JPH11268101A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JPH11268101A
JPH11268101A JP10070137A JP7013798A JPH11268101A JP H11268101 A JPH11268101 A JP H11268101A JP 10070137 A JP10070137 A JP 10070137A JP 7013798 A JP7013798 A JP 7013798A JP H11268101 A JPH11268101 A JP H11268101A
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film
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resin film
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Takeya Nohira
剛也 野平
Shozo Nitta
省三 新田
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電電極を短時間で良好な成形状態の得られ
る適正範囲位置にその方向も含めて自動調整できる、原
料ロスが少なく生産性も向上する熱可塑性樹脂フィルム
の製造方法。 【解決手段】 溶融状態の熱可塑性樹脂を口金からフィ
ルムにして押し出して冷却用回転ドラム上に落下させ、
冷却用回転ドラムの表面近傍にその幅方向に設けた線状
の放電電極によりフィルムに静電荷を印加して、フィル
ムを該冷却用回転ドラムに密着させて移送しつつ、固化
せしめるに際し、該放電電極を流れる電流に基づいて該
放電電極の冷却用回転ドラムの周方向の位置を調整する
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、該放電電極
からの放電によって発生する電磁波の強度に基づいて放
電電極の落下するフィルムに対する方向を調整すること
を特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、厚み斑、表
面欠点が少なく、表面性に優れた熱可塑性フィルムの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】公知の通り、熱可塑性樹脂フィルム(シ
ートとも言われる)は、溶融した熱可塑性樹脂をスリッ
ト状の口金からフィルム状にして冷却用回転ドラム上に
押し出してフィルムに成形し、ついで延伸等の必要な処
理をすることにより製造される。この成形に際し、冷却
用回転ドラム上のフィルムの上方の近傍空間の所定位置
に高電圧を印加した放電電極であるワイヤ電極をフィル
ムのほぼ全幅に亙るように設置することにより、静電的
にフィルムの冷却用回転ドラムへの密着度を向上させる
ことができ、良好な成形状態が得られることが従来より
知られている。
【0003】すなわち、ワイヤ電極から冷却用回転ドラ
ム側へ微小な電流が流れ、その際働く静電力により熱可
塑性樹脂が冷却用回転ドラムに押し付けられ、フィルム
と冷却用回転ドラム間の空気噛み込みが防止されるとと
もに、冷却効率が向上されて、成形性が向上されるので
ある。
【0004】ところで、この方法において上述の良好な
成形状態を得るためには、ワイヤ電極の位置が重要な条
件である。すなわち、ワイヤ電極と冷却用回転ドラムの
表面との間の位置関係の内、表面との間隔については、
以下の問題がある。この間隔が開きすぎるとワイヤ電極
と冷却用回転ドラム間の電位勾配が低下してワイヤ電極
から十分な電荷が放出されず、該フィルムに働く静電押
圧力が低下して冷却用回転ドラムへの十分な密着が得ら
れない。一方逆に、この間隔が狭すぎると、電位勾配が
過大となってフィルムに絶縁破壊が生じ、ピンホール等
の欠点が生じたり、ワイヤ電極の不均一部分で放電を起
こし電源が落ちて製造工程に悪影響を与える。
【0005】また、ワイヤ電極の冷却用回転ドラムの回
転方向すなわちフィルムの送り方向の位置については、
以下の問題がある。口金から吐出されたフィルムが自然
落下の状態で所定速度で回転する冷却用回転ドラムの表
面に引き取られながら接地する接地点での法線方向を基
準とし、この方向よりも上流にワイヤ電極を設置する
と、フィルムが自然落下の状態での冷却用回転ドラム表
面へ着地する前に冷却用回転ドラム側に押圧されるの
