JPH1126887A - ダイヤモンド放熱部品を備えた半導体レーザ - Google Patents

ダイヤモンド放熱部品を備えた半導体レーザ

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JPH1126887A
JPH1126887A JP19788697A JP19788697A JPH1126887A JP H1126887 A JPH1126887 A JP H1126887A JP 19788697 A JP19788697 A JP 19788697A JP 19788697 A JP19788697 A JP 19788697A JP H1126887 A JPH1126887 A JP H1126887A
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JP
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diamond
thickness
semiconductor laser
substrate
thermal stress
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JP19788697A
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English (en)
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Kentaro Yoshida
健太郎 吉田
Takahiro Imai
貴浩 今井
Yoshiaki Kumazawa
佳明 熊澤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放熱性に優れ半導体レーザチップに熱応力を
生じないダイヤモンド製のヒートシンクを備えた高出力
で安定して発振する半導体レーザを与えること。 【構成】 板状の基体の上に膜厚3μm〜9μmの気相
合成ダイヤモンド層を形成し表面をメタライズ層で覆
い、その上に2μm〜8μmの厚みのロウ材によって半
導体レーザチップを固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイヤモンド放熱部
品を備えた半導体レーザに関する。とくに、半導体レー
ザとダイヤモンド放熱部品の間に発生する熱応力を緩和
することによりその性能を高めた半導体レーザの構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の、情報通信社会の発展に伴い、C
ATV等の多チャンネル送信や海底ケーブルを使った長
距離幹線系送信・受信等の大容量情報伝達技術の開発が
盛んに行われている。高出力の半導体レーザは、これら
の大容量情報伝達に欠かせないものであり、その需要は
年々高まって来ている。これらの高出力半導体レーザの
安定した発振を維持するためには高性能の放熱部品が必
要である。放熱部品はヒートシンクとも呼ばれる。
【0003】放熱部品には熱伝導率が高い材料が適する
のは勿論である。金属材料がヒートシンクに用いられて
いる。例えばCuWなど(特開平1−187991号、
特開平2−257689号)熱伝導率のよい金属材料が
用いられる。しかし金属の熱伝導率は余り高くないので
強く発熱する半導体レーザを冷却するには不十分である
ことがある。
【0004】物質中最高の熱伝導率を有する材料はダイ
ヤモンドである。ダイヤモンドは高価であるが熱伝導率
が優れているので半導体レーザの放熱部品として僅かに
使われ始めている。
【0005】 特開平5−13843号「放熱部品お
よび該放熱部品を備えた半導体レーザ」はステムの上に
だけダイヤモンドを形成しその上に半導体レーザを鑞づ
けした半導体レーザを提案している。ダイヤモンド膜の
厚みは10μm〜500μmとしている。ダイヤモンド
の厚みが放熱性能に影響するので、ダイヤモンド膜が1
0μm以上はなければならないとしている。しかしロウ
