ロウ付けによって取
り付けられた前記被係止部材3Aは、例えば図6に示す
組織写真にも明らかなように、銀ロウ等のロウ材を介し
て前記本体1に接合されているから、接合強度に劣る不
利な点がある。その上、前記ロウ付けは本体1を焼結し
た後の、一般にガス加熱、高周波加熱等の本体焼結用と
は別の加熱手段を用いての別工程を必要とする。また一
方、モリブデン等で形成した前記被係止部材3Aを前記
本体1との間で拡散接合する場合には、前記被係止部材
3Aと前記本体1との間に成分の相互拡散が起こるため
に、境界部に拡散層が形成され、異常組織を生成して本
体1と被係止部4との間の強度劣化を招くという問題を
有している。また、超硬材料内に高融点金属材(モリブ
デン等)を嵌入して焼結するために、本焼結の際に金属
材成分が拡散して変質層を生じて、本体1の変形や強度
劣化を招く場合もある。例えば、炭化タングステンにコ
バルトを添加した超硬合金からなる本体1にモリブデン
製の被係止部材3Aを嵌入して焼結した境界部の顕微鏡
組織を図4に示したが、脆い境界層が形成されている。
組織の現出には腐食液として村上試薬を用いた。さら
に、焼結温度に耐える高融点金属(例えばモリブデン)
は加工性に乏しく、前記被係止部4形成のためのネジ切
り等の機械加工によるネジ穴加工が困難であるという問
題もある。この加工性の問題を解消するために被係止部
4の材料を鋼材にすることもあるが、この場合には両者
の間にロウ材を必要とする。図6はロウ材として銀ロウ
(JIS BAg 材)を用いて境界部を接合したものである。
ここでも組織の現出に村上試薬を用いているために、鋼
材の金属組織は現出されていない。これら両組織写真に
みられるように、何れも本体1と被係止部4との間に中
間層が形成されており、均質な材料構成とはなっておら
ず、前記境界部に弱点が存在する。こうした問題に対処
するために、被係止部材を嵌入することなく、本体1
を、例えば600〜700℃程度の温度下で仮焼結(脱
ワックス処理)した状態で、仮焼結体に穿孔して、機械
加工(例えばタッピング)により被係止部4を予備形成
して、その後本焼結することも考えられるが、被係止部
材の埋込を必要としない、素地の変質のおそれがない、
異材を嵌入していないから焼結後の変形が少ないという
利点は有するものの、加工の際に粉末を擦り落とすよう
な加工であることから、例えばネジ山が崩れやすいとい
うような加工精度が悪いという問題が残存する。これに
対処するのに、本焼結後の本体1に放電加工を施して被
係止部4を形成しようとすることは不可能ではないが、
あまりにもコストが嵩み、また、加工に要する時間も長
く、さらに、放電加工機が高価なものであるから、現実
的ではない。
【0004】そこで、本発明の目的は、高価な設備を必
要とせず、材質劣化を招くことも回避できながら、必要
な精度を有する被係止部を形成してある超硬合金焼結体
を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔本発明の特徴構成〕請
求項1に係わる本発明の超硬合金焼結体の特徴構成は、
被係止部を形成した仮焼結後の被係止部材と、仮焼結後
にその被係止部材が嵌入可能な嵌入穴を形成した本体と
を別体に形成しておき、前記被係止部材を、前記嵌入穴
に異材を介在させることなく嵌入した後、前記仮焼結の
温度より高い焼結温度で本焼結して一体に形成して構成
してある点にある。
【0006】請求項2に係わる本発明の超硬合金焼結体
の特徴構成は、上記請求項1に係わる発明の特徴構成に
おいて、被係止部材が、嵌入穴に嵌入するに先立って、
仮焼結の温度よりも高く、且つ、焼結温度よりも低い予
備焼結温度で予備焼結した後に前記嵌入穴に嵌入したも
のであり、前記嵌入穴が、前記予備焼結後の被係止部材
を嵌入可能に形成されたものである点にある。
【0007】請求項3に係わる本発明の超硬合金焼結体
の特徴構成は、上記請求項1又は上記請求項2に係わる
発明の特徴構成において、被係止部材が、係止部材とし
てのボルトのネジ部形状を形成可能な中型を用いて、雌
ネジからなる被係止部を形成したものである点にある。
【0008】〔特徴構成の作用及び効果〕上記請求項1
に記載の発明に係わる超硬合金焼結体の特徴構成によれ
ば、本体形成の精度がよく、且つ、被係止部近傍に強度
劣化や歪みを招くことがない。つまり、前記被係止部材
を前記本体と別体に形成してあるから、被係止部を前記
