JPH11268500A - 万線状凹凸模様を有する化粧材 - Google Patents

万線状凹凸模様を有する化粧材

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JPH11268500A
JPH11268500A JP10089538A JP8953898A JPH11268500A JP H11268500 A JPH11268500 A JP H11268500A JP 10089538 A JP10089538 A JP 10089538A JP 8953898 A JP8953898 A JP 8953898A JP H11268500 A JPH11268500 A JP H11268500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧材にて、木目の「照り」による木肌感
等を人工的で技とらしくなく自然な感じに表現する。 【解決手段】 万線状凹凸模様3を有する化粧材Dにお
いて、その万線状凹凸模様は、線長が不規則に異なる多
数の線素4を、近傍の線素間に於いては、揺らぎを有す
る平行関係となる様に配置したパターンから成る凹凸模
様とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木目の「照り」に
よる木肌感等を、人工的で技とらしくなく自然な感じに
表現できる、化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木目柄等有する化粧材が、シ
ート、板材、或いはその他立体物等として、広く使用さ
れている。そして、天然木材が有する独特の「照り」を
も化粧材にて表現する為に、万線凹凸模様を設ける事が
試みられている。照りは、着色インキの印刷で表現でき
る木目模様とは本質的に異なる、木材の視覚的特性の一
つである光沢感である。それは、着色インキの印刷で表
現できる木目模様は、木材切断面に入射した光が散乱し
た散乱反射光成分に該切断面固有の色成分が含まれ、そ
れが切断面で面分布するからである。しかし、「照り」
は、木材切断面に現れる細胞、繊維、導管等の多数の繊
維質によって鏡面反射した鏡面反射光成分による。この
反射光は鏡面反射である為、反射物体の色を反映せず、
前記繊維質の部分部分の微妙な配向方向の違いによる鏡
面反射光量の強弱が面分布となって現れて、「照り」と
なる。そこで、この鏡面反射光の面的強弱の分布模様
を、従来は万線模様のパターンを設けて表現する事が試
みられて来た訳である。
【0003】以上の様な「照り」を表現する為に万線凹
凸模様を設けた化粧材は、例えば、 特公平7−22989号公報、特公平7−1066
25号公報、特開平4−125199号公報等で提案
されている。では、平行曲線群〔図12(A)及び
(C)参照〕若しくは平行曲線群と平行直線群を組み合
わせた線群〔図12(B)参照〕のパターンからなる万
線凹凸模様を開示している。平行曲線群の代表例として
は、正弦波、サイクロイド曲線、円弧の曲線単位を複数
本互いに平行移動して配列したものを挙げている。ま
た、線群のパターンを、輪郭線にて囲まれた複数の閉領
域毎に、線の方向や形状を変えた万線凹凸模様等も挙げ
ている〔図12(D)参照〕。では、前記図12
(A)の様な、一定周期又は不定周期のウェーブ状曲線
型の凹状溝を互いに平行に多数配列してなる平行曲線群
凹凸模様の他に、図12(E)の様な、閉曲線で囲まれ
た区画領域内に同一方向に走る直線状凹状溝を互いに平
行に多数配列してなる平行直線群からなる万線凹凸模様
を挙げている。では、万線同士が完全平行では無い形
態として、ウェーブ状曲線群からなる溝状凹凸模様に
て、図13に示す様な、ウェーブ状曲線群を関数曲線か
らなり各曲線の関数パラメータを順次変化させ各曲線間
の間隔が線方向に滑らかに変化させた万線凹凸模様とす
る事で、木目の照りをより自然なものとして表現できる
と、提案している。そして、以上の様な従来の万線凹凸
模様は、図12の(F)の斜視図に示す如く、いずれも
単調な平行関係を有する連続の曲線等であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、特に天然
木の照りを微細な溝状凹凸模様を設ける事で表現した化
粧材が各種提案され、照り感は一応表現できる様になっ
た。しかし、その照り感は、人工的に設けた万線凹凸に
よる為に、天然木の照りと比べると不自然感が残った。
それは、上記説明した様な従来の万線凹凸模様は、その
全てに於いて、図12(C)及び(D)等の様に一部特
殊な場合もあるが、それらも含めて、溝間の間隔は一定
(完全平行)か、一定で無い場合でも滑らかに変化する
規則性を有している。しもか、溝となる万線の長さは領
域内で連続乃至は無限長を前提にしたからである。すな
わち、図12(A)、(B)、図13は万線が無限長で
あり、また、図12(C)、(D)、(E)も、万線の
長さ自体は有限長ではあるが、万線を、エンドレスに繋
いだり〔図12(C)〕、或いは1つの閉領域内の全領
域にわたって連続している〔図12(D)、(E)〕。
【0005】そこで、本発明の課題は、独特の万線状凹
凸模様により、特に木目の「照り」による木肌感等を、
人工的で技とらしくなく自然な感じに表現できる化粧材
とする事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
べく、本発明の万線状凹凸模様を有する化粧材では、そ
の万線状凹凸模様が、線長が不規則に異なる多数の線素
を、近傍の線素間に於いては、揺らぎを有する平行関係
となる様に配置したパターンから成る凹凸模様とした。
その結果、万線状凹凸模様のパターンの構成要素である
線素には、近傍の線素同士が揃った平行関係ではなく、
各線素の長さも不規則である為に、人工的な技とらしい
感じが無く、自然な感じで照り等が表現できる様になっ
た。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の万線状凹凸模様を有する化粧材の実施の形態を説明す
る。
【0008】〔万線状凹凸模様〕先ず、図1は、本発明
の万線状凹凸模様を説明する概念図である。同図(A)
の如く、本発明の化粧材Dは、溝状の凹部1と凸部2と
からなる万線状凹凸模様3を有する。しかし、本発明に
於ける万線状凹凸模様3のパターンは、図1(B)に示
す如く、従来公知の万線凹凸模様に見られた様に、任意
領域内に於いて線が連続していないで有限長である。つ
まり領域内で無限長を想定した連続線が互いに平行に多
数配列したパターンでも、閉曲線でも無く、有限長の線
