JPH11268957A - 窒化珪素工具 - Google Patents
窒化珪素工具Info
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- JPH11268957A JPH11268957A JP10077580A JP7758098A JPH11268957A JP H11268957 A JPH11268957 A JP H11268957A JP 10077580 A JP10077580 A JP 10077580A JP 7758098 A JP7758098 A JP 7758098A JP H11268957 A JPH11268957 A JP H11268957A
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- shock resistance
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性及び耐熱衝撃性に優れた窒化珪素工
具を提供すること。 【解決手段】 主成分が窒化珪素であり、希土類元素が
酸化物換算で0.5〜2.0重量%、Mg元素が酸化物
換算で0.1〜2.0重量%、Al元素が酸化物換算で
0.1〜2.0重量%の粒界相形成成分が3体積%以下
である窒化珪素焼結体からなる窒化珪素工具であって、
下記式(1)による熱衝撃抵抗係数Rが700K以上で
あり、且つ下記式(2)による熱衝撃抵抗係数R’が1
5kW/m以上であることを特徴とする窒化珪素工具。 熱衝撃抵抗係数R =σ(1−ν)/Eα …(1) 熱衝撃抵抗係数R’=σκ(1−ν)/Eα …(2)
具を提供すること。 【解決手段】 主成分が窒化珪素であり、希土類元素が
酸化物換算で0.5〜2.0重量%、Mg元素が酸化物
換算で0.1〜2.0重量%、Al元素が酸化物換算で
0.1〜2.0重量%の粒界相形成成分が3体積%以下
である窒化珪素焼結体からなる窒化珪素工具であって、
下記式(1)による熱衝撃抵抗係数Rが700K以上で
あり、且つ下記式(2)による熱衝撃抵抗係数R’が1
5kW/m以上であることを特徴とする窒化珪素工具。 熱衝撃抵抗係数R =σ(1−ν)/Eα …(1) 熱衝撃抵抗係数R’=σκ(1−ν)/Eα …(2)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば旋削工具、
フライス工具、ドリル、エンドミル等の切削工具または
各種耐摩耗工具として適しており、特に耐摩耗性、耐熱
衝撃性に優れる窒化珪素工具に関するものである。
フライス工具、ドリル、エンドミル等の切削工具または
各種耐摩耗工具として適しており、特に耐摩耗性、耐熱
衝撃性に優れる窒化珪素工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、窒化珪素を主成分とする焼結
体は、機械強度、靱性、耐熱衝撃性に優れていることか
ら、切削工具や耐摩耗工具、各種の部品として実用化さ
れている。特に、切削工具の分野では、普通鋳鉄の旋
削、フライス用工具として、広く使用されている。
体は、機械強度、靱性、耐熱衝撃性に優れていることか
ら、切削工具や耐摩耗工具、各種の部品として実用化さ
れている。特に、切削工具の分野では、普通鋳鉄の旋
削、フライス用工具として、広く使用されている。
【0003】しかし、近年では、生産性の向上を目的と
して、更なる切削加工の高能率化が強く求められている
ようになり、より高速加工、高い応力がかかる重切削加
工が可能な工具が求められている。また、近年では、切
削加工現場においては、作業環境の改善のために、水や
油を使用した湿式切削が多くなり、そのため、切削直後
に、高温となった窒化珪素工具が、水や油に接触した場
合には、激しい熱衝撃に晒されることがある。
して、更なる切削加工の高能率化が強く求められている
ようになり、より高速加工、高い応力がかかる重切削加
工が可能な工具が求められている。また、近年では、切
削加工現場においては、作業環境の改善のために、水や
油を使用した湿式切削が多くなり、そのため、切削直後
に、高温となった窒化珪素工具が、水や油に接触した場
