JPH11269329A5 - - Google Patents

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JPH11269329A5
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【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記熱可塑性エラストマー組成物が提供されて、上記目的が達成される。
〔1〕(イ)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、エチレン含量および非共役ジエン含量の少なくともいずれかが異なる2種類以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを含むエチレン系共重合ゴム混合物、(ロ)オレフィン系樹脂、および所望により配合される(ハ)鉱物油系軟化剤を架橋剤の存在下で動的に熱処理してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
〔2〕上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物が、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、エチレン含量および非共役ジエン含量の少なくともいずれかが異なる2種類以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを含む溶液を脱溶媒して得られるものであることを特徴とする上記〔1〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔3〕上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物が、エチレン、α−オレフィンおよび非共役ジエンを異なった条件下で連続的に多段共重合した後、重合溶液を脱溶媒して得られたものであることを特徴とする上記〔2〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔4〕上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物中の、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)の最も低いものと、最も高いもののムーニー粘度の差が50以上である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔5〕上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物中の、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度 ( ML1 + 4,100℃ ) の最も低いもの(a)と、最も高いもの(b)の重量割合((a)/(b))が、10/90〜90/10である上記〔4〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔6〕上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物が、平均値として30〜85重量%のエチレン含量を有する上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔7〕上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と上記(ロ)オレフィン系樹脂の重量割合((イ)/(ロ))が、95/5〜10/90である上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】
上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物(以下、単に「ゴム混合物」ともいう)は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、エチレン含量および非共役ジエン含量の少なくともいずれかが異なる2種類以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴム(以下、「エチレン系共重合ゴム」という)の混合物である。
(イ)ゴム混合物を得る方法として、(a)ムーニー粘度、エチレン含量および非共役ジエン含量の少なくともいずれかが異なる複数のエチレン系共重合ゴムを個々に重合し溶媒を除去した後、固体状であるいは溶融状態で混合する方法、または、上記の異なる複数のエチレン系共重合ゴムをベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒もしくはクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などの良溶媒に均一に溶解して溶液となした後、脱溶媒する方法、(b)個別に重合して得られる上記の異なる複数のエチレン系共重合ゴムの複数の重合溶液を混合して調製された溶液を脱溶媒する方法、(c)多段重合により得られる上記の異なる複数のエチレン系共重合ゴムを含有する重合溶液を脱溶媒する方法、などを挙げることができるが、これらの方法に制限されない。脱溶媒の方法は、それ自体公知の方法が採用され、例えばスチームストリッピング法、フラッシュ法などの方法で脱溶媒することができる。
【0006】
これらの(イ)成分の製造法で好ましいのは、(b)と(c)の溶液状のエチレン系共重合ゴムを脱溶媒して固体状のエチレン系共重合ゴム混合物を得る方法であり、特に好ましいのは(c)の多段重合する方法である。
【0007】
上記エチレン系共重合ゴムは、エチレン、α−オレフィン(炭素数が3以上、好ましくは3〜8)および非共役ジエンを共重合した無定形ランダム共重合体である。上記α−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1ーペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどが挙げられる。また、公知の方法でエチレン系ランダム共重合体に分岐構造を付与することも可能である。分岐構造を付与するための好ましいジエンとしては、1,9−デカジエンやノルボルナジエンなどがあげられる。
【0008】
エチレン系共重合ゴムは、エチレン含量が15〜95重量%、特に30〜85重量%であることが好ましく、非共役ジエン共重合量が、ヨウ素価表示で1〜60、特に5〜50であることが好ましい。
【0009】