分(線素4)を、しかもその長さを不規則に変えた上
に、隣接する線素間で必ずしも完全平行に揃ってはいな
いが略平行となる様な揺らぎによる不規則性を有した平
行関係で配置したパターンからなる。従って、図1
(B)からも分かる様に、本発明に於ける万線状凹凸模
様においては、或る線素の終端の延長上に別の線素の先
端が位置するとは限らない。しかし、各線素はその走る
方向が全くランダムに配置されているのではなく、図1
(B)に例示した万線状凹凸模様4が波状を示す如く、
線素の集合体の平均として見た場合には、波等の或る方
向性、つまり異方性を有する。なお、通常は万線状凹凸
模様が外表面に存在する場合など、線素4の部分が凹部
1に該当し、線素と線素との間隙部分が凸部2に該当す
るが、この逆でもよい。
【0009】次に、図2の概念図で、本発明の万線状凹
凸模様に於ける特徴の一つである、揺らぎを持った平行
関係での線素の配置について説明する。同図は、線素4
が配置される仮想面Pの小領域について、該仮想面(上
の任意ポイント)が有する互いに平行な方向ベクトル場
に於いて各ベクトルを、その向きに連ねて得られる線、
すなわちベクトル場の流線を複数の線5として図示して
ある。仮想面Pは平面である。但し、実際の化粧材に於
いて万線状凹凸模様を有する面は平面以外にも曲面や折
れた面等があり得る。また、隣接する線5同士は同図の
場合では平行である。もちろん、より広い領域で離れた
線5同士では平行関係とは限らない。しかし、非平行関
係でも、小領域でみれば平行関係が成立する。そして、
線5上の或る点Qに於ける方向ベクトルはVq→であ
り、同じ線5上で点Qから離れた点Rに於ける方向ベク
トルはVr→である。〔なお、ベクトルは文字上に横矢
印を付して本来は表すが、ここでは便宜上、文字の右側
に付してある〕方向ベトクルは二次元ベクトルである。
方向ベクトルは、もちろん、線素を配置する仮想面全領
域ではランダムでは無く、例えば、波状等と任意の異方
性が定義されるベクトルである。また、ここでは、それ
ぞれの線5は、互いに平行に図示したが、図示された線
5と線5との間にも、例えばそれらの中間値とした方向
ベクトルが存在するが、説明上、離散的に線5を描いて
ある。なお、この様な平行な複数の線5は、従来の万線
模様に於ける万線と考えても良い。平易に説明すれば、
本発明の万線状凹凸模様は、従来の万線模様に於ける万
線(線5)に対して、不規則な長さの複数の線素4を平
均値が万線(線5)に一致する様にして線素の走行方向
に所定の分散を持たせ、万線に対する平行関係に揺らぎ
を持たして配置して、万線状凹凸模様としてのパターン
としたものである。
【0010】そして、図2の如く、仮想面Pに配置され
た各線素4a〜4d等は、それぞれの線長が一定ではな
く不規則である。しかも、小領域で見た場合に、各線素
は揺らいだ平行関係にあり、おおよそ平行である。つま
り、各線素の持つ方向ベクトルは、仮想面Pが持つ平行
方向ベクトル場に対して揺らいでいるが、大略は一致し
ている。つまり、各線素(の方向ベトクル)が走る形状
は、仮想面Pの線5に沿っているか、或いはずれていて
も大略は沿った形状である。従って、各線素5はこの点
では規則性を持つ(仮想面Pの方向ベクトルはランダム
ではなく異方性が或る為、この異方性による規則性を持
つ)。なお、線素は、図2の線素4a及び4bで例示す
る様に、線素同士は必ずしも分離独立している必要はな
く、一部が接触していても良い。
【0011】なお、図1(B)に示す概念図では、図3
(A)でも示す様に各線素4の線幅(太さ)は同じで、
その始点から終点まで均一な太さとしたが、図3(B)
に示す様に、始点及び終点の両端を細く先鋭化しても良
い。また、線幅も、不規則、或いは線長に応じて短い場
合は細く、或る長さ以上では一定又は略一定等とある程
度の規則性を持たせても良い。特に、両端を細く先鋭化
すると、線素が突然終了した事による不自然さを防げ
る。但し、先鋭化した先端は滑らかな丸まっていても良
く、鋭角でも良い。
【0012】次に、図4は、本発明に於ける万線状凹凸
模様3の大きさを説明する概念図である。万線状凹凸模
様3は、溝状の凹部1と、凸部2とからなるが、凹部1
の幅w1と凸部の幅w2とは、用途により異なるが、そ
れぞれ通常1〜1000μmの範囲である。1μm未満
であると照りの再現効果が不十分であり、また、100
0μmを超える場合は、各線素が目視で識別できる程度
に目立ってしまう。もちろん、各線素を識別出来る程度
に目だ立たせる意匠表現もあり得るが、木目の照りの再
現には、線素は目立たない方が良い。従って、木目の照
りの再現の場合には、w1及びw2の幅は、5〜100
μm、より好ましくは5〜50μmの範囲が良い。な
お、図1〜図3による説明からも分かる様に、w1とw
2とは必ずしも同一値とは限らない。また、凹部の深さ
(凹部と凸部との高低差)は、通常1〜100μm程度
であるが、木目の照り表現の場合は、好ましくは5〜5
0μmの範囲とするのが良い。なお、凹部の深さも、w
1及びw2の大きさが大きい場合は深くしたり、或いは
深さ単独で独立に不規則に変化させても良い。なお、凹
部(或いは凸部)の横断面形状は、通常は概念図の図4
の如き四角形であり、この様な形状は、木目の照りの表
現等の独特の光沢感を表現する場合には、底面による鏡
面反射を活かせるので、好ましい形状である。しかし、
凹部及び凸部の横断面形状はこれ以外の形状でも良い。
例えば、目視出来る程度の万線状凹凸模様の場合などで
は、その凹部の横断面形状を角が丸くなった四角形や半
円や三角等その他形状としても良い。
【0013】以上説明した様に、本発明に於ける万線状
凹凸模様は、少なくとも線素が隣接する線素同士の平
行関係が揺らいだ平行関係にあり、各線素の方向が一定
の平均値と分散を有する分布をしているという不規則性
が加味された規則性が有る点と、線素が無限長の連続
線ではなく線長が有限長で且つ不規則である点に、特徴
がある。この為、本発明の万線状凹凸模様は、異方性の
点では従来の連続万線による凹凸模様の「万線凹凸模
様」とは類似しているが、図9に例示の具体例からも分
かる様に、そのパターンは万線が線素からなること、及
び揺らぎ等による不規則性の点で全く異質である為、
「万線状凹凸模様」と称して区別してある。ところで、
本発明の万線状凹凸模様は、上記及び以外の不規則
性を備えていてもよい。例えば、凹凸の高低差、線幅、
線長と線幅との比率、線素が分布する面密度等である。
また、の線素の線長の不規則性も、一定の長さの平均
値を中心に所定の分散で分布する揺らぎを持つ不規則性
でも良い。これら、各種不規則性を更に付与する事で、