合には、激しい熱衝撃に晒されることがある。
【0004】そして、この様な切削加工現場の状況に対
応するために、窒化珪素工具の適正な組成の組み合せに
より、耐熱衝撃性の改善を試みている(特開平6−32
947号公報参照)。
応するために、窒化珪素工具の適正な組成の組み合せに
より、耐熱衝撃性の改善を試みている(特開平6−32
947号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の窒化珪素工具では、耐熱衝撃性は確かに優れている
ものの、粒界相形成成分が多いために、耐摩耗性の点で
十分ではない。また、従来の耐摩耗性を重視した窒化珪
素工具では、十分な耐熱衝撃性が得られないという問題
があった。
来の窒化珪素工具では、耐熱衝撃性は確かに優れている
ものの、粒界相形成成分が多いために、耐摩耗性の点で
十分ではない。また、従来の耐摩耗性を重視した窒化珪
素工具では、十分な耐熱衝撃性が得られないという問題
があった。
【0006】本発明は上記の問題点を鑑みて提案された
もので、耐摩耗性及び耐熱衝撃性に優れた窒化珪素工具
を提供することを目的としている。
もので、耐摩耗性及び耐熱衝撃性に優れた窒化珪素工具
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】a)前記式(1),
(2)から分かる様に、熱衝撃抵抗係数R及びR’を大
きくするためには、抗折強度σと熱伝導率κを向上させ
ることが必要であり、本発明者らもこの両者の向上の検
討を行った。
(2)から分かる様に、熱衝撃抵抗係数R及びR’を大
きくするためには、抗折強度σと熱伝導率κを向上させ
ることが必要であり、本発明者らもこの両者の向上の検
討を行った。
【0008】その結果、希土類元素やMg元素を組み合
わせて使用すると、高強度で高靱性な焼結体が得られる
ことが判明した。しかし、Mg元素は、強度の点で有効
に働くものの、耐摩耗性の点では、SiO2等と反応し
て、低融点化合物の粒界相を形成するため、多量に使用
すると、耐熱性(高温での耐摩耗性)を低下させてしま
う。
わせて使用すると、高強度で高靱性な焼結体が得られる
ことが判明した。しかし、Mg元素は、強度の点で有効
に働くものの、耐摩耗性の点では、SiO2等と反応し
て、低融点化合物の粒界相を形成するため、多量に使用
すると、耐熱性(高温での耐摩耗性)を低下させてしま
う。
【0009】そこで、本発明者らは、更に鋭意検討を重
ねた結果、耐摩耗性を損なうことなく、耐熱衝撃性を改
善するためには、その粒界相形成成分の割合(体積%)
を適正化するとともに、熱衝撃抵抗係数R及びR’を適
正に制御することが必要であることを見いだし、本発明
を完成した。
ねた結果、耐摩耗性を損なうことなく、耐熱衝撃性を改
善するためには、その粒界相形成成分の割合(体積%)
を適正化するとともに、熱衝撃抵抗係数R及びR’を適
正に制御することが必要であることを見いだし、本発明
を完成した。
【0010】b)即ち、前記目的を達成するための請求
項1の発明は、主成分が窒化珪素であり、粒界相形成成
分が3体積%以下である窒化珪素焼結体からなる窒化珪
素工具であって、下記式(1)による熱衝撃抵抗係数R
が700K以上であり、且つ下記式(2)による熱衝撃
抵抗係数R’が15kW/m以上であることを特徴とす
る窒化珪素工具を要旨とする。
項1の発明は、主成分が窒化珪素であり、粒界相形成成
分が3体積%以下である窒化珪素焼結体からなる窒化珪
素工具であって、下記式(1)による熱衝撃抵抗係数R
が700K以上であり、且つ下記式(2)による熱衝撃
抵抗係数R’が15kW/m以上であることを特徴とす
る窒化珪素工具を要旨とする。
【0011】 熱衝撃抵抗係数R =σ(1−ν)/Eα …(1) 熱衝撃抵抗係数R’=σκ(1−ν)/Eα …(2) 但し σ;抗折強度[MPa] ν;ポアソン比 E;ヤング率[GPa] α;熱膨張係数[×10-6/K] κ;熱伝導率[W/mK] ここで、前記粒界相形成成分を、3体積%以下としたの
は、それより多いと、耐熱性が低下し、耐摩耗性が劣る
ためである。尚、粒界相形成成分は、1.5体積%以上