2種類以上のエチレン系共重合ゴムを含有する(イ)エチレン系共重合ゴム混合物は、平均値としてエチレン含量が好ましくは30〜85重量%、さらに好ましくは40〜80重量%であり、非共役ジエン共重合量が、ヨウ素価表示で好ましくは5〜50、より好ましくは10〜45である。(イ)ゴム混合物のエチレン含量が上記範囲であることにより、得られる本発明の熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性、弾性回復性、および機械的強度バランスがとれ、好ましい結果となる。また非共役ジエン含量が上記範囲であることにより、動的に熱処理する際に、適度な部分架橋が生じ、ゲルの発生の少ない熱可塑性エラストマー組成物が得られる。このような(イ)ゴム混合物は得られる組成物の柔軟性や弾性回復性の観点から非結晶あるいは低結晶性であることが好ましい。結晶化度は密度に関係し、一般にその結晶化度をより簡便に密度で代用することができる。本発明の(イ)ゴム混合物においてはその密度が0.89g/cm3以下であることが好ましい。
【0010】
2種類以上のエチレン系共重合ゴム混合物は、柔軟性、弾性回復性、機械的強度等の機械的特性と、成形加工性などのバランスを向上させるために、複数のエチレン系共重合ゴムのうち、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)の最も低いものと、最も高いものとのムーニー粘度の差が50以上であることが好ましく、特に好ましくは100以上である。このようにムーニー粘度に差のある2種類以上のエチレン系共重合ゴムを用いることにより、従来の1段で重合した場合には困難であった特異的な分子量分布を付与することが可能であり、得られる熱可塑性エラストマー組成物に、柔軟性、弾性回復性、機械的強度等の機械的特性と、成形加工性などのバランスを向上させることにおいて、きわめて効果的である。
【0011】
本発明の(イ)ゴム混合物の好ましいムーニー粘度(ML1+4100℃)は、油展されている場合も含んで、機械的強度、弾性回復性および成形加工性の観点から、30〜500、さらに好ましくは60〜200、特に好ましくは80〜170である。(イ)ゴム混合物の好ましいムーニー粘度(ML1+4100℃)を上記範囲とするには、ムーニー粘度が50以上差のある2種類のエチレン系共重合ゴムを混合したとき、ムーニー粘度の加成性がほぼ成立するので、計算で如何なる割合で複数のエチレン系共重合ゴムを混合したらよいかを知ることが出来、また実験的にも予め知ることができる。好ましい両者の重量割合は、10/90〜90/10である。
【0013】
エチレン系共重合ゴムは、中・低圧法による通常の重合法、例えば、適当な溶媒中、遷移金属化合物と有機金属化合物とからなるチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒の存在下で、エチレン、α−オレフィン、非共役ジエンを必要に応じて分子量調整剤として水素を供給しつつ重合する方法により製造することができる。その際の重合は、気相法でも液相法でも実施できる。また、エチレン系共重合ゴム混合物は、2種類以上のエチレン系共重合ゴムの溶液を脱溶媒したものを単独でまたは2種以上を併用することができる。また、エチレン系共重合ゴムの水素原子の一部が塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されたハロゲン化エチレン系共重合ゴム:あるいは塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸もしくはその誘導体(例えばメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等)、マレイン酸もしくはその誘導体(例えば無水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、共役ジエン(例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)等の不飽和モノマーがグラフト重合したグラフト共重合体を使用することもできる。
【0017】
(ハ)鉱物油系軟化剤の添加(油展)は、(i)重合で得られたエチレン系共重合ゴム溶液に所定量の鉱物油系軟化剤を添加、混合した後に、スチームストリッピング等の方法で脱溶媒する方法、(ii)バンバリーミキサー、加圧ニーダーおよびロールなど通常のゴムの油展に用いられる装置を使用する方法、(iii)(イ)ゴム混合物と(ロ)オレフィン系樹脂を動的に熱処理する際に添加する方法など通常ゴムの油展に使われる方法、(iv)公知の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法で油展する方法等が用いられる。
エチレン系共重合ゴムの重合時に鉱物油系軟化剤を添加する場合、鉱物油系軟化剤は、多段重合する際のいずれの段階で入れてもよい。また、エチレン系共重合ゴムの重合溶液を混合する時に鉱物油系軟化剤を添加する場合、鉱物油系軟化剤は、いずれの重合溶液あるいは混合後のいずれの混合液に入れてもよい
【0018】
なお、(ハ)鉱物油系軟化剤を(イ)ゴム混合物100重量部に対して20〜300重量部添加し、その後脱溶媒して油展された(イ)ゴム混合物を得る場合、油展前の(イ)ゴム混合物のムーニー粘度は、油展された(イ)ゴム混合物よりも高ムーニー粘度であり、好ましくは100〜500、更に好ましくは250〜480、特に好ましくは350〜450である。ムーニー粘度が100未満では、(イ)ゴム混合物のゴムベール、クラム、ペレットなどからのオイルのブリードが激しく、製品の保管上から好ましくない。ムーニー粘度が500を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性が劣り好ましくない。
【0020】
(1)硫黄および硫黄化合物
本発明に用いられる硫黄および硫黄化合物は、通常ゴムの加硫に用いられるものを指し、一般的に製造・販売されている、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄および不溶性硫黄などの硫黄や、塩化硫黄、二塩化硫黄、モリホルンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、ジブチルチオウレアなどのチオウレア類、メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドや2-(4-モリホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛やジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチオカルバミン酸塩類など硫黄化合物を用いることができる。
【0021】