木目照り感はより自然に表現できる。
【0014】万線状凹凸模様が全体として示す平均化し
た万線の異方性(の形状)の一つは、図12(A)或い
は図5(A)に示す波形であり、波形は、樹木を成長方
向に斜め又は平行に切断した木肌面に於ける木目の照り
感の表現に好適なパターンである。もちろん、本発明に
於ける万線状凹凸模様は、特に木目の照り感の表現に好
適になる事を意識したものではあるが、その他の意匠表
現にも当然使用できるものである。万線状凹凸模様の線
素の走る向きを部分部分で変えたパターンとすれば、表
面の部分部分の領域で異なる鏡面反射光量を持たせた意
匠表現の化粧材にできる。もちろん、該パターンは、意
匠表現に応じて任意のパターンとすれば良い。従って、
万線状凹凸模様4は、図5(A)に示す波形以外にも、
例えば、図5(B)の如き略直線の全面が一方向のみの
異方性、或いは、図5(C)の如き螺旋状の異方性等
と、その異方性のパターンは任意である。但し、図5
(D)の如く、各線素は線長が不規則で有るが向きも完
全に不規則で、異方性が無いものは対象外である。図5
(D)では、或る微小領域に於ける照りが他の領域と区
別されず、全面均一な照りとなる。また、従来の万線凹
凸模様として説明した図12(A)〜(E)、及び図1
3の各種万線凹凸模様も、線素を配置する際の方向ベト
クル場(の流線)としても良い。
【0015】次に、図6の概念図を用いて、鏡面反射光
量の大小と万線状凹凸模様との関係を説明する。図6
(A)及び(C)は、照明光源の入射角と観察者の視線
方向とを或る特定の組み合わせに固定した場合の天然木
板の或る面に於いて表現すべき鏡面反射光量の大小を、
スカラー値で示した図であり、領域a1のそれは1.0
5、領域a2では2.35、領域a3では0.95であ
る。この値は、天然木板に於ける木材繊維の配向方向と
相関を持つ。なお、照明光Lは光源Lsから入射角θで
面に入射し、観察者Oは面の法線方向Nに位置する。そ
して、図6(B)は、図6(A)に対応して割り付けた
万線状凹凸模様4の一例である。すなわち、図6(B)
では、スカラー値が小さい領域、即ち鏡面反射性の高い
領域a1やa3では、万線状凹凸模様4の向きは大略縦
方向としてy軸方向からの角度を少な目にし、また、ス
カラー値が大きい領域、即ち拡散反射性の高い領域a2
では、万線状凹凸模様4の向きを大きく左右に波状に振
らして、y軸方向からの角度を大き目にしてある。この
様に、万線状凹凸模様は、表現すべき鏡面反射光量の大
小のパターンに応じて、線素の向き、或いは更に線素の
密度や線素の幅等を変化させた模様とすれば良い。な
お、各領域間に引かれた線分は便宜上描いたもので、領
域間で鏡面反射光量は連続的に滑らかに変化する。但
し、意匠表現次第では、鏡面反射光量が領域間で不連続
に変化しても良い事はもちろんである。
【0016】なお、図5及び6に於いては、平行な点線
(つまり或る線素の終端の延長上に次の線素の始点が来
て、点線同士の平行関係に揺らぎが無い)で複数の線素
を図示しているが、これは単なる図示に於ける便宜の為
である。
【0017】次に、図7〜図9により、本発明による実
際の万線状凹凸模様の一例を説明する。図7は、線素を
配置する仮想面の方向ベクトル場の流線、即ち線素の平
均方向の一例で、板目等の木目等に適用できる方向ベク
トルの一例である。そして、図8は図7の方向ベクトル
と組み合わせ得る木材切断面模様として、板目面に現れ
る年輪模様の一例である。そして、図9は、実際に図7
の方向ベクトルに対して、線素を配置して得られたパタ
ーンによる、本発明の万線状凹凸模様の具体例を示す部
分拡大図である。図9の様に、本発明の万線状凹凸模様
は、従来の万線凹凸模様に比べて、人工的感触が極めて
少ない。例えて言えば、図9の万線状凹凸模様は、実際
の照りの面分布を持たせる為に波うっている事が異なる
他は、あたかも実物のラワン合板の表面に現れる導管溝
の拡大図の如くであり、極めて自然な感触のパターンで
ある。
【0018】〔万線状凹凸模様による再現テクスチュ
ア〕代表的には木目板の「照り」であるが、特に限定は
ない。例えば、石板、織布等のテクスチュア等の表現で
も良い。本発明の万線状凹凸模様独特の穏やかな表面反
射模様、或いはその凹凸模様を目視できる様な表面凹凸
模様として等と、活かせるテクスチュアであれば何でも
良い。
【0019】〔万線状凹凸模様の作成方法〕以上説明し
た様な万線状凹凸模様の作成方法は、特に限定は無い。
その一つは、コンピュータによる画像合成で得る方法で
ある。仮想面上の異方性を持った方向ベトクルは、従来
の万線凹凸模様同様に得られる。線素の線長を不規則に
するには、仮想面に配置する時に所定の平均値と分散を
持った分布でランダム化して配置し、また、平行関係に
揺らぎを持たせるには、例えば、配置済の線素をフラク
タル処理して変形させたり、図7の様な平行流線群上に
一旦配置済の線素をその中心を回転軸として所定の平均
値と分散を持った回転角度分布でランダムにわずかに回
転させたりすれば良い。なお、平行関係に揺らぎを付与
する場合、正規分布の様な線素の操作すべき座標値に対
して、或る中心値が最も確率が大きく、両側に離れる程
小さくする様にしても良いが、或る中心値に対して両側
に或る幅を持った範囲内で一様な確率になる様にしても
良い。そして、この様にして作成した万線状凹凸模様
を、実際に基材等の付与対象物に形成する為に、それを
コンピュータ上の画像データとして作成しておき、画像
データから金属版材上の感光性レジスト膜上に直接露光
して、現像、腐食工程を行うダイレクトエッング法で、
エンボス版を作製し、該エンボス版を押圧すること等に
よって万線状凹凸模様を付与対象物に形成したり、或い
は写真フィルム原稿として作成しておく。
【0020】〔万線状凹凸模様を形成する基材〕万線状
凹凸模様を形成する基材としては特に限定はなく、その
用途及び形状等により、樹脂、金属、セラミックス、或
いはこれらの積層物や混合物等の複合物が使用される。
例えば樹脂では、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等
の熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体)樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等が
あり、硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、
多官能アクリレート系、エポキシ系等の電離放射線硬化
性樹脂等がある。また、金属ではアルミニウム、銅、鉄