材の厚みについては述べていない。半導体レーザとダイ
ヤモンド放熱板の熱膨張率に差に起因する問題には気づ
いていない。
【0006】 特開平8−195367号「ウエハー
及びその製造方法」は、Si等の基板の上にダイヤモン
ド膜を形成したダイヤモンド付きの大口径ウエハを提案
している。これは凸そりのあるウエハである。半導体レ
ーザの放熱板と言うわけではない。半導体レーザとウエ
ハの熱膨張率の差についての言及もない。
【0007】特開昭48−79338号「放熱電極と
その製造方法」はダイヤモンド自体をヒートシンクとす
るものであり、クロム、白金、金を天然のダイヤモンド
に被覆し電気伝導性を与えている。冷却の対象はインパ
ットダイオード、ガンダイオードであり半導体レーザで
はない。
【0008】特開昭49−99482号「超小型半導
体電子装置の組立方法」は殆ど球形であって上部に僅か
な平坦面を持つ天然産のダイヤモンド球をメタライズ
し、ガンダイオードを搭載するものである。球形のダイ
ヤモンドであるから直方体のものよりも冷却能力が優れ
ている、という。しかしこれは半導体レーザの冷却機構
ではない。
【0009】特開昭50−67582号「半導体素子
の製造方法」はCuのブロックに穴を掘り天然のダイヤ
モンドブロックを埋め込んでその上にインパットダイオ
ードなど発熱著しい半導体素子を固定するものである。
気相合成した薄いダイヤモンド膜を使うものではない。
ダイヤモンドと素子の熱膨張率の差による割れひびなど
は問題にしていない。
【0010】実開昭53−118470号「半導体装
置」はCu基板の上にダイヤモンド上炭素膜を形成し金
メッキしてその上に発光ダイオードを固定している。こ
うすると炭素膜によってチップが絶縁されるとしてい
る。金層にダイオードを接着しているのであってダイヤ
モンド膜にダイオードをロウ付けするのではない。
【0011】特開昭63−41055号「半導体装置
の放熱構造」はSi基板の上に10μm厚みのダイヤモ
ンド膜を形成し、さらに金膜を形成し金を半田として利
用してチップを接着している。
【0012】特開平2−26057号「放熱板」はC
u合金又はCuの中に金属酸化物(Al23 、TiO
2 、SiO2 )を分散した基板に50μm厚みのダイヤ
モンド膜を形成した放熱板を提案している。ICパッケ
ージ、ハイブリッドICなどの放熱板である。放熱板に
これらを接着する構造については述べるところがない。
【0013】実開平3−6862号「放熱基板」は放
熱基板の表面にパターニング合成によってダイヤモンド
膜を形成した基板を提案している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ダイヤモンド放熱板を
持つ半導体レーザにおいて、半導体レーザ素子とダイヤ
モンドはろう材により接合される。その際ロウ材が融け
る温度になるまで、ダイヤモンドと半導体レーザの温度
を上げてロウ付けしその後室温まで温度を下げるという
作業が必要になる。この温度の昇降に伴って熱応力の問
題が発生する。
【0015】代表的な半導体レーザ素子の材質であるI
nPやGaAsの熱膨張係数は、ダイヤモンドの熱膨張
係数の2〜3倍である。このように熱膨張係数が著しく
異なるので、ロウ付け温度から室温まで低下する際に半
導体レーザ素子に大きな熱応力が発生する。この熱応力
が大きいと、半導体レーザ素子に割れが生じる。割れな
くても、レーザ発振強度が低下したり、レーザ寿命が短
くなるといった、種々の問題が起こる。従来の半導体レ
ーザ用の放熱部品に使用されているダイヤモンドの厚み
は通常200μm以上である。このような厚いダイヤモ
ンドを放熱部品に使用した場合には、半導体レーザとダ
イヤモンドの間に大きい熱応力が発生し、熱応力により
上記のような種々の問題が起こる。
【0016】また、放熱部品などの半導体基板の価格に
対する要求は厳しいものになって来ている。熱伝導率の
高いダイヤモンドは放熱性には優れているが、極めて高
価である。高価な材料を使いコストを削減するために
は、ダイヤモンドの厚みを必要最小限の厚さにする必要