(2)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えばジクミルペルオキシド、ジ第3ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(第3ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(第3ブチルペルオキシ)バレレード、ベンゾイルペルオキシド、p−クロルベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロルベンゾイルペルオキシド、第3ブチルペルオキシベンゾエート、第3ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、第3ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらの有機過酸化物の中でも、分解反応が穏やかでゴムと樹脂成分がより均一に混合した後に架橋反応が進むものが好ましい。分解反応が穏やかな有機過酸化物とは、たとえば1分間半減期温度を指標として表すことが可能であり、この1分間半減期温度が充分に高く、150℃以上のものが好ましく、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが挙げられ、特に1分間半減期温度の長い2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)−ヘキシン−3が最も好ましい。
【0022】
架橋剤と共に適当な架橋助剤を存在させると、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。架橋助剤としては、イオウ、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジアリールファレート、ジアリールフタレート、テトラアリールオキシエタン、トリアリールシアヌレート、ジアリールフタレート、テトラアリールオキシエタン、トリアリールシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛、トリ(メタ)アクリル酸アルミ、ジ(メタ)アクリル酸マグネシウムなどが用いられる。好ましくはN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、ジビニルベンゼンを用いるのが望ましい。また、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド単独やジ(メタ)アクリル酸亜鉛、トリ(メタ)アクリル酸アルミ、ジ(メタ)アクリル酸マグネシウムのアクリル酸金属塩単独で架橋剤として用いることもできる。
【0023】
これらの有機過酸化物は、均一かつ緩和な部分架橋を行う観点から、(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と(ロ)ポリオレフィン系樹脂成分の合計量100重量部に対して、好ましくは0.02〜1.5重量部、より好ましくは0.05〜1.0重量部の割合で配合して用いられる。また架橋助剤は、(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と(ロ)ポリオレフィン系樹脂成分の合計量100重量部当たり3重量部以下、好ましくは0.2〜2重量部の割合で用いることが望ましい。配合割合がこの範囲内であれば、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、均一性およびそれに伴う加工性が維持される。なお、過剰の使用は、未反応の単量体として熱可塑性エラストマー組成物中に残存し、それを成形加工する際の熱履歴により物性の変化を生じる場合があるので注意が必要である。
【0027】
上記フェノール系架橋剤の使用量は、本発明の熱可塑性エラストマーの架橋を適切にし、耐油性、形状回復性、柔軟性を良好にするために(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と(ロ)オレフィン系樹脂の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部、更に好ましくは0.4〜2重量部である。架橋剤は単独でも使用できるが、架橋速度を調節するために、架橋促進剤と併用することもできる。架橋促進剤としては、塩化第一スズ、塩化第二鉄の金属ハロゲン化物、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、臭化ブチルゴム、クロロプレンゴムなどの有機ハロゲン化物を用いることができる。また酸化亜鉛のような金属酸化物やステアリン酸などの分散剤を併用することにより、好ましい結果が得られる。
【0028】
(4)キノイド系架橋剤
好ましいキノイド系架橋剤として、p−キノンジオキシムの誘導体を挙げることができる。具体的には、p−ベンゾキノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジアミド等である。キノイド系架橋剤の使用量は、既に述べたフェノール系架橋剤の場合と同じ理由で、(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と(ロ)オレフィン系樹脂の合計量100重量部に対して好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜7重量部、更に好ましくは0.8〜3重量部である。架橋剤は単独でも使用できるが、架橋速度を調節するために、架橋促進剤と併用することもできる。架橋促進剤としては、鉛丹、ジベンゾチアゾイルサルファイド、テトラクロロベンゾキノンなどの酸化剤を用いることができる。また、酸化亜鉛のような金属酸化物やステアリン酸などの分散剤を用いることにより、より好ましい結果が得られる。
【0029】
(5)アクリル酸金属塩系架橋剤
アクリル酸金属塩系架橋剤とはアクリル酸やメタアクリル酸などのアクリル酸と亜鉛やカルシウムなどとの化合物であり、通常、例えば酸化亜鉛や炭酸亜鉛とメタクリル酸との反応により得られる。具体的にはジメタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸カルシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、ジメタクリル酸モノヒドロキシアルミニウムやトリメタクリル酸アルミニウム、ジアクリル酸亜鉛、ジアクリル酸カルシウム、ジアクリル酸マグネシウム、ジアクリル酸モノヒドロキシアルミニウムやトリアクリル酸アルミニウムなどである。アクリル酸金属塩系架橋剤を主成分として動的に熱処理を行う場合のアクリル酸金属塩系架橋剤の好ましい使用量は、(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と(ロ)オレフィン系樹脂の合計量100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは4〜12重量部である。
【0030】
(6)ビスマレイミド系架橋剤