等がある。また、セラミックスでは、ガラス等がある。
これらは下記のいずかの方法で万線状凹凸模様を形成で
きる基材である。
【0021】なお、これらの基材は、万線状凹凸模様が
付与されてなくても、化粧材の基材として使用できる。
また、化粧材の構成においては、これらの基材に万線状
凹凸模様を付与したものに、さらに積層する等して複合
して使用し得る基材(万線状凹凸模様は付与出来ないか
付与しずらいもの)として繊維質基材がある。例えば、
薄葉紙、チタン紙、コート紙の紙類や、織布、不織布等
の布類である。化粧材の形状がシートや板の場合には、
通常、基材はシート(フィルム)や板の単層、又はこれ
らの積層体で使用される。
【0022】〔万線状凹凸模様の付与方法〕万線状凹凸
模様を化粧材に付与する方法は、特に限定されず、従来
公知の万線模様の場合と同様に、付与対象物である基材
の材質等に応じて各種方法で付与すれば良い。例えば、
直接に付与する対象物に応じて次の様な方法がある。
【0023】付与対象物が熱可塑性樹脂シート等で熱
圧によって塑性変形可能の場合には、エンボス版で熱圧
を加えて、賦形すれば良い。エンボスには、平版プレス
機、ロールエンボス機等の公知の各種プレス、エンボス
機を使用する。円筒状のエンボス版を使用するロールエ
ンボス法は、付与対象物を長尺帯状シート等として連続
生産出来るので生産性が良い。付与対象物への加熱加圧
条件は、付与対象物の熱圧的挙動による異なるが、通常
の熱可塑性樹脂の場合、軟化点又は熱変形温度と融点又
は熔融温度との間の適当な温度に加熱し、エンボス版を
押圧して賦形し、冷却して形状を固定する。また、熱硬
化性樹脂等の硬化性樹脂で塑性変形不可能の場合でも、
その硬化前の固体で塑性変形可能な段階でエンボス版で
熱圧又は圧を与えて賦形するか、液状段階で取り扱える
ならば、エンボス版を成形型として使用して硬化させる
(後で詳述する)等して、賦形できる。エンボス版によ
る賦形は、通常、付与対象物がシート又は板状の場合に
適する。
【0024】付与対象物が立体物で樹脂等の成形体で
ある場合には、成形型の型面に万線状凹凸模様を形成し
ておいた成形型を使って、成形と同時にその表面に万線
状凹凸模様を付与する。成形方法は、例えば射出成形、
キャスティング成形、圧縮成形等である。
【0025】付与対象物が金属の場合には、フォトエ
ッチング法、或いは腐食するのではなくメッキするフォ
トエレクトロフォーミング法等がある。なお、付与対象
物が金属の場合の方法は、上記や等で用いる通常は
金属製のエンボス版、或いは成形型に凹凸模様を形成し
ておく為の方法としても使用される。
【0026】以上は、凹凸模様を直接に付与する付与対
象物の素性に応じた方法であるが、エンボス版、成形型
は当然だが、これらで得られたシート等を賦形型とし
て、化粧材の基材等の構成要素に、間接的に凹凸模様を
付与する方法も勿論ある。例えば、シートの場合でも、
それをエンボス版として使用する他に、該シートを、支
持体と転写層とからなる転写シートの支持体として用い
て、被転写体の転写移行する転写層の表面に凹凸模様を
転写と共に賦形する方法等である。この場合、成形型内
に転写シートを挿入して成形すれば、樹脂等の成形体の
表面に成形と同時に万線状凹凸模様を適宜絵柄等と共に
賦形できる方法となる(射出成形では所謂射出成形同時
絵付け方法に於ける転写方法)。
【0027】次に、上記各種付与方法の中から、前記
で挙げた硬化性樹脂の未硬化液状段階にてエンボス版を
成形型として使用して硬化させる方法として、電離放射
線硬化性樹脂を用いて、円筒状のエンボス版で連続帯状
の基材シート上に電離放射線硬化性樹脂硬化物による万
線状凹凸模様を連続形成する方法を更に詳述しておく。
【0028】この方法は、特開昭57−87318号公
報、特公昭57−22755号公報、特公昭63−50
066号公報、特開平7−32476号公報等に開示さ
れるものであって、型(版)の凹凸形状を忠実に電離放
射性硬化性樹脂の硬化物に賦形する方法である。基本的
には、以下の工程からなる。
【0029】表面に目的とする形状と同形状且つ逆凹
凸の凹凸形状(万線状凹凸模様)を形成した円筒形状の
版胴(型)を用意し、これを軸芯の回りに回転させる。 長尺帯状の基材シートを、該版胴の周速度と同速度で
供給する。 該基材シートと該版胴とを、その間に電離放射線硬化
性樹脂の未硬化液状組成物を介して重ね合わせて密着さ
せ、該液状組成物が該版胴の少なくとも凹部を完全に充
填する様にする。 その状態のままで電離放射線を照射して、該液状組成
物を架橋、硬化させる。 而る後に、基材シートを、それに接着し且つ版胴上の
凹凸模様が賦形された電離放射線硬化性樹脂の硬化物と
共に剥離除去する。
【0030】以上の方法に於いて、円筒形状の版胴
(型)としては、公知の凹版、グラビア版、エンボス版
と基本的には、同様の材料、同様の構造、同様の製法に
よるものを用いれば良い。版の材料としては、通常は
鉄、銅等の金属が用いられる。但し、版胴内部から紫外
線或いは可視光線を照射する場合には、硝子、石英等の
透明な材料を用いる。版胴の軸芯の回りの回転駆動は、
通常の輸転式グラビア印刷機、輪転式エンボス機等と同
様な機構、方法を用いれば良い。基材シートの版胴への
密着の為には、ゴム、金属等のローラ(圧着ローラ)で
圧着する。又基材シートの版胴からの剥離にもゴム、金
属等のローラ(剥離ローラ)で押さえて剥離する。基材
シートは、長尺・帯状のものを用いる。此の様な基材シ
ートは巻出ロール(供給ロール)から巻き出して、賦形
後は巻取りロール(排紙ロール)で巻き取る。
【0031】基材シートと版胴とを、その間に電離放射
線硬化性樹脂の未硬化液状組成物を介して重ね合わせて
密着させる態様としては、次の(1) 〜(3) がある。(1)
先ず基材シート上に液状組成物を塗布し、次いで該塗布
面が版胴表面に向くようにして、該基材シートを該版胴
に重ね合わせる。(2) 先ず版胴上に液状組成物を塗布
し、次いで該版胴上の塗布面に基材シートを重ね合わせ
る。(3) 先ず版胴上と基材シート上との各々に液状組成
物を塗布し、次いで該基材シートと該版胴とを各々の塗
布面が対向する様にして重ね合わせる。
【0032】版胴と基材シート間にある未硬化液状組成
物への電離放射線の照射の態様としては、次のとが
ある。電離放射線に対して透明な基材シートを選び
(例えば、紫外線に対してはポリブロピレン基材シー
ト、電子線に対しては薄葉紙を選択)、基材シート側か
ら照射する。電離放射線に対して透明な版胴を選び
(例えぱ、紫外線に対して石英の版胴を選択)、版胴の
内部から照射する。