がある。ダイヤモンド膜は基板の上に気相合成法によっ
て合成し、基板を除去することによって自立膜として得
るようになっている。ダイヤモンド層が余りに薄いと、
基板を除去する際ダイヤモンドに罅が入る。甚だしいと
きはダイヤモンドが割れるなどの問題が起こる。
【0017】自立膜にする際に罅がはいったりしないた
めに、ダイヤモンド膜はどうしても200μm以上の厚
みが必要であった。つまり基板の上に200μm以上の
厚みのダイヤモンドを合成する必要があったのである。
このようにダイヤモンド自立膜を用いた放熱部品の価格
を低減することは容易でない。
【0018】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたものであり、基板上に合成された必要最小
限の厚みの気相合成ダイヤモンドを基板付きのまま放熱
部品として使用し、かつ半導体レーザ素子と放熱部品の
間のロウ材の厚みを最適化することにより、ダイヤモン
ド放熱部品の製造コストを低減し、熱応力に起因する性
能の劣化が生じないようにした半導体レーザを提供する
ことを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる半導体レ
ーザは、板状の基板状に形成された膜厚3μm〜9μm
の気相合成ダイヤモンドの放熱部品と、半導体レーザ素
子がロウ材により接合されており、そのロウ材の厚みが
2μm〜8μmであることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】半導体レーザ素子と、板状の基体
上に形成された膜厚3μm〜9μmの気相合成ダイヤモ
ンドが、厚み2μm〜8μmのロウ材で接合されている
ことにより、半導体レーザ素子に発生する熱応力を緩和
することが可能になる。従来のダイヤモンドヒートシン
クは200μm以上の厚みがないと不適当だと考えられ
ていたが本発明はそのような厚みは不要であり、極薄い
もので良いということを主張する。
【0021】最大厚みが9μmであるから従来の200
μm以上のダイヤモンドよりも格段にコストを低減でき
る。単にコストを下げるというのでなく、ダイヤモンド
膜を薄くして熱応力によって半導体レーザチップが劣化
するのを防ぐのである。先述の従来技術はダイヤモン
ド厚みが10μm〜500μmというヒートシンクを提
案しているが、それは厚すぎてチップにひびや割れを生
じさせレーザ発振を妨げ特性を劣化させるのである。
【0022】本発明において使用するダイヤモンド層
は、基体上に気相合成法により製造される。燃焼炎法、
熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法
等、公知の気相合成ダイヤ製造方法を利用することがで
きる。気相合成法により基体上に合成されるダイヤモン
ドは、表面がダイヤモンド特有の自形を呈し、面粗さが
非常に粗くそのままでは半導体素子の実装には適さない
ことが多い。表面が粗いと半導体素子のロウ付けが適切
に行われず、熱抵抗の増大を招く。表面の面粗さは、R
max が50nm以下、Raが20nm以下であることが
好ましい。これは表面をダイヤモンド砥石などにより研
磨することによって達成することが可能である。この面
粗さはダイヤモンドの合成膜厚が大きくなればなるほど
大きくなる傾向がある。しかしながら、本願発明のダイ
ヤモンド膜厚3〜9μmという薄膜おいては、合成後特
に処理をしなくとも上記の面粗さを達成することも可能
であり、その場合は研磨を省略することも可能である。
通常、後に記載するSiなどの基体上に気相合成したダ
イヤモンドは、多結晶体となる。これに対して、基体
(単結晶)上にヘテロエピタキシャル成長したダイヤモ
ンドは、単結晶であるから非常に高品質であり熱伝導率
も高くなるため、本発明に用いるダイヤモンド層として
より好ましいものになる。本発明において使用する基体
の厚みは、厚すぎると基体の熱抵抗が大きくなり過ぎ、
好ましくない。しかし、薄過ぎても機械的強度の点から
割れなどの不良が発生し易くなるため好ましくない。1
