JPH11268978A - 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 - Google Patents
炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法Info
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- JPH11268978A JPH11268978A JP9072298A JP9072298A JPH11268978A JP H11268978 A JPH11268978 A JP H11268978A JP 9072298 A JP9072298 A JP 9072298A JP 9072298 A JP9072298 A JP 9072298A JP H11268978 A JPH11268978 A JP H11268978A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 C/C基材とSiC被覆層との熱膨張係数差
に起因するSiC被覆層でのクラック発生を防止し、こ
れによりC/Cの耐酸化性等の向上を図る。 【解決手段】 本発明に係るC/C10は、C/C基材
12の表面に繊維強化複合材料からなる中間層14が形
成され、中間層14の表面にSiC被覆層16が形成さ
れたものである。中間層14が繊維によって強化されて
いるので、C/C基材12とSiC被覆層16との間に
発生する熱膨張係数差による熱応力は、C/C基材12
とSiC被覆層16との間の中間層14によって吸収さ
れる。したがって、セラミックス被覆層16では、熱応
力によるクラックの発生が抑制される。
に起因するSiC被覆層でのクラック発生を防止し、こ
れによりC/Cの耐酸化性等の向上を図る。 【解決手段】 本発明に係るC/C10は、C/C基材
12の表面に繊維強化複合材料からなる中間層14が形
成され、中間層14の表面にSiC被覆層16が形成さ
れたものである。中間層14が繊維によって強化されて
いるので、C/C基材12とSiC被覆層16との間に
発生する熱膨張係数差による熱応力は、C/C基材12
とSiC被覆層16との間の中間層14によって吸収さ
れる。したがって、セラミックス被覆層16では、熱応
力によるクラックの発生が抑制される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐酸化性を
有するC/C及びその製造方法に関する。
有するC/C及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C/Cは、2000℃以上の高温におい
ても強度が低下しないので、宇宙往還機の機体先端部や
翼前縁の耐熱構造材、又はエンジン構造材に有望な材料
として注目を浴びている。このような用途に供されるC
/Cには、十分な高温強度だけではなく、長時間の酸
化、腐食、磨耗及び熱衝撃にも耐え得る特性が要求され
る。これらの要求を満たすものとして、表面にセラミッ
クス被覆層が形成されたC/Cが知られている。そのセ
ラミックス被覆層として最も有望な材料は、高温での強
度及び耐酸化性等に優れたSiCである。
ても強度が低下しないので、宇宙往還機の機体先端部や
翼前縁の耐熱構造材、又はエンジン構造材に有望な材料
として注目を浴びている。このような用途に供されるC
/Cには、十分な高温強度だけではなく、長時間の酸
化、腐食、磨耗及び熱衝撃にも耐え得る特性が要求され
る。これらの要求を満たすものとして、表面にセラミッ
クス被覆層が形成されたC/Cが知られている。そのセ
ラミックス被覆層として最も有望な材料は、高温での強
度及び耐酸化性等に優れたSiCである。
【0003】図7は、このような従来のC/Cを示す概
略断面図である。この従来のC/C60は、C/C基材
62の表面にSiC被覆層64が形成されたものであ
り、特開平4−325481号公報に記載されている。
そして、C/C基材の表面を多孔質炭素物質(黒鉛繊維
フェルト)で被包した状態で、これらを珪素源と炭材と
からなる組成の被覆材料粉末中に埋没させ、非酸化性雰
囲気下で1800〜2000℃に加熱処理することによ
り、C/C基材62の表面にSiC被覆層64を形成し
ている。つまり、多孔質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)
を完全にSiC化してしまうのである。しかしながら、
C/C60には、次の第一及び第二の問題が生じてい
た。
略断面図である。この従来のC/C60は、C/C基材
62の表面にSiC被覆層64が形成されたものであ
り、特開平4−325481号公報に記載されている。
そして、C/C基材の表面を多孔質炭素物質(黒鉛繊維
フェルト)で被包した状態で、これらを珪素源と炭材と
からなる組成の被覆材料粉末中に埋没させ、非酸化性雰
囲気下で1800〜2000℃に加熱処理することによ
り、C/C基材62の表面にSiC被覆層64を形成し
ている。つまり、多孔質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)
を完全にSiC化してしまうのである。しかしながら、
C/C60には、次の第一及び第二の問題が生じてい
た。
【0004】第一の問題は、C/CとSiCとの熱膨張
係数差に起因するものである。C/Cは、分散相の炭素
繊維とマトリックス相の炭素とからなり、炭素繊維の配
向により熱膨張係数に異方性を有する。C/Cの熱膨張
係数は、炭素繊維の繊維方向で約1×10-6/Kと非常
に小さく、SiCの約4〜5×10-6/Kと大きく異な
る。このため、SiC被覆層形成時の千数百℃から常温
まで冷却される過程で、この熱膨張係数差によりSiC
被覆層に多数のクラックが生じる。このようなクラック
は、酸化性ガス等の侵入経路となるため、C/Cの高温
での耐酸化性等を著しく低減させる原因となる。
係数差に起因するものである。C/Cは、分散相の炭素
繊維とマトリックス相の炭素とからなり、炭素繊維の配
向により熱膨張係数に異方性を有する。C/Cの熱膨張
係数は、炭素繊維の繊維方向で約1×10-6/Kと非常
に小さく、SiCの約4〜5×10-6/Kと大きく異な
る。このため、SiC被覆層形成時の千数百℃から常温
まで冷却される過程で、この熱膨張係数差によりSiC
被覆層に多数のクラックが生じる。このようなクラック
は、酸化性ガス等の侵入経路となるため、C/Cの高温
での耐酸化性等を著しく低減させる原因となる。
【0005】第二の問題は、SiC被覆層の欠陥であ
る。上記公報に記載の方法では、C/C基材表面を多孔
質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)で被包し、この多孔質
炭素物質をSiC化することにより、C/C基材そのも
のの食われや変形を防いでいる。しかし、多孔質炭素物
質は、その名の示すとおり多くの気孔があるため、これ
をSiC化したSiC被覆層にも多くの気孔が残存する
ことになる。このような気孔は、強度を低下させるとと
もに、ガスの進入経路になりやすい。
る。上記公報に記載の方法では、C/C基材表面を多孔
質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)で被包し、この多孔質
炭素物質をSiC化することにより、C/C基材そのも
のの食われや変形を防いでいる。しかし、多孔質炭素物
質は、その名の示すとおり多くの気孔があるため、これ
をSiC化したSiC被覆層にも多くの気孔が残存する
ことになる。このような気孔は、強度を低下させるとと
もに、ガスの進入経路になりやすい。
【0006】一方、C/C基材とSiC被覆層との熱膨
張係数差の問題を解決しようとする方法として、C/C
基材表層部そのものをSiC化させる技術(コンバージ
ョン法)が知られている。コンバージョン法には、溶融
したSiをC/C基材表面に接触させることによりSi
C化する「液相拡散法」又は「Siペースト法」と呼ば
れる技術(例えば特開平4−305080号公報)や、
高温で蒸発させたSiOガスをC/C基材表面に接触さ
せることによりSiC化する「気相拡散法」又は「ガス
コンバージョン法」と呼ばれる技術(例えば特開平5−
186286号公報)が知られている。これらの技術で
は、C/C基材内部から表面にかけて、Cリッチ組成か
らSiCリッチ組成に徐々に変化させることにより、C
/CとSiCとの熱膨張係数差の影響を緩和しようとし
ている。
張係数差の問題を解決しようとする方法として、C/C
基材表層部そのものをSiC化させる技術(コンバージ
ョン法)が知られている。コンバージョン法には、溶融
したSiをC/C基材表面に接触させることによりSi
C化する「液相拡散法」又は「Siペースト法」と呼ば
れる技術(例えば特開平4−305080号公報)や、
高温で蒸発させたSiOガスをC/C基材表面に接触さ
せることによりSiC化する「気相拡散法」又は「ガス
コンバージョン法」と呼ばれる技術(例えば特開平5−
186286号公報)が知られている。これらの技術で
は、C/C基材内部から表面にかけて、Cリッチ組成か
らSiCリッチ組成に徐々に変化させることにより、C
/CとSiCとの熱膨張係数差の影響を緩和しようとし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たコンバージョン法では、C/C基材表層部をSiC化
する時にCOガスが発生するため、SiC被覆層が多孔
質層となる。この多孔質層は、SiCとC/C基材との
熱膨張係数差の影響を緩和すると考えられる。しかし、
C/C基材そのものがSiC化されることにより、強度
が低下する。しかも、ガスは多孔質層を通過しやすいの
で、亀裂を通して侵入してきた酸化性ガス等によってC
/C基材の酸化等が進行する。このようなことから、超
高温材料としての用途を考えた場合、加熱と冷却とが繰
り返される使用条件においては、多孔質からなるSiC
被覆層は好ましいものではない。
たコンバージョン法では、C/C基材表層部をSiC化
する時にCOガスが発生するため、SiC被覆層が多孔
質層となる。この多孔質層は、SiCとC/C基材との
熱膨張係数差の影響を緩和すると考えられる。しかし、
C/C基材そのものがSiC化されることにより、強度
が低下する。しかも、ガスは多孔質層を通過しやすいの
で、亀裂を通して侵入してきた酸化性ガス等によってC
/C基材の酸化等が進行する。このようなことから、超
高温材料としての用途を考えた場合、加熱と冷却とが繰
り返される使用条件においては、多孔質からなるSiC
被覆層は好ましいものではない。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、第一にC/C
基材とSiC被覆層との熱膨張係数差の影響を抑制で
き、第二にSiC被覆層での気孔の発生を防止できる、
C/Cを提供することにある。
基材とSiC被覆層との熱膨張係数差の影響を抑制で
き、第二にSiC被覆層での気孔の発生を防止できる、
C/Cを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のC/C
は、C/C基材表面にセラミックス被覆層が形成された
C/Cにおいて、C/C基材表面とセラミックス被覆層
との間に、繊維強化複合材料からなる中間層が形成され
たことを特徴とするものである。中間層が繊維によって
強化されているので、C/C基材とセラミックス被覆層
との間に発生する熱膨張係数差による熱応力は、C/C
基材とセラミックス被覆層との間の中間層によって吸収
される。したがって、セラミックス被覆層では、熱応力
によるクラックの発生が抑制される。ここで、C/C基
材としては、例えば1000本の炭素繊維束で三次元的
に強化されたもの等が好ましい。中間層の繊維強化複合
材料としては、炭素繊維強化セラミックス複合材料、セ
ラミックス繊維強化セラミックス複合材料、SiC繊維
強化セラミックス複合材料等が好ましい。セラミックス
被覆層の材料としては、SiC、Si3 N4 、MoSi
2 、TiC、ZrC、HfC、TaC、B4 C、ZrB
2 、HfB2 、Al2 O3 、MgO、サイアロン等が好
ましい。
は、C/C基材表面にセラミックス被覆層が形成された
C/Cにおいて、C/C基材表面とセラミックス被覆層
との間に、繊維強化複合材料からなる中間層が形成され
たことを特徴とするものである。中間層が繊維によって
強化されているので、C/C基材とセラミックス被覆層
との間に発生する熱膨張係数差による熱応力は、C/C
基材とセラミックス被覆層との間の中間層によって吸収