【0033】基材シートの材料は、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等の熱可塑性樹脂ポリエステル樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、オ
レフィン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリオレフィ
ン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ABS、アクリル樹脂等の樹脂シート、薄葉
紙、上質紙、クラフト紙、和紙等の紙、硝子、ビニロ
ン、ポリエステル、セルロース等の繊維からなる不織
布、或いは織布、アルミニウム、鉄、銅等の金属箔等
がある。なお、上記〜は、透明版胴内からの紫外線
照射射、又は電子線等の高透過性放射線の場合のみ可能
である。また、基材シートの厚さは通常20〜200μ
m程度のものを用いる。
【0034】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等の重合性不飽和結合、又は、エポキシ基等のカチオ
ン重合性官能基を有するプレポリマー、モノマー、又は
ポリマー、或いはポリチオ一ル化合物からなり、これら
を1種のみ又は2種以上適宜混合した組成物を用いる。
組成物は、未硬化時に液状のものを用いる。
【0035】前記分子中に重合性不飽和結合を有するプ
レポリマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価ア
ルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類がある
〔尚、本明細書では(メタ)アクリレートとは、アクリ
レート又はメタクリレートの意味で用いる。以下同
様〕。前記分子中に重合性不飽和結合を有するモノマー
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル等
の単官能(メタ)アクリル酸エステル類、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類、(メ
タ)アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジベ
ンジルアミノ)エチル等の不飽和酸の置換アミノアルコ
ールエステル類、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カ
ルボン酸アミド、分子中に2個以上のメルカプト基を有
するポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロ
パントリチオグリコレート、トリメチロールプロパント
リチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオ
グリコール等がある。
【0036】分子中にカチオン重合性官能基を有するプ
レポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂等、
脂肪環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族系ビニ
ルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニ
ルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂、環状エーテル系樹脂、スピロ系化合物等の
プレポリマー等がある。
【0037】以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2
種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性
を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを
5重量%以上、前記モノマー及び/又はポリチオールを
95重量%以下とすることが好ましい。また、硬化物の
可撓性、表面硬度等の物性を調節する為に前記プレポリ
マー、オリゴマー、モノマーの少なくとも1種に対し
て、以下の様な電離放射線非硬化性樹脂を1〜70重量
%程度混合して用いることができる。電離放射線非硬化
性樹脂としてはウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂を用
いることができる。
【0038】特に紫外線で硬化させる場合には前記電離
放射線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤を添加する。分
子中にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物に対し
ては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラー
ベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、
テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサント
ン類等がある。分子中にカチオン重合性官能基を有する
化合物に対しては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル、ジアリルヨードシ
ル塩等がある。又、必要に応じて更に、光増感剤として
n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチ
ルホスフィン等を混合して用いることもできる。
【0039】以上の電離放射線硬化性樹脂組成物の未硬
化液状組成物を版胴、或いは基材シートに塗工するには
公知の各種方法、例えば、ロールコート、カーテンフロ
ーコート、Tダイコート等の方法を用る。特に版胴塗工
の場合はインキパン中の液状組成物に、回転する版胴を
浸漬させる(所謂ドブ浸け)も可能である。
【0040】尚、ここで電離放射線としては、電磁波又
は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー
を有するものを意味し、紫外線、可視光線、X線、電子
線、α線等があるが、通常紫外線、又は電子線が用いら
れる。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライトラン
プ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。電子