被係止部材に形成するに際して、どのような被係止部の
形成手段を選択しても前記本体に影響を及ぼさず、前記
本体の変形を招くおそれもない。また、本体と被係止部
材との両者の仮焼結体の間に異材を介在させることなく
一体に焼結してあるから、両者の境界部に異常組織を生
成して材質を劣化させることはなく、熱膨張係数の差に
基づく内部歪みを生ずることで変形を招くこともない。
さらに、前記被係止部材を前記本体と別体に形成するこ
とで、両者の間で成分配合比や粉体の粒度構成を異なら
せることも可能であり、また、被係止部を形成するため
の手段を任意に選択でき、殊に、前記被係止部材の予備
成型体を形成するのに、安価に多量生産できる射出成形
を採用して共通部品化することも可能になる。例えば、
前記本体の予備成型体を射出成型法で形成するには大型
のものが必要になり、しかも、複数の被係止部を同時に
形成する必要があるから、複雑な形状になり、成形型を
個々に必要とするようになる。これに対して、前記被係
止部材の予備成型体を射出成型法で形成する場合には、
小型のものでよく、しかも、単一の被係止部を形成する
ものであるから、前記予備成型体を容易に成型できる。
さらに、前記被係止部材が前記本体と別体に形成される
ことから、例えば、前記被係止部材と前記本体を夫々の
所要特性に合わせて形成する超硬合金材料粉末の粒径を
異ならせることも可能である。また、このように両者の
粒径を異ならせることで、粒径によって焼結に伴う収縮
率が異なることを利用して、前記被係止部材に対する焼
結時の締め付け量を調節することも可能であり、前記境
界領域の材料特性が好適に維持されるようになる。
【0009】上記請求項2に記載の発明に係わる超硬合
金焼結体の特徴構成によれば、本体と被係止部材との境
界領域の素材の連続性が高くなる。つまり、予備焼結に
より、被係止部材が仮焼結体よりも収縮しているから、
これを嵌入穴に嵌入して本体と共に予備焼結温度よりも
高い温度で本焼結すれば、本焼結に際する前記予備焼結
後の被係止部材の収縮よりも前記本体の収縮が大きく、
本焼結の際に前記嵌入穴に嵌入された被係止部材が前記
嵌入穴の周壁部から締め付けられる結果、面間圧縮力を
作用させながら焼結され、前記境界領域の焼結組織の連
続性が高められる。例えば、予備成型体の本焼結による
収縮率が20%である場合に、前記被係止部材を予備焼
結により5%程度収縮させておけば、前記本体の収縮率
が20%であるのに対して、前記予備焼結後の被係止部
材の収縮率は約15%であり、この差に相当する圧縮力
が前記嵌入穴の周壁部から前記被係止部材に及ぼされる
ことになる。この圧縮力により、前記被係止部材の外周
面と前記嵌入穴の内壁面との間は確実に接合されて一体
化し、前記境界領域の結晶組織の連続性を高めるように
なる。
【0010】上記請求項3に記載の発明に係わる超硬合
金焼結体の特徴構成によれば、超硬合金焼結体が、被係
止部として精度のよい雌ねじを備えたものとなる。
【0011】尚、以上の説明において、「超硬合金焼結
体」の用語に関しては、例えば炭化タングステンに金属
コバルトを配合したような炭化物金属系の焼結体を称す
るのみならず、通称に従って炭化物、窒化物、硼化物等
の通常非金属と見なされる化合物のみの焼結体をも含め
て総称を超硬合金焼結体としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる超硬合金焼
結体の一例につき、図面を参照しながらその製造方法と
ともに説明する。図1は本発明に係わる超硬合金焼結体
の製造過程を示す説明図である。
【0013】以下に説明する超硬合金焼結体は、金属プ
レス加工用のダイスに用いられるもので、プレス機械に
取り付けるための雌ねじで被係止部4を形成したもので
あり、図1は、ダイス10の前記被係止部4近傍のみに
ついて示したものである。前記ダイス10は、予め被係
止部4を形成してある予備成型体6を予備焼結して形成
した被係止部材3を、本体1として焼結する前の本体の
予備成型体に穿孔された嵌入穴2に嵌入して、両者を共
に焼結したものであり、その後、必要に応じて所定の工
具形状に加工されるものである。
【0014】ダイス10を製造するための原材料は、予
め超硬合金粉末にバインダを添加して混練しておく。例
えば、超硬合金粉末として、粒径1.20〜6.99μ
mの炭化タングステン粉末90重量部に対し、粒径1.