される。したがって、セラミックス被覆層では、熱応力
によるクラックの発生が抑制される。ここで、C/C基
材としては、例えば1000本の炭素繊維束で三次元的
に強化されたもの等が好ましい。中間層の繊維強化複合
材料としては、炭素繊維強化セラミックス複合材料、セ
ラミックス繊維強化セラミックス複合材料、SiC繊維
強化セラミックス複合材料等が好ましい。セラミックス
被覆層の材料としては、SiC、Si3 N4 、MoSi
2 、TiC、ZrC、HfC、TaC、B4 C、ZrB
2 、HfB2 、Al2 O3 、MgO、サイアロン等が好
ましい。
【0010】請求項2記載のC/Cでは、請求項1記載
のC/Cにおいて、中間層が炭素繊維と耐熱性物質とか
らなる。この場合は、中間層の耐熱性が高まる。耐熱性
物質としては、SiC、Si3 N4 、MoSi2 、Ti
C、ZrC、HfC、TaC、B4 C、ZrB2 、Hf
B2 、Al2 O3 、MgO、サイアロン、Ir、PtT
hO2 等が好ましい。また、中間層は、更に複数の層に
分かれ、各層毎に耐熱性物質の種類が異なるようにして
もよい。この場合は、所望の特性の中間層がより容易に
得られる。請求項3記載のC/Cでは、請求項2記載の
C/Cにおいて、耐熱性物質の融点又は分解点が160
0℃以上ある。この場合は、より高温でのC/Cの用途
が開ける。請求項4記載のC/Cでは、請求項2又は3
記載のC/Cにおいて、耐熱性物質が炭化物、酸化物若
しくは金属のいずれか一つ又はこれらを組み合わせたも
のからなる。これらの炭化物等は、優れた耐熱性を有す
る。
のC/Cにおいて、中間層が炭素繊維と耐熱性物質とか
らなる。この場合は、中間層の耐熱性が高まる。耐熱性
物質としては、SiC、Si3 N4 、MoSi2 、Ti
C、ZrC、HfC、TaC、B4 C、ZrB2 、Hf
B2 、Al2 O3 、MgO、サイアロン、Ir、PtT
hO2 等が好ましい。また、中間層は、更に複数の層に
分かれ、各層毎に耐熱性物質の種類が異なるようにして
もよい。この場合は、所望の特性の中間層がより容易に
得られる。請求項3記載のC/Cでは、請求項2記載の
C/Cにおいて、耐熱性物質の融点又は分解点が160
0℃以上ある。この場合は、より高温でのC/Cの用途
が開ける。請求項4記載のC/Cでは、請求項2又は3
記載のC/Cにおいて、耐熱性物質が炭化物、酸化物若
しくは金属のいずれか一つ又はこれらを組み合わせたも
のからなる。これらの炭化物等は、優れた耐熱性を有す
る。
【0011】請求項5記載のC/Cでは、請求項1乃至
4記載のC/Cにおいて、中間層の熱膨張係数が、C/
C基材に近い部分ほどC/C基材に近く、セラミックス
被覆層に近い部分ほどセラミックス被覆層に近い。C/
C基材とセラミックス被覆層との間に発生する熱応力
は、熱膨張係数差の最も大きい部分で最大となる。そこ
で、請求項5記載のC/Cでは、C/C基材から中間層
を介してセラミックス被覆層までに至る各部分におい
て、熱膨張係数差をできるだけ小さくすることで熱応力
を分散させ、これにより熱応力の最大値を小さくしてい
る。
4記載のC/Cにおいて、中間層の熱膨張係数が、C/
C基材に近い部分ほどC/C基材に近く、セラミックス
被覆層に近い部分ほどセラミックス被覆層に近い。C/
C基材とセラミックス被覆層との間に発生する熱応力
は、熱膨張係数差の最も大きい部分で最大となる。そこ
で、請求項5記載のC/Cでは、C/C基材から中間層
を介してセラミックス被覆層までに至る各部分におい
て、熱膨張係数差をできるだけ小さくすることで熱応力
を分散させ、これにより熱応力の最大値を小さくしてい
る。
【0012】請求項6記載のC/Cでは、請求項1乃至
5記載のC/Cにおいて、セラミックス被覆層に対する
中間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内で
ある。一般に、セラミックスと金属との接合において、
セラミックスに対する金属の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内にあるとき、良好な接合が得られる。
このことは、例えば、「高塩治男:ファインセラミック
スの接合技術とその応用、工業材料、34(8) 、(1986),
p.25 」に記載されている。
5記載のC/Cにおいて、セラミックス被覆層に対する
中間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内で
ある。一般に、セラミックスと金属との接合において、
セラミックスに対する金属の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内にあるとき、良好な接合が得られる。
このことは、例えば、「高塩治男:ファインセラミック
スの接合技術とその応用、工業材料、34(8) 、(1986),
p.25 」に記載されている。
【0013】請求項7記載のC/Cでは、請求項2乃至
5記載のC/Cにおいて、耐熱性物質は粒径が1μm以
下の粉末からなる。1μm以下の粒径の粉末を用いれ
ば、炭素繊維相互の隙間を十分に充填できるので、中間
層での気孔の発生が抑えられる。
5記載のC/Cにおいて、耐熱性物質は粒径が1μm以
下の粉末からなる。1μm以下の粒径の粉末を用いれ
ば、炭素繊維相互の隙間を十分に充填できるので、中間
層での気孔の発生が抑えられる。
【0014】請求項8記載のC/Cでは、請求項1乃至
7記載のC/Cにおいて、セラミックス被覆層は炭化珪
素(SiC)からなるSiC被覆層である。SiC被覆
層は、C/Cにとって最も有用性の高いセラミックス被
覆層である。SiC被覆層の形成方法は、熱CVD、光
CVD、プラズマCVD等が好ましい。請求項9記載の
C/Cでは、請求項8記載のC/Cにおいて、中間層が
炭素繊維とZrCとからなる。この場合は、中間層の熱
膨張係数をSiC被覆層に近づけることが容易である。
中間層の熱膨張係数がSiC被覆層に近いほど、中間層
とSiC被覆層との間の熱応力が低減する。請求項10
記載のC/Cでは、請求項9記載のC/Cにおいて、Z
rCが、C/C基材に近い部分ほど少なく、SiC被覆
層に近い部分ほど多い。この場合は、中間層の熱膨張係
数を、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に近く、S
iC被覆層に近い部分ほどSiC被覆層に近くすること
が容易である。
7記載のC/Cにおいて、セラミックス被覆層は炭化珪
素(SiC)からなるSiC被覆層である。SiC被覆
層は、C/Cにとって最も有用性の高いセラミックス被
覆層である。SiC被覆層の形成方法は、熱CVD、光
CVD、プラズマCVD等が好ましい。請求項9記載の
C/Cでは、請求項8記載のC/Cにおいて、中間層が
炭素繊維とZrCとからなる。この場合は、中間層の熱
膨張係数をSiC被覆層に近づけることが容易である。
中間層の熱膨張係数がSiC被覆層に近いほど、中間層
とSiC被覆層との間の熱応力が低減する。請求項10
記載のC/Cでは、請求項9記載のC/Cにおいて、Z
rCが、C/C基材に近い部分ほど少なく、SiC被覆
層に近い部分ほど多い。この場合は、中間層の熱膨張係
数を、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に近く、S
iC被覆層に近い部分ほどSiC被覆層に近くすること
が容易である。
【0015】請求項11記載のC/Cの製造方法は、請
求項1乃至10記載のC/Cを製造する方法であって、
C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この炭素
繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CVD法
を用いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間層を
形成するとともに、この中間層の表面にセラミックス被
覆層を形成するものである。この製造方法によれば、高
品質の中間層及びSiC被覆層が簡単に得られる。請求
項12記載のC/Cの製造方法では、請求項11記載の
C/Cの製造方法において、炭素繊維ペーパーにスラリ
ーを浸透させる際に、炭素繊維ペーパーの表面側ほど多
く基材側ほど少なくスラリーを浸透させる。この製造方
法によれば、請求項5又は10記載のC/Cが簡単に得
られる。
求項1乃至10記載のC/Cを製造する方法であって、
C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この炭素
繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CVD法
を用いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間層を
形成するとともに、この中間層の表面にセラミックス被
覆層を形成するものである。この製造方法によれば、高
品質の中間層及びSiC被覆層が簡単に得られる。請求
項12記載のC/Cの製造方法では、請求項11記載の
C/Cの製造方法において、炭素繊維ペーパーにスラリ
ーを浸透させる際に、炭素繊維ペーパーの表面側ほど多
く基材側ほど少なくスラリーを浸透させる。この製造方
法によれば、請求項5又は10記載のC/Cが簡単に得
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るC/Cの一
実施形態を示す概略断面図である。以下、この図面に基
づき説明する。
実施形態を示す概略断面図である。以下、この図面に基
づき説明する。
【0017】本実施形態のC/C10は、C/C基材1
2の表面に中間層14が形成され、中間層14の表面に
SiC被覆層16が形成されたものである。
2の表面に中間層14が形成され、中間層14の表面に
SiC被覆層16が形成されたものである。
【0018】C/C基材12の表面を炭素繊維ペーパー
(図示せず)で被包した後、その表面からスラリー(図
示せず)を含浸させることにより中間層14が形成され
る。このスラリーは、1μm以下の炭化物、酸化物若し
くは金属粉末の一種又はこれらの組み合わせからなる粉
末と、ポリカルボシランのキシレン溶液からなる有機バ
インダーとから構成されている。
(図示せず)で被包した後、その表面からスラリー(図
示せず)を含浸させることにより中間層14が形成され
る。このスラリーは、1μm以下の炭化物、酸化物若し
くは金属粉末の一種又はこれらの組み合わせからなる粉
末と、ポリカルボシランのキシレン溶液からなる有機バ
インダーとから構成されている。
【0019】中間層14の強化に用いられる炭素繊維ペ
ーパーの気孔率は、当初97%であったものが、スラリ
ーを含浸し乾燥することで60%程度に、さらにその上
に熱CVD法によりSiC被覆層16を形成することに
より10%以下とすることができる。また、SiC被覆
層形成時の処理温度が1000℃以上であることから、
スラリーに用いた有機バインダーのポリカルボシランは
無機質化してSiCに変化する。
ーパーの気孔率は、当初97%であったものが、スラリ
ーを含浸し乾燥することで60%程度に、さらにその上
に熱CVD法によりSiC被覆層16を形成することに
より10%以下とすることができる。また、SiC被覆
層形成時の処理温度が1000℃以上であることから、
スラリーに用いた有機バインダーのポリカルボシランは
無機質化してSiCに変化する。
【0020】SiCよりも熱膨張係数の大きい物質の粉
末を炭素繊維相互の隙間に充填することにより、炭素繊
維強化複合材料(中間層14)全体の熱膨張係数を増大
させることができる。この場合、粉末の物質の種類を選
択したり、粉末の充填量を制御したりすることで、炭素
繊維強化複合材料(中間層14)の熱膨張係数を自由に
設計することが可能である。前述したように、SiCの
熱膨張係数は約4〜5×10-6/Kであるから、SiC
被覆層16に対する中間層14の熱膨張係数差を−0.
5から1の範囲内に設計することにより、C/C基材1
2とSiC被覆層16との熱膨張係数差の影響を軽減す
ることができる。
末を炭素繊維相互の隙間に充填することにより、炭素繊
維強化複合材料(中間層14)全体の熱膨張係数を増大
させることができる。この場合、粉末の物質の種類を選
択したり、粉末の充填量を制御したりすることで、炭素
繊維強化複合材料(中間層14)の熱膨張係数を自由に
設計することが可能である。前述したように、SiCの
熱膨張係数は約4〜5×10-6/Kであるから、SiC
被覆層16に対する中間層14の熱膨張係数差を−0.