で、フィルムが安定せず振動や揺れを起こしやすくなる
ためにフィルムに厚さ斑や表面欠点が生じる。
【0006】逆に該法線方向よりも下流側に設置する
と、大きな押圧力が作用するワイヤ電極に最も近い点で
はフィルムの冷却用回転ドラム側がすでにある程度冷却
され固化しているため、冷却用回転ドラムとの間に空気
を噛み込んでしまい、気泡や表面欠点を生じる。
【0007】したがって、ワイヤ電極のフィルムの送り
方向の最適位置は、フィルムの静電力等の外力の作用が
ない自然落下の状態での冷却用回転ドラム表面への着地
点、またはその直前ということになり、その位置に設置
されることにより、安定した着地と良好な成形面すなわ
ち表面性の良好なフィルムが得られる。
【0008】ところが、この着地点は、吐出されたフィ
ルムの塑性と冷却用回転ドラムの回転速度との関係で決
まり、大きな製造条件の変動があると、放電電極の位置
が不適切となり、前述の欠点等が発生し、その調整に手
間取るという問題があった。特に、製品銘柄変更の場合
は顕著で、放電電極の最適位置の探索に多大な時間を要
する問題があった。
【0009】また、スリット状の口金から押し出された
フィルムはネックイン現象によって口金の幅より狭くな
り、フィルムの両端部はその収縮によって厚くなる。こ
のためにフィルムの着地点は、幅方向の一部具体的には
両端部において、冷却用回転ドラムの軸と平行とはなら
ず、このことも放電電極の最適位置探索を困難なものに
させていた。
【0010】これに対して、従来ワイヤ電極の自動位置
決め方法が既に提案されている。例えば、特開昭60-120
028号公報にはワイヤ電極の位置を冷却用回転ドラムと
の距離を一定に保ちながらこれを流れる電流が最大値に
なるように自動制御する方法が提案されている。また、
特開平4-83627号公報には放電電極すなわちワイヤ電極
の位置を冷却用回転ドラムとの距離を一定に保ちながら
その放電電流の電流変動幅が最小となるように調整する
方法が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来方法では、
ワイヤ電極の位置の自動調整に用いている検出信号が1
つであることからダイの幅方向において左右のバランス
を調整することはできないという問題があった。本発明
は、この問題を解消するためになされたもので、放電電
極を短時間で良好な成形状態の得られる適正範囲位置に
その方向も含めて自動調整できる、原料ロスが少なく生
産性も向上する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を課題
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、以下の本
発明により達成される。すなわち、本発明は、溶融状態
の熱可塑性樹脂を口金からフィルムにして押し出して冷
却用回転ドラム上に落下させ、冷却用回転ドラムの表面
近傍にその幅方向に設けた線状の放電電極によりフィル
ムに静電荷を印加して、フィルムを該冷却用回転ドラム
に密着させて移送しつつ、固化せしめるに際し、該放電
電極を流れる電流に基づいて該放電電極の冷却用回転ド
ラムの周方向の位置を調整する熱可塑性樹脂フィルムの
製造方法において、該放電電極からの放電によって発生
する電磁波の強度に基づいて放電電極の落下するフィル
ムに対する方向を調整することを特徴とする熱可塑性樹
脂フィルムの製造方法である。
【0013】上記の本発明は、フィルム幅方向の電磁波
強度の分布により放電電極の落下するフィルムに対する
方向、具体的にはフィルムと平行な方向からの偏向度合
換言すれば平行度が検出できることを見出し、なされた
ものである。上記の通り、本発明は、放電電極を流れる
電流値により放電電極の冷却用回転ドラムの周方向の位
置を調整し、放電電極からの放電によって発生する電磁
波強度により放電電極の方向を調整するようにしている
ので、従来例の問題が解決され、流れ方向に対し左右均
一で、表面性の良いフィルムが、原材料ロスが少なく、
且つ生産性良く製造できる。
【0014】なお、本発明において、その趣旨から、放
電電極の冷却用回転ドラムの周方向の位置調整方法に
は、前述した従来例の電流値そのもの、或いはその変動
値を用い、これらを所定値にするように調整する方法が
適用できる。しかし、後述の実施例に示す放電電流の所
定周波数範囲の周波数成分の電流値が設定範囲になるよ
うに放電電極の位置を調整する方法が、フィルム厚み変