00μm以上1mm以下の厚みの基体を使用することが
好ましい。基体の材質としては、ダイヤモンドを気相合
成する条件下で安定であり、ダイヤモンドを合成するこ
とが可能なものであること、熱伝導率が低すぎない事、
また熱膨張率が搭載する半導体素子に近いか、より大き
いことが条件として挙げられる。具体的には、Si,S
iC,AlN,Cu,Cu−Mo合金、Cu−W合金,
Cu−Mo−W合金などが好ましい。ダイヤモンド表面
と半導体素子を接合するロウ材は、Au,Ag,Ge,
In,Pb,Si,Snのうちから選ばれた少なくとも
一つの材料からなることが好ましい。また、ダイヤモン
ド表面のメタライズ層は、Au,Mo,Ni,Pd,P
t,Tiのうちから少なくとも1種以上を含むことが好
ましい。
【0023】
【実施例】
[実施例1(熱フィラメントCVD法)]熱フィラメン
トCVD法により加熱した3インチSi基板の上に水素
ガス、メタンガスを吹き込んで3μm厚と9μm厚のダ
イヤモンド膜を合成した。条件は以下のようである。 基板: Siウェファ 76φ×0.5mm フィラメント温度: 2100 ℃ 基板温度 : 850 ℃ 水素流量: 400 sccm メタン流量: 5 sccm ガス圧力: 80 Torr 合成時間と膜厚: 3 時間 3μm(研磨後) 8 時間 9μm(研磨後)
【0024】このダイヤモンド膜の熱伝導率は1000
W/m・K、研磨後の表面粗さは、Rmax 40nm、R
a 10nmであった。Si基板からダイヤモンド膜を分
離せず、基板に付いたままのダイヤモンドを次のように
加工した。ダイヤモンド被覆Si基板をYAGレーザに
よって0.75mm×0.75mmの正方形状に切断し
た。その周囲全面(表面、裏面、側面)をTi、Pt、
Auによってメタライズした。これはロウ付けを可能に
するためである。メタライズしたダイヤモンド被覆板
に、AuSn合金ロウ材を用いて、0.3mm×0.3
mm×0.1mmのInGaAsPからなる半導体レー
ザチップを、温度290℃でロウ付けした。最適の条件
を探る為にロウ材の厚みを様々に変えた。
【0025】こうして放熱板付きの半導体レーザが作製
された。問題は二つある。一つは放熱性能である。もう
一つは素子と放熱板の間に発生する熱応力である。放熱
が不十分であるとレーザ発振が不安定になる。また熱応
力が大きいと半導体レーザに歪みが入り素子を破壊する
こともある。熱応力が小さく放熱性が十分でなければな
らない。
【0026】そこで、様々なロウ材厚みによって、3μ
m厚のダイヤモンド膜を有する放熱板に取り付けたレー
ザ素子と、9μm厚のダイヤモンド膜を有する放熱板に
取り付けたレーザについて、150mWの出力パワーで
連続発振させて半導体レーザの温度変動と熱応力を測定
した。出力が同一であるから発生する熱量は同一であ
る。熱は輻射の他にチップ・ロウ材・放熱板を通じて熱
伝導によって排除される。表1はダイヤモンド膜厚が3
μmの放熱板(ダイヤモンド/Si基板)の場合の測定
結果を示す。
【0027】
【表1】
【0028】試料1はロウ材が最も薄い(1μm)ので
あるが、熱応力は95MPaもありもっとも大きい。ロ
ウ材が薄いとチップと放熱板の間の熱伝導が良いのでチ
ップの放熱性がよく温度上昇を効果的に抑えることがで
きる。温度が低いのでレーザ発振が安定している。試料
2はロウ材が3μmでより厚い。ロウ材は応力緩和作用
があるのでチップの熱応力が減少する。しかし反面熱伝
導が減るので素子の温度が上がる。
【0029】試料3、4、5というようにロウ材厚みが
増える。それとともにチップに掛かる応力が減少する。
熱伝導が次第に悪くなるのでレーザ温度は少しずつ上が
る。試料4ではロウ材厚みは7μmである。熱応力は2
0MPaに減る。試料1〜試料4のいずれも発振は安定
している。
【0030】試料5ではロウ材が9ミリあるので熱応力
は10MPaと小さくなる。良いようであるがそうでは
ない。そのかわりレーザ温度は58℃に上がる。レーザ
温度が高いので発振強度が低下する。強度一定になるよ
うに駆動電流を増やすとさらに温度が上がるので、レー