5から1の範囲内に設計することにより、C/C基材1
2とSiC被覆層16との熱膨張係数差の影響を軽減す
ることができる。
【0021】C/C基材12と中間層14との熱膨張係
数差に起因する熱応力は、中間層14を構成する材料の
一つである炭素繊維の強度が高いため、問題とならな
い。また、中間層14にクラックが発生しても、そのク
ラックは長さが短く幅も狭い。その理由は、炭素繊維と
マトリックス(充填した粉末)との界面が比較的脆弱な
ことから、炭素繊維の引き抜きを起こしながらクラック
が進行するため、クラックの原因となる破壊エネルギー
を低減できるためである。このようにして、C/C基材
10とSiC被覆層16との間で発生する熱応力が中間
層14で緩和されるので、SiC被覆層16でのクラッ
ク発生が抑えられる。
数差に起因する熱応力は、中間層14を構成する材料の
一つである炭素繊維の強度が高いため、問題とならな
い。また、中間層14にクラックが発生しても、そのク
ラックは長さが短く幅も狭い。その理由は、炭素繊維と
マトリックス(充填した粉末)との界面が比較的脆弱な
ことから、炭素繊維の引き抜きを起こしながらクラック
が進行するため、クラックの原因となる破壊エネルギー
を低減できるためである。このようにして、C/C基材
10とSiC被覆層16との間で発生する熱応力が中間
層14で緩和されるので、SiC被覆層16でのクラッ
ク発生が抑えられる。
【0022】図2は、図1のC/C10における中間層
14を示す概略拡大断面図である。以下、図1及び図2
に基づき説明する。
14を示す概略拡大断面図である。以下、図1及び図2
に基づき説明する。
【0023】中間層14は、炭素繊維141と耐熱性物
質の粉末142とからなる炭素繊維強化複合材料であ
る。原料となる炭素繊維ペーパーの気孔サイズ(炭素繊
維相互の隙間)は、約100μm程度である。その隙間
には、1μm以下の粉末142を含むスラリーを用いれ
ば、十分に充填が可能である。
質の粉末142とからなる炭素繊維強化複合材料であ
る。原料となる炭素繊維ペーパーの気孔サイズ(炭素繊
維相互の隙間)は、約100μm程度である。その隙間
には、1μm以下の粉末142を含むスラリーを用いれ
ば、十分に充填が可能である。
【0024】中間層14の熱膨張係数は、SiCに近い
ほど、SiC被覆層16に生じる熱応力を低減できる。
炭素繊維141の熱膨張係数はSiCよりもかなり小さ
いので、粉末142に熱膨張係数の大きい物質を使用す
れば、所望の熱膨張係数の中間層14を得ることができ
る。
ほど、SiC被覆層16に生じる熱応力を低減できる。
炭素繊維141の熱膨張係数はSiCよりもかなり小さ
いので、粉末142に熱膨張係数の大きい物質を使用す
れば、所望の熱膨張係数の中間層14を得ることができ
る。
【0025】例えばSiCよりも熱膨張係数の大きいI
rやPtなどの高融点金属を粉末142に用いれば、そ
れらの特長を生かした炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。特にIrの場合は、高温にお
ける酸素透過性が小さく金属固有の延性があることか
ら、緻密で強靭な炭素繊維強化複合材料(中間層14)
が得られる。
rやPtなどの高融点金属を粉末142に用いれば、そ
れらの特長を生かした炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。特にIrの場合は、高温にお
ける酸素透過性が小さく金属固有の延性があることか
ら、緻密で強靭な炭素繊維強化複合材料(中間層14)
が得られる。
【0026】また、ZrC、HfCなどの炭化物は、も
ちろんSiCよりも熱膨張係数が大きいが、これらを粉
末142に用いてマトリックスを形成した場合に、高温
強度が非常に優れた炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。また、これらの炭化物は、蒸
気圧が非常に低く、かつ、高温で非常に安定であり、本
発明において最も顕著な効果を発揮するものである。こ
れらの炭化物は、それぞれ酸化してZrO2 、HfO2
となることから、SiC被覆層16が損耗しても中間層
14でそれ以上に酸化損耗を防止することが可能とな
る。
ちろんSiCよりも熱膨張係数が大きいが、これらを粉
末142に用いてマトリックスを形成した場合に、高温
強度が非常に優れた炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。また、これらの炭化物は、蒸
気圧が非常に低く、かつ、高温で非常に安定であり、本
発明において最も顕著な効果を発揮するものである。こ
れらの炭化物は、それぞれ酸化してZrO2 、HfO2
となることから、SiC被覆層16が損耗しても中間層
14でそれ以上に酸化損耗を防止することが可能とな
る。
【0027】酸化物は、熱膨張係数が比較的大きいこと
から、高融点であれば粉末142として使用することが
できる。ただし、酸化物は、それ自身が炭素繊維に還元
されることにより、逆に炭素繊維を酸化して機械的強度
を低下させることがある。そのため、その選定にあたっ
ては酸化物生成の標準自由エネルギーを参考にして、で
きるだけ安定な酸化物、例えばMgO,Al2 O3 など
を用いる必要がある。
から、高融点であれば粉末142として使用することが
できる。ただし、酸化物は、それ自身が炭素繊維に還元
されることにより、逆に炭素繊維を酸化して機械的強度
を低下させることがある。そのため、その選定にあたっ
ては酸化物生成の標準自由エネルギーを参考にして、で
きるだけ安定な酸化物、例えばMgO,Al2 O3 など
を用いる必要がある。
【0028】以下に、実施例及び比較例について、それ
ぞれの実験結果に基づき説明する。
ぞれの実験結果に基づき説明する。
【0029】
【実施例】(1)C/C基材上に炭素繊維ペーパーを乗
せ、選択したセラミックス又は金属の粉末を含むスラリ
ーを炭素繊維ペーパーの表面から含浸及び付着させた。
続いて、150℃で溶媒を蒸発させることにより、炭素
繊維ペーパーにスラリーを固着させた。
せ、選択したセラミックス又は金属の粉末を含むスラリ
ーを炭素繊維ペーパーの表面から含浸及び付着させた。
続いて、150℃で溶媒を蒸発させることにより、炭素
繊維ペーパーにスラリーを固着させた。
【0030】C/C基材としては、2次元に繊維強化し
たクロス積層タイプの大和田カーボン工業(株)製「C
/C501(商品名)」を用いた。カタログ値では、C
/Cの面内方向(カーボン繊維織物の積層面に対し水平
方向)及び面外方向(積層面に垂直方向)の熱膨張係数
は、それぞれ1.5×10-6/K及び6.5×10-6/
Kである。
たクロス積層タイプの大和田カーボン工業(株)製「C
/C501(商品名)」を用いた。カタログ値では、C
/Cの面内方向(カーボン繊維織物の積層面に対し水平
方向)及び面外方向(積層面に垂直方向)の熱膨張係数
は、それぞれ1.5×10-6/K及び6.5×10-6/
Kである。
【0031】炭素繊維ペーパーは、東邦レーヨン(株)
製の「ベスファイト・ペーパー(商品名)」(厚さ42
0μm)を、適宜、C/C基材のサイズに合わせて切り
出して用いた。
製の「ベスファイト・ペーパー(商品名)」(厚さ42
0μm)を、適宜、C/C基材のサイズに合わせて切り
出して用いた。
【0032】図3は、炭素繊維ペーパーに含浸させるス
ラリーの組成及び粉末の物性を示す図表である。以下、
この図面に基づき説明する。
ラリーの組成及び粉末の物性を示す図表である。以下、
この図面に基づき説明する。
【0033】スラリーを構成するバインダーには、日本
カーボン工業(株)製のポリカルボシラン(以下「PC
S」という。)の25wt%キシレン溶液を用いた。な
お、バインダーとしてはフェノールレジン等も使用可能
であるが、これらは高温で分解し体積が減少するので、
気孔の発生に注意をする必要がある。各種スラリーは、
粉末重量に対しバインダー溶液を50wt%添加すること
により作製した。すべての粉末は、炭素繊維ペーパーの
気孔のサイズよりも中心粒径が小さいので、浸透するこ
とにより炭素繊維相互の隙間に充填される。炭素繊維ペ
ーパーへのスラリーの含浸量は、固形分に換算して約
0.13g/cm2 である。
カーボン工業(株)製のポリカルボシラン(以下「PC
S」という。)の25wt%キシレン溶液を用いた。な
お、バインダーとしてはフェノールレジン等も使用可能
であるが、これらは高温で分解し体積が減少するので、
気孔の発生に注意をする必要がある。各種スラリーは、
粉末重量に対しバインダー溶液を50wt%添加すること
により作製した。すべての粉末は、炭素繊維ペーパーの
気孔のサイズよりも中心粒径が小さいので、浸透するこ
とにより炭素繊維相互の隙間に充填される。炭素繊維ペ
ーパーへのスラリーの含浸量は、固形分に換算して約
0.13g/cm2 である。
【0034】(2)次に、(1)の工程によって得られ
たコンポジットのグリーン体に対して、1250℃の反
応温度条件下で、熱CVD(化学的気相成長)法により
SiC被覆層を形成した。熱CVD法の条件は、温度1
250℃、圧力1.3kPa、SiCl4 流量0.5l
/min、CH4 流量0.5l/min、等である。こ
の条件下で8時間をかけて、平均膜厚が約90μmのS
iC被覆層を形成した。
たコンポジットのグリーン体に対して、1250℃の反
応温度条件下で、熱CVD(化学的気相成長)法により
SiC被覆層を形成した。熱CVD法の条件は、温度1
250℃、圧力1.3kPa、SiCl4 流量0.5l
/min、CH4 流量0.5l/min、等である。こ
の条件下で8時間をかけて、平均膜厚が約90μmのS
iC被覆層を形成した。
【0035】図4は、中間層のみの物性を把握するた
め、炭素繊維ペーパーに各種スラリーを含浸させ、乾燥
後1250℃で焼結した試料の熱膨張係数を測定した結
果を示すグラフである。以下、この図面に基づき説明す
る。
め、炭素繊維ペーパーに各種スラリーを含浸させ、乾燥
後1250℃で焼結した試料の熱膨張係数を測定した結
果を示すグラフである。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0036】図4には、参考までに、C/C基材の面内
方向の熱膨張係数の実測値、及び研磨によって分離した
SiC被覆層(CVD−SiC)の熱膨張係数の実測値
も示す。図4から明らかなように、炭素繊維ペーパーに
各種の粉末(○、×)を含浸させることにより、熱膨張
係数をC/C基材(□)よりも増大できる。これに対
し、粉末を添加せずにPCSのみを含浸させたもの
(●)は、熱膨張係数がC/C(□)と同程度に低く、
熱膨張係数を増大させる効果がない。熱膨張係数の小さ
いもの(×)は、粉末の充填率が低いためである。すな
わち、粉末の充填率を高くすることにより、熱膨張係数
を増大させることができる。CVD−SiCの熱膨張係
数に近いものは、ZrCの粉末を用いたもの(○)であ
る。
方向の熱膨張係数の実測値、及び研磨によって分離した
SiC被覆層(CVD−SiC)の熱膨張係数の実測値
も示す。図4から明らかなように、炭素繊維ペーパーに
各種の粉末(○、×)を含浸させることにより、熱膨張
係数をC/C基材(□)よりも増大できる。これに対
し、粉末を添加せずにPCSのみを含浸させたもの
(●)は、熱膨張係数がC/C(□)と同程度に低く、
熱膨張係数を増大させる効果がない。熱膨張係数の小さ
いもの(×)は、粉末の充填率が低いためである。すな
わち、粉末の充填率を高くすることにより、熱膨張係数
を増大させることができる。CVD−SiCの熱膨張係
数に近いものは、ZrCの粉末を用いたもの(○)であ
る。
【0037】図5は、本実施例におけるC/C断面を示
す電子顕微鏡写真である。以下、この図面に基づき説明
する。
す電子顕微鏡写真である。以下、この図面に基づき説明
する。
【0038】図5のC/C断面には、粉末の充填量が少
ないため、僅かではあるが気孔が見られる。また、中間