動を感度よく検出でき、それだけ制御制度が向上して良
好な表面性が得られる点で好ましい。なお、この所定周
波数は、適用するプロセスによるが、経験的には、通常
3〜15Hzである。
【0015】本発明の特徴である電磁波強度による放電
電極の方向の調整方法は、フィルムの幅方向の電磁波強
度から放電電極の落下するフィルムとの平行度を検出し
て平行になるように調整できるものであれば特に限定さ
れない。具体的には、電磁波の強度のフィルム幅方向の
両端部における最大値が等しくなるように放電電極の方
向を調整する方法が、検出感度の面から好ましく適用さ
れる。中でも、放電電極の周方向位置を変更せずに方向
のみ調整できるという点で、放電電極の両端部位置を互
いに逆方向に等量調整する方法が好ましい。
【0016】また、制御の安定性の面から、放電電極の
移動方法は、冷却用回転ドラムの表面との距離を一定に
保持して表面に沿って移動させる方法が好ましい。更
に、実際の運転に際しては、製品品質の安定面から、製
造開始時から定常運転までの立ち上げ時と、定常運転か
ら製造終了までの立ち下げ時は位置調整を自動調整し、
定常運転時は位置の自動調整はせず、厚み、欠点数、或
いは上述の電流、電磁波等のフィルムの品質関連変量の
監視のみとする運転方法が好ましい。
【0017】ところで、本発明においては、上記の通
り、その周方向位置制御系は検出した放電電極を流れる
電流の周波数成分を解析しつつ、このデータをもとに位
置調整装置により放電電極の位置を自動調整する構成と
なるが、この放電電極の位置の調整方法は、位置調整装
置により放電電極の位置を大きな厚み変動がでる通常の
運転範囲外となる位置まで一旦変化させた後、この変化
方向と逆方向に所定速度で上記周波数範囲の成分の電流
値において予め設定した所定値になるまで調整する方法
が、制御の安定性から好ましい。以下、本発明の詳細を
説明する
【0018】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性樹脂は、
一般にフィルム(シートとも言われる)に成形可能なす
べての樹脂を包含する。これらの熱可塑性樹脂の代表例
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル、或いはポリオレフィ
ン、ポリアミドなどが挙げられる。また、これらの共重
合体混合体であって、他の添加剤などが含有されたもの
であってもよい。また、口金から押し出されたフィルム
は、単層フィルムでも、同種又は異種の樹脂層が複数層
に積層された複層フィルムであってもよい。
【0019】放電電極は、線状の導電材からなるもので
あればよく、通常金属ワイヤからなるワイヤ電極が用い
られる。放電電極には通常高圧の直流電圧がかけられる
のでこの電流値を検出するのは通常直流用の電流計であ
るが、電流値の周波数成分を解析した結果によって放電
電極の位置を調整するため交流用の電流計でも問題な
い。
【0020】電流値の周波数成分を解析する装置は、市
販の周波数解析装置であっても良いが、市販のパーソナ
ルコンピューターを用いて高速フーリエ変換( FFT
)を実行できるソフトを用いて演算しても放電電極の
位置調整に十分な速度で演算可能である。
【0021】放電電極からの放電によって発生する電磁
波の強度を測定する装置は市販の電磁波測定装置で十分
可能で、3GHzまで測定可能なものが好ましい。また
電磁波と相関のある磁場測定装置を用いても目的を達す
ることは可能で、比較的安価に装置を構成できる。フィ
ルム幅方向の強度分布測定は電磁波測定装置を幅方向に
走査させて行う。測定位置が決まれば、その各位置に夫
々電磁波測定装置を設置して連続測定することが好まし
い。以下本発明の実施例を説明する。
【0022】
【実施例】図1は、本発明方法を実施する熱可塑性樹脂
フィルムの製造装置のフィルム成形部とその放電電極の
位置制御装置の構成の説明図である。図示のように、熱
可塑性樹脂がダイ1より溶融押し出され、フィルム4と
なって、所定速度で回転する冷却用回転ドラム3の表面
上に落下し、これで移送されつつ、冷却固化され、図示
省略した次の延伸工程へ移送される。ここで、 金属ワ
イヤからなる放電電極2は高電圧発生装置8に接続され
て高電圧に維持されており、この結果、フィルム4には
静電荷が誘導され、フィルム4は対向電極である冷却用
回転ドラム3に密着される。
【0023】本例では、放電電極2は、冷却用回転ドラ
ム3との間隔を一定に維持しつつその位置を図に矢印で