ザ発振は不安定になった。これはロウ材が厚すぎるため
熱伝導が悪く放熱が不完全であるからである。表2はダ
イヤモンド膜厚が9μmの放熱板(ダイヤモンド/Si
基板)の場合の測定結果を示す。
【0031】
【表2】
【0032】試料6はロウ材が最も薄い(1μm)。ダ
イヤモンド膜が9μmであって厚すぎて1μmのロウ材
では熱応力を緩和できない。強い熱応力のためにロウ付
け温度から室温に下がる過程においてチップが破損して
しまった。であるから通電試験できなかった。試料7は
厚いダイヤモンド膜(9μm)が生ずる熱応力をロウ材
によって緩和し熱応力を70MPaに減らしている。ダ
イヤモンド膜が先例(3μm)の3倍もあるから熱伝導
にすぐれる。温度を低く抑えることができ安定に発振す
る。
【0033】試料7〜10までロウ材が厚くなるに従っ
て熱応力は減少する。ヤング率の小さいロウ材によって
相反する応力が打ち消しあうのである。そのかわりロウ
材により熱伝導が低下するからレーザ温度は上昇する。
試料10では熱応力が20MPaになる。それでも発振
は安定する。
【0034】[比較例1]本発明において、ダイヤモン
ド膜の膜厚は重要な因子である。比較のため膜厚を10
0μmにして同様の実験を行った。熱フィラメントCV
D法により加熱した2インチSi基板の上に水素ガス、
メタンガスを吹き込んで100μm厚の厚いダイヤモン
ド膜を合成した。条件は以下のようである。 基板: Siウェファ 50φ×0.5mm フィラメント温度: 2100 ℃ 基板温度 : 850 ℃ 水素流量: 400 sccm メタン流量: 10 sccm ガス圧力: 80 Torr ダイヤモンド膜厚: 100 μm 合成時間: 50 時間
【0035】以上の条件はメタン流量が少し違い、合成
時間が長いというほかは、従来例とほぼ同様である。S
i基板からダイヤモンド膜を分離せず、ダイヤモンド被
覆Si基板をYAGレーザによって0.75mm×0.
75mmの正方形状に切断した。その周囲全面(表面、
裏面、側面)をTi、Pt、Auによってメタライズし
た。メタライズしたダイヤモンド被覆板に、AuSn合
金ロウ材を用いて、0.3mm×0.3mm×0.1m
mのInGaAsPからなる半導体レーザチップを、温
度290℃でロウ付けした。実施例1と比較するため
に、ロウ材の厚みを1μm〜9μmの間で様々に変え
た。
【0036】ロウ材厚みを1μm〜9μmにして、10
0μm厚のダイヤモンド膜を有する放熱板に取り付けた
レーザ素子を、150mWの出力パワーで連続発振させ
て半導体レーザの温度変動と熱応力を測定した。その測
定結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】ダイヤモンド膜が厚いので、ロウ材厚みが
1μm〜9μmの範囲では、いずれもロウ付け温度(2
90℃)から室温にまで温度を下げる間に素子にクラッ
クが入り破損した。通電試験は実施できなかった。
【0039】[実施例2(マイクロ波プラズマCVD
法)]マイクロ波プラズマCVD法により加熱した20
ミリ角のSiC基板の上に水素ガス、メタンガス、酸素
ガスを吹き込んで3μm厚と6μm厚のダイヤモンド膜
を合成した。条件は以下のようである。 基板: SiC板 20mm×20mm×0.3mm マイクロ波パワー: 3 kW 基板温度 : 800 ℃ 水素流量: 500 sccm メタン流量: 15 sccm 酸素流量: 2 sccm ガス圧力: 90 Torr 合成時間と膜厚: 3 時間 3μm 6 時間 6μm
【0040】このダイヤモンド膜の熱伝導率は1600
W/m・Kであった。先ほどの熱フィラメント法による
ダイヤモンド膜(1000W/m・K)よりもさらに優
れた熱伝導性をもっている。SiC基板からダイヤモン
ド膜を分離せず放熱板として利用する。ダイヤモンド被
覆SiC基板をYAGレーザによって0.75mm×
0.75mmの正方形状に切断した。その周囲全面(表
面、裏面、側面)をTi、Pt、Auによってメタライ
ズした。メタライズしたダイヤモンド被覆板に、AuS
n合金ロウ材を用いて、0.3mm×0.45mm×