が好ましいが、これは、それより少ないと、焼結が困難
であるからである。
は、それより多いと、耐熱性が低下し、耐摩耗性が劣る
ためである。尚、粒界相形成成分は、1.5体積%以上
が好ましいが、これは、それより少ないと、焼結が困難
であるからである。
【0012】また、耐熱衝撃抵抗係数R及びR’を、R
が700K[ケルビン]以上、R’が15kW/m以上
としたのは、各々の値より低いと、所望の(高速切削や
重切削、及び湿式切削における)耐熱衝撃性が得られな
いためである。請求項2の発明は、粒界相形成成分が、
希土類元素、Mg元素、及びAl元素を含むことを特徴
とする請求項1に記載の窒化珪素工具を要旨とする。
が700K[ケルビン]以上、R’が15kW/m以上
としたのは、各々の値より低いと、所望の(高速切削や
重切削、及び湿式切削における)耐熱衝撃性が得られな
いためである。請求項2の発明は、粒界相形成成分が、
希土類元素、Mg元素、及びAl元素を含むことを特徴
とする請求項1に記載の窒化珪素工具を要旨とする。
【0013】請求項3の発明は、希土類元素が酸化物換
算で0.5〜2.0重量%、Mg元素が酸化物換算で
0.1〜2.0重量%、Al元素が酸化物換算で0.1
〜2.0重量%であることを特徴とする請求項2に記載
の窒化珪素工具を要旨とする。
算で0.5〜2.0重量%、Mg元素が酸化物換算で
0.1〜2.0重量%、Al元素が酸化物換算で0.1
〜2.0重量%であることを特徴とする請求項2に記載
の窒化珪素工具を要旨とする。
【0014】ここで、前記希土類元素を、酸化物換算で
0.5〜5.0重量%としたのは、0.5重量%以下で
は、焼結性が低下し、緻密な焼結体が得られず、5重量
%以上では、耐熱性が低下し、耐摩耗性が劣化するため
である。また、好ましくは、1.0〜3.0重量%であ
る。尚、希土類元素としては、例えばYb、Dy、Ce
が挙げられる。
0.5〜5.0重量%としたのは、0.5重量%以下で
は、焼結性が低下し、緻密な焼結体が得られず、5重量
%以上では、耐熱性が低下し、耐摩耗性が劣化するため
である。また、好ましくは、1.0〜3.0重量%であ
る。尚、希土類元素としては、例えばYb、Dy、Ce
が挙げられる。
【0015】また、Mg元素を、酸化物換算で0.1〜
2.0重量%としたのは、0.1重量%以下では、所望
の強度(即ち工具としての十分な強度)が得られず、2
重量%以上では、耐熱性が低下し、耐摩耗性が劣化する
ためである。尚、好ましくは、0.3〜1.0重量%で
ある。
2.0重量%としたのは、0.1重量%以下では、所望
の強度(即ち工具としての十分な強度)が得られず、2
重量%以上では、耐熱性が低下し、耐摩耗性が劣化する
ためである。尚、好ましくは、0.3〜1.0重量%で
ある。
【0016】更に、Al元素を、酸化物換算で0.1〜
2.0重量%としたのは、0.1重量%以下では、所望
の性能(即ち焼結性が低下し、緻密な焼結体)が得られ
ず、2重量%以上では、窒化珪素への固溶が進み、熱伝
導性の低下を招き、耐熱衝撃性が低下するためである。
尚、好ましくは、0.5〜1.5重量%である。
2.0重量%としたのは、0.1重量%以下では、所望
の性能(即ち焼結性が低下し、緻密な焼結体)が得られ
ず、2重量%以上では、窒化珪素への固溶が進み、熱伝
導性の低下を招き、耐熱衝撃性が低下するためである。
尚、好ましくは、0.5〜1.5重量%である。
【0017】請求項4の発明は、窒化珪素工具の室温で
の三点曲げ抗折強度が、1000MPa以上であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素
工具を要旨とする。本発明において、室温での三点曲げ
抗折強度(JIS R1601)は、1000MPa以
上が望ましいが、それは、強度が高い方が、熱衝撃に強
いからである。
の三点曲げ抗折強度が、1000MPa以上であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素
工具を要旨とする。本発明において、室温での三点曲げ
抗折強度(JIS R1601)は、1000MPa以
上が望ましいが、それは、強度が高い方が、熱衝撃に強