層には、幾つかのクラックが発生している。しかし、中
間層のクラックは、すべてその途中で止まっており、S
iC被覆層にまで進行しているものは見当たらない。こ
のように、炭素繊維で強化した中間層を用いることによ
り、C/CとSiCとの熱膨張係数差に起因する応力を
分散できるので、SiC被覆層でのクラック発生を防止
できる。
ないため、僅かではあるが気孔が見られる。また、中間
層には、幾つかのクラックが発生している。しかし、中
間層のクラックは、すべてその途中で止まっており、S
iC被覆層にまで進行しているものは見当たらない。こ
のように、炭素繊維で強化した中間層を用いることによ
り、C/CとSiCとの熱膨張係数差に起因する応力を
分散できるので、SiC被覆層でのクラック発生を防止
できる。
【0039】
【比較例】図6は、従来のコンバージョン法により第一
のSiC被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に
熱CVD法により第二のSiC被覆層を形成した場合
の、第二のSiC被覆層の表面を示す電子顕微鏡写真で
ある。以下、この図面に基づき説明する。
のSiC被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に
熱CVD法により第二のSiC被覆層を形成した場合
の、第二のSiC被覆層の表面を示す電子顕微鏡写真で
ある。以下、この図面に基づき説明する。
【0040】コンバージョン法としてはガスコンバージ
ョン法を用い、C/C基材表層部を厚さ10μmの第一
のSiC被覆層(中間層)に変換した。続いて、この中
間層の表面に、上記実施例と同じ条件で、熱CVD法に
より第二のSiC被覆層を形成した。第一のSiC被覆
層表面にはコンバージョン法特有の大きな気孔が存在し
ているため、例えば90μmの厚さの第二のSiC被覆
層を形成しても、その気孔を封鎖できなかった。図6
中、クレーター状に観察されるものが、第一のSiC被
覆層表面の気孔に起因する第二のSiC被覆層の欠陥部
分である。そして、この欠陥を基点とし、多数のクラッ
クが第二のSiC被覆層に発生している様子がわかる。
このように、従来のコンバージョン法により第一のSi
C被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に熱CV
D法により第二のSiC被覆層を形成しても、第二のS
iC被覆層に様々な欠陥が発生するので、耐酸化性等の
向上を果たすことができなかった。
ョン法を用い、C/C基材表層部を厚さ10μmの第一
のSiC被覆層(中間層)に変換した。続いて、この中
間層の表面に、上記実施例と同じ条件で、熱CVD法に
より第二のSiC被覆層を形成した。第一のSiC被覆
層表面にはコンバージョン法特有の大きな気孔が存在し
ているため、例えば90μmの厚さの第二のSiC被覆
層を形成しても、その気孔を封鎖できなかった。図6
中、クレーター状に観察されるものが、第一のSiC被
覆層表面の気孔に起因する第二のSiC被覆層の欠陥部
分である。そして、この欠陥を基点とし、多数のクラッ
クが第二のSiC被覆層に発生している様子がわかる。
このように、従来のコンバージョン法により第一のSi
C被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に熱CV
D法により第二のSiC被覆層を形成しても、第二のS
iC被覆層に様々な欠陥が発生するので、耐酸化性等の
向上を果たすことができなかった。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載のC/Cによれば、C/C
基材表面とセラミックス被覆層との間に、炭素繊維で強
化した中間層を形成したことにより、C/C基材とセラ
ミックス被覆層との間に発生する熱応力を中間層によっ
て吸収できるので、セラミックス被覆層でのクラック発
生を防止できる。したがって、C/Cの耐酸化性等を向
上できる。しかも、C/C基材には何ら組成面及び構造
面での変化を与えないので、C/C基材本来の材料強度
を維持できる。
基材表面とセラミックス被覆層との間に、炭素繊維で強
化した中間層を形成したことにより、C/C基材とセラ
ミックス被覆層との間に発生する熱応力を中間層によっ
て吸収できるので、セラミックス被覆層でのクラック発
生を防止できる。したがって、C/Cの耐酸化性等を向
上できる。しかも、C/C基材には何ら組成面及び構造
面での変化を与えないので、C/C基材本来の材料強度
を維持できる。
【0042】請求項2記載のC/Cによれば、中間層が
炭素繊維と耐熱性物質とからなるので、中間層の耐熱性
を向上できる。請求項3記載のC/Cによれば、耐熱性
物質の融点又は分解点が1600℃以上あるので、より
高温で使用できる。請求項4記載のC/Cによれば、耐
熱性物質が炭化物等からなるので、耐熱性をより向上で
きる。
炭素繊維と耐熱性物質とからなるので、中間層の耐熱性
を向上できる。請求項3記載のC/Cによれば、耐熱性
物質の融点又は分解点が1600℃以上あるので、より
高温で使用できる。請求項4記載のC/Cによれば、耐
熱性物質が炭化物等からなるので、耐熱性をより向上で
きる。
【0043】請求項5記載のC/Cによれば、中間層の
熱膨張係数が、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近いことにより、C/C基材とセラミックス被
覆層との間に発生する熱応力を分散できるので、中間層
及びセラミックス被覆層でのクラック発生を防止でき
る。
熱膨張係数が、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近いことにより、C/C基材とセラミックス被
覆層との間に発生する熱応力を分散できるので、中間層
及びセラミックス被覆層でのクラック発生を防止でき
る。
【0044】請求項6記載のC/Cによれば、セラミッ
クス被覆層に対する中間層の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内であることにより、セラミックス被覆
層と中間層との間に発生する熱応力を低減できるので、
セラミックス被覆層でのクラック発生を防止できる。こ
の場合、中間層とC/C基材との間に発生する熱応力
は、中間層が炭素繊維によって強化されているので、中
間層で吸収できる。
クス被覆層に対する中間層の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内であることにより、セラミックス被覆
層と中間層との間に発生する熱応力を低減できるので、
セラミックス被覆層でのクラック発生を防止できる。こ
の場合、中間層とC/C基材との間に発生する熱応力
は、中間層が炭素繊維によって強化されているので、中
間層で吸収できる。
【0045】請求項7記載のC/Cによれば、耐熱性物
質が粒径1μm以下の粉末からなるので、炭素繊維相互
の隙間を十分に充填でき、これにより中間層での気孔の
発生を防止できる。したがって、中間層表面に形成され
るSiC被覆層での気孔の発生も防止できるので、耐酸
化性等を向上できる。
質が粒径1μm以下の粉末からなるので、炭素繊維相互
の隙間を十分に充填でき、これにより中間層での気孔の
発生を防止できる。したがって、中間層表面に形成され
るSiC被覆層での気孔の発生も防止できるので、耐酸
化性等を向上できる。
【0046】請求項8記載のC/Cによれば、セラミッ
クス被覆層がSiC被覆層であるので、有用性の高いC
/Cを提供できる。請求項9記載のC/Cによれば、中
間層が炭素繊維とZrCとからなることにより、中間層
の熱膨張係数を容易にSiC被覆層に近づけることがで
きるので、SiC被覆層でのクラック発生を防止でき
る。しかも、SiC被覆層が酸化損耗したとしても、中
間層のZrCが酸化してZrO2 となることにより、S
iC以上の耐酸化性を発揮できる。請求項10記載によ
れば、ZrCがC/C基材に近い部分ほど少なくSiC
被覆層に近い部分ほど多いことにより、中間層の熱膨張
係数をC/C基材に近い部分ほどC/C基材に近くSi
C被覆層に近い部分ほどSiC被覆層に近くすることが
できる。したがって、C/C基材とSiC被覆層との間
に発生する熱応力を分散できるので、中間層及びSiC
被覆層でのクラック発生を防止できる。
クス被覆層がSiC被覆層であるので、有用性の高いC
/Cを提供できる。請求項9記載のC/Cによれば、中
間層が炭素繊維とZrCとからなることにより、中間層
の熱膨張係数を容易にSiC被覆層に近づけることがで
きるので、SiC被覆層でのクラック発生を防止でき
る。しかも、SiC被覆層が酸化損耗したとしても、中
間層のZrCが酸化してZrO2 となることにより、S
iC以上の耐酸化性を発揮できる。請求項10記載によ
れば、ZrCがC/C基材に近い部分ほど少なくSiC
被覆層に近い部分ほど多いことにより、中間層の熱膨張
係数をC/C基材に近い部分ほどC/C基材に近くSi
C被覆層に近い部分ほどSiC被覆層に近くすることが
できる。したがって、C/C基材とSiC被覆層との間
に発生する熱応力を分散できるので、中間層及びSiC
被覆層でのクラック発生を防止できる。
【0047】請求項11記載のC/Cの製造方法によれ
ば、C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間
層を形成するとともに、この中間層の表面にセラミック
ス被覆層を形成することにより、特別な設備を必要とす
ることなく、ありふれた設備を用いて本発明に係るC/
Cを簡単に製造できる。
ば、C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間
層を形成するとともに、この中間層の表面にセラミック
ス被覆層を形成することにより、特別な設備を必要とす
ることなく、ありふれた設備を用いて本発明に係るC/
Cを簡単に製造できる。
【0048】請求項12記載のC/Cの製造方法によれ
ば、炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させる際に、炭
素繊維ペーパーの表面側ほど多くC/C基材側ほど少な
くスラリーを浸透させることにより、中間層の熱膨張係
数を、簡単に、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近くすることができる。
ば、炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させる際に、炭
素繊維ペーパーの表面側ほど多くC/C基材側ほど少な
くスラリーを浸透させることにより、中間層の熱膨張係
数を、簡単に、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近くすることができる。
【図1】本発明に係るC/Cの一実施形態を示す概略断
面図である。
面図である。
【図2】図1のC/Cにおける中間層を示す概略拡大断
面図である。
面図である。
【図3】本発明の実施例における、炭素繊維ペーパーに
含浸させるスラリーの組成及び粉末の物性を示す図表で
ある。
含浸させるスラリーの組成及び粉末の物性を示す図表で
ある。
【図4】本発明の実施例における中間層の熱膨張係数を
測定した結果を示すグラフである。
測定した結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例におけるC/C断面を示す電子
顕微鏡写真である。
顕微鏡写真である。
【図6】従来技術におけるSiC被覆層の表面を示す電
子顕微鏡写真である。
子顕微鏡写真である。
【図7】従来のC/Cを示す概略断面図である。
10 C/C 12 C/C基材 14 中間層 141 炭素繊維 142 粉末 16 SiC被覆層(セラミックス被覆層)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製
造方法