示すように移動できる図示省略した位置調整装置を設
け、これに設置している。この位置調整装置はフィルム
の幅方向において放電電極2の左右両端を独立に動作さ
せることが可能となっている。
【0024】放電電極2と高電圧発生装置8との間にに
は電流計5を接続して、放電電極2を流れる電流を常時
測定できるようにしてある。電流計5で検出された放電
電極2を流れる電流は周波数解析装置6に入力される。
周波数解析装置6は、入力された電流を周波数分析し、
設定された設定周波数範囲の周波数成分に比例した出力
信号をコントローラ7に出力するようになっている。コ
ントローラ7は、この出力信号に基づいて所定の方向に
所定速度で放電電極2を移動させる制御信号を位置調整
装置に出力し、位置調整装置は、この制御信号に従って
放電電極2全体の位置を冷却用回転ドラムとの距離を一
定に保って図の矢印方向に調整するようになっている。
【0025】電磁波測定装置9は図示省略した冷却用回
転ドラム3の軸と平行にその幅方向に移動させる走査手
段上に設置されおり、冷却用回転ドラム3すなわちフィ
ルム4の幅方向に放電電極2の近傍空間を走査して放電
電極2からの放電によって発生した電磁波の幅方向の予
め設定した各測定位置での強度を検出し、順次コントロ
ーラ7に出力するようになっている。なお、電磁波測定
装置9の測定位置は放電による電磁波が検出できる位置
であればよいが、通常図示のように放電電極2と落下す
るフィルムとの間の空間又はその近傍で測定する。コン
トローラ7は、この検出信号に基づいて放電電極2の両
端のいずれかの位置を微調整する方向制御信号を位置調
整装置に出力し、位置調整装置は、この方向制御信号に
従って放電電極2のいずれか又は両方の端部位置を移動
してその方向を調整するようになっている。
【0026】以上の構成による制御方法について説明す
る。図1に示すようにダイ1より押し出されたフィルム
4は、ダイ1と冷却用回転ドラム3との間に一定間隔の
距離があり、冷却用回転ドラム3上で放電電極2による
静電力で密着されるまで、そのエッジ部分は開放されて
いるため不安定な状態にある。前述のように放電電極2
をフィルム4が冷却用回転ドラム3の表面に自然落下で
接する接地点付近で移動させるとき、放電電極2をフィ
ルム4に近づけるとその静電力の反力によりフィルム4
のダイ1と冷却用回転ドラム3の間のエッジ部分から振
動を始める。さらに近づけるとダイ1と冷却用回転ドラ
ム3の間のフィルム4全体が振動を始め、これが厚み斑
やフィルム欠点の原因となってしまう。
【0027】ところで、フィルム4が振動することによ
ってフィルム4と放電電極2との距離が変わるため静電
力が変化し、それに伴って放電電極2を流れる電流値も
ダイ1と冷却用回転ドラム3の間のエッジ部分の振動の
周波数で変動する。従って、特定周波数範囲の成分の電
流値を検出することにより、フィルム4の上記振動が検
出できるのである。そこで、フィルム4に対し放電電極
2を冷却用回転ドラム3との距離を一定に保って移動さ
せ、この電流値の変動する周波数成分を周波数解析装置
6で検出し、その周波数成分がある特定の設定範囲例え
ば特定の大きさ以下になるように放電電極2の位置を調
整すれば、フィルム4の振動を実用上問題ない範囲にで
き、前記欠点のない、表面性の良いフィルムが得られ、
目的達することができる。
【0028】しかし、これだけでは、放電電極2とフィ
ルム4の冷却用回転ドラム3との接地線が平行でない場
合、フィルムエッジの片側のみの振動によって電流値が
変動する可能性があり、この場合目的を達することがで
きない。これに対して、フィルム4の幅方向の電磁波の
強度によりこの偏りを検出できるので、前述の電磁波測
定装置9により冷却用回転ドラム3の幅方向における電
磁波強度の分布を検出し、幅方向の両端での電磁波強度
がバランスする、具体的には等しくなるように放電電極
2のいずれか或いは両方の端部位置を微調整する構成に
よってこれを回避することができ、全体として厚み斑や
欠点などのない、表面性の優れたフィルム4を製造でき
るのである。
【0029】以下、以上の装置でポリエチレンテレフタ
レートフィルムを製造した例を説明する。ポリエチレン
テレフタレート樹脂を図示省略した押し出し機から押し
出すことによって溶融し、リップ開度2mm、285℃
に設定したダイ1から押し出し、中央部分の厚み100
μmのポリエチレンテレフタレートのフィルム4を成形
した。その際、放電電極2には6.5KVの電圧を印加
した。また位置調整装置は冷却用回転ドラム3の表面と