線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラ
フト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直
線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速
器を用い、100〜1000keV、好ましくは、10
0〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するも
のが使用される。
【0041】〔化粧材の構成〕以上、万線状凹凸模様の
付与方法を各種説明したところで、次に、本発明独特の
万線状凹凸模様が付与された化粧材の各種形態について
説明する。
【0042】本発明の万線状凹凸模様を有する化粧材
は、上記説明した形状的特徴を有する万線状凹凸模様を
有しておれば、その層構成、材料構成、形状等は特に限
定されない。それらの点については、従来公知の各種化
粧材と同様で良い。万線状凹凸模様の位置は、化粧材の
表側面や裏側面等の表面、或いは内面等と任意である。
もちろんだが、万線状凹凸模様は、それによる反射光を
利用し得る程度に隠蔽されない位置とする。
【0043】そこで、先ず、本発明の万線状凹凸模様を
有する化粧材について、その幾つかの形態について、図
10及び図11に断面図として例示する。
【0044】図10(A)及び(B)に示す万線状凹凸
模様を有する化粧材Dは、その基本形とでも言える構成
のもので、基材11の片面に万線状凹凸模様3を有する
構成である。万線状凹凸模様3は基材の表側面に有って
も良いし〔図10(A)〕、裏側面に有っても良い〔図
10(B)〕。これら於いて、基材は例えば、シートや
板、樹脂成形体等である。最も単純な例では、基材11
が透明な樹脂フィルムからなる基材シートで、その片面
に万線状凹凸模様3のみが装飾処理として施されている
化粧シートの形態での化粧材である。次に、図10
(C)に示す本発明の化粧材Dの一形態は、図10
(A)の形態に対して、万線状凹凸模様3を表側面とし
て、基材11の裏側面に、模様層12a及び隠蔽層12
bがこの順に絵柄層12として、形成された構成であ
る。この場合は、基材11は透明である。
【0045】次に、図10(D)に示す本発明の化粧材
Dの一形態は、化粧シート等として使用される場合であ
り、裏側から順に着色樹脂層13、透明接着剤層14、
絵柄層12、透明保護層15が積層され、着色樹脂層1
3と透明接着剤層14との界面に万線状凹凸模様3が有
る構成である。また、図10(E)は、図10(D)の
構成に於いて、更に透明保護層15の表側面に導管模様
等の(万線状凹凸模様よりも大きい)凹凸模様16を有
する構成である。なお、着色樹脂層13に金属箔粉や二
酸化チタン被覆雲母の鱗片状粒子等からなる光輝性のあ
る顔料を添加しておくと、万線状凹凸模様3による光の
異方性反射と着色樹脂層13の光の拡散反射との相乗効
果により、より明瞭な照りを再現できる。
【0046】(万線状凹凸模様以外の装飾)本発明の化
粧材は、基材が万線状凹凸模様のみで装飾処理されたも
のでも良い。例えば、図10(A)及び(B)の形態の
場合で、基材11がそれ自体には何も装飾処理が施され
ていない透明樹脂の基材の場合である。しかし、もちろ
んだが、本発明では、その万線状凹凸模様が木目の照り
の自然な再現に極めて効果的な様に、必要に応じ、例え
ば木目等の絵柄を付与する等のその他の装飾処理が、付
与されたものでも良い。そこで、化粧材に付与され得る
各種装飾処理について説明する。
【0047】化粧材に付与される装飾処理としては、
処理対象の基材が樹脂やガラス等の透明性が有る場合は
基材自体に着色剤を添加して着色(透明又は不透明)す
る処理、模様印刷や金属薄膜形成、万線状凹凸模様
以外の凹凸模様賦形等がある。これら各種の装飾処理は
組み合わせて使用する事もある。また、化粧材の形態に
おいては、これら装飾処理の処理対象物が、万線状凹凸
模様の付与対象物と同じ場合も有るし、異なる場合もあ
る。異なる場合は、それら対象物を積層する等して化粧
材としての形態とする〔図10(D)及び(E)参
照〕。
【0048】例えば、上記の装飾処理では、図10
(A)及び(B)に於いて、その基材11に着色剤を添
加する形態がある。或いは、図10(D)及び(E)の
化粧材の一構成要素である着色樹脂層13である。これ
らの場合、処理対象物と付与対象物は同一である。ま
た、着色樹脂層13は、万線状凹凸模様の付与対象物た
る基材でもある。基材が樹脂等の場合には、その着色剤
は、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバ
ルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無
機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナク
リドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブル
ー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有
機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム、真鍮等の
箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性
炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等であ
る。着色は透明着色、不透明(隠蔽)着色いずれでも良
い。なかでも、万線状凹凸模様が形成された面に接する
層中には、真珠光沢(パール)顔料等の光反射量が多い
顔料を添加すると、万線状凹凸模様の効果を強調でき
る。同様に、万線状凹凸模様が形成された面に光反射性
の金属薄膜層を形成するのも同様な効果が得られる。
【0049】また、上記の装飾処理の例では、図10
(C)の模様層12a及び隠蔽層12bからなる絵柄層
12、図10(D)及び(E)の化粧材の一構成要素で
ある透明保護層15に対する絵柄層12等の、印刷等に
よる形成等である。図10(D)及び(E)の化粧材の
場合では、絵柄層12は通常は、透明保護層15を基材
(基材シート)として、その表面に形成された後、シー
ト状の着色樹脂層13と透明保護層15とを、間に例え
ば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂等
からなる透明接着剤層14を介して積層する事で得られ
る。従って、この場合、処理対象物と付与対象物は別物