0.1mmのInGaAsPからなる半導体レーザチッ
プを、温度290℃でロウ付けした。このような点は先
ほどの熱フィラメント法によるSi基板ダイヤモンドの
場合を同じである。前例と同じように、最適の条件を探
る為にロウ材の厚みを様々に変えた。
【0041】先例と同じように放熱板つきの半導体レー
ザが作製された。これらについて、一定光パワーでのレ
ーザチップの熱応力と素子温度を測定した。この実施例
では放熱性がよいので半導体レーザパワーを前回(15
0mW)の2倍の300mWにした。表4はダイヤモン
ド膜厚が3μmの放熱板(ダイヤモンド/SiC基板)
の場合の測定結果を示す。
【0042】
【表4】
【0043】試料16はロウ材が最も薄い(1μm)の
で応力を緩和できず熱応力は95MPaもありもっとも
大きい。ロウ材が薄いとチップと放熱板の間の熱伝導が
良いのでチップの放熱性がよく温度上昇を効果的に抑え
ることができる。温度が低いのでレーザ発振が安定して
いる。
【0044】試料17〜試料20までロウ材の厚みが増
える。ロウ材は応力緩和作用があるので厚みが増すとチ
ップの熱応力が減少する。反面ロウ材が熱伝導を妨げる
ので素子の温度が上がる。試料20ではロウ材厚みは8
μmである。熱応力は15MPaに減り、素子温度は上
がる。試料16〜試料20のいずれも発振は安定してい
る。表5はダイヤモンド膜厚が6μmの放熱板(ダイヤ
モンド/SiC基板)の場合の熱応力測定結果を示す。
【0045】
【表5】
【0046】試料21はロウ材が最も薄い(1μm)。
ダイヤモンド膜が6μmもあって厚すぎて1μmのロウ
材では熱応力を緩和できない。強い熱応力のためにロウ
付け温度から室温に下がる過程においてチップにひび
(クラック)が入った。であるから通電試験できなかっ
た。試料22は厚いダイヤモンド膜(6μm)が生ずる
熱応力をロウ材によって緩和し熱応力を65MPaに減
らしている。ダイヤモンド膜が先例(3μm)の2倍も
あるから熱伝導にすぐれる。温度を低く抑えることがで
き安定に発振する。
【0047】試料22〜25までロウ材が厚くなるに従
って熱応力は減少する。ロウ材により熱伝導が低下する
からレーザ温度は上昇する。しかし試料25では熱応力
が15MPaになる。試料22〜25で発振は安定であ
る。表5において熱応力はより大きくなっている。ダイ
ヤモンドがより厚いのでダイヤモンドと素子の間に発生
する応力が大きくなる。
【0048】[実施例3(熱フィラメントCVD法+プ
ラズマジェットCVD法)]次に熱フィラメントCVD
法で単結晶Si基板上にダイヤモンド核発生させ、プラ
ズマジェット法によってダイヤモンド膜を被覆したダイ
ヤモンド/Si放熱板を作製し、これに半導体レーザチ
ップを付けて同様な試験をした。(第1ステップ:核発
生)熱フィラメントCVD法により加熱した2インチ
(100)単結晶Si基板の上に水素ガス、メタンガス
を吹き込んで核発生処理を行った。条件は以下のようで
ある。 基板: (100)単結晶Si 50φ×1mm フィラメント温度: 2000 ℃ 基板温度 : 700 ℃ 水素流量: 400 sccm メタン流量: 10 sccm ガス圧力: 30 Torr 基板バイアス: −200 V 核発生処理時間: 10 分
【0049】(第2ステップ:ダイヤモンド膜被覆)核
発生した(100)単結晶Si基板上にプラズマジェッ
トCVDにより膜厚8μmのダイヤモンド膜を被覆し
た。 基板: 核発生した(100)単結晶Si 50φ×1mm 基板温度: 850 ℃ 水素流量: 2 slm(=2000sccm) メタン流量: 45 sccm アルゴン流量: 5 slm(=5000sccm) ガス圧力: 5 Torr ダイヤモンド膜合成時間: 4 時間 ダイヤモンド膜厚: 8 μm
【0050】このダイヤモンド膜の熱伝導率は2000
W/m・Kであった。極めて高い熱伝導率である。Si
基板からダイヤモンド膜を分離せず、基板に付いたまま
のダイヤモンドを次のように加工した。ダイヤモンド被
覆Si基板をYAGレーザによって0.75mm×1.