造方法
【特許請求の範囲】
【請求項2】 前記中間層の熱膨張係数は、前記C/C
基材に近い部分ほど当該C/C基材に近く、前記セラミ
ックス被覆層に近い部分ほど当該セラミックス被覆層に
近い、請求項1記載のC/C。
基材に近い部分ほど当該C/C基材に近く、前記セラミ
ックス被覆層に近い部分ほど当該セラミックス被覆層に
近い、請求項1記載のC/C。
【請求項3】 前記セラミックス被覆層に対する前記中
間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内であ
る、請求項1又は2記載のC/C。
間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内であ
る、請求項1又は2記載のC/C。
【請求項4】 前記耐熱性物質は、粒径が1μm以下の
粉末からなる、請求項1,2又は3記載のC/C。
粉末からなる、請求項1,2又は3記載のC/C。
【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載のC/Cを
製造する方法であって、 前記C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、前記炭素繊維ペーパーと前記スラリーと
から前記中間層を形成するとともに、当該中間層の表面
に前記セラミックス被覆層を形成する、C/Cの製造方
法。
製造する方法であって、 前記C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、前記炭素繊維ペーパーと前記スラリーと
から前記中間層を形成するとともに、当該中間層の表面
に前記セラミックス被覆層を形成する、C/Cの製造方
法。
【請求項6】 前記炭素繊維ペーパーに前記スラリーを
浸透させる際に、当該炭素繊維ペーパーの表面側ほど多
く前記C/C基材側ほど少なくスラリーを浸透させる、
請求項5記載のC/Cの製造方法。
浸透させる際に、当該炭素繊維ペーパーの表面側ほど多
く前記C/C基材側ほど少なくスラリーを浸透させる、
請求項5記載のC/Cの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐酸化性を
有するC/C及びその製造方法に関する。
有するC/C及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C/Cは、2000℃以上の高温におい
ても強度が低下しないので、宇宙往還機の機体先端部や
翼前縁の耐熱構造材、又はエンジン構造材に有望な材料
として注目を浴びている。このような用途に供されるC
/Cには、十分な高温強度だけではなく、長時間の酸
化、腐食、磨耗及び熱衝撃にも耐え得る特性が要求され
る。これらの要求を満たすものとして、表面にセラミッ
クス被覆層が形成されたC/Cが知られている。そのセ
ラミックス被覆層として最も有望な材料は、高温での強
度及び耐酸化性等に優れたSiCである。
ても強度が低下しないので、宇宙往還機の機体先端部や
翼前縁の耐熱構造材、又はエンジン構造材に有望な材料
として注目を浴びている。このような用途に供されるC
/Cには、十分な高温強度だけではなく、長時間の酸
化、腐食、磨耗及び熱衝撃にも耐え得る特性が要求され
る。これらの要求を満たすものとして、表面にセラミッ
クス被覆層が形成されたC/Cが知られている。そのセ
ラミックス被覆層として最も有望な材料は、高温での強
度及び耐酸化性等に優れたSiCである。
【0003】図7は、このような従来のC/Cを示す概
略断面図である。この従来のC/C60は、C/C基材
62の表面にSiC被覆層64が形成されたものであ
り、特開平4−325481号公報に記載されている。
そして、C/C基材の表面を多孔質炭素物質(黒鉛繊維
フェルト)で被包した状態で、これらを珪素源と炭材と
からなる組成の被覆材料粉末中に埋没させ、非酸化性雰
囲気下で1800〜2000℃に加熱処理することによ
り、C/C基材62の表面にSiC被覆層64を形成し
ている。つまり、多孔質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)
を完全にSiC化してしまうのである。しかしながら、
C/C60には、次の第一及び第二の問題が生じてい
た。
略断面図である。この従来のC/C60は、C/C基材
62の表面にSiC被覆層64が形成されたものであ
り、特開平4−325481号公報に記載されている。
そして、C/C基材の表面を多孔質炭素物質(黒鉛繊維
フェルト)で被包した状態で、これらを珪素源と炭材と
からなる組成の被覆材料粉末中に埋没させ、非酸化性雰
囲気下で1800〜2000℃に加熱処理することによ
り、C/C基材62の表面にSiC被覆層64を形成し
ている。つまり、多孔質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)
を完全にSiC化してしまうのである。しかしながら、
C/C60には、次の第一及び第二の問題が生じてい
た。
【0004】第一の問題は、C/CとSiCとの熱膨張
係数差に起因するものである。C/Cは、分散相の炭素
繊維とマトリックス相の炭素とからなり、炭素繊維の配
向により熱膨張係数に異方性を有する。C/Cの熱膨張
係数は、炭素繊維の繊維方向で約1×10-6/Kと非常
に小さく、SiCの約4〜5×10-6/Kと大きく異な
る。このため、SiC被覆層形成時の千数百℃から常温
まで冷却される過程で、この熱膨張係数差によりSiC
被覆層に多数のクラックが生じる。このようなクラック
は、酸化性ガス等の侵入経路となるため、C/Cの高温
での耐酸化性等を著しく低減させる原因となる。
係数差に起因するものである。C/Cは、分散相の炭素
繊維とマトリックス相の炭素とからなり、炭素繊維の配
向により熱膨張係数に異方性を有する。C/Cの熱膨張
係数は、炭素繊維の繊維方向で約1×10-6/Kと非常
に小さく、SiCの約4〜5×10-6/Kと大きく異な
る。このため、SiC被覆層形成時の千数百℃から常温
まで冷却される過程で、この熱膨張係数差によりSiC
被覆層に多数のクラックが生じる。このようなクラック
は、酸化性ガス等の侵入経路となるため、C/Cの高温
での耐酸化性等を著しく低減させる原因となる。
【0005】第二の問題は、SiC被覆層の欠陥であ
る。上記公報に記載の方法では、C/C基材表面を多孔
質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)で被包し、この多孔質
炭素物質をSiC化することにより、C/C基材そのも
のの食われや変形を防いでいる。しかし、多孔質炭素物
質は、その名の示すとおり多くの気孔があるため、これ
をSiC化したSiC被覆層にも多くの気孔が残存する
ことになる。このような気孔は、強度を低下させるとと
もに、ガスの進入経路になりやすい。
る。上記公報に記載の方法では、C/C基材表面を多孔
質炭素物質(黒鉛繊維フェルト)で被包し、この多孔質
炭素物質をSiC化することにより、C/C基材そのも
のの食われや変形を防いでいる。しかし、多孔質炭素物
質は、その名の示すとおり多くの気孔があるため、これ
をSiC化したSiC被覆層にも多くの気孔が残存する
ことになる。このような気孔は、強度を低下させるとと
もに、ガスの進入経路になりやすい。
【0006】一方、C/C基材とSiC被覆層との熱膨
張係数差の問題を解決しようとする方法として、C/C
基材表層部そのものをSiC化させる技術(コンバージ
ョン法)が知られている。コンバージョン法には、溶融
したSiをC/C基材表面に接触させることによりSi
C化する「液相拡散法」又は「Siペースト法」と呼ば
れる技術(例えば特開平4−305080号公報)や、
高温で蒸発させたSiOガスをC/C基材表面に接触さ
せることによりSiC化する「気相拡散法」又は「ガス
コンバージョン法」と呼ばれる技術(例えば特開平5−
186286号公報)が知られている。これらの技術で
は、C/C基材内部から表面にかけて、Cリッチ組成か
らSiCリッチ組成に徐々に変化させることにより、C
/CとSiCとの熱膨張係数差の影響を緩和しようとし
ている。
張係数差の問題を解決しようとする方法として、C/C
基材表層部そのものをSiC化させる技術(コンバージ
ョン法)が知られている。コンバージョン法には、溶融
したSiをC/C基材表面に接触させることによりSi
C化する「液相拡散法」又は「Siペースト法」と呼ば
れる技術(例えば特開平4−305080号公報)や、
高温で蒸発させたSiOガスをC/C基材表面に接触さ
せることによりSiC化する「気相拡散法」又は「ガス
コンバージョン法」と呼ばれる技術(例えば特開平5−
186286号公報)が知られている。これらの技術で
は、C/C基材内部から表面にかけて、Cリッチ組成か
らSiCリッチ組成に徐々に変化させることにより、C
/CとSiCとの熱膨張係数差の影響を緩和しようとし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たコンバージョン法では、C/C基材表層部をSiC化
する時にCOガスが発生するため、SiC被覆層が多孔
質層となる。この多孔質層は、SiCとC/C基材との
熱膨張係数差の影響を緩和すると考えられる。しかし、
C/C基材そのものがSiC化されることにより、強度
が低下する。しかも、ガスは多孔質層を通過しやすいの
で、亀裂を通して侵入してきた酸化性ガス等によってC
/C基材の酸化等が進行する。このようなことから、超
高温材料としての用途を考えた場合、加熱と冷却とが繰
り返される使用条件においては、多孔質からなるSiC
被覆層は好ましいものではない。
たコンバージョン法では、C/C基材表層部をSiC化
する時にCOガスが発生するため、SiC被覆層が多孔
質層となる。この多孔質層は、SiCとC/C基材との
熱膨張係数差の影響を緩和すると考えられる。しかし、
C/C基材そのものがSiC化されることにより、強度
が低下する。しかも、ガスは多孔質層を通過しやすいの
で、亀裂を通して侵入してきた酸化性ガス等によってC
/C基材の酸化等が進行する。このようなことから、超
高温材料としての用途を考えた場合、加熱と冷却とが繰
り返される使用条件においては、多孔質からなるSiC
被覆層は好ましいものではない。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、第一にC/C
基材とSiC被覆層との熱膨張係数差の影響を抑制で
き、第二にSiC被覆層での気孔の発生を防止できる、
C/Cを提供することにある。
基材とSiC被覆層との熱膨張係数差の影響を抑制で
き、第二にSiC被覆層での気孔の発生を防止できる、
C/Cを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のC/C
は、C/C基材表面にセラミックス被覆層が形成された
C/Cにおいて、C/C基材表面とセラミックス被覆層
との間に、炭素繊維と耐熱性物質のマトリックスとから
なる中間層が形成されたことを特徴とするものである。
しかも、耐熱性物質は、炭化物、酸化物若しくは金属の
いずれか一つ又はこれらを組み合わせたものからなると
ともに、融点又は分解点が1600℃以上である。中間
層が炭素繊維によって強化されているので、C/C基材
とセラミックス被覆層との間に発生する熱膨張係数差に
よる熱応力は、C/C基材とセラミックス被覆層との間
の中間層によって吸収される。したがって、セラミック
ス被覆層では、熱応力によるクラックの発生が抑制され
る。ここで、C/C基材としては、例えば1000本の
炭素繊維束で三次元的に強化されたもの等が好ましい。
セラミックス被覆層の材料としては、SiC、Si3 N
4 、MoSi2 、TiC、ZrC、HfC、TaC、B
4 C、ZrB2 、HfB2 、Al2 O3 、MgO、サイ
アロン等が好ましい。
は、C/C基材表面にセラミックス被覆層が形成された
C/Cにおいて、C/C基材表面とセラミックス被覆層