いからである。
【0018】請求項5の発明は、窒化珪素工具の100
0℃での熱伝導率が、20W/mK以上であることを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化珪素工具
を要旨とする。本発明において、1000℃における熱
伝導率が、20W/mK以上であることが望ましいが、
これは、熱を早く逃がす方が、熱衝撃抵抗係数R’が大
きく、熱衝撃に強いからである。
0℃での熱伝導率が、20W/mK以上であることを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化珪素工具
を要旨とする。本発明において、1000℃における熱
伝導率が、20W/mK以上であることが望ましいが、
これは、熱を早く逃がす方が、熱衝撃抵抗係数R’が大
きく、熱衝撃に強いからである。
【0019】c)本発明の窒化珪素工具は、下記の方法
により製造できる。例えば、従来からの粉末冶金法を応
用することにより作製することができる。即ち、各種の
原料粉末を、ボールミル等を用いて均一に混合し、圧粉
成形体とした後、N2等の不活性ガス雰囲気中、160
0〜2000℃にて焼結することにより得ることができ
る。また、HIP処理等の併用により、更に高密度、高
強度な窒化珪素を得ることができる。
により製造できる。例えば、従来からの粉末冶金法を応
用することにより作製することができる。即ち、各種の
原料粉末を、ボールミル等を用いて均一に混合し、圧粉
成形体とした後、N2等の不活性ガス雰囲気中、160
0〜2000℃にて焼結することにより得ることができ
る。また、HIP処理等の併用により、更に高密度、高
強度な窒化珪素を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の窒化珪素工具の実施の形
態の例(実施例)について、図面に基づいて説明する。 a)まず、本実施例の窒化珪素工具について説明する。
態の例(実施例)について、図面に基づいて説明する。 a)まず、本実施例の窒化珪素工具について説明する。
【0021】図1(a)に示す様に、本実施例の窒化珪
素工具1は、窒化珪素焼結体からなる略正方形の板状の
工具である。具体的には、窒化珪素工具1の両面(図の
上下のすくい面)には、その周角縁に切刃2を有してい
る。この切刃2には、図1(b),(c)に示す様に、
幅t(例えば0.2mm)、傾斜θ(例えば25゜)の
チャンファ3が形成されている。また、窒化珪素工具1
の4箇所の角部(即ち、各ノーズ)4は、所定の大きさ
のノーズ半径(例えば0.8mm)を有し、滑らかにカ
ーブしている。
素工具1は、窒化珪素焼結体からなる略正方形の板状の
工具である。具体的には、窒化珪素工具1の両面(図の
上下のすくい面)には、その周角縁に切刃2を有してい
る。この切刃2には、図1(b),(c)に示す様に、
幅t(例えば0.2mm)、傾斜θ(例えば25゜)の
チャンファ3が形成されている。また、窒化珪素工具1
の4箇所の角部(即ち、各ノーズ)4は、所定の大きさ
のノーズ半径(例えば0.8mm)を有し、滑らかにカ
ーブしている。
【0022】この窒化珪素工具1を用いて切削加工を行
なう場合は、図2に示す様に、前逃げ面と横逃げ面との
間のノーズ4を、回転する被削材(ワーク)Wに対して
押し当てて、切削加工を行なう。 b)次に、本実施例の窒化珪素工具の製造方法について
説明する。
なう場合は、図2に示す様に、前逃げ面と横逃げ面との
間のノーズ4を、回転する被削材(ワーク)Wに対して
押し当てて、切削加工を行なう。 b)次に、本実施例の窒化珪素工具の製造方法について
説明する。
【0023】まず、原料粉末として、平均粒径0.7μ
mでα分率が97%のSi3N4粉末(酸素量1.0重量
%)、平均粒径0.2μmのMgO粉末、平均粒径0.
5μmのDy2O3粉末、平均粒径0.5μmのYb2O3
粉末、平均粒径0.5μmのCeO2粉末、平均粒径
0.2μmのAl2O3粉を用い、下記表1の実施例の所
定の配合比率に秤量した。
mでα分率が97%のSi3N4粉末(酸素量1.0重量
%)、平均粒径0.2μmのMgO粉末、平均粒径0.