5mmの長方形状に切断した。その周囲全面(表面、裏
面、側面)をTi、Pt、Auによってメタライズし
た。メタライズしたダイヤモンド被覆板に、AuSn合
金ロウ材を用いて、0.3mm×0.6mm×0.1m
mのInGaAsPからなる半導体レーザチップを、温
度290℃でロウ付けした。最適の条件を探るためにロ
ウ材の厚みを様々に変えた。この例では半導体レーザの
寸法が大きいので放熱板も少し大きくしてある。
【0051】こうして放熱板(Si単結晶+8μmダイ
ヤモンド膜)付きの半導体レーザが作製された。放熱性
がよいので今度は半導体レーザの出力を500mWとし
た。その条件でレーザ発振させ、熱応力を測定した。そ
の結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】試料26はロウ材が最も薄く、ロウ付け温
度から室温にまで降温する間に半導体レーザチップにク
ラックが発生した。ロウ材厚みが3μm〜8μmの試料
27〜30ではレーザ発振は安定であった。ダイヤモン
ド厚みは8μmであって放熱性はこれまでの実施例のど
れよりも優れている。最も好ましい実施例である。
【0054】
【発明の効果】本発明による半導体レーザは、板状の基
体上に合成された膜厚3μm〜9μmの気相合成ダイヤ
モンドの放熱部品を使用し、この放熱部品と半導体レー
ザチップ2μm〜8μmの厚みのロウ材層によって接合
されているので、半導体レーザ素子が熱応力により破損
することがない。高出力で安定したレーザ発振を可能に
する。長距離幹線系送信のための高出力半導体レーザと
して最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 半導体レーザチップ 2 ロウ材層 3 メタライズ層 4 気相合成ダイヤモンド層 5 基板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状の基体と、基体の表面に形成された膜
    厚が3μm〜9μmの気相合成ダイヤモンド層と、少な
    くともダイヤモンド層の表面の一部を覆うように設けら
    れるメタライズ層と、ダイヤモンド層、メタライズ層の
    上に厚み2μm〜8μmのロウ材によって固定された半
    導体レーザチップとよりなることを特徴とするダイヤモ
    ンド放熱部品を備えた半導体レーザ。
  2. 【請求項2】前記気相合成ダイヤモンドの室温から40
    0℃までの熱伝導率が500W/m・K〜2000W/
    m・Kである請求項1に記載のダイヤモンド放熱部品を
    備えた半導体レーザ。
  3. 【請求項3】前記気相合成ダイヤモンドが基体に対して
    ヘテロエピタキシャル成長したダイヤモンドである事を
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド
    放熱部品を備えた半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記気相合成ダイヤモンドの面粗度を研磨
    によりRmax50nm、Ra20nm以下にした請求
    項1〜請求項3の何れかに記載のダイヤモンド放熱部品
    を備えた半導体レーザ。
  5. 【請求項5】前記基体の厚みが100μm〜1000μ
    mである、請求項1〜請求項4の何れかに記載のダイヤ
    モンド放熱部品を備えた半導体レーザ。
  6. 【請求項6】前記基体がSi、SiC、AlN、Cu、
    Cu−Mo合金、Cu−W合金、Cu−Mo−W合金の
    うちから選ばれた一つの材料からなる請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載のダイヤモンド放熱部品を備えた半
    導体レーザ。
  7. 【請求項7】前記ロウ材がAu、Ag、Ge、In、P
    b、Si、Snのうちから選ばれた少なくとも一つの材
    料からなる請求項1〜請求項6に記載のダイヤモンド放
    熱部品を備えた半導体レーザ。
  8. 【請求項8】前記メタライズ層がAu、Mo、Ni、P
    d、Pt,Tiのうちから選ばれた少なくとも一つの材
    料からなる請求項1〜請求項7に記載のダイヤモンド放
    熱部品を備えた半導体レーザ。
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