0〜2.0μmのコバルト粉末10重量部を混合した混
合金属粉末を用い、アルコール中で湿式混合しておく。
また、バインダとして、有機系バインダ(例えばポリプ
ロピレン、ステアリン酸)とワックス(例えばパラフィ
ンワックス、カルナバワックス等)の混合剤としてお
く。そして、前記混合金属粉末1000重量部に対して
前記バインダ65重量部を添加して、例えば155℃で
2時間混練して小フレーク状の原料コンパウンドを形成
する。
【0015】一方、雌ねじを被係止部4とする前記被係
止部材3を成形するための金型を別途用意しておく。前
記金型7は射出成形用のものであり、筒状の外型8に雄
ねじ形状の中型9を組み合わせて組み立てるように構成
してあり、射出成形機に取り付けられる。尚、図示の金
型は、基本構成を示すためのもので、簡略化して表示し
てある。
【0016】前記金型7を射出成形機に取り付けて、例
えば145℃の温度下で、前記原料コンパウンドを前記
金型7内に圧入して予備成型体6にする。前記被係止部
材3を形成する予備成型体6の取り出しは、前記金型7
を前記射出成型機から取り外し、前記中型9を回して外
型8及び前記予備成型体6から抜き取った後、前記予備
成型体6を外型8から取り出す。前記予備成型体6は、
前記金型7から取り出した後、非酸化性減圧雰囲気中で
徐々に例えば600℃まで昇温加熱して、脱ワックス、
即ち、予備成型体6中の有機成分の殆どを除去する加熱
処理を伴う仮焼結を施して前記被係止部材3を形成す
る。その後、引き続いて前記被係止部材3を非酸化性雰
囲気の減圧下で例えば1150℃まで昇温し、0.5時
間加熱して予備焼結を施す。この段階で、前記被係止部
材3は前記予備成型体6の状態から約5%収縮してい
る。
【0017】他方、本体1を形成するために、上記混合
金属粉末をアルコール中で湿式混合した後、パラフィン
ワックスを添加した粉体をプレス成型機で圧粉成型し、
上記予備成型体6と同様にして脱ワックス処理を施して
本体1の予備成型体を形成する。前記本体1の予備成型
体の所定の位置に、焼結時の収縮代を考慮に入れて、前
記被係止部材3を焼結した後の寸法に対して、締め代分
(例えば炭化タングステン90%、コバルト10%の超
硬合金の場合には0.1〜0.2mm)だけ焼結後に小
径となる内径の嵌入穴2を穿孔しておく(例えば炭化タ
ングステン90%、コバルト10%の超硬合金の場合に
は約21%収縮するから、前記内径は前記被係止部材3
の外径から0.2mmを減じた寸法の100/79の内
径とする)。この嵌入穴2夫々に前記被係止部材3を嵌
入して、非酸化性雰囲気に維持された加熱炉に装入し、
例えば1370℃の温度下で60分間保持して焼結を施
して前記ダイス10を製造する。
【0018】上記工程で製造された焼結体の最たる特徴
は、前記被係止部4周辺に金属組織的な境界層が存在し
ない点である。殊に、本体1と被係止部材3とを共に同
一混合金属粉末を用いてある場合には、両者が完全に連
続して、境界が判然としなくなる。両者の間に粒径の差
があれば、粒径の異なる領域が形成されるだけである
(図2参照)。
【0019】従って、こうして形成された超硬合金焼結
体には、被係止部に所要の精度を備え、強度むらも無
く、また、経時変形を防止できるという特徴を有してい
る。
【0020】〔別実施形態〕上記実施の形態の説明に係
わらず以下のような態様が本発明に包含される。 〈1〉仮焼結は、脱ワックス処理の際に施してあっても
よい。従って、本体1と被係止部材3とを共に仮焼結し
た後に、前記本体1に嵌入穴2を穿孔し、その嵌入穴2
に前記仮焼結後の被係止部材3を嵌入して、両者を共に
焼結したものであってもよい。また、前記本体1に予備
焼結を施した後に前記嵌入穴2に前記予備焼結した被係