である。絵柄層は印刷インキ層や金属薄膜層等である。
絵柄層形成の為の印刷や塗工に用いる印刷インキ(或い
は塗料)は、例えば、バインダーとして、塩素化ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィ
ン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セ
ルロース系樹脂等を、1種又は2種以上を混合して用
い、これに前記で列記した様な公知の着色剤等を添加
した物を用いる。印刷は、グラビア印刷、オフセット印
刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷
等の公知の印刷法で行う。絵柄が全ベタの場合は、グラ
ビア塗工等の公知の塗工法を用い塗料にて形成する事も
できる。金属薄膜層形成は、アルミニウム、クロム、
金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング
等の方法で製膜して形成する。該金属薄膜層は、全面に
設けても、或いは、部分的にパターン状に設けて良い。
絵柄層の模様としては、木目模様、石目模様、布目模
様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは全面ベ
タ等がある。特に、本発明での万線状凹凸模様による意
匠表現として、木目の照りの表現は極めて好適でありの
で、絵柄層の模様としては、木目模様は好ましい模様で
ある。例えば、杉、松、欅、檜、チーク、オーク等の木
目柄との万線状凹凸模様との組み合わせが好適である。
模様は、基材の表側面、裏側面、表裏両面、或いは、多
層構成の基材では層間の場合もある。
【0050】(万線状凹凸模様以外の凹凸模様)また、
上記の装飾処理の例では、図10(D)の化粧材の一
構成要素である透明樹脂層15に対する、(万線状凹凸
模様よりも大きい)凹凸模様16の賦形である。凹凸模
様16は、例えば木目の導管、石板表面凹凸模様(花崗
岩の劈開面等)、布表面のテクスチュア等の凹凸を表現
する。この場合は、処理対象物と付与対象物は別物であ
る。なお、凹凸模様16が木目導管の場合には、更に公
知のワイピング法(特公昭58−14312号公報等参
照)等によって、着色インキを充填する装飾処理もあ
る。また、図11の要部拡大図で概念的に例示する様
に、万線状凹凸模様3よりも小さい微細凹凸模様17の
賦形もある。図11の微細凹凸模様17は、万線状凹凸
模様3と同一面に形成した例だが、他の面の場合もあ
る。微細凹凸模様17は、例えばサンドブラスト等によ
り形成する砂目模様状やマット面、或いはヘアライン等
の凹凸である。特に、図11の様に、微細凹凸模様17
を万線状凹凸模様3と同一面に付与すると、同図の如く
微細凹凸模様17を、万線状凹凸模様3の凸部2の面の
他に凹部1内部にも付与すると、万線状凹凸模様3の鏡
面反射性を抑制気味にして照り感を若干抑える等と、万
線状凹凸模様の意匠感を調整できる。なお、万線状凹凸
模様に対する、それよりも大きい凹凸模様、それよりも
小さい微細凹凸模様と区別して説明したが、少なくとも
万線状凹凸模様と同一面にその他の凹凸模様を形成する
場合は、万線状凹凸模様の凹凸が暈けて消失してしまわ
ない様であれば良い。例えば、同一面への付与で幅が同
じ様であっても深さが浅ければ万線状凹凸模様の効果の
消失は防げる。また、万線状凹凸模様の付与面と異なる
面に、その他の凹凸模様を形成するのであれば、万線状
凹凸模様の効果を消失せず、且つその他の凹凸による効
果も得られるものであれば、その凹凸は万線状凹凸模様
の凹凸の同程度の大きさのものであっても良い。
【0051】以上の、万線状凹凸模様以外の凹凸模様の
形成は、形成する対象物により既に述べた万線状凹凸模
様の付与方法によりば良い。また、図11の様に、万線
状凹凸模様と同一面の場合には、万線状凹凸模様を付与
するエンボス版等の版面状にそれらが組合わさった凹凸
を形成してものを使用して付与しても良い。
【0052】(上塗り層)また、装飾処理としては、上
記〜以外に化粧材の表面に上塗り層を設ける処理も
ある。上塗り層は無色透明又は有色透明層で、塗装感や
着色による意匠感等の表現に使用される。もちろん、上
塗り層はも、この他にも、表面の耐久性の付与の目的で
も使用される。但し、万線状凹凸模様が表面の有る場合
には、上塗り層は、万線状凹凸模様の凹凸がそれによっ
て埋没しない程度の厚さ(例えば3μm程度)とする。
但し、万線状凹凸模様の凹凸が埋没しても、表面での鏡
面反射は期待できないが、凹凸界面を挟む層間に屈折率
差や、或いは下側層が金属薄膜層や光輝性顔料を有する
等で光反射性であれば、それらによる内部界面反射を利
用して、万線状凹凸模様の効果を得ることも可能であ
る。上塗り層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等のバイ
ンダーに、必要に応じ、紫外線吸収剤、着色顔料、体質
顔料、滑剤等を添加した塗料を塗工して形成する。
【0053】(その他)以上、図10及び図11による
化粧材を一例として、本発明の化粧材の基本的構成を説
明してきたが、本発明の化粧材の形態は、これら説明に
限定されるものではない。本発明の化粧材は、その層構
成、材料、装飾処理の組み合わせ等は従来公知の化粧材
同様の各種の形態があり得る。なお、化粧材が複層構成
等で、万線状凹凸模様を形成された基材と、積層する他
の基材には、万線状凹凸模様を形成する基材として列記
した各種材料が使用できる。
【0054】〔化粧材の用途〕本発明の万線状凹凸模様
を有する化粧材の用途は、特に限定されず、その従来に
無い凹凸模様を活かして、各種用途に用いられ得る。例
えば、壁面、天井、床等の建築物の内装建材用途、或い
は、外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装建材用途、
窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧材用
途、箪笥等の家具やテレビ受像機等の弱電・OA機器の
キャビネットの表面化粧材用途、自動車、電車等の車
両、航空機、船舶等の各種乗物の内装材用途、或いは、
化粧品容器や小物入れ、包装シート等の各種包装容器及
び材料、景品や小物等の雑貨等のその他各種用途に用い
られ得る。そして、化粧材は、シートや板、立体形状物
品等の各種形状で使用される。なお、万線状凹凸模様も
含めた装飾面は、平面の他に曲面等でも良い。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0056】(万線状凹凸模様のパターンの作成)先