との間に、炭素繊維と耐熱性物質のマトリックスとから
なる中間層が形成されたことを特徴とするものである。
しかも、耐熱性物質は、炭化物、酸化物若しくは金属の
いずれか一つ又はこれらを組み合わせたものからなると
ともに、融点又は分解点が1600℃以上である。中間
層が炭素繊維によって強化されているので、C/C基材
とセラミックス被覆層との間に発生する熱膨張係数差に
よる熱応力は、C/C基材とセラミックス被覆層との間
の中間層によって吸収される。したがって、セラミック
ス被覆層では、熱応力によるクラックの発生が抑制され
る。ここで、C/C基材としては、例えば1000本の
炭素繊維束で三次元的に強化されたもの等が好ましい。
セラミックス被覆層の材料としては、SiC、Si3 N
4 、MoSi2 、TiC、ZrC、HfC、TaC、B
4 C、ZrB2 、HfB2 、Al2 O3 、MgO、サイ
アロン等が好ましい。
【0010】中間層が炭素繊維と耐熱性物質とからなる
ので、中間層の耐熱性が高い。耐熱性物質としては、S
iC、Si3 N4 、MoSi2 、TiC、ZrC、Hf
C、TaC、B4 C、ZrB2 、HfB2 、Al
2 O3 、MgO、サイアロン、Ir、PtThO2 等が
好ましい。また、中間層は、更に複数の層に分かれ、各
層毎に耐熱性物質の種類が異なるようにしてもよい。こ
の場合は、所望の特性の中間層がより容易に得られる。
耐熱性物質の融点又は分解点が1600℃以上あるの
で、高温でのC/Cの用途に適している。耐熱性物質を
構成する炭化物等は、優れた耐熱性を有する。
ので、中間層の耐熱性が高い。耐熱性物質としては、S
iC、Si3 N4 、MoSi2 、TiC、ZrC、Hf
C、TaC、B4 C、ZrB2 、HfB2 、Al
2 O3 、MgO、サイアロン、Ir、PtThO2 等が
好ましい。また、中間層は、更に複数の層に分かれ、各
層毎に耐熱性物質の種類が異なるようにしてもよい。こ
の場合は、所望の特性の中間層がより容易に得られる。
耐熱性物質の融点又は分解点が1600℃以上あるの
で、高温でのC/Cの用途に適している。耐熱性物質を
構成する炭化物等は、優れた耐熱性を有する。
【0011】請求項2記載のC/Cでは、請求項1記載
のC/Cにおいて、中間層の熱膨張係数が、C/C基材
に近い部分ほどC/C基材に近く、セラミックス被覆層
に近い部分ほどセラミックス被覆層に近い。C/C基材
とセラミックス被覆層との間に発生する熱応力は、熱膨
張係数差の最も大きい部分で最大となる。そこで、請求
項2記載のC/Cでは、C/C基材から中間層を介して
セラミックス被覆層までに至る各部分において、熱膨張
係数差をできるだけ小さくすることで熱応力を分散さ
せ、これにより熱応力の最大値を小さくしている。
のC/Cにおいて、中間層の熱膨張係数が、C/C基材
に近い部分ほどC/C基材に近く、セラミックス被覆層
に近い部分ほどセラミックス被覆層に近い。C/C基材
とセラミックス被覆層との間に発生する熱応力は、熱膨
張係数差の最も大きい部分で最大となる。そこで、請求
項2記載のC/Cでは、C/C基材から中間層を介して
セラミックス被覆層までに至る各部分において、熱膨張
係数差をできるだけ小さくすることで熱応力を分散さ
せ、これにより熱応力の最大値を小さくしている。
【0012】請求項3記載のC/Cでは、請求項1又は
2記載のC/Cにおいて、セラミックス被覆層に対する
中間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内で
ある。一般に、セラミックスと金属との接合において、
セラミックスに対する金属の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内にあるとき、良好な接合が得られる。
このことは、例えば、「高塩治男:ファインセラミック
スの接合技術とその応用、工業材料、34(8) 、(1986),
p.25 」に記載されている。
2記載のC/Cにおいて、セラミックス被覆層に対する
中間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内で
ある。一般に、セラミックスと金属との接合において、
セラミックスに対する金属の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内にあるとき、良好な接合が得られる。
このことは、例えば、「高塩治男:ファインセラミック
スの接合技術とその応用、工業材料、34(8) 、(1986),
p.25 」に記載されている。
【0013】請求項4記載のC/Cでは、請求項1乃至
3記載のC/Cにおいて、耐熱性物質は粒径が1μm以
下の粉末からなる。1μm以下の粒径の粉末を用いれ
ば、炭素繊維相互の隙間を十分に充填できるので、中間
層での気孔の発生が抑えられる。
3記載のC/Cにおいて、耐熱性物質は粒径が1μm以
下の粉末からなる。1μm以下の粒径の粉末を用いれ
ば、炭素繊維相互の隙間を十分に充填できるので、中間
層での気孔の発生が抑えられる。
【0014】請求項7乃至9記載のC/Cでは、セラミ
ックス被覆層は炭化珪素(SiC)からなるSiC被覆
層である。SiC被覆層は、C/Cにとって最も有用性
の高いセラミックス被覆層である。SiC被覆層の形成
方法は、熱CVD、光CVD、プラズマCVD等が好ま
しい。請求項7又は8記載のC/Cでは、中間層が炭素
繊維とZrC又はHfCとからなる。この場合は、中間
層の熱膨張係数をSiC被覆層に近づけることが容易で
ある。中間層の熱膨張係数がSiC被覆層に近いほど、
中間層とSiC被覆層との間の熱応力が低減する。請求
項9記載のC/Cでは、中間層が炭素繊維とIrとから
なる。この場合、Irは高温における酸素透過性が小さ
く金属固有の延性があることから、緻密で強靭な炭素繊
維強化複合材料(中間層)が得られる。
ックス被覆層は炭化珪素(SiC)からなるSiC被覆
層である。SiC被覆層は、C/Cにとって最も有用性
の高いセラミックス被覆層である。SiC被覆層の形成
方法は、熱CVD、光CVD、プラズマCVD等が好ま
しい。請求項7又は8記載のC/Cでは、中間層が炭素
繊維とZrC又はHfCとからなる。この場合は、中間
層の熱膨張係数をSiC被覆層に近づけることが容易で
ある。中間層の熱膨張係数がSiC被覆層に近いほど、
中間層とSiC被覆層との間の熱応力が低減する。請求
項9記載のC/Cでは、中間層が炭素繊維とIrとから
なる。この場合、Irは高温における酸素透過性が小さ
く金属固有の延性があることから、緻密で強靭な炭素繊
維強化複合材料(中間層)が得られる。
【0015】請求項5記載のC/Cの製造方法は、請求
項1乃至4記載のC/Cを製造する方法であって、C/
C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この炭素繊維
ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CVD法を用
いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間層を形成
するとともに、この中間層の表面にセラミックス被覆層
を形成するものである。この製造方法によれば、高品質
の中間層及びSiC被覆層が簡単に得られる。請求項6
記載のC/Cの製造方法では、請求項5記載のC/Cの
製造方法において、炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透
させる際に、炭素繊維ペーパーの表面側ほど多く基材側
ほど少なくスラリーを浸透させる。この製造方法によれ
ば、請求項2記載のC/Cが簡単に得られる。
項1乃至4記載のC/Cを製造する方法であって、C/
C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この炭素繊維
ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CVD法を用
いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間層を形成
するとともに、この中間層の表面にセラミックス被覆層
を形成するものである。この製造方法によれば、高品質
の中間層及びSiC被覆層が簡単に得られる。請求項6
記載のC/Cの製造方法では、請求項5記載のC/Cの
製造方法において、炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透
させる際に、炭素繊維ペーパーの表面側ほど多く基材側
ほど少なくスラリーを浸透させる。この製造方法によれ
ば、請求項2記載のC/Cが簡単に得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るC/Cの一
実施形態を示す概略断面図である。以下、この図面に基
づき説明する。
実施形態を示す概略断面図である。以下、この図面に基
づき説明する。
【0017】本実施形態のC/C10は、C/C基材1
2の表面に中間層14が形成され、中間層14の表面に
SiC被覆層16が形成されたものである。
2の表面に中間層14が形成され、中間層14の表面に
SiC被覆層16が形成されたものである。
【0018】C/C基材12の表面を炭素繊維ペーパー
(図示せず)で被包した後、その表面からスラリー(図
示せず)を含浸させることにより中間層14が形成され
る。このスラリーは、1μm以下の炭化物、酸化物若し
くは金属粉末の一種又はこれらの組み合わせからなる粉
末と、ポリカルボシランのキシレン溶液からなる有機バ
インダーとから構成されている。
(図示せず)で被包した後、その表面からスラリー(図
示せず)を含浸させることにより中間層14が形成され
る。このスラリーは、1μm以下の炭化物、酸化物若し
くは金属粉末の一種又はこれらの組み合わせからなる粉
末と、ポリカルボシランのキシレン溶液からなる有機バ
インダーとから構成されている。
【0019】中間層14の強化に用いられる炭素繊維ペ
ーパーの気孔率は、当初97%であったものが、スラリ
ーを含浸し乾燥することで60%程度に、さらにその上
に熱CVD法によりSiC被覆層16を形成することに
より10%以下とすることができる。また、SiC被覆
層形成時の処理温度が1000℃以上であることから、
スラリーに用いた有機バインダーのポリカルボシランは
無機質化してSiCに変化する。
ーパーの気孔率は、当初97%であったものが、スラリ
ーを含浸し乾燥することで60%程度に、さらにその上
に熱CVD法によりSiC被覆層16を形成することに
より10%以下とすることができる。また、SiC被覆
層形成時の処理温度が1000℃以上であることから、
スラリーに用いた有機バインダーのポリカルボシランは
無機質化してSiCに変化する。
【0020】SiCよりも熱膨張係数の大きい物質の粉
末を炭素繊維相互の隙間に充填することにより、炭素繊
維強化複合材料(中間層14)全体の熱膨張係数を増大
させることができる。この場合、粉末の物質の種類を選
択したり、粉末の充填量を制御したりすることで、炭素
繊維強化複合材料(中間層14)の熱膨張係数を自由に
設計することが可能である。前述したように、SiCの
熱膨張係数は約4〜5×10-6/Kであるから、SiC
被覆層16に対する中間層14の熱膨張係数差を−0.
5から1の範囲内に設計することにより、C/C基材1
2とSiC被覆層16との熱膨張係数差の影響を軽減す
ることができる。
末を炭素繊維相互の隙間に充填することにより、炭素繊
維強化複合材料(中間層14)全体の熱膨張係数を増大
させることができる。この場合、粉末の物質の種類を選
択したり、粉末の充填量を制御したりすることで、炭素
繊維強化複合材料(中間層14)の熱膨張係数を自由に
設計することが可能である。前述したように、SiCの
熱膨張係数は約4〜5×10-6/Kであるから、SiC
被覆層16に対する中間層14の熱膨張係数差を−0.