ビスマレイミド系架橋剤として通常用いられるものは、N,N'-m-フェニレンビスマレイミドである。ビスマレイミド系架橋剤は通常有機過酸化物架橋の架橋助剤として用いられるが、単独で用いた場合でも架橋反応がおこることが知られている。ビスマレイミド系架橋剤の好ましい使用量は(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と(ロ)オレフィン系樹脂の合計量100重量部に対して、0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部である。
【0031】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、その用途に応じ、機械的強度、柔軟性、成形性を阻害しない程度の量の酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、防菌・防かび剤、粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー、タルク、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂などの充填剤ブチルゴムやNBRなどのゴム質重合体、熱可塑性樹脂、低結晶性プロピレン系重合体、水添ジエン系重合体などの熱可塑性エラストマーなどを適宜配合することができる。
【0032】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、(イ)エチレン系共重合ゴム混合物、(ロ)オレフィン系樹脂、および(ハ)鉱物油系軟化剤を前記架橋剤の存在下で動的に熱処理を施して得られる。本発明において動的に熱処理を施すとは、架橋剤の存在下で(イ)成分と(ロ)成分の溶融混練・分散と(イ)成分の架橋反応を同時にあるいは連続的に行うものである。このような操作を行うことにより部分的にあるいは完全に架橋された(イ)成分が(ロ)成分中に浮かぶ海島構造をもつオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。動的な熱処理の温度条件は(ロ)成分の溶融と架橋反応とのバランスが良い150℃〜250℃の範囲で行うのが好ましい。
【0039】
(2)(ロ)成分(オレフィン系樹脂)
PP−1:ポリプロピレン〔日本ポリケム製MA−03〕
PP−2:ランダムポリプロピレン〔日本ポリケム製MG−03A〕
PP−3:ブロックポリプロピレン〔日本ポリケム製BC−03C〕
PP−4:ブロックポリプロピレン〔日本ポリケムBC−5CW〕
PP−5:ランダムポリプロピレン〔日本ポリケム製EX−6〕
PE:線状低密度ポリエチレン〔日本ポリケム製、UJ370〕
(3)(ハ)成分(鉱物油系軟化剤)
oil-1:パラフィン系オイル〔出光興産製、PW−380〕
oil-2:ナフテン系オイル〔出光興産製、NS−100〕
(4)架橋剤成分
架橋剤1:2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)−ヘキシン−3〔日本油脂製
パーヘキシン25B−40〕
架橋剤2:N,N’−m−フェニレンビスマレイミド〔大内新興製バルノックPM〕
架橋剤3:アルキルフェノールホルムアルデヒド〔田岡化学製タッキロール201〕
架橋剤4:臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド〔田岡化学製タッキロール250〕
架橋剤5:p-ベンゾキノンジオキシム 〔川口化学製 アクターQ〕
架橋剤6:テトラクロロベンゾキノン 〔川口化学製 アクターCL〕
架橋剤7:ジメタクリル酸亜鉛 〔浅田化学製〕
【0042】
(実施例1〜32、比較例1〜10)
表3〜6に示す配合処方により、以下の手順に従い組成物を調整した。槽内温度が180℃に設定された加圧式ニーダー(森山製作所製、内容量10L)へポリマー、軟化剤等を投入し180秒溶融混合後排出した。排出した組成物を、フィーダールーダーを用いて連続的に押し出し、ストランドカットすることによりマッスターバッチペレットを作成した。得られたマスターバッチペレットと架橋剤とをブレンドしたものを、二軸押出機(池貝製、PCM-45)で連続的に動的に熱処理を施し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。なお、比較例9および10では、共重合ゴムEP−9を用いてマッスターバッチペレットを作成し、それに架橋剤をブレンドし、それぞれ共重合ゴムEP−11、EP−12と共に動的熱処理を行なう上記二軸押出機に供給した。
【0047】
【表6】

Claims (7)

  1. (イ)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、エチレン含量および非共役ジエン含量の少なくともいずれかが異なる2種類以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを含むエチレン系共重合ゴム混合物、(ロ)オレフィン系樹脂、および所望により配合される(ハ)鉱物油系軟化剤を架橋剤の存在下で動的に熱処理してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物が、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、エチレン含量および非共役ジエン含量の少なくともいずれかが異なる2種類以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを含む溶液を脱溶媒して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物が、エチレン、α−オレフィンおよび非共役ジエンを異なった条件下で連続的に多段共重合した後、重合溶液を脱溶媒して得られたものであることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物中の、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)の最も低いものと、最も高いもののムーニー粘度の差が50以上である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物中の、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)の最も低いもの(a)と、最も高いもの(b)の重量割合((a)/(b))が、10/90〜90/10である請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物が、平均値として30〜85重量%のエチレン含量を有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 上記(イ)エチレン系共重合ゴム混合物と上記(ロ)オレフィン系樹脂の重量割合((イ)/(ロ))が、95/5〜10/90である請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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