5μmのDy2O3粉末、平均粒径0.5μmのYb2O3
粉末、平均粒径0.5μmのCeO2粉末、平均粒径
0.2μmのAl2O3粉を用い、下記表1の実施例の所
定の配合比率に秤量した。
【0024】そして、これらを、ポリエチレンン製ポッ
ト中にいれ、更に、Si3N4ボールをエタノールととも
に投入し、湿式にて粉砕混合を行った。次に、該混合物
に、成形用バインダーを5重量%添加し、スプレードラ
イを施し、造粒粉末を得た。
ト中にいれ、更に、Si3N4ボールをエタノールととも
に投入し、湿式にて粉砕混合を行った。次に、該混合物
に、成形用バインダーを5重量%添加し、スプレードラ
イを施し、造粒粉末を得た。
【0025】次に、造粒粉末を、1ton/cm2の圧
力で金型成形し、N2の気流中、500℃で脱脂処理を
施した後に、窒素ガス雰囲気中、1850℃の温度で2
時間保持して、一時焼結した。次に、1000気圧の窒
素ガス雰囲気中、1600℃の温度で2時間保持して、
HIP処理を行ない、窒化珪素焼結体を得た。
力で金型成形し、N2の気流中、500℃で脱脂処理を
施した後に、窒素ガス雰囲気中、1850℃の温度で2
時間保持して、一時焼結した。次に、1000気圧の窒
素ガス雰囲気中、1600℃の温度で2時間保持して、
HIP処理を行ない、窒化珪素焼結体を得た。
【0026】尚、この窒化珪素焼結体に、研磨等の仕上
げ加工を行なって、窒化珪素工具を完成する。 c)次に、本実施例の窒化珪素工具の組成分析について
説明する。上述した製造方法により製造された窒化珪素
工具の試料(No.1〜6)に対して、蛍光X線分析、酸
素・窒素分析により組成分析を行ったところ、本実施例
の窒化珪素工具の組成は、下記表1に示す結果であっ
た。また、組成分析の結果から、計算によって粒界相形
成成分の体積%を求め、更に理論密度比も求めた。尚、
同時に、比較例の試料(No.7〜12)についても、同
様な組成分析等を行った。その結果も、下記表1に記
す。
げ加工を行なって、窒化珪素工具を完成する。 c)次に、本実施例の窒化珪素工具の組成分析について
説明する。上述した製造方法により製造された窒化珪素
工具の試料(No.1〜6)に対して、蛍光X線分析、酸
素・窒素分析により組成分析を行ったところ、本実施例
の窒化珪素工具の組成は、下記表1に示す結果であっ
た。また、組成分析の結果から、計算によって粒界相形
成成分の体積%を求め、更に理論密度比も求めた。尚、
同時に、比較例の試料(No.7〜12)についても、同
様な組成分析等を行った。その結果も、下記表1に記
す。
【0027】
【表1】
【0028】この表1から明かな様に、本実施例の試料
No.1〜6の窒化珪素工具は、本発明の範囲内(粒界相
形成成分3体積%以下)であった。それに対して、比較
例の試料No.8,10,12は、本発明の範囲外(粒界
相形成成分3体積%を上回る)であった。尚、比較例の
試料No.7,9,11は、粒界相形成成分に関しては本
発明の範囲内であるが、後述する様に(表2参照)、他
の条件である熱衝撃抵抗係数R,R’の少なくとも一方
が、本発明の範囲外である。
No.1〜6の窒化珪素工具は、本発明の範囲内(粒界相
形成成分3体積%以下)であった。それに対して、比較
例の試料No.8,10,12は、本発明の範囲外(粒界
相形成成分3体積%を上回る)であった。尚、比較例の
試料No.7,9,11は、粒界相形成成分に関しては本
発明の範囲内であるが、後述する様に(表2参照)、他
の条件である熱衝撃抵抗係数R,R’の少なくとも一方
が、本発明の範囲外である。
【0029】d)次に、本実施例の窒化珪素工具の効果
を確認するために行った実験例について説明する。 室温における抗折強度 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、室温に
おける抗折強度を、三点曲げ強度(JIS R160
1)により測定した。その結果を、下記表2に記す。
を確認するために行った実験例について説明する。 室温における抗折強度 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、室温に
おける抗折強度を、三点曲げ強度(JIS R160
1)により測定した。その結果を、下記表2に記す。
【0030】ヤング率 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、そのヤ
ング率を、超音波パルス法(JIS R1602)によ
り求めた。その結果を、下記表2に記す。 ポアソン比 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、そのポ
アソン比を、超音波パルス法(JIS R1602)に
より求めた。その結果を、下記表2に記す。
ング率を、超音波パルス法(JIS R1602)によ
り求めた。その結果を、下記表2に記す。 ポアソン比 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、そのポ
アソン比を、超音波パルス法(JIS R1602)に
より求めた。その結果を、下記表2に記す。