5から1の範囲内に設計することにより、C/C基材1
2とSiC被覆層16との熱膨張係数差の影響を軽減す
ることができる。
【0021】C/C基材12と中間層14との熱膨張係
数差に起因する熱応力は、中間層14を構成する材料の
一つである炭素繊維の強度が高いため、問題とならな
い。また、中間層14にクラックが発生しても、そのク
ラックは長さが短く幅も狭い。その理由は、炭素繊維と
マトリックス(充填した粉末)との界面が比較的脆弱な
ことから、炭素繊維の引き抜きを起こしながらクラック
が進行するため、クラックの原因となる破壊エネルギー
を低減できるためである。このようにして、C/C基材
10とSiC被覆層16との間で発生する熱応力が中間
層14で緩和されるので、SiC被覆層16でのクラッ
ク発生が抑えられる。
数差に起因する熱応力は、中間層14を構成する材料の
一つである炭素繊維の強度が高いため、問題とならな
い。また、中間層14にクラックが発生しても、そのク
ラックは長さが短く幅も狭い。その理由は、炭素繊維と
マトリックス(充填した粉末)との界面が比較的脆弱な
ことから、炭素繊維の引き抜きを起こしながらクラック
が進行するため、クラックの原因となる破壊エネルギー
を低減できるためである。このようにして、C/C基材
10とSiC被覆層16との間で発生する熱応力が中間
層14で緩和されるので、SiC被覆層16でのクラッ
ク発生が抑えられる。
【0022】図2は、図1のC/C10における中間層
14を示す概略拡大断面図である。以下、図1及び図2
に基づき説明する。
14を示す概略拡大断面図である。以下、図1及び図2
に基づき説明する。
【0023】中間層14は、炭素繊維141と耐熱性物
質の粉末142とからなる炭素繊維強化複合材料であ
る。原料となる炭素繊維ペーパーの気孔サイズ(炭素繊
維相互の隙間)は、約100μm程度である。その隙間
には、1μm以下の粉末142を含むスラリーを用いれ
ば、十分に充填が可能である。
質の粉末142とからなる炭素繊維強化複合材料であ
る。原料となる炭素繊維ペーパーの気孔サイズ(炭素繊
維相互の隙間)は、約100μm程度である。その隙間
には、1μm以下の粉末142を含むスラリーを用いれ
ば、十分に充填が可能である。
【0024】中間層14の熱膨張係数は、SiCに近い
ほど、SiC被覆層16に生じる熱応力を低減できる。
炭素繊維141の熱膨張係数はSiCよりもかなり小さ
いので、粉末142に熱膨張係数の大きい物質を使用す
れば、所望の熱膨張係数の中間層14を得ることができ
る。
ほど、SiC被覆層16に生じる熱応力を低減できる。
炭素繊維141の熱膨張係数はSiCよりもかなり小さ
いので、粉末142に熱膨張係数の大きい物質を使用す
れば、所望の熱膨張係数の中間層14を得ることができ
る。
【0025】例えばSiCよりも熱膨張係数の大きいI
rやPtなどの高融点金属を粉末142に用いれば、そ
れらの特長を生かした炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。特にIrの場合は、高温にお
ける酸素透過性が小さく金属固有の延性があることか
ら、緻密で強靭な炭素繊維強化複合材料(中間層14)
が得られる。
rやPtなどの高融点金属を粉末142に用いれば、そ
れらの特長を生かした炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。特にIrの場合は、高温にお
ける酸素透過性が小さく金属固有の延性があることか
ら、緻密で強靭な炭素繊維強化複合材料(中間層14)
が得られる。
【0026】また、ZrC、HfCなどの炭化物は、も
ちろんSiCよりも熱膨張係数が大きいが、これらを粉
末142に用いてマトリックスを形成した場合に、高温
強度が非常に優れた炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。また、これらの炭化物は、蒸
気圧が非常に低く、かつ、高温で非常に安定であり、本
発明において最も顕著な効果を発揮するものである。こ
れらの炭化物は、それぞれ酸化してZrO2 、HfO2
となることから、SiC被覆層16が損耗しても中間層
14でそれ以上に酸化損耗を防止することが可能とな
る。
ちろんSiCよりも熱膨張係数が大きいが、これらを粉
末142に用いてマトリックスを形成した場合に、高温
強度が非常に優れた炭素繊維強化複合材料(中間層1
4)を得ることができる。また、これらの炭化物は、蒸
気圧が非常に低く、かつ、高温で非常に安定であり、本
発明において最も顕著な効果を発揮するものである。こ
れらの炭化物は、それぞれ酸化してZrO2 、HfO2
となることから、SiC被覆層16が損耗しても中間層
14でそれ以上に酸化損耗を防止することが可能とな
る。
【0027】酸化物は、熱膨張係数が比較的大きいこと
から、高融点であれば粉末142として使用することが
できる。ただし、酸化物は、それ自身が炭素繊維に還元
されることにより、逆に炭素繊維を酸化して機械的強度
を低下させることがある。そのため、その選定にあたっ
ては酸化物生成の標準自由エネルギーを参考にして、で
きるだけ安定な酸化物、例えばMgO,Al2 O3 など
を用いる必要がある。
から、高融点であれば粉末142として使用することが
できる。ただし、酸化物は、それ自身が炭素繊維に還元
されることにより、逆に炭素繊維を酸化して機械的強度
を低下させることがある。そのため、その選定にあたっ
ては酸化物生成の標準自由エネルギーを参考にして、で
きるだけ安定な酸化物、例えばMgO,Al2 O3 など
を用いる必要がある。
【0028】以下に、実施例及び比較例について、それ
ぞれの実験結果に基づき説明する。
ぞれの実験結果に基づき説明する。
【0029】
【実施例】(1)C/C基材上に炭素繊維ペーパーを乗
せ、選択したセラミックス又は金属の粉末を含むスラリ
ーを炭素繊維ペーパーの表面から含浸及び付着させた。
続いて、150℃で溶媒を蒸発させることにより、炭素
繊維ペーパーにスラリーを固着させた。
せ、選択したセラミックス又は金属の粉末を含むスラリ
ーを炭素繊維ペーパーの表面から含浸及び付着させた。
続いて、150℃で溶媒を蒸発させることにより、炭素
繊維ペーパーにスラリーを固着させた。
【0030】C/C基材としては、2次元に繊維強化し
たクロス積層タイプの大和田カーボン工業(株)製「C
/C501(商品名)」を用いた。カタログ値では、C
/Cの面内方向(カーボン繊維織物の積層面に対し水平
方向)及び面外方向(積層面に垂直方向)の熱膨張係数
は、それぞれ1.5×10-6/K及び6.5×10-6/
Kである。
たクロス積層タイプの大和田カーボン工業(株)製「C
/C501(商品名)」を用いた。カタログ値では、C
/Cの面内方向(カーボン繊維織物の積層面に対し水平
方向)及び面外方向(積層面に垂直方向)の熱膨張係数
は、それぞれ1.5×10-6/K及び6.5×10-6/
Kである。
【0031】炭素繊維ペーパーは、東邦レーヨン(株)
製の「ベスファイト・ペーパー(商品名)」(厚さ42
0μm)を、適宜、C/C基材のサイズに合わせて切り
出して用いた。
製の「ベスファイト・ペーパー(商品名)」(厚さ42
0μm)を、適宜、C/C基材のサイズに合わせて切り
出して用いた。
【0032】図3は、炭素繊維ペーパーに含浸させるス
ラリーの組成及び粉末の物性を示す図表である。以下、
この図面に基づき説明する。
ラリーの組成及び粉末の物性を示す図表である。以下、
この図面に基づき説明する。
【0033】スラリーを構成するバインダーには、日本
カーボン工業(株)製のポリカルボシラン(以下「PC
S」という。)の25wt%キシレン溶液を用いた。な
お、バインダーとしてはフェノールレジン等も使用可能
であるが、これらは高温で分解し体積が減少するので、
気孔の発生に注意をする必要がある。各種スラリーは、
粉末重量に対しバインダー溶液を50wt%添加すること
により作製した。すべての粉末は、炭素繊維ペーパーの
気孔のサイズよりも中心粒径が小さいので、浸透するこ
とにより炭素繊維相互の隙間に充填される。炭素繊維ペ
ーパーへのスラリーの含浸量は、固形分に換算して約
0.13g/cm2 である。
カーボン工業(株)製のポリカルボシラン(以下「PC
S」という。)の25wt%キシレン溶液を用いた。な
お、バインダーとしてはフェノールレジン等も使用可能
であるが、これらは高温で分解し体積が減少するので、
気孔の発生に注意をする必要がある。各種スラリーは、
粉末重量に対しバインダー溶液を50wt%添加すること
により作製した。すべての粉末は、炭素繊維ペーパーの
気孔のサイズよりも中心粒径が小さいので、浸透するこ
とにより炭素繊維相互の隙間に充填される。炭素繊維ペ
ーパーへのスラリーの含浸量は、固形分に換算して約
0.13g/cm2 である。
【0034】(2)次に、(1)の工程によって得られ
たコンポジットのグリーン体に対して、1250℃の反
応温度条件下で、熱CVD(化学的気相成長)法により
SiC被覆層を形成した。熱CVD法の条件は、温度1
250℃、圧力1.3kPa、SiCl4 流量0.5l
/min、CH4 流量0.5l/min、等である。こ
の条件下で8時間をかけて、平均膜厚が約90μmのS
iC被覆層を形成した。
たコンポジットのグリーン体に対して、1250℃の反
応温度条件下で、熱CVD(化学的気相成長)法により
SiC被覆層を形成した。熱CVD法の条件は、温度1
250℃、圧力1.3kPa、SiCl4 流量0.5l
/min、CH4 流量0.5l/min、等である。こ
の条件下で8時間をかけて、平均膜厚が約90μmのS
iC被覆層を形成した。
【0035】図4は、中間層のみの物性を把握するた
め、炭素繊維ペーパーに各種スラリーを含浸させ、乾燥
後1250℃で焼結した試料の熱膨張係数を測定した結
果を示すグラフである。以下、この図面に基づき説明す
る。
め、炭素繊維ペーパーに各種スラリーを含浸させ、乾燥
後1250℃で焼結した試料の熱膨張係数を測定した結
果を示すグラフである。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0036】図4には、参考までに、C/C基材の面内
方向の熱膨張係数の実測値、及び研磨によって分離した
SiC被覆層(CVD−SiC)の熱膨張係数の実測値
も示す。図4から明らかなように、炭素繊維ペーパーに
各種の粉末(○、×)を含浸させることにより、熱膨張
係数をC/C基材(□)よりも増大できる。これに対
し、粉末を添加せずにPCSのみを含浸させたもの
(●)は、熱膨張係数がC/C(□)と同程度に低く、
熱膨張係数を増大させる効果がない。熱膨張係数の小さ
いもの(×)は、粉末の充填率が低いためである。すな
わち、粉末の充填率を高くすることにより、熱膨張係数
を増大させることができる。CVD−SiCの熱膨張係
数に近いものは、ZrCの粉末を用いたもの(○)であ
る。
方向の熱膨張係数の実測値、及び研磨によって分離した
SiC被覆層(CVD−SiC)の熱膨張係数の実測値
も示す。図4から明らかなように、炭素繊維ペーパーに
各種の粉末(○、×)を含浸させることにより、熱膨張
係数をC/C基材(□)よりも増大できる。これに対
し、粉末を添加せずにPCSのみを含浸させたもの
(●)は、熱膨張係数がC/C(□)と同程度に低く、
熱膨張係数を増大させる効果がない。熱膨張係数の小さ
いもの(×)は、粉末の充填率が低いためである。すな
わち、粉末の充填率を高くすることにより、熱膨張係数
を増大させることができる。CVD−SiCの熱膨張係
数に近いものは、ZrCの粉末を用いたもの(○)であ
る。
【0037】図5は、本実施例におけるC/C断面を示
す電子顕微鏡写真である。以下、この図面に基づき説明
する。
す電子顕微鏡写真である。以下、この図面に基づき説明
する。
【0038】図5のC/C断面には、粉末の充填量が少
ないため、僅かではあるが気孔が見られる。また、中間
層には、幾つかのクラックが発生している。しかし、中
間層のクラックは、すべてその途中で止まっており、S
iC被覆層にまで進行しているものは見当たらない。こ
のように、炭素繊維で強化した中間層を用いることによ
り、C/CとSiCとの熱膨張係数差に起因する応力を
分散できるので、SiC被覆層でのクラック発生を防止
できる。
ないため、僅かではあるが気孔が見られる。また、中間
層には、幾つかのクラックが発生している。しかし、中
間層のクラックは、すべてその途中で止まっており、S
iC被覆層にまで進行しているものは見当たらない。こ
のように、炭素繊維で強化した中間層を用いることによ
り、C/CとSiCとの熱膨張係数差に起因する応力を
分散できるので、SiC被覆層でのクラック発生を防止
できる。
【0039】
【比較例】図6は、従来のコンバージョン法により第一
のSiC被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に
熱CVD法により第二のSiC被覆層を形成した場合
の、第二のSiC被覆層の表面を示す電子顕微鏡写真で
ある。以下、この図面に基づき説明する。
のSiC被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に
熱CVD法により第二のSiC被覆層を形成した場合
の、第二のSiC被覆層の表面を示す電子顕微鏡写真で
ある。以下、この図面に基づき説明する。
【0040】コンバージョン法としてはガスコンバージ
ョン法を用い、C/C基材表層部を厚さ10μmの第一
のSiC被覆層(中間層)に変換した。続いて、この中
間層の表面に、上記実施例と同じ条件で、熱CVD法に
より第二のSiC被覆層を形成した。第一のSiC被覆
層表面にはコンバージョン法特有の大きな気孔が存在し
ているため、例えば90μmの厚さの第二のSiC被覆
層を形成しても、その気孔を封鎖できなかった。図6
中、クレーター状に観察されるものが、第一のSiC被
覆層表面の気孔に起因する第二のSiC被覆層の欠陥部
分である。そして、この欠陥を基点とし、多数のクラッ
クが第二のSiC被覆層に発生している様子がわかる。
このように、従来のコンバージョン法により第一のSi
C被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に熱CV
D法により第二のSiC被覆層を形成しても、第二のS
iC被覆層に様々な欠陥が発生するので、耐酸化性等の
向上を果たすことができなかった。
ョン法を用い、C/C基材表層部を厚さ10μmの第一
のSiC被覆層(中間層)に変換した。続いて、この中
間層の表面に、上記実施例と同じ条件で、熱CVD法に