の距離をは4mmに保って放電電極2を移動するように
設定した。なお、放電電極2には図2に示すようにフィ
ルム4に対面する部分以外には、無用な放電をさせない
ように絶縁カバー2aを設けてある。
【0030】製造は以下のように行った。最初の放電電
極2の位置をフィルム4の冷却用回転ドラム3への着地
点の下流側の、全面に空気の噛み込みによる欠点のある
通常の運転範囲外の位置にセットし、この状態から電流
による自動調整を開始した。放電電極2の移動は0.1
mm/sの低速で行った。これは、放電電極2の静電力
の反力によってフィルム4のエッジ部分が振動を開始す
る応答時間を十分に見て設定した。
【0031】周波数解析装置6には、フィルタを設け、
電源の周波数成分と冷却用回転ドラムの偏芯によって起
こる周波数成分をカットするようにした。電流による自
動調整は、周波数解析装置6に周波数10Hz以下の成
分を測定するように設定し、その出力が初期状態の3倍
に増したところで放電電極2の移動を停止するようにし
た。放電電極2は初期位置からフィルム4の進行方向に
対して上流側に冷却用回転ドラム3の軸と平行に移動し
た。この移動に従って周波数解析装置6からの出力は次
第に増加し、設定値の3倍になったところで停止した。
【0032】この位置での電磁波測定装置9による放電
電極2からの放電による電磁波の放電電極2の幅方向の
測定結果は、図2のグラフで破線に示す通りであった。
このグラフは図1の矢印10の方向から冷却用回転ドラ
ム3を見た図2の上部に示す正面図での幅方向の電磁波
強度の分布を示したもので、図で放電電極2の幅方向の
中心から右側の電磁波強度の割合が10%低くなってい
た。この分布では電磁波強度の相対的に小さい右側の端
部が左側の端部より落下するフィルム4に相対的に遠い
と判断される。
【0033】コントローラ7は、この両者の平均からの
各端部の差具体的には5%に基づいてこの差を零にする
ように各端部の移動量すなわち方向制御信号を算出し
て、位置調整装置に出力して、端部位置を自動調整す
る。このように両端部を等量逆方向に調整することによ
り、放電電極2の全体位置を実質的に変更することな
く、放電電極2の方向具体的には落下するフィルム2と
の平行度を調整でき、素早い調整ができる。本例では調
整の結果、電磁波強度は図2に実線で示すようにバラン
スし、この位置で調整を停止し、定常運転となった。な
お、調整の結果、放電電極2は、調整前に対して放電電
極2の左側の端部が0.1mm下流側に、右側の端部が
0.1mm上流側に冷却用回転ドラム3との距離を一定
に保って移動していた。
【0034】以上の調整により、図2のグラフの実線に
示すように電磁波強度の幅方向の分布のバランス良い、
換言すれば落下するフィルム4と放電電極2が平行し、
かつ振動の少ない位置、換言すればに欠点の発生がなく
膜厚も安定するフィルム4の製造に最適な位置に放電電
極2を自動調整することができた。
【0035】なお、常時放電電極2の電流及び電磁波を
検出して、常時放電電極2の位置を調整制御させること
もできる。しかし、一旦定常運転になると比較的安定し
ていること、制御に伴う放電電極2の微妙な移動も場合
によりフィルム4の特性に影響を与え、厚み斑など欠点
を作り出してしまうことがあることから、本例では一旦
最適位置に調整された後は、欠点等の品質が基準の所定
レベルを越えた場合のみ調整制御を行い、それ以外の場
合は、必要な品質関連変量例えば厚み、欠点等、或いは
これに代わる上述の電流、電磁波等、具体的には欠点検
出器による欠点の監視のみとする運転方法とした。本例
により、銘柄変更時等の調整工数が10%減少し、フィ
ルムの幅方向における厚み斑のばらつきが減少したため
工程も安定し、生産性が10%向上した。
【0036】
【発明の効果】本発明により、放電電極を落下するフィ
ルムとの平行度も含めて短時間で最適位置範囲に正確に
自動調整でき、原材料ロスが減少すると共に生産性も向
上する。さらに、製品としてのフィルムに表面欠点のば
らつきの無い、表面性の優れたフィルムを安定して得る
ことができる。このように、本発明は熱可塑性樹脂フィ
ルムのコスト低減、生産性向上、品質向上等に大きな寄
与をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法を実施する熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造装置のフィルム成形部とその放電電極の位