【0031】室温〜1000℃における熱膨張係数 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、その室
温〜1000℃における熱膨張係数を求めた。その結果
を、下記表2に記す。 室温〜1000℃における熱伝導率 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、その室
温〜1000℃における熱伝導率を、レーザフラッシュ
法(JIS R1611)により求めた。その結果を、
下記表2に記す。
温〜1000℃における熱膨張係数を求めた。その結果
を、下記表2に記す。 室温〜1000℃における熱伝導率 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、その室
温〜1000℃における熱伝導率を、レーザフラッシュ
法(JIS R1611)により求めた。その結果を、
下記表2に記す。
【0032】熱衝撃抵抗係数R,R’ 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具に対して、その熱
衝撃抵抗係数R,R’を、前記式(1),(2)による
演算により求めた。その結果を、下記表2に記す。
衝撃抵抗係数R,R’を、前記式(1),(2)による
演算により求めた。その結果を、下記表2に記す。
【0033】
【表2】
【0034】この表2から明かな様に、本実施例の試料
No.1〜6の窒化珪素工具は、本発明の範囲内(熱衝撃
抵抗係数Rが700K以上、且つ熱衝撃抵抗係数R’が
15kW/m以上)であった。それに対して、比較例の
試料No.7〜12は、本発明の範囲外(熱衝撃抵抗係数
Rが700Kを下回るか、熱衝撃抵抗係数R’が15k
W/mを下回る)であった。
No.1〜6の窒化珪素工具は、本発明の範囲内(熱衝撃
抵抗係数Rが700K以上、且つ熱衝撃抵抗係数R’が
15kW/m以上)であった。それに対して、比較例の
試料No.7〜12は、本発明の範囲外(熱衝撃抵抗係数
Rが700Kを下回るか、熱衝撃抵抗係数R’が15k
W/mを下回る)であった。
【0035】切削性能(逃げ面摩耗量による耐摩耗
性)の評価 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具を用い、下記条件
により乾式にて切削試験を行った。被削材の形状は図3
(a)、(b)の様に円筒状である。図3において、L
1は260mm、L2は300mmであり、壁厚は20
mmである。切削は、図3(c)に示す様に、固定具に
取り付けた被削材に対して、窒化珪素工具を取り付けた
ホルダーを、矢印A方向に移動させて行った。尚、1パ
ス切削による、被削材の鋳鉄の残った黒皮へ入る際及び
出る際に生じる最大摩耗量を測定し、逃げ面摩耗量VB
とした(アグレッシブ摩耗試験)。この結果を、下記表
3に記す。
性)の評価 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具を用い、下記条件
により乾式にて切削試験を行った。被削材の形状は図3
(a)、(b)の様に円筒状である。図3において、L
1は260mm、L2は300mmであり、壁厚は20
mmである。切削は、図3(c)に示す様に、固定具に
取り付けた被削材に対して、窒化珪素工具を取り付けた
ホルダーを、矢印A方向に移動させて行った。尚、1パ
ス切削による、被削材の鋳鉄の残った黒皮へ入る際及び
出る際に生じる最大摩耗量を測定し、逃げ面摩耗量VB
とした(アグレッシブ摩耗試験)。この結果を、下記表
3に記す。
【0036】被削材 ;FC200 切削速度;700m/min 送り量 ;0.1mm/rev 切込み量;1.5mm 工具形状;SNGN120408 刃先形状;0.2mm×25゜ 切削時間;2分 切削性能(欠損による耐熱衝撃性)の評価 前記試料No.1〜12の窒化珪素工具を用い、下記条件
により湿式にて切削試験を行った。耐熱衝撃性は、加工
山数をもってその指標とした。
により湿式にて切削試験を行った。耐熱衝撃性は、加工
山数をもってその指標とした。
【0037】この切削試験では、被削材の形状は円筒状
のものであり、切削試験後の被削材の正面図である図4
に示す様に、1個の被削材には10個の加工山を作製す
る。この図4において、L4は10mm、L5は5m
m、L6は約50mm、L7は約200mmであり、R
1は320mmである。切削は、固定具に取り付けた被
削材に対して、窒化珪素工具を取り付けたホルダーを、
矢印B方向に移動させて行った。この切削試験では、1
回の切削の切込みが2mmであるため、外径は4mm減
少し、更に0.5mmの切込みによって表面を平滑にす
るため、1回の切削で外径は合計5mm減少する。これ
を繰り返し、外径が280mmになるまで同じ被削材を
使用する。その結果を、下記表3に記す。
のものであり、切削試験後の被削材の正面図である図4
に示す様に、1個の被削材には10個の加工山を作製す
る。この図4において、L4は10mm、L5は5m
m、L6は約50mm、L7は約200mmであり、R