より第二のSiC被覆層を形成した。第一のSiC被覆
層表面にはコンバージョン法特有の大きな気孔が存在し
ているため、例えば90μmの厚さの第二のSiC被覆
層を形成しても、その気孔を封鎖できなかった。図6
中、クレーター状に観察されるものが、第一のSiC被
覆層表面の気孔に起因する第二のSiC被覆層の欠陥部
分である。そして、この欠陥を基点とし、多数のクラッ
クが第二のSiC被覆層に発生している様子がわかる。
このように、従来のコンバージョン法により第一のSi
C被覆層を形成し、第一のSiC被覆層の表面に熱CV
D法により第二のSiC被覆層を形成しても、第二のS
iC被覆層に様々な欠陥が発生するので、耐酸化性等の
向上を果たすことができなかった。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載のC/Cによれば、C/C
基材表面とセラミックス被覆層との間に、炭素繊維で強
化した中間層を形成したことにより、C/C基材とセラ
ミックス被覆層との間に発生する熱応力を中間層によっ
て吸収できるので、セラミックス被覆層でのクラック発
生を防止できる。したがって、C/Cの耐酸化性等を向
上できる。しかも、C/C基材には何ら組成面及び構造
面での変化を与えないので、C/C基材本来の材料強度
を維持できる。
基材表面とセラミックス被覆層との間に、炭素繊維で強
化した中間層を形成したことにより、C/C基材とセラ
ミックス被覆層との間に発生する熱応力を中間層によっ
て吸収できるので、セラミックス被覆層でのクラック発
生を防止できる。したがって、C/Cの耐酸化性等を向
上できる。しかも、C/C基材には何ら組成面及び構造
面での変化を与えないので、C/C基材本来の材料強度
を維持できる。
【0042】また、中間層が炭素繊維と耐熱性物質とか
らなるので、中間層の耐熱性を向上できる。更に、耐熱
性物質の融点又は分解点が1600℃以上あるので、よ
り高温で使用できる。これに加え、耐熱性物質が炭化物
等からなるので、耐熱性をより向上できる。
らなるので、中間層の耐熱性を向上できる。更に、耐熱
性物質の融点又は分解点が1600℃以上あるので、よ
り高温で使用できる。これに加え、耐熱性物質が炭化物
等からなるので、耐熱性をより向上できる。
【0043】請求項2記載のC/Cによれば、中間層の
熱膨張係数が、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近いことにより、C/C基材とセラミックス被
覆層との間に発生する熱応力を分散できるので、中間層
及びセラミックス被覆層でのクラック発生を防止でき
る。
熱膨張係数が、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近いことにより、C/C基材とセラミックス被
覆層との間に発生する熱応力を分散できるので、中間層
及びセラミックス被覆層でのクラック発生を防止でき
る。
【0044】請求項3記載のC/Cによれば、セラミッ
クス被覆層に対する中間層の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内であることにより、セラミックス被覆
層と中間層との間に発生する熱応力を低減できるので、
セラミックス被覆層でのクラック発生を防止できる。こ
の場合、中間層とC/C基材との間に発生する熱応力
は、中間層が炭素繊維によって強化されているので、中
間層で吸収できる。
クス被覆層に対する中間層の熱膨張係数差が−0.5か
ら1.0の範囲内であることにより、セラミックス被覆
層と中間層との間に発生する熱応力を低減できるので、
セラミックス被覆層でのクラック発生を防止できる。こ
の場合、中間層とC/C基材との間に発生する熱応力
は、中間層が炭素繊維によって強化されているので、中
間層で吸収できる。
【0045】請求項4記載のC/Cによれば、耐熱性物
質が粒径1μm以下の粉末からなるので、炭素繊維相互
の隙間を十分に充填でき、これにより中間層での気孔の
発生を防止できる。したがって、中間層表面に形成され
るSiC被覆層での気孔の発生も防止できるので、耐酸
化性等を向上できる。
質が粒径1μm以下の粉末からなるので、炭素繊維相互
の隙間を十分に充填でき、これにより中間層での気孔の
発生を防止できる。したがって、中間層表面に形成され
るSiC被覆層での気孔の発生も防止できるので、耐酸
化性等を向上できる。
【0046】請求項7乃至9記載のC/Cによれば、セ
ラミックス被覆層がSiC被覆層であるので、有用性の
高いC/Cを提供できる。請求項7又は8記載のC/C
によれば、中間層が炭素繊維とZrC又はHfCとから
なることにより、中間層の熱膨張係数を容易にSiC被
覆層に近づけることができるので、SiC被覆層でのク
ラック発生を防止できる。しかも、SiC被覆層が酸化
損耗したとしても、中間層のZrC又はHfCが酸化し
てZrO2 又はHfO2 となることにより、SiC以上の
耐酸化性を発揮できる。請求項9記載のC/Cによれ
ば、中間層が炭素繊維とIrとからなることにより、I
rは高温における酸素透過性が小さく金属固有の延性が
あることから、緻密で強靭な炭素繊維強化複合材料(中
間層)を得ることができる。
ラミックス被覆層がSiC被覆層であるので、有用性の
高いC/Cを提供できる。請求項7又は8記載のC/C
によれば、中間層が炭素繊維とZrC又はHfCとから
なることにより、中間層の熱膨張係数を容易にSiC被
覆層に近づけることができるので、SiC被覆層でのク
ラック発生を防止できる。しかも、SiC被覆層が酸化
損耗したとしても、中間層のZrC又はHfCが酸化し
てZrO2 又はHfO2 となることにより、SiC以上の
耐酸化性を発揮できる。請求項9記載のC/Cによれ
ば、中間層が炭素繊維とIrとからなることにより、I
rは高温における酸素透過性が小さく金属固有の延性が
あることから、緻密で強靭な炭素繊維強化複合材料(中
間層)を得ることができる。
【0047】請求項5記載のC/Cの製造方法によれ
ば、C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間
層を形成するとともに、この中間層の表面にセラミック
ス被覆層を形成することにより、特別な設備を必要とす
ることなく、ありふれた設備を用いて本発明に係るC/
Cを簡単に製造できる。
ば、C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、炭素繊維ペーパーとスラリーとから中間
層を形成するとともに、この中間層の表面にセラミック
ス被覆層を形成することにより、特別な設備を必要とす
ることなく、ありふれた設備を用いて本発明に係るC/
Cを簡単に製造できる。
【0048】請求項6記載のC/Cの製造方法によれ
ば、炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させる際に、炭
素繊維ペーパーの表面側ほど多くC/C基材側ほど少な
くスラリーを浸透させることにより、中間層の熱膨張係
数を、簡単に、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近くすることができる。
ば、炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させる際に、炭
素繊維ペーパーの表面側ほど多くC/C基材側ほど少な
くスラリーを浸透させることにより、中間層の熱膨張係
数を、簡単に、C/C基材に近い部分ほどC/C基材に
近く、セラミックス被覆層に近い部分ほどセラミックス
被覆層に近くすることができる。
【0049】請求項10乃至12記載のC/Cの製造方
法によれば、ポリカルボシランをスラリーに用いたこと
により、フェノールレジン等を用いた場合に比べて、高
温で分解して体積が減少することによる気孔の発生を防
止できる。
法によれば、ポリカルボシランをスラリーに用いたこと
により、フェノールレジン等を用いた場合に比べて、高
温で分解して体積が減少することによる気孔の発生を防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るC/Cの一実施形態を示す概略断
面図である。
面図である。
【図2】図1のC/Cにおける中間層を示す概略拡大断
面図である。
面図である。
【図3】本発明の実施例における、炭素繊維ペーパーに
含浸させるスラリーの組成及び粉末の物性を示す図表で
ある。
含浸させるスラリーの組成及び粉末の物性を示す図表で
ある。
【図4】本発明の実施例における中間層の熱膨張係数を
測定した結果を示すグラフである。
測定した結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例におけるC/C断面を示す電子
顕微鏡写真である。
顕微鏡写真である。
【図6】従来技術におけるSiC被覆層の表面を示す電
子顕微鏡写真である。
子顕微鏡写真である。
【図7】従来のC/Cを示す概略断面図である。
【符号の説明】 10 C/C 12 C/C基材 14 中間層 141 炭素繊維 142 粉末 16 SiC被覆層(セラミックス被覆層)
Claims (12)
- 【請求項1】 炭素繊維強化炭素複合材料(以下、「C
/C」と略称する。)基材表面にセラミックス被覆層が
形成されたC/Cにおいて、 前記C/C基材表面と前記セラミックス被覆層との間
に、繊維強化複合材料からなる中間層が形成されたこと
を特徴とするC/C。 - 【請求項2】 前記中間層は炭素繊維と耐熱性物質とか
らなる繊維強化複合材料である、請求項1記載のC/
C。 - 【請求項3】 前記耐熱性物質は融点又は分解点が16
00℃以上である、請求項2記載のC/C。 - 【請求項4】 前記耐熱性物質は、炭化物、酸化物若し
くは金属のいずれか一つ又はこれらを組み合わせたもの
からなる、請求項2又は3記載のC/C。 - 【請求項5】 前記中間層の熱膨張係数は、前記C/C
基材に近い部分ほど当該C/C基材に近く、前記セラミ
ックス被覆層に近い部分ほど当該セラミックス被覆層に
近い、請求項1,2,3又は4記載のC/C。 - 【請求項6】 前記セラミックス被覆層に対する前記中
間層の熱膨張係数差が−0.5から1.0の範囲内であ
る、請求項1,2,3,4又は5記載のC/C。 - 【請求項7】 前記耐熱性物質は粒径が1μm以下の粉
末からなる、請求項2,3又は4記載のC/C。 - 【請求項8】 前記セラミックス被覆層は炭化珪素(S
iC)からなるSiC被覆層である、請求項1,2,
3,4,5,6又は7記載のC/C。 - 【請求項9】 前記中間層は炭素繊維とZrCとからな
る繊維強化複合材料である、請求項8記載のC/C。 - 【請求項10】 前記ZrCは、前記C/C基材に近い
部分ほど少なく、前記SiC被覆層に近い部分ほど多
い、請求項9記載のC/C。 - 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9又は10記載のC/Cを製造する方法であって、 前記C/C基材表面を炭素繊維ペーパーで被包し、この
炭素繊維ペーパーにスラリーを浸透させ、続いて熱CV
D法を用いて、前記炭素繊維ペーパーと前記スラリーと
から前記中間層を形成するとともに、当該中間層の表面
に前記セラミックス被覆層を形成する、C/Cの製造方
法。 - 【請求項12】 前記炭素繊維ペーパーに前記スラリー
を浸透させる際に、当該炭素繊維ペーパーの表面側ほど
多く前記C/C基材側ほど少なくスラリーを浸透させ
る、請求項11記載のC/Cの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9072298A JPH11268978A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9072298A JPH11268978A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11268978A true JPH11268978A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=14006455
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9072298A Pending JPH11268978A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11268978A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114262216A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-01 | 哈尔滨工业大学 | 一种利用TiC改性莫来石制备环境障涂层中间层的方法 |
| CN116082053A (zh) * | 2023-02-24 | 2023-05-09 | 中南大学 | 一种陶瓷改性碳/碳复合材料的快速制备方法 |
| KR20240033609A (ko) * | 2022-09-05 | 2024-03-12 | 한국세라믹기술원 | 초고내열 세라믹 섬유 강화 복합 소재 |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP9072298A patent/JPH11268978A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114262216A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-01 | 哈尔滨工业大学 | 一种利用TiC改性莫来石制备环境障涂层中间层的方法 |
| CN114262216B (zh) * | 2021-12-30 | 2023-04-11 | 哈尔滨工业大学 | 一种利用TiC改性莫来石制备环境障涂层中间层的方法 |
| KR20240033609A (ko) * | 2022-09-05 | 2024-03-12 | 한국세라믹기술원 | 초고내열 세라믹 섬유 강화 복합 소재 |
| CN116082053A (zh) * | 2023-02-24 | 2023-05-09 | 中南大学 | 一种陶瓷改性碳/碳复合材料的快速制备方法 |
| CN116082053B (zh) * | 2023-02-24 | 2024-05-03 | 中南大学 | 一种陶瓷改性碳/碳复合材料的快速制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19991216 |