置制御装置の構成の説明図である。
【図2】図2は、フィルムの幅方向に測定した電磁波強
度分布の測定例である。
【符号の説明】
1 ダイ 2 放電電極 3 冷却用回転ドラム 4 フィルム 5 電流計 6 周波数解析装置 7 コントローラ 8 高電圧発生装置 9 電磁波測定装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態の熱可塑性樹脂を口金からフィ
    ルムにして押し出して冷却用回転ドラム上に落下させ、
    冷却用回転ドラムの表面近傍にその幅方向に設けた線状
    の放電電極によりフィルムに静電荷を印加して、フィル
    ムを該冷却用回転ドラムに密着させて移送しつつ、固化
    せしめるに際し、該放電電極を流れる電流に基づいて該
    放電電極の冷却用回転ドラムの周方向の位置を調整する
    熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、該放電電極
    からの放電によって発生する電磁波の強度に基づいて放
    電電極の落下するフィルムに対する方向を調整すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 放電電流の所定周波数範囲の周波数成分
    の電流値が設定範囲になるように放電電極の位置を調整
    する請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記所定周波数が3〜15Hzである請
    求項2記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 電磁波の強度のフィルム幅方向の両端部
    における最大値が等しくなるように放電電極の方向を調
    整する請求項1〜3記載のいずれかの熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 放電電極の両端部位置を互いに逆方向に
    等量調整する請求項4記載の熱可塑性樹脂フィルムの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 放電電極を冷却用回転ドラムの表面との
    距離を一定に保持して表面に沿って移動させる請求項1
    〜5記載のいずれかの熱可塑性樹脂フィルムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 製造開始時から定常運転までの立ち上げ
    時と、定常運転から製造終了までの立ち下げ時は位置調
    整を自動調整し、定常運転時は位置調整の自動調整はせ
    ず、フィルム品質に関係する変量による監視のみをする
    請求項1〜6記載のいずれかの熱可塑性樹脂フィルムの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 位置の自動調整の開始に際し、放電電極
    を一旦通常の運転範囲外の位置にセットし、該位置から
    自動調整を行う請求項1〜7記載のいずれかの熱可塑性
    樹脂フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 位置の自動調整の開始に際し、放電電極
    を一旦通常の運転範囲外の位置にセットし、先ず放電電
    流に基づいて放電電極全体を冷却用回転ドラムの周方向
    の最適位置に自動調整して該最適位置に停止し、次いで
    電磁波の強度に基づいて放電電極の落下するフィルムと
    平行になるようにその向きを自動調整する請求項8記載
    の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014069486A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Kaneka Corp 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP2022532561A (ja) * 2019-05-09 2022-07-15 ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー 注型薄膜製造装置と注型薄膜製造装置を備える薄膜延伸装置

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