ず、万線状凹凸模様のパターンとして、図9に例示した
様なパターンを、コンピュータを利用した画像の人工合
成により次の様にして作成した。該パターンの人工合成
は、コンピュータによる仮想的な三次元空間内に、木材
の成長方向に配向した多数の繊維束からなる三次元樹木
モデルを定義しておき、これを板目が出る様な切断面で
切断する。なお、繊維束の配向は、成長方向に向かって
繊維束が螺旋や波状等にうねる等の揺らぎを付与する事
で、実際の木材の状況に近づけたモデルを用いた。そし
て、切断面に現れる繊維束の切断面との成す角度として
定義する「繊維潜り角」の、切断面に於ける面分布を演
算によって求めた。繊維潜り角が大きい、つまりより垂
直に近い状態で繊維が潜り込む程、照りは少なくなる。
そして、繊維潜り角の面分布に応じて、切断面上には照
りの濃淡が現れることになる。次に、この繊維潜り角
を、線素を配置すべき仮想面の方向ベトクルに置き換え
た。置き換えは、繊維潜り角度(−90°〜+90°)
を、任意方向(例えば水平方向)の基準軸から方向ベト
クルの成す角度(0°〜180°)とを対応させる。対
応は、繊維潜り角度の増加に比例して、方向ベトクルの
角度も単調に増加する関係を用いた。そして、図7に示
す様な、仮想面の方向ベトクルの面分布を得た。
【0057】次に、線素の配置密度を適宜調整して、線
素を仮想面にランダムに配置し、また重なりが大きい場
合は配置を省略した。次に、配置された各線素それぞれ
に対して、その線上の位置座標について、フラクタル処
理を行って、線素を変形させる事で、平行関係に揺らぎ
を付与した。なお、フラクタル処理は中点変位法を用い
た。この際、仮想面の異方性は、全体的には一方向(図
8の図面上下方向を主軸とする)で波うった異方性であ
るで、主軸に直交方向の座標値に対してのみ、フラクタ
ル処理を行った。変形量は結果を見ながら適度な量に調
整した。次いで、線素の幅(太さ)を、中央は太くし、
先端と終端は細くし、中央部の太さもランダムにした。
そして、図9に示す様な万線状凹凸模様の2値画像から
なるパターンを作成した。
【0058】次いで、上記合成したパターンを用いて、
レーザー露光によるダイレクトエッチング法によって、
円筒状のエンボス版に凹凸を直接形成した。エンボス版
上の凹凸は、万線状凹凸模様の線素に対応する部分が、
凸部を成す。なお、エンボス版は、エッチング前とエッ
チング後の両方で、艶調整の為にサンドブラスト処理し
て、微細凹凸模様を全面に形成した(図11参照)。
【0059】そして、図10(C)の如き構成の化粧材
を作るべく、厚み100μmのポリプロピレン系のオレ
フィン系熱可塑性エラストマーフィルムを基材11とし
て、そのコロナ処理面に対して、2液硬化型ウレタン樹
脂をバインダーの樹脂とするビヒクルに対して着色顔料
等を添加した絵柄インキで、模様層12aとその上の全
ベタの隠蔽層12bとからなる木目柄の絵柄層12を印
刷形成した。次いで、印刷面の反対面に対して、上記エ
ンボス版を用いて熱圧を加えて、万線状凹凸模様3を賦
形して、本発明の化粧材Dとして化粧シートを得た。該
凹凸模様に於ける線素は、中央部での最大幅は、40〜
60μm、線長は最大3mm、凹凸の高低差(深さ)は
30〜40μmである。得られた木目模様の化粧材は、
万線状凹凸模様によって、従来の万線凹凸模様では表現
出来なかった落ち着いた自然な感じの天然木に近い照り
が表現されていた。
【0060】
【発明の効果】本発明の万線状凹凸模様を有する化粧材
によれば、人工的な技とらしく、鋭くギラギラした感じ
では無く、落ち着いたより自然な感じで実物の木目の照
りに近い感じで表現できる。また、その万線状凹凸模様
独特の、従来に無い自然な表面反射模様が醸しだす風合
い等を活かした意匠表現ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の万線状凹凸模様を説明する概念図。
【図2】本発明の万線状凹凸模様のパターンを形成する
線素の、平行関係に付与された揺らぎ(不規則性)を説
明する概念図。
【図3】本発明の万線状凹凸模様となる線素の形状を説
明する概念図。
【図4】本発明の万線状凹凸模様の断面の大きさを説明
する概念図。
【図5】本発明の万線状凹凸模様の異方性の各種例を示
す概念図。
【図6】本発明の万線状凹凸模様で、照り等に面分布を
持たせた一例を示す概念図。
【図7】本発明の万線状凹凸模様で、板目等の柾目に対
する方向ベクトルの一例を示す概念図。
【図8】図7の万線状凹凸模様と組み合わせる、板目の
年輪模様一例を示す概念図。
【図9】図7の方向ベクトルに対する万線状凹凸模様に
て、その線素のパターンの具体例を示す部分拡大図。
【図10】本発明の万線状凹凸模様を有する化粧材に於
いて、層構成の各種形態を例示する断面図。
【図11】万線状凹凸模様より更に小さい微細凹凸模様
が複合した形態を概念的に例示する断面図。
【図12】従来の万線凹凸模様の各種例を説明する説明
図。
【図13】従来の万線凹凸模様の他の例を説明する説明
図。
【符号の説明】
1 凹部(溝状凹部) 2 凸部 3 万線状凹凸模様 4、4a〜4d 線素 5 近傍では平行関係にある仮想面の方向ベクトルを
連ねた線 6 年輪模様 7 線素を配置する仮想面の方向ベクトル(を連ねた
線) 11 基材 12 絵柄層 12a 模様層 12b 隠蔽層 13 着色樹脂層 14 透明接着剤層 15 透明保護層 16 (万線状凹凸模様よりも大きい)凹凸模様(導管
模様等) 17 (万線状凹凸模様よりも小さい)微細凹凸模様
(砂目模様等) a1〜a3 或る面の領域 D 化粧材 L 照明光 Ls 光源 N 法線方向 O 観察者 P 線素を配置する仮想面 Q 仮想面の方向ベトクルを表す線上の点 R 仮想面の方向ベトクルを表す線上の点 Vq→ 点Qに於ける仮想面の方向ベクトル Vr→ 点Rに於ける仮想面の方向ベクトル w1 凹部幅 w2 凸部幅 θ 入射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 直樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 万線状凹凸模様を有する化粧材におい
    て、 該万線状凹凸模様は、線長が不規則に異なる多数の線素
    を、近傍の線素間に於いては、揺らぎを有する平行関係
    となる様に配置したパターンから成る凹凸模様である、
    万線状凹凸模様を有する化粧材。
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