止部材3を嵌入して、両者を共に焼結したものであって
もよい。尚、両者の接合強度は、焼結過程が液相反応で
あるから焼結時間には依存しないから、均熱に必要な時
間加熱すればよい。
【0021】〈2〉上記実施の形態においては、115
0℃で予備焼結する例について説明したが、予備焼結温
度は焼結すべき混合金属粉末の組成等性状に応じて決定
すべきもので、一定のものではない。また、その保持時
間も必要とする焼結度に応じて加減されるべきものであ
る。
【0022】〈3〉焼結温度も、1370℃は例示に過
ぎず、混合金属粉末の組成、粒度構成等に応じて選定す
べきものであり、炭化タングステン−コバルト混合金属
粉末の場合には、炭化タングステンの粒径とコバルトの
配合量によって異なるが、概ね1320〜1420℃の
範囲が好適に用いられる。
【0023】〈4〉嵌入穴2は本体1を貫通せず、有底
の穴であってもよい。また、雌ねじからなる被係止部4
も被係止部材3を貫通しないネジ止まりを有して有底に
形成してあってもよい。つまり、前記被係止部材3及び
前記被係止部4の形状は任意に選択できる。
【0024】〈5〉仮焼結温度或いは脱脂温度は、内部
のワックスを完全に除去するには、600℃程度でよい
が、その後に成形加工を行おうとする場合には、600
〜700℃の温度範囲内で成形体を仮焼結処理する。こ
の仮焼結によって、仮焼結体は白墨程度の強度が与えら
れる。つまり、機械加工可能となるのである。 〈6〉超硬合金粉末は、炭化タングステン粉末とコバル
ト粉末を、炭化タングステン粉末に対して重量比で15
%以下配合してあるものが好ましいが、少なくとも5%
配合してあることがさらに好ましい。尚、炭化タングス
テンに配合する他の金属粉末は炭化タングステン・チタ
ニウム(通称ダブルカーバイド:例えばWC 70 %−T
iC 30 %)、炭化チタニウム、炭化モリブデン、炭化
クロム、炭化バナジウム、炭化タンタル等であってもよ
い。また、前記超硬合金粉末を、炭化チタニウムを主成
分とするサーメット(例えばTiC−Ni)を基材とし
たものとしてもよい。
【0025】
【実施例】本発明に係わる超硬合金焼結体の実施例を以
下に示す。超硬合金粉末としては、炭化タングステン粉
末とコバルト粉末を次表のように配合した混合金属粉末
を焼結して超硬合金焼結体の試料を作製した。
【0026】
【表1】
【0027】上記各配合の混合金属粉末は、アルコール
中に懸濁させて撹拌混合した。バインダとしては、パラ
フィンワックス、カルナバワックス、ポリプロピレン、
ステアリン酸の混合剤からなるワックスバインダを用
い、上記各配合の混合金属粉末夫々につき1000重量
部に対して65重量部を、前記各配合の混合金属粉末に
添加して混練した。この混練は、155℃に加温しなが
ら2時間行い、小フレーク状の超硬合金原料コンパウン
ドを3種類作製した。
【0028】被係止部材の試料は、図1に示したような
構成の金型を射出成型機に取り付けて、145℃の温度
条件下で前記各コンパウンドを注入して成型し、出来上
がった成型体を、非酸化性雰囲気としての減圧水素雰囲
気下において加熱炉中で600℃まで徐々に昇温して、
脱ワックス処理を施し、引き続き炉内温度を昇温して、
1150℃に0.5時間保持して予備焼結を施し、炉内
冷却した。予備焼結後のネジ孔付き円筒状の被係止部材
は、射出成型後の寸法より約5%収縮していた。
【0029】本体の試料は、プレス成型機で前記原料コ
ンパウンドを加圧して成型し、上記被係止部材と同様に
して脱ワックス処理を施し、脱ワックス処理後の予備成
型体に前記被係止部材の完全焼結後の外径より0.2m
m小さい孔径に対して収縮代を加味した内径(例えば資
料番号2の場合には、前記外径から0.2mmを減じた