1は320mmである。切削は、固定具に取り付けた被
削材に対して、窒化珪素工具を取り付けたホルダーを、
矢印B方向に移動させて行った。この切削試験では、1
回の切削の切込みが2mmであるため、外径は4mm減
少し、更に0.5mmの切込みによって表面を平滑にす
るため、1回の切削で外径は合計5mm減少する。これ
を繰り返し、外径が280mmになるまで同じ被削材を
使用する。その結果を、下記表3に記す。
【0038】被削材 ;FC200 切削速度;500m/min 送り量 ;0.75mm/rev 切込み量;2.0mm 工具形状;SNGN120408 刃先形状;0.1mm×25゜ 切削時間;欠損するまで 尚、前記の切削試験は、工具を、ISOに規定された
品番CSDNN2525M43−S(摩耗用)のホルダ
ーに固定して行ない、前記の切削試験は、工具を、I
SOに規定された品番CSRNR2525M43−S
(熱衝撃用)のホルダーに固定して行った。
品番CSDNN2525M43−S(摩耗用)のホルダ
ーに固定して行ない、前記の切削試験は、工具を、I
SOに規定された品番CSRNR2525M43−S
(熱衝撃用)のホルダーに固定して行った。
【0039】
【表3】
【0040】この表3から明かな様に、本実施例の試料
No.1〜6の窒化珪素工具は、逃げ面摩耗量が0.28
mm以下で且つ加工山数が19個以上と多く、即ち耐摩
耗性及び耐熱衝撃性に優れているので、好適である。そ
れに対して、比較例の試料No.7〜12の窒化珪素工具
は、焼結不足となるか(試料No.7)、又は、逃げ面摩
耗量及び加工山数のどちから一方が良くても他方が劣り
(試料No.8〜12)、好ましくない。
No.1〜6の窒化珪素工具は、逃げ面摩耗量が0.28
mm以下で且つ加工山数が19個以上と多く、即ち耐摩
耗性及び耐熱衝撃性に優れているので、好適である。そ
れに対して、比較例の試料No.7〜12の窒化珪素工具
は、焼結不足となるか(試料No.7)、又は、逃げ面摩
耗量及び加工山数のどちから一方が良くても他方が劣り
(試料No.8〜12)、好ましくない。
【0041】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各
種の態様で実施できるのは勿論である。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各
種の態様で実施できるのは勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明の窒化珪素工
具は、従来の窒化珪素工具に比べて、粒界相形成成分が
少ない上に、熱衝撃抵抗係数R,R’が所定値以上であ
るので、耐摩耗性及び耐熱衝撃性にバランスよく優れて
いる。そのため、本発明品を工具として使用した場合、
激しい熱衝撃に晒される切削加工条件においても、著し
い加工能率の改善が図られるという特長を有する。
具は、従来の窒化珪素工具に比べて、粒界相形成成分が
少ない上に、熱衝撃抵抗係数R,R’が所定値以上であ
るので、耐摩耗性及び耐熱衝撃性にバランスよく優れて
いる。そのため、本発明品を工具として使用した場合、
激しい熱衝撃に晒される切削加工条件においても、著し
い加工能率の改善が図られるという特長を有する。
【図1】 窒化珪素工具を示し、(a)はその斜視図、
(b)はチャンファを拡大して示す断面図、(c)は
(a)の破線部分のノーズを拡大して示す斜視図であ
る。
(b)はチャンファを拡大して示す断面図、(c)は
(a)の破線部分のノーズを拡大して示す斜視図であ
る。
【図2】 切削方法を示す説明図である。
【図3】 被削材を示し、(a)は逃げ面摩耗量を測定
するための被削材の横断面図、(b)は逃げ面摩耗量を
測定するための被削材の縦断面図、(c)は切削方向を
示す説明図である。
するための被削材の横断面図、(b)は逃げ面摩耗量を
測定するための被削材の縦断面図、(c)は切削方向を
示す説明図である。
【図4】 耐熱衝撃性を評価するための切削試験をした
後の被削材及び切削方法を示す説明図である。
後の被削材及び切削方法を示す説明図である。
1…窒化珪素工具 2…切刃 3…チャンファ 4…ノーズ 6…ホルダー W…被削材(ワーク)
Claims (5)
- 【請求項1】 主成分が窒化珪素であり、粒界相形成成
分が3体積%以下である窒化珪素焼結体からなる窒化珪
素工具であって、 下記式(1)による熱衝撃抵抗係数Rが700K以上で
あり、且つ下記式(2)による熱衝撃抵抗係数R’が1
5kW/m以上であることを特徴とする窒化珪素工具。 熱衝撃抵抗係数R =σ(1−ν)/Eα …(1) 熱衝撃抵抗係数R’=σκ(1−ν)/Eα …(2) 但し σ;抗折強度 ν;ポアソン比 E;ヤング率 α;熱膨張係数 κ;熱伝導率 - 【請求項2】 前記粒界相形成成分が、希土類元素、M
g元素、及びAl元素を含むことを特徴とする前記請求
項1に記載の窒化珪素工具。 - 【請求項3】 前記希土類元素が酸化物換算で0.5〜
2.0重量%、Mg元素が酸化物換算で0.1〜2.0
重量%、Al元素が酸化物換算で0.1〜2.0重量%