寸法の1000/814の内径)の嵌入穴を切削して穿
孔した。その後、前記嵌入穴に前記被係止部材を嵌入し
て両者を合体させ、1370℃に保持された加熱炉中で
60分間加熱して本焼結を施した。
【0030】上記条件で本焼結を施した後の各試料につ
いて機械的性質としての硬度と本焼結後の収縮率につい
て調べたところ、次表のような結果が得られた。
【表2】
【0031】また、本焼結後に焼結体の前記嵌入孔周部
断面を顕微鏡で観察したところ、図2に示した上記試料
番号1に関する顕微鏡組織に見られるように、境界層は
生成されておらず、境界部の両側の粒子径の相違による
境界がみられるだけで、顕微鏡組織的には、全く差がみ
られない。試料番号2及び3についても顕微鏡組織的に
は大差なく、殊に、試料番号2については、本体と被係
止部との間の粒径の差がなく、顕微鏡観察の結果では図
2に示したよりも境界部が遙かに不鮮明になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超硬合金焼結体の一例を製造工程の一
例と共に示す工程説明図
【図2】実施例における超硬合金焼結体の一例の境界部
を示す断面金属組織写真
【図3】従来の超硬合金焼結体からなるダイスの被係止
部を形成する例の工程説明図
【図4】従来の一方法で焼結製造した超硬合金焼結体の
断面組織写真
【図5】従来の超硬合金焼結体の被係止部を形成する工
程の一例を示す工程説明図
【図6】従来の一方法で焼結製造した超硬合金焼結体の
断面組織写真
【符号の説明】
1 本体 2 嵌入穴 3 被係止部材 4 被係止部 5 嵌入部 6 予備成型体 9 中型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金粉末を粘結剤と共に混練して予
    備成型体を形成した後焼結して、係止部材が係合可能な
    被係止部を備えさせた超硬合金焼結体であって、 前記被係止部を形成した仮焼結後の被係止部材と、仮焼
    結後にその被係止部材が嵌入可能な嵌入穴を形成した本
    体とを別体に形成しておき、 前記被係止部材を、前記嵌入穴に異材を介在させること
    なく嵌入した後、前記仮焼結の温度より高い焼結温度で
    本焼結して一体に形成してある超硬合金焼結体。
  2. 【請求項2】 前記被係止部材が、前記嵌入穴に嵌入す
    るに先立って、前記仮焼結の温度よりも高く、且つ、前
    記焼結温度よりも低い予備焼結温度で予備焼結した後に
    前記嵌入穴に嵌入したものであり、前記嵌入穴が、前記
    予備焼結後の被係止部材を嵌入可能に形成されたもので
    ある請求項1記載の超硬合金焼結体。
  3. 【請求項3】 前記被係止部材が、前記係止部材として
    のボルトのネジ部形状を形成可能な中型を用いて、雌ネ
    ジからなる被係止部を形成したものである請求項1又は
    2に記載の超硬合金焼結体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5230653B2 (ja) * 2007-12-27 2013-07-10 オーエスジー株式会社 超硬回転工具、及び超硬回転工具の製造方法
JP2022145220A (ja) * 2021-03-19 2022-10-03 冨士ダイス株式会社 硬質合金複合部材及びその製造方法並びに真空吸着装置及びその製造方法
JP2022145554A (ja) * 2021-03-19 2022-10-04 冨士ダイス株式会社 硬質合金複合部材の製造方法及び真空吸着装置の製造方法

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