であることを特徴とする前記請求項2に記載の窒化珪素
工具。 - 【請求項4】 前記窒化珪素工具の室温での三点曲げ抗
折強度が、1000MPa以上であることを特徴とする
前記請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素工具。 - 【請求項5】 前記窒化珪素工具の1000℃での熱伝
導率が、20W/mK以上であることを特徴とする前記
請求項1〜4のいずれかに記載の窒化珪素工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10077580A JPH11268957A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 窒化珪素工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10077580A JPH11268957A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 窒化珪素工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11268957A true JPH11268957A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13637937
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10077580A Pending JPH11268957A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 窒化珪素工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11268957A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6861382B2 (en) | 2001-11-16 | 2005-03-01 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Sintered silicon nitride and silicon nitride tool |
| WO2008114752A1 (ja) | 2007-03-22 | 2008-09-25 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | インサート及び切削工具 |
| JP2011016716A (ja) * | 2010-07-14 | 2011-01-27 | Toshiba Corp | 窒化けい素焼結体 |
| JP2015009327A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 京セラ株式会社 | 切削インサート |
-
1998
- 1998-03-25 JP JP10077580A patent/JPH11268957A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6861382B2 (en) | 2001-11-16 | 2005-03-01 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Sintered silicon nitride and silicon nitride tool |
| WO2008114752A1 (ja) | 2007-03-22 | 2008-09-25 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | インサート及び切削工具 |
| US8492300B2 (en) | 2007-03-22 | 2013-07-23 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Insert and cutting tool |
| EP2138252A4 (en) * | 2007-03-22 | 2016-10-12 | Ngk Spark Plug Co | INSERT AND CUTTING TOOL |
| JP2011016716A (ja) * | 2010-07-14 | 2011-01-27 | Toshiba Corp | 窒化けい素焼結体 |
| JP2015009327A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 京セラ株式会社 | 切削インサート |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051025 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051129 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060711 |